JPH10182626A - ピラン誘導体 - Google Patents

ピラン誘導体

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JPH10182626A
JPH10182626A JP34075496A JP34075496A JPH10182626A JP H10182626 A JPH10182626 A JP H10182626A JP 34075496 A JP34075496 A JP 34075496A JP 34075496 A JP34075496 A JP 34075496A JP H10182626 A JPH10182626 A JP H10182626A
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JP
Japan
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group
formula
compound
lower alkyl
hydrogen atom
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Pending
Application number
JP34075496A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuichi Takeno
秀一 武野
Hironori Okawa
裕紀 大川
Makoto Nishizawa
信 西澤
Tsutomu Kanazawa
勉 金澤
Takashi Hisada
孝 久田
Yasushi Minobe
安史 美濃部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 骨吸収を強く抑制し、骨量の減少を抑えるこ
とにより骨粗鬆症の予防および治療を可能にする医薬組
成物を提供する。 【解決手段】 式(1): 【化1】 [式中、R1およびR3は水素原子または低級アルキル
基、R2は水素原子、低級アルキル基、水酸基または低
級アルコキシ基、そしてR4は水素原子、低級アルキル
基または式(2): 【化2】 で示されるアルキル置換基(式中、mは5から10まで
の整数、nは0から3までの整数、AおよびBはいずれ
か一方が水酸基または低級アルコキシ基で他方が水素原
子であるかまたはAおよびBが一緒になって隣接する炭
素原子と共にカルボニル基を形成する)である]で示さ
れるピラン誘導体を有効成分として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は骨吸収抑制作用を示
すピラン誘導体およびそれらを含有してなる医薬組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高齢者人口の増加とともに骨粗鬆
症の患者が急増している。骨粗鬆症等の骨疾患は、骨折
の多発並びに寝たきり老人の増加をもたらすため、その
予防と治療のための方法および薬剤の開発が望まれてい
る。骨粗鬆症は、骨の化学組成の変化を伴わずに骨量が
減少した病態を特徴とする。本症の骨量の減少は、骨吸
収と骨形成のアンバランスの結果起こり、骨が脆弱にな
るため骨の変形による腰痛等をもたらしたり、骨折を起
こしやすくする。従来、骨粗鬆症の治療薬としては、イ
プリフラボン[7−イソプロポキシ−3−フェニル−4
H−1−ベンゾピラン−4−オン]等のベンゾピラン誘
導体が知られている(薬理と治療、14巻、409頁、1986
年)。一方、植物(Podolepis hiera-cioides)の成分
として、3、5−ジアルキル−2−メトキシ−6−アル
キル−γ−ピロン類が知られているが(Phytochemistr
y、26巻、187頁、1986年)、骨吸収抑制作用あるいは骨
粗鬆症治療薬としての用途は知られていない。ドイツ特
許DE 4103094 A1には、ガンマピロン誘導体とその抗ウ
イルス作用について記載されているが、骨吸収抑制作用
あるいは骨粗鬆症治療薬としての用途は知られていな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、骨粗
鬆症治療剤を提供することである。より詳細には、骨吸
収を強く抑制し、骨量の減少を抑えることにより骨粗鬆
症の予防および治療を可能にする治療剤を提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、式(1):
【化17】 [式中、R1およびR3は水素原子または低級アルキル
基、R2は水素原子、低級アルキル基、水酸基または低
級アルコキシ基、そしてR4は水素原子、低級アルキル
基または式(2):
【化18】 で示されるアルキル置換基(式中、mは5から10まで
