JPH1017798A - 磁性塗料用触媒および磁気記録媒体 - Google Patents

磁性塗料用触媒および磁気記録媒体

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JPH1017798A
JPH1017798A JP8193838A JP19383896A JPH1017798A JP H1017798 A JPH1017798 A JP H1017798A JP 8193838 A JP8193838 A JP 8193838A JP 19383896 A JP19383896 A JP 19383896A JP H1017798 A JPH1017798 A JP H1017798A
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magnetic
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organic acid
acid
quaternary ammonium
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JP8193838A
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Takashi Takemoto
隆志 竹本
Toshiro Shimada
寿郎 島田
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のものに比べて磁性塗料のポットライフ
が長く、しかも耐久性の良い磁気記録媒体をを与える磁
性塗料用触媒を提供する。 【解決手段】 特定の構造を有する第4級アンモニウム
有機酸塩からなる磁性塗料用触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープ、磁気
カ−ド、磁気ディスクなどの磁気記録媒体の製造に用い
られる触媒およびその触媒を用いた磁気記録媒体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】通常、磁性塗料は、例えば磁性粉、バイ
ンダー、架橋剤(たとえばポリイソシアネート化合物)
および溶剤から構成されている。また、これら以外に架
橋剤の硬化反応を促進する目的で触媒が添加されてい
る。該触媒としては、錫系触媒(オクチル酸錫、ジブチ
ル錫ジラウレートなど)、鉛系触媒(オクチル酸鉛な
ど)などの公知のウレタン化触媒が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ものを使用すると磁性塗料のポットライフが短くなり、
塗料粘度も高くなり易く、塗料の塗布が困難になるとい
う問題点を有していた。本発明の目的は、磁性塗料のポ
ットライフが長く、しかも塗布・乾燥後の硬化促進効果
の高い触媒を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、第4級アンモニウム
有機酸塩からなる触媒を用いることにより、磁性塗料の
ポットライフが長く、しかも耐久性に優れた磁気記録媒
体が得られることを見い出し、本発明に到達した。すな
わち本発明は、下記一般式(1)
【0005】
【化2】
【0006】[式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖
もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただ
し、R1〜R3のうちのいずれか2個が必要によりOまた
はN原子を介して複素環を形成していてもよい。)を表
し、R4は炭素数1〜8のアルキル基または芳香族炭化
水素基を表す。Xは有機酸基を表す。]で示される第4
級アンモニウム有機酸塩(A)からなる磁性塗料用触
媒;並びに該触媒を含有してなる磁性塗料を非磁性支持
体に塗布してなる磁性層を有する磁気記録媒体である。
【0007】
【発明の実施の形態】上記一般式(1)において、R1
〜R3の炭素数はそれぞれ独立に通常1〜11、好まし
くは1〜8である。炭素数が11を越えるものでは触媒
活性が不十分となる。また、R4の炭素数は通常1〜
8、好ましくは1〜4である。炭素数が8を越えるもの
は工業的な製造が困難となる。また、上記一般式(1)
において、R1〜R4がすべて同一の場合は、得られる
(A)の結晶性が高いため、樹脂成分や溶剤への溶解性
が低下し、作業時取り扱いにくい問題が生じる。従って
1〜R4の少なくともいずれか1個は、炭素数が異なる
ことが望ましい。
【0008】(A)の製造方法としては、例えば第4
級アンモニウム・ハイドロオキサイドと有機酸とを反応
させる方法、第3級アミンを炭酸ジエステルと反応さ
せて得られる第4級アンモニウム炭酸塩と、有機酸とを
アニオン交換反応させる方法などが挙げられるが、反応
工程で混入するハロゲン元素やアルカリ(土類)金属を
含まない点で、の製造方法が好ましい。
【0009】前記製造法において使用する炭酸ジエス
テルとしては、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチ
