JPH1018091A - 電着塗装方法および電着塗装装置 - Google Patents

電着塗装方法および電着塗装装置

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JPH1018091A
JPH1018091A JP17015396A JP17015396A JPH1018091A JP H1018091 A JPH1018091 A JP H1018091A JP 17015396 A JP17015396 A JP 17015396A JP 17015396 A JP17015396 A JP 17015396A JP H1018091 A JPH1018091 A JP H1018091A
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JP
Japan
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electrodeposition
liquid
coated
electrodeposition coating
cleaning liquid
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Application number
JP17015396A
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English (en)
Inventor
Hirokazu Sugiyama
山 裕 和 杉
Takeshi Goto
藤 丈 志 後
Kenji Yoshida
田 憲 司 吉
Hideaki Sato
藤 英 明 佐
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部材の重合部分を有する被塗装物の電着塗装
において、スプレー水洗やディップ水洗による洗浄だけ
では部材の重合部分に残留した電着液を完全に除去しき
れず、後の焼付乾燥工程で電着液の2次たれが生じるこ
とがあり、このような問題を解決することが課題であっ
た。 【解決手段】 部材の重合部分を有する被塗装物(車体
B)を電着塗装するに際し、塗料の電着および洗浄を行
った後の塗膜の焼付乾燥工程(Z4)において、部材の
重合部分を集中的に洗浄し、同重合部分に残留した電着
液を除去して電着液の2次たれを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車の
車体塗装に用いられる電着塗装方法および電着塗装装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の車体塗装などで行われ
る電着塗装は、主として、塗料の電着槽を備えた電着工
程、電着液を除去する洗浄工程、洗浄液を除去する水切
工程、およびオーブンによる塗膜の焼付乾燥工程から成
り、これらの工程に車体を順次搬送して塗装を完了す
る。このような電着塗装は、例えば、昭和55年4月2
0に山海堂が発行した『自動車工学全書19巻・自動車
の製造法』の第103頁および第204頁に記載されて
いる。
【0003】また、とくに自動車の車体塗装では、2次
たれ、すなわち塗膜の焼付乾燥工程において鋼板の重合
部分に残存する電着液が車体表面に流れ出し、その電着
液が焼き付けられることによって変色、わき、あるいは
カルメラ状の肌荒れを生じることがある。そこで、従来
では、電着後にスプレー水洗やディップ水洗により電着
液の除去(電着液と洗浄液との置換)を充分に行うよう
にし、また、洗浄から焼付乾燥までの水切の時間を充分
にとることにより、焼付乾燥前に2次たれの発生を終了
させて良好な塗装品質を確保するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したよ
うな従来の電着塗装にあっては、例えば被塗装物が自動
車の車体である場合、シル部などのように数枚の鋼板の
重合部分を有する箇所については、スプレー水洗やディ
ップ水洗による洗浄だけでは電着液を完全に除去しきれ
ないことがあるという問題があると共に、電着液の焼き
付きが発生した場合には修正工程が必要であることか
ら、その分生産効率が低下するという問題があり、これ
らの問題を解決することが課題であった。また、従来に
あっては、水切についても完全にたれ切らせるには非常
に長い水切工程域が必要であって、とくに被塗装物が自
動車の車体のように大型である場合には、より大きなス
ペースを必要とするという問題があった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記従来の課題に着目して成
されたもので、電着した塗膜を焼付乾燥させる際の電着
