JP3204180B2 - 車両の衝突判定方法及び衝突判定装置 - Google Patents

車両の衝突判定方法及び衝突判定装置

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JP3204180B2
JP3204180B2 JP29143497A JP29143497A JP3204180B2 JP 3204180 B2 JP3204180 B2 JP 3204180B2 JP 29143497 A JP29143497 A JP 29143497A JP 29143497 A JP29143497 A JP 29143497A JP 3204180 B2 JP3204180 B2 JP 3204180B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の側面衝突時
及び車両の横方向移動を伴う前方又は後方衝突時に、乗
員側方保護システムを的確に作動させるようにした車両
衝突判定方法及び衝突判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の衝突時の安全性が特に重要
視され、衝突時に乗員を保護するエアバッグなどの乗員
保護システムは、様々な衝突局面に対応するため乗員保
護エリアの拡大が検討されている。従来のエアバッグ・
システムには、車両前方衝突時に乗員が慣性でステアリ
ングやダッシュボードなどの車室内前方部位又はフロン
トガラスに頭や顔面や胸などを打ち付けるのを未然に保
護する前方エアバッグを、運転席と助手席の両方に備え
たものがあるが、車両側面衝突時における乗員保護の役
割までは担うことはできないものであった。このため、
車両側面衝突時に乗員が車室内側方部位により危害を受
けるのを防止する側方エアバッグが、乗員側方の保護エ
リアとして重視されるようになった。
【0003】側方エアバッグは、従来からの前方エアバ
ッグと同じように乗員が車室内部位に打ち当たる前にバ
ッグを膨らませ、未然に緩衝させる効果を得ることには
変わりないが、乗員の前方車室内空間よりも乗員の側方
車室内空間の方が狭いため、車両側方部側のシート内や
ドアインナーパネル内などの部位にバッグを埋め込み、
前方エアバッグよりも比較的小容量のバッグで乗員の傷
害を受け易い部位を保護する構想のもとに開発されてき
た。また、側方エアバッグが必要とされる衝突形態は、
自車両以外の車両といった重量物が高速に乗員に近い車
両側面に衝突するような時に、乗員が慣性によりドアイ
ンナ側に移動する前に強烈なドアインナーパネルなどの
侵入によって乗員に傷害が及ぼされる事象と、速度が比
較的緩慢な時や乗員室内と離れた車両側面に衝突する
時、或は衝突物の剛性が比較的低い構造物が衝突する時
等に、乗員自身の慣性による移動により側方車室内部位
にぶつかり傷害を受ける事象とに大別される。
【0004】側方エアバッグを作動させる装置について
も、前方エアバッグの衝突判定時間よりもさらに速い時
間の衝突判定が要求され、特に激しい侵入を伴う高速側
面衝突時には、エアバッグが展開する時間と乗員を保護
する効果を考慮すると、数ms程の短時間での衝突判定
が要求される場合がある。このため、例えば機械的に接
点を閉じる圧縮スイッチや圧力センサをドア内に設置
し、ドアの圧縮と変形を感知することで高速に側面衝突
を判定する試みがなされてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の機械的に接
点を閉じる圧縮スイッチや圧力センサをドア内に設置す
る試みは、激しいドアの変形による侵入を伴うような側
面衝突には有効であるが、例えば車両のBピラーに電柱
等の細長い物体が衝突する場合や、車両前部又は後部の
側面に衝突を受ける場合には、ドアの圧縮や変形からで
は有効な衝突判定を下せないことが多かった。また、ド
アの変形は伴うが車両乗員には影響のないような、自転
車などの軽量物のドアへの衝突や或いはドアの蹴飛ばし
などに伴う衝撃によって、本来であれば側方エアバッグ
を展開させたくないにも拘わらず衝突判定を下しやすい
といった課題を抱えるものであった。
【0006】このため、車両側面衝突にも車両前方衝突
の判定方法と同様、高周波の振動に応答しないダンピン
グ特性を有する機械式接点方式の加速度センサ検知手法
や、アナログ加速度信号を出力する加速度センサにより
速度変化量等の演算結果をしきい値判別して衝突判定を
下す手法が提案されるようになった。しかしながら、車
両前方衝突判定の一手法のように加速度センサを車室内
中央部に設置した場合、ドアなどの強烈な変形を伴う侵
入を引き起こすような衝突を、短時間で判定するのは困
難であった。また、加速度センサを車室内中央部ではな
く、応答の速いBピラー中央等の車両側面部に設置した
場合、判定すべき時間内にダイナミックな加速度信号は
得られるものの、加速度センサを設置した車両側面部へ
の蹴飛ばしやドアを強打して閉扉したときの加速度信号
もダイナミックな加速度信号として検出されてしまい、
短区間の速度変化量の差がなくなってしまうために、側
方エアバッグの展開を必要とする多様な衝突形態に対
し、識別のための設定が困難であった。
【0007】また、前記圧縮スイッチや圧力センサ同
様、ドア内に加速度センサを設置する手法も提案されて
いる。例えば、特開平7−2049号「対物車両側面衝
突時の乗員拘束装置及び乗員拘束方法」の実施例には、
フロントドアの乗員着座付近に値するドアの内側パネル
の下側最後端四分割体の凹みポケットに設置した加速度
計から、側方衝突によって潰れた外側ドアパネルによっ
て通打される時の120Gのダイナミックな加速度信号
をトリガとして一定時間の加速度積分値にて衝突判定す
る装置が開示されている。しかしながら、この衝突判定
装置は、ドアへの強烈な衝突に対しては有効であるが、
ドア以外に衝突するようなBピラーへの電柱衝突や前方
又は後方の側面への衝突、或いは前方衝突でも車両横方
向移動を伴うようなオフセット衝突や斜めの衝突に対し
ては有効ではなく、側方エアバッグ展開を必要とする多
様な衝突形態に対し判定性能を維持するのが容易でない
等の課題があった。
【0008】本発明は、衝突時に車両に発生する特定の
