JPH1017813A - カラーフィルター製造用インキ、カラーフィルターの製造方法およびカラーフィルター - Google Patents

カラーフィルター製造用インキ、カラーフィルターの製造方法およびカラーフィルター

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JPH1017813A
JPH1017813A JP17666596A JP17666596A JPH1017813A JP H1017813 A JPH1017813 A JP H1017813A JP 17666596 A JP17666596 A JP 17666596A JP 17666596 A JP17666596 A JP 17666596A JP H1017813 A JPH1017813 A JP H1017813A
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JP
Japan
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ink
color filter
stabilizer
producing
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JP17666596A
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Keiichiro Yamamoto
圭一郎 山本
Kuniko Kimura
邦子 木村
Nobuo Matsumura
宣夫 松村
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液晶表示素子用カラーフィルターの着色層を製
造するためのインキであって、保存中は安定で、加熱に
より速やかに硬化し、かつ加熱後は耐熱性、耐久性およ
び工学特性に優れた着色層を得ることができるインキを
提供する。 【解決手段】安定剤によるポリカルボン酸誘導体に含ま
れる酸成分に対し、安定剤を配合することにより、イン
キに必要な安定性を付与することを特徴とするカラーフ
ィルター製造用インキ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表示性能の優れたカ
ラーフィルターを低コストで製造するためのカラーフィ
ルター製造用インキ、このインキを用いたカラーフィル
ターおよびこのカラーフィルターを製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来技術】液晶表示用カラーフィルターは、透明基板
上に形成された赤、緑、青の3原色の画素を一絵素とし
多数の絵素から構成される。画素の配置は、ストライプ
状、格子状などがあり、そして各画素間には表示コント
ラストを高めるために一定の幅を持つ遮光領域(一般に
黒色でブラックマトリックスと称されている)が設けら
れる。各画素のサイズは、40〜100μm程度、その
間の遮光領域の幅は10〜40μm程度である。
【0003】カラーフィルタ製造法には、フォトリソグ
ラフィの手法を用いて形成した可染媒体を染色する方
法、顔料分散感光性組成物を用いる方法(顔料分散
法)、パターニングした電極を利用する電着法の他、低
コストの製造法として印刷機を用いて画素を形成する印
刷法や、インクジェット式インキ噴射装置から赤、青、
緑のインキ滴を噴射し、カラーフィルター基板上の所定
の位置に滴下することにより画素を形成する方法があ
る。これをインクジェット法と呼ぶ。
【0004】これらの製造方法のうち、顔料分散法、電
着法、印刷法およびインクジェット法においては、カラ
ーフィルターの画素を形成する着色インキとして、顔料
を分散した樹脂溶液を使用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の製造法の中で、
インクジェット法および印刷法は、画素を一色ずつフォ
トリソグラフィで作製する染色法および顔料分散法に比
べて工程数が少なく、低コストで製造できることが期待
できる。印刷法およびインクジェット法では、フォトリ
ソグラフィを用いる方法とは異なり基板上に直接、所定
の形状に着色インキを配置して画素を形成する方法であ
るため、インキ塗布後にパターニングや、現像を行う必
要がなく、インキに用いる樹脂としては、フォトリソグ
ラフィを用いる方法では使用できない低温架橋型の熱硬
化性樹脂が使用できる。
【0006】カラーフィルター製造に用いる樹脂として
は、耐熱、耐薬品性が高く、透明であることが要求され
