JPH10185836A - 金属材の欠陥検出装置の診断方法および欠陥火花模擬光源 - Google Patents

金属材の欠陥検出装置の診断方法および欠陥火花模擬光源

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JPH10185836A
JPH10185836A JP34731596A JP34731596A JPH10185836A JP H10185836 A JPH10185836 A JP H10185836A JP 34731596 A JP34731596 A JP 34731596A JP 34731596 A JP34731596 A JP 34731596A JP H10185836 A JPH10185836 A JP H10185836A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属材の欠陥検出装置の診断方法およびその方
法に用いられる欠陥火花模擬光源。 【解決手段】金属材の溶削時に溶融池と欠陥から発生す
る欠陥火花を撮像することにより金属材の欠陥を検出す
る装置の診断において、欠陥火花模擬光源を配置して、
光源の輝度、画像上での位置を測定することにより当該
装置の診断をする方法、ならびにその方法に用いられる
電球(8)および黒体炉(10)を備えた光源であっ
て、電球内のフィラメントが欠陥火花として、かつ黒体
炉が溶融池として撮像されるように構成されている欠陥
火花模擬光源、およびレーザ発生装置(12)、溶融池
を模擬する光を形成する光学系および欠陥火花を模擬す
る光を形成する光学系を備えた欠陥火花模擬光源。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属の中間素材、な
かでも鋼スラブの溶削時に欠陥を検出する装置に生じる
塵芥等の光学系への付着、計測制御系統の経年劣化等の
程度を診断する、金属材の欠陥検出装置の診断方法およ
びその方法に用いられる欠陥火花模擬光源に関する。
【0002】
【従来の技術】金属材、とくに鋼材の製造においては、
鋼スラブに存在するのろかみ、ピンホール、砂カミなど
の欠陥を熱間圧延前の冷間状態または高温状態において
検出することにより、手入れの要否および溶削等の手入
れの程度を判断したり、材料を格付けしたりする検査が
行われる。この検査は、所定量の溶削時に欠陥がある場
合に発生する欠陥火花を撮像して定量化する方法により
行われる。
【0003】この検査に用いられる欠陥検出装置は、水
蒸気、塵、振動、高温等をともなう環境で使用されるの
で、検出装置を設定した当初は適正な状態であっても時
間の経過につれ、光学系等への障害が堆積してくる。こ
のような場合、単にカメラに塵芥が付着しただけなの
か、または検出装置に内在する経年劣化因子、たとえば
真空管等(主に撮像管)の劣化なのか容易に判断できな
いという問題がある。
【0004】一般に欠陥検出装置の不調の原因は、次の
3点に大別される。
【0005】溶削装置に供給されるユーティリティの
不調(溶削ガス圧の低下等)、溶削ガスを噴出するノズ
ルの目詰まりに起因する“溶削の不調”。この場合、欠
陥火花が光学的に明瞭に現れなくなったり、溶融池上に
欠陥火花によく似た輝度変動が現れたりする。この場合
には欠陥火花検出装置に対して修復は必要としないが、
溶削装置が修復調整作業を要するという診断は導出され
なければならない。
【0006】金属材を溶削する悪環境下で溶融池を観
察するためにテレビカメラなどの受光装置に汚れが付着
したり、溶融池から受光装置までの光路上に、霧状水
滴、微粉が舞ったり、その他光路を遮るものが飛来する
“光学系の不調”。
【0007】溶融池からの輻射によってテレビカメラ
などの受光装置が高温になって異常な信号を出力した
り、装置から出るノイズが信号線に混入したり、出力信
号を処理する電気回路等の異常によって欠陥火花が適正
に検出できなくなるなどの“受光装置および信号処理装
置の不調”。
【0008】上記の原因にともなって生ずる欠陥検出装
置の不調程度の診断に関して、これまで下記の方法が提
案されてきた。
【0009】その一つは、定常的な金属材製造中にオン
