JPH10186085A - 原子炉構造材への貴金属付着装置およびその方法 - Google Patents

原子炉構造材への貴金属付着装置およびその方法

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JPH10186085A
JPH10186085A JP8341167A JP34116796A JPH10186085A JP H10186085 A JPH10186085 A JP H10186085A JP 8341167 A JP8341167 A JP 8341167A JP 34116796 A JP34116796 A JP 34116796A JP H10186085 A JPH10186085 A JP H10186085A
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JP
Japan
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noble metal
reactor
structural material
decontamination
shot
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JP8341167A
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English (en)
Inventor
Nagayoshi Ichikawa
長佳 市川
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】原子炉構造材に有効かつ効率的に貴金属を付着
させて、その構造材の長寿命化を図る。 【解決手段】第1は原子炉1に接続した再循環ライン7
に貴金属注入ライン9と腐食電位測定装置11を設ける。
貴金属の付着による腐食電位変化を腐食電位測定装置11
でモニタしながら、貴金属の適正量を貴金属溶液注入ラ
イン9から原子炉1内の原子炉水中に注入する。第2は
構造材への貴金属付着を有効に行うために、構造材表面
の酸化皮膜が除去されるショットピーニングや除染と組
み合わせて貴金属注入を行う。ショットピーニングや除
染の過程または終了時は構造材表面の酸化皮膜が除去さ
れた状態であり、有効かつ効率よく貴金属付着を行うこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電所の原
子炉構造材(以下、構造材と記す)の腐食、特に応力腐
食割れを防止するために、構造材に貴金属を付着させる
ことができる原子炉構造材への貴金属付着装置およびそ
の方法に関する。
【0002】
【従来の技術】BWR発電所においては放射線場で水の
放射線分解により生成した酸素、過酸化水素等が原子炉
水中に存在する。構造材であるステンレス鋼やニッケル
基合金は原子炉のような高温環境下では、酸素、過酸化
水素の存在下で応力腐食割れを起こすことが知られてい
る。
【0003】この対策のために、給水から水素を注入し
て原子炉水中の酸素、過酸化水素を低減させる水素注入
技術が国内外のいくつかの原子力発電プラントで行われ
ている。酸素、過酸化水素の低減の効果は材料の腐食電
位に現れ、腐食電位が低下する。応力腐食割れの発生や
割れ亀裂の進展はこの腐食電位に依存しており、電位が
低いほど割れの発生や亀裂の進展が抑制される。
【0004】水素注入はこのような背景により実施され
ているが、弊害としてタービン系の線量率の上昇があ
る。これは核反応で生成したN−16が水素と反応して揮
発性のアンモニアとなり蒸気系へ移行し易くなるためで
ある。
【0005】この弊害を極力少なくし、なおかつ構造材
の腐食電位を低下させるために近年、貴金属を原子炉水
へ添加し、構造材へ貴金属を付着させ少量の水素注入で
腐食電位を低下させる方法が例えば特開平7−311296号
公報に開示されている。
【0006】この公報の技術は水冷却型原子炉または関
連設備の金属構成部の表面における割れの開始または進
展を現場において緩和することのできる方法で、貴金属
を含有している化合物の溶液を原子炉の水内に噴射して
金属構成部の表面に貴金属を付着させる方法である。
【0007】これは白金等の貴金属は電位の低い水素の
可逆反応を選択的に捕らえる性質を利用したもので、貴
金属を構造材に付着させることにより、少量の水素注入
で腐食電位の低下を図るものである。
【0008】構造材への貴金属付着は炉水中へ貴金属化
合物を注入することにより実施される。貴金属の注入は
原子炉水中の貴金属の濃度を目的値になるようにコント
ロールし一定時間連続的に注入し、構造材へ貴金属を付
着させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の貴金属付着方法
は貴金属が構造材に確実に付着しているか否かの確認が
できないという課題がある。また、図12に示すように構
造材のステンレス鋼はその表面状態により貴金属の付着
し易さが異なる。図12は貴金属付着量と時間との関係
で、ステンレス鋼への貴金属付着に及ぼす酸化皮膜の影
響を示したものである。
【0010】貴金属を付着させる温度や水質によっても
