JPH10179175A - 新規m蛋白質 - Google Patents

新規m蛋白質

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JPH10179175A
JPH10179175A JP9299297A JP29929797A JPH10179175A JP H10179175 A JPH10179175 A JP H10179175A JP 9299297 A JP9299297 A JP 9299297A JP 29929797 A JP29929797 A JP 29929797A JP H10179175 A JPH10179175 A JP H10179175A
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polypeptide
protein
polynucleotide
dna
sequence
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JP9299297A
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Martin Karl R Burnham
マーティン・カール・ラッセル・バーナム
Stephen HOLMES
スティーブン・ホームズ
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SmithKline Beecham Ltd
SmithKline Beecham Corp
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SmithKline Beecham Ltd
SmithKline Beecham Corp
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Publication date
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    • C07K14/3156Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Streptococcus (G), e.g. Enterococci from Streptococcus pneumoniae (Pneumococcus)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規なMタンパク質および該タンパク質をコ
ードするDNAが望まれている。 【解決手段】 本発明のポリペプチドのアミノ酸配列
を、ストレプトコッカスMタンパク質等の他のタンパク
質の既知アミノ酸配列と比較することにより、その相同
性を検討することで新規なMタンパク質を提供するもの
である。また、組換え技術によりかかるポリペプチドを
製造する方法;感染、および細菌感染を処置するための
かかるMタンパク質の利用方法;かかるMタンパク質に
対するアンタゴニストおよび感染および細菌感染の処置
のための治療用としての使用;Mタンパク質核酸配列お
よびポリペプチドの宿主中の存在に関与する疾患の検出
のための診断アッセイ;およびMタンパク質をコードす
るポリヌクレオチドの検出および宿主中のポリペプチド
の検出のための診断アッセイをも開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一つの態様として、
新規に同定されたポリヌクレオチドおよびポリペプチ
ド;ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの変種および
誘導体;ポリヌクレオチドおよびポリペプチド、および
それらの変種および誘導体の製造方法;ポリペプチドの
アゴニストおよびアンタゴニスト;ならびにポリヌクレ
オチド、ポリペプチド、変種、誘導体、アゴニストおよ
びアンタゴニストの使用に関するものである。本発明は
またかかるポリヌクレオチドまたはポリペプチドの生合
成または作用の阻害、およびかかる阻害物質の治療にお
ける使用にも関する。特に、これらのおよびその他の点
に関して、本発明は、本明細書で「Mタンパク質」と称
するMタンパク質のポリヌクレオチドおよびポリペプチ
ドに関する。
【0002】
【従来の技術】ストレプトコッカス属(Streptococcu
s)は医学的に重要な微生物の属を形成しており、ヒト
に中耳炎、肺炎および髄膜炎等のいくつかの型の疾患を
引き起こすことが知られている。ストレプトコッカス属
は100年以上も前に単離されたので、ストレプトコッ
カス・ニューモニア(Streptococcus pneumoniae)は、
より詳細な研究が為された微生物の一つである。例え
ば、事実、DNAは遺伝的物質であることは早くから理
解されており、この微生物を用いたGriffithならびに、
Avery、MacleodおよびMcCartyの研究に詳細に報告され
ている。ストレプトコッカス・ニューモニア(S.pneumo
niae)に関する研究は膨大であるにも関わらず、この微
生物の毒性に関しては多くの疑問が残されている。
【0003】病因に関与する特定のストレプトコッカス
因子、例えば被膜多糖類、ペプチドグリカン、肺溶解素
(pneumolysins)、PspA補体因子H結合成分、自己
溶解素、ノイラミニダーゼ、ペプチド透過酵素、過酸化
水素、IgA1プロテアーゼ等が同定されているが、リ
ストは全く完全とはいえない。さらに、感染中のかかる
遺伝子の一時的な発現、および哺乳動物宿主における疾
患の進行に関しては極わずかしか知られていない。細菌
が、感染の種々の段階で、特に感染が確立された時に、
発現すると考えられる遺伝子を発見することは、病原体
を遮断しうる新規抗菌物質のスクリーニングおよび特徴
づけについて臨界的な情報を提供することになる。既知
タンパク質を十分理解することに加え、このような解決
法により、以前は認識されなかった標的を同定するよう
になるであろう。ストレプトコッカス(Streptococcu
s)のMタンパク質は多くの抗原形態にて存在し、ワク
チン開発を焦点とするこの種の細菌細胞表面タンパク質
で最も研究されているものである(Cleary,P.P.,Lape
nta,D.,Heath,D.,Haanes,E.J.およびChen,C.(199
1)、Genetics and Molecular Biology of Streptococc
i,Lactococci and Enterococci(Dunni,GMら編)147−1
51頁、American Soc.Microbiol.を参照のこと)。
【0004】本発明は、以下に示すポリペプチド配列、
またはemm遺伝子(受入番号X60098)によりコ
ードされるようなストレプトコッカス群種(Streptococ
cus group sp.)(グループG)Mタンパク質にアミノ
酸レベルで相同的なそのポリペプチドフラグメント、ア
ナログまたは誘導体からなる、ストレプトコッカス・ニ
ューモニア(Streptococcus pneumonia)010099
3株に由来するMタンパク質同族体を提供する。
【0005】抗細菌活性に関して化合物をスクリーニン
グするために使用でき、感染、機能不全および疾患の病
因に果たす役割を決定するためにも使用できる因子が必
要とされていることは明白である。従って、感染、機能
不全または疾患の予防、改善または抑制に役立ち得るか
かる因子を同定および特徴づけする必要がある。本発明
のポリペプチドは既知ストレプトコッカス(Streptococ
cus)Mタンパク質に対するアミノ酸配列相同性を有す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の一の目的は、
ポリペプチド、とりわけ図2に示すアミノ酸配列および
ストレプトコッカス・Mタンパク質などの他のタンパク
質の既知アミノ酸配列の間の相同性により、新規Mタン
パク質と同定されたポリペプチドを提供することであ
る。本発明のさらなる目的は、さらにMタンパク質をコ
ードするポリヌクレオチド、特に本明細書においてMタ
ンパク質と称するポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチドを提供することである。本発明のとりわけ好まし
い態様において、該ポリヌクレオチドは、図1に示す配
列における、Mタンパク質をコードする領域を含んでな
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の別の特に好まし
い具体例は、配列番号:2のアミノ酸配列またはそれら
のフラグメント、アナログもしくは誘導体を有してなる
ストレプトコッカス・ニューモニア(Streptococcus pn
eumonia)に由来する新規細胞表面タンパク質である。
本発明のこの態様によれば、NCIMB寄託番号407
94に含まれるストレプトコッカス・ニューモニア(St
reptococcus pneumonia)ポリヌクレオチドにより成熟
ポリペプチドを発現可能なようにコードする単離核酸分
子を提供する。本発明のこの態様によれば、Mタンパク
質、特にストレプトコッカス(Streptococcus)Mタン
パク質をコードする、mRNA、cDNA、ゲノムDN
Aおよび本発明のさらなる態様の具体例では、生物学
的、診断学的、臨床的または治療的に有用なそれらの変
種、アナログもしくは誘導体、または変種、アナログま
たは誘導体のフラグメント等のそれらのフラグメントを
包含する単離核酸分子を提供する。
【0008】本発明のこの態様におけるとりわけ好まし
い具体例は、Mタンパク質の天然の対立遺伝子変種であ
る。本発明のこの態様によれば、本明細書でMタンパク
質と称するストレプトコッカス(Streptococcus)の新
規ポリペプチド、および生物学的、診断学的、または治
療的に有用なそれらのフラグメント、変種、および誘導
体、フラグメントの変種、および誘導体ならびに前掲の
アナログを提供する。Mタンパク質ポリペプチド、とり
わけ治療目的、例えば細菌感染、特にストレプトコッカ
ス感染特にストレプトコッカス・ニューモニア(Strept
ococcus pneumonia)の感染等の感染に対して、宿主を
免疫して処置することを包含する、疾患の処置のために
用いることができるMタンパク質ポリペプチドを提供す
ることも本発明の目的である。
【0009】本発明のさらなる態様によれば、治療また
は予防の目的で、例えば抗細菌物質またはワクチンとし
ての本発明のポリペプチドの使用を提供する。また本発
明の別の態様によれば、治療または予防の目的で、特に
例えば遺伝的免疫における本発明のポリヌクレオチドの
使用を提供する。本発明のこの態様におけるとりわけ好
ましい具体例は、Mタンパク質遺伝子の天然の対立遺伝
子によりコードされるMタンパク質の変種である。
【0010】本発明の別の目的は、前記のポリペプチ
ド、ポリペプチドフラグメント、変種および誘導体、変
種および誘導体のフラグメント、ならびに前掲のアナロ
グの製造方法を提供することである。本発明のこの態様
の好ましい具体例では、外来性のMタンパク質をコード
するポリヌクレオチドを発現可能な様に組み込んだ宿主
細胞を、宿主においてMタンパク質を発現するような条
件下で培養し、発現したポリペプチドを回収することか
らなる、前記のMタンパク質ポリペプチドの製造方法を
提供する。本発明の他の目的は、とりわけ研究、生物学
的、臨床的および治療的目的で、前記のポリペプチドお
よびポリヌクレオチドを利用する製品、組成物、工程お
よび方法を提供することである。
【0011】本発明のさらに別の態様によれば、抗細菌
物質として有用なかかるポリペプチドに対する阻害物質
を提供する。特に、かかるポリペプチドに対する抗体を
提供する。本発明のこの態様の特定の好ましい具体例に
よれば、とりわけ:本明細書に開示するMタンパク質ポ
リペプチドまたはポリヌクレオチドに細胞を曝露するこ
とにより、インビトロ、エクソビボまたはインビボで、
細菌感染、例えばストレプトコッカス感染を治療するた
めに、Mタンパク質ポリペプチドまたはMタンパク質を
コードするmRNAを測定することによる、細胞中のM
タンパク質発現の評価;Mタンパク質遺伝子における遺
伝的変種および異常、例えば欠失の評価;ならびに細菌
特にストレプトコッカス属(Streptococcus)に対する
免疫応答を上昇させるための、Mタンパク質ポリペプチ
ドまたはポリヌクレオチドの生体への投与のための、製
品、組成物、および方法を提供する。
【0012】本発明のこのおよび別の態様の特定の好ま
しい具体例では、Mタンパク質配列に特異的にハイブリ
ダイゼーションするプローブを提供する。本発明のこの
態様のさらに好ましい具体例では、Mタンパク質ポリペ
プチドに対する抗体を提供する。この点に関するとりわ
け好ましい具体例では、抗体はヒトMタンパク質に対し
て高度に選択的である。本発明の別の態様によれば、M
タンパク質アゴニストを提供する。とりわけ好ましいア
ゴニストは、Mタンパク質結合分子に結合し、Mタンパ
ク質誘起反応を誘発するまたは増強するMタンパク質擬
似分子である。また、とりわけ好ましいアゴニストは、
Mタンパク質もしくはMタンパク質ポリペプチド、また
はその他のMタンパク質作用のモデュレーターと相互作
用し、それにより1またはそれ以上のMタンパク質の効
果を亢進または増強する分子であり、また静細菌性また
は殺細菌性であるのが好ましい。
【0013】本発明のさらに別の態様によれば、Mタン
パク質アンタゴニストを提供する。とりわけ好ましいア
ンタゴニストは、Mタンパク質結合分子に結合するが、
1またはそれ以上のMタンパク質誘起反応を誘発しない
ようなMタンパク質擬似分子である。また、とりわけ好
ましいアンタゴニストは、Mタンパク質の1もしくはそ
れ以上の効果を阻害する、またはMタンパク質の発現を
阻止する、Mタンパク質と結合もしくは相互作用する分
子である。本発明のさらなる態様では、インビトロで細
胞に、エクソビボで細胞におよびインビボで細胞に、ま
たは多細胞生物に投与するための、Mタンパク質ポリヌ
クレオチドまたはMタンパク質ポリペプチドを有してな
る組成物を提供する。本発明のこの態様の特に好ましい
具体例では、宿主生体内において免疫応答を上昇させ
る、好ましくはかかる宿主内でストレプトコッカス属ま
たはそれの関連生物に対する免疫を上昇させるための、
Mタンパク質ポリペプチドを発現させるためのMタンパ
ク質ポリヌクレオチドを有してなる組成物を提供する。
【0014】本発明のその他の目的、特徴、利点および
態様は、以下の記載より当業者には明白であろう。しか
しながら、以下の記載および具体的な実施例は、本発明
の好ましい具体例を示すものであり、説明のためにのみ
示すものであることを理解されたい。開示した本発明の
精神および範囲内での種々の変更および修飾は、以下の
記載および本明細書のその他の部分を読むことにより、
当業者に容易に明らかとなろう。
【0015】
【発明の実施の態様】
定義 以下の説明は、本明細書、とりわけ実施例において汎用
される特定の用語の理解を容易にするために示すもので
ある。説明は便宜上示すものであり、本発明を限定する
ものではない。
【0016】本明細書で用いるMタンパク質結合分子
は、本発明のMタンパク質ポリペプチドまたはポリヌク
レオチドと特異的に結合または相互作用する分子または
イオンを意味し、例えば酵素基質、細胞膜成分および古
典的な受容体を包含する。本発明のポリペプチドおよ
び、結合または相互作用分子等の分子間の結合は、本発
明のポリペプチドに対して独占的であり、これは好まし
く、または本発明のポリペプチドに高度に特異的であ
り、これもまた好ましく、本発明のポリペプチドを包含
するタンパク質群に高度に特異的であり、これは好まし
く、または少なくとも一つが本発明のポリペプチドを包
含するいくつかのタンパク質群に特異的である。結合分
子はまた、本発明のポリペプチドに特異的に結合する抗
体および抗体由来の物質をも包含する。
【0017】「DNA消化」とは、DNAの特定の配列
でのみ作用する制限酵素による、DNAの切断を意味す
る。本明細書で言及する種々の制限酵素は、市販により
入手可能であり、反応条件、コファクターおよびその他
使用のための要件は、当業者に周知であり、慣用される
ものである。分析の目的では、典型的なものではプラス
ミドまたはDNAフラグメント1μgを、反応緩衝液約
20μl中約2単位の酵素で消化する。プラスミド構築
用にDNAフラグメントを単離する目的では、典型的な
ものではDNA5〜50μgを、酵素約20〜250単
位で、相対的に高容量中で消化する。特定の制限酵素の
ための適当な緩衝液および基質量は、以下に引用するよ
うな標準的な研究室マニュアルに記載されており、それ
らは商業的供給者により規定されている。37℃で約1
時間のインキュベーション時間は、通常用いられるもの
であるが、標準的な方法、供給者の指示書および反応の
特色に応じて変更できる。消化後、当業者に慣用される
周知の方法を用いて、反応物を分析し、寒天またはポリ
アクリルアミドゲルの電気泳動によりフラグメントを精
製できる。
【0018】「遺伝的エレメント」とは、一般的にポリ
ペプチドをコードする領域、もしくは複製、転写もしく
は翻訳、もしくは宿主細胞においてポリペプチドを発現
するのに重要なその他の過程を制御する領域を有してな
るポリヌクレオチド、またはポリペプチドをコードする
領域およびそれらに機能的に連結した発現を制御する領
域の両方をを有してなるポリヌクレオチドを意味する。
遺伝的エレメントは、エピソームエレメント即ち宿主細
胞ゲノムと物理的に独立した分子として複製するベクタ
ー内に含まれる得る。これらはプラスミド内に含まれ得
る。遺伝的エレメントはまた、自然の状態ではなく、む
しろ単離、クローニングおよび宿主細胞への導入のよう
な操作の後に、精製DNAの形態で宿主細胞ゲノム内ま
たはとりわけベクター内にも含まれ得る。
【0019】「宿主細胞」は外来性ポリヌクレオチド配
列により形質転換もしくはトランスフェクションされ
た、または形質転換またはトランスフェクトされ得る細
胞である。「同一性」または「類似性」とは、当該分野
に周知であるように二つのポリペプチド配列間またはポ
リヌクレオチド配列間の関係であり、配列を比較して決
定する。当該分野において、「同一性」とはまた、かか
る配列の2本の鎖の合致により決定されるような2個の
ポリペプチドまたは2個のポリヌクレオチド配列間の関
連性の程度をも意味する。「同一性」および「類似性」
は共に容易に算出できる(Computational Molecular Bi
ology,Lesk,A.M.編、オックスフォード・ユニバーシテ
ィー・プレス、ニューヨーク、1988年;Biocomputing:
Informaticsand Genome Projects,Smith,D.W.編、アカ
デミック・プレス、ニューヨーク、1993年;Computer A
nalysis of Sequence Data,パートI,Griffin,A.M.お
よびGriffin,H.G.編、ヒューマン・プレス、ニュージャ
ージー、1994年;Sequence Analysis in Molecular Bio
logy,von Heinje,G.、アカデミック・プレス、1987
年;およびSequence Analysis Primer,Gribskov,M.お
よびDevereux,J.編、Mストックトン・プレス、ニュー
ヨーク、1991年)。二つのポリヌクレオチドまたはポリ
ペプチド配列の「同一性」および「類似性」を測定する
方法は多くあるが、両用語共当業者に周知である(Sequ
ence Analysis in Molecular Biology,von Heinje,
G.、アカデミック・プレス、1987年;Sequence Analysi
s Primer,Gribskov,M.およびDevereux,J.編、Mストッ
クトン・プレス、ニューヨーク、1991年;ならびにCari
llo,H.およびLipman,D.,SIAM J.Applied Math.,48:10
73(1988))。配列間の同一性または類似性を測定する
ために通常用いられる方法は、Carillo,H.およびLipma
n,D.,SIAM J.Applied Math.,48:1073(1988)に開示
されている方法を包含するが、これらに限定するもので
はない。同一性を決定するための好ましい方法は、試験
する二つの配列間で最も良く適合するように設計され
る。同一性および類似性を測定する方法は、コンピュー
タープログラムで集成されてれる。配列間の同一性およ
び類似性を測定する好ましいコンピュータープログラム
法は、GCGプログラムパッケージ(Devereux,J.ら、N
ucleic Acids Research 12(1):387(1984)、BLASTP、B
LASTN、FASTA(Atschul,S.F.ら、J.Molec.Biol.215:403
(1990)))包含するが、これらに限定するものではな
い。
【0020】「単離」とは、「人工的に」天然の状態か
ら変化させられた、すなわち、それが天然に存在する場
合、その元来の環境から変化または除去されたこと、ま
たはその両方が行われたことを意味する。例えば自然発
生のポリヌクレオチドまたはポリペプチドが、天然の状
態で生存動物に存在する場合は、「単離」されていない
が、同一のポリヌクレオチドまたはポリペプチドが、天
然に共存する物質のから分離されている場合は、本明細
