JP3345297B2 - トナーの製造方法およびトナー並びに現像剤 - Google Patents

トナーの製造方法およびトナー並びに現像剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を採
用した例えば複写機やレーザービームプリンタ等の電子
写真装置(画像形成装置)に供されるトナーの製造方法
およびトナー並びに現像剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を採用した電子写真装置に
供される現像剤は、該電子写真装置における現像工程に
おいて例えば静電潜像が形成された感光体等の像担持体
の表面に一旦付着された後、転写工程において像担持体
から転写紙(コピー紙)に転写され、さらに、定着工程
において転写紙に定着される。静電潜像を現像して複写
画像(トナー像)とする上記現像剤としては、従来よ
り、トナーとキャリアとからなる二成分系現像剤、並び
に、キャリアを必要としない一成分系現像剤(磁性トナ
ー、非磁性トナー)が知られている。
【0003】現像剤に含まれる上記トナーには、正荷電
性トナー並びに負荷電性トナーがある。正荷電性トナー
に所定の帯電性を付与する添加剤としては、例えば、ニ
グロシン系化合物(染料)や四級アンモニウム塩化合物
等の帯電制御剤が知られている。また、キャリアに所定
の帯電性を付与する添加剤としては、例えば、コーティ
ング剤が知られている。これら添加剤のうち、四級アン
モニウム塩化合物は、得られるトナーの帯電量を比較的
大きくすることができ、しかも、実質的に無色である。
従って、四級アンモニウム塩化合物は黒色のトナーのみ
ならず、いわゆるカラートナーにも使用することができ
るので、近年、その需要が増加する傾向にある。例え
ば、特開平8−76518号公報には、四級アンモニウ
ム塩化合物が添加されたトナーが開示されている。
【0004】そして、一般に、トナーは、バインダー樹
脂、着色剤、帯電制御剤等の添加剤等を含む原料混合物
を均一に混合して溶融混練した後、粉砕、分級すること
により製造されている。尚、トナーには、必要に応じて
外添剤が添加される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のトナー、即ち、四級アンモニウム塩化合物を含むト
ナーは、例えば、電子写真装置を連続使用した場合や、
トナーを長期間にわたって電子写真装置内部に貯留した
場合には、つまり、使用形態によっては、その帯電量を
良好な状態に維持することができない。具体的には、例
えば、電子写真装置を連続使用した場合には、帯電量は
複写枚数の増加に伴って増加する傾向にあり、従って、
画像濃度の低下を引き起こし易い。さらに、該トナー
は、通常環境下(例えば、温度25℃、相対湿度60
%)での帯電性能(帯電特性)と、高温高湿環境下(例
えば、温度35℃、相対湿度85%)での帯電性能とに
明らかな差がある。つまり、該トナーの帯電性能は、作
業環境による影響を受け易い。このように、上記従来の
トナーにおいては、四級アンモニウム塩化合物を添加す
ることによって得られる効果(帯電付与効果)が充分に
発揮されているとは言い難い。つまり、上記従来のトナ
ーは、作業環境に関わりなく帯電量を良好な状態に維持
することができないので、画像濃度を良好な状態に維持
することができないという問題点を有している。それゆ
え、上記の問題点を解決することができるトナーの製造
方法およびトナー、並びに現像剤が求められている。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、四級アンモニウム塩化合物
を添加することによって得られる効果が充分に発揮され
るトナーの製造方法、つまり、作業環境や使用形態に関
わりなく複写時における帯電量を良好な状態に維持する
ことができ、これにより画像濃度を良好な状態に維持す
ることができるトナーの製造方法、およびトナー、並び
に現像剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、トナー
の製造方法およびトナー並びに現像剤について鋭意検討
した。その結果、四級アンモニウム塩化合物を添加する
ことによって得られる効果が充分に発揮されるトナーを
製造するには、原料混合物を溶融混練する際の温度等
を、四級アンモニウム塩化合物の融点を基準とした或る
特定の範囲内に制御することが重要であることを見い出
した。即ち、取り出し口での溶融混練物の溶融粘度が1
0,000Pa・sとなる温度未満に該取り出し口温度
が設定された混練装置を用いて、四級アンモニウム塩化
合物の融点がM℃であるとき、(M−7)℃〜(M+
7)℃の範囲内の温度で、四級アンモニウム塩化合物を
含む原料混合物を溶融混練した後、得られる溶融混練物
を取り出して厚さ1.2mm〜3.0mmに圧延し、冷
却することにより、作業環境や使用形態に関わりなく複
写時における帯電量を良好な状態に維持することがで
き、これにより画像濃度を良好な状態に維持することが
できるトナーを製造することができることを見い出し
て、本発明を完成させるに至った。
【0008】即ち、請求項1記載の発明のトナーの製造
方法は、上記の課題を解決するために、四級アンモニウ
ム塩化合物を含む原料混合物を混練するトナーの製造方
法であって、取り出し口での溶融混練物の溶融粘度が1
0,000Pa・sとなる温度未満に該取り出し口温度
が設定された混練装置を用いて、四級アンモニウム塩化
合物の融点がM℃であるとき、(M−7)℃〜(M+
7)℃の範囲内の温度で原料混合物を溶融混練した後、
得られる溶融混練物を取り出して厚さ1.2mm〜3.