ルメチル、炭酸ジプロピルなどが挙げられ、特に好まし
いものは炭酸ジメチルである。
【0010】該製造法における第3級アミンと炭酸ジ
エステルの反応モル比は、通常1:(0.3〜4)であ
る。反応に際しては必要により反応溶媒(メタノール、
エタノールなど)を使用してもよい。反応温度は通常3
0〜150℃、好ましくは50〜100℃である。
【0011】第4級アンモニウム炭酸塩(イ)と有機酸
(ロ)とのアニオン交換反応は、溶媒の存在下または非
存在下で行えばよく、副生する炭酸ガスおよび必要によ
りアルコールを反応系から適宜除くことにより、第4級
アンモニウム有機酸塩(A)を定量的に得ることが出来
る。反応後、必要により反応溶媒を留去してそのまま用
いるか、あるいは水溶液や有機溶媒[メタノール、エタ
ノール、アセトン、(ポリ)エチレングリコール、(ポ
リ)プロピレングリコール、γ−ブチロラクトン、N−
メチルピロリドンなど]溶液として用いることができ
る。
【0012】上記(イ)と(ロ)とのアニオン交換反応
において、(ロ)の量は、(イ)1モルに対して0.5
〜4.0モルが好ましく、得られた(A)のpH(水溶
液または有機溶媒溶液)が6.5〜7.5になるような
配合比でアニオン交換反応を行うことが特に好ましい。
【0013】(A)を構成する第3級アミンとしては、
脂肪族アミン類(トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミ
ン、トリ−n−オクチルアミン、ジエチル−1−プロピ
ルアミンなど);脂環式アミン類(N−メチルピロリジ
ン、N−エチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N
−エチルピペリジン、N−メチルヘキサメチレンイミ
ン、N−エチルヘキサメチレンイミン、N−メチルモル
ホリン、N−ブチルモルホリン、N,N’−ジメチルピ
ペラジン、N,N’−ジエチルピペラジン、1,5−ジ
アザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン、1,8−ジ
アザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、ピリジ
ン、4−ジメチルアミノピリジン、ピコリン類、1−メ
チルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、
1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾール、1,2−
ジメチルイミダゾリン、1,2,4−トリメチルイミダ
ゾリン、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾリンな
ど);およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうちで好ましいものは、脂肪族アミンのうちの
トリメチルアミンおよびトリエチルアミン;ならびに脂
環式アミン類のうちの1,5−ジアザビシクロ[4,
3,0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5,
4,0]−7−ウンデセンおよび1,2,4−トリメチ
ルイミダゾリンである。
【0014】(A)を構成する有機酸としては、脂肪族
モノカルボン酸[蟻酸、酢酸、オクチル酸、2−エチル
ヘキサン酸など);脂肪族ポリカルボン酸(蓚酸、マロ
ン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸など);芳香
族モノカルボン酸(安息香酸、トルイル酸、エチル安息
香酸など);芳香族ポリカルボン酸(フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸、トリメリット
酸など);フェノール化合物(フェノール、レゾルシン
など);スルホン酸化合物(アルキルベンゼンスルホン
酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など);
リン酸エステル化合物などが挙げられる。該有機酸は1
種または2種以上の混合物として用いることができる。
これらのうち好ましいものは脂肪族カルボン酸化合物お
よび芳香族カルボン酸化合物であり、特に好ましいもの
はオクチル酸および蟻酸である。
【0015】(A)として特に好ましいものは、メチル
トリエチルアンモニウム・オクチル酸塩、N−8−メチ
ル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウン
デセン・オクチル酸塩および1,2,3,4−テトラメ
チルイミダゾリニウム・オクチル酸塩である。
【0016】(A)の添加量は、磁性塗料に用いられる
バインダーと架橋剤の合計重量に対して通常0.01〜
3.0重量%、好ましくは0.05〜2重量%である。
(A)の添加量が0.01重量%未満では、塗布・乾燥
後の硬化促進作用が弱く、磁性層の耐久性が不十分とな
り、3.0重量%を越えるとポットライフが短くなり、
