JPH10185943A - 車両の衝突判定方法及び衝突判定装置 - Google Patents

車両の衝突判定方法及び衝突判定装置

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JPH10185943A
JPH10185943A JP9291438A JP29143897A JPH10185943A JP H10185943 A JPH10185943 A JP H10185943A JP 9291438 A JP9291438 A JP 9291438A JP 29143897 A JP29143897 A JP 29143897A JP H10185943 A JPH10185943 A JP H10185943A
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裕昭 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の側面衝突時や車両の前面又は後面衝突
時に乗員を保護するシステムの衝突判定能力を向上させ
る。 【解決手段】 車両変形と車両移動の少なくとも一方を
もたらす衝撃に起因する合成加速度を検出し、該合成加
速度を現在値まで区間積分して合成速度変化量を算出
し、該算出結果をしきい値判別するとともに、前記衝撃
のうち車両移動をもたらす成分に起因する移動加速度を
検出し、該移動加速度を現在値まで区間積分して移動速
度変化量を算出し、該算出結果をしきい値判別し、かつ
また前記車両移動をもたらす車両横方向軸と車両縦方向
軸のそれぞれの移動加速度を検出し、両移動加速度に基
づいて衝突角度を判定し、合成速度変化量と移動速度変
化量のしきい値判別結果と衝突角度判定結果を総合して
衝突判定を下す。様々な側面衝突から車両の横方向移動
を伴うような前面或いは後面衝突、さらには正面及び後
ろ正面衝突までを含め、十分な衝突判定能力を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の側面衝突時
や車両の前面又は後面衝突時に乗員を保護するシステム
に用いる車両の衝突判定方法及び衝突判定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の衝突時の安全性が特に重要
視され、衝突時に乗員を保護するエアバッグなどの乗員
保護システムは、様々な衝突局面に対応するため乗員保
護領域の拡大が検討されている。従来のエアバッグ・シ
ステムには、車両前面衝突時にステアリングやダッシュ
ボードなどの車室内前方構造物やフロントガラス等に、
乗員が頭や顔面や胸等を打ち付けるのを未然に防止する
前方エアバッグを運転席と助手席の両方に備えたものが
知られているが、車両側面衝突時における乗員保護を徹
底するまでに至らないものであった。このため、車両側
面衝突時に車室内側方構造物によって乗員に危害が及ぶ
のを防止する側方エアバッグが重視されるようになっ
た。
【0003】側方エアバッグは、乗員が車室内構造物に
衝合する前に、乗員と車室内構造物の間に展開して乗員
の受ける衝撃を和らげる点で、従来の前方エアバッグと
多々共通するものであるが、乗員の前方車室内空間より
も側方車室内空間の方が狭いため、前方エアバッグに比
べ小容量のエアバッグを車両側面部位のシート内やドア
内側パネル内などの部位に埋めこみ、乗員に危害が及び
やすい箇所を保護する観点から開発されてきた。しかし
ながら、車体前方の変形領域よりも車体側面の変形領域
は小さく、乗員に近い場所例えばドア等に衝突を受けた
場合、ドア内側パネル等の車室内空間への侵入(イント
ルージョン)が発生するため、衝突形態に応じて乗員に
及ぶ危害の種類もまた違ったものとなる。しかし、実際
にはこうした多種多様な衝突形態に合わせ、それぞれに
適切な衝突判定方法が求められるため、側方エアバッグ
の展開条件は様々な要素を慎重に取り込んで設定しなけ
ればならず、一筋縄では行かないのが現状であった。
【0004】側方エアバッグの展開が要求される衝突事
象は、大別すると3通りの場合に分類することができ
る。一つは、ドアなど乗員に近い場所へ車両等の重量物
が高速衝突する場合で、乗員の慣性移動の起こる前に、
ドア内側パネル等乗員側方構造物の車室内空間への強烈
な侵入による一次衝突によって乗員に傷害が加わる事象
であり、数ms程度の短時間での衝突判定が要求され
る。もう一つは、ドアなど乗員に近い場所へ車両等の重
量物が比較的低速で衝突する場合で、乗員自身は慣性力
で側方に移動するとともに、ドア内側パネル等の乗員側
方構造物が車室内空間へ侵入して乗員に危害が及ぶ事象
であり、前方エアバッグよりも概ね短い時間での判定が
要求される。残る一つは、車両前部及び後部など乗員か
ら離れた場所の側面へ車両等の重量物がぶつかる衝突や
前面斜め衝突であり、乗員自身が慣性力で側方へ移動
し、車室内構造物に打ち付けられたときに乗員に危害が
及ぶ事象である。
【0005】ところで、こうした多様な側面衝突を判定
するため、従来から、例えば機械的に接点を閉じる圧縮
スイッチや圧力センサをドア内に設置し、ドアの変形を
検出することで高速に側面衝突を判定する試み等がなさ
れてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】機械的に接点を閉じる
圧縮スイッチや圧力センサをドア内に設置し、ドアの変
形を検出する試みは、乗員側方構造物の車室内空間への
激しい侵入を伴う場合には有効であるが、Bピラーへの
電柱等の細長い物体が衝突する場合や、乗員側方構造物
の車室内空間への侵入を伴わない車両前部及び後部への
側面衝突の場合には、乗員に傷害が及ぶ場合でも衝突判
定できず、またその逆にドアの変形は伴うが乗員に傷害
の及ばない自転車等の軽量物体衝突やドア蹴飛ばし等の
乱用等により、側方エアバッグを不用に展開させてしま
う誤判定を下しやすいといった課題を抱えるものであっ
た。そこで、車両前面衝突判定方法と同様、車両側面衝
突にも高周波の振動に応答しないダンピング特性を有す
る機械式接点方式の加速度センサを用いた検知手法を導
入したり、或いはアナログ加速度信号を出力する加速度
センサにより速度変化量等の演算結果に基づいて判定す
る手法を導入し、衝突判定精度を向上させる試みがなさ
れたきた。
【0007】しかしながら、車両前面衝突判定の一手法
のように加速度センサを車室内中央部に設置した場合、
激しいドアの変形による侵入を伴うような衝突を数ms
という短時間で判定することは到底不可能であった。一
方また、これとは逆に加速度センサをBピラー中央等の
車両側面部に設置した場合は、判定すべき時間内にダイ
ナミックな加速度信号は得られるものの、加速度センサ
を設置した車両側面部への蹴飛ばし等の乱用や強いドア
閉めにおける信号がダイナミックな加速度信号として検
出されてしまい、短区間の速度変化量の差がなくなるた
めに、側方エアバッグ展開を必要とする多様な衝突形態
に対し、識別のための設定が困難であった。
【0008】また、前記圧縮スイッチや圧力センサと同
様、ドア内に加速度センサを設置する手法が、例えば特
開平7−2049号「対物車両側面衝突時の乗員拘束装
置及び乗員拘束方法」の実施例に開示されている。この
ものは、フロントドアの乗員着座付近に位置するドアの
内側パネルの下側最後端四分割体の凹みポケットに加速
度センサを設置し、側面衝突によって潰れた外側ドアパ
ネルによって痛打される時に加速度センサから得られる
120Gのダイナミックな加速度信号をトリガとし、一
定時間の加速度積分値をしきい値判別して衝突判定する
構成とされている。しかしながら、こうした装置もドア
への強烈な衝突には有効であるが、ドア以外の例えばB
ピラーの電柱衝突や車両前又は後ろ側面部への衝突、さ
らには前面オフセット衝突や前面斜め衝突のような車両
横方向移動を伴う前面衝突に対しては有効ではなく、側
方エアバッグ展開を必要とする多様な衝突形態に対し判
定性能を維持するのが容易でない等の課題があった。
【0009】また、上記従来の手法とは別に、本出願人