付着の状況が異なると推定され、貴金属付着が有効に実
施されたことは確認できない。一方、図12に示したよう
に酸化皮膜が予め生成しているステンレス鋼の表面には
貴金属が付着しにくい課題がある。
【0011】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、構造材に貴金属を付着させるに当たり、最適
化および効率化を図ることができる構造材への貴金属付
着装置およびその方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
原子炉内または原子炉外に接続した原子炉水流路ライン
に貴金属溶液注入ラインと腐食電位測定装置を設けてな
ることを特徴とする。請求項1の発明によれば、原子炉
内または原子炉外に原子炉水を導いた腐食電位測定装置
を接続することにより貴金属の付着による腐食電位変化
をモニタしながら貴金属の適正量を原子炉水に注入する
ことができる。
【0013】請求項2に係る発明は、前記腐食電位測定
装置を原子炉底部に接続したボトムドレンラインに設け
てなることを特徴とする。請求項2の発明によれば、請
求項1の作用効果のほかに原子炉底部のボトムドレン部
に腐食電位測定装置を設けることにより原子炉底部の溶
接部またはその近傍を貴金属を付着して保護しようとし
た場合、その対象部位と同等の水質で貴金属の付着状態
を精度よく監視することができる。
【0014】請求項3に係る発明は、前記腐食電位測定
装置は原子炉水の入口と出口を有するオートクレーブ内
に高温高圧用参照電極、ステンレス鋼試験電極およびイ
ンコネル試験電極が収納され、これらの電極は信号ケー
ブルを介してエレクトロメータに接続されたものからな
ることを特徴とする。
【0015】請求項3の発明によれば、電位測定用オー
トクレーブに常時原子炉水を導いて、参照電極を基準と
して試験電極またはオートクレーブの腐食電位を測定す
ることにより、貴金属を注入しながら電位の評価ができ
る。
【0016】請求項4に係る発明は、前記腐食電位測定
装置は原子炉水の入口と出口を有するオートクレーブ内
に高温高圧用参照電極、ステンレス鋼試験電極、インコ
ネル試験電極および白金電極が収納され、これらの電極
は信号ケーブルを介してエレクトロメータに接続された
ものからなることを特徴とする。
【0017】請求項4の発明によれば、請求項3の作用
効果のほかに、構造材であるステンレス鋼等に貴金属を
付着させていくと、その腐食電位は貴金属そのものの腐
食電位に等しくなってくる。よって、試験片の腐食電位
を測定する際に貴金属、例えば白金の腐食電位と比較す
ることにより貴金属の付着状態を的確に判断することが
できる。
【0018】請求項5に係る発明は、原子炉の再循環ラ
インに貴金属溶液注入ラインを接続し、原子炉のボトム
ラインに腐食電位測定装置を接続し、この腐食電位測定
装置の出口側に溶存酸素計および溶存水素計を直列接続
し、前記腐食電位測定装置、溶存酸素計および溶存水素
計を信号処理装置に接続し、この信号処理装置を水素注
入量制御部に入力し、この水素注入量制御部を原子炉の
給水ラインに水素注入ラインを介して接続してなること
を特徴とする。
【0019】請求項5の発明によれば、貴金属注入を実
施する場合には溶存酸素計および溶存水素計の指示値に
より化学量論比よりやや多く水素が存在できる水素注入
量で水素注入を連続して行い、この状態で貴金属を添加
し、試験片の腐食電位をモニタすることにより貴金属の
付着状態をよりよく監視できる。
【0020】また、水素注入量をそれぞれ溶存酸素計と
溶存水素計の信号、または貴金属の腐食電位の信号を信
号処理装置で処理し、水素注入装置制御部へ転送し、こ
の信号を用いて水素注入ラインを介して注入される水素
注入量を制御する。これにより、常に最良の状態で貴金
属付着状態のモニタが可能であり、貴金属が有効に付着
したことを確実に把握することができる。
【0021】請求項6に係る発明は、構造材に表面処理
方法により清浄化面とした後、貴金属含有溶液を流して
前記構造材に貴金属を付着し、その貴金属付着量の電位
を測定することを特徴とする。
【0022】請求項6の発明によれば、構造材への貴金
属付着を有効に行うため、表面処理を施して構造材表面
の酸化皮膜を除去し、貴金属化合物を通流してその貴金
属付着量の電位を測定することにより効率よく構造材に
貴金属を付着できる。
【0023】請求項7に係る発明は、前記表面処理方法
はショットピーニング処理方法により構造物表面の酸化
皮膜を除去することを特徴とする。請求項7の発明によ
れば、ショットピーニング処理により構造材の応力を緩
和する場合には、ショットピーニング処理を施した部位
は酸化皮膜が除去または一部脱落して表面状態がショッ
トピーニング処理を施さないものとは異なる。
【0024】よって、貴金属注入を実施する前にショッ
トピーニング処理を施した場合は、ショットピーニング
処理を施した構造材を模擬した試験片を腐食電位測定装
置に設けることにより精度よく貴金属の付着状態および
貴金属の付着による腐食電位の変化を確認することがで
きる。
【0025】請求項8に係る発明は、前記ショットピー
ニング処理方法のショット搬送液は貴金属化合物溶液ま