書に用いる用語で「単離」がなされている。例えば、ポ
リヌクレオチドに関する場合、「単離された」なる用語
は、自然発生の染色体および細胞から分離されているこ
とを意味する。単離の一部として、または単離に引き続
いて、かかるポリヌクレオチドは、例えばDNAの様な
その他のポリヌクレオチドに結合して突然変異を誘発し
たり、融合タンパク質を形成したり、宿主中で伸長また
は発現したりすることができる。単離ポリヌクレオチド
は単独で、またはベクターの様な他のポリヌクレオチド
と結合して、培養物中または全生物体中の宿主細胞に導
入できる。培養物中または全生物体中の宿主細胞に導入
されたかかるDNAも本明細書に用いる用語である、
「単離された」といえる。というのはこれらは自然発生
の形態または環境にはないからである。同様に、ポリヌ
クレオチドおよびポリペプチドは組成物例えば、培地製
剤、例えば細胞にポリヌクレオチドまたはポリペプチド
を導入するための溶液、化学的または酵素的反応のため
の組成物または溶液にも存在でき、これらは自然には存
在しない組成物であり、本明細書に用いる用語の「単離
された」ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの範囲内
である。
【0021】「連結」とは、2個またはそれ以上のポリ
ヌクレオチド間、最も多くは2本鎖DNA間でホスホジ
エステル結合を形成する工程を意味する。連結技術は当
該分野に周知であり、連結プロトコールは標準的な研究
室マニュアルおよび参考文献、例えばSambrookら、Mole
cular Cloning,A Laboratory Manual、第2版;コール
ド・スプリング・ハーバー・ラボラトリープレス、コー
ルド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク(1989)お
よびManiastisら、(以下に引用)146頁に記載されてい
る。
【0022】「オリゴヌクレオチド」とは、短いポリヌ
クレオチドを意味する。この用語はしばしば一本鎖デオ
キシリボヌクレオチドを意味するが、同様に一本鎖また
は二本鎖リボヌクレオチド、RNA:DNAハイブリッ
ドとりわけ二本鎖DNAを意味する。オリゴヌクレオチ
ド、例えば一本鎖DNAプローブオリゴヌクレオチド
は、しばしば自動オリゴヌクレオチド合成器にかける等
の化学的方法により合成される。しかしながら、オリゴ
ヌクレオチドはインビトロ組換えDNA媒介技術および
細胞および生体におけるDNAの発現によるなどの、種
々のその他の方法により作ることができる。化学合成し
たDNAは、典型的なものでは、最初5’リン酸塩なし
で得られる。かかるオリゴヌクレオチドの5’末端は、
組換えDNA分子を形成するのに通常使用されるDNA
リガーゼを用いる連結反応によるホスホジエステル結合
形成のための基質ではない。かかるオリゴヌクレオチド
の連結が望まれる場合、キナーゼおよびATPを用いる
ような標準法によりリン酸塩を添加できる。化学合成し
たオリゴヌクレオチドの3’末端は、通常遊離の水酸基
を有し、T4DNAリガーゼ等のリガーゼの存在下、別
のオリゴヌクレオチドのような別のポリヌクレオチドの
5’リン酸塩と容易にホスホジエステル結合を形成す
る。周知のように、この反応は、望む場合、連結の前に
別の(複数の)ポリヌクレオチドの5’リン酸塩を除去
することにより、選択的に防御できる。
【0023】「プラスミド」は、当業者に周知の標準命
名法に準じて本明細書において通常前に小文字のpを付
し、および/または続いて大文字および/または数字で
示す。本明細書に開示する出発プラスミドは、制約を受
けずに市販により、公に入手可能であるかまたは、周知
の確立された技術を慣用することにより、入手可能なプ
ラスミドから構築することができる。本発明に準じて使
用できる多くのプラスミドならびにその他のクローニン
グおよび発現ベクターは、周知であり、当業者に容易に
入手できる。さらに、当業者は本発明の使用に適したそ
の他のプラスミドをいくらでも容易に構築することがで
きる。本発明におけるかかるプラスミドおよびその他の
ベクターの特性、構築および使用は、本明細書より当業
者に容易に理解され得る。
【0024】「(複数の)ポリヌクレオチド」とは、修
飾されていないRNAもしくはDNA、または修飾され
たRNAもしくはDNAであってよい、任意のポリリボ
ヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを意
味する。従って、例えば本明細書で用いるポリヌクレオ
チドは、とりわけ一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖お
よび二本鎖領域の混合物または一本鎖、二本鎖および三
本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖および二本鎖R
NA、ならびに一本鎖および二本鎖領域の混合物である
RNA、一本鎖もしくはより普通には二本鎖もしくは三
本鎖、または一本鎖および二本鎖領域の混合物でよいD
NAおよびRNAを含むハイブリッド分子を意味する。
加えて、本明細書で用いるポリヌクレオチドは、RNA
もしくはDNAまたはRNAとDNAの両方を有してな
る三本鎖領域を意味する。かかる領域における鎖は同一
の分子または異なる分子由来のものでよい。この領域は
一つまたはそれ以上の分子の全体を包含し得るが、より
典型的にはいくつかの分子の一領域のみを包含する。三
重らせん領域の分子の一つは、オリゴヌクレオチドであ
ることがしばしばである。本明細書で用いる「ポリヌク
レオチド」なる用語は、一つまたはそれ以上の修飾した
塩基を含有する、前記したDNAまたはRNA包含す
る。このように、安定性またはその他の理由で修飾した
骨格を有するDNAまたはRNAは、本明細書の用語で
ある「ポリヌクレオチド」である。さらに、イノシン等
の普通でない塩基、またはトリチル化塩基等の修飾塩基
を有してなるDNAまたはRNAは(二つの例だけをを
示す)、本明細書で用いる用語「ポリヌクレオチド」で
ある。当業者に既知の多くの有用な目的を提供するDN
AおよびRNAに、非常に多くの修飾がなされているこ
とは、明らかであろう。本明細書で用いる「ポリヌクレ
オチド」なる用語は、ポリヌクレオチドのこのような化
学的、酵素的または代謝的に修飾した形態、とりわけウ
イルスならびに単純型細胞および複雑型細胞等の細胞に
特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態を包含する。
【0025】本明細書で用いる「ポリペプチド」は、以
下に記載する全てのポリペプチドを包含する。ポリペプ
チドの基本的な構造は周知であり、非常に多くのテキス
トおよび当該分野のその他の発行物に記載されている。
これに鑑み、本明細書で用いるこの用語は、ペプチド結
合により直鎖で互いに結合している2個またはそれ以上
のアミノ酸を有してなる任意のペプチドまたはタンパク
質を意味する。本明細書で用いるこの用語は、当該分野
で通常例えばペプチド、オリゴペプチドおよびオリゴマ
ー、とも称する短鎖、および多くの型があり、当該分野
で一般的にタンパク質と称する長鎖の両方を意味する。
ポリペプチドはしばしば、一般的に20種の自然発生ア
ミノ酸と称される20種のアミノ酸以外のアミノ酸を含
有し、末端アミノ酸等の多くのアミノ酸は、プロセッシ
ングおよびその他の翻訳後修飾のような天然のプロッセ
ッシングにより修飾されたものが含まれるが、当業者に
周知の化学的修飾技術によっても、該ポリペプチド中で
修飾できることは理解されよう。ポリペプチドに自然に
起こる一般的な修飾は余りにも多いので、余すところな
く掲示することはできないが、基礎的なテキストおよび
さらに詳細な論文ならびに多数の研究文献にも詳しく記
載されており、これらは当業者に周知である。本発明の
ポリペプチドに施すことができる既知の修飾をいくつか
例示すると、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル
化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結
合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結
合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスホチジルイ
ノシトールの共有結合、クロスリンキング、環化、ジス
ルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合クロスリンキ
ング形成、シスチン形成、ピログルタミン酸形成、ホル
ミル化、ガンマー−カルボキシル化、グリコシル化、G
PIアンカー形成、水酸化、ヨウ素化、メチル化、ミリ
ストイル化、酸化、タンパク質加水分解プロセッシン
グ、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、
硫酸化、アルギニル化のようなトランスファーRNAに
より媒介されるタンパク質へのアミノ酸の添加、および
ユビキチネーションなどがある。かかる修飾は当業者に
周知であり、科学文献に非常に詳細に記載されている。
いくつかの特に一般的な修飾、例えばグリコシル化、脂
質結合、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマーカルボキ
シル化、水酸化およびADPリボシル化は最も基礎的な
テキスト、例えばProteins-Structure and Molecular P
roperties、第2版、T.E.Creighton、W.H.Freeman and C
ompany、ニューヨーク(1993)に記載されている。多く
の詳細な論文例えば、Posttranslational CovalentModi
fication of Proteins、B.C.Johnson編、アカデミック
・プレス、ニューヨーク(1983)のWold,F.,Posttransl
ational Protein Modifications :Perspective and Pr
ospects、1〜12頁;Seifterら、Meth.Enzymol.182:626-
646(1990)およびRattanら、Protein Synthesis:Post
translational Modifications and Aging,Ann.N.Y.Aca
d.Sci.663:48-62(1992)の記載が、本主題に利用でき
る。ポリペプチドはいつも完全に直鎖であるとは限らな
いということは周知であり、前記した通りであると理解
されよう。例えばポリペプチドはユビキチネーションの
結果分岐でき、一般的には、天然のプロセッシングなど
の翻訳後の事象、および天然では起こらない人為的操作
によりもたらされる事象の結果、分岐のある、または分
岐のない環状にできる。環状、分岐および分岐した環状
ポリペプチドは、非翻訳天然のプロセッシングにより、
および同様に全く合成的な方法で合成できる。修飾はペ
プチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキ
シル末端など、ポリペプチドの任意の部位でで起こり得
る。実際、共有結合の修飾による、ポリペプチドのアミ
ノまたはカルボキシル基またはその両方の遮断は、自然
発生および合成ポリペプチドに共通し、かかる修飾は同
様に本発明のポリペプチドにも存在し得る。例えば、イ
ー・コリ(E.coli.)またはその他の細胞で作られるポ
リペプチドのアミノ末端残基は、タンパク質溶解のプロ
セッシングの前に殆ど必ずN−ホルミルメチオニンにな
る。ペプチドの翻訳後修飾中に、NH2末端でメチオニ
ン残基を除去できる。従って、本発明は、本発明のタン
パク質のメチオニン含有およびメチオニン不含の両方の
アミノ末端変種の使用を意図する。ポリペプチドに起こ
る修飾はしばしばそれの作り方に影響される。例えば宿
主にクローン化遺伝子を発現することにより作られるポ
リペプチドでは、修飾の特性および程度は、大部分宿主
細胞の翻訳後修飾能力およびポリペプチドアミノ酸配列
に存在する修飾シグナルにより決定される。例えば、周
知のように、グリコシル化イー・コリ(E.coli)のよう
な細菌宿主では起こらないことがはしばしばである。従
って、グリコシル化を望む場合、ポリペプチドはグリコ
シル化宿主、通常真核細胞に発現すべきである。昆虫細
胞がしばしば哺乳動物細胞と同じ翻訳後グリコシル化を
行い、この理由で昆虫細胞発現系が、とりわけグリコシ
ル化の本来のパターンを有する哺乳動物タンパク質を効
率よく発現するように開発されている。同様の考察がそ
の他の修飾にも適用される。修飾の同一の型が、該ポリ
ペプチドのいくつかの部分で、同じまたは異なる程度で
存在し得ることは理解されよう。また、該ポリペプチド
には多くの型の修飾が存在し得る。一般的に、本明細書
で用いる用語である「ポリペプチド」は、全てのこのよ
うな修飾、特に宿主細胞においてポリヌクレオチドを発
現することにより合成したポリペプチドに存在する修飾
を包含する。
【0026】「形質転換」とは、外来性DNAが細胞膜
内に導入された場合、細胞がかかる外来性DNAにより
「形質転換」される工程のことである。外来性DNAは
細胞のゲノムを構成する染色体DNAに(共有結合し
て)組み込まれても組み込まれなくてもよい。真核細胞
および酵母では、例えば外来性DNAはプラスミドのよ
うなエピソームエレメント上に保持できる。真核細胞に
関する場合、安定して形質転換またはトランスフェクト
された細胞とは、外来性DNAが、染色体複製を介して
娘細胞に遺伝されるように染色体に組み込まれた細胞の
ことである。この安定性は、真核細胞が外来性DNAを
含有する娘細胞の集団を有してなる細胞系またはクロー
ンを確立する能力により示される。
【0027】本明細書で用いるポリヌクレオチドまたは
ポリペプチドの「変種」なる用語は、対照ポリヌクレオ
チドまたはポリペプチドとは各々異なるポリヌクレオチ
ドまたはポリペプチドである。この意味の変種は、本明
細書の以下およびその他の部分でより詳細に記載する。
(1)ヌクレオチド配列が、別の対照ポリヌクレオチド
とは異なるポリヌクレオチド。一般に差異は、対照体お
よび変種のヌクレオチド配列が、全体的に非常に類似し
ており、多くの領域で同一であるものに限られる。以下
に記すように、変種におけるヌクレオチドの配列の変化
はサイレントでよい。すなわち、ポリヌクレオチドによ
りコードされるアミノ酸には変化がなくてよい。変化が
この型のサイレント変化に限定される場合、変種は、対
照体と同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコー
ドする。また以下に記すように、変種のヌクレオチド配
列における変化により、対照ポリヌクレオチドによりコ
ードされるポリペプチドのアミノ酸配列が変化し得る。
このようなヌクレオチドの変化は、以下に論じるよう
に、対照配列によりコードされるポリペプチドにおける
アミノ酸置換、付加、欠失、融合および切断を招く。
(2)アミノ酸配列が、別の対照ポリペプチドとは異な
るポリペプチド。一般に差異は、対照体および変種の配
列が、全体的に非常に類似しており、多くの領域で同一
であるものに限られる。変種および対照ポリペプチド
は、1またはそれ以上の置換、付加、欠失、融合および
切断が任意の組み合わせで起こることにより、アミノ酸
配列が異なる。
【0028】本発明はとりわけ以下により詳細に記載す
る、新規Mタンパク質ポリペプチドおよびポリヌクレオ
チドに関する。特に、本発明は、ストレプトコッカスM
タンパク質ポリペプチドに対するアミノ酸配列相同性に
より関連付けられる、新規ストレプトコッカス・ニュー
モニア(Streptococcus pneumoniae)のMタンパク質遺
伝子のポリペプチドおよびポリヌクレオチドに関する。
本発明は特に図1および図2に各々示すヌクレオチドお
よびアミノ酸配列を有するMタンパク質、ならびに本明
細書において「寄託株クローン」または「寄託株クロー
ンのDNA」と称するNCIMB受託番号40794の
DNAのMタンパク質ヌクレオチドおよびアミノ酸配列
に関する。図1[配列番号:1]および図2[配列番号:
2]に示すヌクレオチドおよびアミノ酸配列は、寄託株
クローンのcDNAを配列決定することにより入手した
ことは理解されよう。従って、寄託株クローンの配列
(およびそれにコードされる配列)および図1[配列番
号:1]および図2[配列番号:2]の配列間の任意の不
一致に関しては、寄託株クローンの配列に従うものとす
る。
【0029】最近の技術では、特に実験的および宿主感
染状態下での生存性を付与するような、細菌における一
時的な遺伝子発現を評価できるようになってきた。それ
自身の生存に不可欠な、または感染の確立/維持に不可
欠な遺伝子を同定するために、多くの方法を用いること
ができる。このらの方法の一つにより配列の発現を同定
することにより、配列の機能に関するさらなる情報が得
られ、かかる配列を選別し、スクリーニング標的として
さらに開発できるようになる。簡単に示すと、これらの
アプローチには以下のものが包含される: 1)シグナチャー・タグ化突然変異法(Signature Tagg
ed Mutagenesis:STM) この技術はHenselら、Science 269:400-403(1995)に
記載されており、その内容を出展明示により本明細書の
一部とする。シグナチャー・タグ化突然変異誘発は、所
定感染モデルにおける感染の確立/維持に必要な遺伝子
を同定するものである。
【0030】この技術は、種々の手段(例えばトランス
ポゾン)により標的生物をランダムに突然変異を誘発
し、独特なDNA配列タグを突然変異部位にの非常に近
接して挿入することに基づく。細菌性突然変異体および
感染宿主から回収した細菌の混合集団からのタグは、増
幅、放射性標識およびハイブリダイゼーション分析によ
り検出される。毒性を減じた突然変異体は、感染宿主か
ら回収した細菌のプールのタグの欠如により表される。
ストレプトコッカス・ニューモニア(Streptococcus pn
eumoniae)においては、トランスポゾンシステムあまり
開発されていないので、タグ化突然変異体を作るための
有効な方法は、(この内容は出展明示により本明細書の
一部とする)Morrisonら、J.Bacteriol.159:870(198
4)に記載される挿入−重複突然変異法を用いる。
【0031】2)インビボ発現法(In Vivo Expression
Technology:IVET) この技術はCamilliら、Proc.Nat'l.Acad.Sci.USA 91:26
34-2638(1994)に記載されており、その内容を出展明
示により本明細書の一部とする。IVETは、実験培養
と比較した場合、感染において重要な役割を有する、感
染中にアップレギュレーションする遺伝子を同定する。
この技術により同定される配列は、感染の確立/維持に
重要な役割を有する。
【0032】この技術では、標的生物のランダム染色体
フラグメントは、プラスミドベクターのプロモーター不
含の組換え酵素遺伝子の上流でクローン化される。この
構築物はリソルバーゼ(resolvase)部位により隣接す
る抗細菌性抵抗遺伝子を担持する標的生物に導入され
る。抗細菌物質の存在下成長したものを集団から取り出
し、これらのフラグメントを組換え酵素の転写を支持す
ることができるプラスミドベクターにクローン化し、そ
れにより抗細菌抵抗性の欠如を誘起する。抵抗性プール
を宿主細胞に導入し、感染後種々の時間に細菌を回収
し、抗細菌抵抗性の存在を評価できる。抗細菌感受性を
有する各々の細菌が担持する染色体フラグメントは、感
染中に正常にアップレギュレーションをうけるプロモー
ターまたは遺伝子部分を担持するはずである。組換え酵
素遺伝子の上流を配列決定すると、アップレギュレーシ
ョンされた遺伝子を同定できる。
【0033】3)特徴ディスプレイ(Diferential disp
lay) この技術はその内容を出展明示により本明細書の一部と
するChuangら、J.Bacteriol.175:2026-2036(1993)に
記載されている。この方法は、ランダムプライムRT−
PCRを用いてmRNAの存在を同定することにより、
生体に発現する遺伝子を同定する。感染前および感染後
プロフィールを比較することにより、感染中にアップレ
ギュレーションおよびダウンレギュレーションされる遺
伝子を同定でき、RT−PCR生成物が配列決定され、
ライブラリー配列に適合させられる。
【0034】4)トランスポゾン突然変異誘発による条
件致死突然変異体の発生 この技術はde Lornezo,V.ら、Gene 123:17-24(199
3);Neuwald,A.F.ら、Gene 125:69-73(1993);およ
びTakiff,H.E.ら、J.Bacteriol.174:1544-1553(1992)
に記載されており(その内容は出展明示により本明細書
の一部とする)発現が細胞の生存性に必須である遺伝子
を同定する。この技術では、一方向または両方向でトラ
ンスポゾンから外側へ転写する調節可能なプロモーター
を担持するトランスポゾンを生じる。これらのトランス
ポゾンを標的生物へランダムに挿入し、続いてプロモー
ター活性のインデューサーの存在下挿入した突然変異体
を単離すると、発現が細胞の生存に必須である遺伝子の
コーディング領域とプロモーターとを分離しているイン
サートが回収されることが確認される。このインサート
