JPH10182527A - ジメチルエーテルの製造方法 - Google Patents

ジメチルエーテルの製造方法

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JPH10182527A
JPH10182527A JP34767996A JP34767996A JPH10182527A JP H10182527 A JPH10182527 A JP H10182527A JP 34767996 A JP34767996 A JP 34767996A JP 34767996 A JP34767996 A JP 34767996A JP H10182527 A JPH10182527 A JP H10182527A
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dimethyl ether
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雅嗣 水口
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高志 小川
Masami Ono
正巳 小野
Keiji Tomura
啓二 戸村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一酸化炭素と水素及び/又は水蒸気との混合
ガス、又は、上記混合ガスに更に二酸化炭素が含まれる
混合ガスから、ジメチルエーテルを製造する方法におい
て、従来のDME合成におけるよりも原料転化率を一層
向上させる。 【解決手段】 ジメチルエーテル合成用の反応器を直列
に2段に設け、混合ガスを1段目の反応器R2におい
て、メタノール合成触媒とメタノール脱水触媒と水性ガ
スシフト触媒とを含む触媒に接触させ、次いで、2段目
の反応器3において、上記1段目の反応器における反応
温度よりも低い温度で、メタノール合成触媒とメタノー
ル脱水触媒と水性ガスシフト触媒とを含む触媒に接触さ
せる。 【効果】 合成プロセの経済性が大幅に向上し、ジメチ
ルエーテルを安価に、且つ生産性よく製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一酸化炭素と水
素及び/又は水蒸気との混合ガス、又は、上記混合ガス
に更に二酸化炭素が含まれる混合ガスから、ジメチルエ
ーテルを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
〔ジメチルエーテルの用途について〕ジメチルエーテル
は、低毒性で安定しており、フロンに代わる噴射剤(プ
ロペラント)、合成ガソリンの中間原料、LPGの代替
燃料及びディーゼル機関の燃料等に使われる。
【0003】〔ジメチルエーテルの合成について〕一酸
化炭素、二酸化炭素及び水素の混合ガスからジメチルエ
ーテルを製造する方法は、下記の二種の方法がある。
【0004】メタノール脱水法:現在行なわれているジ
メチルエーテルの工業的製造方法は、所謂メタノール脱
水法である。この方法は、原料としてメタノールを用
い、このメタノールの脱水反応によりジメチルエーテル
を製造するものでる。なお、メタノールは通常、COと
2 とからなる合成ガスから製造される。
【0005】合成ガスを原料とする方法:一方、最近に
なって、CO及びH2 を含む合成ガスから一段でジメチ
ルエーテルを合成する技術が開発されようとしている。
上記ジメチルエーテルの合成技術に関連して、例えば、
次の技術が開示されている。
【0006】〔特公昭54−32764号公報〕 触媒:アルミナに亜鉛及びクロムを担持したメタノール
脱水触媒を混合する。 反応器形式:反応器に上記触媒を充填するか、又は上記
触媒を交互に層状に反応器に充填し、これに一酸化炭
素、二酸化炭素及び水素の混合ガスを供給してジメチル
エーテルを製造する。
【0007】〔特公昭61−4332号公報) 触媒:銅、亜鉛、クロム及びアルミニウムの酸化物の混