たは貴金属あるいは貴金属酸化物粉末が添加された液か
らなることを特徴とする。
【0026】請求項8の発明によれば、搬送液はショッ
トとともに応力を緩和させたい構造材に噴射される。搬
送液中に貴金属またはその化合物の溶液を添加し、噴出
されたショットが原子炉構造材の酸化皮膜を除去すると
ともに搬送液中の貴金属を酸化皮膜に取り込ませる。こ
の方法によると腐食電位を低下させたい溶接部やその周
辺に確実に貴金属を付着させることができる。
【0027】請求項9に係る発明は、前記ショットピー
ニングのショットは貴金属粉末または貴金属酸化物粉末
からなり、その粒径は0.1 μm以下からなることを特徴
とする。
【0028】請求項9の発明によれば、ショットピーニ
ング処理のショットに貴金属、貴金属酸化物または不溶
性の貴金属化合物の粉末を使用することによりショット
ピーニング処理操作が容易となり、それらの粉末を0.1
μm程度に選択することにより、原子炉内の各部分や、
原子炉水のサンプリング配管に付着しても原子炉水の流
れに影響を及ぼすことはない。
【0029】請求項10に係る発明は、前記ショットピ
ーニング処理方法のショットは貴金属粒子または表面に
貴金属が付着またはコーティングされた粒子からなるこ
とを特徴とする。
【0030】請求項10の発明によれば、ショットピー
ニング処理において、貴金属のみからなる粒子、または
表面に貴金属をめっき、蒸着等で被覆したショットを使
用することにより構造材に衝突した際に効率よく確実に
貴金属を構造材に付着することができる。
【0031】請求項11に係る発明は、前記ショットピー
ニング処理方法の搬送液に貴金属を注入する際に前記シ
ョットの吹出しノズル直前に貴金属化合物溶液を所定の
注入速度で注入し、前記搬送液中の貴金属の濃度をコン
トロールしながらショットピーニング処理することを特
徴とする。
【0032】請求項11の発明によれば、吹出しノズルの
直前に貴金属溶液注入ラインを設け、注入ポンプを介し
て貴金属溶液タンクから吹出しノズルへ貴金属を添加
し、一定濃度の貴金属を含む搬送液でショットピーニン
グ処理を行うことにより、搬送液中の貴金属濃度が希釈
されることなく平均的に貴金属を構造材に付着すること
ができる。
【0033】請求項12に係る発明は、前記表面処理方法
は水中でのレーザーピーニング処理方法からなり、構造
材が浸漬されている前記水は貴金属を含む溶液からなる
ことを特徴とする。
【0034】請求項12の発明によれば、貴金属を含んだ
水中に構造材を浸漬し、この状態で貴金属を付着させよ
うとする個所にレーザーを照射する。これによりレーザ
ーピーニング処理を施しながら応力低減効果と相俟って
構造材の表面に貴金属を付着することができる。
【0035】請求項13に係る発明は、構造材に付着した
放射能除去と貴金属注入を組み合わせて除染した後、洗
浄液で洗浄し、原子炉水中に貴金属を添加して前記除染
した構造材に貴金属を付着させることを特徴とする。
【0036】請求項13の発明によれば、構造材を除染し
て酸化皮膜を除染した後に、速やかに原子炉水へ貴金属
を注入する。除染処理を施した表面は酸化皮膜が除去さ
れ、新生面が露出する。この表面状態は貴金属が付着し
易く、除染の直後に貴金属を原子炉水中に注入すると効
率よく貴金属を構造材に付着することができる。
【0037】請求項14に係る発明は、原子炉内の化学除
染または機械除染後の洗浄液に貴金属化合物溶液を通流
し、除染用薬液または除染された放射能を除去しながら
構造材に貴金属を付着させることを特徴とする。
【0038】請求項14の発明によれば、除染後に実施さ
れる構造材等の洗浄の段階で、洗浄液に貴金属化合物溶
液を使用し、残留した除染液や除染された放射能等を除
去しながら原子炉構造材に貴金属を付着させることがで
き、よって除染の一工程中に貴金属付着を行うことがで
き、時間の短縮を図ることができる。また、貴金属化合
物の温度を高温に保持することにより、貴金属付着を効
率よく行うことができる。
【0039】請求項15に係る発明は、しゅう酸による溶
解と過マンガン酸による溶解を繰り返して除染するCO
RD法の除染過程で貴金属のしゅう酸塩またはさく酸塩
を添加し構造材に貴金属を付着させることを特徴とす
る。請求項15の発明によれば、貴金属付着を除染方法の
CORD法と組み合わせて行うことにより、より確実に
貴金属を構造材に付着させることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】図1により本発明の請求項1に対
応する構造材への貴金属付着装置の第1の実施の形態を
説明する。図1において、符号1は沸騰水原子炉(以下
原子炉と記す)を概略的に示しており、原子炉1には炉
心2内に冷却水を流入する給水ライン3が接続し、この
給水ライン3に原子炉1の底部に接続したボトムドレン
ライン4から導かれた浄化系ライン5が接続している。
炉心2は炉内構造物のシュラウドにより包囲されてい
る。
【0041】原子炉1内にはシュラウドのほか各種の炉
内構造物が設けられている。浄化系ライン5にはろ過脱
塩器6が接続されている。また、原子炉1には再循環ラ
イン7が接続され、再循環ライン7には再循環ポンプ8
が接続されており、この再循環ポンプ8の吐出側に浄化
