JP2003041165A - インクおよびカラーフィルタとその製造方法 - Google Patents

インクおよびカラーフィルタとその製造方法

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JP2003041165A
JP2003041165A JP2001225785A JP2001225785A JP2003041165A JP 2003041165 A JP2003041165 A JP 2003041165A JP 2001225785 A JP2001225785 A JP 2001225785A JP 2001225785 A JP2001225785 A JP 2001225785A JP 2003041165 A JP2003041165 A JP 2003041165A
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ink
color filter
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hydrogen atom
water
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Yoshihisa Yamashita
佳久 山下
Masafumi Hirose
雅史 広瀬
Ryuta Kato
龍太 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性と色特性に優れるカラーフィルタを生
産性良く製造する方法とそのためのインク、安価で高品
位なカラーフィルタを提供する。 【解決手段】 水、水溶性有機溶剤、着色剤および硬化
性樹脂を含有するインクにおいて、着色剤として少なく
とも特定構造の青緑色染料と特定構造の紫色染料を含有
し、硬化性樹脂として二種類の特定構造の繰り返し単位
を有する水溶性の高分子化合物を含み、且つ、該高分子
化合物の酸価が140〜170mgKOH/gである。
基板上に上記インクを付与し、硬化させることにより着
色画素を形成する工程を有するカラーフィルタの製造方
法。上記インクの硬化物からなる着色画素を有するカラ
ーフィルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶カラーテレビ、
パーソナルコンピューター、カーナビゲーション、携帯
電話等に使用されているカラー液晶ディスプレイの主要
構成部品であるカラーフィルタに関し、更に詳述すれ
ば、インクジェット記録技術を利用して製造されるカラ
ーフィルタ用のインク、特には青インク、およびそれを
用いて製造される液晶ディスプレイ用カラーフィルタに
関する。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルタはカラー液晶ディスプレ
イの重要な構成部品で、透明基板上に赤(R)、緑
(G)、青(B)の三原色からなる極めて小さな画素を
繰り返し配列した構造をしている。
【0003】近年パーソナルコンピューター、特に携帯
用のパーソナルコンピューター市場の拡大にともない、
液晶ディスプレイ、特にカラー液晶ディスプレイの需要
が増加する傾向にある。しかしながら更なる普及のため
にはコストダウンが必要であり、特にコスト的に比重の
高いカラーフィルタのコストダウンに対する要求が高ま
っている。
【0004】従来から、カラーフィルタの要求特性を満
足しつつ上記要求に応えるべく種々の製造方法が試みら
れているが、いまだ全ての要求性能を満足する方法は確
立されていないのが現状である。
【0005】以下にカラーフィルタの代表的な製造方法
を説明する。
【0006】まず第1の方法は顔料分散法である。この
方法は、基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成
し、これをパターニングすることにより単色のパターン
を得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、
R,G,Bのカラーフィルタを得る方法である。
【0007】第2の方法は染色法である。染色法は、染
色用の材料である水溶性の高分子材料に感光剤を添加し
て感光性を付与したものを用いて、これをフォトリソグ
ラフィー工程により基板上に所望の形状にパターニング
した後、得られたパターンを染色浴に浸漬し着色パター
ンとする。これを3回繰り返してR,G,Bのカラーフ
ィルタを得る方法である。
【0008】第3の方法は電着法である。この方法はま
ず基板上に透明電極をパターニングする。次に顔料,樹
脂,電解液等の入った電着塗装液に浸漬し、第1の色を
