JP3002936B2 - フィルタエレメントの検査方法及び検査装置 - Google Patents

フィルタエレメントの検査方法及び検査装置

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JP3002936B2 JP5222508A JP22250893A JP3002936B2 JP 3002936 B2 JP3002936 B2 JP 3002936B2 JP 5222508 A JP5222508 A JP 5222508A JP 22250893 A JP22250893 A JP 22250893A JP 3002936 B2 JP3002936 B2 JP 3002936B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種プラントから排出
されるガス等の気体に含まれている塵埃等を濾過するた
めの集塵装置に使用されているフィルタエレメントの検
査方法及び検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、特開平2−31811号公報に見
られるようなセラミックフィルタが種々提案されている
が、これらにはフィルタエレメントが具備されている。
フィルタエレメントは、濾過性能を決定する重要な要素
で、これにひび割れや肉薄、ホールが発生していると、
濾過性能が低下するばかりでなく、次工程のトラブル発
生や、公害発生の一因となる。したがって、フィルタエ
レメントの品質検査は確実でなければならない。
【0003】従来、この品質検査は、目視検査、フィル
タエレメントの中側から外側あるいは外側から中側に向
けて所望圧力でオイルミストをかけ噴出状態を目視する
検査、又はガスを透過させて圧力損失の変化をみる検査
方法が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記目視による検査は
最も簡便であるが、作業員の見損じが生じ易く信頼性に
欠ける。前記オイルミストの噴出状態を目視する検査に
あっては、オイルミストによりフィルタエレメント及び
周囲が汚染される。また、圧力損失の変化による検査に
あっては、圧力検査器や排気等の設備が必要になるうえ
に、測定に時間がかかる。本発明は前記問題点を一挙に
解消すべくなされたものであり、その目的はフィルタエ
レメントの検査を正確且つ迅速に行い得るフィルタエレ
メントの検査方法及び該検査方法を実行する検査装置を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る前記目的
は、下記の構成により達成される。 (1)気体を透過させることにより、該気体中に含まれ
る塵埃等を濾過する筒形のフィルタエレメントの少なく
とも内部を光密状態とし、前記フィルタエレメントの
側面に対し部分照射光を螺旋状光軌跡で該外側面全面に
亘って逐次照射し、この部分照射光を光透過面側で受光
する透過光量に基づき前記フィルタエレメントを検査す
ることを特徴とするフィルタエレメントの検査方法。 (2)気体を透過させることにより該気体中に含まれて
いる塵埃等を濾過する筒形で少なくとも内部が光密状態
のフィルタエレメントと、前記フィルタエレメントの
側面に沿って螺旋状光軌跡を描きつつこの外側面全面に
亘って部分光を逐次照射する光源と、前記フィルタエレ
メントを透過した前記光源からの部分光を受光して受光
量に対応した出力電圧を得る光センサと、前記出力電圧
に対応して前記フィルタエレメントの光透過量を表示す
る信号処理系とを備えたことを特徴とするフィルタエレ
メントの検査装置。(3)前記光源が固定配置され、前記フィルタエレメン
トを回転と同時にこの回転軸方向に移動することで光源
の光を螺旋状光軌跡とする駆動手段を備えることを特徴
とする上記(2)に記載の検査装置。 (4)回転軸方向に隣り合う螺旋状光軌跡上の前記光源
からの光の外縁部が互いに重なり合う径を光源からの光
が備えていることを特徴とする上記(2)又は(3)に
記載の検査装置。 (5)前記光源と受光センサとの対が180°間隔で配
置される2対からなることを特徴とする上記(2)〜
(4)のいずれかに記載の検査装置。
【0006】
【作用】本発明のフィルタエレメントの検査方法によれ
ば、フィルタエレメントにクラックや肉薄部が形成され
ている場合、光の透過光量が増大するので、該透過光量
の増減により前記フィルタエレメントの欠陥を検出して
良否判断を正確且つ迅速に行うことができる。本発明の
フィルタエレメントの検査装置によれば、フィルタエレ
メントの一方の側面に設けた光源によりフィルタエレメ
ントの一方の側面を照射し、他方の側面に設けた光セン
サーにより受光して透過光量に対応した出力電圧を発生
