JPH10185000A - コルゲートチューブ用治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コルゲートチューブのスリットの位置を正確
に指示する。 【解決手段】 ワイヤハーネス７を収容するスリット３
を有するコルゲートチューブ２と、コルゲートチューブ
を挟持固定する固定具４とから成るコルゲートチューブ
用治具において、固定具がスリットの位置を表示すると
共に、スリットを固定する指示具１０を有する。指示具
が固定具からコルゲートチューブの長手方向へ延びる軸
部と、軸部に一端を固着されたプレートの他端でスリッ
トの縦方向状態を示す縦方向指示部１２とを有し、回動
自在である。また、指示具が、軸部に一端をそれぞれ固
着された弾性の一対のプレートと、プレートの各他端部
をそれぞれ縦方向指示部と反対側へ折曲して相対向する
一対の指示片とから成る横方向指示部１３を有し、一方
の指示片がスリットの横方向状態を示し、他方の指示片
がコルゲートチューブの外周壁に当接する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等に配索さ
れるワイヤハーネスを保護するコルゲートチューブを固
定するためのコルゲートチューブ用治具に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、車両内に組付られるワイヤハーネ
スの配置場所によっては、車両内のボルト、ナット、金
属のエッジ等とワイヤハーネスとが接触し、ワイヤハー
ネスが損傷する場合がある。

【０００３】そこで、図８のような蛇腹状のコルゲート
チューブ５０に形成されたスリット５１から、図９
（ａ）及び（ｂ）に示す如くに、ワイヤハーネス５２が
挿入されることにより、ワイヤハーネス５２が保護され
る。そして、ワイヤハーネス５２を挿入したコルゲート
チューブ５０が、音叉状に形成された一対の固定具５３
によって挟持固定される。その際、例えば下向き、右向
き、或いは左向きに指示された方向へコルゲートチュー
ブ５０のスリット５１を向けた状態で、コルゲートチュ
ーブ５０が固定される。固定具５３は、図１０の如く
に、コルゲートチューブ５０を挟持固定する係止部５３
ａと、一端で係止部５３ａを保持し、他端を作業台５４
（図９）に固定する支持部５３ｂとから成る。

【０００４】しかしながら、コルゲートチューブ５０内
に挿入されたワイヤハーネス５２の自重により、コルゲ
ートチューブ５０の中間部分５５が弛んで捩じれ易いか
ら、スリット５１の方向が変化し、正確にスリット５１
の方向の指定ができないという問題点があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した点
に鑑み、コルゲートチューブのスリットの方向指定を正
確に行うことができるコルゲートチューブ用治具を提供
することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ワイヤハーネスを収容するためのスリッ
トを有するコルゲートチューブと、該コルゲートチュー
ブを挟持固定する固定具とから成るコルゲートチューブ
用治具において、前記固定具が、前記スリットの位置を
表示すると共に、該スリットを固定する指示具を有する
コルゲートチューブ用治具を基本とする（請求項１）。
前記指示具が、前記固定具から前記コルゲートチューブ
の長手方向へ延びる軸部と、該軸部に一端を固着された
プレートの他端で前記スリットの縦方向状態を示す縦方
向指示部とを有し、回動自在であるコルゲートチューブ
用治具を採用する（請求項２）。前記指示具が、前記軸
部に一端をそれぞれ固着された弾性の一対のプレート
と、該プレートの各他端部をそれぞれ前記縦方向指示部
と反対側へ折曲して相対向する一対の指示片とから成る
横方向指示部を有し、一方の該指示片が前記スリットの
横方向状態を示し、他方の該指示片が前記コルゲートチ
ューブの外周壁に当接するコルゲートチューブ用治具も
有効である（請求項３）。

【０００７】請求項１によれば、指示具がコルゲートチ
ューブのスリットの位置を表示すると共に、スリット内
に挿入されてスリットを固定するから、スリットの位置
が容易に識別される。請求項２によれば、軸部が固定具
からコルゲートチューブの長手方向へ延びている。縦方
向指示部が一端を軸部に固着したプレートであるから、
スリットの位置が縦である場合、プレートを回動した後
に、プレートの他端がスリットを通ってコルゲートチュ
ーブの内部へ進入する。これにより、縦方向指示部がス
リットの縦状態を表示すると共にスリットを固定する。