は、衝突時に車両に発生する複数の場所の速度変化量を
総合して判断し、多種多様な側面衝突及び横方向移動を
伴うような前面又は後面衝突に対しても衝突判定能力を
備える手法を模索してきた。しかしながら、例えば中速
側面衝突や高速側面斜め衝突などを比較的低めのしきい
値でできるだけ高速に判定しようとすると、例えば高速
正面衝突や後面衝突或いは低速時の前面斜め衝突といっ
た側方エアバッグの展開を必要としない前面衝突とのし
きい値マージンが十分に確保できないという課題があ
り、前記多種多様な側面衝突の判定しきい値設定に限界
をもたらす場合もあった。
【0010】また、こうした課題に関連して、例えば特
開平6−234342号「衝突時集中制御装置」の実施
例には、二軸の加速度データを検出し、一方の軸の加速
度データからの情報を他方の軸の加速度データからの情
報で除し、逆正接演算をして衝突角度を求め、この衝突
角度を衝突判定に用いる手法が開示されている。しかし
ながら、衝突直後の加速度データは乱高下するため、衝
突角度の逆正接演算に用いる値は非常に不安定であり、
除算により得られる衝突角度が発振してしまい、衝突判
定に用いるのは難しい等の課題を抱えるものであった。
また、衝突角度を閾値判別することで衝突の種類を前方
衝突と側方衝突と後方衝突に分類しているが、いずれの
衝突形態に対しても加速度信号の絶対値をしきい値判別
することで衝突判定を下すだけであり、各衝突形態をさ
らに細かく分類して衝突判定を下すまでに至らないもの
であった。また、加速度データの逆正接演算ではなく、
加速度データの区間積分値の逆正接演算により衝突角度
を割り出す乗員拘束システムが、特開平5−19343
9号に開示されているが、このものは加速度データを区
間積分により変動の少ない速度変化量に置き換えただけ
に過ぎず、除算により得られる衝突角度が静定しにくい
ことに変わりはなく、特に衝突直後ほど正確な衝突角度
判定が困難であり、高速の衝突判定が要求される衝突事
象には適さない等の課題があった。
【0011】本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされ
たものであり、衝突時に車両に発生する加速度信号を車
両縦軸方向と車両横軸方向の2軸で検出し、これら2軸
の加速度信号から除算に頼らない演算により衝突角度を
判定し、様々な側面衝突から車両の横方向移動を伴うよ
うな前面或いは後面衝突、さらには正面或いは後ろ正面
衝突までを含め、十分な衝突判定能力を備えた車両の衝
突判定方法及び衝突判定装置を提供することを目的とす
るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、車両移動をもたらす衝撃に起因する移動
加速度を、車両横方向軸と車両縦方向軸の2軸に分けて
検出し、該2軸に分けて検出した移動加速度をそれぞれ
区間積分して得られる速度変化量か又は前記2軸に分け
て検出した移動加速度を区間重積分して得られる移動変
位量を算出し、車両横方向軸又は車両縦方向軸の一方に
関する前記速度変化量又は移動変位量に予め設定した角
度係数を乗算し、乗算結果と車両横方向軸又は車両縦方
向軸の他方に関する前記速度変化量又は移動変位量との
大小比較から車両の衝突角度を判定し、該判定結果を衝
突判定に供することを特徴とするものである。
【0013】また、本発明は、車両変形と車両移動の少
なくとも一方をもたらす衝撃に起因する合成加速度を検
出し、該合成加速度を現在値まで区間積分して合成速度
変化量を算出し、該算出結果をしきい値判別するととも
に、前記衝撃のうち車両移動をもたらす成分に起因する
移動加速度を検出し、該移動加速度を現在値まで区間積
分して移動速度変化量を算出し、該算出結果をしきい値
判別し、かつまた前記車両移動をもたらす車両横方向軸
と車両縦方向軸のそれぞれの移動加速度を検出し、該移
動加速度に基づいて衝突角度を判定し、前記合成速度変
化量と前記移動速度変化量のしきい値判別結果と前記衝
突角度判定結果を総合して衝突判定を下すことを特徴と
するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図1ないし図8を参照して説明する。図1は、本発
明の車両の衝突判定装置を片側の車両側面ユニットと車
両中央ユニットで構成した場合の一実施形態を示す回路
構成図、図2は、図1に示した衝突角度判定手段の一実
施形態を示す回路構成図、図3は、図2に示した衝突角
度判定手段による角度判定領域を示す図である。
【0015】図1及び図2に示す車両の衝突判定装置1
は、側面衝突を受ける側の車両の側面変形量と移動量の
少なくとも一方をもたらす加速度が検出できる位置、例
えばBピラーの下側やサイドシル(別名サイドビーム)
又はクロスメンバの外側等の車両両側に配置した車両側
面ユニット1sと、側面衝突を受ける側の何れかに係わ
らず車両移動のみをもたらす加速度が検出できる位置、
例えばセンタートンネルに配置した車両中央ユニット1
cとから構成される。車両中央ユニット1cは、車両の
横方向軸(Y軸)の加速度だけでなく車両の縦方向軸
(X軸)の加速度も検出するようになっており、これに
より車両前面衝突の衝突判定も行うことができるように
なっている。Bピラー下側やサイドシルやクロスメンバ
の外側等の車両の側面部で検出される加速度は、側面衝
突を受ける側では車両の側面変形量と移動量が合成され
た物理量として検出され、衝突初期にはほぼ側面変形量
に起因する成分の比重が高く、車両の変形が収まってか
らは車両の移動量に起因する成分となること、また側面
衝突を受ける側と反対側では車両中央ユニット1cで検
出される加速度と同じく、車両の移動量に起因する成分
が逆極性で検出されることが、衝突実験結果から分かっ
ている。
【0016】図1に示す車両側面ユニット1sの加速度
センサ2により検出される車両の横方向軸(Y軸)の加
速度信号は、ローパスフィルタ3とAD変換器4を通過
し、離散値加速度データGsy(k)に変換される。加
速度センサ2や後述する加速度センサ22,62とし
て、ここではピエゾ抵抗変化を利用する応力歪みゲージ
を半導体基盤上に組み込んだもの用いる。ただし、ピエ
ゾ抵抗変化を検出する半導体加速度センサに限らず、静
電容量型半導体加速度センサや圧電素子を用いた加速度
センサなどを用いてもよく、1つのセンサで2軸或いは
3軸の加速度を検出できるものを用いることもできる。
本実施形態の場合、ローパスフィルタ3や後述するロー
パスフィルタ23,63は、折り返し歪みの影響を除去
するため、100Hzないし500Hz程度を越える高
周波成分を除去するよう濾波帯域を設定してある。離散
値加速度データGsy(k)は、続く短区間積分器5,
7と中区間積分器6,8及び長区間積分器9に送られ、
それぞれ所定の時間尺度の速度変化量の算出に供され
る。短区間積分器5,7にて算出される値は、比較的短
い一定区間、例えば2msから4ms程の区間で離散値
加速度データGsy(k)を現在値まで逐次加算したも
のであり、比較器10,12に供給される。中区間積分
器6,8にて算出される値は、比較的中間の一定区間、
例えば4msから12ms程の区間で離散値加速度デー
タGsy(k)を現在値まで逐次加算したものであり、
比較器11,13に供給される。長区間積分器9にて算
出される値は、比較的長い一定区間、例えば12msか
ら30ms程の区間で離散値加速度データGsy(k)
を現在値まで逐次加算したものであり、比較器14に供
給される。
【0017】比較器10,11のしきい値は、車両側面
構造物の変形による激しい侵入を伴うような高速側面衝
突などを判定できる急峻な速度変化量に値する量ss1
とsm1に設定してあり、短区間と中区間の両方の時間
尺度を有する。比較器10,11の出力は、次の論理和
ゲート15に送られる。比較器12,13のしきい値s
s2とsm2は、乗員自身の慣性による移動により側面
車室内部位にぶつかり傷害を受ける側面衝突形態に対し
て、ある程度発生する車両側面変形の速度変化量又は車
両移動の速度変化量を判定し、例えば衝突速度が比較的
