JP2003138180A - インク、カラーフィルタとその製造方法、液晶ディスプレイおよび画像表示装置 - Google Patents

インク、カラーフィルタとその製造方法、液晶ディスプレイおよび画像表示装置

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JP2003138180A
JP2003138180A JP2001340924A JP2001340924A JP2003138180A JP 2003138180 A JP2003138180 A JP 2003138180A JP 2001340924 A JP2001340924 A JP 2001340924A JP 2001340924 A JP2001340924 A JP 2001340924A JP 2003138180 A JP2003138180 A JP 2003138180A
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JP
Japan
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group
ink
color filter
formula
hydrogen atom
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Ryuta Kato
龍太 加藤
Yoshihisa Yamashita
佳久 山下
Masafumi Hirose
雅史 広瀬
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット方式で液晶用カラーフィルタ
を製造するに好適なインク、高品位かつ生産性良くカラ
ーフィルタを製造する方法とカラーフィルタ、また高品
位な液晶ディスプレイ、画像表示装置を提供する。 【解決手段】 水、水溶性有機溶剤、色材および硬化性
樹脂を含むインクにおいて、色材として少なくとも特定
構造の染料を二種含有し、硬化性樹脂として二種の特定
構造の繰り返し単位を有する高分子化合物を含み、且
つ、該高分子化合物の酸価が140〜170mgKOH
/gであることを特徴とするインク。このインクを基板
上に付与して画素を形成する工程を有するカラーフィル
タの製造方法と、この方法で製造されたカラーフィル
タ。このカラーフィルタを備える液晶ディスプレイおよ
び画像表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーテレビ、パ
ーソナルコンピュータ等に使用されるカラー液晶ディス
プレイのカラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、
特にはインクジェット記録によるカラーフィルタの製
造、特にはインクジェット記録によるカラーフィルタの
製造に好適に用いうるインクに関する。また、カラーフ
ィルタを備える液晶ディスプレイおよび画像表示装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータの発達、
特に携帯用パーソナルコンピュータの発達に伴い、液晶
ディスプレイ、特にカラー液晶ディスプレイの需要が増
加する傾向にある。しかしながら、さらなる普及のため
にはコストダウンが必要であり、特にコスト的に比重の
重いカラーフィルタのコストダウンに対する要求が高ま
っている。
【0003】カラーフィルタの低コスト化の方法として
は各種提案されているが、その中でも有望な方法の一つ
として、特開昭59−75205号公報、特開昭63−
235901号公報、特開平1−217302号公報等
に提案されている着色透光部の形成にインクジェット方
式を採用する方法が注目されている。
【0004】インクジェット方式は、インク吐出口から
インクを液滴として吐出させ、これを着色部位に付着さ
せて着色するもので、精細な多数の画素の精細な配列を
精度良く、且つ高速で形成できるという利点を有してい
る。また赤、緑、青の各着色層の形成を一度に行うこと
ができ、更にインクを画素形成部分にのみ付着させれば
よく、インクの無駄が生じないため、大幅な生産性の向
上とコストの低減を図ることができる。
【0005】特に、基板上に直接硬化性インクを付与し
てカラーフィルタを形成する方法は従来のインク受容層
にインクを付与してカラーフィルタを作成する方法に比
べ、該インク受容層の耐熱性、耐溶剤性が低いために生
じる、ITO形成工程、配向膜形成工程におけるプロセ
ス的な制約を考慮する必要がないため、より信頼性の高
い液晶素子を構成することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法によるカラーフィルタの作成方法では、使用される硬
化性インク中の染料と樹脂が必ずしもインクジェット方
式に好適なものばかりではなく、また、染料と樹脂のマ
ッチング、インクジェット方式による描画条件等も技術
的に不明な点が多く存在している。このため、下記に挙
げたような解決すべき新たな技術課題が発生していた
が、現状では、下記要求特性の全てを満足するものはな
く、従って、問題の早急な解決方法が望まれていた。 (1)着色部の透明性が高いこと。 (2)着色部の耐熱性が良好なこと。 (3)着色部の耐水性が良好なこと。
