JP2726512B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2726512B2 JP23119589A JP23119589A JP2726512B2 JP 2726512 B2 JP2726512 B2 JP 2726512B2 JP 23119589 A JP23119589 A JP 23119589A JP 23119589 A JP23119589 A JP 23119589A JP 2726512 B2 JP2726512 B2 JP 2726512B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は磁気記録媒体に関し、さらに詳しく言うと、
スチル耐久性が向上しているとともに、走行耐久性、滑
り性、摺動ノイズ等の特性バランスに優れた磁気記録媒
体に関する。
[従来技術および発明が解決しようとする課題] 情報処理機器における記録・再生素子として有用な磁
気記録媒体には、電磁変換特性が高度かつ精密であるこ
と、良好な走行性、耐久性および耐用性を保証する組成
物性であることなどが要求され、特にこれらの特性をバ
ランスよく保つことが求められている。
たとえばスチル耐久性を例にとると、スチル耐久性を
向上させるためには脂肪酸エステルを磁性層の表面に存
在させればよい。
ところで、スチル耐久性の向上に有用な脂肪酸エステ
ルは極性を有するので、磁性層塗布液中では極性の高い
強磁性粉末に多くつき易いことが知られている。
したがって、磁性層表面に脂肪酸エステルを多く存在
させてスチル耐久性の向上を図るためには、磁性層塗布
液中に脂肪酸エステルを多く加える必要がある。
しかしながら、磁性層塗布液中に脂肪酸エステルを多
く加えると、塗膜が必要以上に軟らかくなり、スチル耐
久性が向上するのと同時に走行耐久性、特に高温高湿下
での走行耐久性が劣化してしまう傾向が顕著になるとい
う不都合がある。
また、磁性層表面に脂肪酸エステルを多く存在させた
磁気記録媒体において、長時間走行させると、表面に存
在する脂肪酸エステルは徐々に損失して向上したスチル
耐久性を維持することができないという問題もある。
本発明は前記の事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、スチル耐久性が向上しているととも
に、走行耐久性、滑り性、摺動ノイズ等の特性バランス
に優れた磁気記録媒体を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記課題を解決するために本発明者が鋭意検討を重ね
た結果、複数の磁性層を有するとともに、各磁性層の含
有する脂肪酸エステルが特定の量的関係を満たす磁気記
録媒体は、スチル耐久性が向上しているとともに、走行
耐久性、滑り性、摺動ノイズ等の特性バランスに優れて
いることを見い出して本発明に到達した。
請求項1記載の発明の構成は、非磁性支持体上に強磁
性粉末と結合剤とを含有するn層(ただし、nは2以上
の整数を表わす。)の磁性層を前記非磁性支持体側から
第1磁性層、第2磁性層、・・・、第n磁性層(ただ
し、nは2以上の整数を表わす。)の順に有し、前記第
n磁性層の表面に存在する脂肪酸エステル量(Es)が7m
g/m2以上150mg/m2以下であるとともに、前記第n磁性層
の表面に存在する脂肪酸エステル量(Es)と、各磁性層
中で遊離している脂肪酸エステルの総量(Ef)と、各磁
性層中で前記強磁性粉末に吸着している脂肪酸エステル
の総量(Ea)とが、次式[I]; Es≧Ef≧Ea ・・・[I] で表わされる関係を満たすことを特徴とする磁気記録媒
体であり、 請求項2記載の発明の構成は、さらに前記第n磁性層
中で遊離している脂肪酸エステル量(Ep)と第(n−
1)磁性層から第1磁性層までの各磁性層中で遊離して
いる脂肪酸エステルの夫々の層における量(Eq)とが、 次式[II]; Ep≧Eq ・・・[II] で表わされる関係を満たす請求項1記載の磁気記録媒体
である。
以下に本発明の磁気記録媒体について、磁性層、非磁
性支持体等に分けて詳述する。
(磁性層) 本発明の磁気記録媒体は、それぞれが強磁性粉末と結
合剤とを含有するn層(ただし、nは2以上の整数を表
わす。)の磁性層を非磁性支持体上に有する。
磁性層は、前記強磁性粉末を結合剤中に分散してなる
層である。
前記強磁性粉末としては、たとえばCo被着γ−Fe2O3
粉末、Co被着Fe3O4粉末、Co被着FeOx(4/3<x<3/2)
粉末、あるいはFe−Al金属粉末、Fe−Ni金属粉末、Fe−
Al−Ni金属粉末、Fe−Al−P金属粉末、Fe−Ni−Si−Al
金属粉末、Fe−Ni−Si−Al−Mn金属粉末、Ni−Co金属粉
末、Fe−Mn−Zn金属粉末、Fe−Ni−Zn金属粉末、Fe−Co
−Ni−Cr金属粉末、Fe−Co−Ni−P金属粉末、Co−Ni金
属粉末およびCo−P金属粉末等の強磁性金属粉末などが
挙げられる。