系ライン5の一端と貴金属溶液注入ライン9が接続して
いる。
【0042】この貴金属溶液注入ライン9には貴金属溶
液注入ポンプ10が接続され、原子炉1内の原子炉水中に
貴金属を注入できるようになっている。貴金属溶液注入
ライン9が接続された上流側の再循環ライン7には腐食
電位測定装置11を備えたサンプリングライン12がバイパ
ス接続している。
【0043】原子炉水はサンプリングライン12を通して
腐食電位測定装置11に導かれるようになっており、この
腐食電位測定装置11により高温水中で腐食電位が測定で
きるようになっている。
【0044】貴金属を原子炉1内に注入する際にはこの
腐食電位測定装置11を起動させ、この腐食電位測定装置
11内に設置された試験片、または、例えば測定装置のオ
ートクレーブの電位を測定することにより貴金属による
腐食電位変化をモニタし、貴金属の付着の状況を腐食電
位の変化により確認し、貴金属の適切な注入を実施す
る。
【0045】本実施の形態では、腐食電位測定装置11を
再循環ライン7に設置したが、浄化系ライン5の適当な
位置等、原子炉水を腐食電位測定装置11に導かれる場所
であればどこでもよい。また、本実施の形態のように腐
食電位測定装置11を設置する方法のみでなく、腐食電位
測定センサを原子炉1内に直接装荷し、構造材の腐食電
位を測定してもよい。
【0046】腐食電位センサの設置場所は、貴金属注入
を実施し腐食電位を低下させたい部位近傍がもっとも望
ましいが、原子炉1内の装荷可能な位置であり、センサ
が原子炉水と直接接している場所であればよい。なお貴
金属の注入ラインは再循環ライン7に限るものでなく、
浄化系ライン5等で貴金属が炉水へ適切に注入できる場
所であればよい。
【0047】つぎに図2により本発明の請求項3に対応
する構造材への貴金属付着装置の第2の実施の形態を説
明する。図2は図1で説明した腐食電位測定装置11の構
成を示したものである。腐食電位測定装置11は上蓋13に
より気密に密閉される電位測定用オートクレーブ14と、
オートクレーブ14内に吊り下げられた高温高圧用参照電
極15,例えばSUS304のステンレス鋼試験電極16およ
び例えばインコネル182 のインコネル試験電極17と、こ
れらの電極15〜17を信号ケーブル18を介して接続したエ
レクトロメータ19とを具備している。
【0048】また、電位測定用オートクレーブ14には原
子炉水入口20および原子炉水出口21が接続され、図1に
示すバイパスライン12に接続して常時原子炉水をオート
クレーブ14内に導くことができる。
【0049】ここで、参照電極15を基準として試験電極
16,17またはオートクレーブ14の腐食電位を測定するこ
とにより貴金属を注入しながら電位の評価ができる。構
造材には幾つもの種類の金属が使用されており、その腐
食電位はそれぞれ異なる。よって、この試験電極16に、
貴金属注入により腐食電位の変化を期待したい部位に使
用されている種類の材料を設置するものとする。
【0050】ここでは、試験電極16,17としてSUS30
4 とインコネル182 を示したが、SUS316 やインコネ
ル600 等、他の鋼種で構造材に用いられ、貴金属注入に
より電位の変化を期待するものであればよい。
【0051】BWR原子力発電所の原子炉内の水質は一
様ではなく、部位によって異なる。これは原子炉内の中
性子やガンマ線の線量率が部位により異なることに主に
起因している。また水素注入を実施しているプラントで
は炉水中溶存酸素濃度が低下しており、水素を注入して
いないプラントとは水質が異なる。
【0052】これら種々の環境下で生成する構造材の表
面酸化皮膜はそれぞれ異なるものであり、これにより貴
金属を注入し、付着させようとした際にはその付着状況
が異なってくる。
【0053】ここでは、より精度よく貴金属等を監視す
るために、推定される水質、すなわち推定される溶存酸
素濃度、過酸化水素濃度、溶存水素濃度環境下で酸化皮
膜を生成した構造材と同等の材料を腐食電位測定用試験
片として使用する。
【0054】また、酸化皮膜の状態が推定可能な場合に
は、その酸化皮膜を作成できる他の手段を用いてもよ
く、必ずしも推定される水質環境下で酸化皮膜を生成さ
せなくともよい。
【0055】つぎに図3により本発明の請求項2に対応
する構造材への貴金属付着装置の第3の実施の形態を説
明する。本実施の形態が図1の実施の形態と異なる点は
原子炉1のボトムドレンライン4に腐食電位測定装置11
を設けた例にあり、他の部分は図1と同様である。よっ
て、図3中、図1と同一部分には同一符号を付して重複
する部分の説明は省略する。
【0056】本実施の形態では腐食電位測定装置11を貴
金属を付着したい部位の近傍に設けた例で、その部位の
水質環境と同様の条件下で腐食電位を監視できる。例え
ば原子炉底部の溶接部またはその近傍を貴金属付着で保
護しようとした場合、その対象とする部位の近傍に腐食
電位測定装置11を設置し、対象とする部位と同等の水質
で貴金属付着状況を監視するものである。
【0057】第2の実施の形態でも説明したように構造
材であるステンレス鋼等の酸化皮膜の生成は水質に依存
する。また、BWR原子炉内水質は一様でなく分布があ
るために、場所によって構造材の酸化皮膜の生成状態が
