JPH10184894A - ロックアップクラッチのスリップ制御装置 - Google Patents

ロックアップクラッチのスリップ制御装置

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JPH10184894A
JPH10184894A JP35451996A JP35451996A JPH10184894A JP H10184894 A JPH10184894 A JP H10184894A JP 35451996 A JP35451996 A JP 35451996A JP 35451996 A JP35451996 A JP 35451996A JP H10184894 A JPH10184894 A JP H10184894A
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control
clutch
lock
slip
fuel cut
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JP35451996A
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Toru Matsubara
亨 松原
Kunihiro Iwatsuki
邦裕 岩月
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フューエルカット制御とスリップ制御とを終
了させる場合に、車両の減速度の変化を可及的に抑制す
ることのできるロックアップクラッチのスリップ制御装
置を提供する。 【解決手段】 エンジンと自動変速機とを連結する流体
伝動装置に対して並列に配置されたロックアップクラッ
チを備え、車両の減速時に、エンジンのフューエルカッ
ト制御に並行して、ロックアップクラッチをスリップさ
せるスリップ制御が行われるロックアップクラッチのス
リップ制御装置において、フューエルカット制御の終了
後にスリップ制御を終了させるタイミング制御手段(ス
テップ1ないしステップ5)を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エンジンと自動
変速機との間のトルク伝達経路に配置されたロックアッ
プクラッチをスリップ制御させるロックアップクラッチ
のスリップ制御装置に関し、特に、エンジンのフューエ
ルカット制御に並行してスリップ制御が行われるロック
アップクラッチのスリップ制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンと自動変速機とのトルク
伝達経路にロックアップクラッチが配置された車両にお
いては、減速走行中のエンジンの回転数を、フューエル
カット制御を目的として設定された回転数よりも高く制
御してフューエルカット領域を拡大するため、ロックア
ップクラッチをスリップ制御させる技術が知られてい
る。
【0003】このように、減速走行中のフューエルカッ
ト制御に並行してスリップ制御が行われるロックアップ
クラッチのスリップ制御装置の一例が自動車技術事例集
(日本自動車工業会知的財産部会・発行番号94779
・発行日1994.11.30)に記載されている。
【0004】上記文献に記載されたロックアップクラッ
チのスリップ制御装置によれば、ロックアップクラッ
チのスリップ中にフューエルカットを復帰させるタービ
ン回転数を低く設定する制御と、ロックアップクラッ
チのスリップ制御中にタービン回転数の低下率が所定値
よりも大きい時には、非同期噴射を実行してフューエル
カットを中止させる制御と、急制動によってスリップ
制御領域を外れた場合には、上記の非同期噴射が実行
されるまでの間、スリップ制御の中止を遅延させる制御
と、フューエルカットが中止になったら、スリップ制
御を終了させる制御とが行われる。上記ないしの制
御が行われ、燃費、エンスト性、ドライバビリティが向
上される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記文
献に記載されたロックアップクラッチの制御装置におい
ては、フューエルカットの中止制御と、スリップ制御の
中止制御とが同期して行われている。このため、燃料供
給の開始によるエンジンブレーキ力の減少と、ロックア
ップクラッチの解放によるトルク容量の変動とが同時に
生じ、車両の減速度が急激に減少して空走感が増大し、
乗り心地やドライバビリティの低下を招く可能性があっ
た。
【0006】この発明は上記事情を背景としてなされた
もので、フューエルカット制御に並行して行われている
スリップ制御を終了させる場合に、車両の減速度の変化
を可及的に抑制することのできるロックアップクラッチ
のスリップ制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記目的