緩慢な衝突や斜めからの衝突、或は衝突物剛性が比較的
低い構造物に対する衝突等で、側面乗員保護システムの
展開が必要な衝突レベルでの判定を意図して設定してあ
り、短区間と中区間の両方の時間尺度を有する。比較器
12,13の出力は、続く論理和ゲート16に送られ
る。長区間積分器9には、強いドア閉めや蹴飛ばしなど
の乱用或いは軽量物衝突のような単発的に大きい加速度
が発生する事象と、比較的長い時間に渡って速度変化が
発生する衝突事象を区別するため、長めの区間が設定さ
れ、比較器14のしきい値slも区別可能なレベルでの
判定を意図して設定される。論理和ゲート15,16及
び比較器14の出力は通信手段91に供給され、それぞ
れ異なった判定情報a種とb種及びc種信号として、後
述する車両中央ユニット1c内各部に送信される。
【0018】通信手段91は、例えば高速伝送できる専
用通信プロトコルに基づいた専用IC等を車両側面ユニ
ット1sと車両中央ユニット1cに搭載することで容易
に実現可能であり、インターフェース回路とマイクロプ
ロセッサにより独自の通信プロトコルに基づくよう構成
することもできる。また、通信手段91は、衝突判定情
報信号の他に、各ユニットの動作が正常に行われている
という意味の信号を伝送したり、故障を診断して確定し
た場合にその故障箇所の情報を伝送することも可能であ
る。
【0019】車両中央ユニット1cは、加速度センサ2
2により検出される車両の横方向軸(Y軸)の加速度信
号をローパスフィルタ23とAD変換器24を介して離
散値加速度データGcy(k)に変換する。離散値加速
度データGcy(k)は、加速度センサ62により検出
される車両の縦方向軸(X軸)の加速度信号をローパス
フィルタ63とAD変換器64を通過させて得た離散値
加速度データGcx(k)とともに、後述する衝突角度
判定手段61内の衝突角度演算器71に供給される。衝
突角度判定手段61は、図2に示した回路構成を有して
おり、本実施形態では側面衝突や側面斜め衝突或いは乗
員室よりも前又は後ろの側面部への衝突等の車両の広範
囲な側面に衝突するような側面衝突事象に対してのみ衝
突角度演算器71がアクティブとなるように設定してあ
り、その出力は左右の車両側面ユニット1s内の論理積
ゲート33にそれぞれ専用の信号として供給される。
【0020】また、離散値加速度データGcy(k)
は、続く短区間積分器25と中区間積分器26及び長区
間積分器27に供給され、それぞれ所定の時間尺度の速
度変化量が算出される一方、直接比較器31にも送られ
る。比較器31のしきい値は、例えば3Gから5G相当
の加速度値cssに設定してある。比較器31の出力
は、続く波形整形器39に送られ、一定時間の持続波形
として出力される。波形整形器39の遅延時間は、例え
ば10msないし30ms程の区間が適当であり、後述
するその他全ての波形整形器も同様の時間に設定してあ
る。長区間積分器27にて算出される値は、比較的長い
一定区間、例えば12msから30ms程の区間で離散
値加速度データGcy(k)を現在値まで逐次加算した
ものであり、比較器30に供給される。比較器30のし
きい値は、強いドア閉めや蹴飛ばし等の乱用及び軽量物
衝突のような単発的に大きい加速度が発生する事象と、
比較的長時間に渡って速度変化が発生する衝突事象を区
別する程度のしきい値clに設定される。比較器30の
出力は、衝突角度演算器71の出力と続く論理積ゲート
33を経由し波形整形器37に送られ、一定時間の持続
波形として出力される。中区間積分器26にて算出され
る値は、例えば4msから12ms程の区間で離散値加
速度データGcy(k)を現在値まで逐次加算したもの
であり、比較器29に供給される。短区間積分器25に
て算出される値は、例えば2msから4ms程の区間で
離散値加速度データGcy(k)を現在値まで逐次加算
したものであり、比較器28に供給される。比較器2
8,29のしきい値cs,cmは、例えば乗員室より前
又は後の側面部に衝突する事象やトラックなどの高い車
両等が衝突する事象や、車両前面衝突でも車両の横移動
を伴う高速オフセット衝突や高速斜め衝突のような事象
等のようにサイドシル付近の車両変形が比較的発生しな
い事象等が、素早く判定できるような値に設定される。
比較器29,28の出力は、続く論理和ゲート32を経
由して波形整形器35に送られ、一定の持続波形として
出力される。しきい値cs,cmは、短区間と中区間の
両方の区間でもって車両移動量が顕著に発生するような
衝突事象を判定する基準となる。
【0021】波形整形器39の出力は、前記車両側面ユ
ニット1sから通信手段91を介して中央ユニット1c
に送られてきた判定情報のうちのa種信号と対にされ、
論理積ゲート42に送られる。a種信号は、車両中央ユ
ニット1cにて受信された後、波形整形器38にて一定
時間の持続波形に変えられて論理積ゲート42に送られ
る。論理積ゲート42の出力は、続く論理和ゲート43
に送られて最終の衝突判定信号とされるため、車両側面
ユニット1sが車両側面構造物の変形により激しい侵入
を伴うような高速側面衝突を判定した場合は、ある一定
時間内に車両中央ユニット1cが3Gから5G程度の加
速度を検出した場合に衝突判定が下されることになる。
ここで、車両中央ユニット1cで3Gから5G程度の加
速度を検出するのは、例えば車両側面ユニット1sの加
速度センサ2でダイナミックに加速度が検出されるよう
な故障が発生した場合等に、車両側面ユニット1sが通
信手段91を介して誤ってa種信号を送信したり、或い
は外来ノイズ等で車両中央ユニット1cが誤ってa種信
号を受信してしまうことを避ける安全性確保のためと、
実際に車両側面構造物の激しい侵入を伴うような高速側
面衝突等の場合に、数ms程の高速判定を必要とするた
めであり、車両側面ユニット1sでは数ms程の高速判
定はできるが、衝突開始時間から車両中央ユニット1c
で検出する車両移動開始時点までに数ms程の遅れが生
じてしまうために、速度変化量が十分発生する前に衝突
判定を下さなければならないからである。
【0022】なお、本実施形態の他の手法として、例え
ば2ms前後の短区間積分により前記3Gから5G程度
の加速度以上に相当する速度変化量をもって判定するこ
とも可能である。ただし、衝突判定の適正時間と車両の
構造差による衝突開始時間から車両移動が始まるまでの
時間遅れ及び車両移動初期の速度変化量の大小等に配慮
し、実験結果を踏まえた適宜値に決定するとよい。ま
た、高速側面衝突等の場合は、速度変化量が十分発生す
る前に衝突判定を下さなければならないため、こうした
ケースでは角度判定手段61が衝突判定に寄与すること
はない。ただし、車両側面ユニット1sのしきい値は、
車両側面構造物の変形による激しい変形を伴うような高
速側面衝突が識別できるよう、急峻な速度変化量のレベ
ルに設定してあり、このため前面或いは後面衝突時に誤
判定を下すことはない。
【0023】波形整形器37の出力は、車両側面ユニッ
ト1sから通信手段91を介して車両中央ユニット1c
に送られてきた判定情報のb種信号と対にして論理積ゲ
ート41に送られる。b種信号も、中央ユニット1cで
受信後、波形整形器36にて一定区間の持続波形に変え
られて論理積ゲート41に供給される。論理積ゲート4
1の出力は続く論理和ゲート43に送られ、ここで最終
の衝突判定信号とされるため、車両側面ユニット1sに
よりある程度発生する車両側面変形又は車両移動の速度
変化量を判定した時、ある一定時間内に車両中央ユニッ
ト1cで車両移動の長区間速度変化量を検出した場合
に、衝突角度が側面衝突領域内に入っていることを条件
に衝突判定が下されることになる。
【0024】ここで、衝突角度を判定する衝突角度判定
手段61について、図2を参照して説明する。同図に示
した衝突角度判定手段61は、側面衝突を受ける側が何
れの側であるかに関係なく、車両の移動量のみに起因す
る加速度が検出できる位置、例えばセンタートンネルに
配置した車両中央ユニット1cに配設してある。このた
め、車両中央ユニット1cでは、車両の縦方向軸(X
