JPH10184852A - 変形歯車を用いた伝動装置 - Google Patents

変形歯車を用いた伝動装置

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JPH10184852A
JPH10184852A JP9243694A JP24369497A JPH10184852A JP H10184852 A JPH10184852 A JP H10184852A JP 9243694 A JP9243694 A JP 9243694A JP 24369497 A JP24369497 A JP 24369497A JP H10184852 A JPH10184852 A JP H10184852A
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gear
transmission
driven
driven gear
rotating body
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JP9243694A
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Kazuji Yanagimoto
和司 柳本
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Showa Engineering Co Ltd
Original Assignee
Showa Engineering Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H35/00Gearings or mechanisms with other special functional features
    • F16H2035/003Gearings comprising pulleys or toothed members of non-circular shape, e.g. elliptical gears

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  • Gear Transmission (AREA)
  • Gears, Cams (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 非円形の変形歯車の歯先部等に対する研磨等
の手間を省き、生産効率を改善させる。 【構成】 略楕円形状又は略多角形状の駆動歯車12
と、駆動歯車12に噛合させた略楕円形状又は略多角形
状の従動歯車14とから構成され、駆動歯車12を一定
角速度で回転させたとき、従動歯車14が不定角速度で
回転する伝動装置10であって、前記両歯車12,14
が噛合する歯先部の少なくともいずれか一方に、少なく
とも歯車12,14の正逆両回転方向に自在に回動する
ことのできる回動体20を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯車を用いた伝動
装置に関し、より詳しくは、一定角速度で駆動歯車を回
転させたとき、駆動歯車に噛合された従動歯車を不定角
速度で回転させる伝動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な歯車を用いた伝動装置として
は、図25に示すような円形の駆動歯車112及び従動
歯車114を用いた伝動装置110がある。ここで、点
Qは駆動歯車112の回転中心、点Pは従動歯車114
の回転中心、点Hは駆動歯車112と従動歯車114が
噛合されているピッチ点であり、このピッチ点Hから歯
車の回転中心までの距離をピッチ間距離と定義すると、
sは駆動歯車112のピッチ間距離、rは従動歯車11
4のピッチ間距離である。なお、駆動歯車112及び従
動歯車114の円周側面には等間隔に同数の歯が設けら
れ、次々に歯を噛み合わせながら回転力の伝達を行うの
であるが、図25においては歯部等は省略して図示して
いる。
【0003】そして、駆動歯車112を一定角速度φで
回転させた場合、従動歯車114はピッチ点Hにおいて
s・φのトルクを駆動歯車112から受け、このトルク