る。また、インクジェット法に用いる場合、インキの粘
度は特に低いことが必要である。
【0007】これら条件を満たす架橋型の熱硬化性樹脂
としてメラミン樹脂などが挙げられる。このメラミン樹
脂は高い耐熱性・耐薬品性を持ち、また可視光領域での
透明性も高いので、印刷法、インクジェット法カラーフ
ィルターの製造には好適である。
【0008】このインクジェット法および印刷法による
低コストで高性能なカラーフィルター製造のためには、
保存中にはインキ特性が変化せず、加熱硬化後は高い耐
熱性と耐薬品性および優れた光学特性を持つインキが必
要である。このインキの硬化剤としては、種々の酸が用
いられるが、これらのインキは保存中に粘度上昇が起こ
り、インクジェット法による描画時にインキ付着の位置
精度が低下し、製品品位が悪くなるといった問題があっ
た。
【0009】本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑み鋭
意検討するもので、その目的とするところは、インクジ
ェット方式や印刷方式で着色する場合に極めて優れたイ
ンキ粘度の保存安定性、このインキ安定性に伴う着色装
置の運転の安定性さらには耐薬品性、着色特性などに優
れたインキの提供、このインキを用いたカラーフィルタ
ーおよびこのカラーフィルターを製造する方法に関する
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
液晶表示素子用カラーフィルターの着色層を形成するた
めのインキであって、少なくとも着色剤、メラミン樹
脂、ポリカルボン酸誘導体、および、安定剤を含有する
ことを特徴とするカラーフィルター製造用インキによっ
て達成される。
【0011】また、本発明の目的は、液晶表示素子用カ
ラーフィルターにおいて、その着色層の成分として、少
なくとも着色剤、メラミン樹脂、ポリカルボン酸誘導
体、安定剤および/またはその縮合物および熱分解物を
含むことを特徴とするカラーフィルターによって達成さ
れる。
【0012】
【発明の実施の形態】着色剤としては、顔料、染料のい
ずれも使用できるが、耐熱性、耐久性の点から有機顔料
を用いることが望ましい。
【0013】メラミン樹脂は、種々の市販品が使用で
き、インキの主溶媒として水を用いる場合は、水溶性メ
ラミン樹脂を、また主溶媒として有機溶媒を用いる場合
には、油溶性メラミン樹脂を用いることができる。
【0014】安定剤としては、アミンまたはアンモニア
を用いることが好ましい。安定剤の使用量はポリカルボ
ン酸誘導体の酸性分の中和量に対して1.25倍相当量
から20倍相当量を添加することにより、保存中のイン
キ安定性が満足される。さらに、塗布インキ膜の加熱時
の硬化性とインキの保存時の安定性からは、1.5倍相
当量から10倍相当量の安定剤がより好ましく配合され
る。これらポリカルボン酸誘導体のアミンまたはアンモ
ニアの塩は、通常の状態では中性〜アルカリ性となり、
23℃室温において1月間以上の安定性が得られた。加
熱乾燥によってアミン、あるいはアンモニアが一部揮発
することによって遊離のカルボン酸が発生して酸性とな
り、架橋硬化反応が促進され耐久性の良好な画素膜が得
られる。
【0015】アミンとしては、窒素含有基で置換された
有機炭素単環化合物であるアニリン、ベンジルアミン、
有機鎖状トリアミンであるイミノビスプロピルアミン、
メチルイミノビスプロピルアミン、ビスヘキサメチレン
トリアミン、有機鎖状ジアミンであるエチレンジアミ
ン、ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、有機
鎖状モノアミンであるモノブチルアミン、ジブチルアミ
ン、トリエチルアミンなどが挙げられ、これらの中でも
炭素数2〜15の有機鎖状化合物のアミンが好ましく用
いられる。
【0016】さらにこれらのアミンは、沸点が低いとイ
ンキ保存中に蒸発して減量し、安定性が低下するために
沸点60℃以下の範囲は好ましくない。また、インキ硬
化時には速やかに揮発するように、インキの加熱温度に
応じた沸点範囲を有するアミンを選ぶことが好ましい。
メラミン樹脂の硬化温度の関係から、アミンの沸点は1
00℃〜200℃の範囲が望ましい。例えば、ペンジル
アミン、ジブチルアミン、エチルヘキシルアミン、シク
ロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、アニリ
ン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、モルホリン、
エチレンジアミン、プロピレンジアミンなどが使用でき