軸)及び横方向軸(Y軸)の加速度を同時に検出するこ
とになり、車両側面衝突の衝突判定だけでなく、車両前
面衝突の衝突判定を行うことも可能である。
【0025】車両中央ユニット1cでは、前述したよう
に、加速度センサ22により検出された車両の横方向軸
(Y軸)の加速度信号がローパスフィルタ23とAD変
換器24を通過して離散値加速度データGcy(k)に
変換されるが、加速度センサ22とは別個に設けた加速
度センサ62が車両の縦方向軸(X軸)の加速度信号を
検出する。なお、加速度センサ22と加速度センサ62
は、一体型の2軸加速度センサや3軸加速度センサを用
いて構成してもよい。加速度センサ62によって検出さ
れた加速度信号は、ローパスフィルタ63とAD変換器
64を通過して離散値加速度データGcx(k)に変換
される。離散値加速度データGcy(k),Gcx
(k)は、それぞれ続く区間積分器72,73に供給さ
れ、そこで所定の時間尺度の速度変化量が算出される。
区間積分器72,73で算出される速度変化量は、概ね
中区間から長区間までの一定区間、例えば8msから3
0ms程の区間に亙って離散値加速度データGcy
(k),Gcx(k)を現在値まで逐次加算することで
算出される。区間積分器72の出力は、比較器81の非
反転入力端子及び比較器82の反転入力端子に供給され
る。一方、区間積分器73の出力は、続く絶対値回路7
4にて常に正の速度変化量に変換され、続く乗算器75
にて角度係数を乗算される。この角度係数は、車両の縦
方向軸(X軸)に対する車両左側(又は右)からの衝突
角度をδとしたときの正接すなわちtanδに相当する
ものであり、角度係数器76に設定された値が用いられ
る。角度係数tanδを乗算された区間積分出力は、定
数器78に設定された定数−caを続く加算器77にて
加算される。この定数−caは、車両の衝突角度δを前
後面衝突領域と側面衝突領域のいずれか一方に区画判定
する図3に示す2軸平面の原点近傍を、側面衝突領域に
包含させるための値であり、この定数−caにより側面
衝突領域は前後面衝突領域側にオフセット的に拡張され
る。加算器77の出力は途中で2分岐され、一方が比較
器81の反転入力端子に供給され、残る他方が乗算器7
9において負係数器80から供給された−1を掛けて極
性反転した後、比較器82の非反転入力端子に供給され
る。
【0026】ここで、比較器81の出力は、Y軸の離散
値加速度データを区間積分した速度変化量ΔVyが、X
軸の離散値加速度データを区間積分した速度変化量ΔV
xの絶対値|ΔVx|に角度係数tanδを乗じた量に
定数−caを加算した値|ΔVx|tanδ−caより
も大きいとき、すなわち ΔVy>|ΔVx|tanδ−ca のときにアクティブとなる。上式を変形すると arctan(ΔVy+ca)/|ΔVx|>δ となる。従って、Y軸の離散値加速度データを区間積分
した速度変化量ΔVyに定数caを加算した値ΔVy+
caをX軸の離散値加速度データを区間積分した速度変
化量の絶対値|ΔVx|で割り、得られた(ΔVy+c
a)/|ΔVx|を逆正接演算をして求めた角度、すな
わち衝突角度arctan(ΔVy+ca)/|ΔVx
|が、予め設定した角度δよりも大きいときに比較器8
1の出力がアクティブとなることを意味している。比較
器81の出力は、ここでは車両の左側衝突に対する衝突
角度判定信号となるものであり、左側の車両側面ユニッ
ト1s内の論理積ゲート33に送られる。
【0027】一方また、比較器82の出力は、Y軸の離
散値加速度データを区間積分した速度変化量ΔVyが、
X軸の離散値加速度データの絶対値を区間積分した速度
変化量ΔVxの絶対値|ΔVx|に角度係数−tanδ
を乗じた量すなわち−|ΔVx|tanδに定数caを
加算した値よりも小さいとき、すなわち ΔVy<−|ΔVx|tanδ+ca のときにアクティブとなる。上式を変形すると arctan(−ΔVy+ca)/|ΔVx|>δ となる。従って、Y軸の離散値加速度データを区間積分
した速度変化量ΔVyを定数caから減算した値−ΔV
y+caを、X軸の離散値加速度データを区間積分した
速度変化量の絶対値|ΔVx|で割り、その値の(−Δ
Vy+ca)/Δ|Vx|を逆正接演算をして求めた角
度、すなわち衝突角度arctan(−ΔVy+ca)
/|ΔVx|が、予め設定した角度δよりも大きいとき
に比較器82の出力がアクティブとなることを意味して
いる。比較器82の出力は、ここでは車両の右側衝突に
対する衝突角度判定信号となるものであり、右側の車両
側面ユニット1s内の論理積ゲート33に送られる。
【0028】本実施形態では、角度係数器78に設定す
る角度係数tanδを1又はそれに近い値、すなわち衝
突角度δを45°程度に設定するようにしてあり、しか
も定数−caにより側面衝突領域を前後面衝突領域側に
オフセットさせてあり、速度変化量ΔVx,ΔVyが零
に近い原点近傍における衝突角度判定に紛れが少なくな
る。このため、衝突角度演算器71にて判定される衝突
角度は、図3に示される領域となり、側面衝突及び側面
斜め衝突及び乗員室より前又は後ろの側面部への衝突等
の車両の広範囲な側面に衝突するような側面衝突事象に
より車両が移動する応答角度と、車両の正面又は後面衝
突及び前面オフセット衝突や前面斜め衝突等により車両
が移動する応答角度とが、明確に区別できることが実験
により確かめられている。
【0029】このように、上記の衝突角度判定手段61
は、衝突角度判定に除算を用いておらず、このためY軸
の離散値加速度データによる情報をX軸の離散値加速度
データによる情報で除して逆正接演算により衝突角度を
求める従来の方法のように、除算に用いる値が安定しな
いために求めた角度が発振してしまい、衝突判定に混乱
をもたらすといったことはなく、比較的簡単な演算によ
り、例えば側面衝突や側面斜め衝突或いは乗員室よりも
前又は後ろの側面部への衝突等の車両の広範囲な側面に
衝突するような側面衝突事象により車両が移動する応答
角度と、車両の正面又は後面衝突及び前面オフセット衝
突や前面斜め衝突等により車両が移動する応答角度とを
明確に区別することができ、高い衝突角度識別性能を備
えるものである。
【0030】ここでは、例えば強い蹴飛ばし等の乱用事
象により車両側面ユニット1sにて判定するしきい値を
越えたとしても、車両中央ユニット1cで判定する長区
間の速度変化量では衝突で発生する車両移動量との差が
著しいため、誤判定を回避することができる。さらに、
例えば非常な高速度で正面或いは後ろ正面衝突を起こし
たときに、側面ユニット1sにて判定するしきい値を越
え、車両中央ユニット1cにて判定するしきい値を越え
たとしても、衝突角度判定手段61で車両側面衝突なの
か、車両正面或いは後面衝突、オフセット前面衝突や前
面斜め衝突といった前面衝突なのかを明確に識別できる
ため、側面衝突のみを対象にしきい値を設定できること
になる。このため、衝突角度判定を用いない場合に比
べ、しきい値をより低い値に設定することができ、これ
により側面衝突どうしの識別のためのしきい値設定が柔
軟となり、かつ高速判定が困難な高速側面斜め衝突等の
判定時間を短縮することができる。
【0031】波形整形器35の出力は、車両側面ユニッ
ト1sから通信手段91を介して車両中央ユニット1c
に送られてきた判定情報のうちのc種信号と対にして論
理積ゲート40に送られる。このc種信号も、車両中央
ユニット1cで受信後、波形整形器34にて一定時間の
持続波形として論理積ゲート40に送られる。論理積ゲ
ート40の出力は、続く論理和ゲート43に送られて最
終の衝突判定信号とされるため、車両側面ユニット1s
が車両側面変形又は車両移動の長区間速度変化量を判定
した時、ある一定時間区間内に車両中央ユニット1c側
で車両移動の短区間又は中区間の速度変化量がしきい値
を越えた場合に、衝突判定が下されることになる。な
お、比較的低いしきい値の設定が必要な車両側面衝突に
ついては、前述の衝突角度判定を参照した衝突判定によ
り識別されるため、ここでの判定には衝突角度判定手段
61は寄与せず、より高い値のしきい値を用いることが