塗料の保存安定性が悪くなる。
【0017】本発明における磁性塗料に用いられるバイ
ンダーとしては、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体、塩
化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステ
ル・アクリロニトリル共重合体、ポリフッ化ビニル、塩
化ビニリデン・アクリロニトリル共重合体、ポリアミド
樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、ポリ
ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブタジエンなど
の合成ゴム系熱可塑性樹脂などが挙げられる。これらの
樹脂は単独あるいは2種以上を併用して用いても良い。
【0018】上記バインダーは、樹脂中に極性基として
カルボキシル基、スルホン酸基、スルファミン酸基、燐
酸基またはこれらの金属塩(ナトリウム、カリウムな
ど)および/または第4級アンモニウム塩、アミノ基、
スルホベタイン基および水酸基などの官能基を含有して
いても良い。
【0019】本発明における架橋剤は、磁気記録媒体の
磁性層の強度向上の目的のために用いられる。該架橋剤
としては、例えばポリイソシアネート(TDI,MDI
など)と活性水素化合物(低分子ポリオール、ポリアミ
ン、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール
など)とからのNCO基末端プレポリマー[例えば、
「コロネートL」(日本ポリウレタン工業製)、「コロ
ネートHL」(日本ポリウレタン工業製)]などが挙げ
られる。
【0020】バインダーと架橋剤の配合割合は、バイン
ダー100重量部に対して架橋剤が通常3〜80重量部
である。
【0021】本発明の磁気記録媒体は、バインダー、磁
性粉、硬化剤、溶剤、添加剤および本発明の触媒を混合
・分散し、得られる磁性塗料を非磁性支持体上に塗布し
て磁性層を形成させることにより得られる。また、本発
明の触媒は、磁性層とは反対側のバックコート層用の塗
料用触媒としても使用することができる。
【0022】磁性塗料に使用する磁性粉としては、通常
用いられる酸化鉄〔例えばγ−Fe23(γ−ヘマタイ
ト)〕、CrO3(三酸化クロム)、合金系の磁性体
〔例えばCo−γ−Fe23(コバルトフェライトまた
はコバルトドープγ−酸化鉄)、Fe−Co−Cr〕、
純鉄Fe(メタルパウダー)、窒化鉄および炭化鉄など
が挙げられる。
【0023】磁性塗料の添加剤としては、公知の分散
剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤などが挙げら
れる。
【0024】分散剤としては、炭素数12〜18個の脂
肪酸(カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エラ
イジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸な
ど);金属石鹸[前記の脂肪酸のアルカリ金属(カリウ
ム、ナトリウムなど)塩およびアルカリ土類金属(マグ
ネシウム、カルシウム、バリウムなど)塩]などが挙げ
られる。
【0025】潤滑剤としては、ジアルキルポリシロキサ
ン(アルキルは炭素数1〜5個)、ジアルコキシポリシ
ロキサン(アルコキシは炭素数1〜4個)、モノアルキ
ルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭素数1
〜5、アルコキシは炭素数1〜4個)、フェニルポリシ
ロキサン、フロロアルキルポリシロキサン、シリコンオ
イル、導電性微粉末(グラファイトなど)、無機粉末
(二硫化モリブデン、二硫化タングステンなど)、プラ
スチック微粉末、脂肪酸エステル類、フルオロカーボン
類などが挙げられる。
【0026】研磨剤としては、アルミナ、炭化珪素、酸
化クロム、コランダム、人造コランダム、ダイヤモン
ド、人造ダイヤモンドなどが挙げられる。
【0027】帯電防止剤としては、導電性粉末(カーボ
ンブラック、カーボンブラックグラフトポリマーな
ど)、天然界面活性剤(サポニンなど)、ノニオン型界
面界面活性剤(アルキレンオキサイド系、グリセリン
系、グリシドール系など)、カチオン型界面活性剤(高
級アルキルアミン類、第四級アンモニウム塩類、ピリジ
ンその他の複素環類、ホスホニウム類など)、アニオン
型界面活性剤(カルボン酸型、スルホン酸型、リン酸
型、硫酸エステル基型、燐酸エステル基型など)、両性
界面活性剤(アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノ
アルコールの硫酸または燐酸エステル類など)などが挙
げられる。
【0028】防錆剤としては、燐酸、スルフィド、グア
ニジン、ピリジン、アミン、尿素、ジンククロメート、
カルシウムクロメート、ストロンチウムクロメートなど
が挙げられる。また、特にジシクロヘキシルアミンナイ
トライト、シクロヘキシルアミンクロメート、ジイソプ
ロピルアミンナイトライト、ジエタノールアミンホスフ
