JPH10178967A - 水補充容器付きファンクーラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 夏期の観賞魚水槽の水温上昇は、飼育生物に
大打撃を与える。このためクーラを必要とするが、専用
クーラは高価である。また単に風を送り水温を下げるフ
ァンクーラがあり、安価で手ごろであるが、普段から水
分の蒸発が激しい時期に加え、風を送ることは、飼育水
の減少量を加速させることになり、飼育水の補充作業が
頻繁になり作業そのものに面倒さもあり面倒である。頻
繁な飼育水の補充は水質の急変を招き、観賞魚にストレ
スを与えてしまうことになる。 【解決手段】 密閉できる上蓋がある容器の相対する両
端部を上下部で吹き抜け状態とし、一方端の上部にファ
ン（１５）を設け、両端に挟まれた水補充容器（１）の
内部には弁機構を収容し、ハンドル（２）を水補充容器
（１）の外部面に配置し、出水管（３）を水補充容器
（１）の底部外下部に設け、水補充容器（１）の側面に
水位計を設けたことを特徴とする水補充容器付きファン
クーラ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、夏期における観
賞魚飼育用水槽の水温上昇をファンの風で水の蒸発によ
る気化熱を利用し冷却し、さらに蒸発によって減少する
水分量を水位低下で感知し、減少水分量を補う水補充容
器付きファンクーラに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より観賞魚飼育用水槽の設定水温以
上の水温上昇は冷媒や電子素子を利用した専用クーラが
ある。また観賞魚飼育用水槽の上面にファンを取付けて
単に風を送るファンクーラも市販されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】夏期における観賞魚飼
育用水槽の水温上昇は、飼育用水槽に収容されている生
物にとって大敵であり、夏期では３４°Ｃ程度まで上昇
することもあり、収容されている生物に大打撃を与え生
物を全滅させることもある。このためクーラを必要とす
るが、専用のクーラは観賞魚飼育用水槽一式の価格と比
較しても高価であり、このため専用のクーラを備えてい
る観賞魚飼育者は数少なく、一般の観賞魚飼育愛好者は
専用クーラを備えていないのが現状である。また単に風
を送り水が蒸発することによって奪われる気化熱で水温
を下げるファンクーラがあり、安価であり水温も４°Ｃ
程度下げることができるため手ごろであるが、普段から
水分の蒸発が激しい時期に加え、風を送り水分を蒸発さ
せることは、飼育水の減少量を加速させることになり、
飼育水の補充作業が頻繁になり作業そのものに面倒さも
あり面倒である。また飼育水中の有害物質等を濃縮させ
ることになり、観賞魚等の水生生物にとって悪影響を与
え、頻繁な飼育水の補充は水質の急変を招き、観賞魚等
の水生生物にとって過剰のストレスを与えてしまうこと
になる。本発明は、これらの金銭的、飼育水の補充作業
の面倒さ、観賞魚等の水生生物にとって悪影響等の課題
の排除と作業の簡素化を達成させるために発明されたも
のである。

【０００４】

【上記目的を達成するための手段】上記目的を達成する
ために、本発明の水補充容器付きファンクーラにおいて
は、密閉できる上蓋がある硬質な合成樹脂製の容器の相
対する両端部を上下部あるいは側下部で吹き抜け状態と
して、その一方端の上部あるいは側部にファン１５を設
け、ファン１５による風が観賞魚飼育用水槽の飼育水面
上を通り水補充容器付きファンクーラの他端から吸気あ
るいは排気できるよう、吸排気口１６とする。そして吹
き抜け状態の両端に挟まれた水補充容器１の内部には弁
機構（以後、バルブとする）を収容し、弁開閉操作のハ
ンドル２を水補充容器１の外部面に配置し、弁出水の出
水管３を水補充容器１の底部外下部に設け、水補充容器
１の側面に容器水位確認の手段を設ける、以上の構成か
らなる。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の水補充容器付きファンク
ーラは観賞魚飼育用水槽にかぶせるて使用する。容器の
相対する両端部は上下部あるいは側下部で吹き抜け状態
のような、観賞魚飼育用水槽にかぶせた状態で観賞魚飼
育用水槽の内外空気が流通できる構造とし、その一方端
の上部あるいは側部にファン１５を設け、ファン１５に
よる風が他端から吸気あるいは排気できるようにする。
ただし、観賞魚飼育用水槽の水槽蓋がなく、観賞魚飼育
用水槽の上面が隙間だらけである場合は、ファン１５か
らの風の吸排気口１６を省いた水補充容器付きファンク
ーラとしても良い。

