JPH10180942A - 吸水膨張性防水シート - Google Patents
吸水膨張性防水シートInfo
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- JPH10180942A JPH10180942A JP34747096A JP34747096A JPH10180942A JP H10180942 A JPH10180942 A JP H10180942A JP 34747096 A JP34747096 A JP 34747096A JP 34747096 A JP34747096 A JP 34747096A JP H10180942 A JPH10180942 A JP H10180942A
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Abstract
アスファルト塗覆層との接着性に優れ、また、ゴムシー
トとアスファルト塗覆層の界面が剥離しない良好な積層
シートであって、高い止水性を備えた吸水膨張性防水シ
ートを提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂と混合可能なゴム
に、加硫剤、加硫助剤、カーボンブラック、その他の添
加剤を加えて成るゴム組成物にポリオレフィン系樹脂、
および吸水膨張性樹脂を混合したゴムシートに繊維シー
トを接合して成形された加硫ゴムシートを基材とし、該
基材の両面にアスファルトを塗覆してアスファルト塗覆
層を形成した吸水膨張性防水シート。
Description
トに関し、更に詳しくは、建造物の屋上をはじめ地下、
トンネル、貯水池、産業廃棄物処分場、水路等の土木・
建築用構築物の防水ないし止水に用いられる吸水膨張性
防水シートに関する。
し止水のために、アスファルト系、合成ゴム系、合成樹
脂系の防水シートが多用されている。
ァルト、または接着剤等で下地に張り付けていたが、近
年、環境問題、省力化のため、アスファルト系防水シー
トにおいては、ポリマーで改質された改質アスファルト
によって作製された厚手の防水シートの裏面をトーチバ
ーナーで焙り、溶融したアスファルトで下地に張り付け
るトーチ工法、或いはアスファルト系防水シート、特
に、合成樹脂系防水シートに多く見られるように、釘等
により防水シートを下地に固定する釘打ち工法等が普及
して来た。
シール剤でシールするか、釘打ち個所の周辺部の上面を
防水シートの小片で被覆シールするようにしている。
釘打ちした個所の釘軸まわりのシール性が問題となった
り、産業廃棄物処分場等において投棄される廃棄物の硬
い先端部分、廃棄物の角部分等によって防水シートが損
傷を受けてシートに孔があいて漏水事故を起こす危険性
があるので、吸水すると膨潤してコロイド状になる性質
のあるベントナイトや吸水膨張性樹脂を不織布等の少な
くとも片面に付着させ、これをバインダーで固定して得
られた基材の両面に、防水性材料を被覆して作製した防
水シートを用いて、釘軸まわりや外的要因による損傷部
分の止水効果を高めるようにしている。
従来の技術では種々の問題点がある。
トの吸水倍率が低いため、吸水時の膨潤体積が小さく、
防水シートに発生した孔を塞ぐために不織布に対するベ
ントナイトの付着量を非常に多くしなければならないと
いう問題がある。また、ベントナイトは外へ流出して脱
落しやすいので、止水材料としては好ましくない。
トの場合は、用いた吸水膨張性樹脂の吸水倍率は通常5
0倍以上と非常に高く、吸水し、膨潤した後の樹脂の体
積が非常に大きくなって止水効果もかなり高いもののが
ある。しかし、防水シートの釘打ち個所の釘軸まわりの
止水性は高いもの、廃棄物処分場における廃棄物の硬い
先端部分、角部分等による損傷を受けた個所では止水効
果はあまり期待出来ないという問題がある。
られる。防水シートに釘が打ち込まれると、釘軸まわり
から水が浸入し易く、浸入した水は吸水膨張性樹脂の層
に達する。釘軸まわりに存在する吸水膨張性樹脂は直ち
に吸水し膨潤するが、釘の頭と釘が打ち込まれた下地に
よって防水シートの上下が拘束されているので吸水膨張
性樹脂の上下方向の膨潤が抑制され、あまり拘束されな
い水平方向の吸水膨張性樹脂の膨潤が主体となり、釘軸