異なり、すなわち、貴金属の構造材表面への付着も異な
ってくる。第3の実施の形態によれば、このような貴金
属付着に及ぼす影響因子を極力低減させ、貴金属付着の
監視を精度よく実施することができる。
【0058】つぎに図4及び図5により本発明の請求項
4に対応する構造材への貴金属付着量の第4の実施の形
態を説明する。本実施の形態は図2に示した第2の実施
の形態においてオートクレーブ14内に白金電極22を設け
た腐食電位測定装置11aの例にあり、他の部分は図2と
同一であるため、図4中、図2と同一部分には同一符号
を付して重複する部分の説明は省略する。
【0059】すなわち、本実施の形態は腐食電位測定装
置11aのオートクレーブ14内に試験電極16,17の他に白
金電極22を設けてある。構造材であるステンレス鋼等に
貴金属を付着させていくと、その腐食電位は貴金属その
ものの腐食電位に等しくなってくる。よって、試験片の
腐食電位を測定する際に、貴金属、例えば白金電極22の
腐食電位と比較することにより貴金属の付着状態を的確
に判断するものである。
【0060】図5には若干の水素注入を実施した場合、
白金の電位が低下した状態でのSUS304 の腐食電位の
貴金属注入条件下の変化を示している。貴金属注入初期
はSUS304 の電位は高い値を示しているが、貴金属注
入を継続させていくと電位は徐々に低下し、白金電極の
電位と等しくなる。
【0061】この白金電極と等しくなった時点で、貴金
属付着は有効になされたと判断できる。白金電極の電位
と等しくなった以降も貴金属注入を継続した場合にはよ
り強固な貴金属付着がなされると考えられ、貴金属注入
を継続する場合もある。この実施例では白金電極を設置
する例を示したが、パラジウム等の貴金属を用いてもよ
い。
【0062】つぎに図6から図8により本発明の請求項
5に対応する構造材への貴金属付着量の第5の実施の形
態を説明する。本実施の形態は図3に示した第3の実施
の形態において、ボトムドレンライン4に接続した腐食
電位測定装置11の下流側ボトムドレンライン4から分岐
した計測用配管23に溶存酸素計24および溶存水素計25を
設け、腐食電位測定装置11,溶存酸素計24および溶存水
素計25の信号を送信ケーブル26を通して入力する信号処
理装置27を設け、この信号処理装置27の処理信号を入力
する水素注入量制御部28を設け、この水素注入量制御部
28からの水素を給水ライン3に注入する水素注入ライン
29を設けたことにある。
【0063】白金等の貴金属の腐食電位は図7に示すよ
うに溶存酸素と溶存水素のモル比が化学量論比である
1:2以上に水素濃度が上昇すると急激に水素電極反応
の低い電位になる。しかしながら、ステンレス鋼等の電
位は溶存酸素濃度に大きく依存し、上記の化学量論比よ
り水素が増加しても変化は少ない。
【0064】よって、原子炉水中の溶存酸素濃度と溶存
水素濃度の比が化学量論比より若干水素濃度を高めにす
ると、ステンレス鋼と白金等の電位差が大きくなり、貴
金属がステンレス鋼に付着し、白金等の貴金属と同じよ
うになっていく過程において、電位の場合の変化が大き
く判断し易い。
【0065】水素注入時の原子炉水中の溶存酸素濃度と
水素濃度の一例を図8に示した。この例によれば給水水
素濃度が0.3ppm程度で水素の濃度が化学量論比より大き
くなることが分かる。よってこの例の場合は給水水素濃
度0.3ppm程度に制御できる水素供給装置があればよいこ
とになる。
【0066】貴金属注入を実施する場合には溶存酸素計
24および溶存水素計25の指示値により化学量論比よりや
や多く水素が存在することができる水素注入量で水素注
入を連続して行い、この状態で貴金属を添加し試験片の
腐食電位をモニタすることにより貴金属の付着の状態を
よりよく監視できる。
【0067】図7に示したように白金の電位は溶存水素
濃度が酸素との化学量論比を超えると急激に減少する。
よって、白金等の貴金属の腐食電位と水素注入量との関
係を予め測定しておき、急激に白金の腐食電位が低下す
る水素注入量を求めておき、この水素注入量で水素を注
入する。上記水素注入条件下で貴金属注入を実施し、試
験片の腐食電位をモニタすることにより、貴金属が有効
に試験片に付着すると大きく腐食電位が低下するので容
易に貴金属付着の確認ができる。
【0068】また、図6において、水素注入量をそれぞ
れ溶存酸素計24と溶存水素計25の信号または貴金属の腐
食電位の信号を信号処理装置27で処理し、水素注入量制
御部28へ転送し、この信号を用いて水素注入ライン29を
介して注入される水素注入量を制御する。
【0069】この方法によれば、常に最良の状態で貴金
属付着状態のモニタが可能であり、貴金属が有効に付着
したことを確実に把握することができる。この例では溶
存酸素濃度と溶存水素濃度を用いる方法および貴金属の
腐食電位を用いる両方の方法を示したが、どちらか一方
でもよい。
【0070】つぎに、図9により本発明の請求項6〜請
求項10に対応する構造材への貴金属付着方法の第1の実
施の形態を説明する。本実施の形態は構造材の溶接部の
応力緩和のためのショットピーニングと構造材への貴金
属注入を組み合わせて、ショットピーニング処理と同
時、または終了後、構造材に速やかに貴金属を付着させ