電着する。この工程を3回繰り返して最後に焼成するこ
とによりR,G,Bのカラーフィルタを得る方法であ
る。
【0009】第4の方法は印刷法である。この方法は、
熱硬化性樹脂に顔料を分散させた塗料を3度の繰り返し
印刷により塗り分けた後、着色層である樹脂を加熱硬化
させR,G,Bのカラーフィルタを得る方法である。
【0010】またいずれの方法とも着色層の上に保護層
を形成するのが一般的である。
【0011】これらの方法に共通していることは、カラ
ーフィルタのR,G,Bのパターンを形成するために同
一工程を3回繰り返す必要があり、必然的にコスト高に
なることが避けられないという欠点があることである。
また製造工程が長く、その結果歩留りが低下するという
問題も同時に有している。
【0012】更に、第3の電着による方法では、形成可
能なパターン形成が限定されるために、現状の技術では
TFTカラーには適用できない、第4の印刷による方法
においては解像性、平滑性が悪く、高精彩化パターンが
形成できないという欠点もある。
【0013】これらの欠点を改良するために、インクジ
ェット方式を用いたカラーフィルタの製造方法が提案さ
れている(特開昭59−75205号公報、特開昭63
−235901号公報、特開平1−217302号公
報、特開平4−123005号公報など)。
【0014】これらは前述した製造方法とは異なり、
R,G,Bの3色の着色液(以下インク)をインクジェ
ットノズルより同時に噴射し、該インクを基板上で乾燥
させて画素を形成させるものである。この方法は、R,
G,Bの各着色層の形成自体を同時に行うことができ、
更にインクの使用量にも無駄が生じないため、大幅な生
産性の向上、コストダウン等の効果を期待できる優れた
製造方法である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コスト
ダウンに優れたインクジェット方式は現在、色材として
色特性に優れた水溶性の染料を使用することが主流であ
り、この際、顔料を使用した場合に比べて相対的に信頼
性、特に耐水性が劣るという問題があった。この耐水性
を向上させるためには熱硬化性樹脂の耐水性を向上させ
ることで改善可能であるが、こうすることで今度は染料
の持つ優れた色特性が損なわれるという問題があり、そ
のために耐水性と色特性を両立できる材料設計が要望さ
れていた。
【0016】本発明の目的は、インクジェット方式によ
り耐水性と色特性の両者に優れたカラーフィルタを生産
性良く製造可能とするためのカラーフィルタの製造方法
と、この方法に好適なインクを提供し、また安価で高品
位なカラーフィルタを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】従来よりカラーフィルタ
の色材として水溶性の染料を使用することは広く行われ
てきたが、染料を使用することの欠点の一つとして耐水
性の低さを問題視することが多かった。このため、通常
は着色される基材の方を工夫することで耐水性を改善す
るという方法がとられているが、基材による耐水性の向
上は染料の色特性を著しく低下させることも分かってい
る。これは元来水溶性である染料を、耐水性を向上させ
た基材つまり相対的に疎水性を高めた基材の着色に使用
するためであり、染料と基材の親和性の低下に起因する
問題であった。つまり、染料を用いる場合、耐水性の向
上と色特性の保持は、相反する本質的な課題であった。
【0018】本発明者らは鋭意研究の結果、染料と基材
の親和性を考えるとき、カルボキシル基またはスルホン
酸基の様な酸性の置換基を有する染料と、酸価がある限
定された範囲で表される高分子化合物からなる熱硬化性
樹脂の組み合わせが耐水性と色特性の両方を満足させる
ということを見出した。具体的には酸価について、モノ
マー組成比を変えながら酸価が32mgKOH/g〜2
60mgKOH/gの範囲で種々の高分子化合物を製造
し、評価した結果として、140mgKOH/g未満で
は染料の持つ色特性を発揮させることができず、170
mgKOH/gを超えると耐水性が極端に悪くなるとい
うことがわかり、それらを両立させる極めて限定された
範囲を見いだした。つまり、水、水溶性有機溶剤、カル
ボキシル基またはスルホン酸基を有する着色剤、熱硬化
性樹脂を必須成分とするカラーフィルタ用インクにおい
て、着色剤として少なくとも一般式(I)で示される青
緑色染料と一般式(II)で示される紫色染料(II)
を含有し、熱硬化性樹脂として一般式(III)で示さ
れる繰り返し単位と、一般式(IV)で示される繰り返
し単位を必須成分とする水溶性の高分子化合物を含み且
つ、その高分子化合物の酸価が140〜170mgKO