できる。その結果、例えば高速正面衝突や後ろ正面衝突
或いは低速時の前面斜め衝突や低速時の前面オフセット
衝突といった側面エアバッグの展開を必要としない前方
衝突とのしきい値マージンを飛躍的に向上させることが
できる。
【0032】なお、短区間積分器25及び中区間積分器
26から論理和ゲート32までの構成を、しきい値を変
えて2系統用意し、一方を衝突角度判定手段61と論理
積をとり、他方の結果との論理和を波形整形器35に送
る構成とすれば、衝突角度判定手段61と論理積をとる
側については車両側面衝突のみを判定することになるの
で、比較的低いしきい値に設定することが可能である。
こうすることで、乗員室より前又は後ろ側面部への衝突
やトラック等の高い車両等との衝突のように車室内を形
成する各ピラーやサイドシルの剛体物と離れた部位への
側面衝突の判定時間を短縮することが可能である。
【0033】また、通信手段91の判定情報であるa
種,b種,c種信号は、例えば車両側面ユニット1sに
よりc種信号を送信中にb種信号を送信する状態となっ
た場合は、b種信号に切り替え送信し、またb種信号を
送信中にa種信号を送信する状態となった場合は、a種
信号に切り替え送信するといったようにa種,b種,c
種の順に優先順位をもつように設定することができ、ま
た各種の判定条件を総合して同時に各情報を送信するこ
ともできる。ただし、優先順位を設ける場合は上記以外
の設定も可能であり、車両中央ユニット1cでは設定さ
れた優先順位を念頭に受信することになる。また、車両
側面ユニット1sと中央ユニット1cで判定する各区間
積分は、例えば短区間積分器5,7,25の区間はそれ
ぞれ2msから4ms程の中で適正な区間か又は同じ区
間でも設定可能であり、中区間積分器6,8,26の区
間と長区間積分器9,27に関しても同様の設定が可能
である。また、本実施形態にあっては、短区間と中区間
及び長区間の積分に対して、それぞれ1つの区間を設定
するように記述したが、例えば中区間積分に6msと8
msの2区間の積分区間を設け、各区間積分値をそれぞ
れしきい値判別するようにすることもできる。
【0034】なお、上記実施形態において、衝突角度判
定手段に複数の角度係数を設定し、衝突を更に細かい領
域で区分することも可能である。例えば、図4に示した
衝突判定手段161は、構成部分に添え字aを付した第
1の衝突角度判定手段と、構成部分に添え字bを付した
第2の衝突角度判定手段が併設されている。第1の衝突
判定手段の角度係数器76aに設定した第1の角度係数
tanδ1により、車両の広範囲な側面に衝突するよう
な側面衝突事象によって車両が移動する応答角度と、車
両の正面又は後面衝突及び前面オフセット衝突や前面斜
め衝突等によって車両が移動する応答角度を区分して検
出することができる。また、第2の衝突判定手段の角度
係数器76bに設定した第2の角度係数tanδ2によ
り、前面オフセット衝突や前面斜め衝突等の車両の横移
動を伴う前面或いは後面衝突の応答角度と、正面衝突及
び後ろ正面衝突の応答角度を区分して検出することがで
きる。図5は、上記衝突判定手段161による角度判定
領域を示す図であり、 ΔVy>|ΔVx|tanδ1−ca,ΔVy<−|Δ
Vx|tanδ1+ca が、第1の衝突判定手段の角度判定領域であり、 ΔVy>|ΔVx|tanδ2−ca,ΔVy<−|Δ
Vx|tanδ2+ca が、第2の衝突判定手段の角度判定領域である。この図
5の領域において、実際に衝突がたどる角度領域上の軌
跡の一例を図6を用いて説明する。図では正面衝突,後
ろ正面衝突,車両左側面衝突および角度を伴う前面衝突
についての軌跡が描かれている。但し、側面衝突系につ
いては衝突判定に必要な時間までをプロットしている。
この図6において、正面衝突は正面衝突に対する応答角
度判定領域に、後ろ正面衝突は後ろ正面衝突に対する応
答角度判定領域に、前面左斜め衝突および前面オフセッ
ト衝突は角度を伴う前面衝突に対する応答角度判定領域
に、側面衝突,乗員室より前の側面部への衝突,乗員室
より後ろ側面部への衝突および側面斜め衝突(30°お
よび45°)は左側面衝突に対する応答角度判定領域
に、その軌跡が描かれている。このことから衝突判定手
段161は、上述の通り、様々な衝突事象によって車両
が移動する応答角度を明確に区別して検出しているのが
わかる。なお、上記衝突判定手段161の区間積分器7
2,73は、X軸及びY軸の離散値加速度データを一回
積分し、得られた移動変位量を判別して衝突角度を判定
する構成であるが、X軸及びY軸の離散値加速度データ
をそれぞれ二回区間積分し、得られた移動変位量を判別
することにより、衝突角度を判定することも可能であ
る。
【0035】また、上記説明では、車両側面ユニット1
sを左側面又は右側面の片方の側面についてだけ取り出
して例示したが、図7には、左右の側方エアバッグに対
応する左側面と右側面の各車両側面ユニット1a,1b
を、それぞれ通信手段91a,91bを介して車両中央
ユニット1cに接続して構成した車両の衝突判定装置1
01が図示してある。この車両の衝突判定装置101で
は、車両中央ユニット1c内に、車両側面ユニット1a
用の比較器28a〜31aと車両側面ユニット1b用の
比較器28b〜31bが配設されており、前述の波形整
形器34〜39や論理ゲート32,33,40〜43に
ついても、車両側面ユニット1a,1b用に対応させて
添え字a,bを付したものが一対ずつ配設されている。
なお、比較器31aのしきい値cssaと比較器31b
のしきい値cssbは、互いに逆極性の加速度値であ
り、他の比較器についても同様に、添え字a,bが極性
の正負に対応した違いを表す。
【0036】図8に示す車両の衝突判定装置201は、
車両側面ユニット1s内で、ある程度発生する車両側面
変形の速度変化量又は車両移動の速度変化量を判定する
ため、短区間積分器7のしきい値判別出力と中区間積分
器8と長区間積分器9の各しきい値判別出力を論理和ゲ
ート16を介して論理積ゲート19に送り、論理積ゲー
ト19の出力を通信手段91のb種信号として中央ユニ
ット1cに送信するようにしたものである。3種の区間
判定尺度を論理積で判定することは、乗員保護システム
の展開が必要な側面衝突では短区間と中区間又は長区間
の両方の速度変化量がある程度発生することを捕らえる
ことを意味しており、これにより図1,7に示した実施
形態とは判定性能が若干異なる衝突判定が可能となる。
すなわち、比較器12,13に設定するしきい値ss
2’,sm2’を、前記実施態様に用いた値ss2,s
m2よりも小さな値に設定することで、高速側面斜め衝
突について必要時間内に確実に衝突判定できるようにな
り、高速判定が困難な高速側面斜め衝突の衝突判定時間
性能を向上させることができる。
【0037】一方また、車両中央ユニット1cの短区間
積分器25と中区間積分器26及び長区間積分器27の
3種の区間判定は、一括して論理和ゲート46に送ら
れ、衝突角度判定手段61の出力とともに論理積ゲート
47に送られる。また、通信手段91により車両側面ユ
ニット1sから送られてきたb種信号は、前記論理積ゲ
ート47の出力とそれぞれ波形整形器48,49経由で
論理積ゲート52に供給される。短区間積分器25から
の出力を判定する比較器28のしきい値csと、中区間
積分器26からの出力を判定する比較器29のしきい値
cm1、さらに長区間積分器27からの出力を判定する
比較器30のしきい値clは、図1に示した実施態様と
同様の観点から決定される。また、上記b種信号は、前
面又は後面衝突及び前面オフセット衝突や前面斜め衝突
等を判定するため、中区間積分器44の出力とともにそ
れぞれ波形整形器50,51経由で論理積ゲート53に
送られる。中区間積分器44からの出力を判定する比較
器45のしきい値cm2も、図1の実施形態と同様の観
点から決定される。また、中区間積分器44は、短区間
積分器でも或いは長区間積分器でも構成することがで
き、短区間積分器と中区間積分器及び長区間積分器の論
理和として構成することもできる。