場所の各速度変化量を統合して判断することにより、車
両が広範囲に受ける側面衝突は勿論、横方向移動を伴う
ような前方又は後方衝突に対してもその衝突判定能力を
備えることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の車両の衝突判定装置は、車両の側面変形と
側方移動の少なくとも一方をもたらす衝撃に起因する合
成加速度を検出する加速度センサと、前記合成加速度を
現在値まで所定区間に亙って積分して合成速度変化量を
算出する合成速度変化量算出手段と、前記衝撃のうち車
両の側方移動をもたらす成分に起因する移動加速度を検
出する加速度センサと、前記移動加速度を現在値まで所
定区間に亙って積分して移動速度変化量を算出する移動
速度変化量算出手段と、前記合成速度変化量及び移動速
度変化量をそれぞれ所定のしきい値を基準にしきい値判
別し、該各しきい値判別結果を総合して衝突判定を下す
判定手段とを具備することを特徴とするものである。
【0010】また、前記合成速度変化量算出手段は、前
記合成加速度を短区間と中区間と長区間の3区間に亙っ
てそれぞれ区間積分して各合成速度変化量を算出し、前
記移動速度変化量算出手段は、前記移動加速度を短区間
と中区間と長区間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分し
て各移動速度変化量を算出し、前記判定手段は、短区間
合成速度変化量又は中区間合成速度変化量がしきい値を
越え、かつ前記移動加速度が所定のしきい値を越えた
か、或いは短区間合成速度変化量又は中区間合成速度変
化量がしきい値を越え、かつ長区間移動速度変化量が所
定のしきい値を越えたか、或いは長区間合成速度変化量
が所定のしきい値を越え、かつ短区間移動速度変化量か
又は中区間移動速度変化量が所定のしきい値を越えたと
きに、衝突判定を下すことを特徴とするものである。
【0011】或いはまた、前記合成速度変化量算出手段
は、前記合成加速度を短区間と中区間と長区間の3区間
に亙ってそれぞれ区間積分して各合成速度変化量を算出
し、前記移動速度変化量算出手段は、前記移動加速度を
短区間と中区間と長区間の3区間に亙ってそれぞれ区間
積分して各移動速度変化量を算出し、前記判定手段は、
短区間合成速度変化量又は中区間合成速度変化量がしき
い値を越え、かつ前記移動加速度が所定のしきい値を越
えたか、或いは短区間合成速度変化量がしきい値を越
え、かつ中区間合成速度変化量又は長区間合成速度変化
量がしきい値を越え、なおかつ短区間移動速度変化量又
は中区間移動速度変化量又は長区間移動速度変化量が所
定のしきい値を越えたときに、衝突判定を下すことを特
徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図1ないし図14を参照して説明する。図1は、本
発明の車両の衝突判定装置を片側の車両側面ユニットと
車両中央ユニットで構成した場合の一実施形態を示す回
路構成図、図2は、図1に示した車両の衝突判定装置に
よる衝突判定領域を示す図、図3は、車両の側面衝突を
受ける側と中央部及び側面衝突を受ける側と反対側の位
置で側面衝突時に検出される加速度成分を示す波形図、
図4は、車両の側面部と中央部における側面衝突と強ド
ア閉めや乱用事象との加速度の比較を示す波形図であ
る。
【0013】図1に示す車両の衝突判定装置1は、側面
衝突を受ける側の車両の側面変形量と移動量の少なくと
も一方をもたらす加速度が検出できる位置、例えばBピ
ラーの下側やサイドシル(別名サイドメンバ)又はクロ
スメンバの外側等の車両両側に配置した車両側面ユニッ
ト1sと、側面衝突を受ける側の何れかに係わらず車両
の移動量のみに起因する加速度を検出できる位置、例え
ばセンタートンネルに配置した車両中央ユニット1cと
から構成される。車両中央ユニット1cは、車両の横方
向軸(Y軸)以外に車両の縦方向軸(X軸)の加速度も
別途検出し、車両前方衝突の衝突判定を併せ行うように
なっている。
【0014】また、Bピラー下側やサイドシル或いはク
ロスメンバの外側等の車両の側面部の位置で検出される
加速度は、側面衝突を受ける側では車両の側面変形量と
移動量が合成された合成加速度として検出され、衝突初
期にはほぼ側面変形量に起因する成分の比重が高く、車
両の変形が収まってからは車両の移動量に起因する成分
となることが、衝突実験結果から分かっている。具体的
には、例えば図3に示す速度(加速度積分値)波形で見
たときに、点線と時間軸とに挟まれた梨地模様を付して
示した領域が、車両の移動量であり、実線と点線の間に
挟まれた斜線を施した領域が、車両の側面変形量を示
す。また、側面衝突を受ける側と反対側では車両センタ
ーユニット21で検出できる加速度と同様、車両の移動
量のみに起因する成分が逆極性で検出されるため、加速
度センサの軸方向を側面衝突を受ける側に合わせた場
合、すなわち極性を反転して示した波形が、一点鎖線で
示した波形となる。
【0015】また、側面衝突と強ドア閉めや乱用事象等
において観測される加速度を比較すると、両者の差異は
例えば図4(A),(B)にそれぞれ点線と実線で示す
波形に典型的に表れる。図3で説明したように、時速5
0Km/hで90°の衝突角度で側面衝突した場合は、
サイドシル等の車両側面部では、側面変形量と移動量が
合成された合成加速度が観測され、センタートンネル等
の車両の中央部では、車両の移動量に起因する加速度が
観測される。これに対し、強ドア閉めや乱用事象等の場
合は、車両の移動を伴わないため、サイドシル等の車両
側面部においては、短時間の振幅の大きな振動波形とし
て観測され、センタートンネル等の車両中央部では振動
が減衰された振動波形として観測される。
【0016】図1に示す車両側面ユニット1sの加速度
センサ2により検出される車両の横方向軸(Y軸)の加
速度信号、すなわち車両の側面変形と側方移動をもたら
す衝撃に起因する合成加速度信号から、折り返し歪み除
去用のローパスフィルタ3とAD変換器4を介して離散
値加速度データGsy(k)が得られる。加速度センサ
2と後述の加速度センサ22は、例えばピエゾ抵抗変化
を利用する応力歪みゲージを半導体基板上に組み込んだ