0mmに圧延し、冷却することを特徴としている。
【0009】請求項1記載の方法によれば、作業環境や
使用形態に関わりなく複写時における帯電量を良好な状
態に維持することができ、これにより画像濃度を良好な
状態に維持することができるトナー、即ち、画質を向上
させることができるトナーを製造することができる。そ
して、該トナーを用いることにより、複写時における帯
電安定性並びに画像安定性を改善することができ、か
つ、感光体等の像担持体に対する汚染(フィルミング)
を防止することができる。
【0010】また、請求項2記載の発明のトナーは、上
記の課題を解決するために、請求項1に記載の方法によ
り製造されるトナーであって、原料混合物単位重量当た
りの四級アンモニウム塩化合物の熱分析吸収ピークのピ
ーク面積がA、該原料混合物から得られるトナー単位重
量当たりの四級アンモニウム塩化合物の同一条件下での
熱分析吸収ピークのピーク面積がB、であるとき、不等
式(I) (B/A)<0.2 ……(I) を満足することを特徴としている。
【0011】請求項2記載のトナーは、作業環境や使用
形態に関わりなく複写時における帯電量を良好な状態に
維持することができ、これにより画像濃度を良好な状態
に維持することができる。即ち、画質を向上させること
ができる。そして、上記構成のトナーを用いることによ
り、複写時における帯電安定性並びに画像安定性を改善
することができ、かつ、感光体等の像担持体に対する汚
染(フィルミング)を防止することができる。
【0012】請求項3記載の発明のトナーは、上記の課
題を解決するために、請求項2記載のトナーにおいて、
四級アンモニウム塩化合物が一般式(1)
【0013】
【化2】
【0014】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞ
れ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、ま
たは置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、A
rは置換基を有していてもよい芳香族環残基を表し、n
は自然数を表す)で表される化合物であることを特徴と
している。上記構成のトナーは、画質をより一層向上さ
せることができる。
【0015】請求項4記載の発明のトナーは、上記の課
題を解決するために、請求項2または3記載のトナーに
おいて、原料混合物が、スチレン系樹脂、飽和ポリエス
テル樹脂、および不飽和ポリエステル樹脂からなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のバインダ樹脂を含むことを
特徴としている。請求項7記載の発明のトナーは、上記
の課題を解決するために、請求項2ないし4のいずれか
に記載のトナーにおいて、トナーに含まれる上記四級ア
ンモニウム塩化合物がアモルファス状態となっているこ
とを特徴としている。請求項8記載の発明のトナーは、
上記の課題を解決するために、請求項4記載のトナーに
おいて、四級アンモニウム塩化合物が、バインダ樹脂1
00重量部に対して、0.05重量部〜10重量部であ
ることを特徴としている。上記構成のトナーは、画質を
より一層向上させることができる。
【0016】さらに、請求項5記載の発明の現像剤は、
上記の課題を解決するために、請求項2ないし4の何れ
か1項に記載のトナーと、キャリアとを含むことを特徴
としている。上記構成の現像剤を用いることにより、複
写時における帯電安定性並びに画像安定性を改善するこ
とができ、かつ、感光体等の像担持体に対する汚染(フ
ィルミング)を防止することができる。
【0017】請求項6記載の発明の現像剤は、上記の課
題を解決するために、請求項5記載の現像剤において、
キャリアが、フェライト系コア材または鉄系コア材を、
シリコーン系樹脂またはフッ素系樹脂で被覆処理してな
るものであることを特徴としている。上記構成の現像剤
は、複写時における帯電安定性並びに画像安定性をより
一層改善することができ、かつ、感光体等の像担持体に
対する汚染(フィルミング)をより一層防止することが
できる。
【0018】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
かかるトナーは、バインダ樹脂と着色剤と四級アンモニ
ウム塩化合物とを含む原料混合物を混練することにより
得られる。該トナーは、正荷電性トナーであってもよ
く、または負荷電性トナーであってもよいが、正荷電性
トナーであることがより好ましい。
【0019】上記のバインダ樹脂としては、トナーに一
般に用いられている公知の樹脂を採用することができ
る。該バインダ樹脂としては、具体的には、例えば、ポ
リスチレン、ポリクロロスチレン、ポリ−α−メチルス
チレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン
−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリ
ル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、スチレン−α−クロロアクリル酸メチル共重合体、
スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重
合体等のスチレン系樹脂;塩化ビニル樹脂;ロジン変性
マレイン酸樹脂;フェノール樹脂;エポキシ樹脂;飽和
ポリエステル樹脂;不飽和ポリエステル樹脂;ポリエチ
レン、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のポリエ
チレン系樹脂;ポリプロピレン樹脂;アイオノマー樹
脂;ポリウレタン樹脂;シリコーン樹脂;ケトン樹脂;
キシレン樹脂;ポリビニルブチラール樹脂;ポリカーボ
ネート樹脂;等が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。
【0020】上記のスチレン系樹脂は、スチレンまたは
その誘導体の単独重合体、または、共重合体である。ス
チレン−アクリル酸エステル共重合体としては、具体的
には、例えば、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、
スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アク
リル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル
共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等が
挙げられる。スチレン−メタクリル酸エステル共重合体
としては、具体的には、例えば、スチレン−メタクリル
酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重
合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレ
ン−メタクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタク
リル酸フェニル共重合体等が挙げられる。
【0021】これらバインダ樹脂は、一種類のみを用い
てもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例
示のバインダ樹脂のうち、スチレン系樹脂、飽和ポリエ
ステル樹脂、および不飽和ポリエステル樹脂がより好ま
