JP2005168441A - 発酵アルコール飲料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 好ましい香味を有する発酵アルコール飲料の提供、及び発泡酒独特の臭い(発泡酒臭)を低減させた発酵麦芽アルコール飲料の提供。
【解決手段】 廃糖蜜又は黒糖を含む原料から製造される発酵アルコール飲料。この発酵アルコール飲料は、黒糖フレーバーを有し、好ましい香味を発揮する発酵アルコール飲料であり、特に、麦芽使用量の少ない発泡酒の原料に廃糖蜜を使用することによって、発泡酒臭が低減できる。
【選択図】 図1
【解決手段】 廃糖蜜又は黒糖を含む原料から製造される発酵アルコール飲料。この発酵アルコール飲料は、黒糖フレーバーを有し、好ましい香味を発揮する発酵アルコール飲料であり、特に、麦芽使用量の少ない発泡酒の原料に廃糖蜜を使用することによって、発泡酒臭が低減できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、発酵アルコール飲料に関する。さらに詳しくは、原料として、廃糖蜜又は黒糖を使用した発酵アルコール飲料に関する。
ビールや発泡酒等の発酵アルコール飲料については、その香味や喉越し等を向上するために、様々な検討がなされている。
わが国の酒税法上、発泡酒には、発酵アルコール飲料の原料に占める麦芽の使用率によって、50重量%以上66.7重量%未満のもの、25重量%以上50重量%未満のもの、及び25重量%未満のものの3種類がある。この中で、現在、市場に最も流通している発泡酒は、酒税が最も安い25重量%未満のものである。尚、麦芽の使用率が66.7重量%以上のものはビールに分類される。
わが国の酒税法上、発泡酒には、発酵アルコール飲料の原料に占める麦芽の使用率によって、50重量%以上66.7重量%未満のもの、25重量%以上50重量%未満のもの、及び25重量%未満のものの3種類がある。この中で、現在、市場に最も流通している発泡酒は、酒税が最も安い25重量%未満のものである。尚、麦芽の使用率が66.7重量%以上のものはビールに分類される。
発泡酒は、ビールに比べて麦芽の使用量が少ないため、硫黄系(S)臭やコゲ臭等のいわゆる発泡酒臭が増加し、味覚的にも酸味が増加して後味も悪くなるうえ、泡の持続性(泡もち)やグラスへの付着性(泡つき)といった泡特性も悪くなる。このため、発泡酒臭を改善し、ビールに劣らない香味を付加する方法が検討されている。
このような技術として、例えば、仕込工程中にプロテアーゼを添加するか、又は、仕込工程以降、発酵工程に入るまでの間に、アミノ酸を添加することにより、アミノ体窒素の生成量を調整し、有機酸、エステル類及び高級アルコール類の生成量を制御し、発泡酒の香味を調整する発泡酒の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、発酵工程前に、酵母の栄養源として酵母エキス又はペプトンの有機窒素源を添加することにより、発泡酒の香味を調整する発泡酒の製造方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、副原料として大麦分解物を使用することによって、発泡酒臭を低減する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平10−225287号公報
特開平11−178564号公報
特開2001−333760号公報
さらに、副原料として大麦分解物を使用することによって、発泡酒臭を低減する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