ラインで溶融池の画像の輝度分布を経年的に連続的に観
察して当初の正常な状態とのずれを比較する方法である
(特開平6−229946号公報)。この方法によれ
ば、欠陥検出装置稼働中の水蒸気による外乱、レンズの
汚損、撮像カメラの視野ずれ、信号の微分処理回路等の
不調の結果として生じる異常等を検知することができ
る。
【0010】しかしながら、この方法は、操業中のオン
ライン診断を主とするものであり、操業中の鋼スラブ温
度、鋼種等の影響を受けるため厳格さに欠けるという問
題がある。また、自然欠陥である介在物起因の火花は、
火花検出のために1度溶削を行えば失われてしまうため
に同一条件での再現が不可能であり、不調原因を明確に
特定するまで繰り返し診断の用に供しえない。
【0011】他の一つの方法として、鋼スラブに人工欠
陥(ドリルホール)を設け、これを溶削することにより
欠陥火花を発生させ、当該装置の能力を診断する方法が
提案されている(特開平7−120409号公報)。こ
の方法によれば、欠陥が予め準備されているので信頼性
の高い診断が可能である。
【0012】しかし、この方法では、金属材の準備およ
びそれにドリルホールを形成してそれを溶削する必要が
ある。このような診断方法においては上記のオンライン
での実生産の監視による方法と異なり、熱間での検査の
場合には、ドリル後鋼スラブを高温加熱し溶削中に当該
装置の診断データを採取する作業を繰り返すことによ
り、実際の製造工程を乱す事態が生じる場合がある。大
量生産方式を採用する鋼材製造においては、とくに熱延
工程の開始直前段階でのことなので後の工程に及ぼす影
響は甚大なものがある。冷間での検査においても次工程
である熱延工程が鋼スラブを待ち受けているという状況
は熱間検査と同じであり、定常的に安定して正確な検査
と修復が要望される点では共通している。
【0013】また、実際の製造ラインで診断をしない場
合には、鋼スラブの取扱い、たとえば熱間検査を再現す
るスラブ加熱等に大がかりな装置と多くの時間をかける
必要がある。また、冷間検査と熱間検査の別を問わず、
鋼スラブの費用も無視できない。さらに、不調の原因が
溶削の不調(上記の原因)にあるのか、それとも、光
学系以降の不調(原因、)にあるのか明確にするに
は、溶削を伴わない方法による診断が求められていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金属
材、とくに鋼材の欠陥検出装置の溶削を伴わない診断方
法およびそれに用いられる欠陥火花模擬光源を提供する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、溶削時に
発生する欠陥火花を光学的に等価なもので置き換える方
法があればつぎに示す諸事情から非常に望ましいと判断
した。
【0016】イ)欠陥検出装置の一度の診断と調整によ
っては予期したとおりの結果が得られない場合には再診
断を繰り返すことになるため、溶削によらない簡易な方
法が求められる。
【0017】ロ)汚れ付着による不調など、不調の原因
が発生後継続する不調を判定する場合には、人工欠陥を
内在させた金属材の溶削等は不要であり、光学的に等価
な光源を設置して、光源からの光が正常にカメラに到達
しているか確認すればよい。
【0018】ハ)定期的な診断が目的なら、欠陥火花の
持つ特徴のうち欠陥検出装置が検出のために用いる特徴
のみを備えた光源がありさえすればよい。
【0019】しかしながら、溶削を用いないで欠陥火花
模擬光源を用いて診断する場合には下記するような克服
すべき問題があった。
【0020】『溶削時の欠陥火花等を撮像して装置を診
断するときには、欠陥火花等の輝度が非常に高いため、
通常、カメラには輝度を一万分の一程度に減少させるた
めの光学フィルタが取り付けられる。光学フィルタが取
り付けられた撮像装置の感度は非常に低くなり、溶削な
しでは撮像装置には何も映らない。このため、欠陥火花
等に比べて輝度の低いものを撮影して撮像装置を診断し
ようとすると、塵芥付着防止のためにカメラケースに格
納された撮像装置をカメラケースから取り出して光学フ
ィルタを取り外し、再びカメラケースに収める方法を採
らなければならない。このとき、撮像により診断した後