の整数、nは0から3までの整数、AおよびBはいずれ
か一方が水酸基または低級アルコキシ基で他方が水素原
子であるかまたはAおよびBが一緒になって隣接する炭
素原子と共にカルボニル基を形成する)である]で示さ
れるピラン誘導体に関する。
【0005】本発明のピラン誘導体の具体例としては、
1およびR3が水素原子または低級アルキル基、R2
水素原子、低級アルキル基、水酸基または低級アルコキ
シ基、そしてR4が式(2)で示される、水酸基、アル
コキシ基またはカルボニル基を含む直鎖アルキル基が挙
げられる。
【0006】本発明において、低級アルキル基とは、炭
素数1〜6の直鎖または分枝鎖のアルキル基を意味し、
好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。好ましい
低級アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等が挙げら
れる。
【0007】本発明における低級アルコキシ基とは、炭
素数1〜6の直鎖または分枝鎖のアルキルに酸素原子が
結合した基を意味し、好ましくは炭素数1〜4のアルコ
キシ基である。好ましい低級アルコキシ基の具体例とし
ては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n
−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。
【0008】本発明の化合物は経口でも非経口でも投与
することができ、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、注
射剤の如き医薬製剤として、適宜使用することができ
る。
【0009】本発明の化合物の投与量は、患者の性別、
年齢、体重、状態あるいは疾患の程度等により異なる
が、通常1日あたり、経口投与の場合に10〜100 mg/k
g、そして非経口投与の場合には0.1〜10 mg/kgが好まし
い。
【0010】式(1)で示される本発明の化合物が不斉
炭素を有する場合には、純粋な光学活性体、その任意の
割合の混合物、あるいはラセミ体が存在するが、それら
のいずれもが本発明の範囲に属する。
【0011】本発明の化合物は、例えば下記の製造工程
により製造することができる。しかしながら、本発明の
化合物の製造方法は、これらに限定されない。
【0012】式(A):
【化19】 で示されるカルボン酸エステルを塩基の存在下に、酢酸
の低級アルキルエステルとの炭素アシル化反応により式
(B):
【化20】 で示されるカルボン酸エステルに変換し、続いて化合物
(B)を塩基の存在下にR7Xで示されるアルキルハラ
イドでアルキル化し、さらに酸処理して、式(C):
【化21】 で示される化合物とし、化合物(C)と末端に2重結合
を含むCH2=CH(CH2pXで示されるアルケニル
ハライドとの反応により式(D):
【化22】 で示されるαピロン誘導体とし、αピロンからγピロン
への変換反応により式(E):
【化23】 で示されるγピロンとし、適当な触媒を存在させた酸化
反応により式(F):
【化24】 で示されるピラン誘導体とするか、あるいは、化合物
(C)とR9CH(OR10)−(CH2qXで示される
アルキルハライドとの反応で式(G):
【化25】 で示されるαピロン誘導体とし、αピロンからγピロン
への変換反応およびR10の脱保護反応によりにより、式
(H):
【化26】 で示されるγピロン誘導体とし、酸化反応により式
(I):
【化27】 で示されるピラン誘導体とするか、あるいは化合物
(F)を還元反応により式(J):
【化28】 で示されるピラン誘導体とする[式中、R5、R6
7、R8およびR9は低級アルキル基、R10は低級アル
キル基または3個の低級アルキル置換基を有するシリル
基、Xはハロゲン原子、そしてpおよびqは4から9ま
での整数を表す]。
【0013】上記製造工程をさらに詳述する。
【0014】化合物(A)から化合物(B)の製造:化
合物(A)をテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミ
ド、ジクロロメタン、ジオキサン等の溶液に、1〜10当
量の水素化ナトリウム、ブチルリチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等の塩基を加えた後、酢酸の低級アル
キルエステル(例えば、酢酸メチルエステル、酢酸エチ
ルエステル、酢酸プロピルエステル等)を化合物(A)
の1〜10当量加え、室温ないしは冷却下にて反応させて
化合物(B)を得ることができる。
【0015】化合物(B)から化合物(C)の製造:化
合物(B)のテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチ
ルホルムアミド、ジクロルメタン、アセトン等の溶液に
1〜10当量の水素化ナトリウム、ブチルリチウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基を加えた後、R7
ハライド(例えば、ヨウ化物、臭化物、塩化物等)を1
〜20当量加えて室温ないし加温下に反応する。さらに、
これに、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、塩化アルミ
ニウム、三フッ化ホウ素エーテル等の酸を加えて室温な
いし加温下に反応し、環状化した化合物(C)を得るこ
とができる。
【0016】化合物(C)から化合物(D)の製造:化
合物(C)のテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチ
ルホルムアミド、ジクロルメタン等の溶液にヘキサメチ
レンホスホラミド(HMPA)を加え、1〜10当量の水
素化ナトリウム、ブチルリチウム等の塩基をこれに加え
る。末端に二重結合を持つアルケニル基のハライド(例
えば、ヨウ化物、臭化物、塩化物等)と室温ないしは冷
却下にて反応させて化合物(D)を得ることができる。
【0017】化合物(D)から化合物(E)の製造:化
合物(D)のテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチ
ルホルムアミド、ジクロルメタン等の溶液に1〜10当量
のメチルフルオロスルホン酸、ジメチル硫酸、エチルフ
ルオロスルホン酸等のアルキル化剤を加え、室温ないし
は冷却下にて反応させて化合物(E)を得ることができ
る。
【0018】化合物(E)から化合物(F)の製造:テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミ
ド、アセトン等の溶液あるいはそれらの水溶液のいずれ
かに化合物(E)を溶解して得られる溶液に塩化パラジ
ウムと塩化第一銅を加えた後に当該溶液中に酸素ガスを
導入し、室温ないし加温下に反応し化合物(F)を得る
ことができる。
【0019】化合物(C)から化合物(G)の製造:化
合物(C)のテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチ
ルホルムアミド、ジクロルメタン等の溶液にヘキサメチ
レンホスホラミド(HMPA)を加え、1〜10当量の水
素化ナトリウム、ブチルリチウム等の塩基をこれに加え
る。アルキル基のハライド(例えば、ヨウ化物、臭化
物、塩化物等)と室温ないしは冷却下にて反応させて化
合物(G)を得ることができる。
【0020】化合物(G)から化合物(H)の製造:化
合物(G)のテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチ
ルホルムアミド、ジクロルメタン、アセトン等の溶液に
1〜10当量のメチルフルオロスルホン酸、ジメチル硫
酸、エチルフルオロスルホン酸等のアルキル化剤を加
え、必要であれば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基の存在下に、冷
却下ないしは加熱還流下に反応させて化合物(H)を得
るか、あるいは、さらに塩酸、硫酸、酢酸、塩化アルミ
ニウム、三フッ化ボランーエーテル等の酸あるいはテト
ラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド等の脱シリル
試薬等で水酸基の保護基を除去することにより化合物
(H)を得てもよい。
【0021】化合物(H)から化合物(I)の製造:化
合物(H)のジクロルメタン、ピリジン、ジメチルスル
ホキシドの溶液に無水クロム酸等のクロム系酸化試薬あ
るいはジメチルスルホキシドを使う酸化試薬、二酸化マ
ンガン等のマンガン系酸化試薬等、通常のアルコールを
ケトンに変換する反応により化合物(I)を得ることが
できる。
【0022】化合物(F)から化合物(J)の製造:化
合物(F)のメタノール、エタノール、水、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等の溶液に1〜20当量の水素化
ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等の還元剤を
加え冷却下から加温の条件下に反応し、還元体(J)を
得る。
【0023】これらの各工程で得られる化合物は、慣用
の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、
晶析、再結晶またはクロマトグラフィー等により単離精
製することができる。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体
的に説明する。