本発明は上述した従来技術と同様に、好ましい香味を有する発酵アルコール飲料の提供、及び発泡酒独特の臭い(発泡酒臭)を低減させた発酵アルコール飲料の提供を目的とする。
この課題を解決するため、本発明者らは、鋭意研究した結果、廃糖蜜又は黒糖を発酵アルコール飲料の原料として使用することにより、発泡酒臭を低減でき、しかも、黒糖フレーバーのカラメル様、ロースト様の香味を有する発酵アルコール飲料を製造できることを見出した。
本発明によれば、廃糖蜜又は黒糖を含む原料から製造される発酵アルコール飲料が提供される。
また、麦芽及び廃糖蜜又は黒糖を含む原料から製造される発酵アルコール飲料が提供される。
また、廃糖蜜又は黒糖からなる発酵アルコール飲料用原料が提供される。
また、廃糖蜜又は黒糖からなる発酵アルコール飲料用香味改良材が提供される。
また、廃糖蜜又は黒糖からなる発酵アルコール飲料用着色材が提供される。
また、麦芽及び廃糖蜜又は黒糖を含む原料から製造される発酵アルコール飲料が提供される。
また、廃糖蜜又は黒糖からなる発酵アルコール飲料用原料が提供される。
また、廃糖蜜又は黒糖からなる発酵アルコール飲料用香味改良材が提供される。
また、廃糖蜜又は黒糖からなる発酵アルコール飲料用着色材が提供される。
本発明によれば、砂糖の副産物である廃糖蜜を、発酵アルコール飲料の原料に使用することによって、黒糖フレーバーを有し、カラメル様、ロースト様の香味を発揮する発酵アルコール飲料を提供できる。特に、発泡酒の原料として使用することによって、発泡酒臭の低減した発酵アルコール飲料を提供できる。
以下、本発明の発酵アルコール飲料を具体的に説明する。
本発明の発酵アルコール飲料は、廃糖蜜又は黒糖を原料として使用した発酵アルコール飲料である。例えば、発酵麦芽アルコール飲料の場合、主原料である麦芽、副原料である米、コーン、スターチ等の澱粉質、及び廃糖蜜又は黒糖を使用して製造される。
麦芽や副原料については、発酵麦芽アルコール飲料用原料として、一般に使用されているものを用いることができる。
本発明の発酵アルコール飲料は、廃糖蜜又は黒糖を原料として使用した発酵アルコール飲料である。例えば、発酵麦芽アルコール飲料の場合、主原料である麦芽、副原料である米、コーン、スターチ等の澱粉質、及び廃糖蜜又は黒糖を使用して製造される。
麦芽や副原料については、発酵麦芽アルコール飲料用原料として、一般に使用されているものを用いることができる。
本発明で使用する廃糖蜜は、サトウキビから砂糖を生成する過程で産出されるものである。ここで、廃糖蜜が排出される工程について簡単に説明する。
製糖工程において、細かく砕かれたサトウキビは、ミル(ローラー設備)とディフューザー設備により、糖液とバカスに分離される。この糖液は、加熱、洗浄、濃縮、結晶化、分離の各工程(以下、煎糖工程という)を経て、粗糖(原料糖)と糖蜜に分離される。
回収された糖蜜には、さらに煎糖工程がなされ、再び原料糖と糖蜜に分離される。このように、糖液(糖蜜)に数回の煎糖工程を行なうことにより、原料糖を取り出すが、最後の煎糖工程後に回収された糖蜜を廃糖蜜(廃蜜)という。
一般に、製糖工場では煎糖工程を3回行ない、糖液又は糖蜜から原料糖を回収する。3回の煎糖工程を経て回収された廃糖蜜を3番廃蜜と呼び、最も一般的な廃糖蜜である。
製糖工程において、細かく砕かれたサトウキビは、ミル(ローラー設備)とディフューザー設備により、糖液とバカスに分離される。この糖液は、加熱、洗浄、濃縮、結晶化、分離の各工程(以下、煎糖工程という)を経て、粗糖(原料糖)と糖蜜に分離される。
