JPH10179115A - ドクダミ茶添加麦茶風味発泡酒の製造方法 - Google Patents

ドクダミ茶添加麦茶風味発泡酒の製造方法

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JPH10179115A
JPH10179115A JP8356466A JP35646696A JPH10179115A JP H10179115 A JPH10179115 A JP H10179115A JP 8356466 A JP8356466 A JP 8356466A JP 35646696 A JP35646696 A JP 35646696A JP H10179115 A JPH10179115 A JP H10179115A
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JP
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tea
malt
barley
wort
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JP8356466A
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English (en)
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Chikako Shimizu
千賀子 清水
Mitsuhiko Oda
光彦 小田
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Sapporo Breweries Ltd
Original Assignee
Sapporo Breweries Ltd
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Publication date
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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 発泡酒の香味バランスを殆ど崩すことなく、
麦茶と発泡酒とドクダミ茶とが程よく混合された調和の
とれた味を有するドクダミ茶添加麦茶風味発泡酒の製
造。 【解決手段】 粉砕した麦芽を原料として用い、該麦芽
と温水とを混合してマイシェを形成する工程と、該マイ
シェを所定温度で所定時間経過させて糖化させる糖化工
程と、糖化された前記マイシェを濾過して麦汁を得る第
1の濾過工程と、前記麦汁にホップを加えて煮沸し熱麦
汁を生成する煮沸工程と、前記熱麦汁を冷却して濾過し
た後酵母を加えて発酵させる主発酵工程と、前記主発酵
工程を経て得られた発酵液を熟成させる後発酵工程と、
前記後発酵工程を経たビールより残存酵母等を除去する
第2の濾過工程と、を含み、各製造工程の少なくともい
ずれかで麦茶麦を投入して麦茶を抽出すると共に、ドク
ダミ茶葉を投入してドクダミ茶を抽出することを特徴と
するドクダミ茶添加麦茶風味発泡酒の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドクダミ茶添加麦
茶風味発泡酒の製造方法に係り、詳しくはビール若しく
は発泡酒をベースとした麦茶風味を有する発泡酒におい
て、その製造工程中でドクダミ茶葉を投入してドクダミ
茶を抽出することにより、麦茶風味の発泡酒の香味を改
善したドクダミ茶添加麦茶風味発泡酒を製造する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】麦芽を原料とする酒類であるビールや発
泡酒は、消費者の嗜好の多様化に伴って、異なるビール
同士をミックスしたり、果汁或いは清涼飲料をビールや
発泡酒に添加して飲む等、バラエティーに富んだ飲み方