を達成するためこの発明は、エンジンと自動変速機とを
連結する流体伝動装置に対して並列に配置されたロック
アップクラッチを備え、車両の減速時に、前記エンジン
のフューエルカット制御に並行して、前記ロックアップ
クラッチをスリップさせるスリップ制御が行われるロッ
クアップクラッチのスリップ制御装置において、前記フ
ューエルカット制御の終了後に前記スリップ制御を終了
させるタイミング制御手段を備えていることを特徴とす
る。
【0008】この発明によれば、フューエルカット制御
の終了後にロックアップクラッチのスリップ制御を終了
させる制御が行われるため、燃料噴射の復帰によるエン
ジンブレーキ力の減少と、ロックアップクラッチの解放
によるトルク容量の変化とが別々のタイミングで2段階
に分けて生じることになる。したがって、車両の減速度
が緩やかに減少して空走感が抑制され、乗り心地やドラ
イバビリティの低下を抑制することが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図面に基づいて
より具体的に説明する。図3は、この発明で対象とする
エンジンEおよび自動変速機Aの全体的な制御系統図で
あって、自動変速機Aを連結してあるエンジンEは、そ
の出力を電気的に制御するように構成されており、サー
ボモータ16によって駆動される電子スロットルバルブ
13が吸気管路12に設けられている。また、エンジン
Eは、燃焼室の燃料噴射量を制御するインジェクタを含
む燃料噴射制御装置13Aと、スパークプラグおよびデ
ィストリビュータおよびイグニッションコイルを含む点
火時期制御装置13Bとを備えている。
【0010】一方、エンジンEの出力を制御するための
アクセルペダル15の踏み込み量すなわちアクセル開度
は、図示しないセンサによって検出され、その検出信号
がエンジン用電子制御装置(E−ECU)17に入力さ
れている。このエンジン用電子制御装置17は、中央演
算処理装置(CPU)および記憶装置(RAM、RO
M)ならびに入出力インターフェースを主体とするもの
である。
【0011】このエンジン用電子制御装置17には、制
御のためのデータとして、エアーコンディショナーの作
動状態、エンジン(E/G)回転数Ne 、吸入空気量
Q、吸入空気温度、電子スロットルバルブ13の開度、
車速、エンジン冷却水温、ブレーキスイッチからの信号
などの各種の信号が入力されている。そしてこれらのデ
ータに基づいて、電子スロットルバルブ13の開度、ま
たは燃料噴射制御装置13Aの燃料噴射量、または点火
時期制御装置13Bの点火時期のうちの少なくとも1つ
が制御されるようになっている。
【0012】図4は上記の自動変速機Aの歯車列の一例
を示す図であり、ここに示す構成では、前進5段・後進
1段の変速段を設定する有段式の自動変速機Aが構成さ
れている。すなわち、自動変速機Aは、流体伝動装置と
してのトルクコンバータ20と、副変速部21と、主変
速部22とを備えている。そのトルクコンバータ20
は、ロックアップクラッチ23を有しており、このロッ
クアップクラッチ23は、ポンプインペラ24に一体化
させてあるフロントカバー25と、タービンランナ26
を一体に取付けたハブ27との間に設けられている。エ
ンジンEのクランクシャフト(図示せず)はフロントカ
バー25に連結され、またタービンランナ26を連結し
てある入力軸28は、副変速部21を構成するオーバド
ライブ用遊星歯車機構29のキャリヤ30に連結されて
いる。
【0013】この遊星歯車機構29におけるキャリヤ3
0とサンギヤ31との間には、多板クラッチC0 と一方
向クラッチF0 とが設けられている。なお、この一方向
クラッチF0 はサンギヤ31がキャリヤ30に対して相
対的に正回転(入力軸28の回転方向の回転)する場合
に係合するようになっている。
【0014】またサンギヤ31の回転を選択的に止める
多板ブレーキB0 が設けられている。そしてこの副変速
部21の出力要素であるリングギヤ32が、主変速部2
2の入力要素である中間軸33に接続されている。さら
にその多板クラッチC0 の回転数、言い換えればタービ
ンランナ26の入力回転数を検出するためのC0 センサ
34が設けられている。
【0015】したがって副変速部21は、多板クラッチ
C0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊
星歯車機構29の全体が一体となって回転するため、中
間軸33が入力軸28と同速度で回転し、低速段とな
る。またブレーキB0 を係合させてサンギヤ31の回転
を止めた状態では、リングギヤ32が入力軸28に対し
て増速されて正回転し、高速段となる。
【0016】他方、主変速部22は三組の遊星歯車機構
40,50,60を備えており、それらの回転要素が以