【0007】特に(2)及び(3)に関しては、インク
中の樹脂成分の割合を増すことによって達成されるもの
の、その場合、本来樹脂は疎水性であるため、溶媒全体
の疎水性が強まり、結果として、親水性である染料がイ
ンク中で均一に拡散せず、凝集を起こし、十分な発色が
得ることができないといった問題を抱えていた。
【0008】本発明はカラーフィルタ用緑インクとして
上記した従来技術の課題を解決するためになされたもの
であり、その目的とするところは、上記要求特性を全て
満足するインクとして非常に有用であり且つ、色特性に
優れて且つ、硬化性も良好な染料と樹脂を組み合わせた
硬化性インクを提供することにある。更には、このイン
クを用いてインクジェット方式により優れた特性のカラ
ーフィルタが容易に得られるカラーフィルタの製造方
法、並びに優れた特性のカラーフィルタを提供すること
にある。また高品位な液晶ディスプレイおよび画像表示
装置を提供することも目的とする。
【0009】
【発明を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
進めた結果、カラーフィルタの緑色画素を形成するイン
クジェット用インクにおいて、特定の染料と樹脂を組み
合わせインク化すると、緑色インクとして優れた色特性
を示すばかりでなく、インクジェット適性や耐光性、耐
水性等にも優れることを見出し、本発明に至った。
【0010】すなわち本発明は、水、水溶性有機溶剤、
色材および硬化性樹脂を含むインクにおいて、色材とし
て少なくとも下記一般式(I)で示される染料及び下記
一般式(II)で示される染料を含有し、硬化性樹脂と
して下記一般式(III)で示される繰り返し単位と下
記一般式(IV)で示されるで示される繰り返し単位と
を有する高分子化合物を含み、且つ、該高分子化合物の
酸価が140〜170mgKOH/gであることを特徴
とするインクである。
【0011】
【化5】
【0012】(式(I)中、R1〜R4は各々独立してス
ルホン基、スルホアミド基、カルボキシル基、または置
換基を有しても良いアルキル基、アリール基、炭素数1
〜4のアルコキシ基、フェノキシ基もしくはチオフェノ
キシ基を表し、Mは2個の水素原子、ナトリウム原子、
リチウム原子、2価の金属または3価もしくは4価の金
属誘導体を表す。R1〜R4は塩を形成していても良い。
式(I)の構造に、塩を形成していても良いスルホン基
が少なくとも2つ含まれる。)
【0013】
【化6】
【0014】(式(II)中、R1およびR2は各々独立
して水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ホ
スホン基、スルホン基、カルボキシル基、トリフルオロ
メチル基、炭素数4以下のアルキル基、炭素数4以下の
アルコキシ基、またはこれら置換基のいずれかを有する
アリール基を表し、Xはメチル基、水素原子、カルボキ
シル基またはトリフルオロメチル基を表し、Yは水素原
子、シアノ基、カルバモイル基、スルホン基またはメチ
ルスルホン基を表し、Zは炭素数6以下のアルキル基を
表す。R1、R2およびYは塩を形成していても良い。R
1、R2およびYの少なくとも一つは、塩を形成していて
も良いスルホン基または塩を形成していても良いメチル
スルホン基である。)
【0015】
【化7】
【0016】(式(III)中、Rは水素原子またはメ
チル基を表し、nは1〜8の整数を表す。)
【0017】
【化8】
【0018】(式(IV)中、Rは水素原子またはメチ
ル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属またはNH4
を表す。) 上記インクは、インクジェット記録用インクとして好適
に用いることができる。
【0019】また上記インクは、カラーフィルタの着色
画素形成用に好適に用いることができる。
【0020】本発明はまた、基板上に着色画素を有する
カラーフィルタの製造方法において、基板上に上記イン
クを付与し、該付与されたインクを硬化させることによ
り着色画素を形成する工程を有することを特徴とするカ
ラーフィルタの製造方法である。この方法においては、
インクジェット法により前記インクを付与することが好
ましい。
【0021】また本発明は、基板上に着色画素を有する
カラーフィルタにおいて、上記インクの硬化物からなる
着色画素を有することを特徴とするカラーフィルタを含
む。
【0022】さらに本発明は、上記カラーフィルタの製
造方法で製造されたことを特徴とするカラーフィルタも
含む。
【0023】また本発明は、上記カラーフィルタを備え
ることを特徴とする液晶ディスプレイ等の画像表示装置
を包含する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、好ましい実施の形態を挙げ
て、本発明の記録用インク等について詳細に説明する。
【0025】先ず、本発明のインクには、色材として下
記一般式(I)で示される染料及び下記一般式(II)
で示される染料が含まれ、緑色インク、特にはカラーフ
ィルタの緑色画素の形成用インクとして好適に用いるこ
とができる。
【0026】式(I)中のR1〜R4は各々独立してスル
ホン基、スルホアミド基、カルボキシル基、アルキル