が提案されている。また、健康に対する意識の高まりも
あって、生薬やお茶類の風味を持ったビール若しくは発
泡酒の出現が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、お茶の
風味を有するビール及び発泡酒は、期待とは裏腹に現在
のところ具体的に提案すら成されていない。
【0004】そこで、本発明の目的は、従来のビール若
しくは発泡酒の製造設備を有効利用し、麦茶とベースと
なるビール若しくは発泡酒とが程よく混合されて調和の
とれた香味を有する、お茶風味発泡酒の製造方法に係
り、特にお茶として麦茶を添加した麦茶風味発泡酒の製
造方法を提供すると共に、ドクダミ茶をビール或いは発
泡酒の製造工程中にて抽出することにより、麦茶による
焦げ臭さ・味を改善し、より癖の無い香味を備えたドク
ダミ茶添加麦茶風味発泡酒の製造方法を提供することに
ある。
【0005】さらに、本発明は、ドクダミ茶添加麦茶風
味発泡酒における老化と呼ばれる経時変化による香味の
劣化を感じさせないように改善することを目的とする、
ドクダミ茶添加麦茶風味発泡酒の製造方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
課題を解決するため鋭意研究を行った結果、各製造工
程の少なくともいずれかで麦茶麦を投入して麦茶エキス
を抽出すると共に、ドクダミ茶葉を投入してドクダミ茶
エキスを抽出することにより、発泡酒の香味バランスを
殆ど崩すことなく、ベースとなるビール或いは発泡酒と
麦茶とドクダミ茶とが程よく混合された調和のとれた味
を有する、ドクダミ茶添加麦茶風味発泡酒を製造するこ
とができること、また、さらに黒麦芽を添加すること
により、経時変化による香味の劣化(老化臭)を防止す
ることができることを見出し、これらの知見に基づいて
本発明を完成するに到った。
【0007】すなわち、請求項1記載の本発明は、粉砕
した麦芽を原料として用い、該麦芽と温水とを混合して
マイシェを形成する工程と、該マイシェを所定温度で所
定時間経過させて糖化させる糖化工程と、糖化された前
記マイシェを濾過して麦汁を得る第1の濾過工程と、前
記麦汁にホップを加えて煮沸し熱麦汁を生成する煮沸工
程と、前記熱麦汁を冷却して濾過した後酵母を加えて発
酵させる主発酵工程と、前記主発酵工程を経て得られた
発酵液を所定温度で所定時間熟成させる後発酵工程と、
前記後発酵工程を経たビールより酵母等を除去する第2
の濾過工程と、を含み、前記各製造工程の少なくともい
ずれかで麦茶麦を投入して麦茶を抽出すると共に、ドク
ダミ茶葉を投入してドクダミ茶を抽出することを特徴と
するドクダミ茶添加麦茶風味発泡酒の製造方法を提供す
るものである。
【0008】次に、請求項2記載の本発明は、粉砕した
麦芽及び副原料を使用し、仕込釜に前記麦芽の一部と前
記副原料と温水とを投入してマイシェを形成する工程
と、前記麦芽の残りと温水とを仕込槽内で混合して所定
温度で所定時間経過させてマイシェを形成する工程と、
前記仕込釜で形成したマイシェと前記仕込槽で形成した
マイシェとを混合し所定温度で所定時間経過させて糖化
させる糖化工程と、糖化された前記混合マイシェを濾過
して麦汁を得る第1の濾過工程と、前記麦汁にホップを
加えて煮沸し熱麦汁を生成する煮沸工程と、前記熱麦汁
を冷却して濾過した後酵母を加えて発酵させる主発酵工
程と、前記主発酵工程を経て得られた発酵液を所定温度
で所定時間熟成させる後発酵工程と、前記後発酵工程を
経たビールより残存酵母等を除去する第2の濾過工程
と、を含み、前記各製造工程の少なくともいずれかで麦
茶麦を投入して麦茶を抽出すると共に、ドクダミ茶葉を
投入してドクダミ茶を抽出することを特徴とするドクダ
ミ茶添加麦茶風味発泡酒の製造方法を提供するものであ
る。
【0009】また、請求項3記載の本発明は、粉砕した
麦芽及び該麦芽の使用量よりも多い量の副原料を使用
し、仕込釜に前記麦芽の一部と前記副原料と温水とを投
入してマイシェを形成する工程と、前記麦芽の残りと温