まわりの隙間が塞がれる。
の硬い先端部分、角部分により防水シートが損傷を受け
た場合のように、周囲があまり拘束されない個所では水
が吸水膨張性樹脂に接すると直ちに吸水し球状に膨張す
るので、隙間を完全に塞ぐことが出来ずに、止水効果が
不十分となる。また、この場合、過剰の水に接すると吸
水膨張性樹脂の脱落が起きることとなって好ましくな
い。
来の防水シートの問題点を解消するためにさなれたもの
であり、本発明者らは鋭意検討の結果、吸水膨張性樹脂
を含有するゴムシートの有するゴム弾性が吸水時の吸水
膨張性樹脂の膨潤を適度に拘束することに着目し、該吸
水膨張性樹脂を含有するゴムシートの両面にアスファル
トを塗覆してアスファルト塗覆層を形成した防水シート
が、土木・建築用構築物の防水ないし止水に用いる防水
シートとして非常に優れていることを見出だし、本発明
の吸水膨張性防水シートを完成させたものである。
を下記に記述する。
レフィン系樹脂と混合可能なゴムに、加硫剤、加硫助
剤、カーボンブラック、その他の添加剤を加えて成るゴ
ム組成物にポリオレフィン系樹脂、および吸水膨張性樹
脂を混合したゴムシートに繊維シートを接合して成形さ
れた加硫ゴムシートを基材とし、該基材の両面にアスフ
ァルトを塗覆してアスファルト塗覆層を形成したことを
特徴とする。
レフィン系樹脂15〜30重量部、吸水膨張性樹脂10〜300
重量部、好ましくは60〜150重量部を配合してもよい。
プロピレン系ゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴ
ム、イソブチレンイソプレンゴム、ハロゲン化イソブチ
レンイソプレンゴムのいずれかとする。
チレン、変性ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル二元
共重合体、エチレングリシジルメタクリレート二元共重
合体、エチレングリシジルメタクリレート酢酸ビニル三
元共重合体、エチレングリシジルメタクリレートアクリ
ル酸メチル三元共重合体のいずれかとする。
塩、澱粉・ポリアクリル酸塩、酢酸ビニル・アクリル酸
共重合体、ポリエチレンオキサイド、イソブチレン・無
水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール・無水マ
レイン酸共重合体、アクリル酸塩・アクリルアミド共重
合体、カルボキシメチルセルロースの単独または2種以
上混合のいずれかとする。
ムシートの少なくとも片面に繊維シートを積層接合、ま
たはゴムシート内部に繊維シートを埋設した接合のいず
れかとし、また繊維シートはポリエステル、ビニロン、
ナイロン等の有機繊維、ガラス等の無機繊維から成る織
布、不織布、編布、編組布のいずれかとする。
ルトにスチレンブタジエンブロック共重合体、スチレン
イソプレンブロック共重合体、アタクチックポリプロピ
レン、アモルファスポリアルファオレフィン、エチレン
酢酸ビニル二元共重合体のいずれかを混合して得られる
改質アスファルト、JIS K 2207に規定する防水工事用ア
スファルト3種または4種のいずれかとする。
塗覆層は、その表面の夫々に粘着防止層が形成されてお
り、かつ、粘着防止層は散布し付着させた珪砂、タルク
等の鉱物質粉粒、ポリオレフィン系フィルムのいずれか
とする。
ポリオレフィン系樹脂と混合可能なゴムであり、エチレ
ンプロピレン系ゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴ
ム、イソブチレンイソプレンゴム、ハロゲン化イソブチ
レンイソプレンゴムが挙げられる。このうちエチレンプ
ロピレン系ゴムはエチレンプロピレン共重合体に加工性
の観点から不飽和結合を有する第三成分として、非共役
ジエンを導入して、エチレンプロピレン非共役ジエン三
元共重合体(EPDM)として用いるが、耐熱性、耐薬
品性、耐オゾン性等に優れる。
ゴムは汎用ゴムとして機械的特性に優れ、また、イソブ
チレンイソプレンゴム、ハロゲン化イソブチレンイソプ
レンゴムは、耐熱性、耐薬品性、耐オゾン性および耐バ
リヤ性に優れている。
の施工個所に合わせて、前記各種ゴムをいずれも適宜に
選択して使用する。
しては、官能基を有しないポリエチレン、ポリプロピレ
ンでもよいが、官能基を有するものは同一配合量でもア
