JPH10180293A - シュウ酸カルシウムスケールの防止方法 - Google Patents

シュウ酸カルシウムスケールの防止方法

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JPH10180293A
JPH10180293A JP35720496A JP35720496A JPH10180293A JP H10180293 A JPH10180293 A JP H10180293A JP 35720496 A JP35720496 A JP 35720496A JP 35720496 A JP35720496 A JP 35720496A JP H10180293 A JPH10180293 A JP H10180293A
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Shigeru Sato
茂 佐藤
Toshio Ishida
敏雄 石田
Aya Sakaguchi
彩 坂口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製紙工程で生成するシュウ酸カルシウムスケー
ルの付着を効果的に防止することができるシュウ酸カル
シウムスケールの防止方法を提供する。 【解決手段】分子量2,000〜50,000のカルボキ
シル基を有する水溶性重合体を、製紙工程の白水又はパ
ルプスラリーに、重合体固形分として1〜50mg/リッ
トルの濃度になるよう添加することを特徴とするシュウ
酸カルシウムスケールの防止方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シュウ酸カルシウ
ムスケールの防止方法に関する。さらに詳しくは、本発
明は、製紙工程で生成するシュウ酸カルシウムスケール
の防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紙の製造工程は、原料の調製、抄紙、白
水回収、塗工、排水処理など種々の工程よりなり、各工
程で様々な添加剤が用いられている。例えば、脱墨剤、
サイズ剤、紙力増強剤、ろ水性・歩留り向上剤、消泡
剤、殺菌剤などのスライム抑制剤、pH調整用の酸やアル
カリ、様々な界面活性剤、無機の填料などが一般に使用
されている。また、製紙工程の水には、これら添加剤の
他に、原料パルプに由来する物質も含まれ、その物質の
一つにシュウ酸がある。原料パルプから水中に出てくる
シュウ酸の量は、原料木材の種類によって多少の差はあ
るものの、おおむね原料木材の種類にかかわらず水によ
り抽出される。従来より、抄紙は、ろ水性や歩留りを向
上するために、硫酸バンドを用いた酸性抄紙が主流であ
るが、酸性で抄いた紙は劣化しやすく、紙の強度低下や
変色を生じ、紙質の低下を起こしやすいなど品質面で問
題がある。そこで、最近では、有機系の紙力増強剤やろ
水性・歩留まり向上剤の適用により、硫酸バンドの使用
をできるだけ抑えるか、もしくは全く使用しない条件、
つまり中性抄紙が行われる傾向になってきている。ま
た、酸性抄紙では、無機の填料としてタルクやカオリン
が用いられるが、中性抄紙とすることによって、安価な
炭酸カルシウムを用いるケースも増えてきている。以上
のような背景において、製紙工程でシュウ酸カルシウム
スケールによるトラブルが最近問題となりつつある。す
なわち、パルプ原料に由来するシュウ酸と、中性抄紙へ
の移行で使われるケースが増えてきた炭酸カルシウムに
由来するカルシウムイオンとの結合により生じる、極め
て難溶性のシュウ酸カルシウムスケールによるトラブル
である。シュウ酸カルシウムスケールは、配管、ポン
プ、スクリーンなどの製紙工程の諸機器に付着して、機
器が有する本来の性能を低下させるのみならず、スケー
ルの一部が固まりとして紙の上に脱落し、紙切れを生じ
させたり、紙製品に斑点を生じさせて品質を損なうな
ど、生産に大きな損失をもたらすケースがでてきてい
る。このようなシュウ酸カルシウムスケールを防止する
ために、ホスホン酸塩、重合リン酸塩などの一般的なス
ケール防止剤が用いられる場合もあるが、これらのスケ
ール防止剤では十分なスケール防止効果が得られない場
合が多い。このため、実際には、多大な費用と手間をか
けて装置を定期的に洗浄しているのが現状である。この
ため、シュウ酸カルシウムスケールの生成を効果的に防
止することができるスケール防止剤及びスケール防止方
法の確立が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製紙工程で
生成するシュウ酸カルシウムスケールの付着を効果的に
防止することができるシュウ酸カルシウムスケールの防
