JPH10186727A - 現像剤の製造方法 - Google Patents

現像剤の製造方法

Info

Publication number
JPH10186727A
JPH10186727A JP33964496A JP33964496A JPH10186727A JP H10186727 A JPH10186727 A JP H10186727A JP 33964496 A JP33964496 A JP 33964496A JP 33964496 A JP33964496 A JP 33964496A JP H10186727 A JPH10186727 A JP H10186727A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
developer
amount
quaternary ammonium
ammonium salt
precursor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33964496A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeaki Ouchi
武明 大内
Junichi Saito
純一 斎藤
Yoshitaka Urata
佳孝 浦田
Yasuharu Morinishi
康晴 森西
Toshihiko Murakami
登司彦 村上
Satoru Ogawa
哲 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP33964496A priority Critical patent/JPH10186727A/ja
Publication of JPH10186727A publication Critical patent/JPH10186727A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ほぼ一定の帯電性等の性能、即ち、品質が一
定の現像剤を簡便な工程で、安定的に生産性良く得るこ
とができる製造方法を提供する。 【解決手段】 現像剤前駆体中の四級アンモニウム塩の
熱分析による吸熱量に基づいて、該現像剤前駆体に対す
る外添剤の添加量を増減させる。四級アンモニウム塩
は、一般式(1) 【化5】 (式中、R1 はC1〜8のアルキル基を表し、R2 ,R
3 はそれぞれ独立してC2〜18のアルキル基を表し、
4 はC1〜8のアルキル基またはベンジル基を表す)
で表される化合物がより好ましい。外添剤は、ハイドロ
タルサイトを含んでいることがより好ましい。吸熱量が
0.4J/g以下である場合には、現像剤前駆体に対す
るハイドロタルサイトの添加量を0.1重量%を越え、
0.4重量%以下の範囲内とする。該吸熱量が0.4J
/gを越える場合には、該添加量を0.05重量%以
上、0.1重量%以下の範囲内とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電潜像を現像す
る乾式プロセスを備えた例えば複写機、プリンター、フ
ァクシミリ装置等の電子写真装置に供される現像剤の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】静電潜像を現像する乾式プロセスを備え
た例えば複写機、プリンター、ファクシミリ装置等の電
子写真装置に供される現像剤は、微粉末状であり、一般
に、合成樹脂中に着色剤、帯電制御剤等を分散させてな
っている。着色剤である染料や顔料は、現像剤、即ち、
画像を着色するために添加される。帯電制御剤は、良好
な現像を行うのに必要な帯電量を、現像剤が安定して得
ることができるように添加される。つまり、該帯電制御
剤は、現像剤の帯電量を調節することにより、該現像剤
を用いて現像した画像が良好な状態を保つことができる
ように添加される。現像剤が正帯電トナーである場合に
は、帯電制御剤として四級アンモニウム塩が多用されて
いる。
【0003】上記の現像剤は、合成樹脂、着色剤、帯電
制御剤等の原材料を混合、混練した後、得られた混練物
を粉砕、分級することにより製造される。そして、分級
することにより粒子径が揃えられた混練物(以下、現像
剤前駆体と記す)には、通常、該粒子径の1/10〜1
/10,000程度の大きさの一次粒子径を有する外添
剤が添加(外添)される。現像剤前駆体に外添剤を添加
することにより、得られる現像剤の流動性および帯電性
が向上すると共に、これら両物性の安定性も向上する。
【0004】ところで、四級アンモニウム塩は、熱によ
って変性或いは相変化することにより吸熱量が変化し、
現像剤の帯電性、即ち、性能に影響を与えることが知ら
れている。そこで、良好な性能を有する現像剤として、
特開平6−3860号公報には、熱分析による吸収ピー
クを2つ有する四級アンモニウム塩を含むトナー(現像