H/gであることを特徴とするカラーフィルタ用青イン
クを使用することで耐水性と色特性の両立が可能となる
ことを見出し、本発明に到達した。
【0019】すなわち本発明は、水、水溶性有機溶剤、
着色剤および硬化性樹脂を含有するインクにおいて、着
色剤として少なくとも下記一般式(I)で示される青緑
色染料と下記一般式(II)で示される紫色染料を含有
し、硬化性樹脂として下記一般式(III)で示される
繰り返し単位と下記一般式(IV)で示される繰り返し
単位とを有する水溶性の高分子化合物を含み、且つ、該
高分子化合物の酸価が140〜170mgKOH/gで
あることを特徴とするインクである。
【0020】
【化5】 (式(I)中、Mは水素原子、アルカリ金属またはNH
4を表し、Rは水素原子またはC1〜C4の直鎖状もし
くは分岐鎖状の炭化水素基を表し、xおよびyは各々独
立して1〜3の整数を表し、且つ、x+y≦4であ
る。)
【0021】
【化6】 (式(II)中、R1およびR2は各々独立して水素原子
またはC1〜C5の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基
を表し、Qは置換基がついても良いフェニル基を表
す。)
【0022】
【化7】 (式(III)中、Rは水素原子またはメチル基を表
し、nは1から8の整数を表す。)
【0023】
【化8】 (式(IV)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、
Mは水素原子、アルカリ金属またはNH4を表す。) 本発明のインクは、インクジェット記録用として好適で
ある。
【0024】また、カラーフィルタの着色画素形成用と
して好適である。
【0025】本発明はまた、基板上に着色画素を有する
カラーフィルタの製造方法において、基板上に上記イン
クを付与し、該付与されたインクを硬化させることによ
り着色画素を形成する工程を有することを特徴とするカ
ラーフィルタの製造方法である。この方法において、イ
ンクジェット法により前記インクを付与することが好ま
しい。
【0026】また本発明は、基板上に着色画素を有する
カラーフィルタにおいて、上記インクの硬化物からなる
着色画素を有することを特徴とするカラーフィルタであ
る。
【0027】本発明はさらに、上記インクを用いて製造
される液晶ディスプレイ用カラーフィルタである。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明におけるインクは、水、水
溶性有機溶剤、着色剤および硬化性樹脂を含有するイン
クにおいて、着色剤として少なくとも下記一般式(I)
で示される青緑色染料と下記一般式(II)で示される
紫色染料を含有し、硬化性樹脂として下記一般式(II
I)で示される繰り返し単位と下記一般式(IV)で示
される繰り返し単位とを有する水溶性の高分子化合物を
含み、且つ、該高分子化合物の酸価が140〜170m
gKOH/gであることを満足するものであれば、いず
れでも用いることができる。
【0029】
【化9】 (式(I)中、Mは水素原子、アルカリ金属またはNH
4を表し、Rは水素原子またはC1〜C4の直鎖状もし
くは分岐鎖状の炭化水素基を表し、xおよびyは各々独
立して1〜3の整数を表し、且つ、x+y≦4であ
る。)
【0030】
【化10】 (式(II)中、R1およびR2は各々独立して水素原子
またはC1〜C5の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基
を表し、Qは置換基がついても良いフェニル基を表
す。)
【0031】
【化11】 (式(III)中、Rは水素原子またはメチル基を表
し、nは1から8の整数を表す。)
【0032】
【化12】 (式(IV)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、
Mは水素原子、アルカリ金属またはNH4を表す。) 式(II)中のQは置換基がついても良いフェニル基で
あるが、ここで置換基とはクロル基,ブロム基などのハ
ロゲン基、メチル基,エチル基などの低級アルキル基、
水酸基、メトキシ基,エトキシ基などの低級アルコキシ
基、カルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられ、こら
れが各々独立して複数導入されていても良い。またその
中でも、色素としての溶解性を維持するために、カルボ
キシル基またはスルホン酸基であることが望ましい。
【0033】本発明のインクは青インクとして好適であ
り、特に液晶ディスプレイに用いられるカラーフィルタ
の青色の着色画素を形成するに好適である。
【0034】ここで言う青インクとは、ディスプレイの