取り外した光学フィルタを再び取り付けるために撮像装
置をカメラケースから取り出す等する際に、せっかく診
断したカメラの向きが変動してしまうという問題があ
る。』上記の理由から実際に欠陥火花模擬光源を用いた
欠陥検出装置の診断が行われたことはなかった。
【0021】本発明者らは、欠陥火花模擬光源を各種試
験した結果、適切な欠陥火花模擬光源を用いれば上記の
問題を解決できることを確認した。
【0022】本発明は欠陥火花模擬光源の検討および金
属材製造現場にて異常を生じた欠陥検出装置に欠陥火花
模擬光源を監視させる試験を繰り返して完成されたもの
で、下記の金属材の欠陥検出装置の診断方法およびそれ
に用いられる欠陥火花模擬光源を要旨とする。
【0023】(1)金属材表層部を溶削するときに形成
される溶融池、および溶融池内にある欠陥から発生する
欠陥火花を撮像することにより金属材の欠陥を検出する
装置の診断方法であって、欠陥火花模擬光源を、当該装
置の撮像系からみて撮像時に溶融池が生じる位置と光学
的に同じ位置付近に配置し、当該装置によりその光源を
撮像して、光源の相対的または絶対的輝度分布を評価す
ることにより当該装置の診断をする金属材の欠陥検出装
置の診断方法(〔発明1〕とする)。
【0024】(2)電球8および黒体炉10を備えた光
源であって、電球内のフィラメントが欠陥火花として、
かつ黒体炉が溶融池として撮像されるように構成されて
いる〔発明1〕に記載する診断方法に用いられる欠陥火
花模擬光源(〔発明2〕とする)。
【0025】(3)光学系の光束供給源となるレーザ発
生装置12、溶削時に金属材に形成される溶融池を模擬
する光を形成する光学系、および欠陥から発する欠陥火
花を模擬する光を形成する光学系を備えた光源であっ
て、各光学系で形成される光がそれぞれ溶融池および欠
陥火花として撮像されるように各光学系が設定されてい
る〔発明1〕に記載する診断方法に用いられる欠陥火花
模擬光源(〔発明3〕とする)。
【0026】上記の〔発明1〕〜〔発明3〕において、
「欠陥火花模擬光源」とは欠陥検出装置の監視方式に応
じて下記(a)、(b)または(c)の光源をいう。
【0027】(a)欠陥火花を監視することにより金属
材の欠陥を検出する装置においては、欠陥火花と同程度
の輝度を持つ光源。
【0028】(b)欠陥火花と溶融池との輝度差を監視
することにより金属材の欠陥を検出する装置において
は、欠陥火花と溶融池の輝度差と同程度の輝度を持つ光
源。
【0029】(c)欠陥火花と溶融池の両方の輝度を監
視することにより金属材の欠陥を検出する装置において
は、欠陥火花と同程度の輝度を持つ光源および溶融池と
同程度の輝度を持つ光源の両方の光源。
【0030】〔発明1〕において、「診断」とは修復作
業前に修復作業の必要性を判定することのほか、修復作
業や校正の後なお修復作業が必要か判定すること、およ
び当該装置の当初の性能限界の確認等が含まれる。な
お、所定サイズの人工欠陥から発生する欠陥火花の大き
さと欠陥火花模擬光源の輝度等とを対応づける欠陥火花
模擬光源の校正作業は、診断を行う前に事前作業として
なされていることが望ましい。「金属材」とは金属の中
間素材、なかでも鋼スラブが該当する。
【0031】「輝度分布」とは光源の画像上での分布等
をさし、“分布”は問題とせず“輝度”のみを評価する
場合を含む。
【0032】「同じ位置付近」とは、同じ位置および近
接した位置をあらわす。実際の溶削時に欠陥火花は溶融
池内の任意の位置から発生し、欠陥火花については確定
的な位置を指定できないからである。また、〔発明2〕
においては、厳密な意味では黒体炉と電球を同一位置に
配置することはできないが、実際のところ両者を近接さ
せて配置すれば目的は達成される。「電球」は透明電球
をさす。
【0033】「撮像系からみた位置」とは、撮像系のカ
メラからみて光学的に同一方向かつ同一距離にある位置
をさす。
【0034】「撮像」とは溶融池、欠陥火花を画像とし
て捉えることをいう。
【0035】〔発明2〕および〔発明3〕は、光源
(c)の範疇に属するものである。〔発明1〕に使用さ
れる光源は〔発明2〕または〔発明3〕の光源に限定さ
れない。
【0036】
【発明の実施の形態】つぎに上記のように本発明を設定