回収された糖蜜には、さらに煎糖工程がなされ、再び原料糖と糖蜜に分離される。このように、糖液(糖蜜)に数回の煎糖工程を行なうことにより、原料糖を取り出すが、最後の煎糖工程後に回収された糖蜜を廃糖蜜(廃蜜)という。
一般に、製糖工場では煎糖工程を3回行ない、糖液又は糖蜜から原料糖を回収する。3回の煎糖工程を経て回収された廃糖蜜を3番廃蜜と呼び、最も一般的な廃糖蜜である。
本発明で用いる廃糖蜜は、煎糖工程の回数にかかわらず、あらゆるものが使用できる。製糖工程における副産物の有効利用の観点から、3番廃蜜又は4番廃蜜が好ましい。また、番手の異なる廃糖蜜を混合して使用することもできる。さらに、廃糖蜜の脱塩液も使用できる。
廃糖蜜は、製糖工程における副産物であるため、製糖工場や使用するサトウキビにより、その成分が多少変動する場合があるが、廃糖蜜の使用量や各番手の廃糖蜜を混合する等、適宜調整することによって問題なく使用できる。
廃糖蜜は、製糖工程における副産物であるため、製糖工場や使用するサトウキビにより、その成分が多少変動する場合があるが、廃糖蜜の使用量や各番手の廃糖蜜を混合する等、適宜調整することによって問題なく使用できる。
廃糖蜜は、酵母の栄養源となる窒素源を含み、特に、無機塩類のミネラルを豊富に含んでいる(後述する実施例参照)。従って、麦芽比率の少ない発泡酒に不足している、酵母の栄養源を補足できる。これにより、発酵状況を改善できることから、いわゆる発泡酒臭を軽減できる。
また、発酵アルコール飲料の原料に、廃糖蜜を使用することによって、黒糖に似たフレーバーを付加することができるので、飲料の香味改良材として使用できる。この黒糖フレーバーにより、ビールの香味をよくすることができる。また、発泡酒臭を低減するとともに、黒糖風味の発泡酒を製造することができる。
さらに、廃糖蜜の使用により、発酵アルコール飲料に適度な濃色を付することができる。即ち、廃糖蜜を着色材として使用でき、カラーモルトの使用量を削減できる。麦芽使用比率の低い発泡酒は着色が薄いため、通常カラーモルトが使用されるが、カラーモルトは、製麦する際の焙煎温度が高く、また、含有する総蛋白質やアミノ酸量が低いため、酵母にとっては好ましいとは言えない。廃糖蜜はこのような欠点がないため、着色材として好適である。
その他、廃糖蜜の使用により、アルコール飲料の泡特性(泡つき)が良くなる効果も得られる。
その他、廃糖蜜の使用により、アルコール飲料の泡特性(泡つき)が良くなる効果も得られる。
本発明において、廃糖蜜の代わりに黒糖を使用しても同様の効果を得ることができる。しかし、製糖工程の副産物である廃糖蜜を使用することによって、資源の有効利用が図られ、また、生産コストの低減も可能となることから、廃糖蜜を用いることが好ましい。
廃糖蜜の使用量は、黒糖フレーバーの付加する目的又は発泡酒臭の低減のためには、水を除いた原料全体に対して、0.5重量%〜10重量%とすることが好ましく、特に、0.5重量%〜5重量%とすることが好ましい。0.5重量%未満では、麦汁における総蛋白質及びアミノ酸量が、廃糖蜜を添加しない発泡酒の場合とほとんど変わらないため、酵母の発酵状態を改善することができず、結果として発泡酒臭の低減が不充分となるおそれがある。一方、10重量%を超えると、酵母の発酵遅延の原因となるおそれがあり、また、こげ臭等の過度のオフフレーバーが発生するおそれがある。さらに、ミネラル含量が高すぎるため、塩味、渋みが強くなり、また、口当りにザラツキ感を感じるおそれがある。
廃糖蜜をアルコール飲料の着色のために使用する場合は、水を除いた原料全体に対して、0.1重量%〜10重量%とすることが好ましく、特に、0.1重量%〜5重量%とすることが好ましい。