スファルト等への接着性が良好な点で好ましく、変性ポ
リエチレン、変性ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル
二元共重合体、エチレングリシジルメタクリレート二元
共重合体、エチレングリシジルメタクリレート酢酸ビニ
ル三元共重合体、エチレングリシジルメタクリレートア
クリル酸メチル三元共重合体が挙げられる。これらはい
ずれも好適に用いることが出来るが、特にエチレン酢酸
ビニル二元共重合体は汎用的に使用することが出来る点
で最も好ましい。
オレフィン系樹脂を混合すると、その混合量にもよる
が、該樹脂の軟化点または融点以上の温度では、加硫ゴ
ムであっても可塑度が上昇し、外力によって変形し、ま
た樹脂的性質が現われて硬くなり、ゴム状弾性が損なわ
れるが、本発明では、ゴムとしてポリオレフィン系樹脂
と混合可能なゴムを用いるので、ポリオレフィン系樹脂
とゴムとが良好に混合され絡み合い、かつゴムと一緒に
加硫されて三次元網目構造を形成する。従って、得られ
たゴムシートは、ポリオレフィン系樹脂の軟化点以下の
温度でも硬化することなくゴム状弾性を高度に保持し、
かつ熱融着性を備えている。
は、例えばポリアクリル酸塩、澱粉・ポリアクリル酸
塩、酢酸ビニル・アクリル酸共重合体、ポリエチレンオ
キサイド、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体、ポ
リビニルアルコール・無水マレイン酸共重合体、アクリ
ル酸塩・アクリルアミド共重合体、カルボキシメチルセ
ルロース等が挙げられ、これらを単独または2種以上混
合して用いてもよく、いずれも好適に使用することが出
来る。また、吸水膨張性樹脂は粒径としては小さい方が
同一配合量で粒径の大きなものに比し、膨潤した際の樹
脂間の隙間が小さくなり、釘等により生じる隙間を密に
埋めることが出来る理由から径0.01〜0.15mm程度の粉末
状とする。
水膨張性樹脂は、常法に従って硫黄、有機過酸化物等の
加硫剤、ジベンゾチアジル・ジスルフイド(MBT
S)、テトラメチルチウラム・ジスルフイド(TMT
D)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・スル
フエンアミド(CBS)等の加硫助剤、カーボンブラッ
ク、その他の添加物と共に、混練され、混合物のゴムシ
ートに成形されるが、シート化する際に混合物のゴムシ
ートの片面または両面に繊維シートを積層するか、或い
は混合物の内部に埋設して加硫されたゴムシートを補強
する。この場合に用いる補強用の繊維シートとしては、
ポリエステル、ビニロン、ナイロン等の有機繊維、ガラ
ス等の無機繊維から成る織布、不織布、編布、編組布、
またはこれらを組み合わせたものを用いればよい。ま
た、繊維シートの厚さはある程度の強度を有すること
と、加工性のよいこと等の観点から0.1〜0.5mm程度とす
る。
は、防水シートを製造する際に、ゴムシートの両面にア
スファルトを塗覆してアスファルト塗覆層を形成する
が、ゴムシートにはある程度のテンションが掛けられて
おり、塗覆するアスファルトの温度が180℃〜200℃程度
の高温になるので、ゴムシートが弾性の限界を超えて熱
的変形を起こさないようにするためと、施工後における
防水シートとしての強度を保持させるためである。
可能なゴム、加硫剤。加硫助剤、カーボンブラック、そ
の他の添加剤から成るゴム組成物100重量部に対し、ポ
リオレフィン系樹脂15〜30重量部、吸水膨張性樹脂10〜
300重量部、好ましくは60〜150重量部を配合したものを
使用するが、ポリオレフィン系樹脂の配合量が15重量部
未満では、塗覆するアスファルトの接着力が不十分とな
り、また配合量が30重量部を超えると、ゴム状弾性が損
なわれて好ましくない。
酸カルシウム等の充填材と同じようなかたちで分散して
介在するが、ゴム組成物100重量部に対し、配合量が10
重量部未満では、シートが損傷を受けた個所における止
水効果が十分ではなく、配合量が300重量部を超える
と、防水シート全体が脆くなるので好ましくない。吸水
膨張性樹脂の好ましい配合量はゴム組成物100重量部に
対し60〜150重量部で、この範囲であればシートのゴム