しい。尚、バインダ樹脂の製造方法は、特に限定される
ものではない。
【0022】上記バインダ樹脂のガラス転移温度(T
g)は、50℃以上であることが好ましく、55℃以上
であることがより好ましい。ガラス転移温度が50℃未
満である場合には、例えば40℃以上の高温環境下でト
ナーを長期間放置した場合に、該トナーの凝集或いは固
着を招くので好ましくない。また、上記バインダ樹脂の
軟化点は、90℃〜170℃の範囲内が好ましく、10
0℃〜150℃の範囲内がより好ましい。軟化点が90
℃未満である場合には、定着工程において複写画像(ト
ナー像)を転写紙に定着させるときにトナーが例えば定
着ローラに付着するいわゆるオフセット現象が生じて定
着ローラを汚損すると共に、画質が低下するので好まし
くない。軟化点が170℃を越える場合には、転写紙に
対するトナーの接着強度が不足するので好ましくない。
【0023】上記の着色剤としては、トナーに一般に用
いられている公知の顔料並びに染料を採用することがで
きる。該着色剤としては、具体的には、例えば、カーボ
ンブラック、鉄黒、紺青、黄鉛(クロムイエロー)、酸
化チタン、亜鉛華、アルミナホワイト、炭酸カルシウム
等の無機顔料;フタロシアニンブルー、ビクトリアブル
ー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーン、ハ
ンザイエローG、ベンジジンイエロー、レーキレッド
C、キナクリドンマゼンタ等の有機顔料;ローダミン系
染料、トリアリルメタン系染料、アントラキノン系染
料、モノアゾ系染料、ジアゾ系染料等の有機染料;等が
挙げられるが、特に限定されるものではない。これら着
色剤は、一種類のみを用いてもよく、また、トナーに着
色すべき色に応じて適宜組み合わせて用いてもよい。
尚、着色剤には、いわゆるマスターバッチ法等の公知の
方法により前処理が施されていてもよい。
【0024】着色剤の使用量は、特に限定されるもので
はないが、バインダ樹脂100重量部に対して、1重量
部〜25重量部の範囲内がより好ましく、3重量部〜2
0重量部の範囲内がさらに好ましい。
【0025】上記の四級アンモニウム塩化合物として
は、具体的には、例えば、テトラエチルアンモニウムク
ロライド「〔 (C2 5)4 N〕+ Cl- 」、テトラメチ
ルアンモニウムヨーダイド「〔 (CH3)4 N〕
+ - 」、フェニルトリメチルアンモニウムヨーダイド
「〔C6 5 N (CH3)3 + - 」、一般式(1)
【0026】
【化3】
【0027】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞ
れ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、ま
たは置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、A
rは置換基を有していてもよい芳香族環残基を表し、n
は自然数を表す)で表される化合物等が挙げられるが、
特に限定されるものではない。四級アンモニウム塩化合
物は帯電制御剤である。
【0028】上記一般式(1)中、R1 〜R4 で表され
る置換基がアルキル基である場合には、該アルキル基の
炭素数は1〜24の範囲内がより好ましく、1〜18の
範囲内が特に好ましい。また、R1 〜R4 で表される置
換基がアラルキル基である場合には、該アラルキル基と
してはベンジル基がより好ましい。上記一般式(1)
中、Arで表される芳香族環残基としては、具体的に
は、例えば、ベンゼン環残基、ナフタレン環残基、アン
トラセン環残基等が挙げられる。上記例示の芳香族環残
基のうち、ナフタレン環残基がより好ましい。また、芳
香族環残基が有する置換基としては、具体的には、例え
ば、アルキル基、水酸基、アミノ基、ハロゲン基等が挙
げられる。上記例示の置換基のうち、水酸基、およびア
ミノ基がより好ましい。
【0029】上記一般式(1)で表される四級アンモニ
ウム塩化合物としては、具体的には、例えば、
【0030】
【化4】
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】
【化7】
【0034】
【化8】
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】等が挙げられる。
【0041】これら四級アンモニウム塩化合物は、一種
類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用しても
よい。上記例示の四級アンモニウム塩化合物のうち、化
合物aおよび化合物bがより好ましい。化合物aは、例
えば、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド水溶
液を撹拌しながら、該水溶液に4−ヒドロキシ−1−ナ
フタレンスルホン酸ナトリウム水溶液を室温で滴下した
後、凡そ85℃で1時間撹拌して反応させ、冷却後、濾
過、水洗、乾燥等の所定の分離・精製操作を行うことに
より、容易に調製することができる。また、化合物aの
調製方法と同様の調製方法により、化合物b〜jを容易
に調製することができる。尚、化合物a〜jの調製方
法、つまり、四級アンモニウム塩化合物の製造方法は、
特に限定されるものではない。四級アンモニウム塩化合
物には、公知の方法により、バインダ樹脂を用いたいわ
ゆるマスターバッチ処理が施されていてもよい。
【0042】四級アンモニウム塩化合物の使用量は、特
に限定されるものではないが、バインダ樹脂100重量
部に対して、0.05重量部〜10重量部の範囲内がよ
り好ましく、0.1重量部〜8重量部の範囲内がさらに
好ましく、0.5重量部〜5重量部の範囲内が特に好ま
しい。四級アンモニウム塩化合物の使用量が0.05重
量部よりも少ない場合には、得られるトナーの帯電量が
所望の値に達せず、画質の低下を招くおそれがある。四
級アンモニウム塩化合物の使用量が10重量部よりも多
い場合には、トナーから遊離した四級アンモニウム塩化
合物によって複写機(電子写真装置)の感光体(像担持
体)が汚染(フィルミング)され、画質の低下を招くお
それがある。
【0043】本発明にかかるトナーは、四級アンモニウ
ム塩化合物の他に、例えば、ニグロシン系化合物、ポリ
アミン系樹脂、トリアミノトリフェニルメタン系化合
物、イミダゾール系化合物、スチレン−アミノアクリレ
ート共重合体等の帯電制御剤を必要に応じて一種類以上
含んでいてもよい。これら帯電制御剤の使用量は、四級
アンモニウム塩化合物の使用量よりも少なければよく、
半分以下であることがより好ましい。
【0044】上記のバインダ樹脂、着色剤、および四級
アンモニウム塩化合物等を混合機に仕込んで均一に混合
することにより、原料混合物を容易に調製することがで
きる。該混合機としては、具体的には、例えば、V−ブ
レンダーやボールミル等の重力落下式混合機;ナウター
ミキサー(例えば、ホソカワミクロン株式会社製)等の
撹拌型混合機;スーパーミキサー(例えば、株式会社カ
ワタ製)やヘンシェル型ミキサー(例えば、株式会社三
井三池製作所製)等の、撹拌翼を有する高速流動型混合
機;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
また、混合機における混合条件は、特に限定されるもの
ではない。
【0045】上記の原料混合物を混練装置に仕込んで所
定の条件下で溶融混練することにより、溶融混練物を容
易に得ることができる。混練装置としては、押出機型の
一軸混練機や二軸混練機等が好適である。該混練装置と