基、アリール基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェノ
キシ基またはチオフェノキシ基を表すが、これらアルキ
ル基、アリール基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェ
ノキシ基およびチオフェノキシ基は置換基を有しても良
い。ここでいう置換基はクロル基、ブロム基などのハロ
ゲン基、メチル基、エチル基等の低級アルキル基、水酸
基、メトキシ基、エトキシ基などの低級アルコキシ基、
カルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられ、これらが
各々独立して複数導入されていても良い。
【0027】式(1)中のMが2価の金属または3価も
しくは4価の金属誘導体である場合、これらには、金属
として例えばCu、Zn、Fe、Co、Ni、Mn、C
r、Mg、Al、Si、Sn、Ti、Ge、Ga、Pb
等を用いることができる。上記の金属誘導体の例として
はAlCl、InCl、FeCl、MnOH、SiC
l、SnCl2、GeCl2、Si(OH)2、Sn(O
H)2、Ge(OH)2、VO、TiO等を挙げることが
できる。
【0028】式(I)中のR1〜R4、ならびに式(I
I)中のR1、R2およびYが形成していても良い塩とし
ては、アルカリ金属塩やアンモニウム塩を挙げることが
できる。
【0029】具体例として、一般式(I)で示される染
料には式(Ia)〜(Ie)で表される化合物が挙げら
れ、一般式(II)で示される染料には式(IIa)〜
(IIe)で表される化合物が挙げられるが、勿論これ
らに限定されない。
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】
【化12】
【0034】
【化13】
【0035】
【化14】
【0036】
【化15】
【0037】
【化16】
【0038】
【化17】
【0039】
【化18】
【0040】インク中における色材の総質量としては、
インク全質量を基準として好ましくは0.1〜30質量
%、特に好ましくは1〜15質量%であり、この範囲で
は、画素に満足しうる光学特性を担持させられると共に
インク特性がインクジェット記録法によって正確に吐出
させることのできる範囲を逸脱するほどに変化すること
なく好ましいものである。
【0041】硬化性インクに用いる硬化性樹脂は、イン
ク付与後に熱や光あるいはその両方によって硬化する成
分を含んでおり、例えば、熱や光によって重合するアク
リル系およびビニル系モノマー等が挙げられる。本発明
のインクは、硬化性樹脂として、一般式(III)の繰
り返し単位及び(IV)の繰り返し単位を有する高分子
化合物を含む。この高分子化合物は、これら繰り返し単
位に加えて他の繰り返し単位を有してもよく、例えば下
記一般式(V)〜(VII)で示されるような繰り返し
単位を含有しても良いが、勿論これらに限定されない。
また高分子化合物の分子量は特に限定されるものではな
いが、インクを極度に増粘させることのないよう、重量
平均分子量で、好ましくは1000〜30000、より
好ましくは、2000〜10000の範囲であることが
望ましい。
【0042】
【化19】
【0043】(式(V)中、R1は水素原子またはメチ
ル基を表し、R2は炭素数1〜4の直鎖または分岐状の
アルキル基を表す。)
【0044】
【化20】
【0045】(式(VI)中、Rは水素原子またはメチ
ル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属またはNH4
を表す。)
【0046】
【化21】
【0047】(式(VII)中、Rは水素原子またはメ
チル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属またはNH
4を表す。) また該高分子化合物の酸価は140〜170mg/KO
Hgに限定されるが、これは樹脂に含まれるポリマーや
モノマーの組成を変え、酸化を振って検討した結果によ
るもので、酸化が170mg/KOHgを超える場合、
樹脂中の親水部が増加する分、水との親和性が高くな
り、画素にインクを定着した後の着色部の耐水性が低下
する為好ましくない。また、酸化が140mg/KOH
gより少ない場合では、溶媒全体の疎水性が強まり、親
水性である染料がインク中で均一に拡散せず、凝集を起
こし、十分な発色が得ることができない為、好ましくな
い。
【0048】インク中の硬化性樹脂の総質量としては、
インク全質量を基準として0.1〜30質量%が好まし
く、特に1〜15質量%が望ましい。
【0049】上記した色材を溶解状態、分散状態あるい
は溶解及び分散状態で保持し、インクを構成する媒体と
して、本発明のインクは水と水溶性有機溶剤を含有す
る。
【0050】水の割合は、インク全質量を基準として1
0〜90質量%、特には20〜80質量%とすることが
好ましい。
【0051】インク中に含まれる水溶性有機溶剤として
は、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−
プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブ
チルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert
−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコ
ール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
等のアミド類アセトン、ジアセトンアルコール等のケト
ンマタハケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1、2、6
−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレン
グリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が
2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グ
リセリン;エチレングリコールモノメチル(またはエチ
ル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエ
チル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル
(またはエチル)エーテル、等の多価アルコールの低級
アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2
−ピロリドン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン等が挙げられる。
【0052】また、インクは非イオン系、アニオン系、
カチオン系等の界面活性剤を用いても良く、他にもpH
調整剤、防カビ剤等の添加剤を必要に応じて添加しても
良い。
【0053】ところでこの様なインクは、インクジェッ
ト方式、例えばエネルギー発生素子として電気熱変換体
を用いたバブルジェット(登録商標)タイプ、あるいは
圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ等によって記録
ヘッドから吐出させ、カラーフィルタ基板上に付着させ
て画素を形成するのに極めて好適に用いられるものであ
る。またこのインクの特性として、インク調合時点にお
いて、インク温度25℃のときに表面張力が30〜60
dyne/cm(0.030〜0.060N/m)、粘
度を15cP(0.015Pa・s)以下、特には10
cP(0.010Pa・s)以下、更には5cP(0.
005Pa・s)以下にすることで、インクの吐出特性
は非常に優れたものとなり、好ましい。そして本実施態
様において、かかる特性を達成することのできる具体的
なインク組成としては例えば後述する実施例に記載した
インクを挙げることができる。
【0054】次に上記したインクを用いたカラーフィル
タの製造方法について説明する。図1は本発明の一実施
態様にかかる液晶用カラーフィルタの製造方法の説明図
である。
【0055】先ず、本発明に用いる透明基板1として
は、一般にガラス基板が用いられるが、カラーフィルタ
基板としての透明性、機械的強度等の必要特性を満足す
るものであれば他の素材を用いることができる。
【0056】必要に応じて図1(a)のようにブラック
マトリクス2を基板上1に作成する。ブラックマトリッ
クスは、特に制限なく、公知のものを用いうる。例え
ば、ガラス基板上のクロム等の金属または金属酸化物な
どの積層膜を、パターン状にエッチングすることや、基
板上に塗布した黒色レジストをパターニングすることに
より、基板上にブラックマトリックスを設けることがで
きる。
【0057】所定の着色パターンに従って、インクジェ
ット方式により前記した本発明にかかる硬化性インクを
付与する。インクジェット方式としては、エネルギー発
生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェットタイ
プ、あるいは圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ等
が使用可能である。図1(b)においては、インクジェ
ット記録ヘッド4から、赤(R)インク51、緑(G)
インク52、青(B)インク53のインク滴を基板上の
ブラックマトリックスの開口部55に付与している。緑
インクとして本発明のインクを用い、赤および青インク
としてはインクジェットに用いることのできる公知の硬
化性インクを使用すればよい。
【0058】次にインクを硬化させる。硬化方法として
は硬化性樹脂に適した方法を用いればよく例えば加熱、
光照射あるいは加熱および光照射を行って着色部位54
に存在する各色のインクを硬化させ、各色の着色画素1
1を形成する。ここでインク吸収層に照射する光として
は特に限定されるものではない。また光照射条件として
は1〜3000mJ/cm2程度が好適である。また熱
処理としては例えばオーブン、ホットプレート等の手段
によるものが挙げられ、例えば温度条件150〜250
℃で1〜120分行えばよい。
【0059】図1(d)に示したように、必要に応じて
保護層6を形成してもかまわない。保護層6としては、
光照射または熱処理、あるいはこれらの両方により硬化
可能な樹脂材料あるいは蒸着またはスパッタによって形
成された無機膜等を用いることができ、カラーフィルタ