下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構
40のサンギヤ41と第2遊星歯車機構50のサンギヤ
51とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機
構40のリングギヤ43と第2遊星歯車機構50のキャ
リヤ52と第3遊星歯車機構60のキャリヤ62との三
者が連結され、かつそのキャリヤ62に出力軸65が連
結されている。
【0017】なお、出力軸65の回転数、言い換えれば
車速は、出力軸回転数センサ65Aにより検出される。
さらに第2遊星歯車機構50のリングギヤ53が第3遊
星歯車機構60のサンギヤ61に連結されている。
【0018】この主変速部22の歯車列では後進段と前
進側の四つの変速段とを設定することができ、そのため
のクラッチおよびブレーキが以下のように設けられてい
る。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されて
いる第2遊星歯車機構50のリングギヤ53および第3
遊星歯車機構60のサンギヤ61と中間軸33との間に
第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された第
1遊星歯車機構40のサンギヤ41および第2遊星歯車
機構50のサンギヤ51と中間軸33との間に第2クラ
ッチC2 が設けられている。
【0019】つぎにブレーキについて述べると、第1ブ
レーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機
構40および第2遊星歯車機構50のサンギヤ41,5
1の回転を止めるように配置されている。またこれらの
サンギヤ41,51(すなわち共通サンギヤ軸)とケー
シング66との間には、第1一方向クラッチF1 と多板
ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されて
おり、その第1一方向クラッチF1 はサンギヤ41,5
1が逆回転(入力軸28の回転方向とは反対方向の回
転)しようとする際に係合するようになっている。
【0020】多板ブレーキである第3ブレーキB3 は第
1遊星歯車機構40のキャリヤ42とケーシング66と
の間に設けられている。そして第3遊星歯車機構60の
リングギヤ63の回転を止めるブレーキとして多板ブレ
ーキである第4ブレーキB4と第2一方向クラッチF2
とがケーシング66との間に並列に配置されている。な
お、この第2一方向クラッチF2 はリングギヤ63が逆
回転しようとする際に係合するようになっている。
【0021】上記のように構成された自動変速機Aで
は、各クラッチやブレーキを図5の作動図表に示すよう
に係合・解放させることにより、前進5段・後進1段の
変速段を設定することができる。なお、図5において○
印は係合状態、●印はエンジンブレーキ時に係合状態、
△印は係合・解放のいずれでもよいこと、空欄は解放状
態をそれぞれ示す。
【0022】前記自動変速機Aは、油圧制御装置18に
よって変速段の設定およびロックアップクラッチ23の
係合・解放や、ライン圧あるいは所定の摩擦係合装置の
係合圧が制御される。その油圧制御装置18は、電気的
に制御されるように構成されており、変速を実行するた
めの第1ないし第3のシフトソレノイドバルブS1 ,〜
S3 、エンジンブレーキ状態を制御するための第4ソレ
ノイドバルブS4 、ライン圧を制御するためのリニアソ
レノイドバルブSLT、アキュームレータ背圧を制御する
ためのリニアソレノイドバルブSLN、ロックアップクラ
ッチ23や所定の摩擦係合装置の係合圧を制御するため
のリニアソレノイドバルブSLUが設けられている。
【0023】これらのソレノイドバルブに信号を出力し
て変速やライン圧あるいはアキュームレータ背圧などを
制御する自動変速機用電子制御装置(T−ECU)19
が設けられている。この自動変速機用電子制御装置19
は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RA
M、ROM)ならびに入出力インターフェースを主体と
するものである。
【0024】この自動変速機用電子制御装置19には、
制御のためのデータとして電子スロットルバルブ13の
開度、車速、エンジン冷却水温、ブレーキスイッチ、自
動変速機Aの変速段を検出するシフトポジションセンサ
の信号、パターンセレクトスイッチからの信号、オーバ
ドライブスイッチからの信号、C0 センサ34からの信
号、自動変速機Aの油温、マニュアルシフトスイッチか
らの信号などが入力されている。
【0025】前記自動変速機用電子制御装置19とエン
ジン用電子制御装置17とは、相互にデータ通信可能に
接続されており、エンジン用電子制御装置17から自動
変速機用電子制御装置19に対しては、1回転当たりの