しては、具体的には、例えば、ニーダー(例えばブス社
製)、TEM型二軸混練機(例えば、東芝機械株式会社
製)、KTK型二軸混練機(例えば、株式会社神戸製鋼
所製)、PCM型二軸混練機(例えば、株式会社池貝
製)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
混練装置は、取り出し口での溶融混練物の溶融粘度が1
0,000Pa・sとなる温度未満に該取り出し口温度
が設定され、かつ、四級アンモニウム塩化合物の融点が
M℃であるとき、(M−7)℃〜(M+7)℃の範囲内
の温度で、より好ましくは(M−5)℃〜(M+5)℃
の範囲内の温度で原料混合物を溶融混練することができ
得る構成となっていればよい。つまり、混練装置は、溶
融混練物の温度が(M−7)℃〜(M+7)℃の範囲内
となるように、より好ましくは(M−5)℃〜(M+
5)℃の範囲内となるように溶融混練温度を設定するこ
とができ、かつ、取り出し口温度を溶融混練物の溶融粘
度が10,000Pa・sとなる温度未満に設定するこ
とができる構成を備えていればよい。
【0046】原料混合物を溶融混練する際の混練温度
は、四級アンモニウム塩化合物の融点がM℃であると
き、(M−7)℃〜(M+7)℃の範囲内が好ましく、
(M−5)℃〜(M+5)℃の範囲内がより好ましい。
原料混合物を上記の温度範囲内で溶融混練することによ
り、溶融混練物が混練装置内で液体状態とならないの
で、四級アンモニウム塩化合物が均一に分散されたトナ
ーを得ることができ、該トナーの帯電量を、複写時の作
業環境に関わらず良好な状態に維持することができる。
混練温度が(M+7)℃よりも高い場合には、溶融混練
物が混練装置内でほぼ液体状態となるため、混練操作に
よる四級アンモニウム塩化合物を分散させる効果が低下
し、該溶融混練物の組成が不均一となると共に、得られ
るトナーの帯電量が大きくなりすぎるので好ましくな
い。混練温度が(M−7)℃よりも低い場合には、四級
アンモニウム塩化合物が均一に分散されたトナーを得る
ことができないので好ましくない。また、該トナーの帯
電量が小さくなりすぎるので、現像スリーブからトナー
が飛散する。つまり、複写機内にトナーが飛散するので
好ましくない。
【0047】また、混練装置における取り出し口温度
は、該取り出し口での溶融混練物の溶融粘度が10,0
00Pa・sとなる温度未満に設定されていることが好
ましい。取り出し口温度をこのように設定することによ
り、特に、トナーの高温高湿環境下(例えば、温度35
℃、相対湿度85%)での帯電安定性並びに画像安定性
を改善することができ、かつ、感光体等の像担持体に対
する該トナーによる汚染(フィルミング)を防止するこ
とができる。溶融混練物の溶融粘度が10,000Pa
・sとなる温度以上に取り出し口温度が設定されている
場合には、該溶融混練物が取り出し口でほぼ液体状態と
なるため、得られるトナーにおける四級アンモニウム塩
化合物の分散性が低下する。尚、溶融混練物の溶融粘度
の上限は、特に限定されるものではないが、160,0
00Pa・s未満であることが望ましい。つまり、混練
装置における取り出し口温度は、該取り出し口での溶融
混練物の溶融粘度が160,000Pa・sとなる温度
よりも高く設定されていることが望ましい。
【0048】混練装置における溶融混練温度および取り
出し口温度以外の混練条件、例えば、混練装置が備える
翼の形状や軸の形状、軸回転数、混練時間等の混練条件
は、特に限定されるものではない。また、溶融混練物の
取り出し方法は、特に限定されるものではない。尚、上
記混練温度の範囲や溶融粘度の値は、実験結果から求め
られたものである。
【0049】混練装置から取り出された溶融混練物を圧
延する際には、圧延機を用いることが好ましい。該圧延
機としては、具体的には、例えば、ドラムフレーカー
(例えば、三井鉱山株式会社製)等が挙げられるが、特
に限定されるものではない。圧延機は、溶融混練物を厚
さ1.2mm〜3.0mmに圧延することができる構成
を備えていればよい。
【0050】溶融混練物は、厚さ1.2mm〜3.0m
mに圧延されることが好ましい。これにより、四級アン
モニウム塩化合物が均一に分散された状態を維持したま
ま、溶融混練物を効率的に冷却することができる。従っ
て、四級アンモニウム塩化合物が均一に分散されたトナ
ーを得ることができる。つまり、作業環境や使用形態に
関わりなく複写時における帯電量を良好な状態に維持す
ることができ、これにより画像濃度を良好な状態に維持
することができ、かつ、感光体等の像担持体に対する汚
染を防止することができるトナーを製造することができ
る。厚さが3.0mmよりも厚い場合には、溶融混練物
の冷却に時間が掛かりすぎ、四級アンモニウム塩化合物
が均一に分散された状態を維持することができない。従
って、四級アンモニウム塩化合物が均一に分散されたト
ナーを得ることができない。また、帯電安定性が低下す
ると共に、複写時に像担持体を汚染する。さらに、該ト
ナーの帯電量が小さくなりすぎるので、現像スリーブか
らトナーが飛散する。つまり、複写機内にトナーが飛散
するので好ましくない。尚、該汚染は、トナー組成物か
ら脱落した離型剤(後述する)によって引き起こされる
傾向にある。
【0051】そして、厚さ1.2mm〜3.0mmに圧
延された該溶融混練物を冷却して固化することにより、
板状のトナーが得られる。該板状のトナーは、一般に用
いられている公知の手法を採用して粉砕、分級等するこ
とにより、粉体状にすればよい。
【0052】これにより、本発明にかかるトナーが得ら
れる。つまり、上記構成を備えた混練装置を用いて原料
混合物を溶融混練した後、得られる溶融混練物を取り出
して厚さ1.2mm〜3.0mmに圧延し、冷却するこ
とにより、本発明にかかるトナーが得られる。トナーの
平均粒子径は、3μm〜20μmの範囲内が好ましく、
5μm〜15μmの範囲内がより好ましい。
【0053】原料混合物単位重量当たりの四級アンモニ
ウム塩化合物の熱分析吸収ピークのピーク面積は、原料
混合物を溶融混練する前の大きさよりも、溶融混練した
後の大きさの方が小さくなる。本発明にかかる製造方法
によって得られるトナーは、原料混合物単位重量当たり
の四級アンモニウム塩化合物の熱分析吸収ピークのピー
ク面積がA(以下、面積Aと記す)、該原料混合物から
得られるトナー単位重量当たりの四級アンモニウム塩化
合物の同一条件下での熱分析吸収ピークのピーク面積が
B(以下、面積Bと記す)、であるとき、不等式(I) (B/A)<0.2 ……(I) を満足する。即ち、本発明にかかる製造方法により、前
記不等式(I)を満足するトナーが得られる。
【0054】原料混合物並びにトナーの熱分析は、市販
の示差熱分析装置や示差走査熱量分析装置等の熱分析装
置を用いて行えばよいが、分析方法や分析条件等は、特
に限定されるものではない。また、面積A並びに面積B
を算出する方法は、特に限定されるものではない。該算
出方法としては、具体的には、例えば、熱分析の記録紙
から吸収ピークの部分を切り取った断片の重量を測定す
ることにより、ピーク面積を求める重量法;吸収ピーク
の部分の形状を三角形に近似してピーク面積を求める半
値幅法;プラニメーターを用いて実測する方法;面積解
析プログラム等を用いて算出する画像解析法;等が挙げ
られる。
【0055】本発明にかかるトナーに含まれる四級アン
モニウム塩化合物は、いわゆるアモルファス(非晶質)
状態となっている。従って、複写動作中におけるトナー
の帯電を比較的安定化させることができる。つまり、該
