JPH10183104A - ガラス研磨用研磨材組成物 - Google Patents
ガラス研磨用研磨材組成物Info
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- JPH10183104A JPH10183104A JP35720596A JP35720596A JPH10183104A JP H10183104 A JPH10183104 A JP H10183104A JP 35720596 A JP35720596 A JP 35720596A JP 35720596 A JP35720596 A JP 35720596A JP H10183104 A JPH10183104 A JP H10183104A
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- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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Abstract
でき、被加工物にピットやキズなどの表面欠陥を生ずる
おそれがなく、被加工物や研磨機の洗浄性などの作業性
に優れ、研磨品質に優れたガラス研磨用研磨材組成物を
提供する。 【解決手段】酸化セリウムを含む希土類酸化物混合物を
主成分とする研磨材、アミノ酸及びアミンを含有するこ
とを特徴とするガラス研磨用研磨材組成物。
Description
材組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、高い研
磨速度を長期にわたって初期のまま維持することがで
き、被加工物にピット、キズなどの表面欠陥がなく、被
加工物や研磨機の洗浄性などの作業性に優れ、特に結晶
化ガラス製ハードディスク基板及びガラス製ハードディ
スク基板の仕上げ研磨に好適に使用することができる、
研磨品質に優れたガラス研磨用研磨材組成物に関する。
用されており、光学レンズ用ガラス基板や光学レンズな
どにおいても鏡面となる表面精度が要求されているが、
特に光ディスクや磁気ディスク用ガラス基板、薄膜トラ
ンジスタ(TFT)型LCDやねじれネマティック(T
N)型LCDなどの液晶用ガラス基板、液晶TV用カラ
ーフィルター、LSIフォトマスク用ガラス基板などに
おいては、高精度な平坦度や表面粗さ及び無欠陥を要求
されるため、より高精度な表面研磨が求められている。
特に、液晶用ガラス基板においては、後工程の熱処理温
度が高いために高い耐熱性が求められており、また軽量
化のため薄型化が進んでいる。磁気ディスク用ガラス基
板においても、軽量化に伴う薄型化や高回転時のディス
クのうねりに耐えうる機械特性、特に剛性が高いことな
どの要求が年々厳しくなっている。これらの薄型化や機
械特性を満足するために、ガラスの化学組成や製法が改
良され、ガラス基板としてアルミノシリケートを主成分
とするものが液晶用や磁気ディスク用として用いられる
ようになってきた。また、特に磁気ディスク用ガラス基
板としては、リチウムシリケートを主成分とする結晶化
ガラス基板が開発され、実用化されようとしている。こ
れらのアルミノシリケートを主成分とするガラス基板や
リチウムシリケートを主成分とする結晶化ガラス基板
は、機械的強度、耐薬品性を満足させるために、従来の
液晶用あるいは磁気ディスク用ガラス基板よりも硬質の
ものとなっている。従来、ガラス基板の表面研磨に用い
られている研磨材としては、酸化鉄や酸化ジルコニウ
ム、あるいは二酸化ケイ素などに比べて研磨速度が数倍
優れているという理由から、希土類酸化物、特に酸化セ
リウムを主成分とする研磨材が用いられており、砥粒を
水などの液体に分散させて使用するのが一般的である。
しかし、従来の酸化セリウム系研磨材は、上記のような
硬質のガラス基板に対しては次のような問題がある。す
なわち、第一の問題は、加工速度が遅いことである。酸
化セリウム研磨材の研磨機構については充分解明されて
いるわけではないが、酸化セリウムの有するガラスに対
するケミカルな効果と、酸化セリウム粒子そのものの硬
さに起因するメカニカルな効果の複合効果により研磨加
工が進行することは、現象論的ではあるが確認されてい
る事実である。しかし、アルミノシリケートを主成分と