吸入空気量(Q/Ne )などの信号が送信され、また自
動変速機用電子制御装置19からエンジン用電子制御装
置17に対しては、各ソレノイドバルブに対する指示信
号と同等の信号および変速段を指示する信号などが送信
されている。
【0026】すなわち自動変速機用電子制御装置19
は、入力されたデータおよび予め記憶しているマップに
基づいて自動変速機Aの変速段やロックアップクラッチ
23のON/OFF、あるいはライン圧や摩擦係合装置
の係合圧の調圧レベルなどを判断し、その判断結果に基
づいて所定のソレノイドバルブに指示信号を出力する。
さらに、自動変速機用電子制御装置19は、油圧制御装
置18のフェールの判断や、フェール判断の成立に基づ
く制御を行うようになっている。
【0027】またエンジン用電子制御装置17は、入力
されたデータに基づいて燃料噴射量や点火時期あるいは
電子スロットルバルブ13の開度などを制御することに
加え、自動変速機Aでの変速時に燃料噴射量を削減し、
あるいは点火時期を変え、もしくは電子スロットルバル
ブ13の開度を絞ることにより、エンジンEの出力トル
クを一時的に低減させるようになっている。
【0028】さらに、車両の減速状態でエンジンブレー
キ力が作用しており、かつ、電子スロットルバルブ13
が全閉状態にあり、かつ、エンジン回転数が所定値以上
の場合には、燃料噴射制御装置13Aによる燃料供給を
遮断するフューエルカット制御が行われ、燃費の向上や
触媒の過熱防止が図られる。フューエルカット制御を開
始する基準になるエンジン回転数は、自動変速機Aの変
速段、エアーコンディショナーの負荷の有無、エンジン
冷却水温などの条件に応じて設定される。
【0029】また、フューエルカット制御を実行したま
ま惰力走行を継続した結果、エンジン回転数が低下した
場合には、フューエルカット制御を終了して燃料噴射が
開始される。フューエルカット制御を終了させるための
エンジン回転数、つまり燃料復帰回転数は、フューエル
カット制御を開始する場合のエンジン回転数よりも一定
回転数低い値に設定される。なお、燃料復帰時には、エ
ンジン回転数の低下割合に応じて燃料噴射量を増減する
制御が行われ、空燃費の適正化およびエンジン回転数の
安定化が図られる。
【0030】一方、この実施例では、車両の燃費を改善
させることを目的として、ロックアップクラッチ23の
解放領域と係合領域との間にスリップ領域を設定するス
リップ制御を行うことが可能である。これらの各領域の
判断は、車両の走行状態、例えば車速や電子スロットル
バルブ13の開度に基づいて行われる。
【0031】ロックアップクラッチ23のスリップ制御
を行う場合には、エンジン回転数とタービンランナ26
の回転数との差が目標値になるようにロックアップクラ
ッチ23の係合圧、つまりトルク容量が制御される。ロ
ックアップクラッチ23の目標スリップ量は、エンジン
回転数、車速などに基づいて設定され、目標スリップ量
になるようにリニアソレノイドバルブSLUのデューティ
比が制御される。
【0032】また、車両の減速状態ではフューエルカッ
ト制御とスリップ制御とを並行して行うことでエンジン
回転数を引き上げ、フューエルカット制御の実行範囲を
拡大することが可能である。
【0033】車両の減速走行時におけるロックアップク
ラッチ23のスリップ制御は、電子スロットルバルブ1
3が全閉状態に維持されて減速状態が成立している間実
行される。つまり、スリップ制御が行われた場合は、エ
ンジン回転数が、目標スリップ量に相当する分だけター
ビンランナ26の回転数よりも低い値に引き上げられ、
エンジン回転数がフューエルカット制御を終了させる値
にまで低下する領域が拡大される。
【0034】そして、この実施例ではフューエルカット
制御が終了した後にスリップ制御を終了させる制御が行
われる。具体的には、フューエルカット制御の終了後
に、ロックアップクラッチ23の目標スリップ量が所定
値以上、言い換えればほぼ解放状態になった場合にスリ
ップ制御が終了する。
【0035】つぎにこの発明の制御例を図1に示すフロ
ーチャートおよび図2のタイムチャートに基づいて説明
する。まず、車両の減速状態でエンジンブレーキ力が作
用し、かつ、電子スロットルバルブ13が全閉状態にあ
り、かつ、エンジン回転数が所定値以上に維持されてい
る状態において、燃料噴射制御装置13Aによる燃料供
給を遮断するフューエルカット制御と、ロックアップク
ラッチ23をスリップさせるスリップ制御とが並行して
行われる。
【0036】フューエルカット制御とスリップ制御とが
並行して行われている場合、図2に示すようにロックア
ップクラッチ23の目標スリップ量が、零(係合状態)
と所定値NSLPEとの間に設定される。所定値NSL
PEは、車輪側の回転変動によるショックが入力軸28
を介してフロントカバー25側に伝達されて体感される
ことを抑制できる程度の値に設定されている。