【0038】なお、上記各実施形態では、ハードウェア
で構成される回路に基づいて説明したが、図1,7,8
及び図2,4におけるAD変換器以降のディジタル信号
処理部について、マイクロプロセッサによるソフトウェ
ア・ディジタル信号処理に置き換えることも可能であ
る。また、上記各実施形態では、車両側面ユニット1s
或いは1a,1b内で演算した各種速度変化量のしきい
値判別結果を、通信手段91或いは91a,91bを介
して車両中央ユニット1c内に送信して論理処理する構
成としたが、車両側面ユニット1s或いは1a,1bの
主要な演算・判断部を、車両中央ユニット1c内に移設
して統合一体化することも可能である。この場合、車両
側面ユニット1s或いは1a,1bは、加速度センサ2
と車両中央ユニット1cへの加速度信号送信手段だけを
有する単純な構成とすることができる。さらに、上記各
実施形態では、センタートンネル等の、側面衝突を受け
る側の何れかに係わらず車両移動のみをもたらす加速度
が検出できる位置での角度判定を示したが、これに限定
されることはなく角度判定の設定しだいで車両の任意の
位置に適応できるものである。
【0039】さらにまた、上記各実施形態において、車
両側面ユニット1sや1a,1bは、Bピラーの下側や
サイドシル或いはクロスメンバの外側等に限らず、例え
ば中央部や上部を含めたBピラーの任意の位置や、Aピ
ラー又はCピラーの任意の位置に配設してもよく、また
ドアやフロア側面或いはルーフ側面等に配設してもよ
い。また、車両側面ユニット1sや1a,1bは、車両
の左右両側にそれぞれ複数個ずつ配設するようにしても
よい。また、上記実施形態においては、衝突角度判定手
段を側方エアバッグ展開判定に適用し、前面衝突判定に
対ししきい値マージンを確保した場合を例にとったが、
この衝突角度判定手段を同じく側方エアバッグ展開判定
に適用し、前面衝突時における側面衝突判定を抑制した
りするのに用いることも可能である。また、衝突角度判
定手段を前方エアバッグ展開に適用し、側面衝突判定に
対してしきい値マージンを確保したり、側面衝突時にお
ける前面衝突判定を抑制したりすることも可能である。
さらにまた、衝突角度判定手段により判定された衝突角
度の判定結果は、実施態様に示した衝突判定アルゴリズ
ムに限定されず、任意の衝突判定アルゴリズムに組み合
わせることができる。また、上記各実施形態において、
衝突角度判定手段に設定する衝突角度係数を規定する衝
突角度δは45°に限らず、他の任意の角度に可変設定
することができ、また定数−caの値も判定すべき衝突
形態に対応して任意に可変することができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
車両移動をもたらす衝撃に起因する移動加速度を、車両
横方向軸と車両縦方向軸の2軸に分けて検出し、該2軸
に分けて検出した移動加速度をそれぞれ区間積分して得
られる速度変化量か又は前記2軸に分けて検出した移動
加速度を区間重積分して得られる移動変位量を算出し、
車両横方向軸又は車両縦方向軸の一方に関する前記速度
変化量又は移動変位量に予め設定した角度係数を乗算
し、乗算結果と車両横方向軸又は車両縦方向軸の他方に
関する前記速度変化量又は移動変位量との大小比較から
車両の衝突角度を判定し、該判定結果を衝突判定に供す
るようにしたから、例えば車両横方向軸の加速度データ
による情報を車両横方向軸の加速度データによる情報で
除し、逆正接演算により衝突角度を求める方法のごと
く、除算に用いる値が乱高下することで衝突角度が発振
してしまい、衝突判定を乱すといったことはなく、比較
的簡単な演算で高い衝突角度判定性能を兼ね備えること
ができ、衝突直後から安定して正確な衝突角度が求まる
ので、高速の衝突判定が要求される衝突事象に対する衝
突判定に特に有効であり、しかも角度係数の乗算と大小
比較とにより予め設定した角度係数を規定する角度を基
準に衝突角度の判定が行えるため、前面衝突か側面衝突
かの形態分類に好適である等の優れた効果を奏する。
【0041】また、本発明は、前記角度係数を乗算して
得られる乗算結果は、前記車両の衝突角度を前後面衝突
領域と側面衝突領域のいずれか一方に区画判定する2軸
平面の原点近傍を側面衝突領域に包含させる定数を加算
して補正し、該補正した値を前記大小比較に用いるよう
にしたから、側面衝突領域を前後面衝突領域側にオフセ
ットさせ、速度変化量又は移動変化量が零に近い原点近
傍における衝突角度判定に紛れを少なくすることがで
き、車両の広範囲な側面に衝突するような側面衝突事象
によって車両が移動する応答角度と、車両の正面又は後
面衝突及び前面オフセット衝突や前面方斜め衝突等によ
って車両が移動する応答角度とが明確に区別でき、衝突
事象に応じた衝突判定条件の設定をきめ細かく各最適値
に設定することができ、衝突判定性能を向上させること
ができる等の効果を奏する。
【0042】さらに、本発明は、車両変形と車両移動の
少なくとも一方をもたらす衝撃に起因する合成加速度を
検出し、該合成加速度を現在値まで区間積分して合成速
度変化量を算出し、該算出結果をしきい値判別するとと
もに、前記衝撃のうち車両移動をもたらす成分に起因す
る移動加速度を検出し、該移動加速度を現在値まで区間
積分して移動速度変化量を算出し、該算出結果をしきい
値判別し、かつまた前記車両移動をもたらす車両横方向
軸と車両縦方向軸のそれぞれの移動加速度を検出し、該
両移動加速度に基づいて衝突角度を判定し、前記合成速
度変化量と前記移動速度変化量のしきい値判別結果と前
記衝突角度判定結果を総合して衝突判定を下すようにし
たから、衝突時にBピラー下側やサイドシル或いはクロ
スメンバの外側等の車両の側面部の位置で検出される加
速度は、側面衝突を受ける側では車両の側面変形に起因
する成分の比重が高く、車両の変形が収まってからは車
両の移動に起因する成分となるが、車両中央位置で検出
される加速度は車両移動に伴う移動加速度だけであるか
ら、衝突時に車両に発生する特定の場所の各速度変化量
を統合して判断することで、車両が広範囲に受ける側面
衝突はもちろん横方向移動を伴うような前面又は後面衝
突に対しても衝突判定能力を備えることができ、また区
間積分の時間範囲の選定により、車両側面構造物の変形
により激しい侵入を伴うような高速側面衝突事象は勿
論、衝突速度が比較的緩慢な衝突事象や斜めからの衝突
事象或いは衝突物剛性が比較的低い構造物との衝突事象
の判定と、乗員室より前又は後の側面部に衝突する事
象、トラックなどの背の高い車両等が衝突する事象、車
両前面衝突ではあるが車両の横移動を伴う高速オフセッ
ト衝突や高速斜め衝突のような事象のように、サイドシ
ル付近の車両変形が比較的発生しない事象等を、素早く
判定することができ、また衝突角度判定を行わない場合
は、高速走行中の車両前後の衝突で側方エアバッグを展
開させないようにするため、移動速度変化量のしきい値
判別に用いるしきい値を比較的大きな値に設定していた
が、衝突角度判定を複合して衝突判定するようにしたこ
とで、前面衝突と側面衝突の識別が明確に可能になり、
側方エアバッグの展開を要請する側面衝突判定のための
しきい値を比較的小なる値に設定することができるた
め、側面衝突どうしの識別のためのしきい値設定が柔軟
となり、かつ高速判定の困難な高速側面斜め衝突等の判
定に要する時間を短縮することが可能であり、なおかつ
車両前面衝突でも車両の横移動を伴い側面エアバッグの
展開を要請する衝突形態のためのしきい値は比較的大き
な値に設定できるため、高速正面衝突や後ろ正面衝突或
いは低速時の前面斜め衝突といった事象からしきい値マ
ージンを十分に確保することができ、これにより車両側
面のみの加速度から速度変化量を評価する装置等と異な
り、高速判定性能と識別性能を兼ね備えた優れた衝突判
定が可能であり、また車両側面側と車両中央側とで相互
に故障監視し、かつ判定を下す時には必ず2つの位置の
判断系が判定条件を満たすことを前提にするため、片方
の誤判定でシステムが誤動作することなく、高い信頼性
と安全性を獲得することができ、さらにまた前方エアバ