によって角速度ωで回転を行う。また、従動歯車114
のピッチ間距離がrであり、従動歯車114は角速度ω
で回転しているので、ピッチ点Hにおいて従動歯車11
4が駆動歯車112から受けるトルクはr・ωとも表せ
る。すなわち、ピッチ点Hにおいてs・φ=r・ωの関
係が成り立つ。
【0004】しかし、図25に示した円形歯車を用いた
伝動装置110において、ピッチ間距離sは駆動歯車1
12の半径と常に等しく、ピッチ間距離rも従動歯車1
14の半径と常に等しいため、s,rは共に定数とな
る。そのため、駆動歯車112を一定の角速度φで回転
させた場合、従動歯車114は一定の角速度ω=(s/
r)φで回転を行うことになる。
【0005】そこで、従動歯車114の角速度ωを変動
させるためには、ピッチ間距離比s/rを変動させれば
よく、ピッチ間距離比s/rが両歯車の回転と共に変動
するような、略楕円形状又は略多角形状をした変形歯車
を用いることにより、駆動歯車を一定角速度φで回転さ
せたときの従動歯車の角速度ωを不定とすることができ
る。例えば、図26及び図27に示すような、楕円形状
の非円形の変形歯車122,124を用いることによ
り、駆動歯車122(駆動軸126)を一定角速度φで
回転させたときの従動歯車124(従動軸128)の回
転角速度ωを不定とすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
変形歯車は形状が複雑であり、歯型はもちろん歯部の形
状も円形歯車のように容易に形成することは困難であ
る。特に歯部の形状については、変形歯車が互いに滑ら
かに噛み合って回転を伝動するように形成する必要があ
る。そのため、これら変形歯車の製造時においては、歯
部の研磨等に非常に手間が掛かり、生産効率等が悪くな
るという問題を抱えている。
【0007】そこで、本発明者は、このような課題を解
決するべく、鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の変形歯車を用い
た伝動装置の要旨とするところは、略楕円形状又は略多
角形状の駆動歯車と、該駆動歯車に噛合させた略楕円形
状又は略多角形状の従動歯車とから構成され、該駆動歯
車を一定角速度で回転させたとき、該従動歯車が不定角
速度で回転する伝動装置であって、前記両歯車が噛合す
る歯先部の少なくともいずれか一方に、少なくとも該歯
車の回転方向及び逆回転方向に自在に回動することので
きる回動体を設けたことにある。
【0009】また、本発明の変形歯車を用いた伝動装置
の要旨とするところは、前記回動体を、円柱状のローラ
ーとしたことにある。また、本発明の変形歯車を用いた
伝動装置の要旨とするところは、前記回動体を、球状の
ボールとしたことにある。
【0010】このような回動体を歯車が互いに噛み合う
歯先部に設けることにより、回動体の回動によって、歯
部と回動体間や回動体どうしが滑らかに噛み合う。その
ため、回動体により両歯車を滑らかに回転させることが
できるようになり、その結果、歯先部等を従来ほど精密
に研磨する必要が無くなる。これにより、手間と時間の
かかる歯先部等の研磨等を、従来に比べて容易に行える
ようになるため、効率良く変形歯車を製造できるように
なる。また、回動体を用いているために、低回転の場合
には、潤滑を行わずに両歯車を回転させることも可能で
ある。
【0011】また、本発明の変形歯車を用いた伝動装置
の要旨とするところは、前記駆動歯車及び前記従動歯車
の形状及び寸法を同一としたことにある。このように、
両歯車の形状及び寸法を等しくすることにより、駆動歯
車と従動歯車を別々に製造する必要が無くなり、同じ歯
車を駆動歯車と従動歯車の両方に用いることができる。
【0012】また、本発明の変形歯車を用いた伝動装置
の要旨とするところは、前記駆動歯車及び前記従動歯車
の両歯型に、異なる2つの円形部分を設け、該従動歯車
の不定角速度変化に、異なる2つの一定角速度部分を持
たせたことにある。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る変形歯車を用
いた伝動装置の実施の形態について、図面に基づいて詳
しく説明する。
【0014】図1及び図2は、本発明に係る変形歯車を