合物を、熱、高温水蒸気及び機械的応力に耐えうるよう
に、テトラエチルオルトシリケート等のケイ素化合物で
処理し、その後で成型した触媒を使用する。
【0008】〔特開平3−181453号公報)これに
は、CO及びH2 を含む合成ガスから一段でジメチルエ
ーテルを合成する技術が開示されている。 反応器形式:反応器に一酸化炭素と水素との混合ガス、
又はこれに更に二酸化炭素及び/又は水蒸気を含む混合
ガスからジメチルエーテルを製造する方法において、触
媒を溶媒に懸濁させてスラリー状態で使用する。
【0009】〔特表平5−810069号公報〕これに
は、CO及びH2 を含む合成ガスから一段でジメチルエ
ーテルを合成する技術が開示されている。 触媒:メタノール合成触媒、メタノール脱水触媒及び水
性ガスシフト触媒を共粉砕した後、これらを加圧密着さ
せ、次いで再粉砕した触媒を使用する。 反応器形式:一酸化炭素と水及び/又は水蒸気とが含ま
れる混合ガス、又は、上記混合ガスに更に二酸化炭素が
含まれる混合ガスからジメチルエーテルを製造する方法
において、上記触媒を溶媒に懸濁させたスラリー状態で
使用する。
【0010】図5に、合成ガスから一段法によりジメチ
ルエーテル(DME)を製造する従来の装置例のフロー
シートを示す。この製造装置は、反応器R1、メタノー
ル・水分離器S1、未反応ガス分離器S2、及びCO2
分離器S3からなっている。反応器R1の底部には原料
ガスライン2が接続され、この原料ガスライン2には、
新たな原料ガスを供給するメイクアップガスライン1と
未反応CO及びH2 を循環供給するリサイクルガスライ
ン11が接続されている。メイクアップガス1’はCO
ガス12’とH2 ガス13とからなる。反応器R1の頂
部からは、反応生成物3’を排出させる反応ガスライン
3がメタノール・水分離器S1の入口に接続され、また
メタノール・水分離器S1のメタノール及び水4’出口
にはメタノール・水ライン4が、そして反応生成物5’
出口には反応ガスライン5が接続されている。この反応
ガスライン5の他端は未反応ガス分離器S2の入口に接
続され、未反応ガス分離器S2のリサイクルガス7’出
口には、上記リサイクルガスライン11の他端が接続さ
れている。このリサイクルガスライン7と11との接続
部から、リサイクルガス7’の一部を抜き出すパージラ
イン10が接続されている。未反応ガス分離器S2のD
ME及びCO2 6’出口には、DME・CO 2 ライン6
が接続され、DME・CO2 ライン6の他端はCO2
離器S3に接続され、そして、CO2 分離器S3のCO
2 8’出口にはCO2 ライン8が、そしてDME9’出
口にはDMEライン9がそれぞれ接続されている。上記
CO2分離器S3ではDMEからCO2 が分離され、C
2 は廃棄される。
【0011】このように、従来のDME合成の一段法に
おいては、反応生成物3’から先ず、メタノール・水分
離器S1でメタノール及び水4’を分離し、次いで未反
応ガス分離器S2で未反応COとH2 とを主成分とする
リサイクルガス7’を分離し、これを反応器Rにリサイ
クルして原料の利用効率の向上を図っている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ジメチルエーテルの製
造において、原料転化率を大きくすることにより、効率
的にジメチルエーテルを製造することは、原料資源の有
効利用、設備コスト及び運転コストの低減、並びに、生
産性向上等の観点から重要であり、その実現が要請され
ていた。このような状況下において、メタノール脱水法
に対して、上述した一段法によるジメチルエーテルの合
成技術の進歩により、原料転化率が向上した。
【0013】ジメチルエーテルの合成反応は、下記に示
す三つの化学平衡反応によって進行する。 メタノール合成反応:CO+2H2 →CH3 OH --------------(1) メタノール脱水反応:2CH3 OH→CH3 OCH3 +H2 O----(2) 水性ガスシフト反応:H2 O+CO→H2 +CO2 --------------(3) 反応(1)を単独で行なう場合、これは所謂メタノール