的性能および止水効果を十分に発揮させることが出来
る。このようにして得られる吸水膨張性樹脂を含有する
防水シートの厚さは十分な止水性並びに経済性の観点か
ら0.5〜2mm程度とする。
能なゴムに、加硫剤、加硫助剤、カーボンブラック、そ
の他の添加剤を加えて成るゴム組成物にポリオレフィン
系樹脂、および吸水膨張性樹脂を混合したゴムシートに
繊維シートを接合した後、常法に従って加硫して加硫シ
ートに成形するものである。
針入度60〜120のストレートアスファルトにスチレンブ
タジエンブロック共重合体、スチレンイソプレンブロッ
ク共重合体、アタクチックポリプロピレン、アモルファ
スポリアルファオレフィン、エチレン酢酸ビニル二元共
重合体のいずれかを混合して得られる改質アスファル
ト、またはJIS K 2207に規定する防水工事用アスファル
ト3種または4種が挙げられる。改質アスファルトに混
合する前記各種ポリマーは、ストレートアスファルト10
0重量部に対し、5〜30重量部の範囲でいずれも良好に均
質に混合することが出来る。
は、アスファルトの温度依存性が著しく改良され、広い
温度範囲に亘って軟化或いは硬化現象が起こりにくくな
る。それと共に、ゴム弾性や被施工面等に対する接着性
が高められ、防水材料として好ましいものとなる。ま
た、防水工事用アスファルト3種または4種は、原油の
精製で得られる重質の残留油に空気を吹き込み酸化して
ブローンアスファルトを作製する際に、五酸化燐等の触
媒を用いる所謂触媒ブローンアスファルト、またはオイ
ルを加えて酸化重合したアスファルトコンパウンドから
成るもので、同じようにアスファルトの温度依存性が改
良されている。
水工事用アスファルトを前記吸水膨張性樹脂を含有する
ゴムシートの両面に塗覆してアスファルト塗覆層を形成
する。アスファルト塗覆層の厚さは夫々1〜2mm程度あれ
ば十分である。
には、吸水膨張性防水シートの作製時、保管時、施工時
にシート同士の粘着防止のために、通常のアスファルト
ルーフィングと同様に珪砂、タルク等の鉱物質粉粒を散
布し付着させるか、施工に際しトーチバーナーで加熱溶
融する場合は、厚さ10μm前後のポリオレフィン系フィ
ルムを積層しておいてもよい。
ートの両面にアスファルト塗覆層を設けた防水シート
は、1m幅、或いはそれ以上の幅を有する長尺のシート
に作製され、施工に際してそれらの防水シートを多数枚
被施工面に対して幅方向に並列状態で順次敷き並べて張
り付けるが、隣り合う防水シート同士の端縁部は重ね幅
寸法100mm、またはそれ以上の重ね幅寸法で重ね合わせ
て、その部分を溶融アスファルトで密封するか、または
トーチバーナーを使用して重ね合わされる夫々の端縁部
の対向面を加熱溶融して溶融した塗覆層のアスファルト
で密封する。
設けない隣り合うゴムシート同士の重ね合わせ部分の張
り合わせは、溶剤系接着剤、自然加硫型ゴム系接着剤等
を用いて密封するようにしているが、接着が不完全とな
り易く、経時により自然に剥離して、その部分からの漏
水を生じることが多いので、本発明では両面にアスファ
ルト塗覆層を設けていない防水シートの使用は適しな
い。
は、ポリオレフィン系樹脂と混合可能なゴムを用いてい
るので、ポリオレフィン系樹脂を介してゴムシートとア
スファルトとの接着性がよく、ゴムシートとアスファル
ト塗覆層との剥離することのない良好な防水シートを形
成させることが出来る。
アスファルト塗覆層を設けた防水シート同士の端縁部を
重ね合わせて行なう接合が、溶融アスファルトによって
行なうことが出来るので、水密性の高い接合部を形成す
ることが出来る。
を添付図面に従って説明する。
実施例を示すものであり、図1に示す吸水膨張性防水シ
ート1は、吸水膨張性樹脂2を含有する厚さ1.9mmのゴ
ムシート3の片面に繊維シート4を積層して基材5とし
た後、この基材5のゴムシート3の両面に夫々厚さ1.0m
mのアスファルト塗覆層6を塗覆し、アスファルト塗覆
層6の表面の夫々に珪砂を厚さ0.08mm程度散布して粘着
防止層7を形成したものである。
の実施例を示すものであり、図2に示す吸水膨張性防水
シート1は、吸水膨張性樹脂2を含有するゴムシート3
の内部に繊維シート4を埋設して厚さ2.0mmの基材5と
した後、この基材5のゴムシート3の両面に夫々厚さ1.