トナーの帯電量を、複写時の作業環境に関わらず良好な
状態に維持することができる。これに対し、前記不等式
(I)を満足しないトナーに含まれる四級アンモニウム
塩化合物は、結晶状態となっている。この場合には、複
写動作中におけるトナーの帯電を安定化させることがで
きない。つまり、複写時における該トナーの帯電量を、
良好な状態に維持することができない。
【0056】また、本発明にかかるトナーには、その物
理特性や熱特性をより一層改善するために、或いは、そ
の流動性や耐凝集性等をより一層向上させるために、必
要に応じて、トナーに一般に用いられている公知の助剤
や外添剤、離型剤等が添加されていてもよい。助剤とし
ては、具体的には、例えば、ポリアルキレンワックスや
パラフィンワックス、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、金属
石鹸等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
外添剤としては、具体的には、例えば、チタニア、シリ
カ、アルミナ、マグネタイト、フェライト等の、金属酸
化物の微粒子;アクリル酸系樹脂、フッ素系樹脂等の、
合成樹脂の微粒子;ハイドロタルサイト;等が挙げられ
るが、特に限定されるものではない。離型剤としては、
具体的には、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等
が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0057】トナーに助剤や外添剤、離型剤等を添加す
ることにより、トナー組成物が得られる。助剤の添加量
は、特に限定されるものではないが、バインダ樹脂10
0重量部に対して、0.1重量部〜10重量部の範囲内
がより好ましい。また、外添剤の添加量は、特に限定さ
れるものではないが、バインダ樹脂100重量部に対し
て、0.01重量部〜5重量部の範囲内がより好まし
い。尚、トナーに助剤や外添剤、離型剤等を添加する添
加方法は、特に限定されるものではない。
【0058】そして、トナー(またはトナー組成物)と
キャリアとを混合することにより、本発明にかかる現像
剤が得られる。上記のキャリアは、現像剤に一般に用い
られている公知の磁性体を採用することができ、特に限
定されるものではない。キャリアとしては、具体的に
は、例えば、鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉、い
わゆる磁性樹脂キャリア等が挙げられる。また、これら
物質をコア材とし、該コア材を、シリコーン系樹脂やフ
ッ素系樹脂、アクリル酸系樹脂、スチレン系樹脂、エポ
キシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ポリアミド樹脂等で被覆処理(コーティング)し
てなるキャリアを用いることもできる。上記例示のキャ
リアのうち、フェライト系コア材または鉄系コア材を、
シリコーン系樹脂またはフッ素系樹脂で被覆処理してな
るキャリアがより好ましく、鉄系コア材をフッ素系樹脂
で被覆処理してなるキャリア、および、フェライト系コ
ア材をシリコーン系樹脂で被覆処理してなるキャリアが
特に好ましい。また、キャリアの平均粒子径は、20μ
m〜200μmの範囲内が好ましい。
【0059】本発明にかかる現像剤は、作業環境や使用
形態に関わりなく複写時における帯電量を良好な状態に
維持することができ、これにより画像濃度を良好な状態
に維持することができ、画質を向上させることができ
る。つまり、本発明にかかる現像剤を用いることによ
り、複写時における帯電安定性並びに画像安定性を改善
することができ、かつ、感光体等の像担持体に対する汚
染(フィルミング)を防止することができる。
【0060】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。尚、実施例および比較例に記載
の「部」は、「重量部」を示している。
【0061】混練装置から取り出される際の溶融混練物
の溶融粘度は、E型粘度計(東機産業株式会社製)を用
いて所定の条件下で測定した。
【0062】原料混合物単位重量当たりの四級アンモニ
ウム塩化合物の熱分析吸収ピークの面積A、並びに、ト
ナー単位重量当たりの四級アンモニウム塩化合物の熱分
析吸収ピークの面積Bは、原料混合物並びにトナーの示
差走査熱量測定(DSC (differential scanning calo
rimetry))を示差走査熱量計(セイコー電子株式会社
製,機種名「SCC/5200」)を用いて以下の条件
下で行うことによって求めた。
【0063】即ち、基準物質としてα−Al2 3 を用
いた。また、測定試料約20mgを蓋付きのアルミニウ
ムセルに秤量した。測定条件は、昇温速度10℃/分と
し、250℃まで加熱した。そして、得られたDSC曲
線(測定データ)から、四級アンモニウム塩化合物の吸
収ピークの総ピーク面積を、必要に応じてベースライン
補正を行った後、重量法を採用して読み取った。該総ピ
ーク面積を、用いた測定試料の重量で除することによ
り、測定試料単位重量当たりの四級アンモニウム塩化合
物の熱分析吸収ピークのピーク面積を求めた。そして、
原料混合物とトナーとについて上記の測定・操作を行う
ことにより、面積A並びに面積Bを求めると共に、面積
の比(B/A)を算出した。
【0064】現像剤の複写テストは、市販の複写機およ
び転写紙を用いて、通常環境下(温度25℃、相対湿度
60%)、並びに、高温高湿環境下(温度35℃、相対
湿度85%)の両作業環境下で実施した。トナーの帯電
量μ(C/g)は、ブローオフ帯電量測定器(東芝ケミ
カル株式会社製)を用いて測定した。複写画像(トナー
像)の画像濃度は、マクベス濃度計(マクベス社製)を
用いて測定した。カブリは、Z−II OPTICAL
SENSOR(日本電色株式会社製)を用いて測定し
た。尚、カブリとは、複写画像が転写された転写紙の白
地部分がかぶる現象を示している。
【0065】そして、上記帯電量μ(C/g)、画像濃
度、およびカブリを、複写開始初期(以下、単に初期と
記す)、5,000枚複写後(以下、単に5,000枚
と記す)、並びに、10,000枚複写後(以下、単に
10,000枚と記す)について測定した。また、これ
ら測定時における、現像スリーブからのトナーの飛散状
態、つまり、複写機内でのトナーの飛散状態(以下、ト
ナー飛散状態と記す)を観察し、トナーが飛散していな
い場合を「○」、若干飛散している場合を「△」、飛散
している場合を「×」と評価(三段階)した。そして、
これら帯電量μ(C/g)、画像濃度、カブリ、および
トナー飛散状態の結果に基づいて、複写が良好に行われ
たか否かを総合評価し、複写が良好に行われ、しかもト
ナーが飛散していない場合を「○」、複写が良好に行わ
れたがトナーが飛散している場合を「△」、複写が良好
に行われず、しかもトナーが飛散している場合を「×」
と評価(三段階)した。
【0066】〔実施例1〕混合機であるスーパーミキサ
ー(株式会社カワタ製)に、バインダ樹脂としてのスチ
レン−アクリル酸共重合体(三洋化成工業株式会社製)
100部、ポリエチレン(ヘキスト社製,商品名「PE
−130」)2部、およびポリプロピレン(三洋化成工
業株式会社製,商品名「ビスコール550P」)2部を
仕込むと共に、着色剤としてのカーボン(三菱化学株式
会社製,商品名「MA−100S」)5部と、四級アン
モニウム塩化合物としての化合物a(融点188℃)2
部とを仕込んで混合することにより、原料混合物を調製