するガラス基板やリチウムシリケートを主成分とする結
晶化ガラス基板は、耐薬品性に優れているため研磨材の
有するケミカルな効果が充分に発揮されがたい。また、
被加工物が硬質であるために研磨材粒子の破砕が容易に
起こり、ガラスに対するメカニカルな効果を長期に維持
することができず、加工速度が短時間のうちに低下して
しまう。メカニカルな効果を長期にわたって維持するた
めに、研磨材組成物中にアルミナやジルコニアなどの被
加工物以上の硬度を有する粉末粒子を添加することも試
みられているが、酸化セリウム粒子の濃度が相対的に低
下するために、そのケミカルな効果が不足してしまうこ
とと、被加工物表面にピットやキズなどの欠陥が発生し
やすいので実用的ではない。第二の問題は、研磨によっ
て発生するガラス成分が循環使用している研磨材スラリ
ー中で増加するため、このガラス成分が研磨の終了時に
ガラス表面に砥粒と共に残って再付着し、ガラス表面の
洗浄性を悪化させることである。さらに、砥粒の沈殿が
研磨機や配管内へ付着することによって、これらの洗浄
性も低下し、砥粒交換やマシン洗浄などの作業性も著し
く悪くなる。また、研磨パッドの目詰まりも引き起こ
し、研磨対象物の表面にキズを生じさせる原因となる。
度を長期にわたって維持することができ、被加工物にピ
ットやキズなどの表面欠陥を生ずるおそれがなく、被加
工物や研磨機の洗浄性などの作業性に優れ、研磨品質に
優れたガラス研磨用研磨材組成物を提供することを目的
としてなされたものである。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、酸化セリウムを含
む希土類酸化物混合物を主成分とする研摩材に、アミノ
酸及びアミンを配合することにより、被加工物の良好な
表面状態を維持したまま研磨速度を高めることができ、
しかも研磨材スラリーのpHが安定することを見いだし、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、(1)酸化セリウムを含む希土類酸化物
混合物を主成分とする研磨材、アミノ酸及びアミンを含
有することを特徴とするガラス研磨用研磨材組成物、及
び、(2)アミンが、メラミン、ヒドラジン又はその
塩、エチレンジアミン類、エタノールアミンから選ばれ
た少なくとも1種の化合物である第(1)項記載のガラス
研磨用研磨材組成物、を提供するものである。さらに、
本発明の好ましい態様として、(3)アミノ酸の含有量
が0.3〜3.0重量%であり、アミンの含有量が0.3
〜3.0重量%である第(1)項又は第(2)項記載のガラ
ス研磨用研磨材組成物、(4)アミノ酸が、グリシン又
はアルギニンである第(1)項、第(2)項又は第(3)項記
載のガラス研磨用研磨材組成物、及び、(5)アミン
が、メラミンである第(1)項、第(2)項、第(3)項又は
第(4)項記載のガラス研磨用研磨材組成物、を挙げるこ
とができる。
物に含有される酸化セリウムを含む希土類酸化物混合物
を主成分とする研磨材としては、例えば、酸化セリウム
含量が50重量%程度であるバストネサイト系、塩化希
土系の低セリウム研磨材、酸化セリウム含量が70〜9
0重量%である合成系の高セリウム研磨材、酸化セリウ
ム含量が99重量%以上の高純度酸化セリウムなどを挙
げることができる。バストネサイト系研磨材は、希土類
元素のフッ化炭酸塩鉱物であるバストネス石を粉砕し、
化学処理、乾燥、焙焼、粉砕、分級、仕上げの各工程を
経て得られるものであり、酸化セリウムを約50重量%
含むほかに、他の希土類元素がLaOF、NdOF、P
rOFなどの塩基性フッ化物として共存する。塩化希土
系研磨材は、塩化希土を水酸化物ケーキとし、乾燥した
のち部分硫酸塩として焙焼し、粉砕、分級、仕上げによ
り得られるものであり、酸化セリウムを約50重量%含
むほかに、他の希土類元素がLa2O3・SO3、Nd2O3
・SO3、Pr5O11・SO3などの塩基性無水硫酸塩とし
て共存する。
石などの原料を焙焼したのち硝酸を用いて溶解し、希ア
ンモニア水でpHを調整しながら加熱してCe4+を加水分
解して水酸化物とし、これをろ別、乾燥、焙焼、粉砕、
分級、仕上げの各工程を経て製造するもので、酸化セリ
ウム70〜90重量%を含有する。高純度の酸化セリウ
ムは、例えば、リン酸塩による塩基性分別沈殿法、リン