用いた伝動装置10であり、楕円形状の駆動歯車12
と、駆動歯車12に噛合された楕円形状の従動歯車14
から構成されている。駆動歯車12の回転中心には駆動
軸16が取り付けられ、従動歯車14の回転中心には従
動軸18が取り付けられている。なお、駆動軸16と従
動軸18間の距離は一定であり、駆動歯車12と従動歯
車14の形状及び寸法は同一であり回転比も等しい。ま
た、一方の歯車のピッチ間距離が最大となるときに他方
の歯車のピッチ間距離が最小となるように両歯車12及
び14は配置されている。
【0015】また、両歯車12,14の歯先部分には、
回動体20が設けられている。回動体20は、図3,図
4,図5及び図6に示すように、円柱状のローラ22
が、駆動軸16又は従動軸18と平行に歯先部に設けら
れた回動軸24を中心軸にして、回動自在に取り付けら
れている。これにより、回動体20は変形歯車12,1
4の正逆両回転方向に自在に回動することができる。そ
して、図1及び図2に示すように、一方の歯車の歯先部
と他方の歯車の歯溝部が接触するように両歯車を噛み合
わせている。
【0016】次に、このような変形歯車を用いた伝動装
置10を使用する場合について、その作用を説明する。
【0017】図7は、図1に示した変形歯車を用いた伝
動装置10の歯部等を省略した簡略図であり、駆動歯車
12及び従動歯車14の長軸の長さを2a、短軸の長さ
を2bで表している。駆動軸16が角速度φで回転を行
うと、駆動歯車12も角速度φで回転を行い、ピッチ点
において駆動歯車12から従動歯車14に回転力が伝達
され、その結果、従動歯車14はある角速度ωで回転を
始め、従動軸18も角速度ωで回転を行う。ただし、駆
動軸16(駆動歯車12)と従動軸18(従動歯車1
4)の回転方向は、互いに逆方向である。
【0018】図10は、駆動軸16を一定の角速度φで
回転させたときの、従動軸18の角速度ωの時間変化の
概要を図示したものである。ただし、駆動軸16は一定
の角速度φで回転を行っている為、図7の状態を基準状
態とし、以下、この基準状態から1/2回転した状態に
なるまでの変化を図10に示した。ただし、tは駆動軸
16が一回転するのに要する時間であり、駆動歯車12
と従動歯車14は回転比が等しい為、従動軸18も時間
tが過ぎると一回転して再びもとの状態(基準状態)に
戻る。
【0019】ここで、図7は、駆動歯車12のピッチ間
距離が最小となり、従動歯車14のピッチ間距離が最大
となった状態であり、この基準状態においてピッチ点と
なっている駆動歯車12の周縁部を点T、従動歯車14
の周縁部を点Uと定義する。また、この基準状態におい
て、駆動歯車12のピッチ間距離はbであり、従動歯車
14のピッチ間距離はaであるから、この基準状態にお
ける瞬時的な従動軸18の角速度はω=(b/a)φで
表わされる。
【0020】図8は、図7の基準状態より時間t/4が
過ぎ、駆動軸16が基準状態より1/4回転したときの
状態を示したものである。このとき、駆動歯車12のピ
ッチ間距離はaであり、従動歯車14のピッチ間距離は
bであるから、この状態における瞬時的な従動軸18の
角速度はω=(a/b)φで表わされる。また、図9
は、図8の状態よりさらに時間t/4が過ぎ、駆動軸1
6が基準状態よりさらに1/2回転したときの状態を示
したものである。このとき、駆動歯車12のピッチ間距
離はbであり、従動歯車14のピッチ間距離はaであか
ら、この状態における瞬時的な従動軸18の角速度はω
=(b/a)φで表わされる。
【0021】ここで、図9は図7の基準状態と同じ状態
であり、この図9の状態から1/2回転してもとの基準
状態にもどる変化は、図7の基準状態から図9の状態に
なる変化と等しい。よって、先程述べた図10のグラフ
も、駆動軸16が1/2回転するごとに同じ状態を繰り
返す。すなわち、駆動歯車12及び従動歯車14に、形
状及び寸法の同じ回転比の等い楕円形状の変形歯車を用
いることにより、時間の経過と共に駆動歯車12と従動
歯車14のピッチ間距離比が変動するため、駆動歯車1
2(駆動軸16)を一定角速度φで回転させたときの従
動歯車14(従動軸18)の角速度ωは不定となる。
【0022】更に、図1及び図2に示すように、歯先部