合成反応である。このメタノール合成反応には化学平衡
的な制約があり、転化率を高めるためには反応圧力を8
0〜120Kg/cm2 G程度の高圧条件を必要とす
る。ところが、合成ガスを用いる一段法によれば、幸い
にも、化学平衡的に極めて有利な反応である反応(2)
が同一反応容器内で引き続き起きることにより、反応
(1)のメタノールが消費される。従って、反応(1)
に不利な反応平衡が補われる。
【0014】上記理由により、従来の、メタノールの合
成とメタノールの脱水反応とを異なる反応器で行なわせ
てジメチルエーテルを製造する方法に比べると、一段法
によるジメチルエーテルの合成は、はるかに容易に、C
O及びH2 の転化率を向上させることができることを意
味する。
【0015】図3に、一段法における反応(1)、
(2)及び(3)の化学反応平衡に基づく、H2 、C
O、メタノール、CO2 、水及びジメチルエーテルの化
学反応平衡組成図の例を示す。例えば、反応温度:30
0℃、反応圧力:50気圧、初期CO:H2 のモル濃度
比が1:1であるとした反応条件の場合では、化学反応
平衡到達時のCO転化率は、74.5%となる。この転
化率は、この反応条件と同一条件におけるメタノール合
成反応時の化学反応平衡到達時のCO転化率11.3%
と比べるとかなり大きな値である。しかしながら、一段
法によるジメチルエーテルの製造では、仮にこの化学反
応平衡が達成されたとしても、未反応のCO及びH2
まだかなり残存することがわかる(COの未反応残存
率:25.5%)。実際の一段法によるDME合成の反
応器内では、化学反応平衡に達してはいない。例えば、
上記特表平5−810069号公報によれば、COの転
化率は45〜60%程度であることが記載されている。
【0016】前記図5において説明したとおり、従来の
一段法によるDME合成ラインにおいては、反応器R1
内で未反応のまま残存したCO及びH2 を有効利用する
ために、リサイクルガス11’を反応器R1に再循環さ
せる。このリサイクルガス11’は量が多いほど、リサ
イクルコンプレサー(図示せず)動力や、生成物分離装
置(S1、S2及びS3等)の容量を大きくしなければ
ならない。従って、製造プロセス全体の経済性を悪化さ
せる要因になる。
【0017】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決して、COとH2 とを主原料としてDMEを合成
する場合に、従来のDME合成におけるよりも原料転化
率を一層向上させることができるジメチルエーテルの製
造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した観
点から、原料転化率を一層向上させるために、鋭意研究
を重ねた。従来、原料のCO転化率を向上させる研究
は、DME合成反応器内の反応を進行させるために、反
応器の形式や反応触媒について行なわれてきた。これに
対して、本発明者は、従来とは異なった着想のもとに研
究を重ねた。
【0019】本発明者は、COとH2 とからなる合成ガ
スからDMEを一段法で製造する場合に、反応器内で化
学反応平衡に到達したと仮定した場合の、COの転化率
(平衡転化率)を、種々の反応温度について求めた。
【0020】図4に、反応温度と合成ガスのCOの平衡
転化率との関係を例示した。但し、反応圧力を、50K
g/cm2 G、そして合成ガスの初期H2 :COのモル
濃度比を1:1とした。これによれば、反応平衡上で
は、低温域の方がCOの平衡転化率が大きく、DME合
成に有利であることがわかる。
【0021】そこで、本発明者は、合成ガスを原料とし
てジメチルエーテルを製造する方法において、高温域に
おける反応により、反応速度を優先させ、次いで、この
反応の進行度合いに応じて、反応平衡的に有利な低温域
において反応させることに着眼した。そのために、DM
Eの合成反応を二段階に分けた。一段目の反応では、メ
タノール合成触媒、メタノール脱水触媒及びシフト触媒