止方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、製紙工程の白水
又はパルプスラリーに、特定の分子量のカルボキシル基
を有する水溶性重合体を添加することにより、シュウ酸
カルシウムスケールの発生を効果的に防止し得ることを
見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、(1)分子量2,000〜5
0,000のカルボキシル基を有する水溶性重合体を、
製紙工程の白水又はパルプスラリーに、重合体固形分と
して1〜50mg/リットルの濃度になるよう添加するこ
とを特徴とするシュウ酸カルシウムスケールの防止方
法、及び、(2)カルボキシル基を有する水溶性重合体
が、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸のアルカリ金属
塩である第(1)項記載のシュウ酸カルシウムスケールの
防止方法、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のシュウ酸カルシウムスケ
ールの防止方法は、製紙工程、特に填料として炭酸カル
シウムを使用する製紙工程に効果的に適用することがで
きる。本発明方法においては、カルボキシル基を有する
水溶性重合体を製紙工程の白水又はパルプスラリーに添
加する。カルボキシル基を有する水溶性重合体として
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
ビニル酢酸、イタコン酸、ソルビン酸、マレイン酸など
や、これらの塩又は無水物の単独重合体、これらと共重
合可能な他の単量体との共重合体などを挙げることがで
きる。共重合可能な他の単量体としては、例えば、ビニ
ルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルホスホン酸、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、
2−ヒドロキシ−2−アリロキシプロパンスルホン酸、
スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノアリルエ
ーテル、アリルアルコール、(メタ)アクリルアミド、N
−アルキル(メタ)アクリルアミド、スチレン、(メタ)ア
クリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、酢酸ビニルなどを挙げることがで
きる。これらのカルボキシル基を有する水溶性重合体の
中で、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸のアルカリ金
属塩は、スケール防止効果が高く、特に好適に使用する
ことができる。
【0006】本発明方法において使用するカルボキシル
基を有する水溶性重合体の分子量は、2,000〜50,
000であり、より好ましくは2,000〜20,000
である。水溶性重合体の分子量が2,000未満であっ
ても、50,000を超えても、スケール抑制率が低下
し、シュウ酸カルシウムスケールの効果的な防止が困難
となるおそれがある。また、水溶性重合体の分子量が5
0,000を超えると、その水溶液の粘度が高くなり、
取り扱いが容易でなくなるおそれがある。本発明方法に
おいて使用するカルボキシル基を有する水溶性重合体の
分子量は、分子量既知のポリエチレングリコールを標準
物質として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
により求めることができる。本発明方法において使用す
るカルボキシル基を有する水溶性重合体の製造方法には
特に制限はなく、溶液重合、塊状重合などの任意の公知
の方法により製造することができる。カルボキシル基を
有する水溶性重合体は、原料の単量体も水溶性である場
合が多いので、水を溶媒とする水溶液重合を好適に使用
することができる。水溶液重合においては、単量体の5
〜50重量%水溶液を調製し、不活性ガスにより雰囲気
を置換したのち、50〜100℃に加熱し、水溶性重合
開始剤を添加することにより重合を行うことができる。
水溶性重合開始剤としては、例えば、4,4'−アゾビス
(4−シアノ吉草酸)、2,2'−アゾビス(2−メチルプ
ロピオンアミジン)二塩酸塩などのアゾ系開始剤、過硫
酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムな
どの過硫酸塩系開始剤、過酸化水素、過ヨウ素酸ナトリ
ウムなどの過酸化物系開始剤などを挙げることができ
る。また、必要に応じて、アルコール類やリン酸類など
を連鎖移動剤として用いることができる。重合は、通常
は3〜6時間で終了し、放冷することによりカルボキシ