液の2次たれを確実に防止することができる電着塗装方
法および電着塗装装置を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる電着塗装
方法は、請求項1として、部材の重合部分を有する被塗
装物を電着塗装するに際し、塗料の電着および洗浄を行
った後の塗膜の焼付乾燥工程において、部材の重合部分
を集中的に洗浄する構成とし、請求項2として、部材の
重合部分を集中的に洗浄したのち、同重合部分にエアブ
ローを行うこと構成とし、請求項3として、部材の重合
部分を集中的に洗浄する前に、同重合部分に初期エアブ
ローを行う構成とし、請求項4として、部材の重合部分
に初期エアブローを行う前に、同重合部分に洗浄液を噴
射する構成とし、請求項5として、部材の重合部分の洗
浄において、純水に界面活性剤を混合した洗浄液を用い
る構成とし、請求項6として、洗浄液における界面活性
剤の混合率を0.2〜1.0%とした構成としており、
上記の構成を従来の課題を解決するための手段としてい
る。
【0007】なお、請求項6において、洗浄液における
界面活性剤の混合率を0.2〜1.0%としたのは、混
合率が0.2%よりも小さいと、塗膜表面に水あとが残
り、界面活性剤の効果が得られないと共に、混合率が
1.0%よりも大きいと、界面活性剤に含まれる成分が
焼付乾燥される塗膜の表面品質に影響を及ぼす恐れがあ
るためである。
【0008】本発明に係わる電着塗装装置は、請求項7
として、塗料の電着工程域と、電着液を除去する洗浄工
程域と、洗浄液を除去する水切工程域と、塗膜の焼付乾
燥工程域を備え、これらの工程域に被塗装物を順次搬送
して電着塗装を行う電着塗装装置において、焼付乾燥工
程域に、被塗装物の特定箇所に対する洗浄液の噴射手段
を備えた構成とし、請求項8として、洗浄液の噴射手段
よりも被塗装物搬出側に、被塗装物の特定箇所に対する
空気の噴射手段を備えた構成とし、請求項9として、洗
浄液の噴射手段よりも被塗装物搬入側に、被塗装物の特
定箇所に対する第2の空気の噴射手段を備えた構成と
し、請求項10として、第2の空気の噴射手段よりも被
塗装物搬入側に、被塗装物の特定箇所に対する第2の洗
浄液の噴射手段を備えた構成とし、請求項11として、
噴射手段が、被塗装物の搬送方向に沿って複数の接続部
を設けた送給管と、送給管の接続部に着脱可能な噴射器
を備えている構成とし、請求項12として、焼付乾燥工
程域における被塗装物の特定箇所の温度変化と、被塗装
物の搬送速度に基づいて噴射手段の噴射位置を設定した
構成とし、請求項13として、被塗装物の搬送手段から
の運転情報に基づいて噴射手段をオン・オフ制御する構
成としており、上記の構成を課題を解決するための手段
としている。
【0009】なお、請求項12に係わる電着塗装装置に
おいて、例えば同一形態の被塗装物を順次塗装する場合
には、予め焼付乾燥工程域における被塗装物の特定箇所
の温度変化を連続的に測定する。特定箇所の温度は焼付
乾燥開始とともに上昇するが、残留した電着液が流れ出
すと僅かに低下するので、これにより電着液の流出を知
ることができる。つまり、時間経過に伴う特定箇所の温
度変化と被塗装物の搬送速度により、焼付乾燥工程域に
おいて電着液が流出する位置をほぼ特定することができ
るので、その位置に応じて噴射手段の噴射位置を設定す
る。
【0010】
【発明の作用】本発明の請求項1に係わる電着塗装方法
では、電着液の残留が生じやすい部材の重合部分を集中
的に洗浄することで電着液を完全に除去し、焼付乾燥工
程における電着液の焼き付けを防止する。
【0011】本発明の請求項2に係わる電着塗装方法で
は、部材の重合部分を集中的に洗浄したのち、同重合部
分にエアブローを行うことによって洗浄液および電着液
を飛散させて除去し、焼付乾燥工程における電着液の焼
き付けを防止する。
【0012】本発明の請求項3に係わる電着塗装方法で
は、部材の重合部分を集中的に洗浄する前に、同重合部
分に初期エアブローを行うことにより、同重合部分に残
留している電着液を飛散させて、後の洗浄により除去し
やすい状態にする。
【0013】本発明の請求項4に係わる電着塗装方法で
は、部材の重合部分に初期エアブローを行う前に、同重
合部分に洗浄液を噴射することにより、同重合部分に残
留している電着液が乾燥するのを防止して、後の初期エ
アブローにより飛散しやすい状態にする。
【0014】本発明の請求項5に係わる電着塗装方法で
は、部材の重合部分の洗浄において、純水に界面活性剤
を混合した洗浄液を用いることで、電着液の表面張力を
減少させてこれを除去することとなり、電着液のより確
実な除去が行われる。
【0015】本発明の請求項6に係わる電着塗装方法で
は、洗浄液における界面活性剤の混合率を0.2〜1.