とした場合の透明性を有し、その後のITO形成プロセ
ス、配向膜形成プロセス等に耐えうるものであれば使用
可能である。このようにしてカラーフィルタ9が得られ
る。
【0060】本発明のカラーフィルタは、液晶ディスプ
レイを始め、EL(エレクトロルミネッセンス)ディス
プレイなど、カラーフィルタを有する画像表示装置に好
適に適用できる。
【0061】
【実施例】〔製造例1〜7〕下記表1の仕込み比に従
い、常法のラジカル重合法により高分子化合物(A1〜
A7)の合成を行い、得られたそれぞれの高分子化合物
について滴定法により酸化を算出した。表1中、部は質
量部を表す。
【0062】
【表1】
【0063】 HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート MAA :メタクリル酸 MMA :メタクリル酸メチル AMPS:2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロ
パンスルホン酸 p−StSA:p−スチレンスルホン酸。
【0064】〔実施例1〜9〕ガラス基板上に、黒色顔
料レジスト(富士ハント社製、商品名「CK−S171
B」)をスピンコート法により塗布し、露光、現像、熱
処理により厚さ2.0μmのブラックマトリクスを形成
した。
【0065】上記ブラックマトリクスの開口部に、イン
クジェット記録装置を用いて、下記インク処方の硬化型
着色インクを付与した。色材及び硬化性樹脂(高分子化
合物)は表2の通りに組み合わせて用いた。表2中、例
えば「化合物(Ia)」は前記式(Ia)で表される化
合物を示す。
【0066】インク処方(硬化型着色インクの組成) ・色材 染料a 1.6質量% 染料b 2.0質量% ・硬化性樹脂 6.0質量% ・ジエチレングリコール 30.0質量% ・水 60.0質量%。
【0067】
【表2】
【0068】得られたカラーフィルタ基板を230℃、
50分のベーキングを行うことにより硬化反応を進行さ
せ、乾燥後更にその上に、保護膜として2液型のアクリ
ル系熱硬化型樹脂材料(商品名SS−7625 日本合
成ゴム社製)を膜厚1μmになるようにスピンコート
し、240℃、20分の熱処理を行って硬化させ、本実
施例のカラーフィルタを作成した。
【0069】〔評価方法1〜4〕 評価1:着色部の透明性 得られたカラーフィルタの緑色画素部の透明性を目視に
て3段階にグループ分けすることにより評価した。 A :透明性良好。 B :やや透明性が劣る。 C :A、Bのものと比較してよりくすんでいる。
【0070】評価2:吐出安定性 作成したインクをインクジェットプリンター(キヤノン
社製、商品名BJ−10V)に装填し、A4用紙にキャ
ラクタパターンを300枚印字した。300枚目の印字
されたA4用紙を目視にて観察し、下記の3段階にグル
ープ分けすることにより評価し、評価結果を表Xに示し
た。 A :全く問題なし。 B :若干のかすれが生じた。 C :殆ど吐出せず。
【0071】評価3:耐熱性 得られた各カラーフィルタを240℃のオーブンに60
分間放置し、着色部の変退色の大きさをCIEで定めた
ΔEとして算出し、下記基準で評価した。 A :ΔEが5未満。 B :ΔEが5以上10未満。 C :ΔEが10以上。 評価4:耐水性 保護膜形成前の各カラーフィルタを、純水に1分間浸漬
し、着色部の変退色の大きさをCIEで定めたΔEとし
て算出し、下記基準で評価した。 A :ΔEが5未満。 B :ΔEが5以上10未満。 C :ΔEが10以上 上記評価結果を表3に示す。
【0072】
【表3】
【0073】〔比較例1〜8〕色材及び熱硬化性樹脂組
成物の組み合わせを、表4に示した処方例に代えた以外
は実施例と全く同様にして、カラーフィルタを作成し、
得られたカラーフィルタ及び使用したインクについて実
施例と同様の評価を行い、その評価結果を表5に示し
た。
【0074】
【表4】
【0075】
【表5】
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
着色部の透明性、及び耐熱性、耐水性に優れたカラーフ
ィルタとその製造方法を提供することができる。更に、
本発明によれば、かかるカラーフィルタの緑色画素部の
形成に好適なインクジェット用インクを提供することが
できる。またこのように高品位で生産性の良いカラーフ
ィルタを備えた優れた画像表示装置、特には液晶ディス
プレイを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様にかかる液晶用カラーフィ
ルタの製造方法の工程説明図である。
【符号の説明】
1.透明基板 2.ブラックマトリックス 4.インクジェット記録ヘッド 6.保護層 9.カラーフィルタ 51.赤(R)インク 52.緑(G)インク 53.青(B)インク 54.着色部位 55.開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41J 3/04 101Z (72)発明者 広瀬 雅史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 FA03 FA04 FB01 FC02 FD07 2H048 BA57 BA64 BB44 2H086 BA01 BA05 BA52 BA53 BA56 BA59 2H091 FA02Y FA44Y GA01 LA30 4J039 BC59 BE02 BE12 GA24