水とを仕込槽内で混合して所定温度で所定時間経過させ
てマイシェを形成する工程と、前記仕込釜で形成したマ
イシェと前記仕込槽で形成したマイシェとを混合し所定
温度で所定時間経過させて糖化させる糖化工程と、糖化
された前記混合マイシェを濾過して麦汁を得る第1の濾
過工程と、前記麦汁にホップを加えて煮沸し熱麦汁を生
成する煮沸工程と、前記熱麦汁を冷却して濾過した後酵
母を加えて発酵させる主発酵工程と、前記主発酵工程を
経て得られた発酵液を所定温度で所定時間熟成させる後
発酵工程と、前記後発酵工程を経たビールより残存酵母
等を除去する第2の濾過工程と、を含み、前記各製造工
程の少なくともいずれかで麦茶麦を投入して麦茶を抽出
すると共に、ドクダミ茶葉を投入してドクダミ茶を抽出
することを特徴とするドクダミ茶添加麦茶風味発泡酒の
製造方法を提供するものである。
【0010】請求項4記載の本発明は、使用する麦芽の
一部として黒麦芽を用いることを特徴とする、前記請求
項1〜3のいずれかに記載のドクダミ茶添加麦茶風味発
泡酒の製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】上記したように、請求項1〜3記
載の本発明は、基本的に、麦芽若しくは麦芽と副原料と
を使用したビール或いは発泡酒において、前記各製造工
程の少なくともいずれかで麦茶麦を投入して麦茶を抽出
すると共に、ドクダミ茶葉を投入してドクダミ茶を抽出
することを特徴とするものである。
【0012】すなわち、請求項1記載の本発明は、麦芽
100%のビールをベースとしたドクダミ茶添加麦茶風
味発泡酒の製造方法に関するものである。また、請求項
2記載の本発明は、麦芽及び副原料を使用した、ビール
或いは発泡酒をベースとしたドクダミ茶添加麦茶風味発
泡酒の製造方法に関するものである。
【0013】さらに、請求項3記載の本発明は、麦芽及
び麦芽の使用量よりも多い副原料を使用した発泡酒をベ
ースとしたドクダミ茶添加麦茶風味発泡酒の製造方法に
関するものである。
【0014】すなわち、請求項1〜3記載の本発明は、
そのようなビール或いは発泡酒をベースとしたドクダミ
茶添加麦茶風味発泡酒を製造するにあたり、各製造工程
の少なくともいずれかで麦茶麦を投入して麦茶を抽出す
ると共に、ドクダミ茶葉を投入してドクダミ茶を抽出す
ることを特徴とするものである。
【0015】請求項1〜3記載の本発明は、上述した発
泡酒の製造において、各製造工程の少なくともいずれか
で麦茶麦を投入する。例えば、他の使用副原料と同様、
粉砕してから他の副原料と共に仕込釜に投入し、温水を
加えてマイシェを生成するようにしても良い。
【0016】また、麦茶麦の添加は、副原料としてでな
く、仕込釜におけるマイシェを形成する工程、仕込槽に
おけるマイシェを形成する工程、仕込釜で形成したマイ
シェと仕込槽で形成したマイシェとを混合し糖化させる
糖化工程、糖化された混合マイシェを濾過して麦汁を得
る第1の濾過工程、麦汁にホップを加えて煮沸し熱麦汁
を生成する煮沸工程、熱麦汁の冷却時(麦汁温度が50
℃以上が好ましい)、の各製造工程の少なくともいずれ
かで行われる。
【0017】次に、本発明では、ドクダミ茶葉を添加す
ることが必要である。ドクダミ茶葉を添加することによ
り、ドクダミ茶エキスを抽出し、得られるビールベース
或いは発泡酒ベース麦茶風味の発泡酒の味をより癖のな
いマイルドな香味を有するものとすることができる。
【0018】すなわち、本発明では、ドクダミ茶葉を投
入することにより、麦茶の焦げ臭さ、ベースとなるビー
ル或いは発泡酒と麦茶との味の分離感をより改善すると
共に、より癖のないマイルドな香味を有し、ドクダミ茶
独特の香味をほのかに有するビールベース或いは発泡酒
ベースのドクダミ茶添加麦茶風味発泡酒が得られる。
【0019】ドクダミ茶葉の添加量は、煮沸工程を終え
た熱麦汁中にドクダミ茶葉を投入する場合、熱麦汁30
リットルに対して、ドクダミ茶葉を5〜30g程度、好