0%としたことにより、界面活性剤に含まれる成分が焼
付乾燥される塗膜の表面品質に影響を及ぼすことなく、
電着液を除去しやすい状態にする。
【0016】本発明の請求項7に係わる電着塗装装置で
は、塗料の電着、洗浄および水切が終了した被塗装物に
対して、電着液の残留が生じやすい特定箇所を洗浄液の
噴射手段により集中的に洗浄し、電着液を完全に除去し
て焼付乾燥工程域における電着液の焼き付けを防止す
る。
【0017】本発明の請求項8に係わる電着塗装装置で
は、被塗装物の特定箇所の洗浄に続いて、同特定箇所を
空気の噴射手段によりエアブローし、これにより洗浄液
および電着液を飛散させて除去し、焼付乾燥工程におけ
る電着液の焼き付けを防止する。
【0018】本発明の請求項9に係わる電着塗装装置で
は、被塗装物の特定箇所を洗浄する前に、同特定箇所を
第2の空気の噴射手段で初期エアブローし、これにより
残留している電着液を飛散させて、後の洗浄により除去
しやすい状態にする。
【0019】本発明の請求項10に係わる電着塗装装置
では、被塗装物の特定箇所を第2の空気の噴射手段で初
期エアブローする前に、同特定箇所に第2の洗浄液の噴
射手段で洗浄液を噴射し、これにより残留している電着
液が乾燥するのを防止して、後の初期エアブローにより
飛散しやすい状態にする。
【0020】本発明の請求項11に係わる電着塗装装置
では、噴射手段が、被塗装物の搬送方向に沿って複数の
接続部を設けた送給管と、送給管の接続部に着脱可能な
噴射器を備えているので、被塗装物における特定箇所の
相違、電着液の流出が生じる位置の相違などに応じて、
選択された位置の接続部に噴射器を装着することによ
り、洗浄液や空気の噴射位置を変更し得る。
【0021】本発明の請求項12に係わる電着塗装装置
では、被塗装物の特定箇所の温度変化と被塗装物の搬送
速度により、焼付乾燥工程域において電着液が流出する
位置をほぼ特定し得る。したがって、その予想位置に応
じて噴射手段の噴射位置を設定することにより、電着液
の流出に対してタイミングの良い洗浄およびエアブロー
が行われる。
【0022】本発明の請求項13に係わる電着塗装装置
では、被塗装物の搬送手段からの運転情報に基づいて噴
射手段をオン・オフ制御することにより、被塗装物が噴
射手段に接近したところで洗浄液や空気の噴射を開始
し、被塗装物の通過後には洗浄液や空気の噴射を停止す
ることが可能であり、洗浄液や空気の無駄な噴射を省く
こととなる。
【0023】
【発明の効果】本発明の請求項1に係わる電着塗装方法
によれば、電着液の残留が生じやすい部材の重合部分を
集中的に洗浄することから、残留している電着液を完全
に除去することができ、電着液の2次たれによる塗装不
良の発生を防止することができる。また、塗装不良の発
生防止を実現するのに伴って塗装後の修正作業を大幅に
少なくすることができ、生産効率を著しく高めることが
できると共に、水切についても、後の焼付乾燥工程で電
着液の確実な除去ができるので、従来のように完全にた
れ切らせるための長い水切工程とする必要が無く、水切
工程の長さを短縮することができる。
【0024】本発明の請求項2に係わる電着塗装方法に
よれば、請求項1と同様の効果を得ることができるうえ
に、エアブローを行うことによって洗浄液および電着液
を飛散させて除去することができ、電着液の2次たれに
よる塗装不良の発生をより確実に防止することができ
る。
【0025】本発明の請求項3に係わる電着塗装方法に
よれば、請求項2と同様の効果を得ることができるうえ
に、部材の重合部分に初期エアブローを行うことによ
り、同重合部分に残留している電着液を飛散させて、後
の洗浄により除去しやすい状態にすることができ、電着
液の2次たれによる塗装不良の発生をより確実に防止す
ることができる。
【0026】本発明の請求項4に係わる電着塗装方法に
よれば、請求項3と同様の効果を得ることができるうえ
に、部材の重合部分に初期エアブローを行う前に洗浄液
を噴射することにより、同重合部分に残留している電着
液が乾燥するのを防止して、後の初期エアブローにより