剤)が開示されている。該公報においては、トナーを製
造する際に行う混練の条件、つまり、製造条件を変更す
ることにより、四級アンモニウム塩が或る特定の状態と
なるように調整している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、或る一
定の混練条件で混練しても、原材料の混練状態は毎回微
妙に異なり、安定化させることが極めて困難である。混
練状態が毎回微妙に異なると、四級アンモニウム塩は熱
によって変性或いは相変化するので吸熱量が変化し、該
四級アンモニウム塩を或る特定の状態とすること、つま
り、ほぼ一定の帯電性を有する現像剤を得ることは困難
である。それゆえ、ほぼ一定の性能を有する現像剤を製
造するには、混練の条件、つまり、製造条件を適宜変更
しなければならない。具体的には、原材料を混練してい
る最中に混練物の一部を取り出して熱分析を行い、その
結果に応じて原材料を混練する混練機の運転条件(製造
条件)を変更しなければならない。従って、上記従来の
製造方法は、その工程が煩雑であり、しかも、ほぼ一定
の性能を有する現像剤を得ること、即ち、品質が一定の
現像剤を安定して得ることが困難であるという問題点を
有している。
【0006】また、上記従来の製造方法では、熱分析の
結果に応じて混練機の運転条件を変更するので、熱分析
を行っている間も原材料は混練され続けることになる。
従って、予め設定した帯電性を有する現像剤が得られな
い場合がある。この場合には、得られた規格外の現像剤
を廃棄しなければならないので、現像剤の生産性が低下
するという問題点も有している。
【0007】さらに、上記従来の製造方法では、混練機
の運転条件を途中で変更するので、合成樹脂に対する着
色剤、帯電制御剤等の分散性が低下する。従って、該現
像剤を用いて現像すると、画像の白地部分が汚れるいわ
ゆる白地カブリが発生したり、或いは、定着オフセット
の発生や、感光体への現像剤の付着を引き起こす等の不
都合が生じる。
【0008】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、ほぼ一定の帯電性等の性能
を有する現像剤を簡便な工程で製造する方法、即ち、品
質が一定の現像剤を安定的に生産性良く得ることができ
る製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記従
来の問題点を解決すべく、現像剤の製造方法について鋭
意検討した。その結果、四級アンモニウム塩を含む現像
剤前駆体と、外添剤とからなる現像剤を製造する際に、
現像剤前駆体中の四級アンモニウム塩の熱分析による吸
熱量に基づいて、該現像剤前駆体に対する外添剤の添加
量を増減させることにより、四級アンモニウム塩の熱に
よる変性或いは相変化によって現像剤前駆体の帯電性が
変化した場合においても、ほぼ一定の帯電性等の性能を
有する現像剤が得られること、即ち、品質が一定の現像
剤を安定的に生産性良く得ることができることを見い出
して、本発明を完成させるに至った。
【0010】即ち、請求項1記載の発明の現像剤の製造
方法は、上記の課題を解決するために、四級アンモニウ
ム塩を含む現像剤前駆体と、外添剤とからなる現像剤を
製造する方法であって、現像剤前駆体中の四級アンモニ
ウム塩の熱分析による吸熱量に基づいて、該現像剤前駆
体に対する外添剤の添加量を増減させることを特徴とし
ている。
【0011】請求項2記載の発明の現像剤の製造方法
は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の現像
剤の製造方法において、上記四級アンモニウム塩が、一
般式(1)
【0012】
【化2】
【0013】(式中、R1 は炭素数1〜8のアルキル基
を表し、R2 ,R3 はそれぞれ独立して炭素数2〜18
のアルキル基を表し、R4 は炭素数1〜8のアルキル基
またはベンジル基を表す)で表される化合物であり、か
つ、上記外添剤がハイドロタルサイトを含むことを特徴
としている。
【0014】請求項3記載の発明の現像剤の製造方法
は、上記の課題を解決するために、請求項2記載の現像
剤の製造方法において、上記一般式(1)で表される四
級アンモニウム塩の熱分析による吸熱量が0.4J/g
以下である場合には、現像剤前駆体に対する上記ハイド
ロタルサイトの添加量を0.1重量%を越え、0.4重
量%以下の範囲内とする一方、該吸熱量が0.4J/g
を越える場合には、該添加量を0.05重量%以上、
0.1重量%以下の範囲内とすることを特徴としてい
る。
【0015】上記の方法によれば、吸熱量に応じた外添
剤の添加量を予め設定しておくことにより、四級アンモ
ニウム塩の吸熱量の変化によって帯電性に変化が生じた
場合においても、外添剤の添加量を増減させることによ
り、ほぼ一定の性能を有する現像剤を簡便な工程で製造