酸トリブチルによる溶媒抽出法などにより得ることがで
きる。溶媒抽出法による高純度の酸化セリウムは、酸化
希土を硝酸に溶解し、水溶液中に存在するCe4+をリン
酸トリブチル−ベンゼンで抽出して有機相に移行させ、
さらに亜硝酸ナトリウムのような還元剤を含む水相によ
り逆抽出してシュウ酸セリウムとしたのち、焙焼するこ
とにより得られるもので、酸化セリウムの純度は通常9
9.9重量%以上に達する。酸化セリウムは、その硬度
がガラスの硬度と同等又は少し高めの5.5〜6.5であ
り、かつ微調節が可能であるので、ガラスの研磨材とし
て好適に使用することができる。低セリウム研磨材も高
セリウム研磨材も優れた研磨力を有するが、高セリウム
研磨材には特に寿命が長いという特徴がある。本発明の
研磨材組成物に用いる酸化セリウムを含む希土類酸化物
混合物を主成分とする研磨材の粒子径には特に制限はな
いが、一般にはJIS R 60026.電気抵抗試験方
法によって測定した体積分布の累積値50%に相当する
粒子径が0.5〜3.0μmの研磨材を好適に使用するこ
とができる。酸化セリウムの結晶系は、立方晶系である
ことが好ましい。
する。含有するアミノ酸には特に制限はなく、例えば、
酸性アミノ酸、中性アミノ酸、塩基性アミノ酸、これら
の金属塩、アミノ酸のアミノ基の水素原子の一部が、ア
ルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシル基など
により置換された化合物などを使用することができる。
ただし、研磨材スラリーが酸性になると、酸化セリウム
自身が有するガラス研磨に対するケミカルな効果が低下
して加工速度が低くなるため、酸性アミノ酸を使用する
場合には、塩基性アミノ酸と併用することが好ましい。
また、アミノ酸は、天然品、合成品のいずれも使用する
ことができ、さらに、光学異性体を有するアミノ酸にあ
っては、D型、L型のいずれをも使用することができ
る。本発明の研磨材組成物に使用することができるアミ
ノ酸としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、
ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システ
イン、シスチン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタ
ミン酸、リジン、アルギニン、フェニルアラニン、チロ
シン、ヒスチジン、トリプトファン、プロリン、ヒドロ
キシプロリン、ジヨードチロシン、チロキシン、ヒドロ
キシリジン、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、アントラ
ニル酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸など
を挙げることができる。これらの中で、グリシン及びア
ルギニンを特に好適に使用することができる。アミノ酸
は、1種を単独で用いることができ、2種以上を組み合
わせて用いることができる。
スラリーは通常循環使用されるが、使用時間が長くなる
にしたがって、被加工物であるガラス成分が削り取ら
れ、循環使用している研磨材スラリー中のガラス成分が
増加し、ガラス成分に起因するアルカリなどにより研磨
材スラリーのpHが変化する。また、ガラス成分が研磨材
粒子表面を覆うと、研磨材の沈殿が非常に硬いものとな
るばかりでなく、被加工物であるガラス表面との親和性
が高いため、再付着して被加工物であるガラスの洗浄性
を悪化させる。また、研磨材スラリーのpHが変化するこ
とによって、研磨材粒子の分散媒中での分散性が変化
し、研磨機各部などへ沈殿が付着しやすく、しかも沈殿
が硬くなりやすい。本発明においては、ガラス研磨用研
磨材組成物にアミノ酸を含有せしめることにより、研磨
によって発生するガラス成分の反応性が低下し、研磨材
粒子の表面がガラス成分で覆われることを防ぐことがで
きる。また、アミノ酸には自己緩衝作用があり、研磨材
スラリーのpHを長期にわたって一定に保つことができる
ため、研磨材の分散媒中での分散性の変化を防ぐことが
できる。その結果、硬い沈殿の生成による研磨機各部へ
の付着を防止し、ひいては洗浄性の悪化を防止すること
ができる。本発明の研磨材組成物において、アミノ酸の
含有量は0.3〜3.0重量%であることが好ましい。ア