ものが用いられる。ただし、ピエゾ抵抗変化を検出する
半導体加速度センサに限らず、静電容量型半導体加速度
センサや圧電素子を用いた加速度センサを用いてもよ
く、1つのセンサで2軸及び3軸の加速度を検出できる
ものを用いることもできる。なお、本実施形態の場合、
折り返し歪みの影響を排除するローパスフィルタ3及び
後述するローパスフィルタ23は、およそ100Hzか
ら500Hz程を越える高周波成分を除去するよう設定
される。
【0017】離散値加速度データGsy(k)は、続く
短区間積分器5,7と中区間積分器6,8と長区間積分
器9に供給され、それぞれ所定の時間尺度の速度変化量
の算出に供される。短区間積分器5,7にて算出される
値は、比較的短い一定時間区間、例えば2msから4m
s程の区間で合成加速度データGsy(k)を現在値ま
で逐次加算したものであり、比較器10,12に送られ
る。中区間積分器6,8にて算出される値は、比較的中
間の一定時間区間、例えば4msから12ms程の区間
で合成加速度データGsy(k)を現在値まで逐次加算
したものであり、比較器11,13に送られる。長区間
積分器9にて算出される値は、比較的長い一定時間区
間、例えば12msから30ms程の区間で合成加速度
データGsy(k)を現在値まで逐次加算したものであ
り、比較器14に送られる。
【0018】比較器10〜14は、各区間積分器5〜9
が合成加速度データを区間積分して得た合成速度変化量
をしきい値判別するものであり、それぞれのしきい値は
判別目的に合わせて設定される。すなわち、比較器1
0,11のしきい値ss1,sm1は、車両側方構造物
の変形により激しい侵入を伴うような高速側面衝突など
を判定できる急峻な合成速度変化量に値する量に設定し
てあり、短区間と中区間の両方の区間尺度を有する。比
較器10,11の出力は、次段の論理和ゲート15に送
られる。比較器12,13のしきい値ss2,sm2
は、乗員自身の慣性による移動により側方車室内部位に
ぶつかり傷害を受ける側面衝突形態に対して、ある程度
発生する車両側面変形の合成速度変化量又は車両移動の
合成速度変化量を判定し、例えば衝突速度が比較的緩慢
な時や斜めからの衝突、或は衝突物剛性が比較的低い構
造物と衝突する時等に、乗員側方保護システムの展開が
必要な衝突レベルで衝突判定が下されるよう設定され、
短区間と中区間の両方の時間尺度を有する。比較器1
2,13の出力は、次段の論理和ゲート16に送られ
る。長区間積分器9には、強いドア閉めや蹴飛ばしなど
の乱用或いは軽量物衝突のような単発的に大きい加速度
が発生する事象と、比較的長い時間に亙って速度変化が
発生する衝突事象とが区別できるよう長めの区間が設定
してあり、このためこれらの事象が区別できるようなし
きい値slが比較器14に設定される。比較器14の出
力は、論理和ゲート15,16の出力とともに通信手段
51を介して車両中央ユニット1cに送り込まれるが、
それぞれa種,b種,c種信号と呼ばれ、異なる判定情
報として扱われる。
【0019】通信手段51は、例えば高速伝送用の専用
通信プロトコルで結ばれた一対の専用ICを車両側面ユ
ニット1sと車両中央ユニット1cに搭載することで構
成することができる。また、これ以外にも、例えばイン
ターフェース回路とマイクロプロセッサにより独自の通
信プロトコルに基づいて通信を行う構成とすることもで
きる。また、通信手段51は、衝突判定情報信号である
a種,b種,c種信号の他に、動作が正常に行われてい
ることを示す信号や、或いは故障診断により確定した故
障個所を示す信号等を、適時伝送させることも可能であ
る。
【0020】車両中央ユニット1cの加速度センサ22
により検出される車両の横方向軸(Y軸)の加速度信
号、すなわち車両の側面変形と側方移動をもたらす衝撃
のうち車両の側方移動をもたらす成分に起因する移動加
速度信号は、ローパスフィルタ23とAD変換器24を
介して離散値加速度データGcy(k)に変換される。
この移動加速度データGcy(k)は、続く短区間積分
器25と中区間積分器26及び長区間積分器27に供給
され、それぞれ所定の時間尺度の移動速度変化量の算出
に供される一方、直接比較器31にも供給される。比較
器31のしきい値は、例えば3Gから5G相当の加速度
値cssに設定される。比較器31の出力は、次段の波
形整形器38に供給され、一定時間の持続波形として出
力される。波形整形器38による遅延時間は、例えば1
0msないし30ms程度が適当であり、後述するその
他全ての波形整形器も同様の遅延時間に設定される。
【0021】ところで、長区間積分器27にて算出され
る値は、比較的長い一定時間区間、例えば12msから
30ms程の区間で移動加速度データGcy(k)を現
在値まで逐次加算したものであり、比較器30へと供給
される。比較器30のしきい値は、強いドア閉めや蹴飛
ばし等の乱用及び軽量物衝突のような単発的に大きい加
速度が発生する事象と、比較的長い区間に亙って速度変
化が発生する衝突事象を区別する程度の値clに設定し
てある。このしきい値clは、図2(A)に示したよう
に、移動加速度の長区間積分値と合成加速度の中区間積
分値を二軸とする平面において、車両側面ユニット1s
内の比較器11,13のしきい値sm1,sm2ととも
に斜線を付した領域を衝突判定領域に規定する値として
重要である。比較器30の出力は、次段の波形整形器3
6に供給され、前記一定時間の持続波形として出力され
る。中区間積分器26にて算出される値は、例えば4m
sから12ms程の区間で移動加速度データGcy
(k)を現在値まで逐次加算したものであり、比較器2
9に供給される。短区間積分器25にて算出される値
は、例えば2msから4ms程の区間で移動加速度デー
タGcy(k)を現在値まで逐次加算したものであり、
比較器28に供給される。比較器28,29のしきい値
cs,cmとしては、例えば乗員室より前又は後の側面
部に衝突する事象やトラックなどの高い車両等が衝突す
る事象、或いは車両前方衝突でも車両の横移動を伴う高
速オフセット衝突や高速斜め衝突のような事象等のよう
にサイドシル付近の車両変形が比較的発生しない事象が
素早く判定できるような値が用いられる。従って、しき