することができる。また、帯電性の変化を外添剤の添加
量で調整するので、混練条件等の製造条件を変更する必
要がない。即ち、品質が一定の現像剤を安定的に生産性
良く得ることができる製造方法を提供することができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明にかかる現像剤の製造方法
は、四級アンモニウム塩を含む現像剤前駆体と、外添剤
とからなる現像剤を製造する方法であって、現像剤前駆
体中の四級アンモニウム塩の熱分析による吸熱量に基づ
いて、該現像剤前駆体に対する外添剤の添加量を増減さ
せる方法である。
【0017】現像剤前駆体は、所定の粒子径を有する粒
状体(微粒子)であり、四級アンモニウム塩を含むと共
に、バインダ樹脂(合成樹脂)、着色剤、離型剤等を含
んでなっている。つまり、現像剤前駆体は、外添剤が添
加されていない状態の現像剤を示す。
【0018】バインダ樹脂としては、具体的には、例え
ば、ポリスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共
重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ア
クリル酸メチル共重合体やスチレン−アクリル酸エチル
共重合体等のスチレン−アクリル酸エステル共重合体、
スチレン−メタクリル酸メチル共重合体やスチレン−メ
タクリル酸エチル共重合体等のスチレン−メタクリル酸
エステル共重合体、等のスチレン系樹脂;塩化ビニル系
樹脂;エポキシ系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリエチ
レン、ポリプロピレン、等のポリオレフィン;ポリウレ
タン系樹脂;等の公知のバインダ樹脂が挙げられるが、
特に限定されるものではない。これらバインダ樹脂は、
一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用し
てもよい。
【0019】着色剤としては、具体的には、例えば、フ
タロシアニン系染料、ローダミン系染料、アントラキノ
ン系染料、モノアゾ系染料、ジアゾ系染料、等の染料;
酸化チタン、亜鉛華、アルミナホワイト、炭酸カルシウ
ム、カーボンブラック、クロムイエロー、等の無機顔
料;キナクリドン、ベンジジンイエロー、等の有機顔
料;等の公知の着色剤が挙げられるが、特に限定される
ものではない。これら着色剤は、一種類のみを用いても
よく、また、二種類以上を併用してもよい。また、バイ
ンダ樹脂に対する着色剤の添加量は、1重量%〜20重
量%程度とすればよいが、特に限定されるものではな
い。
【0020】離型剤としては、具体的には、例えば、ポ
リエチレンの熱分解ワックス(低分子量ポリエチレ
ン)、ポリプロピレンの熱分解ワックス(低分子量ポリ
プロピレン)、等のワックス等の公知の離型剤が挙げら
れるが、特に限定されるものではない。これら離型剤
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併
用してもよい。また、バインダ樹脂に対する離型剤の添
加量は、0.1重量%〜10重量%程度とすればよい
が、特に限定されるものではない。
【0021】四級アンモニウム塩は帯電制御剤(電子供
与性物質)であり、一般式(1)
【0022】
【化3】
【0023】(式中、R1 は炭素数1〜8のアルキル基
を表し、R2 ,R3 はそれぞれ独立して炭素数2〜18
のアルキル基を表し、R4 は炭素数1〜8のアルキル基
またはベンジル基を表す)で表される化合物がより好ま
しい。該四級アンモニウム塩としては、例えば、市販品
としては、ボントロンP−51(オリエント化学工業株
式会社製)、等の公知の四級アンモニウム塩が挙げられ
るが、特に限定されるものではない。四級アンモニウム
塩は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を
併用してもよい。また、バインダ樹脂に対する四級アン
モニウム塩の添加量は、0.05重量%〜10重量%程
度、より好ましくは0.1重量%〜8重量%程度とすれ
ばよいが、特に限定されるものではない。尚、現像剤前
駆体は、四級アンモニウム塩以外の帯電制御剤を含んで
いてもよい。この場合、バインダ樹脂に対する四級アン
モニウム塩以外の帯電制御剤の添加量は、四級アンモニ
ウム塩の添加量の1/2以下が好適である。
【0024】外添剤としては、具体的には、例えば、ハ
イドロタルサイト〔hydrotalcite:Mg6 Al2(OH)
16(CO3)・4H2 O〕、チタニア、シリカ(コロイダ
ルシリカ)、アルミナ、マグネタイト、フェライト、ス
テアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩、等の公知の外添剤が
挙げられるが、特に限定されるものではない。これら外
添剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上
を併用してもよいが、ハイドロタルサイトを含む外添剤
を用いることが特に好ましい。現像剤前駆体に対する外
添剤の添加量は、後述するように、該現像剤前駆体中の
四級アンモニウム塩の熱分析による吸熱量に基づいて設
定する。
【0025】現像剤を製造するには、先ず、現像剤前駆
体を製造する。即ち、上記のバインダ樹脂、四級アンモ
ニウム塩、着色剤、離型剤等の原材料を混合した後、混
合物を例えば二軸押出混練機や一軸押出混練機、密閉式
ニーダー等の公知の混練機を用いて溶融・混練する。混
練条件は、特に限定されるものではなく、バインダ樹脂
中に四級アンモニウム塩、着色剤、離型剤等が均一に分
散されるように適宜設定すればよい。
【0026】次いで、得られた混練物を例えば延伸ロー
ラー等の公知の延伸機を用いて延伸した後、冷却する。
延伸条件は、特に限定されるものではない。冷却後、混
練物を例えばジェットミル等の公知の粉砕機を用いて粉
砕した後、例えば気流分級機等の公知の分級機を用いて
分級する。粉砕条件並びに分級条件は、特に限定される
ものではないが、得られる現像剤前駆体の粒子径が3μ
m〜20μm程度となるように適宜設定すればよい。こ
れにより、現像剤前駆体が得られる。尚、現像剤前駆体
の製造方法は、上記例示の方法にのみ限定されるもので
はない。
【0027】次に、得られた現像剤前駆体に対して、所
定の条件下で示差熱分析(DTA (differential therm
al analysis))等の熱分析を行うことにより、該現像剤
前駆体中の四級アンモニウム塩の吸熱量を測定する。熱
分析の測定方法および測定条件は、特に限定されるもの
ではない。そして、上記吸熱量に基づいて、現像剤前駆
体に対する外添剤の添加量を増減させる。該添加量は、
ほぼ一定の帯電性等の性能を有する現像剤を得ることが
できるように、種々の条件下で実験を繰り返し行うこと
により得られる経験値である。従って、吸熱量に対応す
る外添剤の添加量は、実験結果に基づいて予め設定して
おく。
【0028】例えば、四級アンモニウム塩として前記一
般式(1)で表される化合物を用い、かつ、ハイドロタ
ルサイトを含む外添剤を用いて現像剤を製造する場合を
例に挙げて説明する。現像剤前駆体中の四級アンモニウ
ム塩の吸熱量を測定した結果、該吸熱量が0.4J/g
以下である場合には、現像剤前駆体に対する上記外添剤
中のハイドロタルサイトの添加量は、0.1重量%を越
え、0.4重量%以下の範囲内とすることが好ましい。
一方、該吸熱量が0.4J/gを越える場合には、現像
剤前駆体に対する上記外添剤中のハイドロタルサイトの
添加量は、0.05重量%以上、0.1重量%以下の範
囲内とすることが好ましい。尚、上記添加量を設定する
ために行った実験の結果については、後段にて詳述す
る。
【0029】そして、上記吸熱量に対応する量の外添剤
を現像剤前駆体に添加(外添)し、混合する。現像剤前
駆体と外添剤とを混合する混合条件は、特に限定される
ものではなく、現像剤前駆体と外添剤とが均一に混合さ
れるように適宜設定すればよい。これにより、現像剤が
得られる。
【0030】以上のように、本発明にかかる現像剤の製
造方法は、四級アンモニウム塩を含む現像剤前駆体と、
外添剤とからなる現像剤を製造する方法であって、現像
剤前駆体中の四級アンモニウム塩の熱分析による吸熱量
に基づいて、該現像剤前駆体に対する外添剤の添加量を
増減させる方法である。
【0031】一般に、或る一定の混練条件で原材料を混
練しても、該原材料の混練状態は毎回微妙に異なり、安
定化させることが極めて困難である。そして、混練状態
が毎回微妙に異なると、四級アンモニウム塩は熱によっ
て変性或いは相変化するので吸熱量が変化し、該四級ア
ンモニウム塩を或る特定の状態とすること、つまり、ほ
ぼ一定の帯電性を有する現像剤を得ることは困難であ
る。しかしながら、上記の製造方法によれば、熱分析に
よる吸熱量に基づいて外添剤の添加量を増減させるの
で、混練の条件等の製造条件を該吸熱量に応じて途中で
変更しなくとも、一定の性能を有する現像剤を製造する
ことができる。従って、簡単な工程でほぼ一定の性能を
有する現像剤を得ること、即ち、品質が一定の現像剤を
安定して得ることができる。また、予め設定した帯電性
を有していない現像剤、つまり、規格外の現像剤が得ら
れるおそれがないので、廃棄等による現像剤の生産性の
低下を招くことがない。
【0032】さらに、本発明にかかる製造方法では、製
造条件を途中で変更しないので、バインダ樹脂に対する
四級アンモニウム塩、着色剤、離型剤等の分散性が良好
となる。従って、該現像剤を用いて現像することによ
り、画像の白地部分が汚れるいわゆる白地カブリ、或い
は、定着オフセット、感光体への現像剤の付着等を発生
させることなく、良好な画像を得ることができる。
