JPH07119064A - 黒液濃縮缶スケール抑制剤 - Google Patents
黒液濃縮缶スケール抑制剤Info
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- JPH07119064A JPH07119064A JP28622493A JP28622493A JPH07119064A JP H07119064 A JPH07119064 A JP H07119064A JP 28622493 A JP28622493 A JP 28622493A JP 28622493 A JP28622493 A JP 28622493A JP H07119064 A JPH07119064 A JP H07119064A
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Abstract
生ずるスケールを抑制することができるスケール抑制剤
を提案する。 【構成】 本発明の黒液濃縮缶スケール抑制剤は、ポリ
イタコン酸若しくはその塩と、アミノポリ酢酸若しくは
その塩とを含有してなり、その割合重量比が95:5〜
30:70である。
Description
解廃液(以下、黒液と称する。)を濃縮する際に生ずる
スケールの析出及び付着を抑制することができる黒液濃
縮缶スケール抑制剤に関する。
製造工程中の黒液は蒸発缶にて約60〜75%まで濃縮
される濃縮工程の後、次の回収ボイラ工程で燃焼して無
機薬品(主に水酸化ナトリウム)を回収するが、上記濃
縮工程においてはスケール、特にカルシウムスケールが
伝熱面に析出、付着し、熱効率の低下をもたらす。この
ため定期的に操業停止して化学洗浄を行い、カルシウム
スケールを除去する必要がある。しかし、上記化学洗浄
は極めて煩雑であり、また連続操業を必要とする装置の
操業停止は生産効率を著しく低下させるために大きな問
題となっている。さらに、上記化学洗浄に要する時間は
長く(2〜5日間程度)、使用する洗浄薬品(有機酸
等)の量も多いため、要する経費も膨大なものである。
特に蒸発缶として4重乃至6重の多段効用真空蒸発缶等
が用いられる場合には、上記問題はより一層大きなもの
となる。そこで、適宜なスケール防止剤を添加してその
スケール抑制効果が十分であれば、蒸発缶における熱効
率の低下をもたらさず、長時間の連続操業が可能とな
り、当然化学洗浄のインターバルは延び、そのメリット
は大きい筈である。
ポリリン酸、ヘキサメタリン酸、若しくはそれらの塩等
に代表される無機重合リン酸や、メチレンジホスホン
酸、アミノエチリデンジホスホン酸、若しくはそれらの
塩等に代表されるホスホン酸類などが用いられている。
また、水溶性重合物ではアクリル酸ホモポリマー、アク
リル酸−マレイン酸コポリマー、若しくはその塩などが
使用されている。
来のスケール防止剤の効果作用としては、何れもスケー
ル、特にカルシウムスケールの結晶構造を変化させ、所
謂“スレッシュホールド効果”と呼ばれる作用で、伝熱
面に付着しづらくする作用であり、スケールそのものの
析出を抑制する効果は殆どなかった。したがって、黒液
が高濃度に濃縮された場合は液粘性が高くなり、伝熱面
におびただしい量のスケールが付着してしまうものであ
った。
されたもので、黒液の濃縮工程において、スレッシュホ
ールド効果も有しながら黒液中のカルシウムがイオン状
態でアミノポリカルボン酸若しくはその塩の助けをかり
てポリイタコン酸若しくはその塩に配位結合されるた
め、スケールそのものを析出させない効果を有するスケ
ール抑制剤に関する。即ち、本発明はポリイタコン酸若
しくはその塩と、アミノポリ酢酸若しくはその塩とを含
有してなり、その割合重量比が95:5〜30:70で
あることを特徴とする黒液濃縮缶スケール抑制剤に関す
る。
の塩は、
00程度であるものは、後述するアミノポリ酢酸若しく
はその塩と併用した場合にスケール抑制能に優れてい
る。ポリイタコン酸の塩としてはナトリウム塩、カリウ
ム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン(アンモ
ニウム)塩等を挙げることができる。また、重合度nが
10以下ではモノマー自身の物性に近くなってアミノポ
リ酢酸若しくはその塩と併用してもスケール抑制能は低
下し、また1000以上では高分子領域となってやはり
スケール抑制能は低下する。
くは塩としては、例えばニトリロ三酢酸、エチレンジア
ミン四酢酸、ジエチレントリアミン三酢酸、イミノ二酢
酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ヒドロキシルエ
チルイミノ二酢酸、若しくはそれらの塩を例示すること
ができる。
混合してなるものであり、ポリイタコン酸若しくはその
塩と、アミノポリ酢酸若しくはその塩との割合重量比
は、95:5〜30:70、特に90:10〜40:6
0が有効である。ポリイタコン酸若しくはその塩の割合
量が95wt%以上ではポリイタコン酸若しくはその塩
単独の性能に近く、また30wt%以下ではアミノポリ
酢酸若しくはその塩単独の性能に近く、何れも有効なス
ケール抑制効果が発揮されない。
薬剤は、それぞれ単独で使用しても十分なスケール抑制
効果は発揮されない。しかし、本発明者は、各薬剤を混
合して用いることにより顕著なスケール抑制効果が発揮
されることを見出したものである。また、アミノポリ酢
酸若しくは塩はキレート剤として知られているが、この
アミノポリ酢酸若しくは塩に代えてホスホン酸系キレー