に回動体20を設けた駆動歯車12及び従動歯車14が
歯(回動体20)を噛み合わせながら、駆動歯車12か
ら従動歯車14に回転力が伝達されている。そして、回
動体20は歯車12,14の回転方向及び逆回転方向に
自在に回動することができるため、歯先部(回動体2
0)と歯溝や歯部(回動体20)どうしを滑らかに接触
させることができる。そして、この回動体20の働きに
より歯の噛み合わせが滑らかに行え、両歯車12,14
を滑らかに回転させることができる。
【0023】このように、本発明の変形歯車を用いた伝
動装置10には、両変形歯車12,14の歯先部に回動
自在の回転体20が設けられている。そのため、一方の
変形歯車の歯先部(回動体20)と他方の変形歯車の歯
溝間や歯先部(回動体20)どうしを滑らかに接触させ
ることができる。そして、この回動体20の働きによ
り、両変形歯車12,14は滑らかに接触して、回転力
を伝達しながら回転することができる。このように、歯
先部に回動体を設けることにより、変形歯車の歯先部等
を従来のように精密に研磨する必要が無くなる。そのた
め、歯先部等の研磨が容易に行えるようになり、変形歯
車の生産効率を高めることができる。
【0024】更に、駆動歯車12及び従動歯車14の形
状及び寸法が同一であるため、歯車の製造は1種類の歯
車を製造するだけでよい。そのため、両歯車が異なる形
状及び寸法であり、複数の異なる歯車を製造する場合に
比べて、製造コストを削減することができる。
【0025】また、両歯車12,14に設けられている
回動体20の回動によって、両歯車12,14は滑らか
に回転を行うことができる。そのため、特に低速回転時
においては、潤滑を行わなくとも、回動体20の回動に
よって滑らかに両歯車12,14を回転させることがで
きる。
【0026】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明に係る変形歯車を用いた伝動装置はその他の
態様でも実施し得るものである。例えば、駆動軸及び従
動軸は固定される必要は必ずしもなく、駆動軸又は従動
軸を可動としたり、両軸共に可動とすることもできる。
また、歯車の種類は駆動軸と従動軸が平行となった平歯
車に限定されることはなく、駆動軸と従動軸が交わるす
ぐばかさ歯車や、内歯車や、ピニオン・ラックなど任意
の種類の歯車に用いることができる。また、回動体は、
駆動歯車と従動歯車の両方に設ける必要は必ずしもな
く、駆動歯車か従動歯車のいずれか一方にのみ設けても
よい。
【0027】また、図11及び図12は本発明に係る他
の変形歯車を用いた伝動装置30であり、駆動歯車32
と、駆動歯車32に噛合された従動歯車34とから構成
されている。駆動歯車32の回転中心には駆動軸36が
取り付けられ、従動歯車34の回転中心には従動軸38
が取り付けられている。なお、駆動軸36と従動軸38
間の距離は一定で固定されており、駆動歯車32と従動
歯車34の形状及び寸法は同一で、回転比も等しい。ま
た、図13に示すように、両歯車32,34の歯型曲線
には、径の異なる2つの円形部分が存在する。そして、
この2つの円形部分は、駆動軸36又は従動軸38を中
心とする円周の一部分であり、両円形部分の円弧の中心
角は互いに等しい。
【0028】このように、駆動歯車32及び従動歯車3
4が、歯型曲線に径の異なる2つの円形部分を有してい
るため、駆動軸36(駆動歯車32)を等角速度φで回
転させると、図14に示すように、従動軸38(従動歯
車34)は、最高速度が一定かつ最低速度が一定の2つ
の異なる一定角速度部分を有する不定角速度ωで回転を
行う。
【0029】そして、従動軸38(従動歯車34)の角
速度ωが一定となっている部分のうち、遅い部分は駆動
歯車32の歯型曲線の小さい方の円周部分と従動歯車3
4の歯型曲線の大きい方の円周部分とが噛合しており、
速い部分は、駆動歯車32の歯型曲線の大きい方の円周
部分と従動歯車34の歯型曲線の小さい方の円周部分と
が噛合している。また、図14のグラフは、図11の状
態から駆動歯車32(駆動軸36)及び従動歯車34
(従動軸38)が1回転する間(周期t)の従動軸38
(従動歯車34)の角速度ωの変化を表している。ただ
し、駆動歯車32(駆動軸36)と従動歯車34(従動
