JP2002146689A - 古紙脱墨パルプ製造工程におけるスケール抑制方法 - Google Patents

古紙脱墨パルプ製造工程におけるスケール抑制方法

Info

Publication number
JP2002146689A
JP2002146689A JP2000339111A JP2000339111A JP2002146689A JP 2002146689 A JP2002146689 A JP 2002146689A JP 2000339111 A JP2000339111 A JP 2000339111A JP 2000339111 A JP2000339111 A JP 2000339111A JP 2002146689 A JP2002146689 A JP 2002146689A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
water
scale
waste paper
calcium carbonate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000339111A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirokazu Tanabe
寛和 田邊
Zenji Yamaguchi
善治 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hakuto Co Ltd
Original Assignee
Hakuto Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hakuto Co Ltd filed Critical Hakuto Co Ltd
Priority to JP2000339111A priority Critical patent/JP2002146689A/ja
Publication of JP2002146689A publication Critical patent/JP2002146689A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/64Paper recycling

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 古紙脱墨パルプ製造工程における炭酸カルシ
ウムスケール及び炭酸カルシウム主体とした珪酸塩複合
スケールを効率良く抑制する方法を提供することにあ
る。 【解決手段】 (1)エチレン性不飽和カルボン酸及び
その無水物、水溶性塩から選ばれる1種以上を構成単位
として含む水溶性重合体と、(2)ホスホン酸類及びそ
の水溶性塩の1種以上を、(1):(2)=1:9〜
6:4(重量比)で添加することから構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、古紙脱墨パルプ製
造工程におけるスケール付着抑制方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】製紙産業では、近年、水の節約、エネル
ギーの節約のために工程水を高度に循環再使用すること
が一般的になり、製紙工程水中のカルシウム塩類や珪酸
塩類が蓄積、濃縮されるようになって来た。また、従来
の硫酸アルミニウムを使用した酸性抄紙による製紙装置
類の腐食の低減及び酸性抄紙による紙製品の低保存性の
改善、さらに填料に炭酸カルシウムを使用して製紙コス
トの低減を図る等の目的で、従来の硫酸アルミニウムを
少なくする、あるいは場合によっては使用せず、工程水
を中性から弱アルカリ性で抄造する中性抄紙あるいはア
ルカリ抄紙への転換が進んでいる。加えて、森林資源保
護の社会的要求から古紙回収とその利用が進むにつれ
て、中性抄紙やアルカリ抄紙で製造された古紙の回収、
使用が増加し、より中性抄紙あるいはアルカリ抄紙への
転換を促進している。
【0003】一般に、古紙脱墨パルプ製造工程では、該
工程水の循環使用や再使用、さらに該工程よりもpHが
低く、よりカルシウム塩類濃度が高い中性抄紙工程ある
いはアルカリ抄紙工程水の再利用によりカルシウム塩類
が増加・濃縮されるうえに、回収古紙された中性抄紙の
新聞紙やチラシの填料に由来する炭酸カルシウムや脱墨
助剤として使用される塩化カルシウムなどのカルシウム
塩類、離解助剤や脱墨助剤および漂白に使用する過酸化
水素の安定化剤として含まれているケイ酸ナトリウム等
も工程水中に蓄積、濃縮される。さらに離解、脱墨及び
漂白のために水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウムを使
用してpHは約8〜11のアルカリ性となるため、炭酸
カルシウムスケール及び炭酸カルシウムを主体とした珪
酸塩類複合化スケールが形成しやすくなっている。これ
らのスケールは、古紙脱墨パルプ製造工程内の配管、洗
浄・脱水装置やそのシャワー配管、スクリーン等の各所
に沈着・付着し、配管の閉塞、洗浄不良及び脱水不良等
の弊害を生じる。
【0004】スケールの除去は、通常、定期的に操業を