ッグと側方エアバッグの受け持ち分担を明確化し、それ
ぞれを真に必要とするときにのみ作動させる乗員拘束シ
ステムを完成させることができる等の優れた効果を奏す
る。
【0043】また、本発明は、合成加速度を短区間と中
区間と長区間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各
合成速度変化量を算出し、かつ移動加速度を短区間と中
区間と長区間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各
移動速度変化量を算出し、短区間合成速度変化量又は中
区間合成速度変化量がしきい値を越え、かつ前記移動加
速度が所定のしきい値を越えたか、或いは短区間合成速
度変化量又は中区間合成速度変化量がしきい値を越え、
かつ衝突角度判定から側面衝突であることが判った上で
長区間移動速度変化量が所定のしきい値を越えたか、或
いは長区間合成速度変化量が所定のしきい値を越え、か
つ短区間移動速度変化量か又は中区間移動速度変化量が
所定のしきい値を越えたときに、衝突判定を下すように
したから、車両の側面構造物の変形により激しい侵入を
伴うような高速側面衝突等の判定だけでなく、衝突速度
が比較的緩慢な衝突や斜めからの衝突、或いは衝突物剛
性が比較的低い構造物との衝突等の判定が可能であり、
また乗員室より前又は後ろ側面部への衝突やトラック等
の背の高い車両の衝突,車両前面衝突でも車両の横移動
を伴う高速オフセット衝突や高速斜め衝突のような事象
等のように、合成加速度検出用の加速度センサを配置し
た付近の車両変形が比較的発生しない事象についても素
早く判定することができ、しかも中速側面衝突や高速側
面斜め衝突については強いドア閉めや蹴飛ばし等の乱用
及び軽量物衝突で誤判定することなく高速判定すること
ができ、さらに所定のしきい値を越えても、衝突角度判
定から側面衝突であることが判った上でなければ衝突判
定に至らないようにしたから、側面エアバッグの展開を
要請する側面衝突判定のためのしきい値を比較的小なる
値に設定することができるため、側面衝突どうしの識別
のためのしきい値設定が柔軟となり、かつ高速判定の困
難な高速側面斜め衝突等の判定に要する時間を短縮する
ことが可能であり、なおかつ車両前面衝突でも車両の横
移動を伴い側方エアバッグの展開を要請する衝突形態の
ためのしきい値は比較的大きな値に設定できるため、高
速正面衝突や後ろ正面衝突或いは低速時の前面斜め衝突
といった事象からしきい値マージンを十分に確保するこ
とができる等の効果を奏する。
【0044】また、本発明は、合成加速度を短区間と中
区間と長区間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各
合成速度変化量を算出し、かつ移動加速度を短区間と中
区間と長区間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各
移動速度変化量を算出し、短区間合成速度変化量又は中
区間合成速度変化量がしきい値を越え、かつ前記移動加
速度が所定のしきい値を越えたか、或いは短区間合成速
度変化量がしきい値を越え、かつ中区間合成速度変化量
又は長区間合成速度変化量がしきい値を越え、なおかつ
衝突角度判定から側面衝突であることが判った上で短区
間移動速度変化量又は中区間移動速度変化量又は長区間
移動速度変化量が所定のしきい値を越えたか、或いは短
区間合成速度変化量がしきい値を越え、かつ中区間合成
速度変化量又は長区間合成速度変化量がしきい値を越
え、なおかつ短区間移動速度変化量又は中区間移動速度
変化量又は長区間移動速度変化量が所定のしきい値を越
えたときに、衝突判定を下すようにしたから、3種の合
成速度変化量のしきい判別出力を論理判定することで、
乗員保護システムの展開が必要な側面衝突では短区間と
中区間又は長区間の両方の速度変化量がある程度発生す
ることを捕らえることができ、高速判定が困難な高速側
面斜め衝突の判定時間性能を向上させることができ、さ
らに短区間移動速度変化量又は中区間移動速度変化量又
は長区間移動速度変化量が所定のしきい値を越えても、
衝突角度判定から側面衝突であることが判った上でなけ
れば衝突判定に至らないようにしたから、側面エアバッ
グの展開を要請する側面衝突判定のためのしきい値を比
較的小なる値に設定することができるため、側面衝突ど
うしの識別のためのしきい値設定が柔軟となり、かつ高
速判定の困難な高速側面斜め衝突等の判定に要する時間
を短縮することが可能であり、なおかつ車両前面又は後
面衝突でも車両の横移動を伴い側面エアバッグの展開を
要請する衝突形態のためのしきい値は比較的大きな値に
設定できるため、高速正面衝突や後面衝突或いは低速時
の前面斜め衝突といった事象からしきい値マージンを十
分に確保することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の衝突判定装置を片側の車両側面
ユニットと車両中央ユニットで構成した場合の一実施形
態を示す回路構成図である。
【図2】図1に示した衝突角度判定手段の一実施形態を
示す回路構成図である。
【図3】図2に示した衝突角度判定手段による角度判定
領域を示す図である。
【図4】図1に示した衝突角度判定手段の他の実施形態
を示す回路構成図である。
【図5】図4に示した衝突角度判定手段による角度判定
領域を示す図である。
【図6】図5に示した角度判定領域において実際に衝突
がたどる角度領域上の軌跡の一例を示す図である。
【図7】本発明の車両の衝突判定装置を両側の車両側面
ユニットと車両中央ユニットで構成した場合の一実施形
態を示す回路構成図である。
【図8】本発明の車両の衝突判定装置の他の実施形態を
示す回路構成図である。
【符号の説明】
1 車両の衝突判定装置 1c 車両中央ユニット 1s,1a,1b 車両側面ユニット 2,22,62 加速度センサ 3,23,63 ローパスフィルタ 4,24,64 AD変換器 5,7,25 短区間積分器 6,8,26,44 中区間積分器 9,27 長区間積分器 72,73 区間積分器 10〜14,28〜31,45,81,82 比較器 15,16,32,43,46 論理和ゲート 33,40,41,42,47,52,53 論理積ゲ
ート 17,18,34〜39,48〜51 波形整形器 61,161 衝突角度判定手段 74 絶対値回路 75,79 乗算器 77 加算器

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両移動をもたらす衝撃に起因する移動
    加速度を、車両横方向軸と車両縦方向軸の2軸に分けて
    検出し、該2軸に分けて検出した移動加速度をそれぞれ
    区間積分して得られる速度変化量か又は前記2軸に分け
    て検出した移動加速度を区間重積分して得られる移動変
    位量を算出し、車両横方向軸又は車両縦方向軸の一方に
    関する前記速度変化量又は移動変位量に予め設定した角
    度係数を乗算し、乗算結果と車両横方向軸又は車両縦方
    向軸の他方に関する前記速度変化量又は移動変位量との
    大小比較から車両の衝突角度を判定し、該判定結果を衝
    突判定に供することを特徴とする車両の衝突判定方法。
  2. 【請求項2】 前記角度係数を乗算して得られる乗算結
    果は、前記車両の衝突角度を前後面衝突領域と側面衝突
    領域のいずれか一方に区画判定する2軸平面の原点近傍
    を側面衝突領域に包含させる定数を加算して補正し、該
    補正した値を前記大小比較に用いることを特徴とする請
    求項1記載の車両の衝突判定方法。
  3. 【請求項3】 車両変形と車両移動の少なくとも一方を
    もたらす衝撃に起因する合成加速度を検出し、該合成加
    速度を現在値まで区間積分して合成速度変化量を算出
    し、該算出結果をしきい値判別するとともに、前記衝撃
    のうち車両移動をもたらす成分に起因する移動加速度を
    検出し、該移動加速度を現在値まで区間積分して移動速