を装填した反応器を用い、そして二段目の反応では、上
記と同じ触媒を装填した反応器を用い、一段目よりも低
温で反応を行なわせることにより、高いCOの平衡転化
率が達成されることを見い出し、この発明を完成した。
【0022】COとH2 とからのジメチルエーテル合成
は、平衡論的には低温域が有利である。しかし、低温域
では反応速度が小さく、実際の反応器内滞留時間では、
到底反応平衡には到達しない。そこで、先ず、一段目の
反応で、反応速度の大きい高温域で反応させ、この温度
での平衡転化率にほぼ近づけ、次に、二段目の反応を、
一段目より低温で行なう。この低温条件では、反応速度
は一段目より小さいが、反応平衡上はこの低温条件の方
が有利であるから、更に反応が進行し、最終的には大き
な反応転化率が得られるのである。
【0023】この発明は、上記知見に基づきなされたも
のであって、この発明のジメチルエーテルの製造方法
は、原料ガスとして、一酸化炭素と水素及び/又は水蒸
気とが含まれる混合ガス、又は、前記混合ガスに更に二
酸化炭素が含まれる混合ガスを用いてジメチルエーテル
を合成するジメチルエーテルの製造方法において、ジメ
チルエーテル合成用の反応器を直列に2段に設け、上記
混合ガスを1段目の反応器において、メタノール合成触
媒とメタノール脱水触媒と水性ガスシフト触媒とを含む
触媒に接触させ、次いで、2段目の反応器において、1
段目の反応器における反応温度よりも低い温度で、メタ
ノール合成触媒とメタノール脱水触媒と水性ガスシフト
触媒とを含む触媒に接触させることに特徴を有するもの
である。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、この発明を、図面を参照し
ながら説明する。図1に、この発明の方法を実施するジ
メチルエーテル製造装置の一例のフローシートを示す。
この製造装置は、前記図5に示した従来の、合成ガスか
ら一段法によりジメチルエーテルを製造する装置例のD
ME合成用の反応器R1に相当するものとして、一段目
の反応器R2と二段目の反応器R3との2基に変更した
ものである。反応器R2は、触媒を装填した反応器、反
応器3は、R2と同じ触媒を装填した反応器である。こ
の装置のその他の構成は、図5に示した従来例に準じ
る。この発明における著しい特徴は、上記反応(1)、
(2)及び(3)からなる同じ化学反応を、反応器R2
及びR3の2段にわたって行なわせ、1段目の反応器R
2においては、高温域で、且つ2段目の反応器R3にお
いては、1段目よりも低温域で行なわせることである。
【0025】以下に、触媒及び反応条件について詳細に
述べる。 〔触媒〕この発明で使用する触媒は、メタノール合成触
媒、メタノール脱水触媒、及び水性ガスシフト触媒を組
み合わせたものである。メタノール合成触媒としては、
工業的にメタノール合成に用いられる酸化銅−酸化亜鉛
/酸化クロム、及び酸化銅−酸化亜鉛/アルミナ等を用
いる。メタノール脱水触媒としては、酸触媒であるγ−
アルミナ、シリカ、シリカ・アルミナ、及びゼオライト
等を用いる。ここで、ゼオライトの金属酸化物成分とし
ては、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属の酸化
物、並びにカルシウム及びマグネシウム等のアルカリ土
類金属の酸化物等を用いる。水性ガスシフト触媒として
は、酸化銅−酸化亜鉛、酸化銅−酸化クロム−酸化亜鉛
及び酸化鉄−酸化クロム等を用いる。メタノール合成触
媒は、強いシフト触媒活性を有するので、水性ガスシフ
ト触媒を兼ねることができる。このようにメタノール脱
水触媒と水性ガスシフト触媒とを兼ねるものとして、ア
ルミナ担持酸化銅触媒を用いることができる。
【0026】上記三触媒の混合割合は、特に限定する必
要はなく、各成分の種類あるいは反応条件等に応じて適
宜選定すればよい。但し、通常は重量比で、メタノール
合成触媒1に対してメタノール脱水触媒を0.1〜5程
度、望ましくは0.2〜2程度と、水性ガス触媒を0.