ましくは10〜25g程度使用すれば良い。熱麦汁30
リットルに対して、クワ茶葉を30gを超えて投入した
場合には、発酵がやや渋滞するため好ましくない。
【0020】ドクダミ茶葉の添加時期は特に制限はな
く、仕込時、マイシェ生成時、糖化工程時、糖
化工程後の濾過工程時、煮沸工程時、煮沸工程後発
酵工程前、などにおいて添加することができるが、使用
済のドクダミ茶葉を除去する便を考慮して、通常は、
仕込時、マイシェ生成時、糖化工程時、煮沸工程
時などにおいて添加される。また、ドクダミ茶葉を布袋
や金属製のケース等に入れ、ドクダミ茶葉が拡散しない
ようにすると、ドクダミ茶葉に適した添加タイミング、
添加時間で抽出することができる。また、製造工程中の
濾過装置に負担をかけることがない。添加時期は特に限
られるものではない。
【0021】ドクダミ茶葉の添加は、仕込釜や仕込槽に
原料などと一緒に投入したり、或いは糖化液や麦汁中に
直接添加することにより行っても良いし、さらに、ビー
ル或いは発泡酒製造時において、湯を使用する際に、そ
の湯中にドクダミ茶葉を投入することにより行っても良
い。
【0022】ここでビール或いは発泡酒製造時において
使用される湯としては、例えば、仕込時のはり湯、濾過
工程時の撒き湯、麦汁エキス濃度の調整に用いられるさ
し湯などがあり、それぞれのタンク(それぞれ仕込タン
ク、撒き湯タンク、さし湯タンクなど)に張られた湯の
中にドクダミ茶葉を投入して、ドクダミ茶エキスを抽出
すれば良い。はり湯は、原料を仕込む際に使用される湯
であって、通常は50℃程度の湯である。次に、撒き湯
は、糖化工程後に濾過して得られる一番麦汁を得た後、
さらにもう一度麦汁エキスを抽出し、二番麦汁を得る際
に使用されるものであり、通常、70℃前後の湯であ
る。また、さし湯は、発酵工程前に麦汁エキス濃度を調
整する際に使用されるものであり、通常、80〜90℃
前後と高温の湯である。
【0023】このようにドクダミ茶葉添加時の添加先の
温度が添加時期や添加場所で異なるため、抽出時間は添
加時期や添加場所などによって最適時間が異なる。あま
り長くドクダミ茶葉を添加したままにしておくと、好ま
しくない成分が出てきたりするため、一定時間抽出した
後は、これを速やかに取り除くことが好ましい。
【0024】例えば、ドクダミ茶葉を仕込釜に投入する
場合、液温は80〜90℃前後であるので、2〜10分
間程度抽出するのが好適である。次に、ドクダミ茶葉を
仕込槽に投入する場合、液温は50℃前後であるので、
10〜20分間程度抽出するのが好適である。また、ド
クダ茶葉を糖化工程中に投入する場合、液温は65〜7
5℃前後であるので、5〜10分間程度抽出するのが好
適である。さらに、ドクダミ茶葉を麦汁煮沸時に投入す
る場合には、2〜5分間程度抽出するのが好適である。
さらにまた、ドクダミ茶葉を麦汁煮沸後に投入する場
合、煮沸後の熱麦汁の液温は80〜90℃前後であるの
で、2〜5分間程度抽出するのが好適である。
【0025】また、上記したはり湯、撒き湯、さし湯で
の抽出の場合、まず、はり湯タンク内の湯の温度は50
℃程度であるので、10〜20分間程度抽出すれば良
い。また、撒き湯タンク内の湯の温度は70℃前後であ
るので、7〜10分間程度抽出すれば良い。さらに、さ
し湯タンク内の湯の温度は80〜90℃前後と高温であ
るので、5〜10分間程度抽出すれば良い。なお、いず
れの場合も、予め100℃程度の湯を用いる場合には、
3〜5分間程度で抽出することができるので、そのよう
な温度で抽出した後、加水して、それぞれのタンクの所
定温度にしても良い。
【0026】このように、抽出時の抽出温度に応じて最
適な抽出時間がある。従って、必要な抽出時間を経過し
た後には、速やかにドクダミ茶葉を取り出すことが好ま
しい。そこで、必要なときに速やかにドクダミ茶葉を取
り出すことができるような形で、ドクダミ茶葉を添加す
るのが好ましい。このような観点から、前述したよう
に、ドクダミ茶葉を布袋や金属製のケース等に入れ、麦