した。
【0067】次いで、混練装置としての二軸混練機(株
式会社池貝製,機種名「PCM65」)に上記の原料混
合物を仕込み、溶融混練された原料混合物、つまり溶融
混練物の温度が185℃(接触温度計による測定値)と
なるように該混練機の溶融混練温度を設定すると共に、
混練機の取り出し口温度を160℃に設定した。従っ
て、化合物aの融点と溶融混練温度との温度差(|溶融
混練温度−融点|)は3℃であった。そして、均一な溶
融混練物が得られるまで、原料混合物を上記の条件下で
溶融混練(二軸混練)した。
【0068】その後、混練機から溶融混練物を取り出
し、該溶融混練物を圧延機(三井鉱山株式会社製,機種
名「ドラムフレーカー」)を用いて厚さ1.5mmに圧
延した後、冷却した。混練機取り出し口での溶融混練物
の溶融粘度、即ち、160℃における溶融混練物の溶融
粘度は40,000Pa・sであった。次いで、得られ
た圧延物(混練物)を粉砕、分級することにより、平均
粒子径が10μmのトナーを得た。
【0069】上記原料混合物並びにトナーの示差走査熱
量測定を行って、原料混合物単位重量当たりの化合物a
の熱分析吸収ピークの面積A、並びに、トナー単位重量
当たりの化合物aの熱分析吸収ピークの面積Bを求める
と共に、面積の比(B/A)を算出した。該示差走査熱
量測定のチャート(DSC曲線)を図1に示した。尚、
原料混合物中の化合物aは、吸収ピークを2つ有してい
た。
【0070】その結果、これら面積の比(B/A)は
0.1であった。従って、上記のトナーは前記不等式
(I)を満足しており、これにより、本発明にかかるト
ナーが得られたことが判った。
【0071】そして、前記の混合機に、上記のトナー1
00部と、外添剤としてのシリカ粉末(日本アエロジル
株式会社製,商品名「R972」)0.1部、マグネタ
イト粉末(関東電化工業株式会社製,商品名「KBC1
00」)0.1部、および、ハイドロタルサイト系粉末
(協和化学工業株式会社製,商品名「ALCA−4」)
0.1部とを仕込んで混合(外添)することにより、ト
ナー組成物を得た。さらに、混合機であるナウターミキ
サー(ホソカワミクロン株式会社製)に、該トナー組成
物4部と、フェライト系コア材をシリコーン系樹脂で被
覆処理(コーティング)してなるフェライト系キャリア
100部とを仕込んで、撹拌、混合した。これにより、
本発明にかかる現像剤を得た。
【0072】得られた現像剤の複写テストを実施した。
結果を表1に示した。該結果から明らかなように、通常
環境下並びに高温高湿環境下の何れにおいても、帯電量
は安定して良好な値を維持しており、かつ画像濃度は安
定して高い状態を維持しており、カブリは実質的に発生
しなかった。また、トナー飛散状態は「○」であった。
従って、総合評価は両作業環境下で「○」であった。
【0073】〔実施例2〕実施例1において、溶融混練
物の温度が192℃(接触温度計による測定値)となる
ように二軸混練機の溶融混練温度を設定すると共に、該
混練機の取り出し口温度を170℃に設定し、さらに、
溶融混練物を厚さ2.8mmに圧延した以外は、同実施
例の各種操作と同様の各種操作を行うことにより、平均
粒子径が10μmのトナーを得た。化合物aの融点と溶
融混練温度との温度差は4℃であった。170℃におけ
る溶融混練物の溶融粘度は23,500Pa・sであっ
た。
【0074】実施例1と同様にして上記トナー並びに原
料混合物の示差走査熱量測定を行った。該示差走査熱量
測定のチャート(DSC曲線)を図2に示した。その結
果、面積Aと面積Bとの比(B/A)は0であった。従
って、上記のトナーは前記不等式(I)を満足してお
り、これにより、本発明にかかるトナーが得られたこと
が判った。
【0075】そして、実施例1の各種操作と同様の各種
操作を行うことによってトナー組成物を得た後、混合機
であるナウターミキサー(ホソカワミクロン株式会社
製)に、該トナー組成物4部と、鉄系コア材(鉄粉)を
フッ素系樹脂で被覆処理してなる鉄系キャリア(平均粒
子径100μm)100部とを仕込んで、撹拌、混合し
た。これにより、本発明にかかる現像剤を得た。
【0076】得られた現像剤の複写テストを実施した。
結果を表1に示した。該結果から明らかなように、通常
環境下並びに高温高湿環境下の何れにおいても、帯電量
は安定して良好な値を維持しており、かつ画像濃度は安
定して高い状態を維持しており、カブリは実質的に発生
しなかった。また、トナー飛散状態は「○」であった。
従って、総合評価は両作業環境下で「○」であった。
【0077】〔実施例3〕実施例1において、化合物a
の代わりに四級アンモニウム塩化合物としての化合物b
(融点195℃)2部を用い、溶融混練物の温度が19
0℃(接触温度計による測定値)となるように二軸混練
機の溶融混練温度を設定すると共に、該混練機の取り出
し口温度を165℃に設定し、さらに、溶融混練物を厚
さ2.3mmに圧延した以外は、同実施例の各種操作と
同様の各種操作を行うことにより、平均粒子径が10μ
mのトナーを得た。化合物bの融点と溶融混練温度との
温度差は5℃であった。165℃における溶融混練物の
溶融粘度は27,000Pa・sであった。
【0078】実施例1と同様にして上記トナー並びに原
料混合物の示差走査熱量測定を行った。該示差走査熱量
測定のチャート(DSC曲線)を図3に示した。その結
果、面積Aと面積Bとの比(B/A)は0.19であっ
た。従って、上記のトナーは前記不等式(I)を満足し
ており、これにより、本発明にかかるトナーが得られた
ことが判った。
【0079】そして、実施例1の各種操作と同様の各種
操作を行うことにより、本発明にかかる現像剤を得た。
得られた現像剤の複写テストを実施した。結果を表1に
示した。該結果から明らかなように、通常環境下並びに
高温高湿環境下の何れにおいても、帯電量は安定して良
好な値を維持しており、かつ画像濃度は安定して高い状
態を維持しており、カブリは実質的に発生しなかった。
また、トナー飛散状態は「○」であった。従って、総合
評価は両作業環境下で「○」であった。
【0080】〔実施例4〕実施例1において、化合物a
の代わりに化合物b(融点195℃)2部を用い、溶融
混練物の温度が197℃(接触温度計による測定値)と
なるように二軸混練機の溶融混練温度を設定すると共
に、該混練機の取り出し口温度を180℃に設定し、さ
らに、溶融混練物を厚さ2.0mmに圧延した以外は、
同実施例の各種操作と同様の各種操作を行うことによ
り、平均粒子径が10μmのトナーを得た。化合物bの
融点と溶融混練温度との温度差は2℃であった。180
℃における溶融混練物の溶融粘度は15,200Pa・
sであった。
【0081】実施例1と同様にして上記トナー並びに原
料混合物の示差走査熱量測定を行った。該示差走査熱量
測定のチャート(DSC曲線)を図4に示した。その結
果、面積Aと面積Bとの比(B/A)は0.05であっ
た。従って、上記のトナーは前記不等式(I)を満足し
ており、これにより、本発明にかかるトナーが得られた
ことが判った。
【0082】そして、実施例2の各種操作と同様の各種
操作を行うことにより、本発明にかかる現像剤を得た。
得られた現像剤の複写テストを実施した。結果を表2に
示した。該結果から明らかなように、通常環境下並びに
高温高湿環境下の何れにおいても、帯電量は安定して良
好な値を維持しており、かつ画像濃度は安定して高い状
態を維持しており、カブリは実質的に発生しなかった。
また、トナー飛散状態は「○」であった。従って、総合
評価は両作業環境下で「○」であった。