2〜5程度、望ましくは0.5〜3程度とを混合する。
メタノール合成触媒と水性ガスシフト触媒とを同一物質
とし、メタノール合成触媒に水性ガスシフト触媒を兼ね
させる場合には、両触媒を合算した量のメタノール合成
触媒を用いるものとする。
【0027】触媒の形態について、平均粒径:300μ
m 以下、望ましくは1〜200μm、一層望ましくは1
0〜150μm程度に粉砕しのものがよい。更に効果的
に使用するために、適宜、上記混合粉体を圧密・成型
し、再度粉砕し、上記粒度に調製したものを使用する。
【0028】触媒反応器の形式は、1段目は、固定床、
懸濁スラリー床のいずれでもよい。一方、2段目は、懸
濁スラリー床を用いてもよいが、特に固定床が望まし
い。この理由は、固定床では単位体積当たりの触媒充填
量を大きくすることができること、及び、2段目は既に
かなり反応が進行した後であるので、大量の反応熱の除
去は必要としないからである。
【0029】固定床を用いる場合には、触媒は公知の方
法により適宜造粒して用いる。一方、スラリー床を用い
る場合には溶媒としては、反応条件下において液体状態
を安定して維持するものでなければならない。例えば、
脂肪族、芳香族及び脂環族の炭化水素、アルコール、エ
ーテル、エステル、ケトン及びハロゲン化物、並びにこ
れらの化合物の混合物等を使用する。溶媒中に存在させ
る触媒量は、溶媒の種類及び反応条件等によって適宜き
めるが、通常、溶媒に対して1〜50重量%の範囲内で
なければならず、望ましくは2〜30重量%の範囲内が
よい。
【0030】〔反応条件〕メイクアップガスのH2 とC
Oとの混合割合は、H2 /COのモル濃度比で、20〜
0.1の範囲内、望ましくは10から0.2の範囲内が
よい。また、CO 2 は原料ガス組成として、50モル濃
度%以下が望ましい。
【0031】1段目の反応条件としては、反応温度:1
50〜400℃の範囲内が望ましく、特に、250〜3
50℃の範囲内が望ましい。反応温度が150℃より低
いと反応速度が遅ので望ましくなく、一方、400℃よ
り高いと触媒が失活するので望ましくない。反応温度
は、特に望ましくは、200〜350℃の範囲内がよ
い。反応圧力は、10〜300Kg/cm2 Gの範囲
内、特に望ましくは15〜150Kg/cm2 Gの範囲
内がよい。反応圧力が10Kg/cm2 Gよりも低いと
反応速度が小さくなり望ましくなく、一方、300Kg
/cm2 Gよりも高いと、装置の動力が大きくなり過ぎ
るので望ましくない。空間速度(触媒1kg当たりの標
準状態における原料ガスの供給速度)は、100〜50
000Nl/kg・hが望ましく、特に500〜300
0Nl/kg・hが望ましい。空間速度が50000N
l/kg・hよりも大きいと、反応時間が短すぎて望ま
しくなく、一方、100Nl/kg・hよりも小さい
と、反応器が極端に大きくなり経済的でない。
【0032】2段目の反応条件としては、反応温度を1
段目の反応温度よりも低くしなければならない。有利な
反応条件を得るために、望ましくは1段目の反応温度よ
りも1〜30℃低い温度にするのがよい。反応温度が低
すぎると、反応速度が大きくならない。また、1段目の
温度との温度差が小さ過ぎると、2段目における反応の
効果が上がらない。
【0033】
【実施例】次に、実施例によりこの発明を更に詳しく説
明する。触媒を次の要領で調製した。
【0034】〔触媒A〕:CuO−ZnO−Al2 3 硝酸銅(Cu(NO3 2 ・3H2 O):185g、硝
酸亜鉛(Zn(NO32 ・6H2 O):117g、及
び硝酸アルミニウム(Al(NO3 2 ・9H 2 O):
52gをイオン交換水約1リットル(l)に溶解した水
溶液と、炭酸ナトリウム(NaCO3 ):約1.4kg
をイオン交換水約1リットル(l)に溶解した水溶液と
を、約60℃に保温したイオン交換水約3リットル
(l)の入ったステンレス製容器中に、pHが7.0±
0.5に保持されるように調節しながら、約2時間かけ
て滴下した。滴下終了ご、そのまま約1時間保持して熟
成を行なった。なお、この間にpHが7.0±0.5か
ら外れるようであれば約1mol/lの炭酸ナトリウム
水溶液を滴下して、pHを7.0±0.5にあわせた。