【0033】即ち、本発明にかかる製造方法を採用する
ことにより、ほぼ一定の帯電性等の性能を有する現像
剤、つまり、品質が一定の現像剤を簡便な工程で、安定
的に生産性良く得ることができる。
【0034】
【実施例】先ず、現像剤前駆体を製造した。即ち、バイ
ンダ樹脂としてのスチレン−アクリル酸エステル共重合
体100重量部(以下、単に部と記す)、四級アンモニ
ウム塩としてのボントロンP−51(商品名・オリエン
ト化学工業株式会社製)2部、着色剤としてのカーボン
ブラック(商品名・リーガル330R;キャボット社
製)6部、および、離型剤としての低分子量ポリエチレ
ン(商品名・PE−130;ヘキスト社製)1部および
低分子量ポリプロピレン(商品名・550P;三洋化成
工業株式会社製)2部からなる原材料(合計111部)
を混合した後、混合物を二軸押出混練機を用いて所定の
混練条件下で溶融・混練した。
【0035】次いで、得られた混練物を延伸ローラーを
用いて所定の延伸条件下で延伸した後、冷却した。冷却
後、混練物をジェットミルを用いて粉砕した後、気流分
級機を用いて分級した。これにより、平均粒子径が1
0.0μmの現像剤前駆体を得た。
【0036】次に、得られた現像剤前駆体に対して所定
の条件下で示差熱分析を行い、該現像剤前駆体中の四級
アンモニウム塩の吸熱量を測定した。該示差熱分析のチ
ャートを図1に示す。そして、約150℃および183
℃に位置する吸熱ピークのそれぞれの吸熱量の和を以
て、四級アンモニウム塩の吸熱量(J/g)とした。
【0037】上記現像剤前駆体の製造、並びに、吸熱量
の測定を40回繰り返した。各々の現像剤前駆体(製造
回数)と、対応する吸熱量とをまとめて表1、並びに、
図2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1並びに図2から明らかなように、現像
剤前駆体中の四級アンモニウム塩の吸熱量は、凡そ0.
1J/g〜0.5J/gの範囲に分布しており、或る一
定の値を示さないことがわかる。
【0040】上記現像剤前駆体のうち、1回目に製造し
た吸熱量0.21J/gの現像剤前駆体(以下、現像剤
前駆体Aと記す)、5回目に製造した吸熱量0.30J
/gの現像剤前駆体(以下、現像剤前駆体Bと記す)、
17回目に製造した吸熱量0.41J/gの現像剤前駆
体(以下、現像剤前駆体Cと記す)、および、26回目
に製造した吸熱量0.51J/gの現像剤前駆体(以
下、現像剤前駆体Dと記す)を用いて、以下に示す操作
並びに評価を行うことにより、現像剤前駆体に対する外
添剤の添加量の最適範囲を求めた。
【0041】外添剤として、シリカ粉末(商品名・R9
72;日本アエロジル株式会社製)0.2部とマグネタ
イト(商品名・EPT−500;戸田工業株式会社製)
0.15部との混合物(以下、外添剤Eと記す)、シリ
カ粉末(同上)0.2部とマグネタイト(同上)0.1
5部とハイドロタルサイト(商品名・アルカマイザー
4;協和化学工業株式会社製)0.05部との混合物
(以下、外添剤Fと記す)、シリカ粉末(同上)0.2
部とマグネタイト(同上)0.15部とハイドロタルサ
イト(同上)0.1部との混合物(以下、外添剤Gと記
す)、シリカ粉末(同上)0.2部とマグネタイト(同
上)0.15部とハイドロタルサイト(同上)0.2部
との混合物(以下、外添剤Hと記す)、および、シリカ
粉末(同上)0.2部とマグネタイト(同上)0.15
部とハイドロタルサイト(同上)0.4部との混合物
(以下、外添剤Iと記す)を用いた。
【0042】そして、現像剤前駆体A〜D(計4種類)
100部に、上記の外添剤E〜I(計5種類)を添加
(外添)した後、株式会社カワタ製・スーパーミキサー
20Lを用いて1分30秒間混合した。これにより、合
計20種類の現像剤を得た。
【0043】得られた各々の現像剤について、その性能
を評価するために、静電潜像の現像を行った。即ち、シ
ャープ株式会社製・SF2022複写機を用いてテスト
パターンを所定の条件下で10,000枚コピー(複
写)した後、得られたテストパターンの複写画像の画像
濃度、白地カブリ、および、現像剤の消費量を3段階で
評価した。評価方法を以下に示すと共に、評価結果を表
2に示す。
【0044】〔画像濃度〕マクベス反射濃度計を用いて
複写画像の画像濃度(O.D.)を測定し、その平均値
を以て測定値とした。そして、該測定値が1.38以上
である場合を良好(表2中、○と記す)、1.35以
上、1.38未満である場合を可(同、△と記す)、
1.35未満である場合を不可(同、×と記す)と評価
した。
【0045】〔白地カブリ〕色差計(日本電色株式会社
製)を用いて、複写前の用紙の白度と、複写後の用紙の
白度とを測定し、両者の値の差の最大値を以て測定値と
した。そして、該測定値が1.20未満である場合を良
好(同、○と記す)、1.20以上、1.60未満であ