一時停止して機械的な剥離・除去、あるいは配管や装置
類を酸性洗浄液に浸し、洗浄液を循環してスケールを剥
離・除去している。この作業は、工程により異なるもの
の、通常、3ヶ月から6ヶ月の頻度で行われ、一回の作
業で1日〜2日を要している。しかし、このような定期
的な付着スケールの剥離・除去を行っていても、突発的
にスケールの付着が生じ、配管閉塞やスクリーンの目詰
まりによる脱水不良を起こすなど操業に支障をきたすこ
とがある。
【0005】そこで、操業の安定化とスケール除去作業
の低減を目的に工程内でのスケール抑制剤の使用が提案
されている。例えば、脱墨パルプ製造工程の水洗工程水
に有機ホスホン酸類を添加する炭酸カルシウムスケール
付着防止方法(特許第2526924号公報)、有機オ
キシカルボン酸類とホスホン酸類を併用する脱墨工程の
シリカ系スケール付着防止方法(特開平3−16158
5号公報)、マレイン酸類及び/又は(メタ)アクリル
アミノメチルプロパンスルホン酸等の(メタ)アクリル
酸類との共重合体とマグネシウムイオンもしくはアルミ
ニウムイオンとを併用するシリカ−珪酸塩スケールの防
止方法(特開平4−356580号公報)等がある。し
かし、このような方法でも古紙脱墨工程、漂白工程、調
成工程、抄紙工程、プレス工程等で炭酸カルシウムスケ
ール及び炭酸カルシウムを主体とした珪酸塩類複合化ス
ケールによるスケール障害に対して、満足のいくスケー
ル抑制効果を得るには至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、古紙脱墨パ
ルプ製造工程における炭酸カルシウムスケール及び炭酸
カルシウム主体とした珪酸塩複合スケールを効率良く抑
制する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決する手段】本発明者らは、古紙脱墨パルプ
製造工程におけるスケール抑制の方法を鋭意検討した結
果、不飽和カルボン酸類を構成単位として含む水溶性重
合体と、ホスホン酸類を併用することで、炭酸カルシウ
ムスケール、炭酸カルシウムを主体とする珪酸塩複合ス
ケールの抑制に優れた効果を有することを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0008】すなわち、請求項1の発明は、古紙脱墨パ
ルプ製造工程におけるスケール抑制方法であり、(1)
エチレン性不飽和カルボン酸及びその無水物、水溶性塩
から選ばれる1種以上を構成単位として含む水溶性共重
合体と、(2)ホスホン酸類及びその水溶性塩の1種以
上を(1):(2)=1:9〜6:4(重量比)で添加
することを特徴としている。
【0009】請求項2の発明は、請求項1記載の古紙脱
墨パルプ製造工程におけるスケール抑制方法であって、
エチレン性不飽和カルボン酸類がアクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸から選ばれ
る1種以上であることを特徴としている。
【0010】請求項3の発明は、請求項1又は2記載の
古紙脱墨パルプ製造工程におけるスケール抑制方法であ
って、ホスホン酸類が、アミノトリメチレンホスホン
酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン
酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ヘキ
サメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジメチ
レントリアミンペンタメチレンホスホン酸、1−ホスホ
ノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ヒドロキシホ
スホノ酢酸から選ばれる1種以上であることを特徴とし
ている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0012】本発明のスケール抑制方法は、古紙脱墨パ
ルプ製造工程において、(1)エチレン性不飽和カルボ
ン酸、その無水物、及び水溶性塩から選ばれる1種以上
を構成単位として含む水溶性重合体と(2)ホスホン酸
類を併用することにより、炭酸カルシウムスケール及び
炭酸カルシウム主体とした珪酸塩複合スケールの抑制方
法である。
【0013】本発明の水溶性重合体(以下、「水溶性重
合体」と記す)を構成するエチレン性不飽和カルボン酸
類は、重合性を有するエチレン性二重結合を持つカルボ
ン酸及びその無水物又はその水溶性塩から選ばれる1種
以上であり、例えば、α,β−不飽和カルボン酸類、
α,β−不飽和ジカルボン酸類、α,β−不飽和カルボ
ン酸以外の不飽和脂肪酸類及びその無水物又はその水溶
性塩があげられる。具体的には、α,β−不飽和カルボ
ン酸類としてはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、イソクロトン酸、2−ペンテン酸、2−ヘキセン
酸、ソルビン酸、ケイ皮酸等、α,β−不飽和ジカルボ
ン酸類としてはマレイン酸、イタコン酸等、α,β−不
飽和カルボン酸以外の不飽和脂肪酸類としては3−ブテ