麦芽の使用量は、製品に合わせて適宜選択する。即ち、麦芽使用量を66.7重量%以上にするとビールとなり、66.7重量%未満にすると発泡酒となる。尚、麦芽を使用せずに、雑酒等に分類される発酵アルコール飲料を製造することもできる。
副原料の使用量についても、製品の特性によって、米、コーングリッツ、スターチ等の比率を調整する。尚、製麦していない大麦を使用することによって、酵母にとって、さらに良い発酵環境とすることができるため、発泡酒臭のさらなる低減が達成できる。
副原料の使用量についても、製品の特性によって、米、コーングリッツ、スターチ等の比率を調整する。尚、製麦していない大麦を使用することによって、酵母にとって、さらに良い発酵環境とすることができるため、発泡酒臭のさらなる低減が達成できる。
本発明の発酵アルコール飲料の製造方法は、原料に廃糖蜜又は黒糖を配合する以外は、通常のビール又は発泡酒の製造と変わることなく、ビールの製造設備をそのまま利用することができる。
以下、一例として発酵麦芽アルコール飲料の製造工程について、図面を用いて説明する。
以下、一例として発酵麦芽アルコール飲料の製造工程について、図面を用いて説明する。
図1は、発酵麦芽アルコール飲料の製造工程を説明するための図である。
まず、主原料である麦芽の一部及び澱粉質の副原料の全部又は一部を仕込釜1に入れ、温水を加える。これらの原料を混合して液化し、マイシェを造る。通常、この操作は、開始時の液温を50℃程度とし、徐々に昇温して所定温度(通常は65〜68℃)とする。
その後、その温度を所定時間(通常は10分間程度)保持する。その後、さらに昇温して、段階的に所定の温度(通常は90〜100℃)まで上げ、この温度で20分程度保持する。
まず、主原料である麦芽の一部及び澱粉質の副原料の全部又は一部を仕込釜1に入れ、温水を加える。これらの原料を混合して液化し、マイシェを造る。通常、この操作は、開始時の液温を50℃程度とし、徐々に昇温して所定温度(通常は65〜68℃)とする。
その後、その温度を所定時間(通常は10分間程度)保持する。その後、さらに昇温して、段階的に所定の温度(通常は90〜100℃)まで上げ、この温度で20分程度保持する。
一方、仕込槽2では、残りの麦芽に温水を加えて混合し、所定温度(通常は35〜50℃)で、所定時間(通常は20〜90分)保持してマイシェを造る。その後、仕込釜1のマイシェを仕込槽2に加える形で合一する。
次に、このマイシェを仕込槽2中において、所定温度(通常は60〜68℃)で、所定時間(通常は30〜90分)保持して、麦芽の酵素作用による糖化を行なう。
次に、このマイシェを仕込槽2中において、所定温度(通常は60〜68℃)で、所定時間(通常は30〜90分)保持して、麦芽の酵素作用による糖化を行なう。
糖化終了後、得られたろ過前の麦汁を麦汁濾過槽3でろ過し、麦芽粕と麦汁に分離する。これにより、ろ液として透明な麦汁を得る。
次いで、この麦汁を煮沸釜4に移し、ホップを加えて煮沸する。煮沸した麦汁をワールプール5に入れて、生じた蛋白質等の粕を除去する。
次いで、プレートクーラー6により、麦汁を適切な発酵温度(通常は8〜10℃)に冷却してから発酵タンク7に移す。
次いで、この麦汁を煮沸釜4に移し、ホップを加えて煮沸する。煮沸した麦汁をワールプール5に入れて、生じた蛋白質等の粕を除去する。
次いで、プレートクーラー6により、麦汁を適切な発酵温度(通常は8〜10℃)に冷却してから発酵タンク7に移す。
発酵タンク7に、この冷麦汁を入れ、これに酵母を接種する。尚、この段階で、さらに酵母の栄養源となる有機窒素源を添加することもできる。発酵において使用する酵母も、通常のビール製造に用いられる酵母を使用することができる。