した理由について説明する。最初に欠陥火花模擬光源
(〔発明2〕および〔発明3〕)について、次いで診断
方法(〔発明1〕)について説明する。
【0037】1.欠陥火花模擬光源(〔発明2〕および
〔発明3〕) 図1は、欠陥火花と同程度の輝度を持つ光源と溶融池と
同程度の輝度を持つ光源とを撮像系に対して実際の溶削
時と同じ位置に配した模式図である。溶融池を生ぜしめ
る場所には黒体炉10を配置し、その前に黒体炉に近接
して電球8を配置し、電球内のフィラメントによって欠
陥火花を模するようにしてある。
【0038】欠陥火花は溶融池に接して発生するので、
電球はできるだけ黒体炉に近づけるが、黒体炉からの熱
風によって電球8が加熱されないようにするため、エア
カーテン9を備えていることが望ましい。黒体炉の開口
窓が十分に大きければ黒体炉を遠ざけてもよい。黒体炉
10の温度は溶融池の温度と同じに設定されていると、
電球8のガラスの内外面での反射によってカメラ1に到
達する光量が減少する。しかし、この対策として電球8
のガラスの内外面に無反射処理を施す必要はない。溶融
池を撮影したときと同じ強度レベルの信号を出力するよ
うに黒体炉10の温度を若干高めに設定すればよい。こ
の設定温度は事前の校正による。
【0039】光源は必ずしも溶融池が生ずる位置と同じ
位置に配置する必要はない。
【0040】図2は、設置場所の制約等により図1に示
す配置が困難な場合を解決するために、黒体炉の観察窓
を側面に配置できるようにしたものである。図2にしめ
すように、反射鏡11等を用いて光学的な等価性を保て
ば、黒体炉の観察窓を側面に配置してもよい。この場
合、電球8のフィラメントからの放射が欠陥火花と同程
度であると、反射鏡11の吸収によってカメラ1に到達
する光量が減少するが、この対策として反射鏡11に特
別な処理を施す必要はない。欠陥火花を撮影したときと
同じ強度レベルの信号を出力するように電球8の温度を
若干高めに設定すればよい。この設定温度は事前の校正
による。反射鏡11以外にプリズムなど他の光学的手段
を用いてもよい。また、光源の距離を実際と合わせるこ
とに不都合があるときには、反射鏡、レンズなどにより
光学的な等価性が保たれるかぎり図1に対する図2のよ
うな変形を行って診断してもよい。
【0041】電球の定格電圧どおりの電圧では3000
k程度になってしまうので、まず低めの電圧をかけて点
灯させ、次いで光高温計を用いてフィラメントの温度を
測定しながら電圧を調整することにより適温に設定す
る。
【0042】〔発明3〕は光源にレーザを用いたもので
ある。
【0043】図3は、レーザを利用した欠陥火花模擬光
源を示す。レーザ12から照射されたレーザ光はビーム
スプリッタ13によって2方向に分けられる。一方は、
減光フィルタ16によって適切な光束に落とされ、コリ
メータ15でビーム径が広げられて、反射鏡13に導か
れてカメラに入射する。この部分は、溶融池を模するよ
うに機能する光学系である。他方は欠陥火花を模擬する
光学系である。レーザを発した光は減光フィルタ16に
よって適切な光束に落とされ、プリズム14によってビ
ームが線状に広げられ、凹レンズ17によって欠陥火花
からの光のように広げられ有限輝度を持つように調整さ
れ、ビームスプリッタ13によって上記の溶融池を模す
るビームとともにカメラ1に入射される。
【0044】レーザ発生装置としては、たとえば、溶融
池の輝度106cd/mm2、撮像面の面積10-42
射出瞳の立体角10-2ステラジアン、レーザの波長63
3nmの条件下で比視感度0.25であることを考慮し
て、理想的な光学系では6mWの出力があれば十分であ
り、このような出力のHe−Neレーザが利用できる。
【0045】2.診断方法(〔発明1〕) 欠陥検出装置を診断する前に予め行っておくべき欠陥火
花模擬光源と実際の欠陥火花との対応づけの校正作業
は、つぎのようになされる。このとき用いられる欠陥検
出装置は正常な状態になければならない。
【0046】金属材の表面に種々の径と深さの人工欠陥
を作成しておく。人工欠陥は、ドリルホールでもよい
し、ドリルホールに砂などの介在物を模する物質を詰め
てもよいし、さらに、溶接などによってふたをしておい
てもよい。この上を溶削することによって発生する火花