させる。信号処理系は前記出力電圧に基づき透過光量に
対応した表示を行うので、この表示によりフィルタエレ
メントに不所望に形成されるクラックや肉薄部を検出す
ることができ、正確且つ迅速にフィルタエレメントの検
査を行うことができる。
【0007】
【実施例】以下、図1及び図2を参照して本発明の第1
実施例を説明する。図1は、本発明に係るフィルタエレ
メントの検査方法及び検査装置の一例を示す概略構成
図、図2は検査の態様を示す説明図である。先ず、検査
装置1の構成について説明すると、光源2は各種ランプ
により構成され、所定光量の光を発光するものである。
光源2の光量が変動すると正確な検査が行われないの
で、安定化電源3により安定化した電源で光源2を点灯
するようになっている。エレメント4は、本発明でいう
フィルタエレメントに相当するものであり、全体形状は
円筒体に形成され、両端開口部は閉塞板5a、5bによ
り光密に遮蔽されている。なお、エレメント4の外周囲
も光密に構成され、検査にあたっては光源2から発光し
た光だけがエレメント4の一方の側面、即ち本実施例で
は外側面を照射するようになっている。エレメント4
は、図示を省略した駆動手段により回転しながら上方
向、または下方向に移動するように構成されている。従
って、本実施例では一個の光源2を備えているのみであ
るが、例えばエレメント4を回転させるとともに上下に
移動させることにより、外周囲の全てを螺旋状に順次照
射することができる。
【0008】エレメント4内の中央部には、不要な入射
光を遮断するとともに適正な光路となる円筒体6が設け
られ、その先端には光源2に対向するように反射ミラー
7が設けられている。光源2及び反射ミラー7は、エレ
メント4の回転及び昇降に関連せず一定の位置を保持す
るようになっている。従って、光源2から発光した光が
エレメント4を透過した場合は反射ミラー7に必ず達
し、透過光が無い場合は反射ミラー7に達する光も無
い。一方、円筒体6の一端には、光センサー11が設け
られている。光センサー11は光電変換素子であり、受
光した光の光量に対応した出力電圧Vaを発生するもの
である。12はリニアアンプであって、光センサー11
への入射光が0のとき出力が例えば0V、入射光が最大
のとき例えば1V(この設定は任意である)の出力電圧
Vbを得るように調整されている。
【0009】13は整流回路あるいは平滑回路であり、
出力電圧Vbを安定化させる。ディスプレイ14は基本
的にはディジタル電圧計であるが、出力電圧Vbを例え
ば1000分割して表示するようになっている。従っ
て、例えば0Vを表示したときエレメント4の光透過が
0であり、フルスケールになったとき光源2から射出し
た光が減衰することなく光センサー11に検知されたこ
とを表示する。
【0010】なお、光透過量をディジタル表示するだけ
では、作業員が常に監視する必要がある。そこで、本実
施例では比較回路15により安定化された出力電圧Vc
と予め設定された基準電圧Vrefとを比較し、Vre
f<Vcの関係になったとき、即ち光の透過量が所定光
量以上になったとき、制御電圧Vdを発生させて警報を
発したり、エレメント4の回転や上下動を停止するよう
に構成されている。基準電圧Vrefは、良否判断の基
準になるもので、その電圧レベルは実験により予め設定
してもよい。
【0011】次に、エレメント4の検査方法を説明す
る。先ず、エレメント4を上下動して上端または下端を
光の透過位置に合わせ、次いで360°回転させる。こ
の際、エレメント4にクラックや薄い部分が無ければ、
光透過量は標準光量になる。この標準光量は、極めて微
小な隙間を透過した光や回析により反射ミラー7に達し
た光量であり、この標準光量により光センサー11の出
力電圧Vaは0V以上の微小な電圧レベルになり、ディ
スプレイ14も電圧レベルに対応した数値を表示する。
しかし、標準光量によって発生する電圧Vcの電圧レベ
ルは基準電圧Vref以下の微小なものであり、後述す
るクラック等を検出した場合に表示される数値とは明確
に区別できる。そして、エレメント4に例えば図2に示
すようなクラックAが生じていたとすると、光源2から
発光した光はエレメント4を素通りし、反射ミラー7で
反射して光センサー11に入射する。従って、光センサ
ー11の出力電圧Vaは最大値になり、ディスプレイ1
4に表示されるので、クラックAが生じていて不良品で
あることを判別することができる。
【0012】また、本実施例の構成によると、図2の下
段に図示したようにVref<Vcの関係になるので、
比較回路14から制御出力Vdが得られる。この制御出
力Vdにより、警報の発生とエレメント4の駆動停止が
行われるので、作業員が他の作業のため席を離れている
場合、例えば他のエレメント4を検査するための準備作