    度変化量を算出し、該算出結果をしきい値判別し、かつ
    また前記車両移動をもたらす車両横方向軸と車両縦方向
    軸のそれぞれの移動加速度を検出し、該移動加速度に基
    づいて衝突角度を判定し、前記合成速度変化量と前記移
    動速度変化量のしきい値判別結果と前記衝突角度判定結
    果を総合して衝突判定を下すことを特徴とする車両の衝
    突判定方法。
  4. 【請求項4】 前記合成加速度を短区間と中区間と長区
    間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各合成速度変
    化量を算出し、かつ前記移動加速度を短区間と中区間と
    長区間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各移動速
    度変化量を算出し、短区間合成速度変化量又は中区間合
    成速度変化量がしきい値を越え、かつ前記移動加速度が
    所定のしきい値を越えたか、或いは短区間合成速度変化
    量又は中区間合成速度変化量がしきい値を越え、かつ衝
    突角度判定から側面衝突であることが判った上で長区間
    移動速度変化量が所定のしきい値を越えたか、或いは長
    区間合成速度変化量が所定のしきい値を越え、かつ短区
    間移動速度変化量か又は中区間移動速度変化量が所定の
    しきい値を越えたときに、衝突判定を下すことを特徴と
    する請求項3記載の車両の衝突判定方法。
  5. 【請求項5】 前記合成加速度を短区間と中区間と長区
    間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各合成速度変
    化量を算出し、かつ前記移動加速度を短区間と中区間と
    長区間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各移動速
    度変化量を算出し、短区間合成速度変化量又は中区間合
    成速度変化量がしきい値を越え、かつ前記移動加速度が
    所定のしきい値を越えたか、或いは短区間合成速度変化
    量がしきい値を越え、かつ中区間合成速度変化量又は長
    区間合成速度変化量がしきい値を越え、なおかつ衝突角
    度判定から側面衝突であることが判った上で短区間移動
    速度変化量又は中区間移動速度変化量又は長区間移動速
    度変化量が所定のしきい値を越えたときか、或いは短区
    間合成速度変化量がしきい値を越え、かつ中区間合成速
    度変化量又は長区間合成速度変化量がしきい値を越え、
    なおかつ短区間移動速度変化量又は中区間移動速度変化
    量又は長区間移動速度変化量が所定のしきい値を越えた
    ときに、衝突判定を下すことを特徴とする請求項3記載
    の車両の衝突判定方法。
  6. 【請求項6】 車両移動をもたらす衝撃に起因する移動
    加速度を、車両横方向軸と車両縦方向軸の2軸に分けて
    検出する加速度センサと、該2軸に分けて検出した移動
    加速度をそれぞれ区間積分して得られる速度変化量か又
    は前記2軸に分けて検出した移動加速度を区間重積分し
    て得られる移動変位量を算出する区間積分手段と、車両
    横方向軸又は車両縦方向軸の一方に関する前記速度変化
    量又は移動変位量に予め設定した角度係数を乗算する乗
    算器と、該乗算器による乗算結果と車両横方向軸又は車
    両縦方向軸の他方に関する前記速度変化量又は移動変位
    量との大小比較から車両の衝突角度を判定し、該判定結
    果を衝突判定に供する角度判定手段とを具備することを
    特徴とする車両の衝突判定装置。
  7. 【請求項7】 前記角度判定手段は、角度係数を乗算し
    て得られる乗算結果を、前記車両の衝突角度を前後面衝
    突領域と側面衝突領域のいずれか一方に区画判定する2
    軸平面の原点近傍を側面衝突領域に包含させる定数を加
    算して補正し、該補正した値を前記大小比較に用いるこ
    とを特徴とする請求項6記載の車両の衝突判定装置。
  8. 【請求項8】 車両変形と車両移動の少なくとも一方を
    もたらす衝撃に起因する合成加速度を検出する加速度セ
    ンサと、該加速度センサが検出した前記合成加速度を現
    在値まで区間積分して合成速度変化量を算出し、該算出
    結果をしきい値判別する合成速度変化量しきい値判別手
    段と、前記衝撃のうち車両移動をもたらす成分に起因す
    る移動加速度を検出する加速度センサと、該加速度セン
    サが検出した前記移動加速度を現在値まで区間積分して
    移動速度変化量を算出し、該算出結果をしきい値判別す
    る移動速度変化量しきい値判別手段と、前記車両移動を
    もたらす車両横方向軸と車両縦方向軸のそれぞれの移動
    加速度を検出し、該移動加速度に基づいて衝突角度を判
    定する衝突角度判定手段と、前記合成速度変化量しきい
    値判別手段と前記移動速度変化量しきい値判別手段と前
    記衝突角度判定手段の出力を総合して衝突判定を下す判
    定手段とを具備することを特徴とする車両の衝突判定装
    置。
  9. 【請求項9】 前記合成速度変化量しきい値判別手段
    は、前記合成加速度を短区間と中区間と長区間の3区間
    に亙ってそれぞれ区間積分して各合成速度変化量を算出
    し、該算出値をしきい値判別し、前記移動速度変化量し
    きい値判別手段は、前記移動加速度を短区間と中区間と
    長区間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各移動速
    度変化量を算出し、該算出値をしきい値判別し、前記判
    定手段は、短区間合成速度変化量又は中区間合成速度変
    化量がしきい値を越え、かつ前記移動加速度が所定のし
    きい値を越えたか、或いは短区間合成速度変化量又は中
    区間合成速度変化量がしきい値を越え、かつ衝突角度判
    定から側面衝突であることが判った上で長区間移動速度
    変化量が所定のしきい値を越えたか、或いは長区間合成
    速度変化量が所定のしきい値を越え、かつ短区間移動速
    度変化量か又は中区間移動速度変化量が所定のしきい値
    を越えたときに、衝突判定を下すことを特徴とする請求
    項8記載の車両の衝突判定装置。
  10. 【請求項10】 前記合成速度変化量しきい値判別手段
    は、前記合成加速度を短区間と中区間と長区間の3区間
    に亙ってそれぞれ区間積分して各合成速度変化量を算出
    し、該算出値をしきい値判別し、前記移動速度変化量し
    きい値判別手段は、前記移動加速度を短区間と中区間と
    長区間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各移動速
    度変化量を算出し、該算出値をしきい値判別し、前記判
    定手段は、短区間合成速度変化量又は中区間合成速度変
    化量がしきい値を越え、かつ前記移動加速度が所定のし
    きい値を越えたか、或いは短区間合成速度変化量がしき
    い値を越え、かつ中区間合成速度変化量又は長区間合成
    速度変化量がしきい値を越え、なおかつ衝突角度判定か
    ら側面衝突であることが判った上で短区間移動速度変化
    量又は中区間移動速度変化量又は長区間移動速度変化量
    が所定のしきい値を越えたときか、或いは短区間合成速
    度変化量がしきい値を越え、かつ中区間合成速度変化量
    又は長区間合成速度変化量がしきい値を越え、なおかつ
    短区間移動速度変化量又は中区間移動速度変化量又は長
    区間移動速度変化量が所定のしきい値を越えたときに、
    衝突判定を下すことを特徴とする請求項8記載の車両の
    衝突判定装置。
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