る場合を可(同、△と記す)、1.60以上である場合
を不可(同、×と記す)と評価した。
【0046】〔消費量〕複写機に供給した現像剤の重量
と、5,000枚コピーした後に複写機に残っている現
像剤の重量との差を求めて測定値とした。そして、該測
定値が180g/5,000 枚以下である場合を良好(同、
○と記す)、180g/5,000 枚を越え、183g/5,
000 枚以下である場合を可(同、△と記す)、183g
/5,000枚を越える場合を不可(同、×と記す)と評価
した。
【0047】
【表2】
【0048】表2から明らかなように、現像剤前駆体A
・Bに対して外添剤H・Iを添加すること、即ち、吸熱
量が0.4J/g以下である場合には、ハイドロタルサ
イトの添加量を0.1重量%を越え、0.4重量%以下
の範囲内とすることがより好ましいことがわかる。一
方、現像剤前駆体C・Dに対して外添剤F・Gを添加す
ること、即ち、吸熱量が0.4J/gを越える場合に
は、ハイドロタルサイトの添加量を0.05重量%以
上、0.1重量%以下の範囲内とすることがより好まし
いことがわかる。
【0049】従って、現像剤前駆体中の四級アンモニウ
ム塩の熱分析による吸熱量に対応する外添剤の添加量を
予め設定しておき、該吸熱量に基づいて外添剤の添加量
を増減させることにより、ほぼ一定の帯電性等の性能を
有する現像剤、つまり、品質が一定の現像剤を簡便な工
程で、安定的に生産性良く得ることができることがわか
る。
【0050】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の現像剤の製造方
法は、以上のように、四級アンモニウム塩を含む現像剤
前駆体と、外添剤とからなる現像剤を製造する方法であ
って、現像剤前駆体中の四級アンモニウム塩の熱分析に
よる吸熱量に基づいて、該現像剤前駆体に対する外添剤
の添加量を増減させる方法である。
【0051】本発明の請求項2記載の現像剤の製造方法
は、以上のように、上記四級アンモニウム塩が、一般式
(1)
【0052】
【化4】
【0053】(式中、R1 は炭素数1〜8のアルキル基
を表し、R2 ,R3 はそれぞれ独立して炭素数2〜18
のアルキル基を表し、R4 は炭素数1〜8のアルキル基
またはベンジル基を表す)で表される化合物であり、か
つ、上記外添剤がハイドロタルサイトを含む方法であ
る。
【0054】本発明の請求項3記載の現像剤の製造方法
は、以上のように、上記一般式(1)で表される四級ア
ンモニウム塩の熱分析による吸熱量が0.4J/g以下
である場合には、現像剤前駆体に対する上記ハイドロタ
ルサイトの添加量を0.1重量%を越え、0.4重量%
以下の範囲内とする一方、該吸熱量が0.4J/gを越
える場合には、該添加量を0.05重量%以上、0.1
重量%以下の範囲内とする方法である。
【0055】上記の方法によれば、吸熱量に応じた外添
剤の添加量を予め設定しておくことにより、四級アンモ
ニウム塩の吸熱量の変化によって帯電性に変化が生じた
場合においても、外添剤の添加量を増減させることによ
り、ほぼ一定の性能を有する現像剤を簡便な工程で製造
することができる。また、帯電性の変化を外添剤の添加
量で調整するので、混練条件等の製造条件を変更する必
要がない。即ち、品質が一定の現像剤を安定的に生産性
良く得ることができる製造方法を提供することができる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において製造した現像剤前駆
体中の四級アンモニウム塩の示差熱分析のチャートであ
る。
【図2】上記現像剤前駆体(製造回数)と、対応する吸
熱量との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森西 康晴 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 村上 登司彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 小川 哲 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】四級アンモニウム塩を含む現像剤前駆体
    と、外添剤とからなる現像剤を製造する方法であって、 現像剤前駆体中の四級アンモニウム塩の熱分析による吸
    熱量に基づいて、該現像剤前駆体に対する外添剤の添加
    量を増減させることを特徴とする現像剤の製造方法。
  2. 【請求項2】上記四級アンモニウム塩が、一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜8のアルキル基を表し、
    2 ,R3 はそれぞれ独立して炭素数2〜18のアルキ
    ル基を表し、R4 は炭素数1〜8のアルキル基またはベ
    ンジル基を表す)で表される化合物であり、かつ、上記