5mmのアスファルト塗覆層6を塗覆し、アスファルト塗
覆層6の表面の夫々に厚さ8μmのポリオレフィン系フ
ィルムを積層して粘着防止層7を形成したものである。
説明する。
鉛華5重量部、ステアリン酸1重量部、FEFカーボンブ
ラック(旭カーボン株式会社製、商品名旭#60)40重量
部、SRF−LSカーボンブラック(旭カーボン株式会
社製、商品名旭#35)43重量部、プロセスオイルA 30
重量部、ジクミルパーオキサイド11重量部から成るゴム
組成物(ゴム組成物として合計230重量部)に対して、
各種のポリオレフィン系樹脂および各種の吸水膨張性樹
脂を表1に示す重量部(対ゴム組成物100重量部)で夫
々加えた配合物を1バッチに付き7〜9kgづつ、使用する
ポリオレフィン系樹脂の融点よりも高い温度の14イン
チロールで混練し、夫々同じ温度のシーティングロール
で幅500mm、厚さ2mmのゴムシートを作製し、このゴムシ
ートから縦・横400mmの試験片2枚を作製した。
エステル繊維から成る目付量280g/m2、縦・横400mmの
不織布(東洋紡績株式会社製、使用名ボンデンVN-300)
を重ねてプレス加硫(加硫温度164℃、圧力20kgf/c
m2、加硫時間20分)を行い、他の1枚は、不織布を重ね
ることなく、同じようにプレス加硫を行い、夫々厚さ1.
9mm、縦・横400mmの試験片を作製した。
を、厚さ2mmのジュラルミン板の上に載せ、この上に内
法寸法250×250mmの枠ゲージを置き、予め針入度60〜80
のストレートアスファルト100重量部に、スチレンブタ
ジエンブロック共重合体(旭化成工業株式会社製、商品
名タフプレンA)10重量部を混合して作製した改質アス
ファルトを用意しておき、前記枠ゲージの内側空所に、
180℃に加熱溶融した改質アスファルトを1〜2mm程度の
厚さに流し込み、その上に前記と同じポリエステル繊維
製の縦・横400mmの不織布を重ね、更にその上に、前記
同様の厚さ2mmのジュラルミン板を載せ、これらをプレ
ス機の間に挟み、温度180℃、圧力10kgf/cm2で15分間
加熱し、次いで、室温下で圧力4kgf/cm2で10分間冷却
した。その後、枠ゲージを外して改質アスファルトの層
で接着されているゴムシートの試験片と不織布を取出
し、幅1インチ、長さ200mmの短冊形に切断したものを、
剥離試験機でゴムシートおよび不織布の各一端をチャッ
クに挟み、引張速度を50mm/分、測定温度を24℃に設定
して接着力(剥離試験)を測定した。接着力が2.5kgf/
インチ以上を合格とし、接着力が2.5kgf/インチ未満を
不合格とし、その結果を表1に示す。
おける数値の後に付した「a」は表示接着力でアスファ
ルト塗覆層が材料破壊したことを表すものである。
験片)とは別に、不織布を重ねて作製した試験片の両面
に、前記に同じ改質アスファルトを、アスファルトコー
ティング装置で夫々1mmの厚さに塗覆し、試験片の両面
に改質アスファルト塗覆層を形成した防水シートを作製
し、厚さ12mm、縦・横400mm以上の大きさの合板の上に
載せて、該試験片のほぼ中央部で、試験片の上から合板
を貫通する程度に、径5mm、長さ30mmの釘を打ち込み、
水密性試験を行なった。尚、水密性試験はJIS A 5423の
5.7 透水性試験法に準拠して行なった。また、試験片は
左右に夫々2.5%づつ伸長して固定し、1000mmの水頭圧
をかけて24時間静置後の漏水の有無を観察し、漏水の無
い場合を合格、漏水の有る場合を不合格とし、その結果
を表1に示す。
は下記のポリオレフィン系樹脂を用いた。 A:変性ポリエチレン (三井石油化学株式会社製、商品名アドマーNF300) B:変性ポリプロピレン (住友化学工業株式会社製、商品名ボンドファースト
G) C:エチレン酢酸ビニル二元共重合体 (昭和電工株式会社製、商品名FL14-1) D:エチレングリシジルメタクリレート二元共重合体 (住友化学工業株式会社製、商品名ボンドファースト2
C) E:エチレングリシジルメタクリレート酢酸ビニル三元
共重合体 (住友化学工業株式会社製、商品名ボンドファースト7
B) F:エチレングリシジルメタクリレートアクリル酸メチ
ル三元共重合体 (住友化学工業株式会社製、商品名ボンドファースト7
M)。
は下記の吸水膨張性樹脂を用いた。W:イソブチレン−