飛散しやすい状態にすることができ、電着液の2次たれ
による塗装不良の発生をより確実に防止することができ
る。
【0027】本発明の請求項5に係わる電着塗装方法に
よれば、請求項1〜4と同様の効果を得ることができる
うえに、純水に界面活性剤を混合した洗浄液を用いるこ
とで、電着液の表面張力を減少させてこれを除去するこ
とから、電着液のより確実な除去を行うことができ、電
着液の2次たれによる塗装不良の発生をより確実に防止
することができる。
【0028】本発明の請求項6に係わる電着塗装方法に
よれば、洗浄液における界面活性剤の混合率を0.2〜
1.0%としたことにより、界面活性剤に含まれる成分
が焼付乾燥される塗膜の表面品質に何ら影響を及ぼすこ
となく、電着液をより一層除去しやすい状態にすること
ができ、電着液の確実な除去により良好な塗装品質を得
ることができる。
【0029】本発明の請求項7に係わる電着塗装装置に
よれば、塗料の電着、洗浄および水切が終了した被塗装
物に対して、電着液の残留が生じやすい特定箇所を洗浄
液の噴射手段により集中的に洗浄することにより、残留
している電着液を完全に除去することができ、電着液の
2次たれによる塗装不良の発生を防止することができ
る。また、塗装不良の発生防止を実現するのに伴って塗
装後の修正作業を大幅に少なくすることができ、生産効
率を著しく高めることができると共に、水切について
も、後の焼付乾燥工程域で電着液の確実な除去ができる
ので、従来のように完全にたれ切らせるための長い水切
工程域とする必要が無く、水切工程の長さを短縮して装
置の設置スペースを節約することができる。
【0030】本発明の請求項8に係わる電着塗装装置に
よれば、請求項7と同様の効果を得ることができるうえ
に、被塗装物の特定箇所の洗浄に続いて、同特定箇所を
空気の噴射手段によりエアブローすることにより、洗浄
液および電着液を飛散させて除去することができ、電着
液の2次たれによる塗装不良の発生をより確実に防止す
ることができる。
【0031】本発明の請求項9に係わる電着塗装装置に
よれば、請求項8と同様の効果を得ることができるうえ
に、被塗装物の特定箇所を洗浄する前に、同特定箇所を
第2の空気の噴射手段で初期エアブローすることによ
り、残留している電着液を飛散させて、後の洗浄により
除去しやすい状態にすることができ、電着液の2次たれ
による塗装不良の発生をより確実に防止することができ
る。
【0032】本発明の請求項10に係わる電着塗装装置
によれば、請求項9と同様の効果を得ることができるう
えに、被塗装物の特定箇所を第2の空気の噴射手段で初
期エアブローする前に、同特定箇所に第2の洗浄液の噴
射手段で洗浄液を噴射することにより、残留している電
着液が乾燥するのを防止して、後の初期エアブローによ
り飛散しやすい状態にすることができ、電着液の2次た
れによる塗装不良の発生をより確実に防止することがで
きる。
【0033】本発明の請求項11に係わる電着塗装装置
によれば、請求項7〜10と同様の効果を得ることがで
きるうえに、被塗装物の搬送方向に沿って複数の接続部
を設けた送給管と、送給管の接続部に着脱可能な噴射器
を備えた噴射手段を採用したことにより、送給管の複数
の接続部に対して噴射器を選択的に装着することがで
き、被塗装物における特定箇所の相違、電着液の流出が
生じる位置の相違などに応じて、洗浄液や空気の噴射位
置を自在に変更することができる。
【0034】本発明の請求項12に係わる電着塗装装置
によれば、請求項7〜11と同様の効果を得ることがで
きるうえに、焼付乾燥工程域において電着液が流出する
予想位置に応じて噴射手段の噴射位置が設定されること
となり、電着液の流出に対してタイミングの良い洗浄お
よびエアブローを行うことができ、電着液の2次たれに
よる塗装不良の発生をより確実に防止することができ
る。
【0035】本発明の請求項13に係わる電着塗装装置
によれば、請求項7〜12と同様の効果を得ることがで
きるうえに、被塗装物の搬送手段からの運転情報に基づ
いて噴射手段をオン・オフ制御することにより、被塗装