光源中の青色光(波長430〜470nm付近)のみを
優先的に透過させるインクである。
【0035】本発明のインクに含まれる一般式(I)お
よび(II)で示される着色剤の具体例としては下記の
ものがあげられるがもちろんこれらに限定されるもので
はない。
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】
【化17】
【0041】
【化18】
【0042】
【化19】
【0043】
【化20】
【0044】
【化21】
【0045】
【化22】
【0046】
【化23】
【0047】
【化24】
【0048】
【化25】
【0049】
【化26】 また本発明のインクに含まれる着色剤の総量としては着
色剤の溶解性および溶解後のインクの粘度の観点から
0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは1〜1
0質量%、さらに好ましくは2〜8質量%の範囲であ
る。
【0050】硬化性樹脂は熱および/または光によって
硬化する樹脂であり、本発明のインクは、硬化性樹脂と
して、一般式(III)の繰り返し単位および一般式
(IV)の繰り返し単位を有する水溶性の高分子化合物
を含む。この高分子化合物は、式(IV)および(V)
の繰り返し単位に加えて他の繰り返し単位を有してもよ
く、例えば下記一般式(V)〜(VII)で示されるよ
うな繰り返し単位を含有しても良いがもちろんこれらに
限定されるものではない。また高分子化合物の分子量は
特に限定されるものではないが、インクを極度に増粘さ
せることのないよう、重量平均分子量で、好ましくは1
000〜30000、より好ましくは、2000〜10
000の範囲であることが望ましい。
【0051】
【化27】 (式(V)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R
1は炭素数1〜4の直鎖または分岐状のアルキル基を表
す)
【0052】
【化28】 (式(VI)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、
Mは水素原子、アルカリ金属またはNH4を表す)
【0053】
【化29】 (式(VII)中、Rは水素原子またはメチル基を表
し、Mは水素原子、アルカリ金属またはNH4を表す) また硬化性樹脂のインク中の含有量としては、インク中
で固着等の問題を起こさない範囲とすればよいが、硬化
性樹脂総量として1〜30質量%が好ましく、より好ま
しくは3〜20質量%、さらに好ましくは5〜15質量
%の範囲である。
【0054】また、上記式(III)および(IV)の
繰り返し単位を含む高分子化合物に加えて、硬化性樹脂
として本発明のインクの性能に悪影響を与えない範囲で
アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン樹脂等を併
用しても良い。
【0055】また、インクには水と水溶性有機溶剤が含
まれる。水溶性有機溶剤としては、グリセリン、エチレ
ングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プ
ロパンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレング
リコールモノ低級アルキルエーテル、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、
スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリ
ドン等が挙げられるがもちろんこれらに限定されるもの
ではない。
【0056】水溶性有機溶剤の含有量としては、好まし
くはインク中の5〜70重量%、より好ましくは20〜
50重量%であり、この範囲を下回るとインクジェット
インクとして使用した場合、ノズル中で目詰まりを起こ
しやすいという点で不利であり、またこの範囲を上回る
量を使用するとインクの粘度が極端に高くなりノズルか
らの吐出が困難になる傾向があるという点で不利であ
る。
【0057】また、インクには非イオン系、アニオン
系、カチオン系等の界面活性剤を用いても良く、他に
も、pH調整剤、防かび剤、保湿剤等の添加剤を必要に
応じて添加しても良い。
【0058】また、インクジェット方式としては、エネ
ルギー発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェ
ット(登録商標)タイプ、あるいは圧電素子を用いたピ
エゾジェットタイプ等が使用可能であり、着色面積およ
び着色パターンは任意に設定することができる。