るか、または原子炉水中に速やかに貴金属を注入してシ
ョットピーニングにより生成した新生表面により良く貴
金属を付着させることにある。
【0071】図9は本実施の形態の方法を実施するため
の装置を概略的に示した系統図で、図9中符号30は構造
材で、31は吹出しノズル,32はショット容器,33は搬送
液容器であり、吹出しノズル31,ショット容器32および
搬送液容器33は連通管34により接続している。
【0072】搬送液容器33内の搬送液33aは連通管34を
通ってショット容器32内のショット32aとともに応力を
緩和させたい原子炉構造物30に吹出しノズル31から噴射
される。本実施の形態ではこの搬送液32a中に貴金属ま
たはその化合物粉末、あるいは貴金属酸化物粉末や溶液
を添加し、噴射されたショット32aが構造材30の酸化皮
膜を除去するとともに搬送液中の貴金属を酸化皮膜中に
取り込ませる。
【0073】これにより、腐食電位を低下させたい溶接
部やその周辺に確実に貴金属を付着させることができ
る。ショット容器32内のショット32aとしては通常の鋼
球のほか貴金属粉末または貴金属酸化物粉末を使用する
こともでき、これらの粒径は0.1 μm以下とすることが
望ましい。0.1 μm程度にした場合には原子炉内の各部
分や原子炉水のサンプリング配管に付着しても原子炉水
の流れに影響を及ぼすことはない。
【0074】ショットピーニングのショットそのものを
貴金属にするか、またはショットの全部または一部の表
面を貴金属または貴金属化合物で被覆したものを用い
て、ショットピーニングを実施し、構造材へ貴金属を付
着させることもできる。貴金属のショットへの付着方法
はめっき、蒸着等どのような方法でもよい。貴金属はシ
ョットが構造材に衝突した際に貴金属を効率よく確実に
構造材に付着することができる。
【0075】図12で説明したように、貴金属の付着状態
は構造材の表面状態に関係があり、酸化皮膜がない方が
より効率よく貴金属が付着する。ショットピーニング処
理を実施すると、その処理を施した表面は酸化皮膜が除
去され、新生面が露出する。この表面状態は貴金属を付
着し易く、ショットピーニングの直後に貴金属注入を実
施することによって効率よく貴金属の付着を行うことが
できる。
【0076】つぎに図10により本発明の請求項11に対応
する構造材への貴金属付着方法の第2の実施の形態を説
明する。本実施の形態は図9に示した第1の実施の形態
に置いて、吹出しノズル31とショット容器32との間の連
通管34に、分岐して貴金属溶液注入ライン35を接続し、
この注入ライン35に注入ポンプ36および貴金属溶液タン
ク37を直列接続したことにある。その他の部分は図9と
同様なので同一部分には同一符号を付して重複する部分
の説明は省略する。
【0077】本実施の形態では吹出しノズル31の直前に
貴金属溶液注入ライン35を設け、注入ポンプ36を介して
貴金属溶液タンク37から吹出しノズル31へ貴金属溶液を
添加し、一定濃度の貴金属を含む搬送液でショットピー
ニングを実施する。本実施の形態によれば、搬送液中の
貴金属濃度が希釈されることなく平均的に貴金属を構造
材に付着することができる。
【0078】貴金属溶液の代わりに貴金属の微粉末を用
いることもできる。付着させたい白金やパラジウム等の
微粉末を搬送液中または、貴金属溶液タンクから供給
し、ショットとともに溶接部等に噴射するものである。
ショットとともに溶接部等に噴射されることにより貴金
属は、溶接部等に付着される。
【0079】また、貴金属粉末の代わりに貴金属酸化物
や、不溶性の貴金属化合物を用いることもできる。貴金
属酸化物は例えばPtO2 等であり、パラジウムやロジ
ウム等、他の貴金属酸化物であってもよい。また貴金属
の水酸化物や錯体等、水や溶媒に不要のものも用いるこ
とができる。
【0080】つぎに本発明の請求項12に対応する構造材
への貴金属付着方法の第3の実施の形態を説明する。本
実施の形態は、前記第1から第2の実施の形態における
ショットピーニング処理の代わりにレーザーピーニング
処理を使用し、構造材を貴金属を含む揚液中に浸漬した
状態で、レーザーピーニング処理による構造材の応力緩
和と貴金属の付着を同時に行うことができるようにした
ことにある。
【0081】本実施の形態によれば、レーザーピーニン
グ処理による構造材の溶接部およびその周辺の応力低減
方法と貴金属の付着方法と組み合わせたものである。す
なわち、レーザーピーニングは処理しようとする構造材
の部位にレーザーを照射することにより応力の緩和を図
るもので、水中で実施される。この水は貴金属を含んだ
溶液とすることによりレーザーピーニング処理を施しな
がら貴金属を構造材の表面に付着させることができる。
【0082】つぎに本発明の請求項13に対応する構造材
への貴金属付着方法の第4の実施の形態を説明する。本
実施の形態は構造材に付着した放射能除去と貴金属注入
を組み合わせて除染した後、洗浄液で洗浄し、原子炉水
中に貴金属を添加して除染した構造材に貴金属を付着さ
せることにある。
【0083】すなわち、除染を実施、構造材の表面の酸
化皮膜が除去された後に、速やかに原子炉水への貴金属
注入を実施するものである。図12に示したように貴金属
の付着の状況は構造材の表面状態に関係あり、酸化皮膜