は生存できないので、引き続いてインデューサー不含の
レプリカ平板法で、かかるインサートを同定する。トラ
ンスポゾンに隣接する領域の配列決定により、挿入部位
を同定し、分断された遺伝子を同定できる。インデュー
サー不存在下での成長中に細胞の過程/形態の変化を正
確にモニターし、遺伝子の可能な機能に関する情報を得
る。このようなモニター観察にはフローサイトメトリー
(細胞分裂、溶解、酸化還元能、DNA複製)、DN
A、RNA、タンパク質、脂質、ペプチドグリカンへの
放射性化学的標識前駆体の組み込み、既知の細胞性スト
レスに反応するリポーター酵素遺伝子融合物のモニター
等がある。
【0035】5)化学的突然得変異法による条件致死突
然変異体の発生 この技術は出展明示により本明細書の一部とするBeckwi
th、J,Methods in Enzymology204:3-18(1991)に記載
されている。この技術では、標的生物のランダム化学的
突然変異を誘発し、生理学的温度(許容温度)とは異な
る温度で増殖させ、続いてレプリカ平板法を行い、異な
る温度(例えばts同定のためには42℃、cs同定の
ためには25℃)で成長させ、その時成長できなかった
単離物(条件付き突然変異体)を同定する。前記のよう
に非許容温度での増殖における変化を正確にモニター
し、突然変異遺伝子の機能に関する情報を得る。標的生
物からのライブラリーによる条件致死変異を相補し、お
よび相補遺伝子を配列決定することにより、ライブラリ
ー配列と適合させることができる。これらの技術の各々
は、特定の適用に応じて有利であったり不利であったり
する。当業者は意図する特定の使用目的に最も関連する
研究法を選択する。例えばいくつかの遺伝子は感染に必
須であると認識されているが、実際には感染の開始にの
み必要であり、確立された慢性の感染の治療のために開
発された抗細菌物質にとってはそれほど魅力的な標的で
はない。
【0036】6)RT−PCR ストレプトコッカス・ニューモニア(Streptococcus pn
eumoniae)メッセンジャーRNAを細菌感染した組織、
例えば48時間ネズミ肺感染からの組織を単離し、ラン
ダムヘキサヌクレオチドでプライムしたRNAサンプル
の逆転写により、続いて遺伝子特異的プライマ対でのP
CRによりmRNA種の各々の量を、評価する。得られ
たPCR生成物の定量化により特定のmRNA種の存在
および量を決定し、感染した組織に転写された細菌性遺
伝子に関する情報を得る。遺伝子転写の分析は、感染の
異なる時間に実施でき、細菌による発病における遺伝子
制御に関する詳細な知識を得ることができ、遺伝子生成
物が新規抗細菌物質をスクリーニングのすべき目的物質
に相当することが明快に理解できるようになる。用いた
PCRプライマーの遺伝子特異的特性のために、細菌性
mRNA調製物は遊離の哺乳動物RNAである必要はな
いことが理解されるべきである。これにより研究者は、
感染組織から簡単で迅速にRNAを調製して、細菌中に
非常に短時間しか生育できない(半減期2分程度)細菌
性mRNA種を得ることができる。最適には、TRIゾ
ール(ギブコ−BRL)を非常に短時間存在させ、機械
的破壊することにより、細菌性mRNAを感染したネズ
ミ肺組織から調製し、続いてTRIゾール試薬の製造者
の指示に従ってプロセッシングし、DNAase処理し
て狭雑DNAを除去する。好ましくはエス・ニューモニ
ア(S.pneumoniae)16SリボソームRNAの最大量を
得る条件を見出すことによりプロセッシングを最適化
し、該リボソームRNAは適当に標識した配列特異的オ
リゴヌクレオチドプローブを用いてノーザンブロットを
プロービングすることにより検出される。典型的には、
所望により8から25サイクルで終了するPCR反応に
おける各PCRプライマー対には、5’染料標識プライ
マーを用いる。PCR生成物は6%ポリアクリルアミド
ゲルで分離し、GeneScanner(ABI製)を
用いて検出および定量化する。本発明の配列に適用する
場合、これらの技術を用いると、感染中に発現する細菌
性タンパク質、抗細菌治療に利用できる阻害物質の同定
が可能になる。
【0037】ポリヌクレオチド 本発明の一つの態様によれば、図2[配列番号:2]の推
定アミノ酸配列を有するMタンパク質ポリペプチドをコ
ードする単離ポリヌクレオチドを提供する。本明細書に
提供する情報を用いて、例えば図1[配列番号:1]に示
すポリヌクレオチド配列のような、Mタンパク質ポリペ
プチドをコードする本発明のポリヌクレオチドは、例え
ば出発物質としてストレプトコッカス・ニューモニア
(Streptococcus pneumoniae)0100993細胞から
の染色体DNAフラグメントをクローニングし、配列決
定するような、標準的なクローニングおよび配列決定の
手法を用いて得ることができ、続いてクローンの全長を
得ることができる。例えば図1[配列番号:1]に示す配
列のごとき本発明のポリヌクレオチドを得るためには、
典型的なものでは、イー・コリ(E.coli)またはいくつ
かの異なるその他の適切な宿主における、ストレプトコ
ッカス・ニューモニア(Streptococcus pneumoniae)0
100993由来の染色体DNAのクローンのライブラ
リーを、部分的配列由来の好ましくは17量体またはそ
れ以上の長さの、放射性標識オリゴヌクレオチドにてプ
ローブする。プローブのDNAと同一のDNAを担持す
るクローンは、次に非常に厳密に洗浄することにより区
別できる。原配列から設計した配列決定プライマーを用
いてこのように同定した個々のクローンを配列決定する
ことにより、次いで両方向に伸長することができ、全遺
伝子配列を決定できる。便利には、かかる配列決定には
プラスミドクローンから調製した変性二本鎖DNAを用
いて実施する。適当な技術については、Maniatis,T.、F
ritsch,E.F.およびSambrookら、Molecular Cloning、A
Laboratory Manual、第2版;コールド・スプリング・ハ
ーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・スプリング
・ハーバー、ニューヨーク(1989)に記載されている。
(Screening By Hybridization1.90およびSequencing D
enatured Double-Stranded DNA Templates 13.70参
照)。本発明の一例として図1に示すポリヌクレオチド
は、ストレプトコッカス・ニューモニア(Streptococcu
s pneumoniae)0100993に由来するDNAライブ
ラリーで発見された。
【0038】寄託株クローンのMタンパク質をコードす
るcDNAの配列決定の結果に示されるように、本発明
のMタンパク質はストレプトコッカスMタンパク質に構
造的に関連している。このように入手したDNA配列を
図1[配列番号:1]に示す。これは約216個のアミノ
酸残基を有するタンパク質をコードするオープンリーデ
ィングフレームを含有する。このタンパク質は既知タン
パク質の中で、ストレプトコッカスMタンパク質に最も
相同的である。図2[配列番号:2]のMタンパク質は、
ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyog
enes)Mタンパク質(M12 STRPY)のカルボキ
シ末端アミノ酸配列(214アミノ酸)を含め、約23
%の同一性、および約70%の類似性を有し、さらにM
タンパク質と同様にそのCOOH末端領域でLPXTG
モチーフを有する。
【0039】本発明のポリヌクレオチドは、クローニン
グにより得るか、もしくは化学合成技術により生成する
か、またはそれらを組み合わせて得た、mRNA等のR
NAの形態、またはcDNAおよびゲノムDNA等のD
NAの形態でよい。DNAは二本鎖または一本鎖でよ
い。一本鎖DNAは有意(センス)鎖としても知られて
いるコーディング鎖でよく、またアンチセンス鎖とも称
する非コーディング鎖でもよい。ポリペプチドをコード
するコーディング配列は、図1[配列番号:1]に示すポ
リヌクレオチドのコーディング配列と同一でよい。ポリ
ヌクレオチドは、また、遺伝子コードの重複性(同義
性)の結果、、図1[配列番号:1]のDNAのポリペプ
チドをコードする異なる配列を有するポリヌクレオチド
でもよい。
【0040】図2[配列番号:2]のポリペプチドをコー
ドする本発明のポリヌクレオチドは、成熟ポリペプチド
のコーディング配列自体;成熟ポリペプチドのコーディ
ング配列および付加コーディング配列、例えばプレ、プ
ロ、プレプロタンパク質配列等のリーダーまたは分泌配
列をコードするコーディング配列;例えば、転写(例え
ば停止シグナルを包含する)、リボソーム結合およびm
RNAの安定性エレメントにおいて役割を有する、転写
された非翻訳配列のごとき非コーディング5’および
3’配列(これに限定するものではない)等の付加非コ
ーディング配列と共に、前記の付加コーディング配列を
伴うかまたは伴わない成熟ポリペプチドのコーディング
配列および;付加機能性を付与する配列のごとき付加ア
ミノ酸をコードする付加コーディング配列を包含し得る
が、これらに限定するものではない。このように、例え
ば、ポリペプチドは融合ポリペプチドの精製を促す、ペ
プチドのごときマーカー配列例えばペプチドを融合でき
る。本発明のこの態様のあるある具体例において、マー
カー配列はヘキサ−ヒスチジンペプチド、例えば、とり
わけpQEベクター(キアゲン、インコーポレーティッ
ド)に提供されるタグであり、多くが市販により入手可
能である。例えばGentzら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,
86:821-824(1989)に記載されるように、ヘキサ−ヒス
チジンは融合タンパク質の精製に便宜的に提供される。
HAタグもまた融合タンパク質の生成に使用でき、イン
フルエンザヘマググルチニンタンパク質由来のエピトー
プに対応し、これについては例えばWilsonら、Cell,3
7:767(1984)に記載されている。
【0041】前記によれば、本明細書で用いる「ポリペ
プチドをコードするポリヌクレオチド」なる用語は、本
発明のポリペプチド、とりわけ図2[配列番号:2]に示
すアミノ酸配列を有する、特に細菌性の、さらに詳細に
はストレプトコッカスMタンパク質のポリペプチドをコ
ードする配列を含有するポリヌクレオチド包含する。こ
の用語はまた、一緒になったポリペプチドをコードする
単一の連続領域または不連続領域(例えば組み込まれた
ファージもしくは挿入配列または修正により分断され
る)さらにはコーディングおよび/または非コーディン
グ配列をも含有し得るポリヌクレオチドをも包含する。
本発明はさらに、図2[配列番号:2]の推定アミノ酸配
列を有するポリペプチドのフラグメント、アナログおよ
び誘導体をコードする、本明細書で前記したポリヌクレ
オチドの変種に関する。ポリヌクレオチドの変種には自
然発生対立遺伝子変種のような自然発生変種か、または
自然に発生することが知られていない変種でもよい。こ
のようなポリヌクレオチドの非自然発生変種は、ポリヌ
クレオチド、細胞または生体等に突然変異誘発技術を施
すことにより作ることができる。
【0042】この観点における変種は、ヌクレオチド置
換、欠失または付加により前記のポリヌクレオチドとは
異なる。置換、欠失または付加は1またはそれ以上のヌ
クレオチドに起こる。変種はコーディングもしくは非コ
ーディング領域またはその両方において変化し得る。コ
ーディング領域における変化は保存的または非保存的ア
ミノ酸置換、欠損または付加を産み出す。この点に関す
る本発明の特に好ましい具体例は、図2[配列番号:2]
に示すMタンパク質のアミノ酸配列を有するポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチド;それらの変種、アナ
ログ、誘導体およびフラグメント、ならびに変種、アナ
ログおよび誘導体のフラグメントである。
【0043】この点に関する本発明の特に好ましい態様
は、いくつか、少しの、5〜10、1〜5、1〜3、
2、1または0個のアミノ酸残基を置換、欠失または付
加を任意の組み合わせで施した、図2[配列番号:2]の
Mタンパク質ポリペプチドのアミノ酸配列を有する、M
タンパク質変種、アナログ、誘導体およびフラグメン
ト、ならびにそのフラグメントの変種、アナログおよび
誘導体をコードするポリヌクレオチドである。中でもと
りわけ好ましいものは、サイレント置換、付加および欠
失であり、Mタンパク質の特性および活性を変化しな
い。また、この点に関してとりわけ好ましいものは、保
存置換である。最も好ましいものは、置換を施していな
い、図2[配列番号:2]のアミノ酸配列を有するポリペ
プチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0044】本発明のさらに好ましい態様は、図2[配
列番号:2]に示すアミノ酸配列を有するMタンパク質
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、およびか
かるポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドに、
少なくとも70%の同一性を有するポリヌクレオチドで
ある。また別に、最も好ましいポリヌクレオチドは、寄
託株クローンのストレプトコッカス・ニューモニア(St
reptococcus pneumoniae)DNAのMタンパク質ポリペ
プチドをコードするポリヌクレオチド、およびそれらに
相補的なポリヌクレオチドに少なくとも80%の同一性
を有する領域を有してなるポリヌクレオチドである。こ
の点に関して、その同じものに対して少なくとも90%
の同一性を有するポリヌクレオチドがとりわけ好まし
く、中でも少なくとも95%の同一性を有するものが特
に好ましいである。さらに少なくとも95%の同一性を
有するものの中でも少なくとも97%であるのがより好
ましく、中でも少なくとも98%および少なくとも99
%であるのが特に好ましく、さらに少なくとも99%で
あるのがより好ましい。
【0045】この点に関してとりわけ好ましい具体例
は、さらに、図1[配列番号:1]のDNAにコードされ
る成熟ポリペプチドと実質的に同一の生物学的機能また
は活性を保持するポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチドである。本発明はさらに本明細書で前記した配列
にハイブリダイゼーションするポリヌクレオチドに関連
している。この点に関して、本発明は特に厳密な条件に
て本明細書で前記したポリヌクレオチドにハイブリダイ
ゼーションするポリヌクレオチドに関連している。本明
細書で用いる「厳密な条件」なる用語は、配列間の同一
性が少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%で
ある場合のみに起こるハイブリダイゼーションを意味す
る。
【0046】本発明のポリヌクレオチドアッセイに関し
てここでさらに論じるが、例えば本明細書で前記した本
発明のポリヌクレオチドは、RNA、cDNAおよびゲ
ノムDNAのハイブリダイゼーションプローブとして使
用して、Mタンパク質をコードするcDNA全長および
ゲノムクローンを単離でき、ならびにMタンパク質遺伝
子に対して高度な配列類似性を有するその他の遺伝子の
cDNAおよびゲノムクローンを単離することができ
る。かかるプローブは通常少なくとも15塩基を有して
なる。好ましくはかかるプローブは少なくとも30塩基
を有し、少なくとも50塩基を有することができる。と
りわけ好ましいプローブは少なくとも30塩基を有し、
50塩基以下である。例えば、Mタンパク質遺伝子のコ
ーディング領域は、既知DNA配列を用いてオリゴヌク
レオチドプローブを合成し、スクリーニングすることに
より単離できる。次に、本発明の遺伝子の配列に相補的
な配列を有する標識オリゴヌクレオチドを用いて、cD
NA、ゲノムDNAまたはmRNAのライブラリーをス
クリーニングし、プローブがハイブリダイジングするラ
イブラリーのメンバーを決定する。
【0047】本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドは、疾患特にヒト疾患の処置法および診断法の発見
のための研究試薬および材料として使用でき、とりわけ
ポリヌクレオチドアッセイに関連して本明細書でさらに
論じる。オリゴヌクレオチドである本発明のポリヌクレ
オチドは、本明細書において同定されたストレプトコッ
カス・ニューモニア(Streptococcus pneumoniae)遺伝
子が感染組織中全体的にまたは部分的に転写されたかど
うかを決定するために、本明細書に前記したプロセッシ
ングにおいてPCRとして使用できる配列を包含する。
かかる配列は感染の段階、および病因が到達した感染の
型の診断にも有用であると思われる。
【0048】該ポリヌクレオチドは、さらにアミノもし
くはカルボキシル末端アミノ酸を加えた成熟タンパク
質、または成熟ポリペプチドに内在するアミノ酸である
(例えば成熟形態が一つ以上のポリペプチド鎖を有する
場合)ポリペプチドをコードできる。かかる配列は前駆
体から成熟形態へのタンパク質のプロセッシングに役割
を有し、タンパク質の輸送を可能にし、タンパク質の半
減期を延長もしくは短縮し、またはとりわけアッセイも
しくは生成のためのタンパク質の操作を容易にすること
ができる。一般的にはインビボの場合、付加アミノ酸
は、細胞酵素によりプロセッシングされ、成熟タンパク
質から取り除かれる。
【0049】1またはそれ以上のプロ配列と融合したポ
リペプチドの成熟形態を有する前駆タンパク質は、ポリ
ペプチドの不活性形態であってもよい。プロ配列が除去
されると、このような不活性前駆体が一般に活性化され
る。プロ配列のいくつかまたは全ては、活性化の前に除
去してもよい。一般に、このような前駆体はプロタンパ
ク質と称される。要するに、本発明のポリヌクレオチド
は成熟タンパク質、リーダー配列を加えた成熟タンパク
質(プレタンパク質と称することができる)、プレタン
パク質のリーダー配列ではない1またはそれ以上のプロ
配列を有する成熟タンパク質の前駆体、またはリーダー
配列および1またはそれ以上のポリペプチドの活性およ
び成熟形態を生じるプロセッシング段階で除去されるプ
ロ配列を有するプロタンパク質の前駆体であるプレプロ
タンパク質をコードできる。
【0050】寄託材料 寄託材料は、クローン化したストレプトコッカス・ニュ
ーモニア(Streptococcus pneumoniae)0100993
株であり、ナショナル・コレクション・オブ・インダス
トリアル・アンド・マリン・バクテリア・リミテッド
(NCIMB)、アベルディーン、スコットランドに19
96年4月11日に寄託し、NCIMB番号40794を付
与された。また本明細書に前記するように、ストレプト
コッカス・ニューモニア(Streptococcus pneumoniae)
寄託株および、当業者に周知の方法または本明細書記載
の方法を用いてこれから誘導したポリヌクレオチドは、
本明細書において「寄託株クローン」または「寄託株ク
ローンのDNA」と称する。寄託は、特許手続き上の微
生物寄託の国際承認に関するブダペスト条約の条件下で
為されている。特許が発行されると何らの制限または条
件もなく、最終的には分譲される。寄託は当業者の便宜
のためにのみ提供され、35U.S.C.112条のも
とに要求されるような、寄託が実施可能要件であること
を承認するものではない。本明細書の配列に関する任意
の記載に矛盾する事象は、寄託材料に含まれるポリヌク
レオチド配列およびそれによりコードされるポリペプチ
ドのアミノ酸配列に従う。寄託株を製造、使用または販
売するためにはライセンスが必要であるが、そのような
ライセンスはここでは賦与されていない。
【0051】ポリペプチド 本発明はさらに図2[配列番号:2]の推定アミノ酸配列
を有する原核生物のMタンパク質ポリペプチドに関す
る。本発明はまたこれらのポリペプチドのフラグメン
ト、アナログおよび誘導体にも関する。「フラグメン
ト」、「誘導体」および「アナログ」なる用語は図2
[配列番号:2]のポリペプチドを称していう場合、かか
るポリペプチドと本質的に同一の生物学的機能または活
性を保持するポリペプチドを意味する。従って、アナロ
グにはプロタンパク質部分を切断して活性成熟ポリペプ
チドを生成して活性化できるプロタンパク質を包含す
る。本発明のポリペプチドは組換えポリペプチド、天然
ポリペプチドまたは合成ポリペプチドでよい。あるの好
ましい具体例では、これは組換えポリペプチドである。
【0052】図2[配列番号:2]のポリペプチドのフラ
グメント、誘導体もしくはアナログは、(i)1または
それ以上のアミノ酸残基が保存または非保存アミノ酸残
基(好ましくは保存アミノ酸残基)により置換されたも
ので、かかる置換アミノ酸残基は遺伝的コードによりコ
ードされたものかコードされていないものでよい、また
は(ii)1またはそれ以上のアミノ酸残基が置換基を
含むもの、または(iii)成熟ポリペプチドがその他
の化合物例えばポリペプチドの半減期を伸ばす化合物
(例えばポリエチレングリコール)と融合したもの、ま
たは(iv)付加アミノ酸がリーダーもしくは分泌配
列、または成熟ポリペプチドもしくはプロタンパク質配
列の精製に用いられる配列のごとき成熟ポリペプチドと
融合したものでよい。かかるフラグメント、誘導体およ