【0025】実施例1 3、5−ジメチル−2−メトキシ−6−(10’−オキ
ソウンデシル)−4H−ピラン−4−オン
【化29】 塩化パラジウム(30mg)および塩化第一銅(149mg)を
ジメチルホルムアミド−水混液(7:1)(10ml)に加
え、液中に酸素ガスを導入し、室温で1時間撹拌した。
この溶液に、3、5−ジメチル−2−メトキシ−6−
(10’−ウンデセニル)−2H−ピラン−2−オン
(461mg)のジメチルホルムアミド−水混液(7:1)
(5ml)の溶液を滴下し、室温で19時間撹拌した。反応
液を希塩酸とエーテルの混液と混合した。エーテル層を
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水により順次洗浄
後乾燥し、濃縮乾固した残渣をシリカゲルクロマトグラ
フィー[Kiesel gel 60(メルク)(以下同
様)、n−ヘキサン−アセトン混液で溶離]にて精製し
て、目的物(262mg)を得た。 Ms:322(M+) IR(film,cm-1)1715,1668,1590 NMR(CDCl3,δ)1.26−1.35(10H,m)1.53−1.66(4
H,m)1.85(3H,s)1.94(3H,s)2.13(3H,s)2.41
(2H,t,J=7Hz)2.57(2H,t,J=7Hz)3.95(3H,s) 尚、原料は以下の方法により製造した。
【0026】3−ヒドロキシ−2−メチル−5−オキソ
−3−ヘキセン酸エチルの製造 水素化ナトリウム(60%油分散剤)(2.01g)のテトラ
ヒドロフラン(160ml)溶液に窒素気流、氷冷下に2−
メチルアセト酢酸エチル(5.88g)のテトラヒドロフラ
ン(10ml)溶液を加え、20分間撹拌した。この溶液に、
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.69M,28ml)を
加え、さらに20分間撹拌した。この反応液に、酢酸メチ
ル(1.55g)を一度に加えて氷冷下にて20分撹拌し、再
度n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.69M,28ml)
と酢酸メチル(1.55g)を加えてさらに20分間撹拌を続
けた。反応液にエーテル(50ml)、水(50ml)、そして
濃塩酸(16ml)を順次加え、有機層を分取し、飽和炭酸
水素ナトリウム水、次いで飽和食塩水により洗浄後、溶
媒を濃縮し残渣を減圧下に蒸留して目的物(4.48g)を
得た。 沸点:82−85℃(0.3mmHg) IR(film,cm-1)1738,1610
【0027】4−ヒドロキシ−3,5,6−トリメチル
−2H−ピラン−2−オンの製造 3−ヒドロキシ−2−メチル−5−オキソ−3−ヘキセ
ン酸エチル(3.50g)、炭酸カリウム(3.15g)およびヨ
ウ化メチル(4.03g)をアセトン(75ml)に加え、1時
間加熱還流した。不溶物を濾去し、濾液を減圧下に濃縮
して油状残渣を得た。残渣にポリリン酸(10.32g)を加
え、100℃において1時間加温した。反応液を氷水(30m
l)と混合し、酢酸エチルで抽出し、水洗、乾燥そして
濃縮し油状残渣を得た。これにn−ヘキサン(20ml)を
加え、生じた不溶物を濾取し乾燥して目的物(891mg)
を得た。 Ms:154(M+) IR(KBr,cm-1)1666,1639,1568
【0028】3、5−ジメチル−4−ヒドロキシ−6−
(10’−ウンデセニル)−2H−ピラン−2−オンの
製造 4−ヒドロキシ−3,5,6−トリメチル−2H−ピラ
ン−2−オン(884mg)およびヘキサメチレンホスホラ
ミド(3ml)をテトラヒドロフラン(20ml)に加え、窒
素気流下に−70℃に冷却し、n−ブチルリチウムのヘキ
サン溶液(1.69M,7.5ml)を加え、氷冷下に2時間撹拌
した。この混合物に、9−ブロモ−1−デセン(1.25
g)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液を加えた。冷却
下(−20〜−5℃)にて15時間撹拌し、反応液を氷水
(20ml)と混合した。水層をヘキサンで洗浄し、希塩酸
でpH6に調整後、エーテル(15ml×3)と混合した。
エーテル層を水洗、乾燥、そして濃縮後にシリカゲルク
ロマトグラフィー(クロロホルムで溶離)にて精製し、
目的物(453mg)を得た。 Ms:292(M+) IR(KBr,cm-1)1664,1641,1566
【0029】3、5−ジメチル−2−メトキシ−6−
(10’−ウンデセニル)−4H−ピラン−4−オンの
製造 3、5−ジメチル−4−ヒドロキシ−6−(10’−ウ
ンデセニル)−2H−ピラン−2−オン(450mg)およ
びメチルフルオロスルホン酸(1ml)をジクロルメタン
(10ml)に加え、室温で1時間撹拌した。反応液を減圧
下に濃縮し、残渣に4%水酸化ナトリウム水溶液と酢酸