【０００８】請求項３によれば、横方向指示部が一端を
軸部に設けられた一対のプレートと、他端部を縦方向指
示部と反対方向へ折曲して相対向する一対の指示片とで
あるから、スリットが横である場合、一対の指示片のう
ち一方の指示片がスリットを通ってコルゲートチューブ
内へ進入し、他方の指示片が弾性力によりコルゲートチ
ューブの外周壁に当接する。これにより、横方向指示部
がスリットの横状態を表示すると共に、スリットを固定
する。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態の具体例
を図面を参照して説明する。図１〜図７は本発明に係る
コルゲートチューブ用治具の一実施例を示すものであ
る。なお、従来例と同一構成部材には同一名称を付けて
詳細な説明を省略する。図１において、このコルゲート
チューブ用治具１は、コルゲートチューブ２に形成され
たスリット３の位置を表示すると共に、スリット３内に
挿入されてスリット３を固定する指示具１０を固定具４
に設けて構成される。７はコルゲートチューブ２にスリ
ット３から挿入されたワイヤハーネスであり、また８は
固定具４を固定する作業台である。

【００１０】指示具１０は、図２に示すように、固定具
４の支持部４ｂの係止部４ａ側からコルゲートチューブ
２の長手方向（Ｐ方向）へ延びる棒状の軸部１１を固定
し、軸部１１の先端部にスリット３の縦状態を示す縦方
向指示部１２、及びスリット３の横状態を示す横方向指
示部１３を設けて成り、縦方向指示部１２と横方向指示
部１３とを回動自在に軸部１１に連成したものである。
軸部１１は支持部４ｂにボルト５等で固定されている。
なお、作業し易くするために指示具１０を例えば黒塗り
にすることが好ましい。

【００１１】図２乃至図４に示す如くに、縦方向指示部
１２は、軸部１１の先端部に固着された第一プレート２
２であり、一端２２ａを固着し、他端２２ｂを鉛直下方
へ延ばしたものである。横方向指示部１３は、軸部１１
の先端部に一対の第二プレート３３、及び第三プレート
４３の各一端３３ａ，４３ａを第一プレート２２とほぼ
直交させた状態で固着し、弾性をもたせるために相互に
折り上げて湾曲部３３ｂ，４３ｂを形成し、各他端部を
相対向するように折曲して指示片３３ｃ，４３ｃを形成
したものである。第一プレート２２の面と指示片３３
ｃ．４３ｃの面とはほぼ直交している。

【００１２】次に、コルゲートチューブ用治具１によっ
てコルゲートチューブ２が固定され、スリット３が指示
される場合を説明する。 (1)スリット３を下方に指示する場合 図５に示すように、スリット３を下方に向けた状態で、
固定具４の係止部４ａでワイヤハーネス７の外周壁７ａ
が挟持固定される。そして、指示具１０の縦方向指示部
１２が上方を向くように回転され、第一プレート２２の
他端部２２ｂがスリット３内へ挿入される。これによ
り、スリット３の位置が下向きであることが表示される
と共に、スリット３の位置が固定される。

【００１３】(2)スリット３を右側に指示する場合 図６のように、スリット３を右側に向けた状態で、固定
具４の係止部４ａでワイヤハーネス７の外周壁７ａが挟
持固定される。指示具１０の横方向指示部１３が上方を
向くように回転され、右側の指示片３３ｃがスリット３
内へ挿入される。すると、左側の指示片４３ｃが弾性を
有するから、復元力により左側の指示片４３ｃがコルゲ
ートチューブ２の外周壁２ａに当接する。これにより、
スリット３の位置が右側であることが表示されると共
に、スリット３の位置が固定される。

【００１４】(3)スリット３を左側に指示する場合 図７の如くに、スリット３を左側に向けた状態で、固定
具４の係止部４ａでワイヤハーネス７の外周壁７ａが挟
持固定される。指示具１０の横方向指示部１３が上方を
向くように回転され、左側の指示片４３ｃがスリット３
内へ挿入される。そして、右側の指示片３３ｃが弾性を
有するから、復元力により右側の指示片３３ｃがコルゲ
ートチューブ２の外周壁２ａに当接する。これにより、
スリット３の位置が左側であることが表示されると共
に、スリット３の位置が固定される。

【００１５】従って、コルゲートチューブ２のスリット
３の位置が指示具１０によって確実に表示されるから、
予めスリット３の位置を指定することが簡単かつ確実に
できる。これにより、コルゲートチューブ２のを車両等
（図示せず）に取付る際に要する手間や煩わしさ等が取
り除かれ、取付けの作業が一層向上する。