物が噴射手段に接近したところで洗浄液や空気の噴射を
開始し、被塗装物の通過後には洗浄液や空気の噴射を停
止することができるようになり、洗浄液や空気の無駄な
噴射を省くことができると共に、資源やエネルギーの節
約にも貢献し得る。
【0036】
【実施例】以下、図面に基づいて、本発明に係わる電着
塗装方法ならびに電着塗装装置の一実施例を説明する。
なお、この実施例では、自動車の車体塗装を行う場合を
例示している。よって、被塗装物は車体である。
【0037】図1は電着塗装装置の全体を説明する図で
ある。電着塗装装置は、塗料の電着工程域Z1と、電着
液を除去する洗浄工程(電着液と洗浄液の置換工程)域
Z2と、洗浄液を除去する水切工程域Z3と、塗膜の焼
付乾燥工程域Z4を連続して備えると共に、これらの工
程域Z1〜Z4に車体Bを一定速度で順次搬送する搬送
手段としてのコンベアCを備えている。なお、コンベア
Cにおいて、車体Bは通電機能を有するハンガーHで保
持されている。
【0038】電着工程域Z1は、電着液1を満たした電
着槽2と、これに連続するサブタンク3を備えると共
に、車体Bと電着液1にそれぞれの電極を与える給電装
置(図示せず)などを備えている。この電着塗装装置で
は車体Bを陰極とするカチオン電着を行う。
【0039】洗浄工程域Z2は、初期洗浄用の第1〜第
3のスプレー水洗装置S1〜S3と、排水用タンク4お
よびこれに連続するディップ水洗用タンク5と、最終水
洗用の第4および第5のスプレー水洗装置S4,S5を
備えていると共に、電着工程域Z1のサブタンク3から
導入した電着液1から塗料を除去するための濾過装置6
と、濾過装置6で得た濾液を初期洗浄用の各スプレー水
洗装置S1〜S3に送る供給装置7を備えている。つま
り、初期洗浄は濾液により行われる。また、ディップ水
洗用タンク7は、スプレー水洗では洗浄しきれない車体
Bの凹部内側などを洗浄するためのものであって、工業
用水が用いられる。さらに、最終水洗用の第4および第
5のスプレー水洗装置S4,S5は、前のディップ洗浄
後に車体Bの表面を洗浄するためのものであって、工業
用水あるいは純水が用いられる。
【0040】水切工程域Z3は、通過中に洗浄液をたれ
切らせるための空間であって、排水機能を有している。
焼付乾燥工程域Z4は、オーブン8により構成されるも
のであって、電着液の2次たれを防止する目的で車体B
の特定箇所を集中的に洗浄するための後記する噴射手段
などが配設してある。なお、コンベアCは、電着槽3お
よびディップ水洗用タンク7での車体Bの浸漬、あるい
はスプレー水洗装置S1〜S5やオーブン8よりも床が
低い水切工程域Z3での車体Bの搬送を行うために、上
下に屈曲している。
【0041】ここで、車体Bにおいて集中的な洗浄を必
要とする特定箇所は、洗浄および水切を終えたのちにも
電着液が残留することがある部材の重合部分であって、
より具体的には、図4に示すようなシルEにおけるフロ
ントピラーF1との合せ目A1、センターピラーF2と
の合せ目A2およびリアピラーF3との合せ目A3であ
る。このような部材(鋼板)の重合部分を有する特定箇
所では、電着液が残留していると、焼付乾燥工程域Z4
において図6に示すように電着液1が車体表面に流出す
ることがあり、これが焼き付くと塗装不良になる。
【0042】そこで、この電着塗装装置では、焼付乾燥
工程域Z4に、車体Bの特定箇所に対する第1の洗浄液
の噴射手段11と、第1の洗浄液の噴射手段11よりも
被塗装物搬出側において車体Bの特定箇所に対する第1
の空気の噴射手段12と、第1の洗浄液の噴射手段11
よりも被塗装物搬入側において車体Bの特定箇所に対す
る第2の空気の噴射手段13と、第2の空気の噴射手段
13よりも被塗装物搬入側において車体Bの特定箇所に
対する第2の洗浄液の噴射手段14を備えている。つま
り、図1の左から右に向かう車体Bの搬送方向におい
て、第2の洗浄液の噴射手段14、第2の空気の噴射手
段13、第1の洗浄液の噴射手段11、および第1の空
気の噴射手段12の順で配置してある。