い値cs,cmは、短区間と中区間の両方の区間でもっ
て車両移動量が顕著に発生するような衝突事象を判定す
るための基準となる。例えば、図2(B)に示したよう
に、移動加速度の中区間積分値と合成加速度の長区間積
分値を二軸とする平面において、比較器29のしきい値
cmは、車両側面ユニット1s内の比較器14のしきい
値slとともに、斜線を付した領域を衝突判定領域とし
て規定する値となる。比較器28,29の出力は、続く
論理和ゲート32を経由して波形整形器34に供給さ
れ、一定の持続波形として出力される。
【0022】なお、図2(A)には、車両の進行方向に
対して90度で交差する側面衝突について、時速50k
m/hと時速20km/hと時速15km/hについて
の実測値が曲線で描かれており、また強ドア閉めや乱用
事象等が衝突判定領域外にあることを、点線で囲って図
示してある。また、図2(B)には、高速斜め前方衝突
と時速15km/hの上記90°側面衝突についての実
測値が曲線で描かれており、また強ドア閉めや乱用事象
等が衝突判定領域外にあることを、点線で囲って図示し
てある。
【0023】波形整形器38の出力は、車両側面ユニッ
ト1sから通信手段51を介して車両中央ユニット1c
に送られてきた判定情報のうちのa種信号と対にして論
理積ゲート41に送られる。a種信号も、車両中央ユニ
ット1cで受信後、波形整形器37にて一定時間の持続
波形として論理積ゲート41へと送られる。論理積ゲー
ト41の出力は、続く論理和ゲート42に送られて最終
の衝突判定信号とされる。このため、例えば図5,6に
示すように、車両側面ユニット1sにより、車両側方構
造物の変形により激しい侵入を伴うような高速側面衝突
等を判定した場合は、ある一定時間区間内に車両中央ユ
ニット1cが3Gないし5G程度の加速度を検出した場
合に、衝突判定が下されることになる。なお、図5,6
に示した演算値波形は、衝突する車両のフロント剛性の
高低差を反映したものであるが、どちらも車両中央ユニ
ット1c側での衝突判定と車両側面ユニット1s側の衝
突判定が両立した時点で最終的な衝突判定が下される点
で共通するものである。車両の側面ユニット1s側にお
いて、フロント剛性の比較的高い車両との側面衝突には
短区間積分による方が速い判定が得られ、フロント剛性
の比較的低い車両との側面衝突には中区間積分による方
が速い判定が得られる。また、側方エアバッグの展開が
必要でない事象として、実線で示した強ドア閉めや乱用
事象等、或いは一点鎖線で示した電柱等の剛性の高い物
体への低速側面衝突、或いは点線で示した時速15Km
/hで衝突角度90°の側面衝突などが併せ例示してあ
るが、これらの事象に関しては、車両中央ユニット1c
側では衝突判定がなされるものの、車両側面ユニット1
s側では衝突判定に至らないために、最終的な衝突判定
が下されることはない。さらにまた、車両中央ユニット
1cに3Gから5G程度の加速度を検出させるようにし
たのは、例えば車両側面ユニット1sの加速度センサ2
でダイナミックに加速度が出力されるような故障が発生
した場合等に、誤って通信手段51からa種信号が送信
されたり、或いは外来ノイズ等で車両中央ユニット1c
が誤ってa種信号を受信してしまうといった不都合を回
避し、車両の衝突判定装置1の安全性を確保する目的
と、実際に車両側方構造物の変形により激しい侵入を伴
うような高速側面衝突等の場合に要求される数ms程の
高速判定に応える目的からである。特に、後者の目的は
重要であり、車両側面ユニット1sでは数ms程の高速
判定は可能であるが、衝突発生から車両中央ユニット1
cが車両の移動開始を検出するまでに数ms程の遅れが
不可避的に発生するため、速度変化量が十分発生する前
に衝突判定を下さねばならないからである。
【0024】なお、本実施形態とは異なる他の手法とし
て、例えば2ms前後の短区間積分により前記3Gない
し5G程度の加速度値以上に相当する速度変化量をもっ
て判定することも可能である。ただし、衝突判定の適正
時間と車両の構造差による衝突開始時間から車両移動が
始まるまでの時間遅れ、或いは車両移動初期の速度変化
量の大小等に配慮し、実験結果等を踏まえた適宜値に決
定するとよい。
【0025】波形整形器36の出力は、車両側面ユニッ
ト1sから通信手段51を介して車両中央ユニット1c
に送られてきた判定情報のうちのb種信号と対にして論
理積ゲート40に供給される。このb種信号もまた、車
両中央ユニット1cで受信後、波形整形器35にて一定
時間の持続波形に変えて論理積ゲート40に供給され
る。論理積ゲート40の出力は、続く論理和ゲート42
において最終の衝突判定信号とされる。このため、図
7,8に示すように、車両側面ユニット1sがある程度
発生する車両側面変形又は車両移動の速度変化量を判定
し、ある一定時間区間内に車両中央ユニット1cで車両
移動の長区間速度変化量を検出したときに、衝突判定が
下されることになる。なお、図7,8に示した演算値波
形は、高速側面斜め衝突と中速90°側面衝突との違い
を反映してはいるが、どちらも車両中央ユニット1c側
での衝突判定と車両側面ユニット1s側の衝突判定が両
立した時点で最終的な衝突判定が下される点は同じであ
る。ここで、衝突判定する構成においても、車両側面ユ
ニット1s側における短区間積分と中区間積分の2つの
積分値に基づき、衝突形態に合わせた速い判定が得られ
る。また、側方エアバッグの展開が必要でない事象とし
て、強ドア閉めや乱用事象等又は電柱等の剛性の高い物
体への低速側面衝突或いは時速15Km/hで衝突角度
90°の側面衝突などを、それぞれ実線と一点鎖鎖線と
点線とで例示してあるが、強ドア閉めや乱用事象等の場
合では、車両側面ユニット1s側で衝突判定がなされた
としても、車両中央ユニット1c側では車両判定に至ら
ないために、最終的な衝突判定が下されることはなく、
電柱等の剛性の高い物体への低速側面衝突或いは時速1
5Km/hで衝突角度90°の側面衝突の場合では、車
両中央ユニット1c側では衝突判定がなされるものの、
車両側面ユニット1s側では衝突判定に至らないため
に、最終的な衝突判定が下されることはない。
【0026】波形整形器34の出力は、車両側面ユニッ
ト1sから通信手段51を介して車両中央ユニット1c