【0059】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明
する。
【0060】図1は本発明のインクを用いた液晶ディス
プレイ用カラーフィルタの製造工程を示したものであ
り、液晶ディスプレイ用カラーフィルタの構成の1例が
示されている。
【0061】カラーフィルタの基板1として一般にガラ
ス基板が用いられるが、液晶ディスプレイ用カラーフィ
ルタとしての透明性、機械的強度等の必要特性を有する
ものであればガラス基板に限定されるものではない。
【0062】まず、ブラックマトリクス2が形成された
ガラス基板1を用意する(図1(a))。尚、ブラック
マトリクス形成方法としては、スパッタもしくは蒸着に
より金属薄膜を形成しフォトリソ工程によりパターニン
グする方法、黒色レジストをパターニングする方法等が
挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0063】次に、図1(b)に示すように、インクジ
ェット方式を利用して、インクジェットヘッド4から、
R、G、Bインク51,52,53がちょうど遮光部を
構成するブラックマトリクス2の間の光透過部(開口
部)55を埋めるようにして付与される。またこの際、
ブラックマトリクス2上で各色インクが重ならない範囲
でインクジェットされるのが好ましい。上記工程でBイ
ンクには本発明のインクを用いる。RおよびGインクと
してはインクジェットに用いることのできる公知の硬化
性インクを使用すればよい。
【0064】次いで、図1(c)に示すように熱処理、
光照射あるいは光照射と熱処理の両方を行なって着色部
54を硬化させ着色画素11を形成する。更に必要に応
じて、図1(d)に示すように着色部上に保護層6を設
け、カラーフィルタ9が製造される。保護層は樹脂組成
物を塗布し、光照射及び/又は熱処理により樹脂組成物
を硬化させて形成できる。
【0065】また更にその上には必要に応じ、スパッタ
等の成膜方法により透明電極層を設けることもある。
【0066】
【実施例】(製造例1〜10:硬化性樹脂用高分子化合
物(A1〜A10)の製造)下記の表1の仕込み比に従
い、常法のラジカル重合法により高分子化合物(A1〜
A10)の合成を行い、得られたそれぞれの高分子化合
物について滴定法により酸価を算出した。表中、部は質
量部を意味する。
【0067】
【表1】 HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート MAA:メタクリル酸 MMA:メタクリル酸メチル AMPS:2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロ
パンスルホン酸 p−StSA:p−スチレンスルホン酸。
【0068】(実施例1〜6)下記表2のインク組成比
に基づき、青インクを作製した。実施例1〜6において
使用した高分子化合物は、それぞれ製造例1〜6で作製
した高分子化合物(A1)〜(A6)である。これを用
い、60μm×150μmの開口部を有する樹脂製ブラ
ックマトリックスを備えたガラス基板上にインクジェッ
トプリンターを用いて描画することで青の着色パターン
を作製した。次いでオーブンを用い230℃,50分で
キュアをおこなうことにより硬化反応を進行させた。
【0069】この基板のある特定の番地の画素について
下記に示す評価方法で耐水性と色特性を評価した。その
結果を表3に示す。
【0070】
【表2】 (比較例1〜4)それぞれ製造例7〜10で作製した高
分子化合物(A7)〜(A10)を使用した以外は実施
例1〜6と同じように青インクを作製し、着色パターン
を作製し、同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0071】評価方法 1.耐水性 硬化反応終了後の基板を用い、基板を純水に5分浸漬し
た際の、浸漬前後の同一画素を顕微分光機(商品名OS
P−200:オリンパス社製)を用いて色度を測定し、
色差(ΔE)を算出し、以下の基準で評価をつけた。
尚、光源には標準C光源を使用した。 A:ΔEが1未満 B:ΔEが1以上で3未満 C:ΔEが3以上。
【0072】2.色特性 CIE標準表色系であるYxy表色系に基づき、顕微分
光機(商品名OSP−200:オリンパス社製)を使用
した画素のY値の大小を見ることで評価した。尚、光源
には標準C光源を使用した。
【0073】
【表3】
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、上記のインクを使用す
ることで、耐水性と色特性を両立したカラーフィルタを
生産性良く製造できる。即ち、本インクは、水溶性の染