びアナログは本明細書の教示より当業者の範疇であると
考えられる。
【0053】この点に関する本発明の特に好ましい具体
例は、図2[配列番号:2]に示すMタンパク質のアミノ
酸配列を有するポリペプチド、それらの変種、アナロ
グ、誘導体およびフラグメント、ならびにそのフラグメ
ントの変種、アナログおよび誘導体である。また別に、
この点に関する本発明の特に好ましい具体例は、Mタン
パク質のアミノ酸配列を有するポリペプチド、それらの
変種、アナログ、誘導体およびフラグメント、ならびに
そのフラグメントの変種、アナログおよび誘導体であ
る。好ましい変種は、保存アミノ酸置換により対照体と
は異なる変種である。かかる置換体は、ポリペプチドの
特定のアミノ酸を特性の類似した別のアミノ酸で置換し
たものである。保存置換で通常認められるのは、脂肪族
アミノ酸Ala、Val、LeuおよびIle間での相
互の置き換え;水酸基SerおよびThrの交換、酸性
基AspおよびGluの取り替え、アミド基Asnおよ
びGln間での置換、塩基性基LysおよびArgの取
り替えおよび芳香性基Phe、Tyr間での置き換えで
ある。
【0054】この点に関するさらに好ましい態様は、い
くつか、少しの、5〜10、1〜5、1〜3、2、1ま
たは0個のアミノ酸残基を置換、欠失または付加を任意
に組み合わせて施した、図2[配列番号:2]のMタンパ
ク質ポリペプチドのアミノ酸配列を有する、変種、アナ
ログ、誘導体およびフラグメント、ならびにそのフラグ
メントの変種、アナログおよび誘導体である。これらの
中でもとりわけ好ましいのは、Mタンパク質の特性およ
び活性を変化させないサイレント置換、付加および欠失
である。またこの点に関して特に好ましい態様は、保存
置換である。最も好ましいのは、置換していない図2
[配列番号:2]のアミノ酸配列を有するポリペプチドで
ある。本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは
単離形態で提供されるのが好ましく、均質になるまで精
製するのが好ましい。
【0055】本発明のポリペプチドは、図2[配列番
号:2]のポリペプチド(詳細には成熟ポリペプチ
ド)、および図2[配列番号:2]のポリペプチドに対し
て少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド、さ
らに好ましくは図2[配列番号:2]のポリペプチドに対
して少なくとも90%の類似性(さらに好ましくは少な
くとも90%の同一性)を有するポリペプチド、なおさ
らに好ましくは図2[配列番号:2]のポリペプチドに対
して少なくとも95%の類似性(なおさらに好ましくは
少なくとも95%の同一性)を有するポリペプチドを包
含し、また通常少なくとも30個のアミノ酸、さらに好
ましくは少なくとも50個のアミノ酸を含むようなポリ
ペプチド部分を有する、かかるポリペプチド部分も包含
する。本発明のポリペプチドのフラグメントまたは部分
は、ペプチド合成により対応するポリペプチド全長を製
造するのに用いることができる;従って、フラグメント
はポリペプチドの全長を製造するための中間体として用
いることができる。本発明のポリヌクレオチドのフラグ
メントまたは部分を用いて本発明のポリヌクレオチド全
長を合成することができる。
【0056】フラグメント また本発明のこの態様の好ましい具体例は、Mタンパク
質のフラグメント、特に図2[配列番号:2]に示すアミ
ノ酸を有するMタンパク質のフラグメント、および図2
[配列番号:2]のMタンパク質の変種および誘導体のフ
ラグメント等を有してなるポリペプチドである。この点
に関して、フラグメントは前記のMタンパク質ポリペプ
チドおよびそれらの変種または誘導体のアミノ酸配列
が、全てではなく一部に対して全く同一であるアミノ酸
配列を有するポリペプチドである。
【0057】かかるフラグメントは「自立している」す
なわち別のアミノ酸またはポリペプチドの一部ではな
い、もしくはそれに融合したものか、または一部もしく
は領域を形成するより大きなポリペプチド内に含まれて
もよい。より大きなポリペプチド内に含まれる場合、本
明細書で論じるフラグメントは単一の連続した領域を形
成するのが最も好ましい。しかしながら、フラグメント
は単一の、より大きなポリペプチド内に含まれてもよ
い。例えば、ある好ましい具体例は、本発明のMタンパ
ク質フラグメントのアミノ末端に融合した異型のプレお
よびプロポリペプチド領域、およびフラグメントのカル
ボキシル末端に融合した付加領域を有し、宿主中に発現
するように設計した前駆体ポリペプチド内に含まれる本
発明のMタンパク質ポリペプチドのフラグメントに関連
する。従って、本明細書の意図する意味の一つの態様に
おけるフラグメントは、Mタンパク質由来の融合ポリペ
プチドまたは融合タンパク質の一つのまたは複数の部分
を意味する。
【0058】本発明のポリペプチドフラグメントを例示
すると、5〜15、10〜20、15〜40、30〜5
5、41〜75、41〜80、41〜90、50〜10
0、75〜100、90〜115および100〜125
のアミノ酸の長さを有するポリヌクレオチドが挙げられ
る。本発明のポリヌクレオチドのフラグメントの詳細な
例を挙げると、アミノ酸数1〜20、21〜40、41
〜60、61〜80、81〜100、および101〜1
20、121〜140、141〜160、161〜18
0および180〜216ならびにこれらの20量体フラ
グメントの任意に組み合わせたもの等がある。これに鑑
み、特に列挙した範囲および、どちらかの末端または両
方の末端のいくつかの、少しの、5、4、3、2または
1個のアミノ酸により、より大きいまたはより小さい範
囲を包含する。これに鑑み、例えば、約40〜90個の
アミノ酸は、40プラスまたはマイナスいくつかの、少
しの、5、4、3、2または1個のアミノ酸、から90
プラスまたはマイナスいくつかの、少しの、5、4、
3、2または1個のアミノ酸、すなわち広くは40マイ
ナスいくつかのアミノ酸から90プラスいくつかのアミ
ノ酸、狭くは40プラスいくつかのアミノ酸から90マ
イナスいくつかのアミノ酸の範囲にできることを意味す
る。
【0059】この点に関して、非常に好ましくは、どち
らかまたは両方の末端で列挙した範囲に5個ほどのアミ
ノ酸をプラスまたはマイナスした範囲である。とりわけ
好ましくは、列挙した末端のどちらかまたは両方で3個
ほどのアミノ酸をプラスまたはマイナスした列挙した範
囲である。特に好ましくは、ど列挙した範囲、または付
加または欠失のない列挙した範囲である。この点に関し
て、最も好ましくは、約5〜15、10〜20、15〜
40、30〜55、41〜75、41〜80、41〜9
0、50〜100、75〜100、90〜115、10
0〜125および110〜200の長さのアミノ酸のフ
ラグメントである。本発明のとりわけ好ましいフラグメ
ントは、Mタンパク質の切断突然変異である。切断突然
変異体は、アミノ末端を含む残基の一連の連続(すなわ
ち連続領域、部分または部位)もしくはカルボキシル末
端を含む連続した一連の残基の欠失、または二重切断突
然変異のように一つはアミノ末端を含み、一つはカルボ
キシル末端を含む二つの連続した一連の残基の欠失を除
けば、図2のアミノ酸配列を有するMタンパク質ポリペ
プチド、またはそれらの変種もしくは誘導体を包含す
る。提示した大きさの範囲のフラグメントもまた切断フ
ラグメントの好ましい具体例であり、これは通常のフラ
グメントの中でもとりわけ好ましい。宿主細胞とりわけ
哺乳動物、特に好ましくはヒトにおける本発明のポリヌ
クレオチドの減成形態もまた好ましい。遺伝的免疫中に
用いられるポリヌクレオチド構築物から発現したポリペ
プチドフラグメント、例えばMH複合体に分泌および表
示中に形成される小さなペプチドフラグメントもまた好
ましい。
【0060】また本発明の好ましい態様では、Mタンパ
ク質の構造的または機能的属性により特徴づけられたフ
ラグメントである。この点に関する本発明の好ましい具
体例には、Mタンパク質のアルファーヘリックスおよび
アルファーヘリックス形成領域(「アルファー領
域」)、ベータシートおよびベータシート形成領域
(「ベータ領域」)、ターンおよびターン形成領域
(「ターン領域」)、コイルおよびコイル形成領域
(「コイル領域」)、親水性領域、疎水性領域、アルフ
ァー両親媒介領域、ベータ両親媒領域、可変領域、表面
形成領域および高抗原性指標領域を含むフラグメントを
包含する。
【0061】この点に関する非常に好ましいフラグメン
トは、前記のいくつかの様相のごときいくつかの構造的
様相を組み合わせたMタンパク質の領域を有してなるフ
ラグメントである。この点に関して、図2[配列番号:
2]の約10〜約20、約40〜約50、約70〜約9
0、約100〜約216の残基により、領域が定義さ
れ、ターン領域、親水性領域、可変領域、表面形成領域
および高抗原性指標領域に非常に特徴的なアミノ酸組成
物により全て特徴づけられ、これらは非常に好ましい領
域である。かかる領域は、大きなポリペプチド内に含ま
れてもよく、また単独で前記の本発明の好ましいフラグ
メントと成り得る。このパラグラフで用いる「約」なる
用語は、一般的なフラグメントに関する前記の意味を有
する。
【0062】さらに好ましい領域は、Mタンパク質の活
性を媒介する領域である。この点に関して最も好ましく
は、Mタンパク質の化学的、生物学的またはその他の活
性を有するフラグメントであり、類似の活性もしくは改
善された活性のある、または望ましくない活性を減じた
フラグメントを包含する。この点に関して非常に好まし
いフラグメントは、配列もしくは位置または両方におい
て、ストレプトコッカスMタンパク質を包含する、図2
[配列番号:2]に示す関連ポリペプチドのごとき関連ポ
リペプチドの活性な領域に対して相同である領域を含む
フラグメントである。この点に関して、とりわけ好まし
いフラグメントは本明細書に前記した切断突然変異体で
ある。さらに好ましいフラグメントは、動物特にヒトに
おいて抗原的または免疫原的フラグメントである。本発
明はまたとりわけ前記のフラグメントをコードするポリ
ヌクレオチド、そのフラグメントをコードするポリヌク
レオチドにハイブリダイゼーションするポリヌクレオチ
ド、特に厳密な条件下でハイブリダイゼーションするポ
リヌクレオチド、およびそのフラグメントをコードする
ポリヌクレオチドを増幅するPCRプライマーのごとき
ポリヌクレオチドに関する。この点に関して、好ましい
ポリヌクレオチドは、前記する、好ましいフラグメント
に対応するポリヌクレオチドである。
【0063】ベクター、宿主細胞、発現 本発明はまた、ポリヌクレオチドまたは本発明のポリヌ
クレオチドを有してなるベクター、本発明のベクターで
遺伝子操作される宿主細胞および組換え技術による本発
明のポリペプチドの製造にも関する。宿主細胞は、遺伝
子操作して、ポリヌクレオチドを組み込み、本発明のポ
リペプチドを発現することができる。例えば感染、形質
導入、トランスフェクション、トランスベクションおよ
び形質転換の周知の技術を用いて、ポリヌクレオチドを
宿主細胞に導入できる。ポリヌクレオチドは単独でまた
はその他のポリヌクレオチドと共に導入できる。かかる
その他のポリヌクレオチドは別個に導入、同時導入また
は本発明のポリヌクレオチドに結合させて導入できる。
従って、例えば哺乳動物細胞で同時トランスフェクショ
ンおよび選別するための標準的な技術を用いて、本発明
のポリヌクレオチドを選別マーカーをコードする別の、
分離したポリヌクレオチドと共に、宿主細胞にトランス
フェクトできる。この場合、ポリヌクレオチドは通常安
定して宿主細胞ゲノムに組み込まれる。
【0064】また別に、ポリヌクレオチドは宿主細胞に
おける伸長のための選別マーカーを含有するベクターに
結合できる。ベクター構築物は前記の技術により、宿主
細胞に導入できる。一般に、プラスミドベクターはリン
酸カルシウム沈殿のごとき沈殿物中、または荷電脂質と
の複合体中DNAとして導入する。ポリヌクレオチドを
宿主に導入するために、電気泳動をも用いることができ
る。ベクターがウイルスである場合、ポリヌクレオチド
はインビトロでパッケージングまたはパッケージング細
胞に導入でき、パッケージングしたウイルスを細胞に形
質導入できる。本発明のこの態様によれば、ポリヌクレ
オチドの製造および細胞へのポリヌクレオチドの導入に
適した多様な技術が、当業者に周知であり、慣用されて
いる。かかる技術は前記に引用したSambrookらに詳細に
報告されており、これらの技術を詳細に説明する多くの
研究室マニュアルを説明するものである。本発明のこの
態様によれば、ベクターは、例えばプラスミドベクタ
ー、一本または二本鎖ファージベクター、一本もしくは
二本鎖RNAまたはDNAウイルスベクターなどでよ
い。かかるベクターはDNAおよびRNAの細胞への導
入のための周知の技術を用いてポリヌクレオチド、好ま
しくはDNAとして、細胞に導入できる。ベクターがフ
ァージおよびウイルスベクターである場合もまた、感染
および形質導入のため周知の技術を用いて、パッケージ
ングまたは包膜化したウイルスとして細胞に導入でき、
これは好ましいことである。ウイルスベクターは複製コ
ンピーテントかまたは複製不能でよい。後者の場合のウ
イルスの増殖は通常完全化した宿主細胞にのみ起こる。
【0065】ある観点において中でも好ましいベクター
は、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチを発現
するベクターである。一般に、かかるべクターは、発現
すべきポリヌクレオチドに機能的に連結した、宿主にお
ける発現に有効なシス作用調節領域を有してなる。適当
なトランス作用因子は宿主により供給されるか、完全化
ベクターにより供給されるか、または宿主への導入時に
ベクター自身により供給されるかのいずれかである。こ
の点に関するある好ましい具体例では、ベクターは特異
的発現を提供する。かかる特異的発現は、誘導可能な発
現もしくは特定の細胞型においてのみの発現か、または
誘導可能および細胞特異性の両方でできる。誘導可能な
ベクターのうちとりわけ好ましいベクターは、温度およ
び栄養添加物のごとき操作が容易である環境因子により
発現を誘導できるベクターである。本発明のこの態様に
対して適切な種々ベクターは原核および真核宿主で用い
られる構成および誘導可能な発現ベクターを包含し、当
業者に周知であり、慣用されている。
【0066】操作した宿主細胞は、通常の栄養培地で培
養でき、とりわけプロモーターの活性化、形質転換体の
選別、または遺伝子の増幅に適するように修飾できる。
発現のために選別した宿主で慣用される温度、pHのご
とき培養条件は、通常本発明のポリペプチドの発現に適
しており、このことは当業者に明白である。非常に多く
の種類の発現ベクターを用いて、本発明のポリペプチド
を発現できる。かかるベクターには、とりわけ染色体、
エピソームおよびウイルス由来のベクター、例えば細菌
プラスミド由来、バクテリオファージ由来、トランスポ
ゾン由来、酵母エピソーム由来、挿入エレメント由来、
酵母染色体エレメント由来、例えばバキュロウイルス、
パポバウイルス、例えばSV40、ワクシナウイルス、
アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルスお
よびレトロウイルス等のウイルス由来のベクター、なら
びにそれらを組み合わせた物に由来するベクター、例え
ばプラスミドおよびバクテリオファージ遺伝的エレメン
ト由来のベクター、例えばコスミドおよびファージミド
(phagemids)等があり、全て本発明のこの態様に準じ
た発現に用いることができる。一般に宿主中にポリペプ
チドを発現するためのポリヌクレオチドを保持、伸長ま
たは発現するのに適した任意のベクターを、この点に関
する発現に使用できる。
【0067】周知のおよび慣用される種々の任意の技術
により、適当なDNA配列をベクターに挿入できる。一
般に、1またはそれ以上の制限エンドヌクレアーゼを用
いてDNA配列および発現ベクターを切断し、次いでT
4DNAリガーゼを用いて制限フラグメントを結合する
ことにより、発現させるDNA配列を発現ベクターに結
合する。この目標のために用いることができる制限およ
び連結方法は、当業者に周知であり、慣用されている。
この点に関して、および別法を用いて発現ベクターを構
築するための適切な方法もまた、当業者に周知であり、
慣用されており、Sambrookら、Molecular Cloning;A La
boratory Manual、第2版;コールド・スプリング・ハ
ーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・スプリング
・ハーバー、ニューヨーク(1989)に非常に詳細に記載
されている。
【0068】発現ベクターにおけるDNA配列は、適当
な(複数の)発現調節配列、例えばmRNA転写を指示
するプロモーター等に機能的に連結する。かかるプロモ
ーターの代表例としては、いくつか周知のプロモーター
の名前を挙げると、ファージラムダPLプロモーター、
イー・コリ(E.coli)lac、trpおよびtacプロ
モーター、SV40初期および後期プロモーターならび
にレトロウイルスLTRのプロモーターが包含される。
記載していないが、本発明の態様に用いるのに適した多
くのプロモーターが周知であり、本明細書の記載および
実施例で説明する方法で当業者に容易に用いることがで
きるということは、理解されよう。一般に、発現構築物
は転写開始および終止部位を含み、転写された領域では
翻訳のためのリボソーム結合部位を含む。構築物により
発現される成熟転写物のコーディング部分には、開始部
分に翻訳開始AUG、そして翻訳されるポリペプチドの
終末部分に適当に位置する終止コドンを包含する。
【0069】さらに、構築物は、発現を制御および誘起
する調節領域を含有できる。一般に、多くの通常慣用さ
れる方法では、かかる領域は転写を調節することによ
り、例えばとりわけ転写因子、レプレッサー結合部位お
よび終止を操作する。伸長および発現のためのベクター
は一般に選別可能なマーカーを含有する。かかるマーカ
ーはまた増幅にも適し、またはベクターがこの目的のた
めにさらなるマーカーを含有することもできる。この点
に関して、発現ベクターは、好ましくは1またはそれ以
上の選別マーカーを含有し、形質転換した宿主細胞の選
別のための表現型特性を提供する。好ましいマーカーは
ジヒドロ葉酸還元酵素または真核細胞培養用ネオマイシ
ン抵抗、ならびにイー・コリ(E.coli)およびその他の
原核生物の培養用テトラサイクリン、またはアンピシリ
ン抵抗遺伝子を包含する。
【0070】本明細書記載の適当なDNA配列を含有す
るベクター、および適当なプロモーター、およびその他
の適当な調節配列は、望ましいポリペプチドを適当な宿
主に発現するのに適した種々の周知の技術を用いて、適
当な宿主に導入できる。適当な宿主の代表例は、細菌細
胞例えばストレプトコッカス属、スタフィロコッカス
属、イー・コリ(E.coli)、ストレプトミセス属および
サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimuriu
m)細胞;真菌細胞例えば酵母細胞およびアスペルギル
ス(Aspergillus);昆虫細胞例えばドロソフィラS2
(Drosophila S2)およびスポドプテラSf9(Spodopt
era Sf9)細胞;動物細胞例えばCHO,COSおよび
ボウズ(Bows)黒色腫細胞;ならびに植物細胞を包含す
る。非常に多様な発現構築のための宿主が周知であり、
本明細書の開示により、当業者は本発明のこの態様によ
るポリペプチドを発現するための宿主を容易に選択でき
る。
【0071】さらに詳細には、本発明はまた前記の配列
を1またはそれ以上有してなる、発現構築物のごとき組
換え構築物をも包含する。構築物は、本発明のかかる配
列が挿入されているプラスミドまたはウイルスベクター
のごときベクターをも有してなる。この配列は正または
逆配向で挿入できる。この点に関して、ある好ましい態
様において、構築物は、さらに該配列に機能的に連結し
た制御配列例えばプロモーター等を有してなる。非常に
多くの適当なベクターおよびプロモーターが当業者に周
知であり、本発明の使用に適した多くのベクターが市販
により入手可能である。
【0072】市販されている以下のベクターの実例を示
す。細菌中で使用するのに好ましいベクターには、キア
ゲンより入手可能なpQE70、pQE60およびpQ
E−9;ストラッタジーンより入手可能なpBSベクタ
ー、ファジェスクリプト(Phagescript)ベクター、ブ
ルースクリプト(Bluescript)ベクター、pNH8A、
pNH16a、pNH18AおよびpNH46A;ならび
にファルマシアより入手可能なptrc99a、pKK
223−3、pKK233−3、pDR540、pRI
T5等がある。真核生物ベクターで好ましいものは、ス
トラッタジーンより入手可能なpWLNEO、pSV2
CAT、pOG44、pXT1およびpSG;ならびに
ファルマシアより入手可能なpSVK3、pBPV、p
MSGおよびpSVL等がある。これらのベクターは単
に多くの市販のおよび周知のベクターの説明のために列
挙しており、本発明のこの態様により使用するために、
当業者に入手可能なベクターである。宿主内で本発明の
ポリヌクレオチドまたはポリペプチドを例えば導入、保
持、伸長または発現するのに適した任意のその他のプラ
スミドまたはベクターが、本発明のこの態様において使
用できることは理解されよう。