エチルを加えた。有機層を水洗、乾燥後濃縮することに
より粉末として目的物(400mg)を得た。 Ms:306(M+) IR(KBr,cm-1)1670,1602
【0030】実施例2 3、5−ジメチル−2−メトキシ−6−(9’−ヒドロ
キシウンデシル)−4H−ピラン−4−オン
【化30】 3、5−ジメチル−4−ヒドロキシ−6−(9’−t−
ブチルジメチルシリルオキシウンデシル)−2H−ピラ
ン−2−オン(213mg)、炭酸カリウム(70mg)および
ジメチル硫酸(94mg)をアセトン(25ml)に加えて1時
間加熱還流した。反応液を減圧下に濃縮し、水と酢酸エ
チルを加えた。有機層を水洗、乾燥後濃縮し、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢
酸エチル混液で溶離)で精製し、目的物(42mg)を得
た。 Ms:324(M+) IR(film,cm-1)3390,1666,1585 NMR(CDCl3,δ)0.94(3H,t,J=7Hz)1.25−1.70(16
H,m)1.84(3H,s)1.93(3H,s)2.57(2H,t,J=6H
z)3.52(1H,m)3.95(3H,s) 尚、原料は以下の方法により製造した。
【0031】3、5−ジメチル−4−ヒドロキシ−6−
(9’−t−ブチルジメチルシリルオキシウンデシル)
−2H−ピラン−2−オンの製造 4−ヒドロキシ−3,5,6−トリメチル−2H−ピラ
ン−2−オン(499mg)(実施例1の製造中間体)およ
びヘキサメチレンホスホラミド(2ml)をテトラヒドロ
フラン(25ml)に加え、窒素気流下に−70℃に冷却し、
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.69M,4ml)を
加え、氷冷下にて2時間撹拌した。この溶液に、10−
ブロモ−3−t−ブチルジメチルシリルオキシデカン
(1.05g)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液を加え
た。冷却下(−20〜−5℃)にて12時間撹拌し、反応液
を氷水(25ml)と混合した。水層をヘキサンで洗浄し、
希塩酸でpH6に調整後、エーテル(20ml×3)を加え
た。エーテル層を水洗、乾燥、そして濃縮後に、シリカ
ゲルクロマトグラフィー(クロロホルムで溶離)にて精
製し、目的物(359mg)を得た。 IR(film,cm-1)1664,1564
【0032】実施例3 3、5−ジメチル−2−メトキシ−6−(9’−オキソ
ウンデシル)−4H−ピラン−4−オン
【化31】 実施例2の化合物(3、5−ジメチル−2−メトキシ−
6−(9’−ヒドロキシウンデシル)−4H−ピラン−
4−オン)(24mg)のジクロルメタン(5ml)溶液にピ
リジニウムジクロメイト(36mg)を加え、室温で2時間
撹拌した。エーテル(50ml)を加え、不溶物を濾過によ
り除き、ろ液を濃縮乾固し、そしてシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(n−ヘキサン−アセトン混液で溶
離)により精製し、目的物(13mg)を得た。 Ms:322(M+) IR(film,cm-1)1713,1668,1593 NMR(CDCl3,δ)1.04(3H,t,J=7Hz)1.2−1.4(10
H,m)1.50−1.63(4H,m)1.83(3H,s)1.92(3H,
s)2.36−2.42(4H,m)2.56(2H,t,J=7Hz)3.93(3
H,s)
【0033】実施例4 2−メトキシ−6−(10’−オキソウンデシル)−4
H−ピラン−4−オン
【化32】 実施例1と同じ製法により、2−メトキシ−6−(1
0’−ウンデセニル)−2H−ピラン−2−オンから表
記化合物を得た。 Ms:294(M+) IR(film,cm-1)1707,1663,1622,1583 NMR(CDCl3,δ)1.25−1.4(10H,m)1.5−1.68(4H,
m)2.15(3H,s)2.45(2H,t,J=7Hz)2.50(2H,t,J
=7Hz)3.90(3H,s)5.50(1H,s)6.02(1H,s)
【0034】実施例5 3−エチル−2−メトキシ−5−メチル−6−(10’
−オキソウンデシル)−4H−ピラン−4−オン
【化33】 実施例1と同じ製法により、3−エチル−2−メトキシ
−5−メチル−6−(10’−ウンデセニル)−2H−
ピラン−2−オンから表記化合物を得た。 Ms:336(M+) NMR(CDCl3,δ)1.03(3H,t,J=7Hz)1.2−1.7(14
H,m)1.93(3H,s)2.13(3H,s)2.37−2.43(4H,
m)2.56(2H,t,J=7Hz)3.94(3H,s)
【0035】実施例6 3−エチル−2−メトキシ−5−メチル−6−( 9’