これらの中でも、好ましいのはCo被着γ−Fe2O3粉末
である。
前記強磁性粉末の抗磁力(Hc)は、通常、500エルス
テッド以上、好ましくは600エルステッド以上である。
前記強磁性粉末のBET法による比表面積は、通常、35m
2/g以上、好ましくは40〜80m2/gである。
前記強磁性粉末の形状については特に制限はなく、例
えば、針状、球状あるいは楕円体状などのものをいずれ
も使用することができる。
本発明においては前記結合剤がウレタン系樹脂を含有
していることが好ましい。
前記ウレタン系樹脂は、通常はポリイソシアネートと
ポリオールとの反応によって合成することができる。
前記ウレタン系樹脂の合成に用いることのできる前記
ポリイソシアネートとしては、たとえばトリレンジイソ
シアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート
(NDI)、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフェニレンジイ
ソジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネ
ート(XDI)、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート(水素化MDI)、粗製TDI、ポリメチレン・ポリ
フェニル・イソシアネート(粗製MDI)、イソホロンジ
イソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート(HDI)、水素化キシリレンジイソシアネート(HXD
I)などのほか、これらのイソシアネート類のイソシア
ヌレート化変性品、カルボジイミド化変性品、ビューレ
ット化変性品などが挙げられる。
これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を混
合して使用しても良い。
前記ポリオールとしては、たとえばフタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、マレイン酸、コハク酸、アジピ
ン酸、セバシン酸等の有機二塩基酸と、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、
ポリエチレングリコール等のグリコール類;トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオ
ール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アル
コール類;ハイドロキノン、ビスフェノールA等の多価
フェノール類;前記のグリコール類、多価アルコール類
および多価フェノール類の中から選ばれた2種以上のポ
リオールの反応によって合成されるポリエステルポリオ
ール;s−カプロラクタム、α−メチル−1−カプロラク
タム、s−メチル−s−カプロラクタム、γ−ブチロラ
クタム等のラクタム類から合成されるラクタム系ポリエ
ステルポリオール;エチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド、ブチレンオキサイド等から合成されるポリエ
ーテルポリオールなどが挙げられる。
これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を混
合して使用しても良い。
前記ウレタン系樹脂は末端がイソシアネート基、ヒド
ロキシル基およびカルボキシル基のうちの少なくともい
ずれかであるウレタン樹脂またはウレタンポリマーであ
っても良いし、あるいは反応性末端基を含有しないウレ
タンエラストマーであっても良い。
前記ウレタン系樹脂の配合割合は、前記強磁性粉末10
0重量部に対して、通常、1〜200重量部、好ましくは1
〜50重量部である。この配合割合が1重量部未満である
と、前記強磁性粉末の分散性が充分に向上せず、磁気記
録媒体の電磁変換特性が低下することがある。一方、20
0重量部より多くしても、使用量の増加に見合う効果は
奏されないことがある。
前記結合剤は、前記ウレタン系樹脂とともに、たとえ
ば従来より磁気記録媒体に用いられている熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線照射硬化型樹脂
またはこれらの混合物などのその他の樹脂成分を使用す
ることができる。
前記熱可塑性樹脂としては、たとえば塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル
酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エ
ステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステ
ル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−