軸38)との回転方向は互いに逆方向である。
【0030】また、駆動歯車52及び従動歯車54を三
角形状とした伝動装置50を図15に示す。ただし、歯
部,回動体等は省略して図示した。駆動歯車52及び従
動歯車54は、形状及び寸法が同一であり回転比も等し
く、駆動軸56と従動軸58間の距離は一定であり、一
方の歯車のピッチ間距離が最大となるときに他方のピッ
チ間距離が最小になるように、駆動歯車52と従動歯車
54を配置してある。
【0031】また、回転の半分が一定角速度で残る半回
転が不定角速度となる伝動装置60を図16に示す。た
だし、歯部,回動体等は省略して図示した。両歯車62
及び64共に半回転分は円形状で残る半回転分は楕円形
状の歯型をしており、駆動歯車62の円形周縁部と従動
歯車64の円形周縁部が噛み合うように配置されてい
る。なお、駆動軸66と従動軸68の距離は一定であ
る。このように、変形歯車の形状(歯型)は特に限定は
されず、任意形状の変形歯車に回動体を設けることがで
きる。
【0032】また回動体の材質は特に限定されず、鉄等
の金属やプラスチック等の樹脂など任意のものを用いる
ことができる。また、回動体を歯車に回動自在に取り付
ける回動軸も鉄等の金属やプラスチック等の樹脂など任
意のものを用いることができる。すなわち、回動体,回
動軸及び変形歯車の材質は、必要とされる機械強度等の
条件に合わせて任意に選択することができる。
【0033】また、回動体の形状は円柱状に限定される
ことはなく、例えば、図17に示すような球状のローラ
ー72を用いる等、任意形状のものを用いることができ
る。また、図18に示すように、歯先部に設けた窪み8
4に球状のボール82を回動自在に挟み込ませる等、回
動体を任意の方法で歯先部に回動自在に取り付けること
ができる。すなわち、回動体が、歯車の歯先部で、少な
くとも歯車の回転方向及び逆回転方向に自在に回動する
ことができ、相手の歯車の歯溝や歯先(回動体)と滑ら
かに接触して滑らかに回転させることができるものなら
ば、任意の形状の回動体を用いることができると共に任
意の方法で回動体を歯車に取り付けることができる。
【0034】以上、本発明に係る変形歯車を用いた伝動
装置の実施例について、図面に基づいて種々説明した
が、本発明は図示した変形歯車を用いた伝動装置に限定
されるものではない。例えば、図20及び図21に示す
ように、本発明の変形歯車を用いた伝動装置を、ピスト
ン・クランク機構に用いることもできる。図19は、ク
ランク軸102の回転運動をピストンピン100の直線
運動に変換するピストン・クランク機構であり、クラン
ク腕106と連結棒108より構成されている。X−X
線上の固定位置にあるクランク軸102にクランク腕1
06を取り付け、このクランク腕106と連結棒108
をクランクピン104により回動自在に取り付け、連結
棒108の先端にあるピストンピン100がX−X線上
を直線運動できるように構成されている。
【0035】そして、クランク軸102を一定角速度φ
で回転させると、クランク腕106及び連結棒108を
介して回転力が伝達され、ピストンピン100はある速
度uで直線運動を行う。ここで、Pはピストンピン10
0の中心,Cはクランクピン104の中心,Oはクラン
ク軸102の回転中心であり、ピストンピン100の中
心Pがクランク軸102の回転中心Oから最も離れたと
きの位置をα、最も近づいたときの位置をβとする。ク
ランク軸102と直線X−Xのなす角をθとおくと、θ
=0°のときはピストンピン100の中心Pはαの位置
にあり、θ=180°のときはβの位置にある。
【0036】図20は、図1に示した変形歯車を用いた
伝動装置10を、このピストン・クランク機構に用いた
ものであり、従動歯車14にクランク軸102を取り付
け、X−X線上の固定位置にある駆動軸16を先程と同
じ一定角速度φで逆向きに回転させる。駆動軸16を一
定角速度φで回転させると、変形歯車を用いた伝動装置
によりクランク軸102は不定角速度ωで回転を行い、
その結果、ピストンピン100は従来の速度uとは違っ
た変速された速度vで往復運動を行う。なお、ピストン
ピン100の速度変化の度合いはクランク腕106と従
動歯車14との構成によって違ってくる。例えば、図2