る。
【0017】また、アミンはインキ溶剤に可溶なものを
選ぶ必要がある。特に水系インキの場合は水溶性のアミ
ンを選ばねばならないが、沸点が100℃以上のアミン
は水不溶性のものが多いので、水系インキには水溶性の
良好なアミノアルコールを用いることが特に好ましく、
100℃〜200℃の沸点範囲のアミノアルコールとし
ては、例えば2−アミノエタノール、2−(ジメチルア
ミノ)エタノール、2−(ジエチルアミノ)エタノー
ル、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールなどが
使用できる。
【0018】ポリカルボン酸誘導体としては、ポリアク
リル酸誘導体、ポリメタアクリル酸誘導体およびポリマ
レイン酸誘導体などが挙げられる。これらのカルボン酸
のホモポリマー、あるいはこれらに疎水性モノマーおよ
び必要に応じて親水性モノマーを共重合したものが使用
できる。疎水性モノマーとしては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、あるいはメチルアクリレート、エチルアク
リレートなどのアルキルアクリレート、あるいはメチル
メタアクリレート、エチルメタアクリレートなどのアル
キルメタアクリレート、あるいはエチレン、プロピレン
などのオレフィン系炭化水素、あるいはブタジエン、イ
ソプロピレンなどのジエン系炭化水素などが挙げられ
る。さらに、画素膜により耐久性を付与する目的ではメ
ラミン樹脂と架橋可能な樹脂を使用することが好まし
く、この目的には架橋性モノマーとしては、親水性でも
あるヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチル
メタアクリレートなどの共重合ポリマーが使用できる。
【0019】これらポリカルボン酸誘導体の分子量は、
重量平均分子量で1000〜100000の間にあるこ
とが好ましく、より望ましくは5000〜20000で
ある。分子量が低すぎると耐薬品性などの物性を低下さ
せる恐れがある。分子量が高すぎると水溶性が低く、ま
たインキにした時の粘度が高くなり過ぎ、インクジェッ
ト用途としては好ましくない。
【0020】またポリカルボン酸誘導体の酸価は、50
〜300の間にあることが好ましく、より望ましくは1
00〜250である。酸化が低すぎると水溶性に劣り、
高すぎると耐熱性に劣る。ここでいう酸化は、ポリカル
ボン酸誘導体を1gを中和するのに必要な水酸化カリウ
ムの量をミリグラム数で表した値である。
【0021】ポリカルボン酸誘導体の添加量としては、
メラミン樹脂100重量部対してポリカルボン酸誘導体
5重量部から700重量部が好ましい。より好ましく
は、メラミン樹脂100重量部対してポリカルボン酸誘
導体10重量部から400重量部である。ポリカルボン
酸誘導体の添加量が少なすぎると、硬化温度が低い場
合、十分に硬化できない。また、ポリカルボン酸誘導体
の添加量が多すぎる場合、硬化後の耐熱性および耐薬品
性が低くなる。
【0022】これら必須成分として、着色剤、メラミン
樹脂およびメラミン樹脂の硬化促進剤として加熱により
酸を発生する物質を含有することを特徴とするインキ
は、室温保存など、通常の状態ではアルカリ性から中性
であり、この状態ではメラミンの硬化反応は起きず、そ
の物性は安定である。基板上に塗布し、加熱乾燥するこ
とによって始めて酸性となり、その酸でメラミン樹脂が
硬化し、耐熱性・耐薬品性に優れた塗膜を形成する。
【0023】上記インキをもちいて、カラーフィルター
の着色層を形成するには、印刷法あるいはインクジェッ
ト法を用いて透明基板上にインキ滴を直接付着させるこ
とができる。
【0024】このインクジェット法とは、インクジェッ
トプリンターの10μmφから100μmφの微細なノ
ズルより微細なインキ滴を電気的に連続噴射して着色す
る方法であり、この方法には、オンデマンド式とコンテ
ィニュアス式があるが、より精度の高い描画に適するこ
とからコンティニュアス式が好ましく用いられる。前述
の従来技術に説明したカラーフィルターは、透明基板上
に形成された画素域に、赤、緑、青の3原色の画素膜を
インクジェット法を用いて形成しても製造できるもので
ある。この製造方法により、低コストで光学特性に優れ
たカラーフィルター作製が可能となった。
【0025】かかる方法により製造されたカラーフィル
ターはその着色層に少なくとも着色剤、メラミン樹脂、
ポリカルボン酸誘導体、および、安定剤および/または
その熱分解物を含むものである。