ル基を有する水溶性重合体の水溶液を得ることができ
る。
【0007】本発明方法においては、カルボキシル基を
有する水溶性重合体を、製紙工程の白水又はパルプスラ
リーに、重合体固形分として1〜50mg/リットルの濃
度になるよう添加する。水溶性重合体の添加量が、重合
体固形分として1mg/リットル未満であると、スケール
防止効果が十分に発現せず、シュウ酸カルシウムスケー
ルの発生を防止しきれないおそれがある。水溶性重合体
の添加量は、通常は50mg/リットルで十分であり、5
0mg/リットルを超える濃度の水溶性重合体を添加して
も、添加量の増加に伴ってさらにスケール防止効果が向
上することは稀である。本発明方法において、カルボキ
シル基を有する水溶性重合体を白水又はパルプスラリー
に添加する場所には特に制限はなく、製紙工程において
添加場所を適宜選択することができる。例えば、ヘッド
ボックス、ワイヤ下白水ピット、スクリーン、ファンポ
ンプの付近などにおいて添加することができる。カルボ
キシル基を有する水溶性重合体の添加方法には特に制限
はないが、通常は適当な濃度に調製した重合体の水溶液
として添加することが、輸送及び計量の面から好都合で
ある。
【0008】本発明方法においては、必要に応じて他の
スケール防止剤を併用することができる。他のスケール
防止剤としては、例えば、ニトリロトリメチレンホスホ
ン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、ホスホノブ
タントリカルボン酸、ヘキサメタリン酸ナトリウムなど
を挙げることができる。また、本発明方法においては、
通常の製紙工程において添加される紙力増強剤、ろ水性
・歩留り向上剤、スライム防止剤、ピッチコントロール
剤などを併用することができる。紙力増強剤としては、
例えば、カチオン化デンプン、アクリルアミド系ポリマ
ー、ジアルデヒドデンプン、グアーガムなどを挙げるこ
とができる。ろ水性・歩留り向上剤としては、例えば、
カチオン化デンプン、アクリルアミド系ポリマー、ポリ
エチレンイミンなどを挙げることができる。スライム防
止剤としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、ジブロ
モニトリロプロピオンアミド、ベンゾイソチアゾリンな
どを挙げることができる。本発明方法においては、水溶
性重合体の有するカルボキシル基のカルシウムイオンに
対するキレート作用により、シュウ酸イオンとカルシウ
ムイオンとの反応が阻害され、製紙工程において発生す
るシュウ酸カルシウムスケールを効果的に防止すること
ができるものと考えられる。
【0009】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 中性抄紙の実機白水をNo.5Cのろ紙、続いて孔径0.
1μmのフィルターでろ過してSS分を除去し、白水ろ
液を調製した。この白水ろ液の水質は、pH7.2、電気
伝導率212mS/m、カルシウムイオン168mg/リ
ットル(4.192ミリモル/リットル)、シュウ酸イ
オン1.5mg/リットル(0.017ミリモル/リット
ル)、鉄イオン0.1mg/リットル以下、アルミニウム
イオン2.0mg/リットル以下、硫酸イオン562mg/
リットル、塩化物イオン32mg/リットル、有機体炭素
355mg/リットル、生物化学的酸素消費量380mg/
リットルであった。この白水ろ液に、シュウ酸ナトリウ
ムをシュウ酸イオンとして30mg/リットル(0.34
1ミリモル/リットル)になるよう添加したところ、大
量の析出物を生じた。この液を40℃で3時間撹拌した
のち、孔径0.1μmのフィルターでろ過し、ろ液中の
カルシウムイオン濃度を測定した。カルシウムイオン濃
度は、150mg/リットル(3.743ミリモル/リッ
トル)であり、シュウ酸イオンはほぼ完全にシュウ酸カ
ルシウムとして析出したことが分かった。なお、フィル
ターろ過により得られた析出物についてX線回折を行っ
たところ、メインピークが2θ=21.6、36.5、5
7.8oに認められ、析出物がシュウ酸カルシウムである
ことが確かめられた。上記の白水ろ液に、分子量2,0
00のポリアクリル酸ナトリウムを濃度10mg/リット
ルになるよう添加して撹拌したのち、シュウ酸ナトリウ
ムをシュウ酸イオンとして30mg/リットル(0.34
1ミリモル/リットル)になるよう添加したが、析出物
は生じなかった。この液を40℃で3時間撹拌したが、
依然として析出物は認められなかった。この液を、孔径
0.1μmのフィルターでろ過し、ろ液中のカルシウム
イオン濃度を測定したところ、カルシウムイオン濃度は
165mg/リットル(4.117ミリモル/リットル)
であった。これらの結果から、分子量2,000のポリ