−オキソウンデシル)−4H−ピラン−4−オン
【化34】 実施例3と同じ製法により、3−エチル−2−メトキシ
−5−メチル−6−(9’−ヒドロキシウンデシル)−
4H−ピラン−4−オン)から表記化合物を得た。 Ms:336(M+) NMR(CDCl3,δ)1.02−1.07(6H,m)1.26−1.67(12
H,m)1.93(3H,s)2.37−2.43(6H,m)2.56(2H,
t,J=7Hz)3.94(3H,s)
【0036】実施例7 3、5−ジメチル−2−メトキシ−6−(10’−ヒド
ロキシウンデシル)−4H−ピラン−4−オン
【化35】 実施例1の化合物(3、5−ジメチル−2−メトキシ−
6−(10’−オキソウンデシル)−4H−ピラン−4
−オン)(207mg)のメタノール(30ml)溶液に水素化
ホウ素ナトリウム(101mg)を加え室温で5時間撹拌し
た。反応液にクロロホルム(80ml)を加え、クロロホル
ム層を分取した。希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、食塩水で順次洗浄後乾燥・濃縮し、残渣をシリカゲ
ルクロマトグラフィーにて精製して、目的物(182mg)
を得た。 Ms:324(M+) IR(film,cm-1)3442,1666,1587 NMR(CDCl3,δ)1.17(3H,d,J=6Hz)1.20−1.71(16
H,m)1.84(3H,s)1.93(3H,s)2.57(2H,t,J=7H
z)3.77(1H,m)3.94(3H,s)
【0037】実施例8 薬理学的試験 以下に、本発明の化合物のインビトロにおける骨吸収抑
制作用(マウス頭蓋冠からのPTH誘発カルシウム遊離
抑制作用)に関する試験方法およびその結果を示す。
【0038】[骨吸収抑制作用]生後5〜6日のddY
系マウス新生仔の頭蓋冠を無菌的に切除してダルベッコ
修正リン酸緩衝生理食塩液(ギブコオリエンタル社製)
で洗浄し、中央縫合線に沿って分割した。頭蓋冠の半分
を、熱で不活性化(56℃、60分間)した馬血清 15%、
仔牛血清 2.5%を含むダルベッコ修正イーグル培養液
(ギブコオリエンタル社製)1.5ml 中 で培養した。
【0039】各試験化合物は培養液中 0.3μg/mlとなる
ようにエタノール(最終濃度1%)に溶解し、また、P
TH(副甲状腺ホルモン)は培養液中 1×10-8Mとなる
ように 0.15M食塩水(pH3)に溶解し、それぞれを培
養液に加えた。培養は、空気95%、二酸化炭素5%の雰
囲気中、37℃で48時間後に培養液を交換し、その後さら
に37℃で48時間、通算で96時間実施した。96時間後に、
採取した培養液中の総カルシウム濃度をカルシウムCテ
ストワコー(和光純薬社製)を用いて測定した。各試験
化合物の骨吸収抑制率は、無添加群、PTHのみ添加し
た群、および試験化合物およびPTHを共に添加した群
の総カルシウム濃度測定値を用いて、次式より算出し
た。
【0040】 抑制率(%)=(CP−CD)/(CP−C0)×100 CD:試験化合物とPTHとの両方を添加した培養液中
の総カルシウム濃度 CP:PTHのみ添加した培養液中の総カルシウム濃度 C0:無添加の培養液中の総カルシウム濃度 結果を表1に示す。
【0041】
【表1】表1 骨吸収抑制作用化合物(濃度μg/ml) 抑制率(%) 実施例1(0.3) 87.3 実施例3(0.3) 41.6 実施例4(0.3) 16.5 実施例5(0.3) 83.7 実施例6(0.3) 78.5 実施例7(0.3) 97.6
【0042】
【発明の効果】本発明の化合物は、優れた骨吸収抑制作
用を有し、骨粗鬆症の予防および治療剤として有用であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 金澤 勉 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 久田 孝 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 美濃部 安史 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1): 【化1】 [式中、R1およびR3は各々独立に水素原子または低級
    アルキル基、R2は水素原子、低級アルキル基、水酸基
    または低級アルコキシ基、そしてR4は水素原子、低級
    アルキル基または式(2): 【化2】 で示されるアルキル置換基(式中、mは5から10まで
    の整数、nは0から3までの整数、AおよびBはいずれ
    か一方が水酸基または低級アルコキシ基で他方が水素原
    子であるかまたはAおよびBが一緒になって隣接する炭
    素原子と共にカルボニル基を形成する)である]で示さ
    れるピラン誘導体。