ミノ酸の含有量が0.3重量%未満であると、ガラス成
分の反応性を抑制する効果と研磨材スラリーのpHを調整
する効果が乏しくなるおそれがある。アミノ酸の含有量
が3.0重量%を超えると、研磨速度が低下するおそれ
がある。
る。含有するアミンには特に制限はなく、例えば、メラ
ミン、ヒドラジン及びその塩、エチレンジアミン類、エ
タノールアミン、アニリン、m−フェニレンジアミン、
p−フェニレンジアミン、1,2,3−トリアミノベンゼ
ン、1,2,4−トリアミノベンゼンなどを挙げることが
できる。ヒドラジン及びその塩としては、例えば、ヒド
ラジン、その水化物、炭酸塩、酢酸塩、塩酸塩、硫酸塩
などを挙げることができる。エチレンジアミン類として
は、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ピペラ
ジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなど
を挙げることができる。これらの中で、メラミンを特に
好適に使用することができる。本発明組成物において、
アミンは1種を単独で用いることができ、2種以上を組
み合わせて用いることができる。本発明の研磨材組成物
は、アミンを含有せしめることにより、研磨速度を向上
することができる。アミンが有するアミノ基がアルカリ
としてはたらき、ガラス表面に対してエッチャントとし
て作用することと、研磨材粒子の研磨パッドへの保持力
を高めることによって、研磨材粒子が有効に研磨に寄与
し、ガラスに対する研磨促進効果が発揮されるものと推
定される。本発明の研磨材組成物において、アミンの含
有量は0.3〜3.0重量%であることが好ましい。アミ
ンの含有量が0.3重量%未満であると、その研磨促進
効果が充分に発揮されないおそれがある。アミンの含有
量が3.0重量%を超えると、アミンの含有量の増大に
見合った研磨速度の促進効果は得られないおそれがあ
る。
限はないが、従来の酸化セリウム系研磨材と同様に、一
般に、水などの分散媒に分散させて濃度5〜30重量%
程度のスラリー状態で使用することが好ましい。分散媒
としては、水又は水溶性有機溶媒と水の混合液を使用す
ることができる。水溶性有機溶媒としては、例えば、一
価アルコール、多価アルコール、アセトン、テトラヒド
ロフランなどを挙げることができる。通常は、水を単独
で分散媒として使用することが好ましい。さらに、本発
明の研磨材組成物には、従来の酸化セリウム系研磨材に
常用される助剤を添加することができる。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 酸化セリウムを約50重量%含有するバストネサイト系
研磨材[東北金属化学(株)、ROX H−1、体積分布
の累積値50%に相当する粒子径1.8μm]に、アミ
ノ酸としてL−アルギニン及びアミンとしてメラミンを
添加し、L−アルギニン1.0重量%及びメラミン1.0
重量%を含有するガラス研磨用研磨材組成物を調製し
た。このガラス研磨用研磨材組成物を水に分散して、濃
度20重量%のスラリー状研磨液を得た。このスラリー
状研磨液を用い、リチウムシリケートを主成分とする結
晶化ガラス及びアルミノシリケートを主成分とする平面
パネル用ガラス各10枚を被加工物として、以下の条件
で両面研磨を行った。 研磨機;4ウェイタイプ両面研磨機「スピードファム
(株)、9B型」 被加工物;面積130cm3 研磨パッド;発泡ポリウレタンパッド[ローデス社、L
P−77] 下定盤回転数;60rpm スラリー供給量;100ml/分 加工圧力;200g/cm2 研磨時間;45分 リチウムシリケート系結晶化ガラス基板及びアルミノシ
リケート系ガラス基板各10枚のすべての加工物につい
て、1枚当たり4点ずつ研磨前後の厚みをマイクロメー
ターを用いて測定し、それらの測定値を平均して研磨速
度(μm/分)を測定した。また、加工物表面の欠陥の
状態をピット、スクラッチについて微分干渉顕微鏡を用
いて観察し、○:良好、△:普通、×:不良の3段階で
評価した。○、△、×の順に欠陥が多くなることを示
す。さらに、研磨前後のスラリー状研磨液のpHを測定し
た。リチウムシリケート系結晶化ガラス基板について、
研磨速度は2.0μm/分であり、表面状態は良好であ
った。スラリー状研磨液のpHは、研磨前後ともに10.