【0043】各噴射手段11〜14は、洗浄液用および
空気用のいずれも基本的に同一構成を有するものであっ
て、車体Bの搬送方向に沿って設けた洗浄液および空気
の送給管15,16と、各々の噴射器21〜24を備え
ており、それぞれのポンプ17,18から各送給管1
5,16に洗浄液および空気を供給する。
【0044】送給管15,16は、図2に一部を示すよ
うに、両端におねじ部を有する複数の連結管31と、各
端部にめねじ部を有する複数のT型管32の左右端部を
交互に連結して直線状の主管を構成すると共に、各T型
管32の残る端部を上向きにし、各々の上向き端部に、
両端におねじ部を有する接続管33の下端部を連結した
構成になっている。各接続管33は、噴射器21〜24
の接続部を構成しており、管内を開閉するコック34が
設けてある。送給管15,16は、図3に焼付乾燥工程
域Z4の片側を示すように床の隅に沿って配置してあ
り、これにより、車体(被塗装物)Bの搬送方向に沿っ
て複数の接続管(接続部)33を設けた状態になってい
る。
【0045】噴射器21〜24は、各端部にめねじ部を
有するT型管35の左右端部にエルボ36,36を連結
すると共に、各エルボ36の先端にパイプジョイント3
7を介して銅管38を連結し、且つ銅管38の先端にV
ノズル39を設けた構成になっている。これらの噴射器
21〜24は、各噴射手段11〜14について複数用意
してあり、T型管35の下端部を送給管15,16の接
続管33の上端部に対して自由に着脱することが可能で
ある。
【0046】また、噴射手段11〜14における各構成
部位の諸寸法をより具体的に述べると、例えば、1本の
送給管15,16における接続管(接続部)33の間隔
は500mmであり、噴射器21〜24の銅管38の内
径は4mmであり、Vノズル39の口径は0.7mmで
あって、洗浄液の吐出量は50〜500cc/minで
あり、空気の供給圧力は0.5〜5kgf/cmであ
る。
【0047】なお、噴射手段11〜14は、送給管1
5,16に掛けたUボルト41と、このUボルト41を
ナット止めするベース42を備えた固定具43によって
オーブン8の床に位置決めされ、このほか、噴射器21
〜24の倒れ防止として、針金44などにより接続管3
3がオーブン8の側壁に固定される。
【0048】さらに、上記噴射手段11〜14は、焼付
乾燥工程域Z4における車体Bの特定箇所の温度変化
と、コンベアCによる車体Bの搬送速度に基づいて噴射
位置が設定されている。
【0049】噴射位置の設定にあたっては、予め焼付乾
燥工程域Z4における車体Bの特定箇所の温度変化を連
続的に測定する。この実施例の場合、車体Bの特定箇所
は、図4に示すシルEにおけるフロントピラーF1との
合せ目A1、センターピラーF2との合せ目A2および
リアピラーF3との合せ目A3であって、図6中に仮想
線で示すように車体表面に装着した熱電対51により温
度を測定する。なお、参考値として車体内部A4(図4
に示す)の雰囲気も測定する。
【0050】特定箇所の温度は焼付乾燥開始とともに上
昇する。また、特定箇所に残留した電着液はオーブン8
で加熱されて流出する。この時点での電着液の温度は1
00℃前後である。すなわち、特定箇所の温度は焼付乾
燥開始とともに上昇するが、残留した電着液が流れ出す
と僅かに低下するので、これにより電着液の流出を知る
ことができる。つまり、時間経過に伴う特定箇所の温度
変化と車体Bの搬送速度により、焼付乾燥工程域Z4に
おいて電着液が流出する位置をほぼ特定することができ
るので、その位置に応じて噴射手段11〜14の噴射位
置を設定することとなる。
【0051】図5は、図4に示すシルEにおけるフロン
トピラーF1との合せ目A1、センターピラーF2との
合せ目A2、リアピラーF3との合せ目A3、および車
体内部A4の時間経過に伴う温度変化と、焼付乾燥工程
域Z4の位置関係とを示すグラフである。このグラフに
より、温度の一時的な低下が見られる点線円Pの部分で
電着液の流出が生じたことが判断できる。したがって、
焼付乾燥工程域Z4において、点線円Pの部分に対応す