次に、生成した沈殿を濾過した後、洗浄液に硝酸イオン
が検出されなくなるまで、イオン交換水を用いて洗浄し
た。こうして得られたケーキを120℃で24時間乾燥
した後、更に、350℃の空気中で5時間焼成して目的
の触媒を得た。こうして得られた触媒の成分組成は、C
uO:ZnO:Al2 3 =61:32:7(重量比)
であった。
【0035】〔触媒B〕:Cu−Al2 3 イオン交換水約200mlに酢酸銅(Cu(CH3 CO
O)2 ・H2 O):15.7gを溶解し、これにγ−ア
ルミナ(日揮化学製、N612):95gを投入した
後、蒸発乾固した。次いで、こうして得られたものを4
50℃の空気中で4時間焼成した。更に、400℃の水
蒸気流中で3時間処理して触媒を得た。こうして得られ
た触媒の成分組成は、Cu:Al2 3 =5:95(重
量比)であった。
【0036】上記触媒A及び触媒Bを、それぞれボール
ミルで120μm以下に粉砕した。 〔ジメチルエーテル製造装置〕図2に示した装置のフロ
ーシートに準じたジメチルエーテル製造装置を用いて試
験した。この装置は、懸濁スラリー床型の1段目の反応
器R2と、固定床型の2段目の反応器R3とが直列に接
続されたものである。1段目の反応器R2の底部には、
マスフローコントローラー15a及び15bで流量制御
されたCOガス12’及びH2 ガス13’の配管12及
び13が、自動圧力制御弁16a及び16bを介して接
続されている。1段目の反応器R2の頂部からは2段目
の反応器R3の底部に配管で接続され、2段目の反応器
R3の頂部からは冷却器17を介して気液分離器18に
接続されている。この気液分離器18の気体出口側はガ
スメーター19を介して排気側に接続され、一方、気液
分離器18の液体出口側は、製品貯留槽20へ接続され
ている。なお、2段目の反応器R3の出口と冷却器17
との間には、ガスクロマトグラフィーA4に接続する分
岐管が設けられ、この出口の成分組成を適宜分析できる
ようになっている。
【0037】1段目の懸濁スラリー床型の反応器R2
に、熱媒体油としてn−ヘキサデカン:5584ml、
触媒A:430g、触媒B:215g(触媒A/触媒B
=2/1、触媒/熱媒体油=15/100)を仕込ん
だ。2段目の固定床型の反応器R3には、触媒A及び触
媒Bを、表1に示す重量で仕込んだ。
【0038】〔予備還元活性化処理〕次いで、触媒の予
備還元活性化処理を行なった。処理条件は、反応器圧
力:10Kg/cm2 G、反応器温度:220℃にて、
2 /N2 モル濃度比=1/4のガスを、反応器R2及
びR3に50リットル(l)/minの流量で12時間
供給し、予備還元を行なった。
【0039】〔ジメチルエーテルの合成〕次いで、上記
装置の反応系に、H2 /COモル濃度比を1.5/1、
メイクアップガス1’を66.7リットル(l)/mi
nの流量で流通させた。本発明の範囲内の方法である実
施例1〜3、及び本発明の範囲外の方法である比施例1
の試験を行なった。実施例1〜3では、反応器R2とR
3とを用いた2段反応でジメチルエーテルを製造した。
これに対して、比較例1では、反応器R2のみを用いた
1段反応でジメチルエーテルを製造した。
【0040】表1に、実施例1〜3及び比較例1の反応
条件を示す。1段目反応器R2においては、実施例及び
比較例共に、反応圧力:50Kg/cm2 G、反応温
度:280℃とし、実施例においては2段目反応器R3
の反応条件を種々変化させ、ジメチルエーテル合成反応
を行なった。ガス組成の分析には、ガスクロマトグラフ
ィA4を用いて、反応系の出口のガス流量はガスメータ
ーを用いて測定し、これによりCO転化率及び各生成物
の選択率(炭素モル基準、CO2 を除外した数値として
算出)を計算した。その結果を、表1に併記する。
【0041】
【表1】
【0042】比較例1では、2段目の反応を有しないの
で、CO転化率が小さい。これに対して、実施例1〜3
は、2段目の反応を設け、1段目より低温で反応を行な
っているので、CO転化率が大きい。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
一酸化炭素と水素及び/又は水蒸気、あるいは更に二酸
化炭素とから、高い転化率でジメチルエーテルを得るこ