エチレン共重合体、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン−
アクリロニトリル共重合体、アクリロニトル−ブタジエ
ン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、
セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレー
ト)、セルロースダイアセテート、セルローストリアセ
テート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース
等)、スチレンブタジエン共重合体、ポリエステル樹
脂、クロロビニルエーテルアクリル酸エステル共重合
体、アミノ樹脂および合成ゴム系の熱可塑性樹脂などを
挙げることができる。
これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を組
み合せて使用しても良い。
前記熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、たとえ
ばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型
樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリ
コーン樹脂、アクリル系反応樹脂、高分子量ポリエステ
ル樹脂とイソシアネートプレポリマーとの混合物、メタ
クリル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーと
の混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、およびポリアミ
ン樹脂などが挙げられる。
これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を組
み合せて使用しても良い。
前記電子線照射硬化型樹脂としては、たとえば無水マ
レイン酸タイプ、ウレタンアクリルタイプ、エポキシア
クリルタイプ、ポリエステルアクリルタイプ、ポリエー
テルアクリルタイプ、ポリウレタンアクリルタイプ、ポ
リアミドアクリルタイプ等の不飽和プレポリマー;エー
テルアクリルタイプ、ウレタンアクリルタイプ、エポキ
シアクリルタイプ、燐酸エステルアクリルタイプ、アリ
ールタイプおよびハイドロカーボンタイプ等の多官能モ
ノマーなどが挙げられる。
これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を組
み合せて使用しても良い。
前記ウレタン系樹脂と前記のその他の樹脂成分とを組
み合わせて使用する場合の配合割合は、(ウレタン系樹
脂):(その他の樹脂成分)との重量比で、通常、9:1
〜1:9、好ましくは8:2〜2:8である。この配合割合が前
記範囲を外れると、本発明の磁気記録媒体における磁性
層の電極変換特性が低下したり、前記強磁性粉末の分散
性が低下したりすることがある。
本発明においては、前記ウレタン系樹脂または前記ウ
レタン系樹脂と前記その他の樹脂成分との混合物をその
まま使用して結合剤としても良いが、さらに、前記ウレ
タン系樹脂または前記ウレタン系樹脂と前記のその他の
樹脂成分との混合物と共に硬化剤を用いて結合剤として
も良い。
前記硬化剤としては、たとえばポリイソシアネート化
合物(例、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサ
ンジイソシアネートおよびこれらのポリイソシアネート
化合物と3価ポリオールとの付加体、ジイソシアネート
の5量体、トリレンジイソシアネート3モルとトリメチ
ロールプロパン1モルの付加体、メタキシリレンジイソ
シアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルの付
加体、トリレンジイソシアネートの5量体)などが挙げ
られる。
これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を組
み合せて使用しても良い。
前記磁性層における前記強磁性粉末と前記結合剤(前
記硬化剤を使用する場合には、硬化剤を含む)との配合
割合は、前記強磁性粉末100重量部に対して、通常、結
合剤5〜400重量部、好ましくは10〜200重量部である。
結合剤の配合量が多すぎると、結果的に強磁性粉末の配
合量が低くなり磁気記録媒体の記録密度が低下すること
があり、少なすぎると、磁性層の強磁性が低下して磁気
記録媒体の走行耐久性が減退することがある。
本発明の磁気記録媒体における磁性層は脂肪酸エステ
ルを含有する。
前記脂肪酸エステルは、一塩基性であってもよいし、
二塩基性であってもよいが、本発明において好ましい脂
肪酸エステルの炭素原子数は6〜30、特に12〜22であ
る。
好ましい脂肪酸エステルとしては、たとえばオレイル
オレート、オレイルステアレート、イソセチルステアレ