アクリル酸ナトリウム10mg/リットルの添加によるス
ケール抑制率は、 {(165−150)/(168−150)}×100
=83.3(%) と求められる。 実施例2 実施例1において調製した白水ろ液に、分子量6,50
0のポリアクリル酸ナトリウムを濃度10mg/リットル
になるよう添加して撹拌したのち、シュウ酸ナトリウム
をシュウ酸イオンとして30mg/リットル(0.341
ミリモル/リットル)になるよう添加したが、析出物は
生じなかった。この液を40℃で3時間撹拌したが、依
然として析出物は認められなかった。この液を、孔径
0.1μmのフィルターでろ過し、ろ液中のカルシウム
イオン濃度を測定したところ、カルシウムイオン濃度は
168mg/リットル(4.192ミリモル/リットル)
であった。これらの結果から、分子量6,500のポリ
アクリル酸ナトリウム10mg/リットルの添加によるス
ケール抑制率は、 {(168−150)/(168−150)}×100
=100.0(%) と求められる。 実施例3 分子量6,500のポリアクリル酸ナトリウムの代わり
に、分子量20,000のポリアクリル酸ナトリウムを
用いた以外は、実施例2と同じ操作を繰り返した。シュ
ウ酸ナトリウムの添加後も、40℃で3時間加熱したの
ちも、析出物は認められなかった。40℃で3時間加熱
後の液をろ過して得られたろ液中のカルシウムイオン濃
度は、167mg/リットルであり、スケール抑制率は9
4.4%であった。 実施例4 分子量6,500のポリアクリル酸ナトリウムの代わり
に、分子量50,000のポリアクリル酸ナトリウムを
用いた以外は、実施例2と同じ操作を繰り返した。シュ
ウ酸ナトリウムの添加後には析出物は認められなかった
が、40℃で3時間加熱すると、少量の析出物が析出し
た。40℃で3時間加熱後の液をろ過して得られたろ液
中のカルシウムイオン濃度は、162mg/リットルであ
り、スケール抑制率は66.7%であった。 実施例5 分子量6,500のポリアクリル酸ナトリウムの代わり
に、分子量3,000のポリマレイン酸を用いた以外
は、実施例2と同じ操作を繰り返した。シュウ酸ナトリ
ウムの添加後には析出物は認められなかったが、40℃
で3時間加熱すると、少量の析出物が析出した。40℃
で3時間加熱後の液をろ過して得られたろ液中のカルシ
ウムイオン濃度は、164mg/リットルであり、スケー
ル抑制率は77.8%であった。 実施例6 分子量6,500のポリアクリル酸ナトリウムの代わり
に、分子量9,500のアクリル酸と2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比80:20
の共重合体を用いた以外は、実施例2と同じ操作を繰り
返した。シュウ酸ナトリウムの添加後には析出物は認め
られなかったが、40℃で3時間加熱すると、少量の析
出物が析出した。40℃で3時間加熱後の液をろ過して
得られたろ液中のカルシウムイオン濃度は、163mg/
リットルであり、スケール抑制率は72.2%であっ
た。 比較例1 分子量6,500のポリアクリル酸ナトリウムの代わり
に、分子量1,500のポリアクリル酸ナトリウムを用
いた以外は、実施例2と同じ操作を繰り返した。シュウ
酸ナトリウムの添加後には析出物は認められなかった
が、40℃で3時間加熱すると、多量の析出物が析出し
た。40℃で3時間加熱後液をろ過して得られたのろ液
中のカルシウムイオン濃度は、155mg/リットルであ
り、スケール抑制率は27.8%であった。 比較例2 分子量6,500のポリアクリル酸ナトリウムの代わり
に、分子量66,000のポリアクリル酸ナトリウムを
用いた以外は、実施例2と同じ操作を繰り返した。シュ
ウ酸ナトリウムの添加後には析出物は認められなかった
が、40℃で3時間加熱すると、多量の析出物が析出し
た。40℃で3時間加熱後の液をろ過して得られたろ液
中のカルシウムイオン濃度は、154mg/リットルであ
り、スケール抑制率は22.2%であった。 比較例3 分子量6,500のポリアクリル酸ナトリウムの代わり
に、分子量650,000のアクリル酸とアクリルアミ
ドのモル比20:80の共重合体を用いた以外は、実施
例2と同じ操作を繰り返した。シュウ酸ナトリウムの添
加後には析出物は認められなかったが、40℃で3時間
加熱すると、多量の析出物が析出した。40℃で3時間
加熱後の液をろ過して得られたろ液中のカルシウムイオ
ン濃度は、155mg/リットルであり、スケール抑制率
は27.8%であった。 比較例4 分子量6,500のポリアクリル酸ナトリウムの代わり
に、分子量12,000のポリアクリルアミドを用いた
以外は、実施例2と同じ操作を繰り返した。シュウ酸ナ
トリウムの添加後には析出物は認められなかったが、4