汁中などにドクダミ茶葉が拡散しないようにして抽出す
ると良い。必要な抽出時間を経過すれば、袋やケースご
と取り出せば良く、最適な抽出タイミング(特に液温)
・時間を設定することができる。
【0027】この他、ドクダミ茶を仕込釜や仕込槽に原
料などと一緒に直接投入したり、或いは糖化液や麦汁中
に直接投入しても良い。ビール或いは発泡酒製造工程で
は、この後、沈殿物を除去したりするための濾過工程が
あるので、そこでドクダミ茶葉を漉し取ることができ、
特別な除去操作等を設ける必要がないからである。な
お、この場合には、次に濾過工程が行われる時期から逆
算して、ドクダミ茶葉の投入時期を決定すれば、最適な
抽出タイミングを設定することか可能である。
【0028】請求項1〜3記載の本発明は、基本的に
は、上記のような点に特色を有するものである。
【0029】次に、請求項4記載の本発明は、上記した
如き請求項1〜3記載の本発明において、使用する麦芽
の一部として黒麦芽を用いることを特徴とするものであ
る。麦芽の一部として黒麦芽を使用することにより、ベ
ースとなるビール或いは発泡酒と麦茶との味の分離が解
消されると共に、老化臭と呼ばれる経年変化による香味
の劣化が解消されたビールベース或いは発泡酒ベースの
ドクダミ茶添加麦茶風味発泡酒が得られる。
【0030】すなわち、いくら麦茶とドクダミ茶とビー
ル或いは発泡酒とが程よく混合されたものとなり、調和
のとれた味を有する麦茶風味の発泡酒が得られるとは言
っても、特に麦茶とベースとなるビール或いは発泡酒と
は本来異質なものであるため、麦茶麦と共にドクダミ茶
を添加しただけでは、麦茶麦の使用量や麦芽の使用量な
どによっては、若干の分離感が認められる場合がある。
請求項4記載の本発明では、さらに麦芽の一部として黒
麦芽を使用することにより、ベースとなるビール或いは
発泡酒と麦茶とドクダミ茶との味の分離感を全く解消す
ることができる。
【0031】本発明は、このような点に特色を有するも
のである。以下、具体的な操作について述べると、一般
的に仕込釜に所定量の麦芽と副原料とを仕込み、温水と
混合してマイシェを形成すると共に、仕込槽に残りの麦
芽を仕込み、温水と混合してマイシェを形成する操作と
を行うが、麦茶麦は、副原料の一部として、必要に応じ
て他に使用される副原料と共に、通常は仕込釜内に仕込
まれる。但し、前記した投入時期であれば、これに限ら
れるものではない。
【0032】マイシェの形成に際しては、通常、製麦工
程から得られた麦芽と、副原料となる米などが、粉砕機
を用いて粉砕された後に、仕込釜と仕込槽とでそれぞれ
温水と混ぜ合わされる。従って、このとき他に使用され
る副原料などと一緒に粉砕機を用いて、麦茶麦を粉砕し
ておく。
【0033】なお、前述したように、上記の点を除く
と、基本的な製造工程や製造条件は、通常のビール或い
は発泡酒の作り方と同様である。
【0034】まず、ビールベースのドクダミ茶添加麦茶
風味発泡酒の製造方法に関する請求項1〜2記載の本発
明における仕込操作の仕込ダイヤグラムの1例(後記実
施例1で行った仕込操作の仕込ダイヤグラムと同じであ
る。)を図1に示す。勿論、この仕込操作の仕込ダイヤ
グラムは1例を示したものであって、本発明がこれに限
定されるものでないことは言うまでもない。
【0035】図1に示す仕込操作の仕込ダイヤグラムで
は、仕込釜に麦芽のみ、或いは麦芽と共に麦芽よりも少
ない量の副原料とを仕込み、温水と混合した後、該仕込
釜は、50℃で40分間保持された後、1℃/1分間の
昇温速度で100℃まで昇温され、100℃で20分間
保持されている。一方、残りの麦芽と温水とを仕込んだ
仕込槽における湯温(蛋白休止温度)は50℃であり、
蛋白休止時間は20分間とされている。
【0036】その後、図1に示す仕込操作の仕込ダイヤ
グラムでは、仕込釜におけるマイシェと仕込槽における
マイシェとを混合している。実際には、仕込槽に、仕込
釜のマイシェを移送し、混合している。その結果、仕込