ン酸、3−メチル−3−ブテン酸等である。好適には、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、
イタコン酸及びこれらの無水物、さらにこれらの水溶性
塩から選ばれる1種以上である。水溶性塩としては、通
常、水溶液として得られる塩類であれば特に限定される
ものではないが、好ましくはナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩及びアミン塩である。アミン塩を形
成するアミンには、例えば、ジメチルアミン、トリメチ
ルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジメチルエタノー
ルアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノール
アミン等がある。
【0014】水溶性重合体の分子量は、好ましくは2,
000〜50,000、より好ましくは3,000〜3
0,000である。分子量が2,000より低いと、本
発明の目的とするスケール抑制効果が充分でないことが
あり、分子量50,000以上では、分子量の増加に伴
うほどのスケール抑制効果の向上が小さいうえに取扱性
が悪くなることがある。
【0015】本発明の水溶性重合体は、通常の重合性エ
チレン性化合物のラジカル重合方法に準じて製造でき
る。例えば、不飽和カルボン酸類を10〜40重量%含
む水溶液を50〜70℃に加温し、ラジカル重合開始剤
を全モノマー重量に対して0.05〜0.5重量%添加
して重合させる。ラジカル重合開始剤としては、一般に
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビス−
2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾビス化合物、
過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、過
酸化水素、クメンパーオキサイド、ジ−tert−ブチ
ルヒドロパーオキサイド等の過酸化物が使用される。ま
た、必要に応じて連鎖移動剤として、チオグリコール酸
及びそのエステル類、β−メルカプトプロピオン酸及び
そのエステル類等を添加して、分子量を調整しても良
い。得られた重合体の分子量は、ゲル浸透クロマトグラ
フィーにより測定することができる。
【0016】本発明の水溶性重合体は、好ましくはナト
リウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩とす
ることにより水溶性を上げて使用される。これら水溶性
塩の調製は、例えば、ナトリウム塩の場合、攪拌下、水
酸化ナトリウム水溶液に本発明の重合体を徐々に加えて
容易に得ることができる。
【0017】本発明のホスホン酸類は、ホスホン基を有
する有機ホスホン酸およびその水溶性塩で、具体的に
は、アミノトリメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエ
チリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテ
トラメチレンホスホン酸、ヘキサメチレンジアミンテト
ラメチレンホスホン酸、ジメチレントリアミンペンタメ
チレンホスホン酸、1−ホスホノブタン−1,2,4−
トリカルボン酸、ヒドロキシホスホノ酢酸があり、その
水溶性塩はナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム
塩、アミン塩である。
【0018】(1)水溶性重合体及び(2)ホスホン酸
類は、それぞれ単独に使用してもそれなりのスケール抑
制効果が認められるが、(1)水溶性重合体と(2)ホ
スホン酸類の併用により相乗効果が得られる。相乗効果
を得るための好ましい使用比率は、(1)水溶性重合体
と(2)ホスホン酸類を(1):(2)=1:9〜6:
4(重量比)、好ましくは(1):(2)=2:8〜
5:5(重量比)である。
【0019】(1)水溶性重合体及び(2)ホスホン酸
類の添加量は、スケールの発生程度、装置の運転状況な
どによって異なり一律に決められないが、通常、(1)
水溶性重合体と(2)ホスホン酸類の合計量として、工
程水量に対し0.1〜200mg/L、好ましくは1〜
100mg/Lである。
【0020】適用方法は、特に限定されるものではない
が、通常、(1)水溶性重合体と(2)ホスホン酸類を
ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩
等の水溶性の塩として、より水に溶解しやすいように
し、それぞれ1〜10重量%水溶液にして工程水に添加
する。このとき(1)水溶性重合体と(2)ホスホン酸
類は、別々の水溶液としてもよいが、両者を所定の割合
で混合して1液にして添加するのが実用上便利である。
また、(1)水溶性重合体と(2)ホスホン酸類の添加
場所は、特に限定されるものではないが、スケールが生
じている箇所や工程に直接添加してもよく、あるいはそ
の場所より上流部の工程水及び/又はパルプスラリーに
添加しても良い。添加は、ポンプで連続添加あるいは間