がどのようなものであるかを撮像装置で撮影して定量化
する。つぎに本発明に係る欠陥火花模擬光源を調整する
ことによって種々の太さ、明るさの光源を実現して、火
花と同じように撮像される太さ、明るさを対応づける。
これら光源は定位置への取り付け取り外しが容易になる
ように構成されておれば、方向あわせ、ピント合わせが
正確に行える。一度このような調整を行っておけば、以
後の欠陥検出装置の診断には本発明で示した光源を用い
ればよい。
【0047】具体的な欠陥火花模擬光源の条件設定は下
記のようにおこなう。
【0048】溶削条件の違いによって溶融池の温度は若
干異なってくるが、温度が異なるのを模擬するために
は、図1または図2の配置では、そのまま黒体炉10の
温度を変えることにより実現できる。図3の配置では、
溶融池の温度変化は、コリメータ15や減光フィルタ1
6を調整することにより実現可能である。
【0049】金属材の欠陥の種類、大きさ等、または、
溶削火炎の噴出速度等の溶削条件によって、欠陥火花の
明るさは様々に変化する。異なった欠陥火花の明るさの
実現のためには、電球8に供給する電圧、電流、電力等
を制御することによってフィラメントの明るさを制御す
る。レーザを用いる場合には、プリズム14の配置や減
光フィルタ16を調整することにより実現可能である。
【0050】図4は、実際の溶削によって生成された溶
融池から発する欠陥火花を撮影した模式図である。図4
において、溶融池18の中に欠陥から発する火花19が
溶削火炎の方向に発生しているのが観察される。
【0051】図5は、図4中の走査線AA’に沿って測
定した輝度を示す。なだらかな溶融池中に欠陥火花19
が高輝度部として検出される。
【0052】図6は、溶融池の輝度と比較して欠陥火花
の輝度が十分でないものを検出するためにこの信号をR
C回路等により微分処理を施した信号である。
【0053】欠陥火花は、溶削火炎の噴出速度、その他
の溶削条件、欠陥の種類、大きさなどにより、様々な太
さを持つ。
【0054】図7は、図1または図2の方式で電球8の
フィラメントを観察した画像である。電球8のフィラメ
ント20が図7のように撮像される場合、走査線BB’
とCC’とでは、走査線が横切るフィラメントの長さが
異なる。
【0055】図8は、図7中の走査線BB’に沿った輝
度をあらわす。
【0056】また、図9はそれを微分処理した信号であ
る。同様に、高輝度の部分の間隔の狭い信号が走査線C
C’に沿った信号処理で得られる。このようにフィラメ
ントが適当な曲線を形成し、その曲線に対して走査線が
連続的に変化するように撮影されれば、1枚の画像によ
り広い範囲の幅の火花を撮像することが可能になる。
【0057】図10はレーザを用いた図3の方式の欠陥
火花を模した線状光源の画像である。図11はこの画像
をプリズムを用いて回転させて模擬火花の方向を変えた
ものである。図10を図11のように回転させた画像を
得て、その画像を基に診断することは火花の太さを変え
ることに相当する。
【0058】また、図12はプリズムの配置を調整して
幅を変えたものであり、このように幅を自由に変化でき
ることが欠陥火花模擬光源を用いるときの特徴である。
【0059】図13はさらにプリズムの配置を調整して
連続的に幅の変化する線を作り出したものである。
【0060】診断は、撮像系のカメラの方向、画角、ピ
ント、絞り、入射光量等についてチェックされる。
【0061】〔発明1〕における欠陥火花模擬光源とし
ては、〔発明2〕や〔発明3〕に特定される光源に限定
されず、電球の代わりに別の線光源を用いてもよいし、
火花検出方式が、火花が線状であることを利用しない方
式であれば線光源でなくてもよい。溶融池を模する光源
としては、黒体炉の代わりに別の面光源を用いてもよ
い。火花検出方式が溶融池が面状であることを利用しな
い方式であれば面光源でなくてもよい。
【0062】欠陥検査装置の火花検出方式が火花の輝度
のみにもとづいて検出して溶融池の輝度によらない方式
である場合(欠陥火花模擬光源(a)の場合)には、
〔発明2〕において黒体炉10を省略する。
【0063】また、火花検出方式が火花と溶融池との輝
度差に基づいて検出され(欠陥火花模擬光源(b)の場