料を使用していながらもカラーフィルタとして十分な耐
水性を有し、さらに染料が持っている優れた色特性を損
なわないという点において、極めて高性能なカラーフィ
ルタを安定に生産することを満足させるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラーフィルタの製造工程を示す模式図であ
る。
【符号の説明】 1.透明基板 2.ブラックマトリクス 4.インクジェット記録ヘッド 6.保護層 9.カラーフィルタ 11.着色画素部 51.赤(R)インク 52.緑(G)インク 53.青(B)インク 54.着色部位 55.開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09B 67/22 G02B 5/20 101 4J039 G02B 5/20 101 G02F 1/1335 505 G02F 1/1335 505 B41J 3/04 101Y (72)発明者 加藤 龍太 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 FC01 2H048 BA02 BA11 BA64 BB02 BB42 2H086 BA52 BA53 BA56 BA59 BA60 2H091 FA02Y FA35Y FB03 FB12 FC12 FC22 FD04 GA01 GA13 GA16 LA12 LA15 4H056 BA02 BB05 BB12 BD01 BF26F BF29F 4J039 AD09 AD10 BA29 BC07 BC09 BC12 BC13 BC31 BC33 BC36 BC50 BC54 BC55 BC60 BC68 BC77 BE02 BE12 EA14 EA16 EA20 EA21 EA38 FA04 GA24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、水溶性有機溶剤、着色剤および硬化
    性樹脂を含有するインクにおいて、着色剤として少なく
    とも下記一般式(I)で示される青緑色染料と下記一般
    式(II)で示される紫色染料を含有し、硬化性樹脂と
    して下記一般式(III)で示される繰り返し単位と下
    記一般式(IV)で示される繰り返し単位とを有する水
    溶性の高分子化合物を含み、且つ、該高分子化合物の酸
    価が140〜170mgKOH/gであることを特徴と
    するインク。 【化1】 (式(I)中、Mは水素原子、アルカリ金属またはNH
    4を表し、Rは水素原子またはC1〜C4の直鎖状もし
    くは分岐鎖状の炭化水素基を表し、xおよびyは各々独
    立して1〜3の整数を表し、且つ、x+y≦4であ
    る。) 【化2】 (式(II)中、R1およびR2は各々独立して水素原子
    またはC1〜C5の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基
    を表し、Qは置換基がついても良いフェニル基を表
    す。) 【化3】 (式(III)中、Rは水素原子またはメチル基を表
    し、nは1から8の整数を表す。) 【化4】 (式(IV)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、
    Mは水素原子、アルカリ金属またはNH4を表す。)
  2. 【請求項2】 インクジェット記録用である請求項1記
    載のインク。
  3. 【請求項3】 カラーフィルタの着色画素形成用である
    請求項1または2記載のインク。
  4. 【請求項4】 基板上に着色画素を有するカラーフィル
    タの製造方法において、基板上に請求項1記載のインク
    を付与し、該付与されたインクを硬化させることにより
    着色画素を形成する工程を有することを特徴とするカラ
    ーフィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】 インクジェット法により前記インクを付
    与する請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 基板上に着色画素を有するカラーフィル
    タにおいて、請求項1記載のインクの硬化物からなる着
    色画素を有することを特徴とするカラーフィルタ。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のインクを用いて製造さ
    れる液晶ディスプレイ用カラーフィルタ。
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