0に示すようにクランク腕106を従動歯車14の長軸
と平行に取り付けた場合と、図21に示すように従動歯
車14の短軸と平行になるように取り付けた場合とで
は、ピストンピン100の速度変化の度合いが異なって
くる。
【0037】このように、変形歯車を用いた伝動装置に
より、クランク軸102の回転速度を一定角速度φから
不定角速度ωに変速させることができ、ピストンピン1
00の移動速度を従来より変動させたものにすることが
できる。なお、図19に示すクランク軸102及び図2
0及び図21に示す駆動軸12の角速度φは、一定では
なく変動していてもよい。
【0038】また、図19,20及び21で示したピス
トン・クランク機構において、図22,23及び24に
示すように、ピストンピン100をある一定速度uで往
復運動させたときのクランク軸102の角速度φに変化
を与えることもできる。
【0039】図23及び図24は、図1に示した変形歯
車を用いた伝動装置を、図22に示すピストン・クラン
ク機構に用いたものであり、クランク軸102に駆動歯
車12を取り付け、従動軸18はX−X線上の固定位置
に配置されている。ピストンピン100を一定速度uで
往復運動させると、クランク軸102はある角速度φで
回転を行うのであるが、変形歯車を用いた伝動装置によ
り、従来に比べて速度変化をもたせた角速度ωが従動軸
18より得られる。ただし、クランク軸102と従動軸
18の回転方向が逆向きのため、歯車を1つ追加する等
して回転方向を逆転させてもとの方向へもどす必要があ
る。
【0040】このように、変形歯車を用いた伝動装置に
より、クランク軸102の角速度φを変動させた角速度
ωが従動軸18より得られる。なお、ピストンピン10
0の移動速度uは一定ではなく変動したものでもよい。
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で当業者の
知識に基づき種々なる改良,修正,変形を加えた態様で
実施できるものである。
【0041】
【発明の効果】本発明の変形歯車を用いた伝動装置によ
れば、歯先部に歯車の正逆両回転方向に回動することの
できる回動体が設けられている。そのため、歯先部(回
動体)どうしや歯車の歯先部(回動体)と歯溝とが滑ら
かに接触し、これにより、歯先部の回動体が滑らかに噛
み合って、両歯車間で滑らかに回転力が伝達される。こ
れにより、従来の変形歯車のように歯先部の研磨等を精
密に行う必要が無くなり、歯車の製造を容易に効率良く
行うことができる。更に、回動体の回動によって両歯車
は滑らかに回転するため、特に低速時においては、潤滑
を行わなくとも問題なく歯車を回転させることができ
る。
【0042】また、本発明の変形歯車を用いた伝動装置
によれば、駆動歯車及び従動歯車の形状及び寸法を同一
としている。そのため、1種類の歯車を製造するだけで
よく、駆動歯車と従動歯車を別々に製造する場合に比べ
て製造コストを低減させることができる。更に、両歯車
の歯型に異なる2つの円周部分を持たせたので、従動歯
車は最大角速度及び最低角速度が一定となるような、2
つの一定角速度部分を有する不定角速度で回転を行う。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の変形歯車を用いた伝動装置の一実施例
を示す平面図である。
【図2】図1に示す変形歯車を用いた伝動装置の歯車の
回転状態を示す平面図である。
【図3】図1に示す変形歯車を用いた伝動装置の要部拡
大平面図である。
【図4】図3に示す変形歯車の切断断面図である。
【図5】図3に示す変形歯車の要部拡大斜視図である。
【図6】図3に示す変形歯車の要部拡大側面図である。
【図7】図1に示す変形歯車を用いた伝動装置の基準状
態の歯車の状態を示す平面図である。
【図8】図7に示す基準状態から時間t/4経過後の歯
車の状態を示す平面図である。
【図9】図7に示す基準状態から時間t/2経過後の歯
車の状態を示す平面図である。
【図10】図1に示す変形歯車を用いた伝動装置におけ
る、駆動軸が一定角速度φで回転した場合の従動軸の角
速度ωの時間変化の概要を示すグラフである。
【図11】本発明の変形歯車を用いた伝動装置の他の実
施例を示す平面図である。