業で席を離れている場合であっても、不良品を見逃すこ
とがない。そして、ディスプレイ4を目視して以後の検
査が不要と判断した場合はエレメント4を交換したり、
不良箇所、即ちクラックAの位置にマークを付すことが
できる。或いは品質管理のためのデータをとる等、他の
目的がある場合は更に検査を継続する。検査の継続は、
別に設けたリセット手段を駆動して行う。
【0013】次に、エレメント4に肉薄部Bが生じてい
る場合について述べると、その厚みに対応して光の透過
量が増すので、光センサー11の受光量も増大し、出力
電圧Vcの電圧レベルが厚みに対応して図2の下段に示
すようにレベル変化する。このような電圧レベルの変化
は、ディスプレイ14にディジタル表示され、Vref
<Vcになった時点で前記同様に警報が発せられるとと
もに、エレメント4が駆動停止になる。この際、ディス
プレイ14の表示は、クラックAの位置ほど高い数値を
示さないので、作業者はクラックAとの違いを判別する
ことができ、肉薄部Bの範囲を知りたいのであれば、リ
セット手段にてエレメント4を駆動し、ディスプレイ1
4の数値から肉薄部Bの大まかな形状を知ることができ
る。また、肉薄部Bの検出と同時に一旦停止するので、
肉薄部Bにマークを簡単に付すことができ、後に品質管
理のための検討等を容易に行い得るようになる。
【0014】次に、図3を参照して本発明の第2実施例
を説明する。なお、本実施例と前記第1実施例との主な
相違点は、反射ミラー7の設置位置に光センサー11を
設けたことにあるので、前記同様の作用を行う部材には
同一の符号を付して説明を省略する。即ち、円筒体6の
先端で光源2から発光した光の光軸に対応する位置に光
センサー11が設けられている。この場合、円筒体6は
光を透過させるために使用されるのではなく、光センサ
ー11の出力電圧をリニアアンプ12に供給するための
電線が敷設される。
【0015】エレメント4の検査は前記第1実施例同様
に行われ、エレメント4にクラックAが形成されている
場合、更に肉薄部Bが形成されている場合は、光センサ
ー11の受光量が増大し、出力電圧Vaの電圧レベルが
高くなる。リニアアンプ12以下の回路動作も前記同様
に行われ、ディスプレイ14によるディジタル表示と制
御電圧による警報の発生、エレメント4の駆動停止が行
われる。
【0016】次に、前記第1及び第2実施例に関連して
エレメント4を透過する光の形状とエレメント4の駆動
とについて説明する。エレメント4を回転させると同時
に上下方向に移動させると光の軌跡Sは螺旋状になる。
そして、光の軌跡Sを展開したエレメント4上に示す
と、図4に示すように傾斜することになる。軌跡S間に
光が照射しない位置が現れると、光の照射が無い位置は
検査漏れになってしまうので、エレメント4の外側面全
体に光照射を行う必要がある。このため、エレメント4
を螺旋状に回転させる際は、図5に示すように光の直径
Rを大きくして外縁部を重ねることにより、光軌跡S間
に未照射部が残らないようにできる。また、図4に示す
ように180°間隔で光源2と光センサー11との2組
の検出手段を設けて、光軌跡Sの螺旋のピッチを大きく
した構成であれば、検査速度を速めることができる。ま
た、1組の検出手段を設け且つ光の直径を大きくしない
場合は、フィルタ4を360°回転させた後、フィルタ
4を光の直径分だけ上下方向に移動させ、次いで360
°回転させる方法等がある。
【0017】また、出力電圧Vaの処理は最も簡便な方
法を示したものであり、出力電圧VaをA/D変換して
ディジタル処理するように構成してもよい。ディジタル
処理を行う場合は、クロック信号とゲート回路等を用
い、クラックAの幅等を数値で示すように構成すること
ができる。更に、光センサー11としてCCD等の撮像
素子を用いることもできる。この場合は、クラックAの
形状や肉薄部Bを撮像することができ、その全体形状や
濃淡が明確に示されるので、単なる良否判断のためのデ
ータに止まらず品質管理に好適なデータになる。
【0018】前記各実施例では、光源2をエレメント4
の外側に、反射ミラー7及び光センサー11を内側に設
けているが、この構成に限定されず逆にしてもよい。ま
た、光源2及び光センサー11をエレメント4の長手方
向に連続して配設してもよい。この場合、エレメント4
を1回転させるだけで検査を行うことができる。更に、
エレメント4を固定し、光源2や光センサー11を移動
するように構成してもよい。光源2としては、どのよう
なものであってもよく、例えば白熱灯、蛍光灯、LE
D、半導体レーザ、ガスレーザを用いることができる。
また、太陽光や室内照明光をそのまま検査用の光として
用いることもできる。前記各実施例では、クラックAと
肉薄部Bを検査する例を説明したが、この他にVref