無水マレイン酸共重合体 (クラレイソプレンケミカル株式会社製、商品名KIゲル
201) X:アクリル酸・アクリル酸ソーダ (三洋化成株式会社製、商品名ST-500F110) Y:PVA−アクリル酸塩共重合体 (住友化学工業株式会社製、商品名スミカゲルSP-520) Z:架橋PVA (日本合成化学株式会社製、商品名アクアリザーブG
P)。
部、ステアリン酸1重量部、HAFカーボンブラック
(旭カーボン株式会社製、商品名旭#70)40重量部、S
RF−LSカーボンブラック(旭カーボン株式会社製、
商品名旭#35)41重量部、ナフテン系プロセスオイル35
重量部、ジクミルパーオキサイド8重量部から成るゴム
組成物(ゴム組成物として合計230重量部)に対して、
各種のポリオレフィン系樹脂および各種の吸水膨張性樹
脂を表2に示す重量部(対ゴム組成物100重量部)で夫
々加えた配合物、およびゴムシートに塗覆するアスファ
ルトとして針入度60〜80のストレートアスファルト100
重量部に、アタクチックポリプロピレン30重量部を混合
して成る改質アスファルトを用いて、前記実施例1と同
様にして試験片を作製して、ゴム−アスファルトの接着
力測定、および水密性試験を行なった。
類、および吸水膨張性樹脂の種類は、表1に示すポリオ
レフィン系樹脂および吸水膨張性樹脂を用いた。
部、ステアリン酸1重量部、FEFカーボンブラック
(旭カーボン株式会社製、商品名旭#60)40重量部、S
RF−LSカーボンブラック(旭カーボン株式会社製、
商品名旭#35)43重量部、パラフィン系プロセスオイル
B 30重量部、炭酸カルシウム7.5重量部、硫黄1.5重量
部、MBTS(三新化学株式会社製、商品名サンセラー
DM-G)1重量部およびTMTD(三新化学株式会社製、
商品名サンセラーTT-G)1重量部から成るゴム組成物
(ゴム組成物として合計230重量部)に対して、各種の
ポリオレフィン系樹脂および各種の吸水膨張性樹脂を表
3に示す重量部(対ゴム組成物100重量部)で夫々加え
た配合物、およびゴムシートに塗覆するアスファルトと
して針入度60〜80のストレートアスファルト100重量部
に、アモルファスポリアルファオレフィン(米国エル・
バソ社製、商品名レックスタック・レキセン樹脂)25重
量部を混合して成る改質アスファルトを用いて、前記実
施例1と同様にして試験片を作製して、ゴム−アスファ
ルトの接着力測定、および水密性試験を行なった。
類、および吸水膨張性樹脂の種類は、表1に示すポリオ
レフィン系樹脂および吸水膨張性樹脂を用いた。
重量部、ステアリン酸1重量部、FEFカーボンブラッ
ク(旭カーボン株式会社製、商品名旭#60)40重量部、
SRF−LSカーボンブラック(旭カーボン株式会社
製、商品名旭#35)43重量部、パラフィン系プロセスオ
イルB 30重量部、ジクミルパーオキサイド11重量部か
ら成るゴム組成物(ゴム組成物として合計230重量部)
に対して、各種のポリオレフィン系樹脂および各種の吸
水膨張性樹脂を表4に示す重量部(対ゴム組成物100重
量部)で夫々加えた配合物、およびゴムシートに塗覆す
るアスファルトとして針入度60〜80のストレートアスフ
ァルト100重量部に、エチレン酢酸ビニル二元共重合体1
5量部を混合して成る改質アスファルトを用いて、前記
実施例1と同様にして試験片を作製して、ゴム−アスフ
ァルトの接着力測定、および水密性試験を行なった。
類、および吸水膨張性樹脂の種類は、表1に示すポリオ
レフィン系樹脂および吸水膨張性樹脂を用いた。
系ゴム組成物230重量部に対し、各種のポリオレフィン
系樹脂および吸水膨張性樹脂を表5に示す重量部(対ゴ
ム組成物100重量部)で夫々加えた配合物、およびゴム
シートに塗覆するアスファルトとしてJIS K 2207に規定
する防水工事用アスファルト3種から成る改質アスファ
ルトを用いて、実施例1と同様にして試験片を作製し
て、ゴム−アスファルトの接着力測定、および水密性試
験を行なった。
類、および吸水膨張性樹脂の種類は、表1に示すポリオ
レフィン系樹脂および吸水膨張性樹脂を用いた。
に、実施例1〜32はいずれもゴムとアスファルトとの
接着力が大きく2.5kgf/インチ以上であったのに対し、
比較例1〜10ではゴムとアスファルトとの接着力が小
さいものか、もしくは接着力が大きくても水密性試験で