槽におけるマイシェは、50℃から65℃まで昇温さ
れ、仕込釜におけるマイシェは、100℃から65℃ま
で降温している。
【0037】このようにして、仕込釜で形成したマイシ
ェと、仕込槽で形成したマイシェとを混合し、次いで所
定温度で所定時間経過させ、麦芽の活性酵素を用いて澱
粉質を糖化させたマイシェ、つまり糖化液を得、これを
常法に従って濾過し、さらにホップと共に煮沸して仕込
工程を完結する。
【0038】煮沸された麦汁は、冷却されて冷麦汁とさ
れた後、次の発酵工程へ送られ、ここで酵母を添加され
て発酵が行われ、得られた発酵液は、さらに貯酒工程
(後発酵工程)で熟成され、さらに濾過工程を経て、目
的とするビールベースのドクダミ茶添加麦茶風味を有す
る発泡酒が製造される。これらの工程も常法により行え
ば良い。
【0039】このようにして発泡酒の香味バランスを殆
ど崩すことなく、ベースとなる発泡酒と麦茶とドクダミ
茶とが程よく混合されて調和のとれた味を有する本発明
のビールベースのドクダミ茶添加麦茶風味を有する発泡
酒が得られる。
【0040】一方、請求項3記載の本発明における仕込
操作の仕込ダイヤグラムの1例(後記実施例2で行った
仕込操作の仕込ダイヤグラムと同じである。)を図2に
示す。勿論、この仕込操作の仕込ダイヤグラムは1例を
示したものであって、本発明がこれに限定されるもので
ないことは言うまでもない。
【0041】図2に示す仕込操作の仕込ダイヤグラムで
は、麦芽以外の副原料よりも少ない量の麦芽と副原料と
を仕込み、温水と混合した後、該仕込釜は、15分間か
けて50℃から65℃まで昇温され(昇温速度1℃/1
分)、65℃で10分間保持した後、さらに35分間か
けて100℃まで昇温され(昇温速度1℃/1分)、1
00℃で20分間保持されている。一方、残りの麦芽と
温水とを仕込んだ仕込槽における湯温(蛋白休止温度)
は50℃であり、蛋白休止時間は20分間とされてい
る。
【0042】その後、図2に示す仕込操作の仕込ダイヤ
グラムでは、仕込釜におけるマイシェと仕込槽における
マイシェとを混合している。実際には、仕込槽に、仕込
釜のマイシェを移送し、混合している。その結果、仕込
槽におけるマイシェは、50℃から65℃まで昇温さ
れ、仕込釜におけるマイシェは、100℃から65℃ま
で降温している。
【0043】以降の操作は、前記した図1に示す仕込操
作の仕込ダイヤグラムと同様にして行い、目的とする発
泡酒ベースのドクダミ茶添加麦茶風味を有する発泡酒が
製造される。
【0044】このようにして発泡酒の香味バランスを殆
ど崩すことなく、ベースとなる発泡酒と麦茶とドクダミ
茶とが程よく混合された調和のとれた味を有する本発明
の発泡酒ベースのドクダミ茶添加麦茶風味を有する発泡
酒が得られる。さらに、ドクダミ茶の使用により、麦茶
独特の焦げ味,焦げ臭も緩和乃至解消されており、癖の
ないマイルドな香味となっており、ドクダミ茶独特の香
味もほのかに残っている。
【0045】特に請求項4に示されるように、麦茶麦及
びドクダミ茶の使用と共に、麦芽の一部として黒麦芽を
使用することにより、ベースとなる発泡酒と麦茶とドク
ダミ茶との味の分離感が解消されると共に、老化臭と呼
ばれる経時変化による香味の劣化が解消されたビールベ
ース或いは発泡酒ベースのドクダミ茶添加麦茶風味発泡
酒が得られる。
【0046】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。しかしながら、本発明の範囲はこれら実施例により
限定されるものではない。
【0047】実施例1 (1)発泡酒ベースのドクダミ茶添加麦茶風味発泡酒の
製造 原料として、麦芽34kgと副原料36kgの合わせて
70kgを用いた。仕込釜では、麦芽10kgと、麦茶
麦2kgを含む副原料36kgとを、80リットル
(L)の湯(仕込用水)で溶いてマイシェを形成した。
一方、仕込槽では、麦芽24kgを180Lの湯(仕込
用水)で溶いてマイシェを形成した。なお、湯温はいず