>Vcを検出すれば異常肉厚部を検出することもでき
る。更に、基準電圧Vrefを上限(VrefH)と下
限(VrefL)とにレベル差を設けることにより、ク
ラックAと肉薄部B及び肉厚部とを合わせて検査するこ
とができる。いずれの構成であっても、正確且つ迅速
に、しかもエレメント4に無接触で検査を行うことがで
きる。更に、作業現場も汚れず、快適な作業環境で検査
を行うことができるなどの利点もある。なお、上記実施
例は気体用のフィルタエレメントを対象にしたものであ
るが、本発明は液体用のフィルタエレメントにも適用可
能であり、同様の効果を奏する。
【0019】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係るフ
ィルタエレメントの検査方法及び検査装置は、フィルタ
エレメントの一方の側面に配設した光源によりフィルタ
エレメントの一方の側面を照射し、他方の側面に配設し
た光センサーにより受光して透過光量に対応した出力電
圧を発生させるとともに、信号処理系により透過光量に
対応した表示を行うように構成したので、前記表示によ
りフィルタエレメントに不所望に形成されるクラックや
肉薄部、更に肉厚部を検出することができ、正確且つ迅
速にフィルタエレメントの検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるフィルタエレメント
の検査装置の概略構成図である。
【図2】検査の態様する説明図である。
【図3】本発明の第2実施例であるフィルタエレメント
の検査装置の概略構成図である。
【図4】フィルタエレメントの移動と光照射との関連を
示す説明図である。
【図5】光照射の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 フィルタエレメントの検査装置 2 光源 3 安定化電源 4 エレメント 5a、5b 閉塞板 6 円筒体 11 光センサー 12 リニアアンプ 13 整流回路 14 ディスプレイ 15 比較回路 Va〜Vc 電圧 A クラック B 肉薄部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−39087(JP,A) 特開 平2−102434(JP,A) 特開 平2−168104(JP,A) 特開 昭58−119531(JP,A) 実開 昭57−22040(JP,U) 実開 昭50−98782(JP,U) 特表 平2−501088(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17/21/61

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体を透過させることにより該気体中に
    含まれる塵埃等を濾過する筒形のフィルタエレメントの
    少なくとも内部を光密状態とし、前記フィルタエレメン
    トの側面に対し部分照射光を螺旋状光軌跡で該外側面
    全面に亘って逐次照射し、この部分照射光を光透過面側
    で受光する透過光量に基づき前記フィルタエレメントを
    検査することを特徴とするフィルタエレメントの検査方
    法。
  2. 【請求項2】 気体を透過させることにより該気体中に
    含まれている塵埃等を濾過する筒形で少なくとも内部が
    光密状態のフィルタエレメントと、前記フィルタエレメ
    ントの側面に沿って螺旋状光軌跡を描きつつこの外側
    面全面に亘って部分光を逐次照射する光源と、前記フィ
    ルタエレメントを透過した前記光源からの部分光を受光
    して受光量に対応した出力電圧を得る光センサと、前記
    出力電圧に対応して前記フィルタエレメントの光透過量
    を表示する信号処理系とを備えたことを特徴とするフィ
    ルタエレメントの検査装置。
  3. 【請求項3】 前記光源が固定配置され、前記フィルタ
    エレメントを回転と同時にこの回転軸方向に移動するこ
    とで光源の光を螺旋状光軌跡とする駆動手段を備えるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
  4. 【請求項4】 回転軸方向に隣り合う螺旋状光軌跡上の
    前記光源からの光の外縁部が互いに重なり合う径を光源
    からの光が備えていることを特徴とする請求項2又は3
    に記載の検査装置。
  5. 【請求項5】 前記光源と受光センサとの対が180°
    間隔で配置される2対からなることを特徴とする請求項
    2〜4のいずれかに記載の検査装置。
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