欠添加する。
【0021】本発明の適用に際して、他の公知のスケー
ルコントロール剤、界面活性剤、スライムコントロール
剤、消泡剤等を同時に添加されることがあるが、本発明
の効果を妨げない限りにおいて、これらの添加に制約を
与えるものではない。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 [水溶性重合体1の製造]500mLの5つ口フラスコに
アクリル酸22g(0.30モル)、水300gを加
え、攪拌下、冷却しながら20%水酸化ナトリウム水溶
液を徐々に加え、pHを7に調整した。フラスコ内に窒
素ガスを通気しつつ、溶液を50℃に加温、維持しなが
ら、攪拌下、過硫酸アンモニウム0.5gを投入し、反
応を開始させた。6時間反応を続けた後、70℃に加温
してさらに2時間維持し、冷却して水溶性重合体水溶液
を得た。イオンクロマトグラフィーにより残存単量体濃
度を測定した結果、未反応の単量体は0.1重量%未満
で反応率は実質100%であることを確認した。また、
ゲル浸透クロマトグラフィーの結果、平均分子量は2,
000であった。同様にして水溶性重合体−2〜12を
得た。水溶性重合体−1〜12の組成を表1に示した。
【0023】
【表1】
【0024】[ホスホン酸類] HEDP:1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホス
ホン酸 PBTC:1−ホスホノブタン−1,2,4−トリカル
ボン酸 ATMP:アミノトリメチレンホスホン酸 HMDTMP:ヘキサメチレンジアミンテトラメチレン
ホスホン酸 EDTMP:エチレンジアミンテトラメチレンホスホン
酸 DETPMP:ジエチレントリアミンペンタメチレンホ
スホン酸 HPA:ヒドロキシホスホノ酢酸 [スケール抑制試験―1]ある製紙工場のチラシを含む
回収新聞古紙を使った脱墨パルプ製造工程において、フ
ローテーター後のシックナーでは、ワイヤー(金網)及
び濾液送液配管内壁に炭酸カルシウム系のスケールが付
着し、約2ヶ月で急速に濾過効率の低下や送液量の低下
が起こり、操業に支障を来していた。そのシックナー濾
液〔カルシウム濃度:炭酸カルシウムとして210mg
/L、シリカ濃度:SiO2として60mg/L、p
H:9.6、水温:30℃〕をNo.6(東洋濾紙
(株)製)で濾過した濾液にスケール抑制剤:1mg/
濾液−Lを添加し、攪拌混合して試験液(A)を調製し
た。一方、0.28重量%塩化カルシウム水溶液(カル
シウムイオンとして0.1重量%に相当)を調製し、試
験液(B)とした。図1に示すスケール抑制試験装置を
使用し、試験液(A)を約2000ml、試験液(B)
を約200ml、保温ヒーター付き試験液(A)槽
(1)、保温ヒーター付き試験液(B)槽(2)に入
れ、各々薬液ポンプ((3)及び(4))により試験液
(A)を28.5ml/分、試験液(B)を1.5ml
/分の流量で60分間連続して混合槽(6)に入れ、攪
拌機(5)を約100rpmの回転数で撹拌、混合し、微
小な炭酸カルシウム析出物を生成させた。5分後、混合
液(7)が150mlに達したならば、混合槽(6)の
下部に付けたコック(9)を開き、薬注ポンプ(10)
により混合液(7)を30ml/分の速さで200メッシ
ュのステンレス金網(8)を通過、流出させた。この
時、混合液(7)に含まれる微細な炭酸カルシウム析出
物が200メッシュのステンレス金網(8)に付着す
る。混合液(7)が無くなった後、ステンレス金網
(8)を取り出し、付着したスケールを希塩酸で溶解し
た。この溶解液を0.45μmのPTFE製メンブレン
フィルターで濾過し、その濾液のカルシウム濃度を偏光
ゼーマン原子吸光光度計(日立Z−6100型・フレー
ム法)で測定し、炭酸カルシウム濃度に換算して次式に
より、スケール抑制率(%)を算出した。
【0025】 スケール抑制率(%)={(A−B)/A}×100 A:スケール抑制剤無添加時の付着スケール中のカルシ
ウム量 (CaCO3−mg) B:スケール抑制剤添加時の付着スケール中のカルシウ
ム量 (CaCO3−mg) 結果を表2に示した。本発明の方法により、水溶性重合
体、ホスホン酸の単独使用よりも高いスケール抑制率が
得られた。 [スケール抑制試験―2]ある製紙工場の新聞古紙とチ
ラシを主体とした古紙脱墨工程では、使用している工業
用水のカルシウム濃度及びシリカ濃度が比較的高い上
に、過酸化水素漂白を行っているために、漂白塔出口か
ら貯蔵タンク、後段の洗浄工程までの配管内壁に炭酸カ
ルシウム及び炭酸カルシウムを主体とした珪酸塩を含む
スケールが付着し、急速に送液量の低下が起こり、操業
に支障を来していた。その工程水〔カルシウム濃度:炭
酸カルシウムとして745mg/L、シリカ濃度:Si
2として120mg/L、pH:10.8、温度:4
0℃〕を採取し、No.6(東洋濾紙(株)製)で濾過
した濾液にスケール抑制剤:10mg/Lを添加して、
撹拌混合して試験液(A)とした。一方、0.28重量
%塩化カルシウム水溶液を調製し、試験液(B)とし
た。[スケール抑制試験―1]と同様の手順で、試験液
(A)を27ml/分、試験液(B)を3ml/分で混