れも50℃であった。
【0048】以下、図1に示す仕込ダイヤグラムに従
い、仕込操作を行った。仕込操作における煮沸工程を終
えた熱麦汁(液温80〜90℃)30リットル中に、ド
クダミ茶葉20gを布袋に入れて添加し、抽出を行い、
5分経過後に取り出した。さらに仕込操作以降は、一般
的な発泡酒の製法と同様の操作を行い、発泡酒ベースの
ドクダミ茶添加麦茶風味を有する発泡酒(瓶詰品)を製
造した。
【0049】(2)香味試験(官能テスト) 上記(1)で得られた発泡酒ベースのドクダミ茶添加麦
茶風味を有する発泡酒(本発明品1)と、ドクダミ茶葉
を使用しなかったこと以外は、上記(1)と同様の操作
にて製造した発泡酒(比較対照品1)とについて、パネ
ラーによる官能テストを行った。官能テストは、麦茶麦
による焦げ味,焦げ臭の有無,その程度、発泡酒と麦茶
との調和感の有無,その程度、液色、コクなどについ
て、本発明品1と比較対照品1を比較することにより行
った。
【0050】その結果、官能テストに参加したパネラー
全員の共通した感想は、次の通りであった。すなわち、
本発明品1によれば、発泡酒の香味バランスを殆ど崩す
ことなく、麦茶と発泡酒とが程よく混合された調和のと
れた味を有する発泡酒ベースのドクダミ茶添加麦茶風味
を有する発泡酒が得られている。
【0051】本発明品1は、比較対照品1に比べて、ド
クダミ茶葉を使用することにより、麦茶の焦げ臭さや分
離感が解消されていて、癖のないマイルドな香味を有
し、ドクダミ茶独特の香味もほのかに残っていると判断
された。
【0052】実施例2 仕込槽中で使用する麦芽24kgのうち、通常麦芽を2
3.5kg、黒麦芽を0.5kgとしたこと以外は、実
施例1と同様にして行い、発泡酒ベースのドクダミ茶添
加麦茶風味を有する発泡酒(本発明品2)を得、さらに
香味試験(官能試験)を行った。得られた発泡酒に対し
て黒麦芽を入れない比較対照品2と、1ヶ月間瓶詰保存
した時点で比較したところ、本発明品2の方が、老化と
呼ばれる経時変化による香味の劣化が感じられないとの
パネラー全員の評価が得られた。
【0053】
【発明の効果】請求項1〜3記載の本発明によれば、製
造設備を大掛かりに増設する必要がなく、既存の製造設
備を有効活用し、ビール或いは発泡酒をベースとしたド
クダミ茶添加麦茶風味を有する発泡酒を製造することが
できる。
【0054】次に、請求項1〜3記載の本発明によれ
ば、ベースであるビール或いは発泡酒の香味バランスを
殆ど崩すことなく、ベースであるビール或いは発泡酒と
麦茶とドクダミ茶とが程よく混合された調和のとれた味
を有する、ドクダミ茶添加麦茶風味を有する発泡酒を製
造することができる。すなわち、請求項1〜3記載の本
発明によれば、ドクダミ茶葉の添加により、麦茶の焦げ
臭さ,焦げ臭が緩和乃至解消されており、また、ベース
となるビール或いは発泡酒と麦茶との味の分離感が解消
されていると共に、より癖のないマイルドな香味を有
し、ドクダミ茶独特の香味をほのかに有するドクダミ茶
添加麦茶風味発泡酒を製造することができる。
【0055】さらに、請求項4記載の本発明によれば、
黒麦芽の使用により、ベースとなる発泡酒と麦茶との味
の分離感を全く解消することができると共に、老化臭と
呼ばれる経時変化による香味の劣化を解消することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、請求項1〜2記載の本発明の方法にお
ける仕込操作の仕込ダイヤグラムの1例を示すものであ
る。
【図2】図2は、請求項3記載の本発明の方法における
仕込操作の仕込ダイヤグラムの1例を示すものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉砕した麦芽を原料として用い、該麦芽
    と温水とを混合してマイシェを形成する工程と、該マイ
    シェを所定温度で所定時間経過させて糖化させる糖化工
    程と、糖化された前記マイシェを濾過して麦汁を得る第