ェート、シクロヘキシルアンモニウムカーボネート、プ
ロピレンジアミンステアレート、グアニジンカーボネー
ト、トリエタノールアミンナイトライト、モルフォリン
ステアレートなどの気化性防錆剤(アミン、アミドまた
はイミドの無機酸塩または有機酸塩)を使用すると防錆
効果が向上する。
【0029】磁性塗料に用いられる溶媒としては、エス
テル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、エーテル
系溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、ケト
ン系溶媒(シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルルケトンなど)、芳香族炭化水素系溶媒
(トルエン、キシレンなど);およびこれらの2種以上
の混合溶媒が挙げられる。これらのうち好ましいものは
ケトン系溶媒と芳香族炭化水素系溶媒との混合溶媒であ
る。この場合、上記溶媒の使用量は、磁性塗料中の固形
分含量が通常20〜80重量%となる範囲である。
【0030】磁気記録媒体を構成する非磁性支持体の素
材としては、ポリエステル類(ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなど);ポ
リオレフィン類(ポリエチレン、ポリプロピレンな
ど);セルロース誘導体(セルローストリアセテート、
セルロースダイアセテート、セルロースダイアセテー
ト、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセ
テートプロピオネートなど);ビニル系樹脂(ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデンなど);その他のプラスチ
ック(ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミ
ドなど);非磁性金属類(アルミニウム、銅、スズ、亜
鉛またはこれらを含む非磁性合金など);セラミック類
(ガラス、陶器、磁器など);オレフィン類(バライ
タ、ポリエチレン、エチレン−ブテン共重合体など)を
塗布またはラミネートした紙などが挙げられる。また、
非磁性支持体の形態はフイルム、テープ、シート、ディ
スク、カード、ドラムなどのいずれでもよい。非磁性支
持体上に塗布する磁性層の厚さは、乾燥膜厚で通常0.
1〜50μmである。
【0031】磁気記録媒体(磁気テープなど)を製造す
る方法としては、たとえばバインダー、磁性粉、溶媒お
よび必要により添加剤を予めプレミキサーなどで混合し
たのち、混合分散機(ボールミル、ペイントコンディシ
ョナー、サンドグラインダー、サンドミル、プラストミ
ルなど)で磁性体を分散させて磁性塗料を作成し、これ
に架橋剤および触媒を配合したのち、この磁性塗料を、
ドクターブレード法、転写印刷法(グラビア法、リバー
スロール法など)の方法により非磁性支持体に塗布後、
配向、乾燥、表面加工、切断、巻取りなどの工程を経て
磁気記録媒体とする方法が例示できる。
【0032】磁気記録媒体は、非磁性支持体と磁性層
(磁性粉およびバインダーなど)からなるものが一般的
であるが、非磁性支持体と磁性層の間に中間層(下塗
層、アンダーコート層)を設けたもの、非磁性支持体の
両面に磁性層を有するもの、磁気特性の異なる磁性層を
重積したもの、磁性層の上に保護層を設けたもの、非磁
性支持体にバックコート層を設けたものなどであっても
よい。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて、部は重量部を示す。
【0034】製造例1[第4級アンモニウム・有機酸塩
の製造] 攪拌式オートクレーブにトリエチルアミン(1モル)、
炭酸ジメチル(1.5モル)および溶媒としてメタノー
ル(2.0モル)を仕込み、反応温度110℃にて12
時間反応させメチルトリエチルアンモニウムメチルカー
ボネートのメタノール溶液を得た。このものにオクチル
酸(1モル)を仕込み、副生する炭酸ガスおよびメタノ
ールを除くことによってメチルトリエチルアンモニウム
・オクチル酸塩(第4級アンモニウム有機酸塩)(A−
1)を得た。
【0035】実施例1 下記の組成物をペイントコンディショナーで混合、分散
させて磁性塗料を作成した。 Co−γ−Fe23微粉末 100部 ポリウレタン樹脂 10部(固形分換算) (商品名:N−2301;日本ポリウレタン社製) 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 (商品名:VAGH;UCC社製) 10部 レシチン 1部 メチルエチルケトン 75部 トルエン 75部 得られた磁性塗料に硬化剤[「コロネートL」(日本ポ
リウレタン工業製)、トリメチロールプロパンのトリレ
ンジイソシアネート3モル付加物]を5部添加し、10
分間混合した。さらに該混合物に製造例1で得た(A−
1)を0.075部を加え、5分間混合した。得られた
磁性塗料(B−1)をポリエステルフィルムに塗布し
(乾燥膜厚5μ)、1,000Oeの磁場をかけて配向