がない方がより効率よく貴金属が付着する。
【0084】除染を実施すると、その処置を施した表面
は酸化皮膜が除去され、新生面が露出する。この表面状
態は貴金属を付着し易く、除染の直後に貴金属注入を実
施することによって効率よく貴金属の付着がなされる。
【0085】つぎに本発明の請求項14に対応する構造材
への貴金属付着方法の第5の実施の形態を説明する。本
実施の形態は原子炉内の化学除染または機械除染後の洗
浄液に貴金属化合物溶液を通流し、除染用薬液または除
染された放射能を除去しながら構造材に貴金属を付着さ
せることにある。
【0086】本実施の形態によれば、除染後に実施され
る構造材等の洗浄の段階で、洗浄液に貴金属化合物溶液
を用い、残留した除染液や除染された放射能等を除去し
ながら構造材に貴金属を付着させることにより、除染の
一工程中に貴金属付着を行うことができ、時間の短縮を
図ることができる。
【0087】また、除染後の洗浄液に貴金属化合物溶液
を用いる方法において、その溶液の温度をできるだけ高
温に保持し、貴金属の構造材への付着を促進させるもの
である。図11には45℃と95℃における貴金属のステンレ
ス鋼への付着に及ぼす温度の影響を示す。図11から明ら
かなように貴金属の付着は95℃の方が早く、短時間で有
効に貴金属付着がなされることがわかる。除染は原子炉
を開放して実施されるため、温度を100 ℃以上の高温に
することが困難であるが、できるだけ高温にして貴金属
付着を効率よく実施するものである。
【0088】つぎに本発明の請求項15に対応する構造材
への貴金属付着方法の第6の実施の形態を説明する。本
実施の形態はしゅう酸による溶解と過マンガン酸による
溶解を繰り返して除染するCORD法の除染過程で貴金
属のしゅう酸塩またはさく酸塩を添加して原子炉構造材
に貴金属を付着させることにある。
【0089】本実施の形態は貴金属付着を除染の一方法
であるCORD法と組み合わせて実施するものである。
CORD法とはしゅう酸による溶解と過マンガン酸によ
る溶解を繰り返し除染する方法である。
【0090】CORD法のしゅう酸による除染の際に貴
金属のしゅう酸塩またはさく酸塩を用いて除染の工程中
に貴金属付着を実施する方法である。また本実施の形態
の方法と最終の洗浄過程における貴金属溶液での洗浄を
組み合わせることによりより確実に貴金属を構造材に付
着させることが可能となる。
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、第1に構造材またはそ
れと同等の試験片を内蔵した腐食電位測定装置を設け、
貴金属を原子炉水中に注入している間に構造材または試
験片の腐食電位を測定し、その腐食電位の変化により有
効に貴金属が原子炉構造材に付着したことが確認でき
る。
【0092】第2にショットピーニングや除染により構
造材表面の酸化皮膜を除去することにより有効かつ効率
よく構造材に貴金属を付着させることができ、もって構
造材の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子炉構造材への貴金属付着装置
の第1の実施の形態を示す配管系統図。
【図2】本発明に係る装置の第2の実施の形態における
腐食電位測定装置を一部ブロックで示す縦断面図。
【図3】本発明に係る原子炉構造材への貴金属付着装置
の第3の実施の形態を示す配管系統図。
【図4】本発明に係る装置の第4の実施の形態における
腐食電位測定装置を一部ブロックで示す縦断面図。
【図5】若干の水素注入を実施した場合のSUS304 お
よび白金電位と貴金属注入時間との関係を示す特性図。
【図6】本発明に係る原子炉構造材への貴金属付着装置
の第5の実施の形態を示す配管系統図。
【図7】水素/酸素モル比と白金およびステンレス鋼の
電位を示す特性図。
【図8】原子炉水中の酸素、水素濃度と給水水素注入の
関係の一例を示す特性図。
【図9】本発明に係る原子炉構造材への貴金属付着方法
の第1の実施の形態を説明するための概略系統図。
【図10】本発明に係る原子炉構造材への貴金属付着方
法の第2の実施の形態を説明するための概略系統図。
【図11】貴金属付着に及ぼす温度の影響を示す特性
図。
【図12】ステンレス鋼への貴金属付着に及ぼす酸化皮
膜の影響を示す特性図。
【符号の説明】
1…原子炉、2…炉心、3…給水ライン、4…ボトムド
レンライン、5…浄化系ライン、6…ろ過脱塩器、7…
再循環ライン、8…再循環ポンプ、9…貴金属溶液注入
ライン、10…貴金属溶液注入ポンプ、11,11a…腐食電
位測定装置、12…サンプリングライン、13…上蓋、14…
オートクレーブ、15…参照電極、16…ステンレス鋼試験
電極、17…インコネル試験電極、18…信号ケーブル、19
…エレクトロメータ、20…原子炉水入口、21…原子炉水
出口、22…白金電極、23…計測用配管、24…溶存酸素
計、25…溶存水素計、26…送信ケーブル、27…信号処理
装置、28…水素注入量制御部、29…水素注入ライン、30
…構造材、31…吹出しノズル、32…ショット容器、33…
搬送容器、34…連通管、35…貴金属溶液注入ライン、36