漏水するものがあった。従って実施例1〜32ではゴム
シートとアスファルト塗覆層との間は接着性に優れてい
ることが確認された。
重量部に対し、吸水膨張性樹脂は10〜300重量部を配合
してあるので、水密性試験で漏水は全くなかったことが
確認された。
て、同一構成(ゴムシートの片面に不織布を接合)の防
水シートを用い、この吸水膨張性防水シートのアスファ
ルト塗覆層の表面の夫々に粒径0.10mm程度の珪砂を散
布し付着させて成る粘着防止層を形成した。
製して、ゴム−アスファルトの接着力測定、および水密
性試験を行なったところ、接着力は2.8kgf/インチであ
り、水密性試験では漏水はなかった。
なく、吸水膨張性防水シートの用途、並びに施工個所に
合わせて、ゴム組成物、ポリオレフィン系樹脂、吸水膨
張性樹脂並びにゴムシート上に塗覆するアスファルト塗
覆層を種々組み合わせて適宜に設定すればよい。
ば、ポリオレフィン系樹脂と混合可能なゴムを用いてい
るので、ポリオレフィン系樹脂を介してゴムシートとア
スファルト塗覆層との接着性に優れ、また、ゴムシート
とアスファルト塗覆層の界面が剥離しない良好な積層シ
ートから成る吸水膨張性防水シートを提供することが出
来る効果がある。
れているので、施工後のゴムシートの強度を高めること
が出来て、シート上に投棄された廃棄物の先端部分、角
部分による損傷を軽減することが出来る。
部に対し、吸水膨張性樹脂が10〜300重量部含まれてい
るので、吸水膨張性防水シートが損傷を受けても吸水膨
張性樹脂が水を吸収し、膨潤して損傷部分を直ちに補修
することが出来ると共に、吸水膨張性樹脂の膨潤とゴム
自体のゴム弾性とで高い止水性を発揮することが出来
る。
塗覆層が塗覆されているので、施工に際して防水シート
同士の端縁部を重ね合わせて行なう接合が、溶融アスフ
ァルトによって行なうことが出来るので、水密性の高い
接合部を形成することが出来る。
層の表面に粘着防止層を形成するときは、吸水膨張性防
水シートの作製時、保管時、施工時にシート同士の粘着
を防ぐことが出来ると共に、防水シートの取り扱いが容
易である。
概略説明図、
の概略説明図。
脂、3 ゴムシート、 4 繊維シー
ト、5 基材、 6 アスファ
ルト塗覆層、7 粘着防止層。
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂と混合可能なゴム
に、加硫剤、加硫助剤、カーボンブラック、その他の添
加剤を加えて成るゴム組成物にポリオレフィン系樹脂、
および吸水膨張性樹脂を混合したゴムシートに繊維シー
トを接合して成形された加硫ゴムシートを基材とし、該
基材の両面にアスファルトを塗覆してアスファルト塗覆
層を形成したことを特徴とする吸水膨張性防水シート。 - 【請求項2】 前記ゴム組成物100重量部に対し、ポリ
オレフィン系樹脂15〜30重量部、吸水膨張性樹脂10〜30
0重量部、好ましくは60〜150重量部を配合したことを特
徴とする請求項第1項に記載の吸水膨張性防水シート。 - 【請求項3】 前記ゴム組成物に用いるゴムは、エチレ
ンプロピレン系ゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴ
ム、イソブチレンイソプレンゴム、ハロゲン化イソブチ
レンイソプレンゴムのいずれかであることを特徴とする
請求項第1項または第2項に記載の吸水膨張性防水シー
ト。 - 【請求項4】 前記ポリオレフィン系樹脂は、変性ポリ
エチレン、変性ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル二
元共重合体、エチレングリシジルメタクリレート二元共
重合体、エチレングリシジルメタクリレート酢酸ビニル
三元共重合体、エチレングリシジルメタクリレートアク
リル酸メチル三元共重合体のいずれかであることを特徴
とする請求項第1項ないし第3項のいずれか1項に記載
の吸水膨張性防水シート。 - 【請求項5】 前記吸水膨張性樹脂は、ポリアクリル酸
塩、澱粉・ポリアクリル酸塩、酢酸ビニル・アクリル酸
共重合体、ポリエチレンオキサイド、イソブチレン・無
水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール・無水マ
レイン酸共重合体、アクリル酸塩・アクリルアミド共重