    1の濾過工程と、前記麦汁にホップを加えて煮沸し熱麦
    汁を生成する煮沸工程と、前記熱麦汁を冷却して濾過し
    た後酵母を加えて発酵させる主発酵工程と、前記主発酵
    工程を経て得られた発酵液を所定温度で所定時間熟成さ
    せる後発酵工程と、前記後発酵工程を経たビールより酵
    母等を除去する第2の濾過工程と、を含み、前記各製造
    工程の少なくともいずれかで麦茶麦を投入して麦茶を抽
    出すると共に、ドクダミ茶葉を投入してドクダミ茶を抽
    出することを特徴とするドクダミ茶添加麦茶風味発泡酒
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 粉砕した麦芽及び副原料を使用し、仕込
    釜に前記麦芽の一部と前記副原料と温水とを投入してマ
    イシェを形成する工程と、前記麦芽の残りと温水とを仕
    込槽内で混合して所定温度で所定時間経過させてマイシ
    ェを形成する工程と、前記仕込釜で形成したマイシェと
    前記仕込槽で形成したマイシェとを混合し所定温度で所
    定時間経過させて糖化させる糖化工程と、糖化された前
    記混合マイシェを濾過して麦汁を得る第1の濾過工程
    と、前記麦汁にホップを加えて煮沸し熱麦汁を生成する
    煮沸工程と、前記熱麦汁を冷却して濾過した後酵母を加
    えて発酵させる主発酵工程と、前記主発酵工程を経て得
    られた発酵液を所定温度で所定時間熟成させる後発酵工
    程と、前記後発酵工程を経たビールより残存酵母等を除
    去する第2の濾過工程と、を含み、前記各製造工程の少
    なくともいずれかで麦茶麦を投入して麦茶を抽出すると
    共に、ドクダミ茶葉を投入してドクダミ茶を抽出するこ
    とを特徴とするドクダミ茶添加麦茶風味発泡酒の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 粉砕した麦芽及び該麦芽の使用量よりも
    多い量の副原料を使用し、仕込釜に前記麦芽の一部と前
    記副原料と温水とを投入してマイシェを形成する工程
    と、前記麦芽の残りと温水とを仕込槽内で混合して所定
    温度で所定時間経過させてマイシェを形成する工程と、
    前記仕込釜で形成したマイシェと前記仕込槽で形成した
    マイシェとを混合し所定温度で所定時間経過させて糖化
    させる糖化工程と、糖化された前記混合マイシェを濾過
    して麦汁を得る第1の濾過工程と、前記麦汁にホップを
    加えて煮沸し熱麦汁を生成する煮沸工程と、前記熱麦汁
    を冷却して濾過した後酵母を加えて発酵させる主発酵工
    程と、前記主発酵工程を経て得られた発酵液を所定温度
    で所定時間熟成させる後発酵工程と、前記後発酵工程を
    経たビールより残存酵母等を除去する第2の濾過工程
    と、を含み、前記各製造工程の少なくともいずれかで麦
    茶麦を投入して麦茶を抽出すると共に、ドクダミ茶葉を
    投入してドクダミ茶を抽出することを特徴とするドクダ
    ミ茶添加麦茶風味発泡酒の製造方法。
  4. 【請求項4】 使用する麦芽の一部として黒麦芽を用い
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のド
    クダミ茶添加麦茶風味発泡酒の製造方法。
JP8356466A 1996-12-26 1996-12-26 ドクダミ茶添加麦茶風味発泡酒の製造方法 Withdrawn JPH10179115A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100352904C (zh) * 2004-03-24 2007-12-05 江苏大富豪啤酒有限公司 一种头道麦汁啤酒的生产方法

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