JPH07119064A - 黒液濃縮缶スケール抑制剤 - Google Patents

黒液濃縮缶スケール抑制剤

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JPH07119064A
JPH07119064A JP28622493A JP28622493A JPH07119064A JP H07119064 A JPH07119064 A JP H07119064A JP 28622493 A JP28622493 A JP 28622493A JP 28622493 A JP28622493 A JP 28622493A JP H07119064 A JPH07119064 A JP H07119064A
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Taichi Kuroda
多市 黒田
Akihiro Mochizuki
昭宏 望月
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パルプ製造工程中の蒸解廃液を濃縮する際に
生ずるスケールを抑制することができるスケール抑制剤
を提案する。 【構成】 本発明の黒液濃縮缶スケール抑制剤は、ポリ
イタコン酸若しくはその塩と、アミノポリ酢酸若しくは
その塩とを含有してなり、その割合重量比が95:5〜
30:70である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルプ製造工程中の蒸
解廃液(以下、黒液と称する。)を濃縮する際に生ずる
スケールの析出及び付着を抑制することができる黒液濃
縮缶スケール抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】パルプ製造工程、特にクラフトパルプの
製造工程中の黒液は蒸発缶にて約60〜75%まで濃縮
される濃縮工程の後、次の回収ボイラ工程で燃焼して無
機薬品(主に水酸化ナトリウム)を回収するが、上記濃
縮工程においてはスケール、特にカルシウムスケールが
伝熱面に析出、付着し、熱効率の低下をもたらす。この
ため定期的に操業停止して化学洗浄を行い、カルシウム
スケールを除去する必要がある。しかし、上記化学洗浄
は極めて煩雑であり、また連続操業を必要とする装置の
操業停止は生産効率を著しく低下させるために大きな問
題となっている。さらに、上記化学洗浄に要する時間は
長く(2〜5日間程度)、使用する洗浄薬品(有機酸
等)の量も多いため、要する経費も膨大なものである。
特に蒸発缶として4重乃至6重の多段効用真空蒸発缶等
が用いられる場合には、上記問題はより一層大きなもの
となる。そこで、適宜なスケール防止剤を添加してその
スケール抑制効果が十分であれば、蒸発缶における熱効
率の低下をもたらさず、長時間の連続操業が可能とな
り、当然化学洗浄のインターバルは延び、そのメリット
は大きい筈である。
【0003】従来、上記スケール防止剤としては、トリ
ポリリン酸、ヘキサメタリン酸、若しくはそれらの塩等
に代表される無機重合リン酸や、メチレンジホスホン
酸、アミノエチリデンジホスホン酸、若しくはそれらの
塩等に代表されるホスホン酸類などが用いられている。
また、水溶性重合物ではアクリル酸ホモポリマー、アク
リル酸−マレイン酸コポリマー、若しくはその塩などが
使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のスケール防止剤の効果作用としては、何れもスケー
ル、特にカルシウムスケールの結晶構造を変化させ、所
謂“スレッシュホールド効果”と呼ばれる作用で、伝熱
面に付着しづらくする作用であり、スケールそのものの
析出を抑制する効果は殆どなかった。したがって、黒液
が高濃度に濃縮された場合は液粘性が高くなり、伝熱面
におびただしい量のスケールが付着してしまうものであ
った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑み提案
されたもので、黒液の濃縮工程において、スレッシュホ
ールド効果も有しながら黒液中のカルシウムがイオン状
態でアミノポリカルボン酸若しくはその塩の助けをかり
てポリイタコン酸若しくはその塩に配位結合されるた
め、スケールそのものを析出させない効果を有するスケ
ール抑制剤に関する。即ち、本発明はポリイタコン酸若
しくはその塩と、アミノポリ酢酸若しくはその塩とを含
有してなり、その割合重量比が95:5〜30:70で
あることを特徴とする黒液濃縮缶スケール抑制剤に関す
る。
【0006】本発明に用いるポリイタコン酸若しくはそ
の塩は、
【化1】 で示され、重合度nが10〜1000、特に100〜5
00程度であるものは、後述するアミノポリ酢酸若しく
はその塩と併用した場合にスケール抑制能に優れてい
る。ポリイタコン酸の塩としてはナトリウム塩、カリウ
ム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン(アンモ
ニウム)塩等を挙げることができる。また、重合度nが
10以下ではモノマー自身の物性に近くなってアミノポ
リ酢酸若しくはその塩と併用してもスケール抑制能は低
下し、また1000以上では高分子領域となってやはり
スケール抑制能は低下する。
【0007】また、本発明に用いるアミノポリ酢酸若し
くは塩としては、例えばニトリロ三酢酸、エチレンジア
ミン四酢酸、ジエチレントリアミン三酢酸、イミノ二酢
酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ヒドロキシルエ
チルイミノ二酢酸、若しくはそれらの塩を例示すること
ができる。
【0008】本発明のスケール抑制剤は、上記各薬剤を
混合してなるものであり、ポリイタコン酸若しくはその
塩と、アミノポリ酢酸若しくはその塩との割合重量比
は、95:5〜30:70、特に90:10〜40:6
0が有効である。ポリイタコン酸若しくはその塩の割合
量が95wt%以上ではポリイタコン酸若しくはその塩
単独の性能に近く、また30wt%以下ではアミノポリ
酢酸若しくはその塩単独の性能に近く、何れも有効なス
ケール抑制効果が発揮されない。
【0009】尚、本発明のスケール抑制剤を構成する各
薬剤は、それぞれ単独で使用しても十分なスケール抑制
効果は発揮されない。しかし、本発明者は、各薬剤を混
合して用いることにより顕著なスケール抑制効果が発揮
されることを見出したものである。また、アミノポリ酢
酸若しくは塩はキレート剤として知られているが、この
アミノポリ酢酸若しくは塩に代えてホスホン酸系キレー
ト剤、カルボン酸系キレート剤等の他のキレート剤をポ
リイタコン酸若しくはその塩と併用したが、スケール抑
制効果はなかった。
【0010】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。
【0011】[実施例1〜3,比較例1〜4];表1に
示す配合組成の実施例1〜3、並びに比較例1〜4のス
ケール抑制剤を作製した。
【0012】[カルシウムスケール抑制試験];模擬蒸
解液(NaOH 8%,Na2 CO3 3.5%,KO
H 0.5%,Na2 S 4.0%,純水 84.0
%)100mlを100℃に加温し、これに前記実施例
1〜3,比較例1〜4のスケール抑制剤を40ppm添
加した。次に、Caイオン50ppm(CaCl2 使
用)を添加し、オートクレーブ中にセットし、130℃
に加温した。130℃で1時間保持した後、100℃に
冷却して直ちにNo.6濾紙で濾過した。そして、濾液
中のCaイオン濃度をICP(誘導結合高周波プラズマ
発光分光分析装置)によって測定し、その結果を表1に
示した。尚、スケール抑制剤を全く添加しない状態(比
較例5とした)のCaイオン濃度も同様に測定し、その
結果を表1に示した。
【0013】
【表1】
【0014】[実施例4〜5,比較例6〜9];表2に
示す配合組成の実施例4〜5、並びに比較例6〜9のス
ケール抑制剤を作製した。
【0015】[スケール付着防止試験];前記実施例4
〜5,比較例6〜9のスケール抑制剤を100ppm添
加した固形分16wt%の希黒液500gをビーカー中
に入れ、その希黒液を図1に示す装置によって攪拌しな
がらパイプヒーター(ステンレス製、液接触面積39.
3cm2 )で加熱し、固形分が約65wt%になるまで
濃縮した。そして、パイプヒーターに付着したスケール
付着量を測定し、その結果を表2に示した。また、スケ
ール抑制剤を全く添加しない状態(比較例5)のスケー
ル付着量を測定し、スケール防止率を算出した。
【0016】
【表2】
【0017】以上本発明の実施例を示したが、本発明は
上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲
に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施する
ことができる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の黒液濃縮
缶スケール抑制剤は、従来のスケール防止剤のようにス
ケールの結晶構造を変えて付着防止を行う方法と異な
り、スケールそのものの析出量を少なくすることが可能
となるものである。したがって、蒸発缶は長時間に亙っ
て熱効率の低下を生ずることなく連続操業を行うことが
でき、一方化学洗浄のインターバルは長くなり、経済的
或いは時間的なメリットは極めて大きいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるスケール付着防止試験
に用いた装置の概略図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイタコン酸若しくはその塩と、アミ
    ノポリ酢酸若しくはその塩とを含有してなり、その割合
    重量比が95:5〜30:70であることを特徴とする
    黒液濃縮缶スケール抑制剤。
  2. 【請求項2】 ポリイタコン酸又はその塩の重合度が1
    0〜1000である請求項1記載の黒液濃縮缶スケール
    抑制剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146689A (ja) * 2000-11-07 2002-05-22 Hakuto Co Ltd 古紙脱墨パルプ製造工程におけるスケール抑制方法
JP2007063696A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Hakuto Co Ltd 黒液濃縮エバポレータのスケール洗浄方法

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JP2002146689A (ja) * 2000-11-07 2002-05-22 Hakuto Co Ltd 古紙脱墨パルプ製造工程におけるスケール抑制方法
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