る範囲Q内に第1の洗浄液の噴射手段11を設定すれば
よく、同範囲Qにおいて電着液の送給管15の接続管3
3に第1の洗浄液の噴射器21を装着し、その前後に第
2の洗浄液および空気の噴射器24,23と、第1の空
気の噴射器22を配置する。
【0052】次に、上記の構成を備えた電着塗装装置お
よび同装置を用いた電着塗装方法について説明する。
【0053】電着塗装装置は、電着工程域Z1において
車体Bに塗料の電着を行い、洗浄工程域Z2において電
着液の除去を行い、水切工程域Z3において洗浄液の除
去を行ったのち、車体Bを焼付乾燥工程域Z4に搬入
し、この際に、車体Bの特定箇所(A1〜A3)に残留
している可能性のある電着液を除去する。
【0054】すなわち、この電着塗装装置では、最初に
第2の洗浄液の噴射手段(噴射器24)14から特定箇
所に洗浄液を噴射し、同特定箇所に残留している電着液
の乾燥を防いで後工程で除去しやすい状態にする。この
のち、第2の空気の噴射手段(噴射器23)13で特定
箇所に初期エアブローを行うことによって電着液を飛散
させ、後の洗浄により除去しやすい状態にする。そし
て、第1の洗浄液の噴射手段(噴射器21)11から特
定箇所に洗浄液を集中的に噴射することによって電着液
を除去し、さらに、第1の空気の噴射手段(噴射器2
2)12でエアブローを行うことにより、洗浄液および
電着液を飛散させて完全に除去する。
【0055】このとき、この電着塗装装置では、車体B
の特定箇所(A1〜A3)の温度変化と車体Bの搬送速
度に基づいて洗浄液や空気の噴射位置を設定してあるの
で、電着液の流出に対してタイミングの良い洗浄および
エアブローが行われる。これにより、電着液の2次たれ
が生じることがなくなり、2次たれによる塗装不良の発
生が確実に防止される。
【0056】また、この電着塗装装置では、洗浄液とし
て純水に界面活性剤を混合したものを用いており、とく
に、界面活性剤の混合率を0.2〜1.0%としてい
る。なお、混合率を0.2〜1.0%としたのは、混合
率が0.2%よりも小さいと、塗膜表面に水あとが残
り、界面活性剤の効果が得られないと共に、混合率が
1.0%よりも大きいと、界面活性剤に含まれる成分が
焼付乾燥される塗膜の表面品質に影響を及ぼす恐れがあ
るためである。これにより、この電着塗装装置では、電
着液の表面張力を減少させてこれを除去することとな
り、電着液のより確実な除去を行っている。
【0057】さらに、この電着塗装装置では、車体Bの
搬送手段であるコンベアCからの運転情報に基づいて各
噴射手段11〜14の噴射器21〜24をオン・オフ制
御するようにしており、これにより、車体Bが各々の噴
射器21〜24に接近したところで洗浄液や空気の噴射
を開始し、車体Bの通過後には洗浄液や空気の噴射を停
止するようにし、洗浄液や空気の無駄な噴射を省いてい
る。
【0058】なお、上記実施例による電着塗装装置で
は、噴射手段11〜14において、送給管15,16の
複数の接続管(接続部)33に対して噴射器21〜24
が着脱可能であることから、車体(被塗装物)Bにおけ
る特定箇所の相違、電着液の流出が生じる位置の相違な
どに応じて、選択された位置の接続管33に噴射器21
〜24を装着することにより、洗浄液や空気の噴射位置
を適宜変更することができ、異なる車種の塗装にも容易
に対処し得ることとなる。また、1つの噴射手段に複数
の噴射器を設けることも当然可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電着塗装方法が適用される電着
塗装装置の一実施例を説明する断面説明図である。
【図2】噴射手段の一部を示す斜視図である。
【図3】焼付乾燥工程域における噴射手段の配置を説明
する片側省略の断面説明図である。
【図4】車体において2次たれが生じやすい特定部分を
説明する斜視図である。
【図5】焼付乾燥工程域における各特定部分の温度変化
と同工程域の位置関係を示すグラフである。
【図6】車体のシルにおける2次たれを説明する斜視図
である。
【符号の説明】