次いで、得られた発酵液を熟成(後発酵)させ、酵母をろ過することによって目的の発酵麦芽アルコール飲料を得ることできる。
上記の工程において、廃糖蜜又は黒糖の添加は、仕込釜1及び仕込槽2でのマイシェ工程、麦汁煮沸工程、発酵工程のいずれの工程でもよく、発酵液ろ過工程前であればよい。
次いで、得られた発酵液を熟成(後発酵)させ、酵母をろ過することによって目的の発酵麦芽アルコール飲料を得ることできる。
上記の工程において、廃糖蜜又は黒糖の添加は、仕込釜1及び仕込槽2でのマイシェ工程、麦汁煮沸工程、発酵工程のいずれの工程でもよく、発酵液ろ過工程前であればよい。
本発明においては、廃糖蜜を使用することによって、発泡酒臭を低減することができるため、麦芽使用量の少ない発泡酒の製造に適している。特に、麦芽使用量が25重量%未満の発泡酒に適している。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。尚、本実施例で使用した廃糖蜜(3番廃蜜)の成分を表1に、また、この廃糖蜜の脱塩液の成分を表2に示す。
実施例1
図1に示す醸造設備(200Lスケール)、製造方法により、廃糖蜜を使用した発泡酒を製造した。
原料は、麦芽、廃糖蜜(翔南製糖(株)から入手した3番廃蜜)及び副原料(米、コーンスターチ、コーングリッツ、液糖)を使用した。水を除いた原料全体に占める麦芽の使用量が24重量%、廃糖蜜の使用量が4.4重量%となるように調製し、かつ麦芽、廃糖蜜及び副原料の総量が30〜40kgとなるように調製した。この原料を使用して、上述した製造方法により、麦汁を製造した。
この麦汁に泥状酵母を加えて、発酵温度8〜13℃で発酵させた。その後、得られた発酵液を0℃にして貯酒(熟成、後発酵)を行なった。この発酵液をろ過して酵母を取り除き、アルコール5.5%程度の発泡酒を製造した。
図1に示す醸造設備(200Lスケール)、製造方法により、廃糖蜜を使用した発泡酒を製造した。
原料は、麦芽、廃糖蜜(翔南製糖(株)から入手した3番廃蜜)及び副原料(米、コーンスターチ、コーングリッツ、液糖)を使用した。水を除いた原料全体に占める麦芽の使用量が24重量%、廃糖蜜の使用量が4.4重量%となるように調製し、かつ麦芽、廃糖蜜及び副原料の総量が30〜40kgとなるように調製した。この原料を使用して、上述した製造方法により、麦汁を製造した。
この麦汁に泥状酵母を加えて、発酵温度8〜13℃で発酵させた。その後、得られた発酵液を0℃にして貯酒(熟成、後発酵)を行なった。この発酵液をろ過して酵母を取り除き、アルコール5.5%程度の発泡酒を製造した。
尚、図1の各工程において、仕込釜・仕込槽・煮沸釜には、蒸気ジャケットを用いて温度パターンを自由に設定することができるものを使用し、攪拌機で各釜(槽)内部の温度分布を均一に保つことができるようにした。濾過槽には、堆積した麦芽層を均一にする解層機とステンレス製の篩から構成されるものを使用した。発酵タンクには、ブラインコントロールによって温度制御できる200Lのものを使用した。
評価例1
発泡酒臭の有無及び香味を評価するため、市販されているピルスナータイプのビール及び発泡酒について比較評価をした。評価方法は以下の通りである。
10名のパネリストに対して、ビール及び発泡酒の試飲を実施した。試飲後パネリストに、試飲した対象がビールであるか又は発泡酒であるかを判定させた。評価は市販されているピルスナータイプのビール(3種)及び発泡酒(2種)について行なった。尚、発泡酒はいずれも麦芽使用量が25重量%未満のものを対象とした。
評価結果を表3に示す。
発泡酒臭の有無及び香味を評価するため、市販されているピルスナータイプのビール及び発泡酒について比較評価をした。評価方法は以下の通りである。