【0037】そして、リニアソレノイドバルブSLUのデ
ューティ比がほぼ一定に制御され、ロックアップクラッ
チ23の実際のスリップ量が目標スリップ量に近似する
値に制御されている。また、自動変速機Aの負トルクが
ほぼ一定に維持されており、エンジン回転数、吸入空気
量、空燃費などの条件に基づいて点火時期制御装置13
Bが制御され、点火時期がほぼ一定に維持されている。
【0038】そして、エンジンEの回転数、車速の減少
により目標スリップ量が増大し、目標スリップ量の増大
に対応してリニアソレノイドバルブSLUのデューティ比
を減少させる制御が行われる。その結果、ロックアップ
クラッチ23の係合圧が減少する方向に調整され、ロッ
クアップクラッチ23の実際のスリップ量が目標スリッ
プ量に対応して増大する方向に制御される。
【0039】ところで、フューエルカット制御およびス
リップ制御の実行中には、目標スリップ量が所定値TN
SLPE以上になったか否かが判断される(ステップ
1)。この所定値TNSLPEは、自動変速機Aの変速
段、エアーコンディショナーの負荷、エンジン冷却水温
などに基づいて設定される。なお、所定値TNSLPE
のスリップ量は、所定値NSLPEのスリップ量よりも
大きな値である。
【0040】ステップ1で否定判断された場合は、ロッ
クアップクラッチ23の実際のスリップ量が所定値NS
LPE以上になったか否かが判断される(ステップ
2)。ステップ2で肯定判断された場合は、エンジン回
転数が燃料復帰回転数まで低下した時点で図2に実線で
示すようにフューエルカット制御が終了され、かつ、フ
ューエルカット制御の終了に同期して実線で示すように
点火時期遅角制御が行われる(ステップ3)。
【0041】このフューエルカット制御の終了に伴って
エンジンブレーキ力が減少し、図2に示すようにロック
アップクラッチ23の実際のスリップ量が減少し、実際
のスリップ量と目標スリップ量との差が大きくなるとと
もに、自動変速機Aの負トルクが実線で示すように零に
変化する。そして、点火時期を元の値に戻す制御が行わ
れる。ステップ3の後はロックアップクラッチ23のス
リップ制御が継続され(ステップ4)、この制御ルーチ
ンを抜ける。また、ステップ2で否定判断された場合
は、ステップ4に進んでフューエルカット制御およびス
リップ制御が継続され、この制御ルーチンを抜ける。
【0042】そして、フューエルカット制御の終了後
に、エンジン回転数、車速が減少して目標スリップ量が
さらに解放側に増大して所定値TNSLPE以上になっ
た場合はステップ1で肯定判断され、リニアソレノイド
バルブSLUのオフによりロックアップクラッチ23のス
リップ制御が終了して解放状態になり(ステップ5)、
この制御ルーチンを抜ける。このスリップ制御の終了に
より自動変速機Aの負トルクがさらに零側に変化する。
【0043】ここで、図1のフローチャートに示された
機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すれ
ば、ステップ1ないしステップ5がこの発明のタイミン
グ制御手段に相当する。
【0044】以上のように、この実施例によれば、フュ
ーエルカット制御が終了し、その後、ロックアップクラ
ッチ23の目標スリップ量が所定値TNSLPE以上に
なってからスリップ制御を終了させる制御が行われるた
め、燃料噴射の復帰制御によるエンジンブレーキ力の減
少と、ロックアップクラッチ23の解放によるトルク容
量の変化とが別々のタイミングで2段階に分けて生じる
ことになる。したがって、車両の減速度が緩やかに減少
して空走感が抑制され、乗り心地やドライバビリティの
低下を抑制することが可能になる。
【0045】また、この実施例では、フューエルカット
制御の終了に同期して点火時期遅角制御が行われている
ため、エンジントルクが緩やかに増大することになり、
自動変速機2のトルクの変動を抑制する機能が一層向上
する。
【0046】また、この実施例ではロックアップクラッ
チ23の実際のスリップ量が所定値NSLPE以上にな
ってから、言い換えればロックアップクラッチ23の係
合圧がショックを伝達しにくい値にまで低下してからフ
ューエルカット制御が終了されるため、車両の減速度が
一層緩やかに変化する効果を得られる。
【0047】なお、図2のタイムチャートには、フュー
エルカット制御とスリップ制御とを同時に終了させる制
御を行った場合の比較例が破線により示されている。こ
の比較例によれば、フューエルカット制御およびスリッ
プ制御が終了されるまでは、ロックアップクラッチの実
際のスリップ量が目標スリップ量に合わせて増大され、
かつ、自動変速機の負トルクがほぼ一定に維持されてい
る。
【0048】そして、フューエルカット制御とスリップ
制御とが同期して終了されると、燃料噴射の復帰による
エンジンブレーキ力の減少と、ロックアップクラッチの