A1〜A3 合せ目(特定箇所) B 車体(被塗装物) C コンベア(搬送手段) E シル(部材) F1 フロントピラー(部材) F2 センターピラー(部材) F3 リアピラー(部材) Z1 電着工程域 Z2 洗浄工程域 Z3 水切工程域 Z4 焼付乾燥工程域 11 第1の洗浄液の噴射手段 12 第1の空気の噴射手段 13 第2の空気の噴射手段 14 第2の洗浄液の噴射手段 11〜14 噴射器 15 洗浄液の送給管 16 空気の送給管 33 接続管(接続部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐 藤 英 明 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部材の重合部分を有する被塗装物を電着
    塗装するに際し、塗料の電着および洗浄を行った後の塗
    膜の焼付乾燥工程において、部材の重合部分を集中的に
    洗浄することを特徴とする電着塗装方法。
  2. 【請求項2】 部材の重合部分を集中的に洗浄したの
    ち、同重合部分にエアブローを行うことを特徴とする請
    求項1に記載の電着塗装方法。
  3. 【請求項3】 部材の重合部分を集中的に洗浄する前
    に、同重合部分に初期エアブローを行うことを特徴とす
    る請求項2に記載の電着塗装方法。
  4. 【請求項4】 部材の重合部分に初期エアブローを行う
    前に、同重合部分に洗浄液を噴射することを特徴とする
    請求項3に記載の電着塗装方法。
  5. 【請求項5】 部材の重合部分の洗浄において、純水に
    界面活性剤を混合した洗浄液を用いることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の電着塗装方法。
  6. 【請求項6】 洗浄液における界面活性剤の混合率を
    0.2〜1.0%としたことを特徴とする請求項5に記
    載の電着塗装方法。
  7. 【請求項7】 塗料の電着工程域と、電着液を除去する
    洗浄工程域と、洗浄液を除去する水切工程域と、塗膜の
    焼付乾燥工程域を備え、これらの工程域に被塗装物を順
    次搬送して電着塗装を行う電着塗装装置において、焼付
    乾燥工程域に、被塗装物の特定箇所に対する洗浄液の噴
    射手段を備えたことを特徴とする電着塗装装置。
  8. 【請求項8】 洗浄液の噴射手段よりも被塗装物搬出側
    に、被塗装物の特定箇所に対する空気の噴射手段を備え
    たことを特徴とする請求項7に記載の電着塗装装置。
  9. 【請求項9】 洗浄液の噴射手段よりも被塗装物搬入側
    に、被塗装物の特定箇所に対する第2の空気の噴射手段
    を備えたことを特徴とする請求項8に記載の電着塗装装
    置。
  10. 【請求項10】 第2の空気の噴射手段よりも被塗装物
    搬入側に、被塗装物の特定箇所に対する第2の洗浄液の
    噴射手段を備えたことを特徴とする請求項9に記載の電
    着塗装装置。
  11. 【請求項11】 噴射手段が、被塗装物の搬送方向に沿
    って複数の接続部を設けた送給管と、送給管の接続部に
    着脱可能な噴射器を備えていることを特徴とする請求項
    7〜10のいずれかに記載の電着塗装装置。
  12. 【請求項12】 焼付乾燥工程域における被塗装物の特
    定箇所の温度変化と、被塗装物の搬送速度に基づいて噴
    射手段の噴射位置を設定したことを特徴とする請求項7
    〜11のいずれかに記載の電着塗装装置。
  13. 【請求項13】 被塗装物の搬送手段からの運転情報に
    基づいて噴射手段をオン・オフ制御することを特徴とす
    る請求項7〜12のいずれかに記載の電着塗装装置。
JP17015396A 1996-06-28 1996-06-28 電着塗装方法および電着塗装装置 Pending JPH1018091A (ja)

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