    外添剤がハイドロタルサイトを含むことを特徴とする請
    求項1記載の現像剤の製造方法。
  3. 【請求項3】上記一般式(1)で表される四級アンモニ
    ウム塩の熱分析による吸熱量が0.4J/g以下である
    場合には、現像剤前駆体に対する上記ハイドロタルサイ
    トの添加量を0.1重量%を越え、0.4重量%以下の
    範囲内とする一方、該吸熱量が0.4J/gを越える場
    合には、該添加量を0.05重量%以上、0.1重量%
    以下の範囲内とすることを特徴とする請求項2記載の現
    像剤の製造方法。
JP33964496A 1996-12-19 1996-12-19 現像剤の製造方法 Pending JPH10186727A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33964496A JPH10186727A (ja) 1996-12-19 1996-12-19 現像剤の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33964496A JPH10186727A (ja) 1996-12-19 1996-12-19 現像剤の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10186727A true JPH10186727A (ja) 1998-07-14

Family

ID=18329461

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33964496A Pending JPH10186727A (ja) 1996-12-19 1996-12-19 現像剤の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10186727A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006023351A (ja) * 2004-07-06 2006-01-26 Canon Inc トナー

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006023351A (ja) * 2004-07-06 2006-01-26 Canon Inc トナー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20100089336A (ko) 전자 사진용 토너 및 그의 제조방법
JPH09258487A (ja) 電子写真用カラートナー及びその製造方法
KR20100089335A (ko) 전자 사진용 토너 및 그의 제조방법
JP2003183510A (ja) 荷電制御樹脂粒子及び静電荷像現像用トナー
KR20100084016A (ko) 정전하 현상용 토너 및 그의 제조방법
JPH04251263A (ja) カラー電子写真用イエロートナー及びその製造方法
JPH10186727A (ja) 現像剤の製造方法
JP3326572B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法
JPH11167226A (ja) 電子写真用トナー及びその製造方法
JP3010326B2 (ja) カラートナーの製造方法
KR100739791B1 (ko) 전자사진용 현상제의 제조방법
JPH0656508B2 (ja) 静電荷像現像用正摩擦帯電性トナー
KR20100082213A (ko) 전자사진용 토너 및 그의 제조방법
JP2007033697A (ja) 電子写真用トナー、電子写真用現像剤及び画像形成方法
JPH09329910A (ja) 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法
JP3788815B2 (ja) 現像剤
JP2000267329A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4071890B2 (ja) 磁性トナーの製造方法
JPH08123093A (ja) 静電潜像現像剤用トナーおよびその製法
JP3635709B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JPH03155567A (ja) 静電潜像現像用トナーの製造、及びそれに用いる染顔料分散液の製造
JP3874362B2 (ja) トナー組成物
JP3345297B2 (ja) トナーの製造方法およびトナー並びに現像剤
JPH09319148A (ja) 電子写真用トナー、その製造方法および画像形成方法
JP2003255617A (ja) 静電潜像現像用トナー及び画像形成方法