合槽(6)に送り、混合液(7)とし、試験を行った。
結果を表2に示した。
【0026】高濃度の炭酸カルシウム濃度及びシリカ濃
度の工程水でも本発明の方法により、水溶性重合体とホ
スホン酸の単独使用よりも高いスケール抑制効果が得ら
れることが認められた。
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明のスケール抑制方法により、少な
い使用量で古紙脱墨パルプ製造工程におけるスケール付
着を防止することが出来、スケール付着に伴う操業性の
低下を防止し、紙パルプ工業に益するところが大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】スケール抑制試験装置
【符号の説明】
1:保温ヒーター付き試験液(A)槽 2:保温ヒーター付き試験液(B)槽 3:試験液(A)用薬注ポンプ 4:試験液(B)用薬注ポンプ 5:攪拌機 6:保温ヒーター付き混合槽 7:混合液 8:ステンレス製200メッシュ金網 9:コック 10:流出用薬注ポンプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)エチレン性不飽和カルボン酸及び
    その無水物、水溶性塩から選ばれる1種以上を構成単位
    として含む水溶性重合体と、(2)ホスホン酸類及びそ
    の水溶性塩の1種以上を、(1):(2)=1:9〜
    6:4(重量比)で添加することを特徴とする古紙脱墨
    パルプ製造工程におけるスケール抑制方法。
  2. 【請求項2】 エチレン性不飽和カルボン酸類が、アク
    リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタ
    コン酸から選ばれる1種以上である請求項1記載の古紙
    脱墨パルプ製造工程におけるスケール抑制方法。
  3. 【請求項3】 ホスホン酸類が、アミノトリメチレンホ
    スホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホス
    ホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、
    ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジ
    メチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、1−ホ
    スホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ヒドロキ
    シホスホノ酢酸から選ばれる1種以上である請求項1又
    は2記載の古紙脱墨パルプ製造工程におけるスケール抑
    制方法。
JP2000339111A 2000-11-07 2000-11-07 古紙脱墨パルプ製造工程におけるスケール抑制方法 Pending JP2002146689A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000339111A JP2002146689A (ja) 2000-11-07 2000-11-07 古紙脱墨パルプ製造工程におけるスケール抑制方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000339111A JP2002146689A (ja) 2000-11-07 2000-11-07 古紙脱墨パルプ製造工程におけるスケール抑制方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002146689A true JP2002146689A (ja) 2002-05-22

Family

ID=18814223

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000339111A Pending JP2002146689A (ja) 2000-11-07 2000-11-07 古紙脱墨パルプ製造工程におけるスケール抑制方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002146689A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011052358A (ja) * 2009-09-04 2011-03-17 Hakuto Co Ltd スケール防止剤およびスケール防止方法
JP2011132637A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Taihokohzai:Kk 緑液系スケール形成抑制剤及びスケール形成抑制方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06116886A (ja) * 1992-10-02 1994-04-26 Nikka Chem Co Ltd 故紙の再生処理方法