5であり、変化はなかった。アルミノシリケート系ガラ
ス基板について、研磨速度は2.4μm/分であり、表
面状態は良好であった。スラリー状研磨液のpHは、研磨
前後ともに10.5であり、変化はなかった。 実施例2 L−アルギニンの含有量を0.5重量%、メラミンの含
有量を1.0重量%としたこと以外は、実施例1と同様
にしてガラス研磨用研磨材組成物を調製した。このガラ
ス研磨用研磨材組成物を水に分散して、濃度20重量%
のスラリー状研磨液とし、実施例1と同様にして、リチ
ウムシリケートを主成分とする結晶化ガラス及びアルミ
ノシリケートを主成分とする平面パネル用ガラスの両面
研磨を行った。リチウムシリケート系結晶化ガラス基板
について、研磨速度は1.9μm/分であり、表面状態
は良好であった。スラリー状研磨液のpHは、研磨前は1
0.3であり、研磨後は10.4であった。アルミノシリ
ケート系ガラス基板について、研磨速度は2.3μm/
分であり、表面状態は良好であった。スラリー状研磨液
のpHは、研磨前は10.3であり、研磨後は10.5であ
った。 実施例3 L−アルギニンの含有量を1.0重量%、メラミンの含
有量を0.5重量%としたこと以外は、実施例1と同様
にしてガラス研磨用研磨材組成物を調製した。このガラ
ス研磨用研磨材組成物を水に分散して、濃度20重量%
のスラリー状研磨液とし、実施例1と同様にして、リチ
ウムシリケートを主成分とする結晶化ガラス及びアルミ
ノシリケートを主成分とする平面パネル用ガラスの両面
研磨を行った。リチウムシリケート系結晶化ガラス基板
について、研磨速度は1.8μm/分であり、表面状態
は良好であった。スラリー状研磨液のpHは、研磨前後と
も10.4であり、変化はなかった。アルミノシリケー
ト系ガラス基板について、研磨速度は2.1μm/分で
あり、表面状態は良好であった。スラリー状研磨液のpH
は、研磨前後とも10.4であり、変化はなかった。 比較例1 アミノ酸及びアミンを添加することなく、酸化セリウム
を約50重量%含有するバストネサイト系研磨材[東北
金属化学(株)、ROX H−1]のみを水に分散して、
濃度20重量%のスラリー状研磨液を得た。このスラリ
ー状研磨液を用い、実施例1と同様にして、リチウムシ
リケートを主成分とする結晶化ガラス及びアルミノシリ
ケートを主成分とする平面パネル用ガラスの両面研磨を
行った。リチウムシリケート系結晶化ガラス基板につい
て、研磨速度は1.2μm/分であり、表面状態は不良
であった。スラリー状研磨液のpHは、研磨前は8.5で
あったが、研磨後は9.5に上昇していた。アルミノシ
リケート系ガラス基板について、研磨速度は1.8μm
/分であり、表面状態は不良であった。スラリー状研磨
液のpHは、研磨前は8.5であったが、研磨後は9.8に
上昇していた。 比較例2 メラミンの含有量を1.0重量%とし、L−アルギニン
を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてガ
ラス研磨用研磨材組成物を調製した。このガラス研磨用
研磨材組成物を水に分散して、濃度20重量%のスラリ
ー状研磨液とし、実施例1と同様にして、リチウムシリ
ケートを主成分とする結晶化ガラス及びアルミノシリケ
ートを主成分とする平面パネル用ガラスの両面研磨を行
った。リチウムシリケート系結晶化ガラス基板につい
て、研磨速度は1.8μm/分であり、表面状態は普通
であった。スラリー状研磨液のpHは、研磨前は9.0で
あったが、研磨後は9.5に上昇していた。アルミノシ
リケート系ガラス基板について、研磨速度は2.2μm
/分であり、表面状態は普通であった。スラリー状研磨
液のpHは、研磨前は9.0であったが、研磨後は9.6に
上昇していた。 比較例3 L−アルギニンの含有量を1.0重量%とし、メラミン
を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてガ
ラス研磨用研磨材組成物を調製した。このガラス研磨用
研磨材組成物を水に分散して、濃度20重量%のスラリ
ー状研磨液とし、実施例1と同様にして、リチウムシリ
ケートを主成分とする結晶化ガラス及びアルミノシリケ
ートを主成分とする平面パネル用ガラスの両面研磨を行
った。リチウムシリケート系結晶化ガラス基板につい
て、研磨速度は1.5μm/分であり、表面状態は普通
であった。スラリー状研磨液のpHは、研磨前後ともに1
0.6であり、変化はなかった。アルミノシリケート系