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】実施例1 次の方法で赤、緑、青の各色のインキを調製した。
【0028】まず、下記組成のポリカルボン酸誘導体
(60%固形分)25重量部、2−アミノ−2−メチル
−1−プロパノール7重量部、水68重量部を混合し、
50℃で加熱撹拌して均一に溶解した。
【0029】次に、このアクリル樹脂水溶液22重量
部、赤色顔料としてPR177を6重量部。水72重量
部にガラスビーズを加え、ホモジナイザーを用いて10
時間混合し、顔料分散液を調製した。
【0030】上記顔料分散液92重量部に2−アミノ
−2−メチル−1−プロパノール4重量部、メラミン樹
脂(大日本インキ工業(株)製“スーパーベッカミン”
MA−S)4.5重量部を加えて混合撹拌し、カラーフ
ィルター作製用赤インキを調製した。
【0031】 ポリカルボン酸誘導体の共重合組成(平均分子量15,000) メタアクリル酸 30重量部 メタアクリル酸メチル 30重量部 メタアクリル酸ブチル 30重量部 ヒドロキシエチルメタアクリレート 10重量部 緑インキ(顔料としてをPG36使用)および青インキ
(顔料としてPB15を使用)も同様の方法で調製し
た。このインキ粘度は表1の通りで、室温保存では目標
とする1ケ月間以上の安定性が得られた。
【0032】上記インキをインクジェット法により、遮
光膜を設けたガラス基板の画素部にインキ噴射装置を用
いてインキ膜を作製した。このインキは低粘度でインク
ジェット噴射特性が良好であった。
【0033】着色したインキ膜を130℃で20分間加
熱することにより、架橋した画素膜は良好な光学特性と
優れた耐熱・耐薬品性を示した。
【0034】
【表1】 粘度測定条件 : EFD型粘度計、20rpm、23
℃ 比較例1 工程および工程の2−アミノ−2−メチル−1−プ
ロパノールを添加しなかった以外は、実施例1と同様に
して混合撹拌し、カラーフィルター作製用赤インキ、緑
インキおよび青インキを調製した。
【0035】安定なインキを調製することができず、イ
ンキ膜を作製ができなかった。
【0036】実施例2 安定剤の添加は、工程と工程の2−アミノ−2−メ
チル−1−プロパノールの変わりにジメチルアミノエタ
ノールを同重量部使用した以外は、実施例1と同様にし
てカラーフィルター作製用赤インキ、緑インキおよび青
インキを調製した。このインキ粘度は表2の通りで、室
温保存では目標とする1ケ月間以上の安定性が得られ
た。
【0037】上記インキをインクジェット法により、遮
光膜を設けたガラス基板の画素部にインキ噴射装置を用
いてインキ膜を作製した。このインキは低粘度でインク
ジェット噴射特性が良好であった。
【0038】着色したインキ膜を130℃で20分間加
熱することにより、架橋した画素膜は良好な光学特性と
優れた耐熱・耐薬品性を示した。
【0039】
【表2】 粘度測定条件 : EFD型粘度計、20rpm、23
℃ 実施例3 安定剤の添加は、工程と工程の2−アミノ−2−メ
チル−1−プロパノールの変わりにアンモニア水(30
%)をそれぞれ4.2重量部使用した以外は、実施例1
と同様にしてカラーフィルター作製用赤インキ、緑イン
キおよび青インキを調製した。このインキ粘度は表3の
通りで、室温保存では目標とする1ケ月間以上の安定性
が得られた。
【0040】上記インキをインクジェット法により、遮
光膜を設けたガラス基板の画素部にインキ噴射装置を用
いてインキ膜を作製した。このインキは低粘度でインク
ジェット噴射特性が良好であった。
【0041】着色したインキ膜を130℃で20分間加
熱することにより、架橋した画素膜は良好な光学特性と
優れた耐熱・耐薬品性を示した。
【0042】
【表3】 粘度測定条件 : EFD型粘度計、20rpm、23
℃ 実施例4 次の方法で赤、緑、青の各色のインキを調製した。
【0043】まず、下記組成のポリカルボン酸誘導体
(60%固形分)25重量部、2−アミノ−2−メチル
−1−プロパノール7重量部、水68重量部を混合し、
50℃で加熱撹拌して均一に溶解した。
【0044】次に、このアクリル樹脂水溶液22重量
部、赤色顔料としてPR177を6重量部。水71重量
部にガラスビーズを加え、ホモジナイザーを用いて10
時間混合し、顔料分散液を調製した。
【0045】上記顔料分散液92重量部に2−アミノ
−2−メチル−1−プロパノール4重量部、メラミン樹
脂(大日本インキ工業(株)製“スーパーベッカミン”
MA−S)4.5重量部を加えて混合撹拌し、カラーフ
ィルター作製用赤インキを調製した。