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、水溶性有機溶剤、色材および硬化性
    樹脂を含むインクにおいて、色材として少なくとも下記
    一般式(I)で示される染料及び下記一般式(II)で
    示される染料を含有し、硬化性樹脂として下記一般式
    (III)で示される繰り返し単位と下記一般式(I
    V)で示されるで示される繰り返し単位とを有する高分
    子化合物を含み、且つ、該高分子化合物の酸価が140
    〜170mgKOH/gであることを特徴とするイン
    ク。 【化1】 (式(I)中、R1〜R4は各々独立してスルホン基、ス
    ルホアミド基、カルボキシル基、または置換基を有して
    も良いアルキル基、アリール基、炭素数1〜4のアルコ
    キシ基、フェノキシ基もしくはチオフェノキシ基を表
    し、Mは2個の水素原子、ナトリウム原子、リチウム原
    子、2価の金属または3価もしくは4価の金属誘導体を
    表す。R1〜R4は塩を形成していても良い。式(I)の
    構造に、塩を形成していても良いスルホン基が少なくと
    も2つ含まれる。) 【化2】 (式(II)中、R1、R2は各々独立して水素原子、ハ
    ロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ホスホン基、スルホ
    ン基、カルボキシル基、トリフルオロメチル基、炭素数
    4以下のアルキル基、炭素数4以下のアルコキシ基、ま
    たはこれら置換基のいずれかを有するアリール基を表
    し、Xはメチル基、水素原子、カルボキシル基またはト
    リフルオロメチル基を表し、Yは水素原子、シアノ基、
    カルバモイル基、スルホン基またはメチルスルホン基を
    表し、Zは炭素数6以下のアルキル基を表す。R1、R2
    およびYは塩を形成していても良い。R1、R2およびY
    の少なくとも一つは、塩を形成していても良いスルホン
    基または塩を形成していても良いメチルスルホン基であ
    る。) 【化3】 (式(III)中、Rは水素原子またはメチル基を表
    し、nは1〜8の整数を表す。) 【化4】 (式(IV)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、
    Mは水素原子、アルカリ金属またはNH4を表す。)
  2. 【請求項2】 インクジェット記録用である請求項1記
    載のインク。
  3. 【請求項3】 カラーフィルタの着色画素形成用である
    請求項1または2記載のインク。
  4. 【請求項4】 基板上に着色画素を有するカラーフィル
    タの製造方法において、基板上に請求項1記載のインク
    を付与し、該付与されたインクを硬化させることにより
    着色画素を形成する工程を有することを特徴とするカラ
    ーフィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】 インクジェット法により前記インクを付
    与する請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 基板上に着色画素を有するカラーフィル
    タにおいて、請求項1記載のインクの硬化物からなる着
    色画素を有することを特徴とするカラーフィルタ。
  7. 【請求項7】 請求項4または5に記載のカラーフィル
    タの製造方法で製造されたことを特徴とするカラーフィ
    ルタ。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載のカラーフィルタ
    を備えることを特徴とする画像表示装置。
  9. 【請求項9】 請求項6または7記載のカラーフィルタ
    を備えることを特徴とする液晶ディスプレイ。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009013292A (ja) * 2007-07-04 2009-01-22 Sumitomo Chemical Co Ltd アゾ化合物又はその塩
JP2011153166A (ja) * 2010-01-26 2011-08-11 National Institute For Materials Science 水溶性フタロシアニン
WO2013132718A1 (ja) 2012-03-07 2013-09-12 富士フイルム株式会社 捺染用着色組成物、捺染方法、及び布帛
CN106414616A (zh) * 2014-03-08 2017-02-15 科莱恩国际有限公司 吡啶酮着色剂组合物
WO2018186182A1 (ja) * 2017-04-03 2018-10-11 Dic株式会社 カラーフィルタ用顔料組成物及びカラーフィルタ
CN109291644A (zh) * 2016-02-02 2019-02-01 东芝泰格有限公司 喷墨头

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