【0073】制限部位または候補プロモーター(candid
ate promoter)フラグメントすなわちプロモーターを含
み得るフラグメントの導入部位の下流にプロモーター領
域を欠いたリポーター転写ユニット、例えばクロラムフ
ェニコールアセチルトランスフェラーゼ(「CAT」)
転写ユニットを、含有するベクターを用いて、任意の望
ましい遺伝子からプロモーター領域を選別できる。周知
の様に、プロモター含有フラグメントをcat遺伝子の
上流の制限部位でベクターに導入すると、CAT活性の
産生を引き起こし、標準的なCATアッセイにより検出
できる。この目標に適したベクターは周知であり、容易
に入手可能である。2種のかかるベクターはpKK23
2−8およびpCM7である。このように本発明のポリ
ヌクレオチドを発現するためのプロモーターには、周知
で容易に入手できるプロモーターのみならず、リポータ
ー遺伝子を用いて前記の技術により容易に得ることがで
きるプロモーターもある。
【0074】本発明によるポリヌクレオチドおよびポリ
ペプチドの発現に適した、周知のの原核生物プロモータ
ーは、イー・コリ(E.coli)lacIおよびlacZな
らびにプロモーター、T3およびT7プロモーター、g
ptプロモーター、ラムダPR、PLプロモーターおよ
びtrpプロモーター等である。この点に関して適当な
周知の真核生物プロモーターは、CMV即時型プロモー
ター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、初期およ
び後期SV40プロモーター、レトロウイルスLTRの
プロモーター、例えばラウス肉腫ウイルス(”RS
V”)のプロモーターならびにメタロチオネインプロモ
ーター例えばマウスメタロチオネイン−Iプロモーター
等である。宿主細胞における発現のための適当なベクタ
ーおよびプロモーターの選別は周知の方法であり、発現
ベクター構築、宿主へのベクターの導入および宿主中で
の発現に必要な技術は当業者に慣用されるものである。
【0075】本発明はまた本明細書に前記する構築物を
含有する宿主細胞にも関する。宿主細胞は哺乳動物細胞
のごとき高等な真核細胞、もしくは酵母細胞のごとき下
等な真核細胞でよく、または宿主細胞は細菌細胞のごと
き原核細胞でもよい。構築物の宿主細胞への導入はリン
酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキス
トラン媒介トランスフェクション、マイクロインジェク
ション、カチオン性脂質により媒介されるトランスフェ
クション、電気泳動、形質導入、スクレイプ・負荷、バ
リスティック導入、感染またはその他の方法により実施
できる。かかる方法は多くの標準的な研究室マニュア
ル、例えばDavisら、Basic Methods in Molecular Biol
ogy,(1986)およびSambrookら、Molecular Cloning;A
Laboratory Manual、第2版;コールド・スプリング・
ハーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・スプリン
グ・ハーバー、ニューヨーク(1989)に記載されてい
る。
【0076】従来の方法で、宿主細胞内の構築物を用い
て、組換え配列によりコードされる遺伝子生成物を製造
することができる。また別に、本発明のポリペプチドは
従来のペプチド合成により合成的に製造できる。成熟タ
ンパク質は哺乳動物細胞、酵母、細菌またはその他の細
胞中、適当なプロモーターの支配下で発現できる。無細
胞翻訳系を用いて、本発明のDNA構築物に由来するR
NAを用いたかかるタンパク質を製造できる。原核およ
び真核生物宿主での使用に適当なクローニングおよび発
現ベクターは、Sambrookら、Molecular Cloning :A La
boratory Manual,第二編、コールド・スプリング・ハ
ーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・スプリング
・ハーバー、ニューヨーク州(1989)に記載されてい
る。
【0077】一般に、組換え発現ベクターは複製起点、
下流の構造配列の転写を指示する高発現遺伝子に由来す
るプロモーターおよび、ベクターに曝露した後、ベクタ
ー含有細胞の単離を可能にする選別マーカーを包含す
る。なかでも適切なプロモーターは、グルコース分解酵
素例えば、とりわけ3−ホスホグリセレートキナーゼ
(「PGK」)、a−因子、酸ホスファターゼおよび熱
ショックタンパク質等をコードする遺伝子に由来するプ
ロモーター等である。選別マーカーは、イー・コリ(E.c
oli)のアンピシリン抵抗遺伝子およびエス・セルビシ
ア(S.cervisiae)のtrp1遺伝子を包含する。高等
真核生物による本発明のポリペプチドをコードするDN
Aの転写は、エンハンサー配列をベクターに挿入するこ
とにより増強させることができる。エンハンサーは、該
宿主細胞型におけるプロモーターの転写活性を増強する
ように作用する、通常約10〜300bpのDNAのシ
ス作用エレメントである。エンハンサーの例は、100
〜270bpで複製起点の後位置に位置するSV40エ
ンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエ
ンハンサー、複製起点の後位置のポリオーマエンハンサ
ー、およびアデノウイルスエンハンサーを包含する。
【0078】本発明のポリペプチドの異種性の構造配列
をコードする本発明のポリヌクレオチドは、一般に標準
法を用いてベクターに挿入し、発現用プロモーターに機
能的に連結する。ポリヌクレオチドは、転写開始部位が
リボソーム結合部位に対して5’にちょうどくるように
位置決定する。リボソーム結合部位は、発現すべきポリ
ペプチドの翻訳を開始するAUGの5’である。一般
に、開始コドン、通常AUGで始まるオープンリーディ
ングフレームは他になく、リボソーム結合部位および開
始AUGの間にある。また、一般に、ポリペプチドの末
端に翻訳停止コドンがあり、真核生物宿主で用いられる
構築物には、ポリアデニル化シグナルがある。転写終止
シグナルは転写領域の3’末端に適当に位置し、ポリヌ
クレオチド構築物中にも含まれ得る。
【0079】翻訳タンパク質を、小胞体内腔、周辺腔ま
たは細胞外環境へ分泌するために、適当な分泌シグナル
を発現するポリペプチドに組み込むことができる。これ
らのシグナルはポリペプチドに対して内在性であっても
よく、または異種性のシグナルでもよい。ポリペプチド
は修飾した形態、例えば融合タンパク質の形態で発現で
き、分泌シグナルのみならず付加的な異種性の機能領域
をも含み得る。このように、例えば付加アミノ酸とりわ
け荷電アミノ酸領域は、ポリペプチドのN−末端に付加
し、精製中またはそれに続く操作および保存中の、宿主
細胞内での安定性および持続性を改善する。また、精製
を容易にするために、ポリペプチドに領域を付加するこ
ともできる。かかる領域はポリペプチドの最終的な調製
の前に除去できる。ペプチド部分をポリペプチドに付加
し、とりわけ、分泌または排泄を誘起し、安定性を改善
し、および精製を容易にするのは、当該分野でよくある
ことであり、慣用される技術である。好ましい融合タン
パク質はポリペプチドの可溶化または精製に有用な免疫
グロブリンに由来する異種性領域を有してなる。例えば
EP−A−O464 533(カナディアン・カウンタ
ーパート2045869)は、免疫グロブリン分子の定
常領域の種々の部分をを別のヒトタンパク質またはその
一部と共に、有してなる融合タンパク質を開示する。多
くの場合、融合タンパク質のFc部分は治療および診断
における使用に非常に優れており、結果的に例えば薬物
動態特性を改善する(EP−A 0232 262参
照)。一方、記載した優れた方法で融合タンパク質を発
現し、検出し、精製した後、Fc部分を削除できるのが
望ましい場合もある。これは、Fc部分がアッセイ、治
療または診断に使用するに妨害になることが判明してお
り、例えば融合タンパク質を免疫の抗原として使用する
場合である。薬物の発見において、shIL−5のごと
きヒトタンパク質は、高処理能力スクリーニングアッセ
イの目的でFc部分と融合し、shIL−5のアンタゴ
ニストを同定することができる。D.Bennettら、Journal
of Molecular Recognition 8:52-58(1995)およびK.J
ohansonら、The Journal of Biological Chemistry 27
0(16):9459-9471(1995)参照。
【0080】本発明によるポリヌクレオチドおよびポリ
ペプチドの伸長、保持または発現に適した原核生物宿主
は、エシェリキア・コリ(Escherichia coli),バシラ
ス・サブチリス(Bacillus subtilis)およびサルモネ
ラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)を包含
する。種々のシュードモナス属、ストレプトミセス属、
およびスタフィロコッカス属は、この点に関してもま
た、適切な宿主である。さらに、この点に関して多くの
その他の宿主も当業者に周知であり、使用できる。細菌
使用のための有用な発現ベクターの代表例は、周知のク
ローニングベクターpBR322(ATCC3701
7)の遺伝的エレメントを含む市販のプラスミド由来の
選別マーカーおよび細菌性の複製起点を有してなるが、
これに限定するものではない。かかる市販のベクター
は、例えばpKK223−3(ファルマシア・ファイン
・ケミカルズ、ウプサラ、スウェーデン)およびGEM
1(プロメガ・バイオテック、マディソン、ウイスコン
シン州、米国)を包含する。これらのpBR322「骨
格」部分は適当なプロモーターおよび発現すべき構造配
列と結合する。
【0081】適当な宿主株を形質転換し、適当な細胞密
度まで宿主株を成長させ、選択したプロモーターが誘導
可能な場合、適当な手段(例えば温度シフトまたは化学
的インデューサーへの曝露)によりそのプロモーターを
誘導し、細胞をさらなる期間培養する。通常、次に細胞
を遠心により収穫し、物理的または化学的手段により破
壊し、得られた粗抽出物をさらに精製するために保持す
る。タンパク質の発現に用いた微生物細胞は、凍結−融
解サイクル、ソニケーション、機械的破壊または細胞溶
解物質の使用等の、任意の従来の方法により破壊でき、
かかる方法は当業者に周知である。種々の哺乳動物細胞
培養系も同様に発現に用いることができる。哺乳動物発
現系の例は、サル腎繊維芽細胞COS−7系を包含し、
Gluzmanら、Cell,23:175(1981)に記載されている。
適合するベクターを発現できるその他の細胞系には、例
えばC127、3T3、CHO、HeLa、ヒト腎29
3およびBHK細胞系等がある。
【0082】哺乳動物発現ベクターは、複製起点、適当
なプロモーターおよびエンハンサーを有してなり、また
発現に必要な、任意の必須リボソーム結合部位、ポリア
デニル化部位、スプライス供与部位および受容部位、転
写終止配列および5’隣接非転写配列を有してなる。こ
の点に関するある好ましい具体例では、SV40スプラ
イス部位およびSV40ポリアデニル化部位由来のDN
A配列はこれらの型の獲得非転写遺伝的エレメントに用
いられる。Mタンパク質ポリペプチドは、硫酸アンモニ
ウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽
イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロ
マトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、
アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパ
タイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラ
フィー等の周知の方法により、組換え細胞培養物から回
収および精製できる。最も好ましくは、高速液体クロマ
トグラフィー(「HPLC」)を精製に用いる。ポリペ
プチドが単離および/または精製中に変性した場合、再
び活性な立体配座にするために、タンパク質を再生する
ための周知の技術を用いることができる。
【0083】本発明のポリペプチドは、天然に精製され
た生成物、化学合成法の生成物および組換え法により原
核または真核生物宿主、例えば細菌、酵母、高等植物、
昆虫および哺乳動物細胞等から製造した生成物を包含す
る。組換え生成法において用いる宿主に応じて、本発明
のポリペプチドはグリコシル化されてもされなくてもよ
い。さらに、本発明のポリペプチドはまた、ある場合は
宿主媒介工程の結果として、開始修飾メチオニン残基を
も包含できる。Mタンパク質ポリヌクレオチドおよびポ
リペプチドは、本発明により種々の適用、とりわけMタ
ンパク質の化学的および生物学的特性を利用する適用に
使用することができる。さらに、細胞、組織および生体
の障害の診断および処置に関連して適用できる。本発明
のこれらの態様は、以下の記載によりさらに説明する。
【0084】ポリヌクレオチドアッセイ 本発明はまた、例えば診断用試薬として相補的ポリヌク
レオチドを検出するためのMタンパク質ポリヌクレオチ
ドの使用にも関する。真核生物、とりわけ哺乳動物特に
ヒトにおけるMタンパク質の検出することにより、疾患
の診断に追加し、診断を定義または可能にできる診断方
法を提供する。Mタンパク質遺伝子を担持する真核生物
(本明細書において「個体」とも称する)、とりわけ哺
乳動物、特にヒトを種々の技術により、DNAレベルで
検出できる。例えば、Mタンパク質遺伝子を担持する個
体は、種々の技術によりDNAレベルで検出できる。診
断用の核酸は個体の細胞および組織、例えば骨、血液、
筋肉、軟骨および皮膚から入手できる。組織生検および
剖検素材もまた、診断アッセイに用いるための個体由来
のサンプルとして好ましい。ゲノムDNAは直接検出に
使用でき、または分析前にPCRを用いて酵素的に増幅
できる。PCR(Saikiら、Nature 324:163-166(198
6))RNAまたはcDNAもまた同様に用いることが
できる。例を挙げると、Mタンパク質をコードする核酸
に相補的なPCRプライマーを用いて、Mタンパク質の
存在および発現を同定および分析できる。PCRを用い
ると、真核生物とりわけ哺乳動物、特にヒトに存在する
原核生物株を、原核生物遺伝子の遺伝子型の分析により
特徴づけできる。対照配列の遺伝子型と比較した場合、
増幅生成物の大きさの変化により欠失および挿入を、検
出できる。点突然変異は増幅したDNAの放射性標識M
タンパク質RNAへの、また別法として放射性標識Mタ
ンパク質アンチセンス DNAへのハイブリダイジング
により同定できる。完全に対合する配列は、RNase
A消化により、または融解温度の差異により、誤対合二
重らせんから区別できる。
【0085】対照遺伝子および突然変異を有する遺伝子
間の配列の違いはまた、直接的なDNA配列決定により
表すこともできる。加えて、クローン化DNAセグメン
トは特異的DNAセグメントを検出するためのプローブ
として用いることができる。かかる方法の感度をPCR
または別の増幅法を適当に使用することにより、非常に
増強させることができる。例えば、配列決定プライマー
は二本鎖PCR生成物または修飾PCRにより生じた一
本鎖鋳型分子と共に用いる。配列決定は、放射性標識ヌ
クレオチドを用いる従来の方法により、または蛍光タグ
を用いる自動配列決定法により行うことができる。DN
A配列の差異に基づく遺伝的試験は、変性剤を伴うまた
は伴わないゲル中のDNAフラグメントの電気泳動の移
動度の変化を検出することにより達成できる。小型の配
列の欠失および挿入は高分析能ゲル電気泳動により可視
化できる。特異的融解または部分的融解温度によって異
なるDNAフラグメントの移動度がゲル中の異なる位置
で遅延する、変性ホルムアミドグラジエントゲル上で異
なる配列のDNAフラグメントを、区別できる(例えば
Meyersら、Science,230:1242(1985)参照)。
【0086】特異的な位置での配列の変化はまた、RN
aseおよびS1保護のごときヌクレアーゼ保護アッセ
イまたは化学的切断法によっても表すことができる(例
えばCottonら、Proc.Natl.Acad.Sci.,米国,85:4397-44
01(1985))。このように、ハイブリダイゼーション、
RNase保護、化学的切断、直接的DNA配列決定ま
たは制限酵素の使用(例えば制限フラグメント長多形性
(restriction fragment length polymorphism:「RF
LP」))およびゲノムDNAのサザンブロッティング
により、特異的DNA配列を検出できる。従来のゲル電
気泳動およびDNA配列決定に加えて、突然変異はまた
インサイトウ分析(in situ analysis)によっても検出
できる。
【0087】突然変異体は例えばDNA配列決定アッセ
イにより確認できる。サンプルを当該分野で公知の方法
でプロセッシングし、RNAを捕獲する。mRNA上の
領域にハイブリダイズする配列からなるオリゴヌクレオ
チドプライマーを加えることにより、RNAサンプルか
らcDNAの1本目の鎖を合成する。逆転写酵素および
デオキシヌクレオチドを加えてcDNAの1本目の鎖を
合成する。プライマー配列は本発明のMタンパク質タン
パク質のDNA配列に基づいて合成する。プライマー配
列は一般に少なくとも15の連続塩基から成り、少なく
とも30または50もの連続塩基を含有できる。
【0088】ゲノムDNAは直接的に検出するために使
用でき、または分析前にPCR(Saikiら、Nature 324:
163-166(1986))を用いて酵素的に増幅できる。RT
−PCRは突然変異を検出するためにも使用できる。か
かるRT−PCRを自動検出系、例えばGeneSca
nと組み合わせて用いるのが特に好ましい。RNAまた
はcDNAもまた同じ目的のためにPCRまたはRT−
PCRに用いることができる。例を挙げると、Mタンパ
ク質をコードする核酸に相補的なPCRプライマーを用
いて突然変異を同定および分析することができる。プラ
イマーの代表例を以下の表1に示す。正常の遺伝子型に
比較した場合の、増幅生成物の大きさの変化により欠失
および挿入を検出できる。点突然変異は放射性標識RN
Aまた別法として放射性標識アンチセンスDNA配列に
増幅したDNAをハイブリダイジングすることにより同
定できる。完全に対合した配列は、RNaseA消化に
より、または融解温度の差により、誤対合二重らせんか
ら区別できる。
【表1】 Mタンパク質遺伝子の検出に用いたプライマー 配列番号:1 5’AAAGATACAG TTCAACAATC 3’ 配列番号:2 5’CTATTTTCTA CGTCTAGTCT 3’
【0089】前記のプライマーは個体由来のサンプルか
ら単離したMタンパク質DNAの増幅に用いることがで
きる。本発明はまた表1のプライマーの5’および/ま
たは3’末端から1、2、3または4ヌクレオチドを除
去したプライマーをも提供する。該プライマーを用いて
個体から単離した遺伝子を増幅し、次いで遺伝子は種々
の技術に供してDNA配列を明示できる。このようにし
て、DNA配列における突然変異を診断できる。対照遺
伝子および突然変異を有する遺伝子間の配列の違いはま
た、直接DNA配列決定法により表すこともできる。加
えて、クローン化DNAセグメントは特異的DNAセグ
メントを検出するためのプローブとして用いることがで
きる。このような方法の感度は、PCRと組み合わせた
場合、非常に増強させることができる。例えば、配列決
定プライマーは二本鎖PCR生成物または修飾PCRに
より生じる一本鎖鋳型分子と共に用いられる。放射性標
識ヌクレオチドを用いる従来の方法により、または蛍光
タグを用いる自動配列決定法により配列決定はを行うこ
とができる。
【0090】DNA配列の差異に基づく遺伝的試験は、
変性剤を伴うまたは伴わないゲル中のDNAフラグメン
トの電気泳動の移動度の変化を検出することにより達成
できる。小型の配列の欠損および挿入は高分析能ゲル電
気泳動により可視化できる。特異的融解または部分的融
解温度によって異なるDNAフラグメントの移動度がゲ
ル中の異なる位置で遅延する、変性ホルムアミドグラジ
エントゲル上で異なる配列のDNAフラグメントを、区
別できる(例えばMeyersら、Science,230:1242(198
5)参照)。特異的な位置での配列の変化はまた、RN
aseおよびS1保護のごときヌクレアーゼ保護アッセ
イまたは化学的切断法によっても表すことができる(例
えばCottonら、PNaAcS,米国,85:4397-4401(198
5))。
【0091】このように、ハイブリダイゼーション、R
Nase保護、化学的切断、直接的DNA配列決定また
は制限酵素の使用(例えば制限フラグメント長多形性
(restriction fragment length polymorphism:”RF
LP”))およびゲノムDNAのサザンブロッティング
により特異的DNA配列を検出および/または配列レベ
ルを定量化できる。本発明は疾患とりわけ中耳炎、結膜
炎、肺炎、菌血症、髄膜炎、静脈洞炎、膿胸および心内
膜炎、特に髄膜炎、例えば脳脊髄液の感染の診断方法を
提供し、この方法は個体由来のサンプルから、図1[配列
番号:1]の配列を有するポリヌクレオチドの発現レベ
ルの上昇を測定することからなる。ポリヌクレオチドを