【0083】〔実施例5〕実施例1において、溶融混練
物の温度が195℃(接触温度計による測定値)となる
ように二軸混練機の溶融混練温度を設定した以外は、同
実施例の各種操作と同様の各種操作を行うことにより、
平均粒子径が10μmのトナーを得た。化合物aの融点
と溶融混練温度との温度差は7℃であった。
【0084】実施例1と同様にして上記トナー並びに原
料混合物の示差走査熱量測定を行った。該示差走査熱量
測定のチャート(DSC曲線)を図5に示した。その結
果、面積Aと面積Bとの比(B/A)は0であった。従
って、上記のトナーは前記不等式(I)を満足してお
り、これにより、本発明にかかるトナーが得られたこと
が判った。
【0085】そして、実施例1の各種操作と同様の各種
操作を行うことにより、本発明にかかる現像剤を得た。
得られた現像剤の複写テストを実施した。結果を表2に
示した。該結果から明らかなように、通常環境下並びに
高温高湿環境下の何れにおいても、帯電量は安定して良
好な値を維持しており、かつ画像濃度は安定して高い状
態を維持しており、カブリは実質的に発生しなかった。
但し、トナー飛散状態は「×」であったので、総合評価
は両作業環境下で「△」であった。
【0086】〔比較例1〕実施例1において、溶融混練
物の温度が178℃(接触温度計による測定値)となる
ように二軸混練機の溶融混練温度を設定した以外は、同
実施例の各種操作と同様の各種操作を行うことにより、
平均粒子径が10μmのトナーを得た。化合物aの融点
と溶融混練温度との温度差は10℃であり、従って、該
溶融混練温度は、前記した範囲に含まれていない。
【0087】実施例1と同様にして上記トナー並びに原
料混合物の示差走査熱量測定を行った。該示差走査熱量
測定のチャート(DSC曲線)を図6に示した。その結
果、面積Aと面積Bとの比(B/A)は0.3であっ
た。従って、上記のトナーは前記不等式(I)を満足し
ていない。これにより、比較用のトナーを得た。
【0088】そして、実施例1の各種操作と同様の各種
操作を行うことにより、比較用の現像剤を得た。得られ
た比較用現像剤の複写テストを実施した。結果を表2に
示した。該結果から明らかなように、通常環境下におい
て、帯電量は複写枚数の増加に伴って低下し、カブリの
度合いは複写枚数の増加に伴って増加した。また、高温
高湿環境下において、上記の傾向は、より一層顕著に現
れた。さらに、トナー飛散状態は「×」であった。従っ
て、総合評価は両作業環境下で「×」であった。
【0089】〔比較例2〕実施例2において、溶融混練
物を厚さ1.0mmに圧延した以外は、同実施例の各種
操作と同様の各種操作を行うことにより、平均粒子径が
10μmのトナーを得た。従って、該溶融混練物の厚さ
は、前記した範囲に含まれていない。実施例1と同様に
して上記トナー並びに原料混合物の示差走査熱量測定を
行ったところ、実施例2の結果と同様の結果が得られ
た。これにより、比較用のトナーを得た。
【0090】そして、実施例2の各種操作と同様の各種
操作を行うことにより、比較用の現像剤を得た。得られ
た比較用現像剤の複写テストを実施した。結果を表3に
示した。該結果から明らかなように、通常環境下におい
て、帯電量は全体的に若干低下し、カブリの度合いは全
体的に若干増加しているものの、画像濃度は安定して高
い状態を維持していた。しかしながら、高温高湿環境下
において、帯電量は複写枚数の増加に伴って低下し、カ
ブリの度合いは複写枚数の増加に伴って増加した。さら
に、トナー飛散状態は「×」であり、しかも感光体にト
ナーが付着して汚染した。従って、総合評価は通常環境
下で「△」、高温高湿環境下で「×」であった。
【0091】〔比較例3〕実施例2において、溶融混練
物を厚さ3.5mmに圧延した以外は、同実施例の各種
操作と同様の各種操作を行うことにより、平均粒子径が
10μmのトナーを得た。従って、該溶融混練物の厚さ
は、前記した範囲に含まれていない。実施例1と同様に
して上記トナー並びに原料混合物の示差走査熱量測定を
行ったところ、実施例2の結果と同様の結果が得られ
た。これにより、比較用のトナーを得た。
【0092】そして、実施例2の各種操作と同様の各種
操作を行うことにより、比較用の現像剤を得た。得られ
た比較用現像剤の複写テストを実施した。結果を表3に
示した。該結果から明らかなように、トナー飛散状態は
「○」であった。また、高温高湿環境下において、カブ
リの度合いは全体的に若干増加しているものの、帯電量
は安定して良好な値を維持しており、かつ画像濃度は安
定して高い状態を維持していた。しかしながら、通常環
境下において、帯電量は複写枚数の増加に伴って増加
し、画像濃度は複写枚数の増加に伴って低下した。従っ
て、総合評価は通常環境下で「×」、高温高湿環境下で
「△」であった。
【0093】〔比較例4〕実施例3において、混練機の
取り出し口温度を200℃に設定した以外は、同実施例
の各種操作と同様の各種操作を行うことにより、平均粒
子径が10μmのトナーを得た。混練機取り出し口での
溶融混練物の溶融粘度、即ち、200℃における溶融混
練物の溶融粘度は8,900Pa・sであり、従って、
該取り出し口温度は、前記した範囲に含まれていない。
【0094】実施例1と同様にして上記トナー並びに原
料混合物の示差走査熱量測定を行った。該示差走査熱量
測定のチャート(DSC曲線)を図7に示した。その結
果、面積Aと面積Bとの比(B/A)は0であった。こ
れにより、比較用のトナーを得た。
【0095】そして、実施例3の各種操作と同様の各種
操作を行うことにより、比較用の現像剤を得た。得られ
た比較用現像剤の複写テストを実施した。結果を表3に
示した。該結果から明らかなように、トナー飛散状態は
「○」であった。しかしながら、通常環境下並びに高温
高湿環境下の何れにおいても、帯電量は複写枚数の増加
に伴って増加し、画像濃度は複写枚数の増加に伴って低
下した。従って、総合評価は両作業環境下で「×」であ
った。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
【表3】
【0099】〔比較例5〕実施例1において、混練機の
取り出し口温度を70℃に設定した以外は、同実施例の
各種操作と同様の各種操作を行った。ところが、該温度
では混練機のモーターに過大な負荷が掛かって電流値が
上限を越え、該混練機が停止した。従って、トナーを得
ることができなかった。尚、70℃における溶融混練物
の溶融粘度は160,000Pa・sであった。
【0100】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のトナーの製造方
法は、以上のように、四級アンモニウム塩化合物を含む
原料混合物を混練するトナーの製造方法であって、取り
出し口での溶融混練物の溶融粘度が10,000Pa・
sとなる温度未満に該取り出し口温度が設定された混練
装置を用いて、四級アンモニウム塩化合物の融点がM℃
であるとき、(M−7)℃〜(M+7)℃の範囲内の温
度で原料混合物を溶融混練した後、得られる溶融混練物
を取り出して厚さ1.2mm〜3.0mmに圧延し、冷
却する方法である。
【0101】それゆえ、作業環境や使用形態に関わりな
く複写時における帯電量を良好な状態に維持することが
でき、これにより画像濃度を良好な状態に維持すること
ができるトナー、即ち、画質を向上させることができる
トナーを製造することができるという効果を奏する。そ
して、該トナーを用いることにより、複写時における帯
電安定性並びに画像安定性を改善することができ、か
つ、感光体等の像担持体に対する汚染(フィルミング)