…注入ポンプ、37…貴金属溶液タンク。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉の内部または外部に接続した原子
    炉水流路ラインと、この原子炉水流路ラインに設けた貴
    金属溶液注入ラインおよび腐食電位測定装置とを具備し
    たことを特徴とする原子炉構造材への貴金属付着装置。
  2. 【請求項2】 前記腐食電位測定装置を原子炉の再循環
    ライン、または原子炉底部に接続したボトムドレンライ
    ンに設けてなることを特徴とする請求項1記載の原子炉
    構造材への貴金属付着装置。
  3. 【請求項3】 前記腐食電位測定装置は原子炉水の入口
    と出口を有するオートクレーブと、このオートクレーブ
    内に収納された高温高圧用参照電極、ステンレス鋼試験
    電極およびインコネル試験電極と、これらの電極に信号
    ケーブルを介して接続したエレクトロメータとを具備し
    たことを特徴とする請求項1記載の原子炉構造材への貴
    金属付着装置。
  4. 【請求項4】 前記腐食電位測定装置は原子炉水の入口
    と出口を有するオートクレーブと、このオートクレーブ
    内に収納された高温高圧用参照電極、ステンレス鋼試験
    電極、インコネル試験電極および白金電極と、これらの
    電極に信号ケーブルを介して接続したエレクトロメータ
    とを具備したことを特徴とする請求項1記載の原子炉構
    造材への貴金属付着装置。
  5. 【請求項5】 原子炉と、この原子炉の再循環ラインに
    接続した貴金属溶液注入ラインと、前記原子炉のボトム
    ラインに接続した腐食電位測定装置と、この腐食電位測
    定装置の出口側に計測用配管を介して直列接続した溶存
    酸素計および溶存水素計と、前記腐食電位測定装置、溶
    存酸素計および溶存水素計に接続した信号処理装置と、
    この信号処理装置に接続した水素注入量制御部と、この
    水素注入量制御部と前記原子炉の給水ラインに接続した
    水素注入ラインとを具備したことを特徴とする原子炉構
    造材への貴金属付着装置。
  6. 【請求項6】 原子炉構造材を表面処理して清浄化面と
    した後、この清浄化された原子炉構造材に貴金属含有溶
    液を流して前記原子炉構造材に貴金属を付着し、その貴
    金属付着量の電位を測定することを特徴とする原子炉構
    造材の貴金属付着方法。
  7. 【請求項7】 前記表面処理はショットピーニング処理
    方法により原子炉構造物表面の酸化皮膜を除去すること
    を特徴とする請求項6記載の原子炉構造材への貴金属付
    着方法。
  8. 【請求項8】 前記ショットピーニング処理方法のショ
    ット搬送液は貴金属化合物溶液または貴金属あるいは貴
    金属酸化物粉末が添加された液からなることを特徴とす
    る請求項6記載の原子炉構造材への貴金属付着方法。
  9. 【請求項9】 前記ショットピーニングのショットは貴
    金属粉末または貴金属酸化物粉末からなり、その粒径は
    0.1 μm以下からなることを特徴とする請求項6記載の
    原子炉構造材への貴金属付着方法。
  10. 【請求項10】 前記ショットピーニング処理方法のシ
    ョットは貴金属粒子または表面に貴金属が付着またはコ
    ーティングされた粒子からなることを特徴とする請求項
    6記載の原子炉構造材への貴金属付着方法。
  11. 【請求項11】 前記ショットピーニング処理方法の搬
    送液にショットを流入し、かつ貴金属を注入するにあた
    り、前記ショットの吹出しノズル直前に貴金属化合物溶
    液を所定の注入速度で注入し、前記搬送液中の貴金属の
    濃度をコントロールしながらショットピーニング処理す
    ることを特徴とする請求項6記載の原子炉構造材への貴
    金属付着方法。
  12. 【請求項12】 前記表面処理方法は水中でのレーザー
    ピーニング処理方法からなり、原子炉構造材が浸漬され
    ている前記水は貴金属を含む溶液からなることを特徴と
    する請求項6記載の原子炉構造材への貴金属付着方法。
  13. 【請求項13】 原子炉構造材に付着した放射能除去と
    貴金属注入を組み合わせて除染した後、原子炉水中に貴
    金属を添加して前記除染により生成した原子炉構造材の
    新生面に貴金属を付着させることを特徴とする原子炉構
    造材への貴金属付着方法。
  14. 【請求項14】 原子炉内の化学除染または機械除染後
    の洗浄液に貴金属化合物溶液を通流し、前記化学除染ま
    たは機械除染時の除染用薬液または除染された放射能を
    除去しながら原子炉構造材に貴金属を付着させることを
    特徴とする原子炉構造材への貴金属付着方法。
  15. 【請求項15】 しゅう酸による溶解と過マンガン酸に
    よる溶解を繰り返して除染するCORD法の除染過程で
    貴金属のしゅう酸塩またはさく酸塩を添加し原子炉構造
    材に貴金属を付着させることを特徴とする原子炉構造材
    への貴金属付着方法。
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