【００１６】

【発明の効果】以上の如くに、本発明によれば、指示具
がコルゲートチューブのスリットの位置を表示すると共
に、スリット内に挿入されてスリットを固定することに
より、スリットの位置が容易に識別されるから、例え
ば、コルゲートチューブを車両内に組付る場合に、スリ
ットの位置を指定することが確実かつ容易である。これ
により、コルゲートチューブを車両内に組付る作業が向
上される（請求項１）。

【００１７】また、固定具から延びた軸部に一端を固着
したプレートから成る縦方向指示部によってスリットの
縦状態が表示されると共に、スリットが固定されるか
ら、作業者がスリットの位置の縦状態を確実かつ容易に
判断することがでる。これにより、スリットを縦方向へ
向けた状態でコルゲートチューブを車両内に組付る作業
が更に向上する（請求項２）。

【００１８】更に、軸部に一対のプレートの一端をそれ
ぞれ固着し、他端部をそれぞれ縦方向指示部と反対方向
へ折曲して相対向する一対の指示片を形成して成る横方
向指示部によって、一方の指示片がスリット内に挿入さ
れると共に、他方の指示片が弾性力によりコルゲートチ
ューブの外周壁に当接するから、作業者がスリットの位
置の横状態を確実かつ容易に判断することがでる。これ
により、スリットを横方向へ向けた状態でコルゲートチ
ューブを車両内に組付る作業が一層向上する（請求項
３）。

【００１９】その上、指示具の縦方向指示部と横方向指
示部とが回動自在であるから、指示具が軸部の回りに回
動されると、容易にスリットの位置に縦方向指示部また
は横方向指示部が配置される。またその上、指示具を黒
等で着色すれば、作業者が簡単かつ確実にスリットの位
置を識別することができるから、コルゲートチューブを
車両等に組付る作業が更に一層向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るコルゲートチューブ用治具の一実
施例を用いた使用状態を示す全体斜視図である。

【図２】図１のコルゲートチューブ用治具の拡大斜視図
である。

【図３】図２の正面図である。

【図４】図２の側面図である。

【図５】図２のコルゲートチューブ用治具を用いてスリ
ットが下状態にある場合を示す説明図である。

【図６】図２のコルゲートチューブ用治具を用いてスリ
ットが右状態にある場合を示す説明図である。

【図７】図２のコルゲートチューブ用治具を用いてスリ
ットが左状態にある場合を示す説明図である。

【図８】コルゲートチューブを示す斜視図である。

【図９】従来のコルゲートチューブ用治具の使用状態を
示すものであり、（ａ）は側面図であり、（ｂ）は平面
図である。

【図１０】従来のコルゲートチューブを挟持固定する固
定具を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ コルゲートチューブ用治具 ２ コルゲートチューブ ３ スリット ４ 固定具 ７ ワイヤハーネス １０ 指示具 １２ 縦方向指示部 １３ 横方向指示部 ２２ 第一プレート ２２ａ 一端 ２２ｂ 他端部 ３３ 第二プレート ３３ｃ 指示片 ４３ 第三プレート ４３ｃ 指示片

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワイヤハーネスを収容するためのスリッ
   トを有するコルゲートチューブと、該コルゲートチュー
   ブを挟持固定する固定具とから成るコルゲートチューブ
   用治具において、 前記固定具が、前記スリットの位置を表示すると共に、
   該スリットを固定する指示具を有することを特徴とする
   コルゲートチューブ用治具。
2. 【請求項２】 前記指示具が、前記固定具から前記コル
   ゲートチューブの長手方向へ延びる軸部と、該軸部に一
   端を固着されたプレートの他端で前記スリットの縦方向
   状態を示す縦方向指示部とを有し、回動自在であること
   を特徴とする請求項１記載のコルゲートチューブ用治
   具。
3. 【請求項３】 前記指示具が、前記軸部に一端をそれぞ
   れ固着された弾性の一対のプレートと、該プレートの各
   他端部をそれぞれ前記縦方向指示部と反対側へ折曲して
   相対向する一対の指示片とから成る横方向指示部を有
   し、一方の該指示片が前記スリットの横方向状態を示
   し、他方の該指示片が前記コルゲートチューブの外周壁
   に当接することを特徴とする請求項２記載のコルゲート
   チューブ用治具。