【０００６】ファン１５のスイッチは単なる入り切りス
イッチとしてもよいが、水温設定でき、設定温度より水
温が高くなった場合にスイッチが入るサーモスイッチが
好ましい。

【０００７】水補充容器１については、容易に変更しな
い強度と硬度をもつ熱硬化性や熱可塑性の汎用合成樹脂
製であり、上蓋をすることによって水補充容器１内外の
空気の流通を遮断することができ、水補充容器１の容量
は、観賞魚飼育用水槽の水量、あるいは水槽表面積によ
って蒸発する飼育水量から任意とする。

【０００８】水補充容器１の水位確認の手段としては、
水補充容器１の材質である汎用合成樹脂が透明、あるい
は半透明で水補充容器１内の水位が見える水補充容器１
とするが、水補充容器１内の水位が見えない有色の汎用
合成樹脂である場合は、任意側面部分をくり貫きや縦切
りし、透明合成樹脂や透明ガラスを接着したり、はめ込
みを行い形成する。

【０００９】バルブの入水口８の位置は水補充容器１内
の補充水が、残りなく観賞魚飼育用水槽の水位維持に有
効に利用されるように、水補充容器１の底面の弁箱最下
部位置とし、バルブの弁座についても水補充容器１の底
面および底面より下部とする。

【００１０】バルブからの出水管３は水補充容器１の底
面外下部へ延ばす。そして出水管３の下端部は、観賞魚
飼育用水槽の水面位置とし、他に出水管３の長さを適当
としてホースやチューブを連結し、観賞魚飼育用水槽の
水位面に調整する。この場合の出水管３の内径は出水管
内へ気泡が入り込んで上昇でき、補充水と気泡が入れ替
われる８ｍｍ以上の内径とする。

【００１１】バルブの弁体５を開閉操作するハンドル２
を水補充容器１の外上面、あるいは外側面に配置する方
が、ハンドル操作のために水補充容器付きファンクーラ
を持ち上げたりする必要がなく、操作性の観点から最良
である。バルブ内の口径面積は、内径８ｍｍ以上とした
出水管３の内面積以上とする。

【００１２】バルブの種類としてはグローブバルブやニ
ードルバルブ、コックバルブ、ボールバルブ等があり、
弁の役割があれば特に種類は問わない。

【００１３】観賞魚を海水魚とした場合、水補充容器１
内の補充水は淡水であり、出水管３内に保持されている
補充水も淡水であるので、観賞魚飼育用水槽の水面で接
触する観賞魚飼育用水槽の海水と出水管３内に保持され
ている淡水の補充水は拡散によって、観賞魚飼育用水槽
の海水を薄めてしまう可能性がある。このため観賞魚飼
育用水槽の水面と出水管３内の補充水が接触しないよう
に、出水管３の下端を観賞魚飼育用水槽の水面より上
げ、飼育水と補充水を分離しなければならないが、この
状態では、水補充容器１内の補充水が常に観賞魚飼育用
水槽に流下することになり観賞魚飼育用水槽の水補充の
役目が果たせなくなる。この防止策として、出水管３内
に気泡が入りこめず、このため補充水が滴り落ちること
がない出水管３の内径としなければならない、この出水
管３の内径は８ｍｍ未満であり確実には７ｍｍ以下と
し、他に水補充容器１の任意底面部分に底面外下部から
水補充容器１内の最上面部分まで貫通した空気管４を設
け、空気管４の下端を観賞魚飼育用水槽の水面位置とす
るか、空気管４にホースやチューブを連結し観賞魚飼育
用水槽の水面位置に調整することで解決できる。