合体、カルボキシメチルセルロースの単独または2種以
上混合のいずれかであることを特徴とする請求項第1項
ないし第4項のいずれか1項である吸水膨張性防水シー
ト。 - 【請求項6】 前記ゴムシートと繊維シートの接合は、
ゴムシートの少なくとも片面に繊維シートを積層接合、
またはゴムシート内部に繊維シートを埋設した接合のい
ずれかであり、かつ、繊維シートはポリエステル、ビニ
ロン、ナイロン等の有機繊維、ガラス等の無機繊維から
成る織布、不織布、編布、編組布のいずれかであること
を特徴とする請求項第1項ないし第5項のいずれか1項
に記載の吸水膨張性防水シート。 - 【請求項7】 前記アスファルトは、ストレートアスフ
ァルトにスチレンブタジエンブロック共重合体、スチレ
ンイソプレンブロック共重合体、アタクチックポリプロ
ピレン、アモルファスポリアルファオレフィン、エチレ
ン酢酸ビニル二元共重合体のいずれかを混合して得られ
る改質アスファルト、JIS K 2207に規定する防水工事用
アスファルト3種または4種のいずれかであることを特
徴とする請求項第1項ないし第6項のいずれか1項に記
載の吸水膨張性防水シート。 - 【請求項8】 前記吸水膨張性防水シートのアスファル
ト塗覆層は、その表面の夫々に粘着防止層が形成されて
おり、かつ、粘着防止層は散布し付着させた珪砂、タル
ク等の鉱物質粉粒、ポリオレフィン系フィルムのいずれ
かであることを特徴とする請求項第1項ないし第7項の
いずれか1項に記載の吸水膨張性防水シート。
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---|---|---|---|
JP8347470A JP3060162B2 (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | 吸水膨張性防水シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8347470A JP3060162B2 (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | 吸水膨張性防水シート |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10180942A true JPH10180942A (ja) | 1998-07-07 |
JP3060162B2 JP3060162B2 (ja) | 2000-07-10 |
Family
ID=18390448
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8347470A Expired - Fee Related JP3060162B2 (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | 吸水膨張性防水シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3060162B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100476063B1 (ko) * | 2001-10-16 | 2005-03-10 | 서울산업대학교 산학협력단 | 1액형 다중폴리머 도막방수제 및 그 제조방법 |
KR100631171B1 (ko) * | 2004-04-06 | 2006-10-02 | 이대우 | 도막방수재의 제조방법 그리고 그것을 사용한 방수 시공 방법 |
JP2011144253A (ja) * | 2010-01-14 | 2011-07-28 | Dynic Corp | ターポリン用架橋性樹脂組成物及びそれを用いたターポリン |
KR101436550B1 (ko) * | 2014-03-12 | 2014-09-03 | (주)본텍 | 복합방수시트 |
-
1996
- 1996-12-26 JP JP8347470A patent/JP3060162B2/ja not_active Expired - Fee Related
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