に送られてきた判定情報のうちのc種信号と対にして論
理積ゲート39に供給される。このc種信号もまた、車
両中央ユニット1cで受信後、波形整形器33にて一定
時間の持続波形に変えて論理積ゲート39に供給され
る。論理積ゲート39の出力は、続く論理和ゲート42
において最終の衝突判定信号とされる。このため、例え
ば図9,10に示したように、車両側面ユニット1sに
より車両側面変形又は車両移動の長区間速度変化量を判
定した時、ある一定時間区間内に車両中央ユニット1c
で車両移動の短区間又は中区間の速度変化量がしきい値
を越えた場合に、衝突判定が下されることになる。な
お、図9,10に示した演算値波形は、乗員室よりも後
方の側面部への高速衝突と高速前方斜め衝突との違いを
反映してはいるが、どちらも車両中央ユニット1c側で
の衝突判定と車両側面ユニット1s側の衝突判定が両立
した時点で最終的な衝突判定が下される点は同じであ
る。ここでの構成においても、車両中央ユニット1c側
における短区間と中区間の2つの積分値に基づき、衝突
形態に合わせた速い判定が得られる。また、強ドア閉め
や乱用事象等の場合では、車両中央ユニット1c側と車
両側面ユニット1s側の両方で衝突基準を満たさないた
めに最終的な衝突判定が下されることはなく、電柱等の
剛性の高い物体への低速側面衝突或いは時速15Km/
hで衝突角度90°の側面衝突などの事象の場合では、
車両側面ユニット1s側では衝突判定がなされるもの
の、車両中央ユニット1c側では衝突判定に至らないた
め、最終的な衝突判定が下されることはない。ここで扱
った衝突判定は、例えば車両乗員室を形成する各ピラー
やサイドシルといった剛体物から離れた部位に衝突する
場合の衝突に有効であり、車両変形量が比較的発生しな
い場合でも、車両移動量が顕著に発生する場合に、エア
バッグを素早く展開させることができる。
【0027】なお、通信手段51の判定情報a種,b
種,c種信号は、例えば車両側面ユニット1sによりc
種信号を送信中にb種信号を送信する状態となった場合
は、b種信号に切り替えて送信し、またb種信号を送信
中にa種信号を送信する状態となった場合は、a種信号
に切り替えて送信するというように、a種,b種,c種
の順に優先順位をもつよう設定することもできるし、各
種の判定条件を総合して同時に各情報を送信することも
できる。ただし、優先順位はこれ以外の設定も可能であ
り、車両中央ユニット1cは、設定された優先順位を念
頭に受信することになる。また、車両側面ユニット1s
と車両中央ユニット1cが判定する各積分区間は、例え
ば短区間積分器5,7,25の積分区間を、それぞれ2
msから4ms程のうちの適正な区間か又は同じ区間に
設定したり、或いは中区間積分器6,8,26の積分区
間や長区間積分器9,27の積分区間に関しても、同じ
ように設定することができる。また、本実施形態では、
短区間と中区間及び長区間の各区間積分に対して、それ
ぞれ1区間を設定する場合を例にとったが、例えば中区
間積分に6msと8msの2区間の積分区間を設け、各
区間積分値をそれぞれしきい値判別するようにしてもよ
い。
【0028】また、上記説明では、車両側面ユニット1
sを左側面又は右側面の片方の側面についてだけ取り出
して例示したが、図11には、左右の乗員側方保護シス
テムに対応する左側面と右側面の各車両側面ユニット1
a,1bを、それぞれ通信手段51a,51bを介して
車両中央ユニット1cに接続して構成した車両の衝突判
定装置101が図示してある。この車両の衝突判定装置
101では、車両中央ユニット1c内に、車両側面ユニ
ット1a用の比較器28a〜31aと車両側面ユニット
1b用の比較器28b〜31bが配設されており、前述
の波形整形器33〜38や論理ゲート39〜42につい
ても、車両側面ユニット1a,1b用に対応させて添え
字a,bを付したものが一対ずつ配設されている。な
お、比較器31aのしきい値cssaと比較器31bの
しきい値cssbは、互いに逆極性の加速度値であり、
同様にまた他の比較器28a〜30aと比較器28b〜
30bのしきい値も極性が互いに逆となる。
【0029】図12に示す車両の衝突判定装置201
は、車両側面ユニット1s内で、ある程度発生する車両
側面変形の速度変化量又は車両移動の速度変化量を判定
するため、短区間積分器7のしきい値判別出力と、中区
間積分器8と長区間積分器9の各出力のしきい値判別出
力を論理和ゲート16を介して論理積ゲート19に送
り、論理積ゲート19の出力をb種信号として通信手段
51を介して車両中央ユニット1cに送信するようにし
たものである。従って、合成加速度の短区間積分値と中
区間積分値又は長区間積分値の各しきい値判別出力は、
論理和としてではなく論理積として扱うことになる。す
なわち、本実施形態にあっては、3種の区間判定尺度を
論理積で判定するようにしており、このことは乗員側方
保護システムの展開が必要な側面衝突では短区間と中区
間又は長区間の両方の速度変化量がある程度発生するこ
とを捕らえることを意味する。従って、図1,11に示
した実施形態とは判定性能が若干異なる衝突判定が可能
となり、本実施形態によれば高速判定が困難な高速側面
斜め衝突の判定時間性能を向上させることができる。な
お、論理和ゲート15から出力されるa種信号は、図1
に示した衝突判定装置1と同様の判定を行うのに使用さ
れる信号であり、ここではその詳細な説明は省略する。
【0030】この場合、比較器12,13に設定するし
きい値ss2’,sm2’は、前記実施態様に用いた値
ss2,sm2よりも小さな値に設定することができ、
これにより論理和判定から論理積判定へ変更したことを
受け、図13に示したように、高速側面斜め衝突につい
て必要時間内に衝突判定できることが分かる。図13に
示した二軸平面は、合成加速度の中区間積分値と合成加
速度の短区間積分値を二軸とするものであり、衝突判定
領域は梨地模様を付して図示してある。また、判定すべ
き衝突系については、必要な衝突判定時間に至るまでの
最大値にて二次元分布を図示してある。
【0031】なお、通信手段51を介して車両中央ユニ
ット1cに供給されたb種信号は、波形整形器44にて
波形整形された後、論理積ゲート46に供給される。ま