【００１４】バルブの弁体５を中空とし空気管４と一体
化し、弁体５と弁箱６の容器１内の最上部を空気管４の
解放口７としたバルブ構造とし、弁体５と一体化した空
気管４を出水管３内に挿入した二重管とし空気管４を出
水管３より長くして、空気管４の下端を観賞魚飼育用水
槽の水面位置とするか、空気管４にホースやチューブを
連結し観賞魚飼育用水槽の水面位置に調整すれば、水補
充容器１の外下部をすっきりとすることができ、また海
水生物飼育において出水管３から落ちる補充水が空気管
５を伝って落ちることになり、水補充容器１内の補充水
が観賞魚飼育用水槽に流下する水滴のハネによってでき
る塩ダレによる汚れも防止できる。また気圧変動におけ
る、水補充容器１内への飼育水の逆流や観賞魚飼育用水
槽へ流下する、必要以上の補充水の流下を防止すること
も可能となる。

【００１５】本発明は以上のような構成でありこれを使
用するときは、水補充容器付きファンクーラのファン１
５稼働によって飼育水の減少を予想できるので、水補充
容器１のハンドル２で弁体５を閉じ出水管３を閉鎖す
る、なお空気管４を出水管３内に挿入した二重管の場合
の空気管４は閉鎖状態でも解放状態でも差し支えない、
この状態で水補充容器１の上蓋を開け、容器１の中にカ
ルキ分を除いた水道水や蒸留水の補充水を満杯に入れ蓋
をして密閉する。この後に水補充容器１のバルブのハン
ドル２で弁体５を開け出水管３を解放状態のすれば、観
賞魚飼育用水槽の飼育水が蒸発等によって減少し、水位
面の低下を補う補充水が水補充容器１から常時供給され
観賞魚飼育用水槽の水位は常に保持される。

【００１６】

【発明の効果】本発明は、ファンクーラによって飼育水
の水分蒸発による減少があっても水補充容器１の中に補
充水があるかぎり観賞魚飼育用水槽の水位を一定に保つ
ことができる、そのため水の補充時におきる飼育水の水
質の急激な変化によって魚等にストレスを与えず、有害
物質の濃縮や海水比重を上げすぎることもないため水中
生物をより良い生活環境の改善がはかれるとともに、水
分蒸発による頻繁な水の補充作業の面倒さの改善および
作業の簡素化、さらに水の補充期間の延長化が従来より
はかれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の水補充容器付きファンクーラ、構成部
分断面斜視図

【図２】本発明である請求項２記載の水補充容器付きフ
ァンクーラ、側面断面図

【図３】本発明である請求項３記載の水補充容器付きフ
ァンクーラ、側面断面図

【図４】本発明の水補充容器付きファンクーラにおいて
吸排気口を省いた側面断面図

【図５】本発明の水補充容器付きファンクーラ設置模式
図

【図６】本発明のである請求項３記載の水補充容器付き
ファンクーラの作用説明図

【符号の説明】

１ 水補充容器 ２ ハンドル ３ 出水管 ４ 空気管 ５ 弁体 ６ 弁箱 ７ 解放口 ８ 入水口 ９ 水位計 １０ 上蓋 １１ Ｏリング １２ 飼育水 １３ 補充水 １４ 水槽 １５ ファン １６ 吸排気口 １７ 風

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 密閉できる上蓋がある硬質な合成樹脂製
   の容器の相対する両端部を上下部あるいは側下部で吹き
   抜け状態とし、一方端の上部あるいは側部にファン（１
   ５）を設け、前記記載の吹き抜け状態の両端に挟まれた
   水補充容器（１）の外部面に配置し、弁出水の出水管
   （３）を水補充容器（１）の底部外下部に設け、水補充
   容器（１）の側面に容器水位確認の手段を設けたことを
   特徴とする水補充容器付きファンクーラ。
2. 【請求項２】 水補充容器（１）の任意底面部分を底面
   外下部から水補充容器（１）の内上面まで貫通した、空
   気管（４）を設けた請求項１記載の水補充容器付きファ
   ンクーラ。
3. 【請求項３】 弁機構の弁体（５）を中空とし、弁体
   （５）下部に、出水管（３）内径より細く、また出水管
   （３）より長い空気管（４）を設け、弁体（５）および
   弁箱（６）の水補充容器（１）内、最上部に空気管
   （４）の解放口（７）を設けた請求項１記載の水補充容
   器付きファンクーラ。