  2. 【請求項2】 式(1)において、R1およびR3が低級
    アルキル基、R2が低級アルコキシ基であり、そして式
    (2)においてmが7から9、nが0または1であり、
    そしてAおよびBが一緒になって隣接する炭素原子と共
    にカルボニル基を形成する置換基からなる、請求項1記
    載の化合物。
  3. 【請求項3】 式(1)において、R1がメチル基また
    はエチル基、R2がメトキシ基、R3がメチル基であり、
    そして式(2)においてmが8、nが0または1であ
    り、そしてAおよびBが一緒になって隣接する炭素原子
    と共にカルボニル基を形成する置換基からなる、請求項
    2記載の化合物。
  4. 【請求項4】 式(1): 【化3】 [式中、R1およびR3は各々独立に水素原子または低級
    アルキル基、R2は水素原子、低級アルキル基、水酸基
    または低級アルコキシ基、そしてR4は水素原子、低級
    アルキル基または式(2): 【化4】 で示されるアルキル置換基(式中、mは5から10まで
    の整数、nは0から3までの整数、AおよびBはいずれ
    か一方が水酸基または低級アルコキシ基で他方が水素原
    子であるかまたはAおよびBが一緒になって隣接する炭
    素原子と共にカルボニル基を形成する)である]で示さ
    れるピラン誘導体を有効成分として含有することを特徴
    とする、医薬組成物。
  5. 【請求項5】 式(1)において、R1がメチル基また
    はエチル基、R2がメトキシ基、R3がメチル基であり、
    そして式(2)においてmが8または9、nが0または
    1であり、そしてAおよびBが一緒になって隣接する炭
    素原子と共にカルボニル基を形成する置換基からなる、
    請求項4記載の医薬組成物。
  6. 【請求項6】 式(1): 【化5】 [式中、R1およびR3は各々独立に水素原子または低級
    アルキル基、R2は水素原子、低級アルキル基、水酸基
    または低級アルコキシ基、そしてR4は水素原子、低級
    アルキル基または式(2): 【化6】 で示されるアルキル置換基(式中、mは5から10まで
    の整数、nは0から3までの整数、AおよびBはいずれ
    か一方が水酸基または低級アルコキシ基で他方が水素原
    子であるかまたはAおよびBが一緒になって隣接する炭
    素原子と共にカルボニル基を形成する)である]で示さ
    れるピラン誘導体の製造方法であって、式(A): 【化7】 で示されるカルボン酸エステルを塩基の存在下に、酢酸
    の低級アルキルエステルとの炭素アシル化反応により一
    般式(B): 【化8】 で示されるカルボン酸エステルに変換し、そして化合物
    (B)を塩基の存在下にR7Xで示されるアルキルハラ
    イドでアルキル化し、さらに酸処理して式(C): 【化9】 で示される化合物を得て、化合物(C)と末端に2重結
    合を含むCH2=CH(CH2pXで示されるアルケニ
    ルハライドとの反応により式(D): 【化10】 で示されるαピロン誘導体を得て、αピロンからγピロ
    ンへの変換反応により式(E): 【化11】 で示されるγピロンに変換し、酸化により式(F): 【化12】 で示されるピラン誘導体を得るか、または、化合物
    (C)とR9CH(OR10)−(CH2qXで示される
    アルキルハライドとの反応により式(G): 【化13】 で示されるαピロン誘導体を得て、αピロンからγピロ
    ンへの変換およびR10の脱保護により式(H): 【化14】 で示されるγピロン誘導体を得て、酸化により式
    (I): 【化15】 で示されるピラン誘導体を得るか、または化合物(F)
    を還元することにより式(J): 【化16】 で示されるピラン誘導体を得る工程からなり、式中、R
    5、R6、R7、R8およびR9は低級アルキル基、R10
    低級アルキル基または3個の低級アルキル置換基を有す
    るシリル基、Xはハロゲン原子、そしてpおよびqは4
    から9までの整数を表す、製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014504285A (ja) * 2010-12-10 2014-02-20 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 2−ピロン
WO2022036393A1 (en) * 2020-08-18 2022-02-24 Western Sydney University Insecticide

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