た、車両中央ユニット1c内の短区間積分器25と中区
間積分器26及び長区間積分器27の3種のしきい値判
別出力は、論理和ゲート43を介して波形整形器45に
供給され、ここで波形整形された後、論理積ゲート46
に供給される。論理積ゲート46の出力は、論理積ゲー
ト41の出力とともに論理和ゲート42に供給され、こ
こで最終の衝突判定信号すなわち展開トリガ信号とされ
る。このため、例えば高速側面斜め衝突にあっては、図
14に示したように、車両中央ユニット1c内の長区間
積分器27の出力がしきい値clを越えた時点で衝突判
定が下されることになる。この場合も、強ドア閉めや乱
用事象等については、たとえ車両側面ユニット1s側で
衝突判定が下されたとしても、車両中央ユニット1c側
では衝突基準を満たさないために、最終的な衝突判定が
下されることはなく、電柱等の剛性の高い物体への低速
側面衝突或いは時速15Km/hで衝突角度90°の側
面衝突などの事象については、車両中央ユニット1c側
で衝突判定が下されたとしても、車両側面ユニット1s
側の短区間積分値或いは中区間又は長区間のいずれかの
積分値が衝突基準を満たさないために、最終的な衝突判
定が下されることはない。なお、短区間積分器25の出
力を判定する比較器28のしきい値csや、中区間積分
器26の出力を判定する比較器29のしきい値cm、或
いは長区間積分器27からの出力を判定する比較器30
のしきい値clについても、前記実施態様と同様、各種
要素を加味した修正等が可能である。
【0032】なお、上記の実施形態において、例えば車
両側面ユニットにおいて合成加速度の短区間積分値と中
区間積分値の各しきい値判別出力の論理和をとり、車両
中央ユニットにおいて移動加速度の短区間積分値と中区
間積分値の各しきい値判別出力の論理和をとり、両ユニ
ットにおける論理和出力の論理積をもって衝突判定する
構成とすることもできる。この場合、前方斜め衝突など
の前後方衝突系や側面ユニットから離れた場所に当たる
側面衝突等の判定時間性能を向上させることができる。
また、逆に、前方斜め衝突などの前後方衝突系や側面ユ
ニットから離れた場所に衝突する側面衝突等については
側方エアバッグの展開が不要であり、乗員室の側面変形
が著しい側面衝突についてのみ側方エアバッグを展開さ
せるといった場合は、しきい値を上位設定したり或いは
展開不要衝突事象を有利に判定する回路構成部を切り離
すことで対応することもできる。また、操舵中の車輪ス
リップ等が原因で車両側面を電柱等の物体に衝突させて
しまうことがあるが、侵入を伴うような中速から高速で
の場合、例えばBピラーのような剛性の高い箇所の衝突
であれば、図5に示したフロント剛性の高い車両による
側面衝突時と同様の判断経過に沿って衝突判定がなさ
れ、またピラー間のドア部分のように剛性の低い箇所の
衝突であれば、図6に示したフロント剛性の低い車両に
よる側面衝突時と同様の判断経過に沿って衝突判定がな
される。
【0033】また、上記各実施形態では、ハードウェア
で構成される回路に基づいて衝突判定装置の構成と動作
について説明したが、図1,11,12におけるAD変
換器以降のディジタル信号処理部について、マイクロプ
ロセッサによるソフトウェア・ディジタル信号処理に置
き換えることも可能である。また、上記各実施形態で
は、車両側面ユニット1s或いは1a,1b内で演算し
た各種速度変化量のしきい値判別結果を、通信手段51
或いは51a,51bを介して車両中央ユニット1c内
に送信して論理処理する構成としたが、車両側面ユニッ
ト1s或いは1a,1bの主要な演算・判断部を、車両
中央ユニット1c内に移設して統合一体化することもで
きる。この場合、車両側面ユニット1s或いは1a,1
bは、加速度センサ2と車両中央ユニット1cへの加速
度信号送信手段だけを有する単純な構成とすることがで
きる。さらに、車両中央部と衝突を受ける側と反対側の
側面がほぼ同ような加速度成分を示すことから、車両側
面ユニット1s或いは1a,1bの両方に、車両中央ユ
ニット1cの主要な演算・判定部をそれぞれ対となる方
の部分と逆に移設して、両側面ユニットのみで判定でき
る構成としたり、3つのユニットすべてに演算・判定部
を設け、車両中央ユニットと衝突を受けない側の側面ユ
ニットの判定結果を論理和もしくは論理積とし、判定信
頼性を向上させることもできる。
【0034】さらにまた、上記各実施形態において、車
両側面ユニット1sや1a,1bは、Bピラーの下側や
サイドシル或いはクロスメンバの外側等に限らず、例え
ば中央部や上部を含めたBピラーの任意の位置や、Aピ
ラー又はCピラーの任意の位置に配設してもよく、また
ドアやフロア側方或いはルーフ側方等に配設してもよ
い。また、車両側面ユニット1sや1a,1bは、車両
の左右両側にそれぞれ複数個ずつ配設するようにしても
よい。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、車両の側面変形と
側方移動の少なくとも一方をもたらす衝撃に起因する合
成加速度を検出し、該合成加速度を現在値まで所定区間
に亙って積分して合成速度変化量を算出し、かつ前記衝
撃のうち車両の側方移動をもたらす成分に起因する移動
加速度を検出し、該移動加速度を現在値まで所定区間に
亙って積分して移動速度変化量を算出し、前記合成速度
変化量及び移動速度変化量をそれぞれ所定のしきい値を
基準にしきい値判別し、該各しきい値判別結果を総合し
て衝突判定を下す構成としたから、衝突時にBピラー下
側やサイドシル或いはクロスメンバ等の車両の側面部の
位置で検出される加速度は、側面衝突を受ける側では車
両の側面変形と移動とが合成された合成加速度であり、
側面衝突の場合衝突初期にはほぼ側面変形に起因する成
分の比重が高く、車両の変形が収まってからは車両の移
動に起因する成分となるが、車両中央位置で検出される
加速度は車両の移動に伴う移動加速度だけであるから、
衝突時に車両に発生する特定の場所の各速度変化量を統
合して判断することで、車両が広範囲に受ける側面衝突
はもちろん横方向移動を伴うような前方又は後方衝突に
対しても衝突判定能力を備えることができ、また区間積
分の時間範囲の選定により、車両側方構造物の変形によ