ガラス基板について、研磨速度は1.9μm/分であ
り、表面状態は普通であった。スラリー状研磨液のpH
は、研磨前後ともに10.6であり、変化はなかった。 比較例4 酸化セリウムを約50重量%含有するバストネサイト系
研磨材[東北金属化学(株)、ROX H−1]に、アミ
ノ酸及びアミンの代わりにフッ化セリウムを添加し、フ
ッ化セリウム1.0重量%を含有するガラス研磨用研磨
材組成物を調製した。このガラス研磨用研磨材組成物を
水に分散して、濃度20重量%のスラリー状研磨液と
し、実施例1と同様にして、リチウムシリケートを主成
分とする結晶化ガラス及びアルミノシリケートを主成分
とする平面パネル用ガラスの両面研磨を行った。リチウ
ムシリケート系結晶化ガラス基板について、研磨速度は
1.5μm/分であり、表面状態は普通であった。スラ
リー状研磨液のpHは、研磨前は9.0であったが、研磨
後は8.5に低下していた。アルミノシリケート系ガラ
ス基板について、研磨速度は1.8μm/分であり、表
面状態は普通であった。スラリー状研磨液のpHは、研磨
前は9.0であったが、研磨後は8.6に低下していた。
リチウムシリケート系結晶化ガラス基板についての結果
を第1表に、アルミノシリケート系ガラス基板について
の結果を第2表に示す。
に、L−アルギニン及びメラミンを含有する本発明のガ
ラス研磨用研磨材組成物から調製したスラリー状研磨液
を用いて研磨した実施例1〜3においては、リチウムシ
リケート系結晶化ガラス基板及びアルミノシリケート系
ガラス基板のいずれについても、研磨速度が大きく、研
磨後のガラス基板の表面状態が良好であり、研磨の前後
において研磨液のpHの変動が少なく安定している。これ
に対して、L−アルギニンもメラミンも含有しない酸化
セリウムを含む希土類酸化物混合物を主成分とする研磨
材のみから調製した研磨液を用いて研磨した比較例1に
おいては、研磨速度が小さく、研磨後のガラス基板の表
面状態が不良であり、研磨中に研磨液のpHが上昇して不
安定である。メラミンを1.0重量%含有しているが、
L−アルギニンを含有しない研磨材組成物から調製した
研磨液を用いて研磨した比較例2においては、研磨速度
は大きいが、研磨後のガラス基板の表面状態は特に良好
とは言えず、また、研磨中に研磨液のpHが上昇して不安
定である。L−アルギニンを1.0重量%含有している
が、メラミンを含有しない研磨材組成物から調製した研
磨液を用いて研磨した比較例3においては、研磨速度が
小さく、研磨後のガラス基板の表面状態は特に良好とは
言えない。ただし、研磨液のpHは、研磨の前後において
変動することなく安定している。L−アルギニン及びメ
ラミンの代わりにフッ化セリウム1.0重量%を含有す
る研磨材組成物から調製した研磨液を用いた比較例4に
おいては、研磨速度が小さく、研磨後のガラス基板の表
面状態は特に良好とは言えず、研磨中に研磨液のpHが低
下して不安定である。
アルミノシリケートを主成分とするガラス基板やリチウ
ムシリケートを主成分とする結晶化ガラス基板などの硬
質のガラス基板に対して、高い研磨速度を有し、かつ被
加工物にピット、キズなどの表面欠陥がなく、研磨の進
行に伴ってスラリーのpHが変化しないので硬い沈殿を生
成することがない。
Claims (2)
- 【請求項1】酸化セリウムを含む希土類酸化物混合物を
主成分とする研磨材、アミノ酸及びアミンを含有するこ
とを特徴とするガラス研磨用研磨材組成物。 - 【請求項2】アミンが、メラミン、ヒドラジン又はその
塩、エチレンジアミン類、エタノールアミンから選ばれ
た少なくとも1種の化合物である請求項1記載のガラス
研磨用研磨材組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35720596A JP3856513B2 (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | ガラス研磨用研磨材組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35720596A JP3856513B2 (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | ガラス研磨用研磨材組成物 |
Publications (2)
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