JPH07119064A (ja) * 1993-10-22 1995-05-09 Taiho Ind Co Ltd 黒液濃縮缶スケール抑制剤
JPH0892888A (ja) * 1994-09-26 1996-04-09 Nitto Chem Ind Co Ltd 古紙の脱墨工程におけるスケール防止剤およびスケール防止方法
JPH10180293A (ja) * 1996-12-26 1998-07-07 Kurita Water Ind Ltd シュウ酸カルシウムスケールの防止方法
JP2000234295A (ja) * 1999-02-09 2000-08-29 Kurita Water Ind Ltd 製紙工程におけるスケール防止方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06116886A (ja) * 1992-10-02 1994-04-26 Nikka Chem Co Ltd 故紙の再生処理方法
JPH07119064A (ja) * 1993-10-22 1995-05-09 Taiho Ind Co Ltd 黒液濃縮缶スケール抑制剤
JPH0892888A (ja) * 1994-09-26 1996-04-09 Nitto Chem Ind Co Ltd 古紙の脱墨工程におけるスケール防止剤およびスケール防止方法
JPH10180293A (ja) * 1996-12-26 1998-07-07 Kurita Water Ind Ltd シュウ酸カルシウムスケールの防止方法
JP2000234295A (ja) * 1999-02-09 2000-08-29 Kurita Water Ind Ltd 製紙工程におけるスケール防止方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011052358A (ja) * 2009-09-04 2011-03-17 Hakuto Co Ltd スケール防止剤およびスケール防止方法
JP2011132637A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Taihokohzai:Kk 緑液系スケール形成抑制剤及びスケール形成抑制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5353960B2 (ja) スケール防止方法
JPS6015413A (ja) 新規なスケ−ル抑制コポリマ−及びスケ−ル付着を抑制する方法
US5320757A (en) Method of inhibiting calcium oxalate scale deposition
JP2002105891A (ja) 紙パルプ製造工程におけるスケール抑制方法
JP2008202185A (ja) 緑液製造系におけるスケール形成抑制剤、スケール形成抑制方法、及び緑液製造系
JP2002146689A (ja) 古紙脱墨パルプ製造工程におけるスケール抑制方法
JP4453707B2 (ja) 緑液製造系におけるスケール形成抑制剤、スケール形成抑制方法、及び緑液製造系
JP5272462B2 (ja) 緑液製造系におけるスケール形成抑制剤、スケール形成抑制方法、及び緑液製造系
JP4110768B2 (ja) ボイラ用水処理剤
JP2014147911A (ja) スケール防止剤及びスケール防止方法
JP4373591B2 (ja) 古紙脱墨パルプ製造工程におけるスケール抑制方法
JP2004293028A (ja) 水系における硫酸バリウムのスケール抑制剤およびスケール抑制方法
JP2008088574A (ja) 蒸解釜におけるスケール付着抑制方法
FR2533549A1 (fr) Composition et procede pour inhiber la formation de tartre
JP2007289817A (ja) 工程水系の洗浄方法
JP2011052358A (ja) スケール防止剤およびスケール防止方法
CN114286803A (zh) 水系统的钙系水垢防止剂及水垢防止方法
JP6365639B2 (ja) ナトリウム塩スケール防止剤、ナトリウム塩スケール防止方法、水系の粘度低減剤、水系の管理方法及び水系の粘度低減方法
JP6542966B1 (ja) スケール防止剤及びその製造方法並びにスケール防止方法。
JPH0892888A (ja) 古紙の脱墨工程におけるスケール防止剤およびスケール防止方法
JP3100589B1 (ja) 紙パルプ製造工程におけるシュウ酸カルシウムスケール抑制剤およびその抑制方法
JPH05302288A (ja) 木材パルプの漂白前処理方法
JP4176179B2 (ja) パルプ漂白工程におけるスケール抑制方法
JP2000117292A (ja) 紙パルプ製造工程におけるシュウ酸カルシウムスケール抑制剤
JP2002045887A (ja) クラフトパルプ洗浄漂白工程のスケール防止方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100419

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100826