り激しい侵入を伴うような高速側面衝突事象は勿論、衝
突速度が比較的緩慢な衝突事象や斜めからの衝突事象或
いは衝突物剛性が比較的低い構造物との衝突事象、さら
に乗員室より前又は後の側面部に衝突する事象、トラッ
クなどの背の高い車両等が衝突する事象、車両前方衝突
ではあるが車両の横移動を伴う高速オフセット衝突や高
速斜め衝突のような事象のごとく、サイドシル付近の車
両変形が比較的発生しない事象等を、素早く判定するこ
とができ、これにより車両側面のみの加速度から速度変
化量を評価する装置等と異なり、高速判定性能と識別性
能を兼ね備えた優れた衝突判定が可能であり、また車両
側面側と車両中央側とで相互に故障監視し、かつ判定を
下す時には必ず2つの位置の判断系が判定条件を満たす
ことを前提にするため、片方の誤判定でシステムが誤動
作することなく、高い信頼性と安全性を獲得することが
できる等の優れた効果を奏する。
【0036】また、本発明は、合成加速度を短区間と中
区間と長区間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各
合成速度変化量を算出し、かつ移動加速度を短区間と中
区間と長区間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各
移動速度変化量を算出し、短区間合成速度変化量又は中
区間合成速度変化量がしきい値を越え、かつ前記移動加
速度が所定のしきい値を越えたか、或いは短区間合成速
度変化量又は中区間合成速度変化量がしきい値を越え、
かつ長区間移動速度変化量が所定のしきい値を越えた
か、或いは長区間合成速度変化量が所定のしきい値を越
え、かつ短区間移動速度変化量か又は中区間移動速度変
化量が所定のしきい値を越えたときに、衝突判定を下す
ようにしたから、車両の側方構造物の変形により激しい
侵入を伴うような高速側面衝突等の判定だけでなく、衝
突速度が比較的緩慢な衝突や斜めからの衝突、或いは衝
突物剛性が比較的低い構造物との衝突等の判定が可能で
あり、また乗員室よりも前又は後の側面部への衝突やト
ラックなどの背の高い車両の衝突、車両前方衝突でも車
両の横移動を伴う高速オフセット衝突や高速斜め衝突の
ような事象等のように、合成加速度検出用の加速度セン
サを配置した付近の車両変形が比較的発生しない事象に
ついても素早く判定することができ、しかも強いドア閉
めや蹴飛ばし等の乱用及び軽量物衝突で誤判定すること
なく高速判定ができる等の効果を奏する。
【0037】また、本発明は、合成加速度を短区間と中
区間と長区間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各
合成速度変化量を算出し、かつ移動加速度を短区間と中
区間と長区間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各
移動速度変化量を算出し、短区間合成速度変化量又は中
区間合成速度変化量がしきい値を越え、かつ前記移動加
速度が所定のしきい値を越えたか、或いは短区間合成速
度変化量がしきい値を越え、かつ中区間合成速度変化量
又は長区間合成速度変化量がしきい値を越え、なおかつ
短区間移動速度変化量又は中区間移動速度変化量又は長
区間移動速度変化量が所定のしきい値を越えたときに、
衝突判定を下すようにしたから、3種の合成速度変化量
のしきい判別出力を論理判定することで、乗員側方保護
システムの展開が必要な側面衝突では短区間と中区間又
は長区間の両方の速度変化量がある程度発生することを
捕らえることができ、高速判定が困難な高速側面斜め衝
突の判定時間性能を向上させることができる等の優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の衝突判定装置を片側の車両側面
ユニットと車両中央ユニットで構成した場合の一実施形
態を示す回路構成図である。
【図2】図1に示した車両の衝突判定装置による衝突判
定領域を示す図である。
【図3】車両の側面衝突を受ける側と中央部及び側面衝
突を受ける側と反対側の位置で側面衝突時に検出される
加速度成分を示す波形図である。
【図4】車両の側面部と中央部における側面衝突と強ド
ア閉めや乱用事象等との加速度の比較を示す波形図であ
る。
【図5】フロント剛性の高い車両による側面衝突時の図
1に示した車両の衝突判定装置による衝突判定例を示す
ユニット各部の信号波形図である。
【図6】フロント剛性の低い車両による側面衝突時の図
1に示した車両の衝突判定装置による衝突判定例を示す
ユニット各部の信号波形図である。
【図7】高速側面斜め衝突時の図1に示した車両の衝突
判定装置による衝突判定例を示すユニット各部の信号波
形図である。
【図8】中速側面衝突時の図1に示した車両の衝突判定
装置による衝突判定例を示すユニット各部の信号波形図
である。
【図9】高速前方斜め衝突時の図1に示した車両の衝突
判定装置による衝突判定例を示すユニット各部の信号波
形図である。
【図10】乗員室よりも後方の側面部への高速衝突時の
図1に示した車両の衝突判定装置による衝突判定例を示
すユニット各部の信号波形図である。
【図11】本発明の車両の衝突判定装置を両側の車両側
面ユニットと車両中央ユニットで構成した場合の一実施
形態を示す回路構成図である。
【図12】本発明の車両の衝突判定装置の他の実施形態
を示す回路構成図である。
【図13】図12に示した車両の衝突判定装置による衝
突判定領域を示す図である。
【図14】高速側面斜め衝突時の図12に示した車両の
衝突判定装置による衝突判定例を示すユニット各部の信
号波形図である。
【符号の説明】
1,101,201 車両の衝突判定装置 1s,1a,1b 車両側面ユニット 1c 車両中央ユニット 2,22 加速度センサ 3,23 ローパスフィルタ 4,24 AD変換器 5,7,25 短区間積分器 6,8,26 中区間積分器 9,27 長区間積分器 10〜14,28〜31,28a〜31a,28b〜3
1b 比較器 15,16,32,42,32a,32b,42a,4
2b 論理和ゲート 17,18,33〜38,33a〜38a,33b〜3
8b 波形整形器 19,39〜41,46,39a〜41a,39b〜4