解放により生じるトルク容量の変動とが同時に生じるた
め、車両の減速度が急激に減少して空走感が増大し、乗
り心地やドライバビリティの低下を招くことが分かる。
【0049】ここで、上記の具体例に基づいて開示した
この発明の特徴的な構成を記載すれば以下の通りであ
る。すなわち、ロックアップクラッチ23の実際のスリ
ップ量が所定値NSLPE以上になってからフューエル
カット制御を終了させるフューエルカット制御終了手段
(ステップ3)を備えている。なお、この発明は前進4
段の変速段を設定可能な自動変速機にも適用可能であ
る。さらに、流体伝動装置としてフルードカップリング
を用いることも可能である。
【0050】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、フュー
エルカット制御が終了した後にロックアップクラッチの
スリップ制御を終了させる制御が行われるため、燃料噴
射の復帰によるエンジンブレーキ力の減少と、ロックア
ップクラッチの解放によるトルク容量の変化とが別々の
タイミングで2段階に分けて生じることになる。したが
って、車両の減速度が緩やかに減少して空走感が抑制さ
れ、乗り心地やドライバビリティの低下を抑制すること
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の制御ルーチンの一例を示すフローチ
ャートである。
【図2】図1に示す制御を実行した場合のタイムチャー
トの一例を示す図である。
【図3】この発明で対象とするエンジンおよび自動変速
機の制御系統の一例を模式的に示すブロック図である。
【図4】図3に示された自動変速機の歯車列の一例を示
すスケルトン図である。
【図5】図3に示された自動変速機の摩擦係合装置の係
合・解放状態を示す作動図表である。
【符号の説明】
A 自動変速機 E エンジン 13A 燃料噴射制御装置 13B 点火時期制御装置 17 エンジン用電子制御装置 18 油圧制御装置 19 自動変速機用電子制御装置 23 ロックアップクラッチ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと自動変速機とを連結する流体
    伝動装置に対して並列に配置されたロックアップクラッ
    チを備え、車両の減速時に、前記エンジンのフューエル
    カット制御に並行して、前記ロックアップクラッチをス
    リップさせるスリップ制御が行われるロックアップクラ
    ッチのスリップ制御装置において、 前記フューエルカット制御の終了後に前記スリップ制御
    を終了させるタイミング制御手段を備えていることを特
    徴とするロックアップクラッチのスリップ制御装置。
JP35451996A 1996-12-19 1996-12-19 ロックアップクラッチのスリップ制御装置 Pending JPH10184894A (ja)

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JP35451996A JPH10184894A (ja) 1996-12-19 1996-12-19 ロックアップクラッチのスリップ制御装置

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JP35451996A JPH10184894A (ja) 1996-12-19 1996-12-19 ロックアップクラッチのスリップ制御装置

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008075849A (ja) * 2006-09-25 2008-04-03 Toyota Motor Corp 車両の制御装置、制御方法およびその制御方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体
KR20200081801A (ko) * 2018-12-28 2020-07-08 주식회사 현대케피코 댐퍼 직결 충격 방지를 위한 댐퍼 클러치 제어 방법 및 장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008075849A (ja) * 2006-09-25 2008-04-03 Toyota Motor Corp 車両の制御装置、制御方法およびその制御方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体
KR20200081801A (ko) * 2018-12-28 2020-07-08 주식회사 현대케피코 댐퍼 직결 충격 방지를 위한 댐퍼 클러치 제어 방법 및 장치

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