定量するための当該分野で公知の任意の方法、例えばP
CR、RT−PCR、RNアーゼ保護、ノーザンブロッ
ティングおよびその他のハイブリダイゼーション法を用
いて、ポリヌクレオチドの発現の上昇を測定できる。従
来のゲル電気泳動およびDNA配列決定に加えて、突然
変異体はまたインサイトウ分析(in situ analysis)に
よっても検出できる。
【0092】ポリペプチドアッセイ 本発明はまた、細胞および組織中のMタンパク質の正常
および異常レベルを決定することを包含する、細胞およ
び組織中のMタンパク質のレベルを検出するための定量
および診断アッセイのごとき診断アッセイにも関する。
このように、例えば本発明によって、正常対照組織サン
プルと比較したMタンパク質の過剰発現を検出する診断
アッセイを用いて、例えば感染の存在を検出することが
できる。宿主由来のサンプル中の本発明のMタンパク質
のごときタンパク質のレベルを測定するために用いるこ
とができるアッセイ技術は当業者に周知である。かかる
アッセイ方法はラジオイムノアッセイ、競合結合アッセ
イ、ウエスタンブロット分析およびELISAアッセイ
を包含する。このうちELISAが頻繁に好ましく用い
られる。ELISAアッセイではまず、Mタンパク質に
特異的な抗体、好ましくはモノクローナル抗体を調製す
る。加えてモノクローナル抗体に結合するリポーター抗
体を一般に調製する。リポーター抗体は放射性、蛍光ま
たは酵素試薬、この例においては西洋ワサビペルオキシ
ダーゼのごとき検出可能な試薬に結合する。
【0093】ELISAを実施するために、サンプルを
宿主から取り出し、サンプル中のタンパク質と結合する
固体支持体例えばポリスチレン皿上でインキュベートす
る。次いでウシ血清アルブミンのごとき非特異的タンパ
ク質とインキュベートすることにより皿上の任意の遊離
のタンパク質結合部位を被覆する。次に、モノクローナ
ル抗体がポリスチレン皿に結合した任意のMタンパク質
に結合する時間、モノクローナル抗体を皿の中でインキ
ュベートする。未結合モノクローナル抗体は緩衝液で洗
い出す。西洋ワサビペルオキシダーゼに連結したリポー
ター抗体は皿に載せ、リポーター抗体をMタンパク質に
結合した任意のモノクローナル抗体に結合させる。非付
着リポーター抗体を次いで洗い出す。比色基質を包含す
るペルオキシダーゼ活性のための試薬を次いで皿に加え
る。1次および2次抗体を介して、Mタンパク質に連結
した固定化ペルオキシダーゼは着色反応生成物を生成す
る。規定の時間内に増加した色の量はサンプル中に存在
するMタンパク質の量を示す。通常定量結果は標準曲線
に照らし合わせて得られる。
【0094】Mタンパク質に特異的な抗体固体支持体に
結合した標識Mタンパク質ならびに宿主由来のサンプル
を固体支持体を通過させる競合アッセイを用いることが
でき、固体支持体に結合した検出される標識量は、サン
プル中のMタンパク質量に相関する。
【0095】抗体 ポリペプチド、それらのフラグメントもしくはその他の
誘導体、またはそれらのアナログ、またはそれらを発現
する細胞は、それらに対する抗体を生成する免疫原とし
て用いることができる。これらの抗体は例えばポリクロ
ーナルまたはモノクローナル抗体でよい。本発明はまた
キメラ、一本鎖およびヒト化抗体、およびFabフラグ
メントまたはFab発現ライブラリーの生成物を包含す
る。当該分野に周知の種々の方法を用いて、かかる抗体
およびフラグメントを生成できる。本ポリペプチドを好
ましくはヒト以外の動物に直接注射するかまたは動物に
ポリペプチドを投与することにより、発明の配列に対応
するポリペプチドに対して生じる抗体を得ることができ
る。このようにして得られた抗体を次いでポリペプチド
自身に結合する。この方法ではポリペプチドのフラグメ
ントのみをコードする配列さえももとの全ポリペプチド
に結合する抗体の生成に用いることができる。かかる抗
体を用いて、ポリペプチドをポリペプチドを発現する組
織から単離することができる。
【0096】連続的細胞系培養により生成される抗体を
提供する任意の技術を用いて、モノクローナル抗体を調
製することができる。実例としては、ハイブリドーマ法
(Kohler,G.およびMilstein,C.,Nature,256:495-497
(1975))、トリオーマ法、ヒトBセルハイブリドーマ
法(Kozborら、Immunology Today,4:72(1983))およ
びヒトモノクローナル抗体を生成するためのEBV−ハ
イブリドーマ法(Coleら、Monoclonal Antibodies and
Cancer Therapy,Alan R Liss,Inc.、77-96頁(198
5))を包含する。一本鎖抗体の生成のために記載され
た技術(米国特許第4946778号)を適用して、本
発明の免疫原ポリペプチド生成物に対する一本鎖抗体を
生成することができる。また、トランスジェニックマウ
スまたはその他の哺乳動物のごときその他の生物を用い
て、本発明の免疫原ポリペプチド生成物に対するヒト化
抗体を発現することができる。
【0097】前記の抗体を用いて、アフィニティクロマ
トグラフィーにより単離および/または精製するための
個体支持体へ抗体を結合させることにより、ポリペプチ
ドを発現するクローンを単離もしくは同定し、本発明の
ポリペプチドを精製することができる。従って、とりわ
けMタンパク質に対する抗体を用いて、感染とりわけ細
菌感染特に中耳炎、結膜炎、肺炎、菌血症、髄膜炎、静
脈洞炎、膿胸および心内膜炎の阻止または処置すること
ができる。当該ポリペプチドを宿主をワクチン化するた
めの抗原として使用し、例えば細菌が付着して組織を損
傷するのを阻止することにより、細菌の侵入に対して保
護する特異的抗体を生成することができる。組織損傷の
例としては、例えば機械的、化学的もしくは熱損傷によ
り、または内在デバイスの埋め込みもしくは口、乳腺、
尿道もしくは膣のごとき粘膜の創傷により引き起こされ
る皮膚または結合組織の創傷を包含する。
【0098】当該ポリペプチドまたはこれらを発現する
細胞は、そこに抗体を生成するための免疫原として使用
できる。これらの抗体は、例えばポリクローナルまたは
モノクローナル抗体でよい。「抗体」なる用語はまた、
キメラ、一本鎖、およびヒト化抗体、およびFabフラ
グメント、またはFab発現ライブラリーの生成物をも
包含する。かかる抗体およびフラグメントを産生するた
めの用いることができる種々の方法が当該分野において
公知である。本発明のポリペプチドに対して生じた抗体
は、ポリペプチドを好ましくはヒト以外の動物に直接注
射するかまたは動物にポリペプチドを投与することによ
り得ることができる。このようにして得られた抗体は次
いでポリペプチド自身に結合する。この方法ではポリペ
プチドのフラグメントのみをコードする配列さえももと
の全ポリペプチドに結合する抗体の生成に用いることが
できる。かかる抗体を用いて、ポリペプチドをポリペプ
チドを発現する組織から単離することができる。ポリペ
プチド誘導体は抗原的にまたは免疫学的に等価な誘導体
を包含し、本発明の特定の態様を成す。
【0099】本明細書で用いる「抗原的に等価な誘導
体」なる用語は、本発明により、タンパク質またはポリ
ペプチドに対して誘起された場合、病原体および哺乳動
物宿主間での即時的な物理的相互作用により妨害するあ
る種の抗体により特異的に認識されるポリペプチドまた
はそれの同等物を包含する。本明細書で用いる「免疫学
的に等価な誘導体」なる用語は、脊椎動物において抗体
を誘起させるのに適した処方を用いた場合、抗体が病原
体および哺乳動物宿主間での即時的な物理的相互作用を
妨害するように作用するペプチドまたはそれの同等物を
包含する。
【0100】ポリペプチド、例えば抗原的または免疫学
的に等価な誘導体またはそれらの融合タンパク質は、マ
ウスまたはその他の動物例えばラットもしくはニワトリ
を免疫するための抗原として使用できる。融合タンパク
質はポリペプチドに安定性を付与できる。抗原は、例え
ば抱合することにより、免疫原性キャリヤータンパク
質、例えばウシ血清アルブミン(BSA)またはキーホ
ール・リンペット・ヘモシアニン(keyhole limpet hae
mocyanin:KLH)に結合させることができる。別法と
して、タンパク質もしくはポリペプチド、またはそれら
の抗原的もしくは免疫学的に等価なポリペプチドの多重
コピーを含む多重抗原性ペプチドは、免疫原生を改良す
るために十分な抗原性を有しており、キャリヤーを使用
しなくてすむ。
【0101】連続的な細胞系培養で抗体を生成する任意
の技術を用いて、モノクローナル抗体を製造することが
できる。例えば、ハイブリドーマ法(Kohler,G.および
Milstein,C.,Nature,256:495-497(1975))、トリオ
ーマ法、ヒトBセルハイブリドーマ法(Kozborら、Immu
nology Today,4:72(1983))およびヒトモノクローナ
ル抗体を生成するためのEBV−ハイブリドーマ法(Co
leら、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Al
an R Liss,Inc.、77-96頁(1985))等がある。一本鎖
抗体を製造するために記載された技術(米国特許第49
46778号)を適用して、は本発明の免疫原ポリペプ
チド生成物に対する一本鎖抗体を製造できる。Kohlerお
よびMilstein(Nature 256:495-497(1975))の方法を
用いて、免疫哺乳動物に由来する抗体含有細胞を骨髄腫
細胞と融合し、モノクローナル抗体を分泌するハイブリ
ドーマ細胞を作る。
【0102】1またはそれ以上の原ポリペプチドおよび
/または融合タンパク質を用いて、ハイブリドーマをス
クリーニングし、高結合親和性および他のストレプトコ
ッカス種と好ましい交差反応性を有する細胞系を選別す
る。選別した細胞系を培養し、望ましいMabを得る。
モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞系
は、本発明の別の態様である。別法として、ファージデ
ィスプレイ技術を利用して、抗Fbpの保持に関してス
クリーニングしたヒト由来のリンパ球のPCR増幅した
v遺伝子のレパートリー由来の、または無処理のライブ
ラリー由来のポリペプチドに対する結合活性を有する抗
体遺伝子を選別することができる(McCafferty,J.ら、N
ature 348:552-554(1990);Mmarks,J.ら、Biotechnoo
gy 10:779-783(1992))。これらの抗体の親和性は、
チェーンシャフリングにより改善することもできる(ch
ain shuffling)(Clackson,T.ら、Nature 352:624-628
(1991))。
【0103】ポリペプチドおよび/または融合タンパク
質に対する高親和性に関して抗体を再度スクリーニング
すべきである。前記するように、最終的な抗体のフラグ
メントを製造できる。抗体は、Mr約150000の無
傷抗体かまたはそれの誘導体、例えばFabフラグメン
トまたはFvフラグメントでよく、Skerra,A.およびPlu
ckthun,A.、Science 240:1038-1040(1988)に記載され
る。二つの抗原結合ドメインが存在する場合、各ドメイ
ンは「二特異的」抗体と称する異なるエピトープに指向
される。
【0104】本発明の抗体は、従来の手段、例えば確立
されたモノクローナル抗体技術(Kohler,G.およびMilst
ein,C.、Nature 256:495-497(1975))により、または
組換え法、例えばコンビナトリアルライブラリー(例え
ばHuse,W.D.ら、Science 246:1275-1281(1989)に記載
される)を用いて製造できる。本発明のポリペプチドの
発現のために前記したような、適当な発現系において、
抗体をコードするDNAポリマーを発現させることによ
り該抗体を製造するのが好ましい。発現系のベクターの
選択は、宿主により決定する場合があり、原核生物細
胞、例えばイー・コリ(E.coli)(好ましくはB株)も
しくはストレプトミセスsp.、または真核生物細胞、例
えばマウスC127、マウス骨髄腫、ヒトHeLa、チ
ャイニーズハムスター卵巣、糸状もしくは単細胞菌類、
または昆虫細胞でよい。宿主はまたトランスジェニック
動物またはトランスジェニック植物でもよい(例えばHi
att,A.ら、Nature 34:76-78(1989)に記載される)。
適当なベクターは、例えばバキュロウイルスおよびワク
シナ由来の、プラスミド、バクテリオファージ、コスミ
ドおよび組換えウイルスを包含する。
【0105】酵素処理、例えばパパインを用いてFc部
分からFab部分を切断することにより、親モノクロー
ナル抗体からFabフラグメントを製造することもでき
る。抗体またはそれらの誘導体を修飾して、個体におけ
る免疫原性を低下させるのが好ましい。例えば、個体が
ヒトである場合、抗体は「ヒト化」されているのが最も
好ましく;その場合、ハイブリドーマ由来の抗体の(複
数の)相補性決定領域がヒトモノクローナル抗体に移さ
れており、例えばJones,P.ら、Nature 321:522-525(1
986)またはTempestら、Biotechnology 9:266-273(199
1)に記載されている。修飾は、「ヒト化」されたもの
に制限する必要はない;その他の霊長類配列(例えばNe
wman,R.ら、Biotechnology 10:1455-1460(1992))も
また使用できる。ヒト化モノクローナル抗体、または結
合活性を有するフラグメントは、本発明の特定の態様を
成す。
【0106】本発明は、細胞表面タンパク質または活性
なフラグメントの哺乳動物細胞に対する相互作用を妨害
する薬物を同定するための、薬物のスクリーニング方法
を提供し、この方法は、哺乳動物細胞または膜調製物
を、薬物の存在下、標識ポリペプチドとインキュベート
し、薬物がこの相互作用を阻止する能力を測定すること
からなる。本発明のポリヌクレオチドをDNA免疫に使
用する場合、好ましくは、例えばプラスミドDNAの筋
肉への直接注射(Wolffら、Hum.Mol.Genet.1:363(199
2);Manthorpeら、Hum.Gene Ther.4:419(1963))、
特異的タンパク質キャリヤーを複合させたDNAの送達
(Wuら、J.Biol.Chem.264:16985(1989))、リン酸カ
ルシウムを用いるDNA共沈(Benvenisty & Reshef、P
NAS 83:9551(1986))、種々形態のリポソーム中のD
NA封入化(Kanedaら、Science 243:375(1989))、
微粒子爆撃(Tangら、Nature 356:152(1992);Eisenb
raunら、DNA Cell Biol.12:791(1993))およびクロー
ン化レトロウイルスを用いたインビボ感染(Seegerら、
PNAS 81:5849(1984))等の適当な送達方法を用いる。
筋肉トランスフェクションのための適切なプロモーター
にはCMV、RSV、SRa、アクチン、MCK、アル
ファ・グロブリン、アデノウイルスおよびジヒドロ葉酸
還元酵素を包含する。
【0107】Mタンパク質結合分子およびアッセイ 本発明はまた、Mタンパク質に結合する結合分子のごと
き分子の同定方法をも提供する。Mタンパク質に結合す
るタンパク質、例えば結合タンパク質をコードする遺伝
子は、当業者に周知の多くの方法、例えばリガンドパニ
ンングおよびFACSソーティングより同定できる。か
かる方法は多くの研究室マニュアル、例えばColigan
ら、Current Protocols in Immunology、1(2):第5章(1
991)に記載されている。例えば発現クローニングはこ
の目的のために用いることができる。この目標のため
に、ポリアデニル化RNAをMタンパク質に応答する細
胞から調製し、このRNAからcDNAライブラリーを
作り、ライブラリーをプールに分割し、プールをMタン
パク質に応答しない細胞に個々にトランスフェクトす
る。トランスフェクトした細胞を次いで標識Mタンパク
質に曝露する。(Mタンパク質は、放射性ヨウ素化また
は部位特異性プロテインキナーゼ用の認識部位の封入の
標準法を包含する種々の周知の技術により標識でき
る。)曝露に続いて、細胞を固定し、Mタンパク質の結
合を測定する。これらの方法は便宜上ガラススライド上
で実施する。
【0108】Mタンパク質結合細胞を生成するcDNA
のプールを同定する。これらの陽性体からサブプールを
調製し、宿主細胞にトランスフェクトし、前記のとおり
スクリーニングする。サブプール化および再スクリーニ
ング法を繰り返し、推定される結合分子をコードする1
またはそれ以上の単一のクローンを単離できる。別法と
して、標識リガンドを光親和性にして、結合分子のごと
きそれが結合する分子を発現する細胞から調製した膜ま
たは膜抽出物のごとき細胞抽出物に連結できる。クロス
リンキングした物質はポリアクリルアミドゲル電気泳動
(「PAGE」)により解析し、X線フィルムに曝露す
る。リガンド結合を含有する標識複合体を切除し、ペプ
チドフラグメントに分解でき、タンパク質マイクロシー
クエンシングに供することができる。マイクロシークエ
ンシングにより得られたアミノ酸配列を用いて、推定さ
れる結合分子をコードする遺伝子を同定する、cDNA
ライブラリーをスクリーニングする独特なまたは同義性
オリゴヌクレオチドプローブを設計することができる。
本発明のポリペプチドはまた、細胞中、または細胞不含
調製物中の、Mタンパク質結合分子、例えば結合分子の
Mタンパク質結合能力を評価するために使用できる。本
発明のポリペプチドを用いて、例えば細胞、無細胞調製
物、化学的ライブラリー、および天然の生成物混合物中
の小型分子基質とリガンドとの結合を評価することもで
きる。
【0109】アンタゴニストおよびアゴニスト−アッセ
イおよび分子 本発明はまた細胞上のMタンパク質ポリペプチドまたは
ポリヌクレオチドの作用、Mタンパク質結合分子のごと
き結合分子とMタンパク質の相互作用を亢進または遮断
する化合物を同定するための、化合物のスクリーニング
方法をも提供する。アンタゴニストはMタンパク質の天
然の生物学的機能を低下させる化合物である。アゴニス
トはMタンパク質の天然の生物学的機能を増強する化合
物である。例えば、アゴニストまたはアンタゴニストを
スクリーニングするために、合成反応混合物、膜、細胞
エンベロープもしくは細胞壁のごとき細胞のコンパート
メント、またはそれらのいずれかの調製物を、Mタンパ
ク質に結合する分子を発現する細胞から調製できる。そ
の調製物を、Mタンパク質アゴニストまたはアンタゴニ
ストであるかもしれない候補分子の存在下または不存在
下で、標識Mタンパク質と共にインキュベートする。候
補分子が結合分子に結合する能力は、標識リガンドの結
合の低下に反映される。結合しても影響を及ぼさない分
子、すなわちMタンパク質結合分子の結合にMタンパク
質の効果を誘起しない分子は、大抵、良好なアンタゴニ
ストになるであろう。結合性が良好で、Mタンパク質と
同一のまたは非常に関連した効果を引き出す分子は、ア
ゴニストである。
【0110】潜在的なアゴニストおよびアンタゴニスト
のMタンパク質様効果は、例えば候補分子と細胞または
適当な細胞調製物との相互作用に続くリポーターステム
の活性を決定し、その効果をMタンパク質の効果とまた
はMタンパク質と同一の効果を引き出す分子の効果を比
較することにより測定できる。この点に関して利用でき
るリポーターシステムは、生成物に転換される比色標識
基質、Mタンパク質活性の変化に応答するリポーター遺
伝子、および当該分野で公知の結合アッセイを包含する
が、これらに限定するものではない。Mタンパク質アン
タゴニストのアッセイの別の例は競合アッセイであり、
競合阻害アッセイに適した条件下で、Mタンパク質およ
び潜在的アンタゴニストを膜結合Mタンパク質結合分
子、組換えMタンパク質結合分子、天然の基質もしくは
リガンド、または基質もしくはリガンド擬似物質と混合
する。Mタンパク質を例えば放射活性または比色化合物
により標識し、結合分子に結合するまたは生成物に変換
したMタンパク質分子の数を正確に決定して、潜在的ア
ンタゴニストの効果を評価できる。
【0111】潜在的なアンタゴニストは、本発明のポリ
ペプチドに結合し、それによりその活性を阻害または消
滅させる小型有機分子、ペプチド、ポリペプチドおよび
抗体を包含する。潜在的アンタゴニストはまた、結合分
子の同一の部位に結合するが、正確に関連したタンパク
質または抗体のごとき小型有機分子、ペプチド、ポリペ
プチド、例えばMタンパク質誘起活性を誘起しない結合
分子であってもよく、そのことによりMタンパク質を結
合から排除してMタンパク質の作用を妨げる。潜在的ア
ンタゴニストは、ポリペプチドの結合部位に結合し、結
合部位を占領し、それにより細胞性結合分子への結合を
防御し、正常の生物学的活性を防御する、小型分子を包
含する。小型分子の例としては、小型有機分子、ペプチ
ドまたはペプチド様分子を包含するが、これらに限定す
るものではない。
【0112】その他の潜在的なアンタゴニストはアンチ
センス分子を包含する。アンチセンス技術を用いて、ア
ンチセンスDNAもしくはRNAにより、または二重も
しくは三重らせん形成により遺伝子発現を調節すること
ができる。アンチセンス技術については、例えばOkano,
J.、Neurochem.56:560(1991);Oligodeoxynucleotide
s as Antisense Inhibitors of Gene Expression,CR