1b 論理積ゲート 44,45 波形整形器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−69791(JP,A) 特開 平5−278563(JP,A) 特開 平6−211100(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 15/00 B60R 21/00 610 B60R 21/32 G01P 7/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の側面変形か側方移動の少なくとも
    一方をもたらす衝撃に起因する合成加速度を検出し、該
    合成加速度を現在値まで所定区間に亙って積分して合成
    速度変化量を算出し、かつ前記衝撃のうち車両の側方移
    動をもたらす成分に起因する移動加速度を検出し、該移
    動加速度を現在値まで所定区間に亙って積分して移動速
    度変化量を算出し、前記合成速度変化量及び移動速度変
    化量をそれぞれ所定のしきい値を基準にしきい値判別
    し、該各しきい値判別結果を総合して衝突判定を下すこ
    とを特徴とする車両の衝突判定方法。
  2. 【請求項2】 前記合成加速度を短区間と中区間と長区
    間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各合成速度変
    化量を算出し、かつ前記移動加速度を短区間と中区間と
    長区間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各移動速
    度変化量を算出し、短区間合成速度変化量又は中区間合
    成速度変化量がしきい値を越え、かつ前記移動加速度が
    所定のしきい値を越えたか、或いは短区間合成速度変化
    量又は中区間合成速度変化量がしきい値を越え、かつ長
    区間移動速度変化量が所定のしきい値を越えたか、或い
    は長区間合成速度変化量が所定のしきい値を越え、かつ
    短区間移動速度変化量か又は中区間移動速度変化量が所
    定のしきい値を越えたときに、衝突判定を下すことを特
    徴とする請求項1記載の車両の衝突判定方法。
  3. 【請求項3】 前記合成加速度を短区間と中区間と長区
    間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各合成速度変
    化量を算出し、かつ前記移動加速度を短区間と中区間と
    長区間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各移動速
    度変化量を算出し、短区間合成速度変化量又は中区間合
    成速度変化量がしきい値を越え、かつ前記移動加速度が
    所定のしきい値を越えたか、或いは短区間合成速度変化
    量がしきい値を越え、かつ中区間合成速度変化量又は長
    区間合成速度変化量がしきい値を越え、なおかつ短区間
    移動速度変化量又は中区間移動速度変化量又は長区間移
    動速度変化量が所定のしきい値を越えたときに、衝突判
    定を下すことを特徴とする請求項1記載の車両の衝突判
    定方法。
  4. 【請求項4】 車両の側面変形と側方移動の少なくとも
    一方をもたらす衝撃に起因する合成加速度を検出する加
    速度センサと、前記合成加速度を現在値まで所定区間に
    亙って積分して合成速度変化量を算出する合成速度変化
    量算出手段と、前記衝撃のうち車両の側方移動をもたら
    す成分に起因する移動加速度を検出する加速度センサ
    と、前記移動加速度を現在値まで所定区間に亙って積分
    して移動速度変化量を算出する移動速度変化量算出手段
    と、前記合成速度変化量及び移動速度変化量をそれぞれ
    所定のしきい値を基準にしきい値判別し、該各しきい値
    判別結果を総合して衝突判定を下す判定手段とを具備す
    ることを特徴とする車両の衝突判定装置。
  5. 【請求項5】 前記合成速度変化量算出手段は、前記合
    成加速度を短区間と中区間と長区間の3区間に亙ってそ
    れぞれ区間積分して各合成速度変化量を算出し、前記移
    動速度変化量算出手段は、前記移動加速度を短区間と中
    区間と長区間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各
    移動速度変化量を算出し、前記判定手段は、短区間合成
    速度変化量又は中区間合成速度変化量がしきい値を越
    え、かつ前記移動加速度が所定のしきい値を越えたか、
    或いは短区間合成速度変化量又は中区間合成速度変化量
    がしきい値を越え、かつ長区間移動速度変化量が所定の
    しきい値を越えたか、或いは長区間合成速度変化量が所
    定のしきい値を越え、かつ短区間移動速度変化量か又は
    中区間移動速度変化量が所定のしきい値を越えたとき
    に、衝突判定を下すことを特徴とする請求項4記載の車
    両の衝突判定装置。
  6. 【請求項6】 前記合成速度変化量算出手段は、前記合
    成加速度を短区間と中区間と長区間の3区間に亙ってそ
    れぞれ区間積分して各合成速度変化量を算出し、前記移
    動速度変化量算出手段は、前記移動加速度を短区間と中
    区間と長区間の3区間に亙ってそれぞれ区間積分して各
    移動速度変化量を算出し、前記判定手段は、短区間合成
    速度変化量又は中区間合成速度変化量がしきい値を越
    え、かつ前記移動加速度が所定のしきい値を越えたか、
    或いは短区間合成速度変化量がしきた値を越え、かつ中
    区間合成速度変化量又は長区間合成速度変化量がしきい
    値を越え、なおかつ短区間移動速度変化量又は中区間移
    動速度変化量又は長区間移動速度変化量が所定のしきい
    値を越えたときに、衝突判定を下すことを特徴とする請
    求項4記載の車両の衝突判定装置。
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