10名のパネリストに対して、ビール及び発泡酒の試飲を実施した。試飲後パネリストに、試飲した対象がビールであるか又は発泡酒であるかを判定させた。評価は市販されているピルスナータイプのビール(3種)及び発泡酒(2種)について行なった。尚、発泡酒はいずれも麦芽使用量が25重量%未満のものを対象とした。
評価結果を表3に示す。
この結果から、ビールと発泡酒では明らかに差があることが確認された。パネリストは、試飲対象が発泡酒であると判定した理由として、硫黄(S)系臭、発泡酒臭又は渋み等の特有の風味を挙げており、発泡酒には特有の香味があることが確認できた。
評価例2
実施例1で製造した発泡酒と評価例1で評価した市販発泡酒について、9名のパネリストに対して官能評価を行なった。評価は以下の項目について行なった。
(1)全体評価
試飲した結果、味、香味、色度等、総合して受けた印象について評価した。5段階評価とし、1点を「悪い」、3点を「普通」、5点を「良い」とした。
(2)新規性
試飲した結果、香味等に新しさを感じるかについて評価した。5段階評価とし、1点を「新しさを感じない」、3点を「普通」、5点を「新しいと感じた」とした。
(3)発泡酒臭の有無
発泡酒臭の有無について評価した。5段階評価とし、1点を「発泡酒臭を強く感じた」、3点を「普通」、5点を「発泡酒臭を感じない」とした。
官能評価の結果を表4に示す。
実施例1で製造した発泡酒と評価例1で評価した市販発泡酒について、9名のパネリストに対して官能評価を行なった。評価は以下の項目について行なった。
(1)全体評価
試飲した結果、味、香味、色度等、総合して受けた印象について評価した。5段階評価とし、1点を「悪い」、3点を「普通」、5点を「良い」とした。
(2)新規性
試飲した結果、香味等に新しさを感じるかについて評価した。5段階評価とし、1点を「新しさを感じない」、3点を「普通」、5点を「新しいと感じた」とした。
(3)発泡酒臭の有無
発泡酒臭の有無について評価した。5段階評価とし、1点を「発泡酒臭を強く感じた」、3点を「普通」、5点を「発泡酒臭を感じない」とした。
官能評価の結果を表4に示す。
この結果から、実施例1で製造した発泡酒が、発泡酒臭がないと回答したパネリストが多く、市販発泡酒に比べて大幅に発泡酒臭が低減されていることが確認できた。また、廃糖蜜を加えることにより、これまでの発泡酒にはない黒糖フレーバーが付与されたため、新規性及び全体評価がともに高い値を示した。
本発明によれば、砂糖の副産物である廃糖蜜を、発酵アルコール飲料の原料に使用することによって、黒糖フレーバーを有し、カラメル様、ロースト様の香味を発揮する発酵アルコール飲料が提供できる。特に、発泡酒の原料に廃糖蜜を使用することによって、発泡酒臭の低減した発泡酒を提供することができる。
1 仕込釜
2 仕込槽
3 麦汁濾過槽
4 煮沸釜
5 ワールプール
6 プレートクーラー
7 発酵タンク
2 仕込槽
3 麦汁濾過槽
4 煮沸釜
5 ワールプール
6 プレートクーラー
7 発酵タンク
Claims (6)
- 廃糖蜜又は黒糖を含む原料から製造される発酵アルコール飲料。
- 麦芽及び廃糖蜜又は黒糖を含む原料から製造される発酵アルコール飲料。
- さらに、副原料を含み、前記麦芽の使用量が、水を除いた原料全体の25重量%未満である請求項1又は2に記載の発酵アルコール飲料。
- 廃糖蜜又は黒糖からなる発酵アルコール飲料用原料。
- 廃糖蜜又は黒糖からなる発酵アルコール飲料用香味改良材。
- 廃糖蜜又は黒糖からなる発酵アルコール飲料用着色材。
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