合)、輝度の絶対値によらない方式のときには、電球8
の輝度は火花と溶融池との輝度差に等しくなるようにし
て黒体炉10を省略してもよい。ただし、この方法で
は、実際に欠陥火花を撮影した場合にカメラ1が飽和し
てしまわないか確認を要するため、電球8の輝度は、欠
陥火花の輝度と同じに設定することができるようにして
おき、欠陥火花の輝度と同じ輝度に設定した状態でカメ
ラ1が飽和していないか確認する。
【0064】〔発明3〕の場合も同様で、2つある光学
系の一方を省略したものを用いる。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、溶削することなく欠陥
火花模擬光源にもとづき簡便迅速に診断でき、診断の能
率が上がる。その結果、一度調整した後の再診断などを
迅速に繰り返すことができ、欠陥検出装置の精度向上を
もたらし金属材生産における品質と生産性の向上につな
がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】〔発明2〕に係る欠陥火花模擬光源
【図2】〔発明2〕に係る欠陥火花模擬光源(反射鏡を
用いた例)
【図3】〔発明3〕に係る欠陥火花模擬光源
【図4】溶削火炎、溶融池、欠陥火花の画像
【図5】図4のAA’走査線上の輝度信号波形
【図6】図5の輝度信号波形をRC回路で微分処理した
信号波形
【図7】〔発明2〕のフィラメントの画像
【図8】図7のBB’走査線上の輝度信号波形
【図9】図8の輝度信号波形をRC回路で微分した信号
波形
【図10】〔発明3〕の欠陥火花模擬光源の画像
【図11】プリズムを回転することにより図10の画像
を傾けた画像
【図12】プリズムを調整することにより図10の画像
の幅を変えた画像
【図13】プリズムを調整することにより図10の画像
の幅を連続的に変化させた画像
【符号の説明】
1…カメラ 2…レンズ 3…減光フィルタ 4…カメラケース 5…カメラケース前面ガラス 6…カメラケース前面ガラス5への付着物を遮るための
簡易交換ガラス 7…ガラス5、ガラス6へのすすの付着を遮るためのエ
アパージ 8…電球 9…エアカーテン 10…黒体炉 11…反射鏡 12…レーザ発生装置 13…反射鏡 14…プリズム 15…コリメータレンズ 16…減光フィルタ 17…凹レンズ 18…溶融池の画像 19…欠陥火花の画像 20…電球フィラメントの信号像 21…〔発明3〕の欠陥火花模擬光源(レーザ光源)の
画像

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属材表層部を溶削するときに形成される
    溶融池、および溶融池内にある欠陥から発生する欠陥火
    花を撮像することにより金属材の欠陥を検出する装置の
    診断方法であって、欠陥火花模擬光源を、当該装置の撮
    像系からみて撮像時に溶融池が生じる位置と光学的に同
    じ位置付近に配置し、当該装置によりその光源を撮像し
    て、光源の相対的または絶対的輝度分布を評価すること
    により当該装置の診断をすることを特徴とする金属材の
    欠陥検出装置の診断方法。
  2. 【請求項2】電球(8)および黒体炉(10)を備えた
    光源であって、電球内のフィラメントが欠陥火花とし
    て、かつ黒体炉が溶融池として撮像されるように構成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載する診断方法
    に用いられる欠陥火花模擬光源。
  3. 【請求項3】光学系の光束供給源となるレーザ発生装置
    (12)、溶削時に金属材に形成される溶融池を模擬す
    る光を形成する光学系、および欠陥から発する欠陥火花
    を模擬する光を形成する光学系を備えた光源であって、
    各光学系で形成される光がそれぞれ溶融池および欠陥火
    花として撮像されるように各光学系が設定されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載する診断方法に用いられ
    る欠陥火花模擬光源。
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