Cプレス、ボッカ・ラートン、フロリダ州(1988)に記
載されている。三重らせん形成については例えばLee
ら、Nucleic Acids Research 6:3073(1979);Cooney
ら、Science 241:456(1988);およびDervanら、Scien
ce 251:1360(1991)に記載されている。この方法は、
ポリヌクレオチドの相補的DNAまたはRNAへの結合
に基づいている。例えば本発明の成熟ポリペプチドをコ
ードするポリヌクレオチドの5’コーディング部分を用
いて、約10〜40塩基対の長さのアンチセンスRNA
オリゴヌクレオチドを設計することができる。DNAオ
リゴヌクレオチドは、Mタンパク質の転写および生成を
防御する転写に係わる遺伝子領域に相補的になるように
設計する。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドはイ
ンビボでmRNAにハイブリダイジングし、mRNA分
子のMタンパク質ポリペプチドへの翻訳を阻止する。前
記のオリゴヌクレオチドはまた、細胞に送達され、アン
チセンスRNAまたはDNAをインビボで発現し、Mタ
ンパク質の生成を阻害することもできる。
【0113】特定の態様において、本発明は感染の続発
症に関与する病原体および哺乳動物宿主間の即時的な物
理的相互作用を妨害する、本発明のポリペプチド、ポリ
ヌクレオチドまたは阻害物質の使用を提供する。特に、
本発明の分子を:i)細菌、とりわけグラム陽性細菌
の、内在デバイス上の哺乳動物細胞外マトリックスタン
パク質、または創傷部の細胞外マトリックスタンパク質
への付着の防御;ii)例えば哺乳動物チロシンキナー
ゼのリン酸化の開始により、哺乳動物細胞浸入を媒介す
る細胞表面タンパク質の遮断(Rosenshineら、Infect.I
mmun.60:2211(1992));iii)哺乳動物細胞外マト
リックスタンパク質と組織損傷を媒介する細菌細胞表面
タンパク質間の細菌性付着の阻害;iv)内在デバイス
の埋め込みまたはその他の外科的手技以外により開始し
た感染における通常の病因の進行の防御に使用できる。
【0114】本明細書で提供する各々のDNA配列は、
抗細菌化合物の発見および開発に用いることができる。
発現時にコードされたタンパク質は、抗細菌物質のスク
リーニングのための目的物質として用いることができ
る。加えて、コードされたタンパク質、もしくはSine-D
elgarnoまたは他の個々のmRNAの翻訳容易化配列の
ミノ末端領域をコードするDNA配列を用いて、目的の
コーディング配列の発現を調節するアンチセンス配列を
構築することがきる。本発明のアンタゴニストおよびア
ゴニストは、例えば本明細書の以下に記載するような、
医薬上許容できる担体と共に組成物として用いることが
できる。このアンタゴニストおよびアゴニストを用い
て、例えば、結膜炎、静脈洞炎、気管への付着および気
管における感染の開始等を阻止できる。
【0115】ワクチン 本発明の別の態様は、個体とりわけ哺乳動物における免
疫学的応答を誘起する方法であって、抗体を生成するの
に適当なMタンパク質、またはそれらのフラグメントも
しくは変種を個体に接種し、該個体を感染とりわけ細菌
感染、特にストレプトコッカス感染、例えばストレプト
コッカス・ニューモニア(Streptococcus pneumoniae)
感染から防御させることからなる方法に関する。本発明
のまた別の態様は、個体に免疫応答を誘起する方法であ
って、遺伝子治療により免疫応答を誘発させるためにM
タンパク質またはそれらのフラグメントもしくは変種を
インビボで発現させるのにMタンパク質またはそれらの
フラグメントもしくは変種をコードする遺伝子を送達
し、抗体を生成し、該個体を疾患から保護することから
なる。
【0116】本発明のさらなる態様は、免疫学的応答を
宿主内に誘起できる、または誘起した宿主に導入した場
合、そのような宿主中でMタンパク質またはそれにより
コードされるタンパク質に対する免疫学的応答を誘起す
る免疫学的組成物であって、組換えMタンパク質、また
はそれによりコードされるタンパク質を含んでなり、ま
た該Mタンパク質の抗原をコードし、発現するDNAま
たはそれによりコードされるタンパク質を含んでなる組
成物に関する。Mタンパク質またはそれらのフラグメン
トは、それ自身は抗体を産生しないが、第1ののタンパ
ク質を安定化し、免疫原性があり防御特性を有する融合
タンパク質を形成することができる補タンパク質(co-p
rotein)と融合できる。このように融合した組換えタン
パク質は、好ましくはさらに抗原補タンパク質、例えば
グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)また
はベーターガラクトシダーゼ、タンパク質を可溶化し、
それらの生成および精製を容易にする比較的大きな補タ
ンパク質を有する。さらに、補タンパク質は免疫系にお
いて一般的な刺激を提供するという意味で、アジュバン
トとして作用し得る。補タンパク質は第1のタンパク質
のアミノまたはカルボキシル末端のいずれに結合しても
よい。
【0117】本発明は、細菌細胞表面タンパク質の非可
変領域をコードすることが示されている、前記のポリヌ
クレオチドまたは特定のそれらのフラグメントを用いる
方法を提供する。また本発明は、エス・ニューモニア
(S.pneumoniae)で感染した動物モデルにおけるかかる
遺伝的免疫実験において有用なかかるフラグメントを有
してなるDNA構築物をも提供する。かかる実験は予防
的または治療的免疫応答を誘起できるタンパク質エピト
ープを同定するのに特に有用である。このアプローチ
は、哺乳動物、とりわけヒトにおけるエス・ニューモニ
ア(S.pneumoniae)感染の予防薬または治療的処置の開
発のために、感染に抵抗し一掃するのに成功した動物の
必須器官から、特に価値あるモノクローナル抗体を引き
続き調製することを可能にすると考えられる。
【0118】本発明はまた、免疫原性組換えタンパク質
を適切な担体と共に有してなるワクチン処方を包含す
る。タンパク質は胃で分解するので、非経口的例えば皮
下、筋肉内、静脈内または皮膚内等に投与するのが好ま
しい。非経口投与に適した処方は、抗酸化剤、緩衝液、
静細菌剤および個体の体液好ましくは血液と等張にする
溶質を含有してもよい水性または非水性滅菌注射液;お
よび懸濁化剤または増粘剤を含有していてもよい水性ま
たは非水性滅菌懸濁液を包含する。処方は単位投与また
は多回投与用容器、例えば密封したアンプルおよびバイ
アルに入れてよく、凍結乾燥状態で保存し、使用直前に
滅菌液体担体の添加のみを必要とする。ワクチン処方は
処方の免疫原性を高めるアジュバント系を含めることが
でき、例えば水中油系または当該分野で公知のその他の
系がある。投与量はワクチンの特異的活性に依存し、通
常の実験法により容易に決定できる。本発明は特定のM
タンパク質に関して記載したが、これは天然に存在する
タンパク質および、実質的に組換えタンパク質の免疫原
特性に影響しない付加、欠失または置換を施した類似の
タンパク質のフラグメントを包含することが理解されよ
う。
【0119】組成物 本発明はまた前記のポリヌクレオチドもしくはポリペプ
チド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストを含ん
でなる組成物にも関する。従って、本発明のポリペプチ
ドは未滅菌もしくは滅菌担体と、または細胞、組織もし
くは生物に用いられる担体、例えば対象への投与に適し
た医薬的担体と組み合わせて用いることができる。この
ような組成物は、例えば溶媒添加物または治療上有効量
の本発明のポリペプチド、および医薬上許容できる担体
または賦形剤を含む。このような担体はセイライン、緩
衝化セイライン、デキストロース、水、グリセロール、
エタノールおよびそれらの組み合わせを包含するが、こ
れらに限定するものではない。処方は投与法に適した物
にすべきである。
【0120】キット 本発明はさらに、本発明の前記の組成物成分を1または
それ以上を充填した1またはそれ以上の容器を含む診断
用および医薬用パックおよびキットにも関する。このよ
うな(複数の)容器に関連して、医薬または生物学的産
物の製造、使用または販売を統制する政府機関の命令形
態の、ヒトへの投与用の産物の製造、使用または販売に
関する該政府機関の承認を示す注意書きが添付されるこ
とがある。
【0121】投与 本発明のポリペプチドおよびその他の化合物は、単独で
または治療用化合物等のその他の化合物と組み合わせて
用いることができる。医薬組成物は有効な、都合のよい
方法例えば、とりわけ局所、経口、経肛門、経膣、静脈
内、腹膜腔内、筋肉内、皮下、鼻腔内、または皮膚内の
経路で投与できる。医薬組成物は、一般に具体的な適応
症または複数の適応症の処置または予防に有効な量を投
与する。一般には、この組成物は少なくとも約10μg
/kg体重の量で投与する。たいていの場合、投与量は
1日あたり約8mg/kg体重を越えない量で投与す
る。好ましくは、たいての場合、投与量は1日あたり約
10μg/kgから1mg/kg体重である。至適投与
量は、適応、その重篤度、投与経路、合併症の状態等を
考慮に入れて、各々の処置様式および適応のための標準
法により決定されることは理解されよう。
【0122】治療において、または予防用に、活性物質
を注射用組成物として、例えば、好ましくは等張の滅菌
水性分散物として個体に投与できる。また別に、組成物
は局所適用用、例えば軟膏、クリーム、ローション、眼
軟膏、点眼液、点耳液、洗口剤、染み込ませた包帯およ
び縫合用の糸、ならびにエアロゾール等の形態に処方し
てもよく、適合する慣用的な添加物、例えば保存剤、薬
物の浸透を補助する溶媒、ならびに軟膏およびクリーム
には軟化剤を含めてもよい。このような局所用処方はま
た、適合する慣用的な担体、例えばクリームまたは軟膏
基剤、およびローションにはエタノールまたはオレイル
アルコールを含めてもよい。このような担体は処方の約
1%から約98重量%を構成してもよく;より一般的処
方の約80重量%までとする。
【0123】哺乳動物特にヒトに投与する場合、有効成
分の1日あたりの投与量は、0.01mg/kgから1
0mg/kgであり、典型的には約1mg/kgであ
る。医者はいずれの場合も、個体に最も適した実際の投
与量を決定し、年齢、体重および特に個体の反応性に応
じて変化させる。前記の投与量は、平均的なケースの一
例である。もちろん、高量および低量の範囲が適合する
個々の例もあり、これらは本発明の範囲内である。内在
デバイスには外科的インプラント、プロテーゼデバイス
およびカテーテル、即ち個体の体内に導入し、長時間そ
の位置に存在するデバイスを包含する。このようなデバ
イスには、例えば人工関節、心臓弁、ペースメーカー、
血管移植片、血管カテーテル、脳脊髄液シャント、尿カ
テーテル、持続的外来腹膜透析(CAPD)カテーテル
等を包含する。
【0124】本発明の組成物は注射により投与し、内在
デバイスの挿入の直前に、関連する細菌に対する全身的
な効果を得ることができる。手術後、デバイスが体内に
在る時間、処置を続けてよい。加えて、外科的手技のた
めに手術中用カバーを広げて、細菌性創傷感染、特にス
トレプトコッカスの創傷感染を防御するために用いるこ
とができる。多くの整形外科医は、プロテーゼ関節を有
するヒトは、菌血症を生じ得る歯科的処置の前に、抗生
物質予防法を考慮されるべきであると考える。遅延性の
重篤な感染は、時にはプロテーゼ関節を失うに至る深刻
な合併症であり、有意性のある羅病率および死亡率を伴
う。従って、この場合、予防的な抗生物質の代わりに、
活性物質の用途を拡張することが可能である。
【0125】前記の治療に加え、本発明の組成物は一般
的に創傷の治療薬として使用でき、創傷組織に曝露した
マトリックスタンパク質に細菌が付着するのを防ぎ、歯
科治療において抗生物質の予防法に代わって、またはそ
れと組み合わせて、予防的に使用できる。また別に、本
発明の組成物を用いて、挿入直前に内在デバイスを浸し
てもよい。有効成分は創傷または内在デバイスを浸すた
めに1μg/mlから10mg/mlの濃度であるのが
好ましい。有利には、ワクチン組成物を注射可能な形態
にする。慣用的なアジュバントは免疫応答を高めるため
に用いることができる。ワクチン化に適した単位投与量
は、抗原0.5〜5μg/kgであり、このような投与
量は1〜3週間隔で1〜3回投与するのが好ましい。提
示した投与量範囲では、本発明の化合物で、適当な個体
への投与を妨げるような、不利な毒性効果は観察されな
い。前記の抗体もまた細胞表面タンパク質を含有する細
菌の存在を検出するための診断試薬として使用できる。
以下の実施例を容易に理解するために、特定の汎用する
方法および/または用語を記載する。
【0126】遺伝子治療 Mタンパク質ポリヌクレオチド、ポリペプチド、ポリペ
プチドであるアゴニストおよびアンタゴニストは、本発
明によって、インビボでかかるポリペプチドを発現する
ことにより、しばしば「遺伝子治療」と称せられる治療
様式に用いることができる。本発明の化合物は遺伝子免
疫治療に用いて、かかる化合物が由来するおよび関連す
る生物に対して個体において免疫応答を誘起できる。こ
のように、例えば個体に由来する細胞をエクソビボでポ
リペプチドをコードするDNAまたはRNAのごときポ
リヌクレオチドで操作し、次いで操作した細胞をポリペ
プチドで処置すべき個体に提供できる。例えば、本発明
のポリペプチドをコードするRNAを含有するレトロウ
イルスプラスミドベクターを使用することにより、細胞
をエクソビボで操作できる。かかる方法は当該分野で公
知であり、本発明における使用は、本明細書の教示より
明白である。
【0127】同様に、細胞を当該分野に周知の方法によ
りインビボで操作し、インビボでポリペプチドを発現さ
せることができる。例えば本発明のポリヌクレオチドは
前記のように複製不能レトロウイルスベクター中に発現
するように操作できる。レトロウイルス発現構築物を、
次いで単離し、本発明のポリペプチドをコードするRN
Aを含有するレトロウイルスプラスミドベクターで形質
導入されたパッケージング細胞に導入し、パッケージン
グ細胞が目的遺伝子を含有する感染性のウイルス粒子を
産生するようにすることができる。これらの産生細胞を
個体に投与し、インビボで細胞操作し、インビボでポリ
ペプチドを発現することができる。このような方法で本
発明のポリペプチドを投与するためのこれらのまたはそ
の他の方法は、本明細書の教示から当業者に明らかであ
るはずである。
【0128】前記のレトロウイルスプラスミドベクター
のレトロウイルスは、モロニーネズミ白血病ウイルス、
脾臓壊死ウイルス、レトロウイルス例えばラウス肉腫ウ
イルス、ハーヴェイ肉腫ウイルス、トリ白血症ウイル
ス、テナガザル白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイル
ス、アデノウイルス、骨髄増殖性肉腫ウイルスおよび哺
乳動物腫瘍ウイルス等に由来するが、これらに限定する
ものではない。一つの態様では、レトロウイルスプラス
ミドベクターはモロニーネズミ白血病ウイルスに由来す
る。このようなベクターは、ポリペプチド発現のための
プロモーターを1またはそれ以上含む。用いることがで
きる適当なプロモーターには、レトロウイルスLTR;
SV40プロモーター;およびヒトサイトメガロウイル
ス(CMV)プロモーター(Millerら、Biotechniques
7:980-990(1989)に記載されている)、またはその他
の任意のプロモーター(限定するものではないが、例え
ばヒストン、RNAポリメラーゼIIIおよびβ−アク
チンプロモーター等の真核細胞プロモーターのような細
胞性プロモーターなどがある)等があるが、これらに限
定するものではない。用いることができるその他のウイ
ルス性プロモーターには、アデノウイルスプロモータ
ー、チミジンキナーゼ(TK)プロモーター、およびB
19パルボウイルスプロモーター等があるが、これらに
限定するものではない。適当なプロモーターの選別は、
本明細書の教示より、当業者に明白であろう。
【0129】本発明のポリペプチドをコードする核酸配
列は適当なプロモーターの支配下に置かれる。用いるこ
とができる適当なプロモーターには、アデノウイルスプ
ロモーター、例えばアデノウイルス主要後期プロモータ
ー;または異種性プロモーター例えばサイトメガロウイ
ルス(CMV)プロモーター;RSウイルス(respirat
ory syncytial virus:RSV)プロモーター;誘導プ
ロモーター例えばMMTプロモーター、メタロチオネイ
ンプロモーター;熱ショックプロモーター;アルブミン
プロモーター;アポAIプロモーター;ヒトグロブリン
プロモーター;ウイルス性チミジンキナーゼプロモータ
ー例えば単純ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター;
レトロウイルスLTR(前記の修飾レトロウイルスLT
Rを含む);β−アクチンプロモーター;ヒト成長ホル
モンプロモーター等があるが、これらに限定するもので
はない。プロモーターはまたポリペプチドをコードする
遺伝子を支配する天然プロモーターでもよい。
【0130】レトロウイルスプラスミドベクターはパッ
ケージング細胞系に形質導入し、産生細胞系を形成する
のに用いることができる。トランスフェクトされ得るパ
ッケージング細胞の例としては、PE501、PA31
7、Y−2、Y−AM、PA12、T19−14X、V
T−19−17−H2、YCRE、YCRIP、GP+
E−86、GP+envAm12およびDAN細胞系(M
iller,A.,Human GeneTherapy,1:5-14(1990)に記載
されている)等があるが、これらに限定するものではな
い。ベクターは当該分野で周知の任意の方法により、パ
ッケージング細胞に形質導入できる。このような方法に
は、電気泳動、リポソームの使用、およびCaPO4
殿などがあるが、これらに限定するものではない。また
別に、レトロウイルスプラスミドベクターはリポソーム
にカプセル化するか、または脂質と結合させ、次いで宿
主に投与することができる。産生細胞系は感染性レトロ
ウイルスベクター粒子を生じ、これはポリペプチドをコ
ードする(複数の)核酸配列を含む。このようなレトロ
ウイルスベクター粒子は次いでインビトロまたはインビ
ボのどちらかで真核細胞に形質導入するのに用いること
ができる。形質導入した真核細胞は、ポリペプチドをコ
ードする(複数の)核酸配列を発現する。形質導入され
る真核細胞には、胚幹細胞、胚癌細胞およびヘモポイエ
チン幹細胞、肝細胞、繊維芽細胞、筋芽細胞、ケラチノ
サイト、内皮細胞および気管支上皮細胞等があるが、こ
れらに限定するものではない。
【0131】
【実施例】本発明は以下の実施例によりさらに記載す
る。実施例は単に具体的な態様に対する参考として本発
明を説明するために提供するものである。これらの実例
提示は本発明の特定の具体的な態様を説明するものであ
るが、本発明に開示する請求の範囲の限定または規定を
表すものではない。本明細書で用いる特定の用語は前記
した用語説明で説明する。全ての実施例は、別に詳細に
記載するもの以外は、当業者に周知で通常的な、標準法
を用いて実施した。以下の実施例の通常的な分子生物学
的技術は、例えばSambrookら、Molecular Cloning:A L
aboratory Manual、第2版;コールド・スプリング・ハ
ーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・スプリング
・ハーバー、ニューヨーク州(1989)ような標準的な研
究室マニュアルに記載されるように実施できる。
【0132】以下の実施例で示す全ての部分または量
は、特記しない限り、重量で示す。以下の実施例におけ
るフラグメントのサイズ分離は特記しない限り、Sambro
okら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2
版;コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・
プレス、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨー
ク州(1989)および多くの他の文献例えばGoeddelら、N
ucleic Acids Res.8:4057(1980)に記載される、寒天
およびポリアクリルアミドゲル電気泳動(「PAG
E」)の標準法を用いて実施した。特記しない限り、連
結は、標準的な緩衝液、インキュベーション温度および
時間、連結するDNAフラグメントのほぼ等モル濃度の
量、ならびにDNA0.5mgあたりほぼ10単位のT
4 DNAリガーゼを用いて達成した。
【0133】配列番号:1に対するDNA配列を有する
ポリヌクレオチドは、イー・コリ(E.coli)中ストレプ
トコッカス・ニューモニア(Streptococcus pneumonia
e)0100993の染色体DNAのクローンのライブ
ラリーの配列決定により入手した。前記した方法によ
り、マウス感染モデルにおける、ストレプトコッカス・
ニューモニア(Streptococcus pneumoniae)01009
93の感染が確立した時に、該ポリヌクレオチドがイン
ビボで転写されることが示された。配列番号:1に示す
DNA配列を用いて、細胞表面タンパク質をコードする
ポリヌクレオチドを得るために、通常、イー・コリ(E.