0℃で3時間加熱すると、多量の析出物が析出した。4
0℃で3時間加熱後の液をろ過して得られたろ液中のカ
ルシウムイオン濃度は、152mg/リットルであり、ス
ケール抑制率は11.1%であった。 比較例5 分子量6,500のポリアクリル酸ナトリウムを濃度1
0mg/リットルになるよう添加する代わりに、ヘキサメ
タリン酸ナトリウムを濃度20mg/リットルになるよう
添加した以外は、実施例2と同じ操作を繰り返した。シ
ュウ酸ナトリウムの添加後には析出物は認められなかっ
たが、40℃で3時間加熱すると、多量の析出物が析出
した。40℃で3時間加熱後の液をろ過して得られたろ
液中のカルシウムイオン濃度は、151mg/リットルで
あり、スケール抑制率は5.6%であった。 比較例6 分子量6,500のポリアクリル酸ナトリウムを濃度1
0mg/リットルになるよう添加する代わりに、ヒドロキ
シエチリデンジホスホン酸を濃度20mg/リットルにな
るよう添加した以外は、実施例2と同じ操作を繰り返し
た。シュウ酸ナトリウムの添加後には析出物は認められ
なかったが、40℃で3時間加熱すると、多量の析出物
が析出した。40℃で3時間加熱後の液をろ過して得ら
れたろ液中のカルシウムイオン濃度は、154mg/リッ
トルであり、スケール抑制率は22.2%であった。実
施例1〜6及び比較例1〜6の結果を、第1表に示す。
【0010】
【表1】
【0011】第1表の結果から、実施例1〜6の分子量
2,000〜50,000のカルボキシル基を有する水溶
性重合体を用いた本発明方法によれば、溶液中における
シュウ酸カルシウムの析出を防ぎ、効果的にシュウ酸カ
ルシウムスケールの発生を防止することができることが
分かる。特に水溶性重合体の分子量が2,000〜20,
000であるとき、スケール抑制率が高く、シュウ酸カ
ルシウムスケールの防止効果が大きい。これに対して、
同じ濃度になるようにカルボキシル基を有する水溶性重
合体を添加しても、分子量が小さすぎる比較例1や、分
子量が大きすぎる比較例2、比較例3においては、スケ
ール抑制率が低く、シュウ酸カルシウムスケールの防止
効果が小さい。また、分子量が12,000であって
も、カルボキシル基を有しない水溶性重合体であるポリ
アクリルアミドを添加した比較例4においては、スケー
ル抑制率が低い。さらに、従来からスケール防止剤とし
て用いられているヘキサメタリン酸ナトリウムやヒドロ
キシエチリデンジホスホン酸は、添加量を2倍にしても
シュウ酸カルシウムスケールに対する防止効果は小さ
い。
【0012】
【発明の効果】本発明方法によれば、製紙工程において
発生するシュウ酸カルシウムスケールを、効果的に防止
することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子量2,000〜50,000のカルボキ
    シル基を有する水溶性重合体を、製紙工程の白水又はパ
    ルプスラリーに、重合体固形分として1〜50mg/リッ
    トルの濃度になるよう添加することを特徴とするシュウ
    酸カルシウムスケールの防止方法。
  2. 【請求項2】カルボキシル基を有する水溶性重合体が、
    ポリアクリル酸又はポリアクリル酸のアルカリ金属塩で
    ある請求項1記載のシュウ酸カルシウムスケールの防止
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002061089A (ja) * 2000-08-16 2002-02-28 Hakuto Co Ltd 古紙脱墨パルプ製造工程におけるスケール抑制方法
JP2002105891A (ja) * 2000-10-04 2002-04-10 Hakuto Co Ltd 紙パルプ製造工程におけるスケール抑制方法
JP2002146689A (ja) * 2000-11-07 2002-05-22 Hakuto Co Ltd 古紙脱墨パルプ製造工程におけるスケール抑制方法

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JP2002061089A (ja) * 2000-08-16 2002-02-28 Hakuto Co Ltd 古紙脱墨パルプ製造工程におけるスケール抑制方法
JP2002105891A (ja) * 2000-10-04 2002-04-10 Hakuto Co Ltd 紙パルプ製造工程におけるスケール抑制方法
JP2002146689A (ja) * 2000-11-07 2002-05-22 Hakuto Co Ltd 古紙脱墨パルプ製造工程におけるスケール抑制方法

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