とができる。その結果、下記事項を達成し得るジメチル
エーテルの製造方法を提供することができ、工業上有用
な効果がもたらされる。
【0044】1.リサイクルガス量が減少するので、リ
サイクルコンプレッサー動力原単位が低減し、そして生
成物分離装置の容量が低減するので、プロセスの経済性
を大幅に向上させることができる。
【0045】2.原料ガス資源が有効に利用されるの
で、ジメチルエーテルを安価に、生産性よく製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のジメチルエーテル製造装置の一例を
示すフローシートである。
【図2】この発明の実施例に用いたジメチルエーテル製
造装置を示すフローシートである。
【図3】化学反応平衡に基づく、H2 、CO、メタノー
ル、CO2 、水及びジメチルエーテルの平衡組成の反応
温度依存性の例を示す図である。
【図4】反応温度と合成ガスのCOの平衡転化率との関
係を示すグラフである。
【図5】従来のジメチルエーテル製造装置の一例を示す
フローシートである。
【符号の説明】
1 メイクアップガスライン 1’メイクアップガス 2 原料ガスライン 2’原料ガス 3 反応ガスライン 3’反応生成物 4 メタノール・水ライン 4’メタノール・水 5 反応ガス(含DME、CO2 )ライン 5’反応生成物(含DME、CO2 ) 6 DME、CO2 ライン 6’DME・CO2 7 リサイクルガスライン 7 リサイクルガス 8 CO2 ライン 8’CO2 9 DMEライン 9’DME 10 パージライン 10’パージガス 11 リサイクルガスライン(パージ後) 11’リサイクルガス(パージ後) 12 COガスライン 12’COガス 13 水素ガスライン 13’水素ガス 14 1段目反応ガスライン 14’1段目反応生成物 15a、15b マスフローコントローラー 16a、16b 自動圧力制御弁 17 冷却器 18 気液分離器 19 ガスメーター 20 貯留槽 21 気体ライン 22 液体ライン 23 圧力制御弁 24 レベル制御弁 R1 反応器(DME合成) R2 反応器(DME合成、1段目) R3 反応器(DME合成、2段目) S1 メタノール、水分離器 S2 未反応ガス分離器 S3 CO2 分離器 F1、F2 ガス流量調節器 F1 ガス流量計 A4 ガスクロマトグラフィ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸村 啓二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料ガスとして、一酸化炭素と水素及び
    /又は水蒸気とが含まれる混合ガス、又は、前記混合ガ
    スに更に二酸化炭素が含まれる混合ガスを用いてジメチ
    ルエーテルを合成するジメチルエーテルの製造方法にお
    いて、 前記ジメチルエーテル合成用の反応器を直列に2段に設
    け、前記混合ガスを1段目の前記反応器において、メタ
    ノール合成触媒とメタノール脱水触媒と水性ガスシフト
    触媒とを含む触媒に接触させ、次いで、2段目の前記反
    応器において、前記1段目の反応器における反応温度よ
    りも低い温度で、メタノール合成触媒とメタノール脱水
    触媒と水性ガスシフト触媒とを含む触媒に接触させるこ
    とを特徴とする、ジメチルエーテルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021508286A (ja) * 2017-12-20 2021-03-04 ビーエイエスエフ・ソシエタス・エウロパエアBasf Se ジメチルエーテルを製造するための触媒システムおよび方法

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JP2021508286A (ja) * 2017-12-20 2021-03-04 ビーエイエスエフ・ソシエタス・エウロパエアBasf Se ジメチルエーテルを製造するための触媒システムおよび方法

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