coli)中のストレプトコッカス・ニューモニア(Strept
ococcus pneumoniae)0100993の染色体DNAの
クローンのライブラリー、またはその他の適切な宿主
を、部分配列に由来する、好ましくは17量体またはそ
れより長い放射性標識オリゴヌクレオチドでプロービン
グする。プローブのDNAに同等なDNAを担持するク
ローンを、次いで、非常に厳密に洗浄して同定した。原
配列から設計した配列決定プライマーを用いてこのよう
に同定した個々のクローンを配列決定することにより、
次に配列を両方向に伸長し、遺伝子を全長にわたって決
定することが可能になる。便利には、プラスミドクロー
ンから調製した変性二本鎖DNAを用いて、このような
配列決定を実施する。適当な技術については、Maniati
s,T.、Fritsch,E.F.およびSambrookら、Molecular Clon
ing:A Laboratory Manual、第2版;コールド・スプリ
ング・ハーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・ス
プリング・ハーバー、ニューヨーク州(1989)に記載さ
れている。(Screening By Hybridization 1.90 and Se
quencing Denatured Double-Stranded DNA Templates 1
3.70参照)
【0134】実施例1: ストレプトコッカス・ニュー
モニア(S.pneumoniae)からのMタンパク質をコーディ
ングするDNAの単離 配列番号:1に示すDNA配列を有するポリヌクレオチ
ドはイー・コリ(E.coli)におけるストレプトコッカス
・ニューモニア(Streptococcus pneumoniae)の染色体
DNAのクローンのライブラリーより入手した。重複す
るストレプトコッカス・ニューモニア(Streptococcus
pneumoniae)DNAを含有する2個またはそれ以上のク
ローンの配列決定データを、配列番号:1に示す連続し
たDNA配列を構築するために使用した場合もある。ラ
イブラリーは慣用される方法、例えば以下の方法1およ
び2により製造できる。全細胞性DNAは、ストレプト
コッカス・ニューモニア(Streptococcus pneumoniae)
0100993株より、標準法によって単離し、二つの
方法のどちらかによりサイズ分画化する。
【0135】方法1 標準法によってサイズ分画化するために、全細胞性DN
Aをニードルを通して機械的に剪断する。11kbpまでの
大きさのDNAフラグメントを、エクソヌクレアーゼお
よびDNAポリメラーゼで処理することにより、平滑末
端化し、EcoRIリンカーを加える。フラグメント
を、EcoRIで切断したベクターラムダZapIIに
連結し、標準法によりライブラリーをパッケージング
し、およびパッケージングしたライブラリーでイー・コ
リ(E.coli)を感染させる。ライブラリーは標準法によ
り増幅する。
【0136】方法2 全細胞DNAは、四つの制限酵素(RsaI、Pal
I、AluIおよびBshl235I)を組み合わせた
もので部分加水分解し、標準法によりサイズ分画化す
る。EcoRIリンカーをDNAおよびフラグメントに
連結し、次いでEcoRIで切断したベクターラムダZ
apIIにライゲートし、標準法によりライブラリーを
パッケージングし、そのパッケージングしたライブラリ
ーでイー・コリ(E.coli)を感染させる。ライブラリー
は標準法により増幅する。
【0137】実施例2: ストレプトコッカス・ニュー
モニア(S.pneumoniae)Mタンパク質の遺伝子免疫治療
的発現 皮膚生検により対象から繊維芽細胞を採取する。得られ
た組織を組織培養培地に置き、小片に分ける。組織の小
片を組織培養フラスコの湿った表面に置き、約10片を
各フラスコ内に置く。フラスコを上下にひっくり返し、
きつく閉め、室温で一晩放置する。室温で24時間後、
フラスコを逆さにし、組織片はフラスコの底に固着した
ままにして新鮮な培地(例えば10% FBS、ペニシ
リンおよびストレプトマイシンを含有する、ハムのF1
2培地)を加える。次いで組織を37℃で約1週間イン
キュベートする。この時、新鮮培地を加え、その後数日
毎に交換する。さらに2週間の培養の後、繊維芽細胞の
単層が生じる。その単層をトリプシン化し、より大きな
フラスコ中に剥ぎ落とす。
【0138】遺伝子治療のためのベクターを、発現すべ
きフラグメントをクローニングするために制限酵素で消
化する。消化したベクターを仔ウシ消化管ホスファター
ゼで処理し、自己連結を阻止する。脱リン酸化した直線
ベクターを寒天ゲル上で分画化し、精製する。活性Mタ
ンパク質またはそれらのフラグメントを発現できるMタ
ンパク質DNAまたはそれらのフラグメントを単離す
る。必要な場合、ベクターにクローニングするために、
フラグメントの末端を修飾する。例えば、5’末端の張
り出し(5’over hanging)をDNAポリメラーゼで処
理し、平滑末端にすることができる。3’末端の張り出
し(3’over hanging ends)はS1ヌクレアーゼを用
いて除去できる。T4 DNAリガーゼを用いてリンカ
ー平滑末端に連結できる。
【0139】モロニーネズミ白血病ウイルス直線状骨格
およびMタンパク質フラグメントの等量を混合し、T4
DNAリガーゼを用いて結合させる。連結用混合物を
用いてイー・コリ(E.coli)を形質転換し、次いで細菌
をカナマイシン含有寒天上にプレートする。カナマイシ
ン表現型および制限分析により、ベクターが適当に挿入
された遺伝子を有していることを確認する。パッケージ
ング細胞を10% 仔ウシ血清(CS)、ペニシリンお
よびストレプトマイシンを含有するデュルベッコ修飾イ
ーグル培地(DMEM)中全面成長するまで組織培養中
成長させる。Mタンパク質遺伝子を含有するベクター
を、標準法によりパッケージング細胞に導入する。Mタ
ンパク質遺伝子を含有する感染性ウイルス粒子をパッケ
ージング細胞から回収し、これを産生細胞と称する。
【0140】新鮮培地を産生細胞に加え、適当なインキ
ュベーション期間の後、全面成長した産生細胞のプレー
トから培地を回収する。感染性ウイルス粒子を含有する
培地をミリポアフィルターを通してろ過し、剥離した産
生細胞を除去する。次いでろ過した培地を用いて、繊維
芽細胞を感染させる。繊維芽細胞のサブ全面成長プレー
トから培地を除去し、即座にろ過した培地と置き換え
る。ポリブレン(アルドリッヒ)を培地中に含有して、
形質導入を促進できる。適当なインキュベーションの
後、培地を除去し、新鮮な培地と入れ替える。ウイルス
の力価が高い場合、実際に全ての繊維芽細胞が感染して
おり、選別は不要である。力価が低い場合、選別マーカ
ーを有するレトロウイルスベクター、例えばネオまたは
ヒズを用いて、さらに進めるために形質導入された細胞
を選別する必要がある。
【0141】ついで、遺伝子操作した繊維芽細胞を単独
で、またはマイクロキャリヤービーズ、例えばサイトデ
ックス3ビーズ上で全面成長させた後、マウスまたはラ
ットに注射してもよい。注射した繊維芽細胞はMタンパ
ク質生成物を生成し、タンパク質の生物学的作用を宿主
に付与し、とりわけ免疫応答を誘導する。本発明は、本
明細書および実施例に特記する以外に実施できることは
明らかである。本発明の多くの修飾および変更は前記の
教示に鑑みて可能であり、従って本明細書添付の請求の
範囲内である。
【0142】
【配列表】(1) 配列番号1についての情報: (i) 配列の特徴: (A) 長さ: 651 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖数: 一本 (D) トポロジー: 直鎖状 (xi) 配列の記載: 配列番号1: AAAGATACAG TTCAACAATC TGCGAAAGGT GAATCTGTAA CTCAAGAAGC TACACCAGAG 60 TATAAGCTAG AAACTACACC AGGTGGAGAT AAGGGAGGCA ATACTGGAAG CTCAGATGCT 120 AATGCGAATG AAGGCGGTGG TAGCCAGGCG GGTGGATCAG CTCACACAGG TTCACAAAAC 180 TCAGCTCAAT CACAAGCTTC TAAGCAATTC GCTACTGAAA AAGAATCAGC TAAAAATGCC 240 ATTGAAAAAG CAGCCAAGGA CAAGCAGGAT GAAATCAAAG GCGCACCGCT TTCTGATAAA 300 GAAAAAGCAG AACTTTTAGC AAGAGTGGAA GCAGAAAAAC AAGCAGCTCT CAAAGAGATT 360 GAAAATGCGA AAACTATGGA AGATGTGAAG GAAGCAGAAA CGATTGGAGT GCAAGCCATT 420 GTCATGGTTA CAGTTCCTAA GAGACCAGTG GCTCCTAATA CTGCTCCTAA GACAACAAGT 480 GCACCGCAAG CAACTGCAGG AACAATGCAA GATGTTACCT ACCAGTCACC TGCTGGCAAA 540 CAATTACCTA ACACGGGTTC AGCATCAAGT GCAGCACTTG CTAGTCTTGG TCTAGTGGTG 600 GCAACAAGTG GTTTTGCTTT GCTAGGAAGA AAGACTAGAC GTAGAAAATA G 651
【0143】(2) 配列番号2についての情報: (i) 配列の特徴: (A) 長さ: 216 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (C) 鎖数: 二本 (D) トポロジー: 直鎖状 (xi) 配列の記載: 配列番号2: Lys Asp Thr Val Gln Gln Ser Ala Lys Gly Glu Ser Val Thr Gln Glu 1 5 10 15 Ala Thr Pro Glu Tyr Lys Leu Glu Thr Thr Pro Gly Gly Asp Lys Gly 20 25 30 Gly Asn Thr Gly Ser Ser Asp Ala Asn Ala Asn Glu Gly Gly Gly Ser 35 40 45 Gln Ala Gly Gly Ser Ala His Thr Gly Ser Gln Asn Ser Ala Gln Ser 50 55 60 Gln Ala Ser Lys Gln Phe Ala Thr Glu Lys Glu Ser Ala Lys Asn Ala 65 70 75 80 Ile Glu Lys Ala Ala Lys Asp Lys Gln Asp Glu Ile Lys Gly Ala Pro 85 90 95 Leu Ser Asp Lys Glu Lys Ala Glu Leu Leu Ala Arg Val Glu Ala Glu 100 105 110 Lys Gln Ala Ala Leu Lys Glu Ile Glu Asn Ala Lys Thr Met Glu Asp 115 120 125 Val Lys Glu Ala Glu Thr Ile Gly Val Gln Ala Ile Val Met Val Thr 130 135 140 Val Pro Lys Arg Pro Val Ala Pro Asn Thr Ala Pro Lys Thr Thr Ser 145 150 155 160 Ala Pro Gln Ala Thr Ala Gly Thr Met Gln Asp Val Thr Tyr Gln Ser 165 170 175 Pro Ala Gly Lys Gln Leu Pro Asn Thr Gly Ser Ala Ser Ser Ala Ala 180 185 190 Leu Ala Ser Leu Gly Leu Val Val Ala Thr Ser Gly Phe Ala Leu Leu 195 200 205 Gly Arg Lys Thr Arg Arg Arg Lys 210 215
【0144】(2) 配列番号3についての情報: (i) 配列の特徴: (A) 長さ: 20 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖数: 一本 (D) トポロジー: 直鎖状 (xi) 配列の記載: 配列番号3: AAAGATACAG TTCAACAATC 20
【0145】(2) 配列番号4についての情報: (i) 配列の特徴: (A) 長さ: 20 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖数: 一本 (D) トポロジー: 直鎖状 (xi) 配列の記載: 配列番号4: CTATTTTCTA CGTCTAGTCT 20
【図面の簡単な説明】
【図1】 ストレプトコッカスMタンパク質のポリヌク
レオチド配列[配列番号:1]を示す。
【図2】 図1のポリヌクレオチド配列から推定したヒ
トMタンパク質のアミノ酸配列[配列番号:2]を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/00 ABL C07K 16/12 ABM 16/28 ACD C12N 1/19 ADZ 1/21 39/00 C12P 21/02 C C07K 14/315 C12Q 1/02 16/12 G01N 33/53 D 16/28 N C12N 1/19 33/566 1/21 A61K 39/395 D 5/10 37/02 ABA C12P 21/02 ABE C12Q 1/02 ABL G01N 33/53 ABM ACD 33/566 ADZ // A61K 39/395 C12N 5/00 B (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91) (71)出願人 595047190 スミスクライン・ビーチャム・パブリッ ク・リミテッド・カンパニー SmithKline Beecham p.l.c. イギリス国ミドルセックス・ティーダブリ ュ8・9イーピー、ブレンフォード、ニュ ー・ホライズンズ・コート(番地の表示な し) (72)発明者 マーティン・カール・ラッセル・バーナム アメリカ合衆国19403ペンシルベニア州ノ ーリスタウン、タングルウッド・レイン 2927番 (72)発明者 スティーブン・ホームズ イギリス、ケンブリッジシャー、グレー ト・チシル

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)配列番号:2のアミノ酸1から21
    6を有してなるポリペプチドをコードするポリヌクレオ
    チドに対して少なくとも70%の同一性を有するポリヌ
    クレオチド; (b)(a)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレ
    オチド;および (c)(a)または(b)のポリヌクレオチドの少なく
    とも15個の塩基を有してなるポリヌクレオチド;から
    なる群から選択されるポリヌクレオチド配列を有してな
    る単離ポリヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 ポリヌクレオチドがDNAである請求項
    1記載のポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 ポリヌクレオチドがRNAである請求項
    1記載のポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 配列番号:1に示すヌクレオチド1から
    651を有してなる請求項2記載のポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 配列番号:1に示すような配列番号:2
    のアミノ酸配列をコードする配列を有してなる請求項2
    記載のポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 配列番号:2のアミノ酸1から216を
    有してなるポリペプチドをコードする請求項2記載のポ
    リヌクレオチド。
  7. 【請求項7】(a)NCIMB受託番号40794から
    単離したポリヌクレオチドにより発現されるのと同一の
    成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対し
    て少なくとも70%の同一性を有するポリヌクレオチ
    ド; (b)(a)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレ
    オチド;および (c)(a)または(b)のポリヌクレオチドの少なく
    とも15個の塩基を有してなるポリヌクレオチド;から
    なる群から選択されるものを有してなる単離ポリヌクレ
    オチド。
  8. 【請求項8】 請求項2記載のDNAを有してなるベク
    ター。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のベクターを有してなる宿
    主細胞。
  10. 【請求項10】 ポリペプチドの製造方法であって、該
    DNAにコードされるポリペプチドを請求項9記載の宿
    主細胞から発現することを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】 ポリペプチドを発現する細胞の製造方
    法であって、該細胞が請求項8記載のベクターに含まれ
    るcDNAによりコードされるポリペプチドを発現する
    ように、細胞を該ベクターで形質転換またはトランスフ
    ェクションすることを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 配列番号:2のアミノ酸1から216
    に対して少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を有
    してなるポリペプチド。
  13. 【請求項13】 配列番号:2に示すアミノ酸を有して
    なるポリペプチド。
  14. 【請求項14】 請求項12記載のポリペプチドに対す
    る抗体。
  15. 【請求項15】 請求項12記載のポリペプチドの活性
    を阻害するアンタゴニスト。
  16. 【請求項16】 治療上有効量の請求項12記載のポリ
    ペプチドを個体に投与することを特徴とするMタンパク
    質の必要性を有する個体の治療方法。
  17. 【請求項17】 該ポリペプチドをコードするDNAを
    個体に提供し、該ポリペプチドをインビボで発現させる
    ことにより、治療上有効量のポリペプチドを投与する、
    請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 治療上有効量の請求項15記載のアン
    タゴニストを個体に投与することからなる、Mタンパク
    質ポリペプチドを阻害する必要性を有する個体の治療方
    法。
  19. 【請求項19】 請求項12記載のポリペプチドをコー
    ドする核酸配列を決定することからなる、該ポリペプチ
    ドの発現に関与する疾患の診断方法。
  20. 【請求項20】 宿主由来のサンプル中の請求項12記
    載のポリペプチドの存在を分析することからなる診断方
    法。
  21. 【請求項21】 請求項12記載のポリペプチドに結合
    し、活性を阻害する化合物の同定方法であって;結合部
    位との結合を可能にする条件下で、ポリペプチドについ
    ての結合部位をその表面に発現する細胞を、スクリーニ
    ングされる化合物と接触させること(ここに該結合部位
    は、化合物の該結合部位への結合に反応して検出可能な
    シグナルを提供する能力のある第2の成分に結合するも
    のである);次いで、該化合物と該結合部位との相互作
    用から生じるシグナルの有無を検出することにより、該
    化合物が該結合部位に結合して、活性化するかまたは阻
    害するかを決定すること;を特徴とする方法。
  22. 【請求項22】 哺乳動物を疾患から防御する抗体を産
    生するに十分なMタンパク質またはそのフラグメントも
    しくは変種を哺乳動物に接種することを特徴とする、哺
    乳動物にて免疫学的応答を誘起する方法。
  23. 【請求項23】 遺伝子治療により、インビボでMタン
    パク質、またはそれらのフラグメントもしくは変種を発
    現させるためにMタンパク質フラグメントまたはその変
    種をコードする遺伝子を送達し、免疫学的応答を誘発さ
    せて抗体を産生し、該動物を疾患から防御することから
    なる、哺乳動物にて免疫学的応答を誘起する方法。
  24. 【請求項24】 哺乳動物宿主に導入した場合、哺乳動
    物において所定のMタンパク質ポリヌクレオチドまたは
    それによりコードされるタンパク質に対する免疫学的応
    答を誘起する免疫学的組成物であって、Mタンパク質ポ
    リヌクレオチドまたはそれによりコードされるタンパク
    質の抗原をコードし、発現するDNAを含んでなる組換
    えMタンパク質ポリヌクレオチドまたはそれによりコー
    ドされるタンパク質を有してなる免疫学的組成物。
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