ト剤、カルボン酸系キレート剤等の他のキレート剤をポ
リイタコン酸若しくはその塩と併用したが、スケール抑
制効果はなかった。
示す配合組成の実施例1〜3、並びに比較例1〜4のス
ケール抑制剤を作製した。
解液(NaOH 8%,Na2 CO3 3.5%,KO
H 0.5%,Na2 S 4.0%,純水 84.0
%)100mlを100℃に加温し、これに前記実施例
1〜3,比較例1〜4のスケール抑制剤を40ppm添
加した。次に、Caイオン50ppm(CaCl2 使
用)を添加し、オートクレーブ中にセットし、130℃
に加温した。130℃で1時間保持した後、100℃に
冷却して直ちにNo.6濾紙で濾過した。そして、濾液
中のCaイオン濃度をICP(誘導結合高周波プラズマ
発光分光分析装置)によって測定し、その結果を表1に
示した。尚、スケール抑制剤を全く添加しない状態(比
較例5とした)のCaイオン濃度も同様に測定し、その
結果を表1に示した。
示す配合組成の実施例4〜5、並びに比較例6〜9のス
ケール抑制剤を作製した。
〜5,比較例6〜9のスケール抑制剤を100ppm添
加した固形分16wt%の希黒液500gをビーカー中
に入れ、その希黒液を図1に示す装置によって攪拌しな
がらパイプヒーター(ステンレス製、液接触面積39.
3cm2 )で加熱し、固形分が約65wt%になるまで
濃縮した。そして、パイプヒーターに付着したスケール
付着量を測定し、その結果を表2に示した。また、スケ
ール抑制剤を全く添加しない状態(比較例5)のスケー
ル付着量を測定し、スケール防止率を算出した。
上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲
に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施する
ことができる。
缶スケール抑制剤は、従来のスケール防止剤のようにス
ケールの結晶構造を変えて付着防止を行う方法と異な
り、スケールそのものの析出量を少なくすることが可能
となるものである。したがって、蒸発缶は長時間に亙っ
て熱効率の低下を生ずることなく連続操業を行うことが
でき、一方化学洗浄のインターバルは長くなり、経済的
或いは時間的なメリットは極めて大きいものとなる。
に用いた装置の概略図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリイタコン酸若しくはその塩と、アミ
ノポリ酢酸若しくはその塩とを含有してなり、その割合
重量比が95:5〜30:70であることを特徴とする
黒液濃縮缶スケール抑制剤。 - 【請求項2】 ポリイタコン酸又はその塩の重合度が1
0〜1000である請求項1記載の黒液濃縮缶スケール
抑制剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28622493A JP3260935B2 (ja) | 1993-10-22 | 1993-10-22 | 黒液濃縮缶スケール抑制剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP28622493A JP3260935B2 (ja) | 1993-10-22 | 1993-10-22 | 黒液濃縮缶スケール抑制剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07119064A true JPH07119064A (ja) | 1995-05-09 |
JP3260935B2 JP3260935B2 (ja) | 2002-02-25 |
Family
ID=17701577
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28622493A Expired - Fee Related JP3260935B2 (ja) | 1993-10-22 | 1993-10-22 | 黒液濃縮缶スケール抑制剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3260935B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002146689A (ja) * | 2000-11-07 | 2002-05-22 | Hakuto Co Ltd | 古紙脱墨パルプ製造工程におけるスケール抑制方法 |
JP2007063696A (ja) * | 2005-08-30 | 2007-03-15 | Hakuto Co Ltd | 黒液濃縮エバポレータのスケール洗浄方法 |
-
1993
- 1993-10-22 JP JP28622493A patent/JP3260935B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002146689A (ja) * | 2000-11-07 | 2002-05-22 | Hakuto Co Ltd | 古紙脱墨パルプ製造工程におけるスケール抑制方法 |
JP2007063696A (ja) * | 2005-08-30 | 2007-03-15 | Hakuto Co Ltd | 黒液濃縮エバポレータのスケール洗浄方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3260935B2 (ja) | 2002-02-25 |
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