させ、テープを得た。更に、このテープをカレンダーロ
ールで処理し、磁気テープ(C−1)を得た。
【0036】比較例1 実施例1の(A−1)の代わりにオクチル酸錫0.02
5部を使用した以外は実施例1と同様にして磁性塗料
(B−2)および磁気テープ(C−2)を得た。
【0037】比較例2 実施例1の(A−1)の代わりにオクチル酸鉛0.02
5部を使用した以外は実施例1と同様にして磁性塗料
(B−3)および磁気テープ(C−3)を得た。
【0038】試験例1 実施例1、比較例1および2で得られた磁性塗料のポッ
トライフを測定した。ポットライフは、25℃保存で、
塗料粘度が1万cPに達する時間とした。この数値が大
きい程、磁性塗料の保存安定性が優れている。
【0039】
【表1】
【0040】試験例2 実施例1、比較例1および2で得られた磁気テープの耐
久性を測定した。その結果を表2に示す。学振式摩擦堅
牢度試験機(大栄化学精機製作所製)で100gの荷重
で30回摩擦後の粉落ち量を示した。粉落ち量が少ない
程、磁気テープの耐久性が良好であることを示す。
【0041】
【表2】
【0042】試験例3 実施例1、比較例1および2で得られた磁気テープの磁
性粉の分散性を見るため表面光沢度を測定した。その結
果を表3に示す。光沢計は日本電色工業製デジタル変角
光沢計を用い、75゜の正反射率を測定した。数値は標
準板の反射率を95とした場合と比較し、相対値(%)
で表示した。
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】本発明の磁性塗料用触媒は、従来のもの
に比べて、次のような効果を奏する。 (1)本発明の触媒を用いた磁性塗料はポットライフが
長く作業性に優れる。 (2)本発明の触媒を用いた磁性塗料は硬化性が良好で
あり、得られる磁気記録媒体の耐久性が優れる。 (3)磁性体の分散性も良好であり、得られる磁気テー
プの磁気特性をさらに向上できる。 (4)磁気テープ製造時のカレンダー性が優れている。 (5)支持体フィルムに対する密着性に優れている。 (6)本発明の触媒は、重金属を含まないため環境汚染
の心配がない。 上記効果を奏することから本発明の触媒は、たとえばオ
ーディオテープ、ビデオテープ、コンピューターテー
プ、データーレコーダーテープ、メタルテープ、メタル
ディスク、磁気カードなどの磁性塗料用触媒として有用
である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 [式中、R1〜R3は炭素数1〜11の直鎖もしくは分岐
    の、飽和もしくは不飽和炭化水素基(ただし、R1〜R3
    のうちのいずれか2個が必要によりOまたはN原子を介
    して複素環を形成していてもよい。)を表し、R4は炭
    素数1〜8のアルキル基または芳香族炭化水素基を表
    す。Xは有機酸基を表す。]で示される第4級アンモニ
    ウム有機酸塩(A)からなる磁性塗料用触媒。
  2. 【請求項2】 (A)が、第3級アミンと炭酸ジエステ
    ルとを反応させてなる第4級アンモニウム炭酸塩と有機
    酸とのアニオン交換反応によって得られる第4級アンモ
    ニウム有機酸塩である請求項1記載の磁性塗料用触媒。
  3. 【請求項3】 第3級アミンが、トリメチルアミン、
    トリエチルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,
    0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,
    0]−7−ウンデセンおよび1,2,4−トリメチルイ
    ミダゾリンからなる群から選ばれる少なくとも1種であ
    る請求項2記載の磁性塗料用触媒。
  4. 【請求項4】 (A)を構成する有機酸が、脂肪族モノ
    カルボン酸、脂肪族ポリカルボン酸、芳香族モノカルボ
    ン酸および芳香族ポリカルボン酸からなる群から選ばれ
    る少なくとも1種である請求項1〜3いずれか記載の磁
    性塗料用触媒。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4項記載の触媒を含有してな
    る磁性塗料を非磁性支持体に塗布してなる磁性層を有す
    る磁気記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013091767A (ja) * 2011-04-28 2013-05-16 Tosoh Corp 4級アンモニウム塩を含有するブロック剤解離触媒及びその用途
US9518072B2 (en) 2011-12-02 2016-12-13 Dow Corning Corporation Ester-functional silanes and the preparation and use thereof; and use of iminium compounds as phase transfer catalysts

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