ート、ジオレイルマレエート、ブチルステアレート、ブ
チルパルミテート、ブチルミリステート、オクチルミリ
ステート、オクチルパルミテート、アミルステアレー
ト、アミルパルミテート、ステアリルステアレート、ラ
ウリルオレート、オクチルオレート、イソブチルオレー
ト、エチルオレート、イソトリデシルオレート、2−エ
チルヘキシルステアレート、2−エチルヘキシルミリス
テート、エチルステアレート、2−エチルヘキシルパル
ミテート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルミ
リステート、ブチルラウレート、セチル−2−エチルヘ
キサレート、ジオレイルアジペート、ジエチルアジペー
ト、ジイソブチルアジペート、ジイソデシルアジペート
などが挙げられる。
これらの中でも、特に好ましいのはブチルステアレー
ト、ブチルパルミテートである。
本発明において、前記脂肪酸エステルは1種単独で使
用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよ
い。
本発明においては、前記n層の磁性層のうち最上層の
磁性層(前記第n磁性層)の表面に存在する脂肪酸エス
テル量(Es)と、各磁性層中で遊離している脂肪酸エス
テルの総量(Ef)と、各磁性層中で前記強磁性粉末に吸
着している脂肪酸エステルの総量(Ea)とが、前記式
[I]; Es≧Ef≧Ea ・・・[I] で表わされる関係を満たさなければならない。
すなわち、本発明においては、スチル耐久性を向上さ
せるために前記n層の磁性層のうち最上層の磁性層(前
記第n磁性層)の表面に前記脂肪酸エステルを最も多く
存在させる[存在量(Es)]。しかしながら、前記第n
磁性層の表面に存在する脂肪酸エステルは、磁気記録媒
体の走行時間の増加に伴なって徐々に消失してしまうの
で、磁性層塗膜中から前記第n磁性層の表面に脂肪酸エ
ステルを供給する。なお、前記第n磁性層の表面に存在
する脂肪酸エステルとは、シロキサンで容易に(たとえ
ば2分間浸漬することにより)抽出することのできる脂
肪酸エステルのことである。
磁性層塗膜中から前記第n磁性層の表面に脂肪酸エス
テルを供給するためには、各磁性層塗膜中で遊離してい
る脂肪酸エステルの総量(Ef)を各磁性層塗膜中の前記
強磁性粉末に吸着している。脂肪酸エステルの総量
(Ea)よりも多くしなければならない。また、酸性層塗
膜中で遊離している脂肪酸エステルは前記第n磁性層の
表面に出易いように下層(非磁性支持体側の層)よりも
上層に多く遊離させる。
具体的には、たとえば乾燥温度を上げて対流を起させ
たり、乾燥時間を長くしたりすることにより下層よりも
上層に多くの脂肪酸エステルを遊離させることができ
る。
さらに本発明においては、前記第n磁性層中で遊離し
ている脂肪酸エステル量(Ep)と、第(n−1)磁性層
から前記第1磁性層までの各磁性層中で遊離している脂
肪酸エステルの夫々の層における量(Eq)とが、前記式
[II]; Ep≧Eq ・・・[II] で表わされる関係を満たすことが好ましい。前記第n磁
性層中で遊離している脂肪酸エステル量(Ep)と第(n
−1)磁性層から前記第1磁性層までの各磁性層中で遊
離している脂肪酸エステルの夫々の層における量(Eq
とが、前記式[II]で表わされる関係を満たすと、脂肪
酸エステルを前記第n磁性層の表面に供給することが容
易になるからである。
そして、磁性層塗膜の強度の低下を抑制するために
は、各磁性層塗膜中の前記強磁性粉末に吸着している脂
肪酸エステルの総量(Ea)は極力減少させる必要があ
る。各磁性層塗膜中の前記強磁性粉末に吸着している脂
肪酸エステルの総量(Ea)を減少させるためには、たと
えば前記脂肪酸エステルよりも前記強磁性粉末に吸着し
易い分散剤を用いればよい。
前記分散剤としては、たとえばレシチン、燐酸エステ
ル、アミン化合物、アルキルサルフェート、脂肪酸アミ
ド、高級アルコール、ポリエチレンオキサイド、スルホ
コハク酸、スルホコハク酸エステル、公知の界面活性剤
等およびこれらの塩、陰性有機基(例えば−COOH、−PO
3H)重合体分散剤の塩などが挙げられる。
これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を組
み合せて使用しても良い。
本発明においては前記分散剤の中でも、レシチンを好
適に用いることができる。
前記分散剤の添加量は、前記強磁性粉末100重量部に
対して、通常、20重量部以下、好ましくは0.5重量部以
下である。
本発明において、前記第n磁性層の表面に存在する前
記脂肪酸エステル量(Es)は7mg/m2以上150mg/m2以下、
特に50mg/m2以上100mg/m2以下である。この(Es)が7mg
/m2未満であるとスチル耐久性の向上が充分ではないこ
とがあるし、150mg/m2を越えると、摩擦係数大きくなっ
て摺動ノイズの増加を招くことがある。
前記第n磁性層の表面に存在する前記脂肪酸エステル
量(Es)を前記の範囲にするための前記第n磁性層にお