【図12】図11に示す変形歯車を用いた伝動装置の回
転状態を示す平面図である。
【図13】図11に示す変形歯車の歯型曲線を示す平面
図である。
【図14】図11に示す変形歯車を用いた伝動装置にお
ける、駆動軸が一定角速度φで回転した場合の従動軸の
角速度ωの時間変化の概要を示すグラフである。
【図15】本発明の変形歯車を用いた伝動装置の更に他
の実施例を示す、三角形状の変形歯車を用いた伝動装置
の平面図である。
【図16】本発明の変形歯車を用いた伝動装置の更に他
の実施例を示す、略円形状の変形歯車を用いた伝動装置
の平面図である。
【図17】本発明の変形歯車を用いた伝動装置の更に他
の実施例を示す要部拡大側面図である。
【図18】本発明の変形歯車を用いた伝動装置の更に他
の実施例を示す要部拡大側面図である。
【図19】クランク腕と連結棒から構成されたピストン
・クランク機構の平面図である。
【図20】図19に示すピストン・クランク機構に、図
1に示す変形歯車を用いた場合の伝動機構の平面図であ
る。
【図21】図19に示すピストン・クランク機構に、図
1に示す変形歯車を用いた場合の伝動機構の平面図であ
る。
【図22】連結棒とクランク腕から構成されたピストン
・クランク機構の平面図である。
【図23】図22に示すピストン・クランク機構に、図
1に示す変形歯車を用いた場合の伝動機構の平面図であ
る。
【図24】図22に示すピストン・クランク機構に、図
1に示す変形歯車を用いた場合の伝動機構の平面図であ
る。
【図25】従来の円形歯車を用いた伝動装置の平面図で
ある。
【図26】従来の変形歯車を用いた伝動装置の一例を示
す平面図である。
【図27】図26に示す従来の変形歯車を用いた伝動装
置の回転状態を示す平面図である。
【符号の説明】
10,30,50,60:変形歯車を用いた伝動装置 12,32,52,62,76,86,112,12
2:駆動歯車 14,34,54,64,78,88,114,12
4:従動歯車 16,36,56,66,126:駆動軸 18,38,58,68,128:従動軸 20,40,70,80:回動体 22,72:ローラー 24,74:回動軸 82:ボール 84:窪み 100:ピストンピン 102:クランク軸 104:クランクピン 106:クランク腕 108:連結棒 110:円形歯車を用いた伝動装置 120:従来の変形歯車を用いた伝動装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略楕円形状又は略多角形状の駆動歯車
    と、該駆動歯車に噛合させた略楕円形状又は略多角形状
    の従動歯車とから構成され、該駆動歯車を一定角速度で
    回転させたとき、該従動歯車が不定角速度で回転する伝
    動装置であって、前記両歯車が噛合する歯先部の少なく
    ともいずれか一方に、少なくとも該歯車の正逆両回転方
    向に自在に回動することのできる回動体が設けられてい
    ることを特徴とする変形歯車を用いた伝動装置。
  2. 【請求項2】 前記回動体が、円柱状のローラーである
    ことを特徴とする請求項1に記載の変形歯車を用いた伝
    動装置。
  3. 【請求項3】 前記回動体が、球状のボールであること
    を特徴とする請求項1に記載の変形歯車を用いた伝動装
    置。
  4. 【請求項4】 前記駆動歯車及び前記従動歯車の形状及
    び寸法が同一であることを特徴とする請求項1,2又は
    3に記載の変形歯車を用いた伝動装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動歯車及び前記従動歯車の両歯型
    に、異なる2つの円形部分を設け、該従動歯車の不定角
    速度変化に、異なる2つの一定角速度部分を持たせたこ
    とを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の変形歯
    車を用いた伝動装置。
JP9243694A 1996-10-23 1997-09-09 変形歯車を用いた伝動装置 Withdrawn JPH10184852A (ja)

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