【0046】 ポリカルボン酸誘導体の共重合組成(平均分子量10、000) スチレン 40重量部 α−メチルスチレン 30重量部 メタアクリル酸 30重量部 緑インキ(顔料としてPG36を使用)および青インキ
(顔料としてPB15を使用)も同様の方法で調製し
た。このインキ粘度は表4の通りで、室温保存では目標
とする1ケ月間以上の安定性が得られた。
【0047】上記インキをインクジェット法により、遮
光膜を設けたガラス基板の画素部にインキ噴射装置を用
いてインキ膜を作製した。このインキは低粘度でインク
ジェット噴射特性が良好であった。
【0048】着色したインキ膜を130℃で20分間加
熱することにより、架橋した画素膜は良好な光学特性と
優れた耐熱・耐薬品性を示した。
【0049】
【表4】 粘度測定条件 : EFD型粘度計、20rpm、23
℃ 実施例5 次の方法で赤、緑、青の各色のインキを調製した。
【0050】まず、下記組成のポリカルボン酸酸誘導
体(60%固形分)25重量部、2−アミノ−2−メチ
ル−1−プロパノール7重量部、水68重量部を混合
し、50℃で加熱撹拌して均一に溶解した。
【0051】次に、このポリマレイン酸酸誘導体水溶
液22重量部、赤色顔料としてPR177を6重量部。
水71重量部にガラスビーズを加え、ホモジナイザーを
用いて10時間混合し、顔料分散液を調製した。
【0052】上記顔料分散液92重量部に2−アミノ
−2−メチル−1−プロパノール4重量部、メラミン樹
脂(大日本インキ工業(株)製“スーパーベッカミン”
MA−S)4.5重量部を加えて混合撹拌し、カラーフ
ィルター作製用赤インキを調製した。
【0053】 ポリカルボン酸誘導体の共重合組成(平均分子量 20000) マレイン酸 25重量部 メタアクリル酸ブチル 40重量部 スチレン 35重量部 緑インキ(顔料としてPG36を使用)および青インキ
(顔料としてPB15を使用)も同様の方法で調製し
た。このインキ粘度は表5の通りで、室温保存では目標
とする1ケ月間以上の安定性が得られた。
【0054】上記インキをインクジェット法により、遮
光膜を設けたガラス基板の画素部にインキ噴射装置を用
いてインキ膜を作製した。このインキは低粘度でインク
ジェット噴射特性が良好であった。
【0055】着色したインキ膜を130℃で20分間加
熱することにより、架橋した画素膜は良好な光学特性と
優れた耐熱・耐薬品性を示した。
【0056】
【表5】 粘度測定条件 : EFD型粘度計、20rpm、23
℃ 実施例6 安定剤の添加は、工程と工程の2−アミノ−2−メ
チル−1−プロパノールの変わりにモルホリンを同重量
部使用した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィル
ター作製用赤インキ、緑インキおよび青インキを調製し
た。このインキ粘度は表6の通りで、室温保存では目標
とする1ケ月間以上の安定性が得られた。
【0057】上記インキをインクジェット法により、遮
光膜を設けたガラス基板の画素部にインキ噴射装置を用
いてインキ膜を作製した。このインキは低粘度でインク
ジェット噴射特性が良好であった。着色したインキ膜を
130℃で20分間加熱することにより、架橋した画素
膜は良好な光学特性と優れた耐熱・耐薬品性を示した。
【0058】
【表6】 粘度測定条件 : EFD型粘度計、20rpm、23
℃ 実施例7 安定剤の添加は、工程と工程の2−アミノ−2−メ
チル−1−プロパノールの変わりにテトラエチレンテト
ラミンを同重量部使用した以外は、実施例1と同様にし
てカラーフィルター作製用赤インキ、緑インキおよび青
インキを調製した。このインキ粘度は表7の通りで、室
温保存では目標とする1ケ月間以上の安定性が得られ
た。
【0059】上記インキをインクジェット法により、遮
光膜を設けたガラス基板の画素部にインキ噴射装置を用
いてインキ膜を作製した。このインキは低粘度でインク
ジェット噴射特性が良好であった。
【0060】着色したインキ膜を130℃で20分間加
熱することにより、架橋した画素膜は良好な光学特性と
優れた耐熱・耐薬品性を示した。
【0061】
【表7】 粘度測定条件 : EFD型粘度計、20rpm、23
℃ 実施例8 安定剤の添加は、工程と工程の2−アミノ−2−メ
チル−1−プロパノールの変わりにエチレンジアミンを
同重量部使用した以外は、実施例1と同様にしてカラー
フィルター作製用赤インキ、緑インキおよび青インキを
調製した。このインキ粘度は表8の通りで、室温保存で
は目標とする1ケ月間以上の安定性が得られた。
【0062】上記インキをインクジェット法により、遮
光膜を設けたガラス基板の画素部にインキ噴射装置を用
いてインキ膜を作製した。このインキは低粘度でインク