を防止することができるという効果を奏する。
【0102】本発明の請求項2記載のトナーは、以上の
ように、請求項1に記載の方法により製造されるトナー
であって、原料混合物単位重量当たりの四級アンモニウ
ム塩化合物の熱分析吸収ピークのピーク面積がA、該原
料混合物から得られるトナー単位重量当たりの四級アン
モニウム塩化合物の同一条件下での熱分析吸収ピークの
ピーク面積がB、であるとき、不等式(I) (B/A)<0.2 ……(I) を満足する構成である。
【0103】本発明の請求項3記載のトナーは、以上の
ように、四級アンモニウム塩化合物が一般式(1)
【0104】
【化14】
【0105】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞ
れ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、ま
たは置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、A
rは置換基を有していてもよい芳香族環残基を表し、n
は自然数を表す)で表される化合物である構成である。
【0106】本発明の請求項4記載のトナーは、以上の
ように、原料混合物が、スチレン系樹脂、飽和ポリエス
テル樹脂、および不飽和ポリエステル樹脂からなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のバインダ樹脂を含む構成で
ある。本発明の請求項7記載のトナーは、以上のよう
に、トナーに含まれる上記四級アンモニウム塩化合物が
アモルファス状態となっている構成である。本発明の請
求項8記載のトナーは、以上のように、四級アンモニウ
ム塩化合物が、バインダ樹脂100重量部に対して、
0.05重量部〜10重量部である構成である。
【0107】それゆえ、作業環境や使用形態に関わりな
く複写時における帯電量を良好な状態に維持することが
でき、これにより画像濃度を良好な状態に維持すること
ができるトナー、即ち、画質を向上させることができる
トナーを提供することができるという効果を奏する。そ
して、上記構成のトナーを用いることにより、複写時に
おける帯電安定性並びに画像安定性を改善することがで
き、かつ、感光体等の像担持体に対する汚染(フィルミ
ング)を防止することができるという効果を奏する。
【0108】本発明の請求項5記載の現像剤は、以上の
ように、請求項2ないし4の何れか1項に記載のトナー
と、キャリアとを含む構成である。本発明の請求項6記
載の現像剤は、以上のように、キャリアが、フェライト
系コア材または鉄系コア材を、シリコーン系樹脂または
フッ素系樹脂で被覆処理してなるものである構成であ
る。
【0109】これにより、複写時における帯電安定性並
びに画像安定性を改善することができ、かつ、感光体等
の像担持体に対する汚染(フィルミング)を防止するこ
とができる現像剤を提供することができるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において得られた原料混合物
並びにトナーの示差走査熱量測定のチャートである。
【図2】本発明の他の実施例において得られた原料混合
物並びにトナーの示差走査熱量測定のチャートである。
【図3】本発明のさらに他の実施例において得られた原
料混合物並びにトナーの示差走査熱量測定のチャートで
ある。
【図4】本発明のさらに他の実施例において得られた原
料混合物並びにトナーの示差走査熱量測定のチャートで
ある。
【図5】本発明のさらに他の実施例において得られた原
料混合物並びにトナーの示差走査熱量測定のチャートで
ある。
【図6】本発明の一比較例において得られた原料混合物
並びに比較用トナーの示差走査熱量測定のチャートであ
る。
【図7】本発明の他の比較例において得られた原料混合
物並びに比較用トナーの示差走査熱量測定のチャートで
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03G 9/10 354 (72)発明者 小川 哲 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 尾藤 貴広 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 中村 雅 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−227177(JP,A) 特開 平9−80818(JP,A) 特開 平7−152205(JP,A) 特開 平8−194334(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】四級アンモニウム塩化合物を含む原料混合
    物を混練するトナーの製造方法であって、 取り出し口での溶融混練物の溶融粘度が10,000P
    a・sとなる温度未満に該取り出し口温度が設定された
    混練装置を用いて、四級アンモニウム塩化合物の融点が
    M℃であるとき、(M−7)℃〜(M+7)℃の範囲内
    の温度で原料混合物を溶融混練した後、得られる溶融混
    練物を取り出して厚さ1.2mm〜3.0mmに圧延
    し、冷却することを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法により製造されるト
    ナーであって、 原料混合物単位重量当たりの四級アンモニウム塩化合物
    の熱分析吸収ピークのピーク面積がA、該原料混合物か
    ら得られるトナー単位重量当たりの四級アンモニウム塩
    化合物の同一条件下での熱分析吸収ピークのピーク面積
    がB、であるとき、不等式(I) (B/A)<0.2 ……(I) を満足することを特徴とするトナー。
  3. 【請求項3】四級アンモニウム塩化合物が一般式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立して、
    置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を
    有していてもよいアラルキル基を表し、Arは置換基を
    有していてもよい芳香族環残基を表し、nは自然数を表
    す) で表される化合物であることを特徴とする請求項2記載
    のトナー。
  4. 【請求項4】原料混合物が、スチレン系樹脂、飽和ポリ
    エステル樹脂、および不飽和ポリエステル樹脂からなる
    群より選ばれる少なくとも一種のバインダ樹脂を含むこ
    とを特徴とする請求項2または3記載のトナー。
  5. 【請求項5】請求項2ないし4の何れか1項に記載のト
    ナーと、キャリアとを含むことを特徴とする現像剤。
  6. 【請求項6】キャリアが、フェライト系コア材または鉄
    系コア材を、シリコーン系樹脂またはフッ素系樹脂で被
    覆処理してなるものであることを特徴とする請求項5記
    載の現像剤。
  7. 【請求項7】トナーに含まれる上記四級アンモニウム塩
    化合物がアモルファス状態となっていることを特徴とす
    る請求項2ないし4のいずれかに記載のトナー。
  8. 【請求項8】四級アンモニウム塩化合物が、バインダ樹
    脂100重量部に対して、0.05重量部〜10重量部
    であることを特徴とする請求項4に記載のトナー。
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