ジェット噴射特性が良好であった。
【0063】着色したインキ膜を130℃で20分間加
熱することにより、架橋した画素膜は良好な光学特性と
優れた耐熱・耐薬品性を示した。
【0064】
【表8】 粘度測定条件 : EFD型粘度計、20rpm、23
℃ 実施例9 工程の2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを
5.4重量部、水を69.6重量部に、工程の2−ア
ミノ−2−メチル−1−プロパノールを0重量部、顔料
分散液を96重量部に変更した以外は、実施例1と同様
にして混合撹拌し、カラーフィルター作製用赤インキ、
緑インキおよび青インキを調製した。
【0065】上記インキをインクジェット法により、遮
光膜を設けたガラス基板の画素部にインキ噴射装置を用
いてインキ膜を作製した。このインキは低粘度でインク
ジェット噴射特性が良好であった。
【0066】着色したインキ膜を130℃で20分間加
熱することにより、架橋した画素膜は良好な光学特性と
優れた耐熱・耐薬品性を示した。
【0067】このインキ粘度は表9の通りで、室温保存
3日間で粘度が上昇し、7日間でゲル化したためインキ
噴射装置を用いたインキ膜が作製ができなくなった。
【0068】
【表9】 粘度測定条件 : EFD型粘度計、20rpm、23
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、カラーフィルター画素
形成用インキに関し、保存中においてインキ粘度を安定
にすることが可能となる。特に、インクジェット法によ
るカラーフィルター画素形成においては、飛翔インキ滴
の着地位置精度が上がり、製品品位が向上できる。これ
により、高い耐熱性と耐薬品性および優れた光学特性を
持つ液晶表示用カラーフィルターを安価に提供すること
ができる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶表示素子用カラーフィルターの着色層
    を形成するためのインキであって、少なくとも着色剤、
    メラミン樹脂、ポリカルボン酸誘導体、および、安定剤
    を含有することを特徴とするカラーフィルター製造用イ
    ンキ。
  2. 【請求項2】安定剤がアンモニアであることを特徴とす
    る請求項1記載のカラーフィルタ製造用インキ。
  3. 【請求項3】安定剤が有機単環アミンであることを特徴
    とする請求項1記載のカラーフィルター製造用インキ。
  4. 【請求項4】安定剤がトリアミン以上の有機鎖状ポリア
    ミンであることを特徴とする請求項1記載のカラーフィ
    ルタ製造用インキ。
  5. 【請求項5】安定剤が有機鎖状ジアミンであることを特
    徴とする請求項1記載のカラーフィルタ製造用インキ。
  6. 【請求項6】安定剤が有機鎖状モノアミンであることを
    特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ製造用イン
    キ。
  7. 【請求項7】安定剤が炭素数2〜15の有機鎖状アミン
    であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ
    製造用インキ。
  8. 【請求項8】安定剤がアミノアルコールであることを特
    徴とする請求項1記載のカラーフィルタ製造用インキ。
  9. 【請求項9】ポリカルボン酸誘導体に含まれる酸成分に
    対し、安定剤が中和相当量の1.25倍以上、20倍以
    下含まれることを特徴とする請求項1記載のカラーフィ
    ルター製造用インキ。
  10. 【請求項10】液晶表示素子用カラーフィルターの製造
    において、着色層を形成するためのインキとして、請求
    項1から9のいずれかに記載のカラーフィルター製造用
    インキを用いることを特徴とするカラーフィルターの製
    造方法。
  11. 【請求項11】着色層を形成するための手段として、印
    刷法あるいはインクジェット法を用いることを特徴とす
    る請求項10記載のカラーフィルターの製造方法。
  12. 【請求項12】液晶表示素子用カラーフィルターにおい
    て、その着色層の成分として、少なくとも着色剤、メラ
    ミン樹脂、ポリカルボン酸誘導体、安定剤および/また
    はその縮合物および熱分解物を含むことを特徴とするカ
    ラーフィルター。
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