ける前記脂肪酸エステルの配合割合は前記強磁性粉末10
0重量部に対して、通常、0.1〜100重量部、好ましくは
0.1〜10重量部である。
また、前記第n磁性層を除く各磁性層における前記脂
肪酸エステルの配合割合は前記強磁性粉末100重量部に
対して、通常、0.1〜100重量部、好ましくは0.1〜10重
量部である。
磁性層は前記脂肪酸エステルとともに、脂肪酸を含有
することが好ましい。磁性層が前記脂肪酸エステルとと
もに、脂肪酸を含有すると、磁性層の摩擦係数が低下し
て本発明の磁気記録媒体の走行性および耐久性が一段と
向上する。
前記脂肪酸としては、たとえばミリスチン酸、ペンタ
デカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン
酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、トリコサン
酸、リグノセリン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、ヘ
プタコサン酸、モンタン酸、ノナコサン酸、メリシン
酸、ヘントリアコンタン酸、ドトリアコンタン酸、テト
ラトリアコンタン酸、ヘキサトリアコンタン酸、オクタ
トリアコンタン酸等の直鎖脂肪酸;ツズ酸、フィセトレ
イン酸、ミリストレイン酸、6−ペンタデセン酸、ゾー
マリン酸、2−パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オ
レイン酸、エライジン酸等の直鎖モノエン酸などが挙げ
られる。
これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を混
合して使用しても良い。
前記脂肪酸を用いる場合、前記脂肪酸の配合割合は、
前記強磁性粉末100重量部に対して、通常、0.2〜10重量
部、好ましくは、0.3〜8.0重量部である。
本発明の磁気記録媒体における磁性層は、前記脂肪酸
エステルあるいはさらに前記脂肪酸とともに他の潤滑剤
を含有していてもよい。
他の潤滑剤としては、たとえばシリコーン系潤滑剤、
脂肪酸変性シリコーン系潤滑剤、フッ素系潤滑剤、流動
パラフィン、スクワラン、カーボンブラック、グラファ
イト、カーボンブラックグラフトポリマー、二硫化モリ
ブデン、二硫化タングステンなどが挙げられる。
これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を組
み合わせて使用しても良い。
前記他の潤滑剤を使用する場合における前記他の潤滑
剤の配合割合は、前記強磁性粉末100重量部に対して、
通常、5重量部以下、好ましくは1重量部以下である。
この配合割合から5重量部を超えると、潤滑剤量が過剰
になって磁性層の表面に汚れが付着し易くなることがあ
る。
磁性層は、前記の種々の成分の他にさらに研磨剤、帯
電防止剤を含有していてもよい。
なお、前記帯電防止剤あるいは後述の分散剤等は、単
独の作用のみを有するものではなく、たとえば、一の化
合物が潤滑剤および帯電防止剤として作用する場合があ
る。
したがって、この発明における前述の分類は主な作用
を示したものであり、分類された化合物の作用が分類に
示す作用によって限定されるものではない。
(非磁性支持体) 前記の複数の磁性層の積層する非磁性支持体の形成材
料としては、たとえばポリエチレンテレフタレートおよ
びポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル
類;ポリプロピレン等のポリオレフィン類;セルロース
トリアセテートおよびセルロースダイアセテート等のセ
ルロース誘導体;ならびにポリカーボネートなどのプラ
スチックを挙げることができる。さらにCu、Al、Znなど
の金属、ガラス、いわゆるニューセラミック(例えば窒
化ホウ素、炭化ケイ素等)等の各種セラミックなども使
用することができる。
非磁性支持体の形態については特に制限はなく、テー
プ状、シート状、カード状、ディスク状、ドラム状等い
ずれであってもよく、形態に応じて、また、必要に応じ
て種々の材料を選択して使用することができる。
支持体の厚みはテープ状あるいはシート状の場合に
は、通常、3〜100μm、好ましくは5〜50μmであ
る。また、ディスク状、カード状の場合には、通常、30
〜100μmである。さらにドラム状の場合には円筒状と
する等、使用するレコーダーに対応させた形態とするこ
とができる。
非磁性支持体における前記磁性層が設けられていない
面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の向上、帯電防
止および転写防止などを目的として、バックコート層を
設けてもよい。
また、非磁性支持体における前記磁性層が設けられる
面には、磁性層と非磁性支持体との接着性の向上等を目
的として、中間層(例えば接着剤層)を設けることもで
きる。
次に、本発明の磁気記録媒体を製造する方法について
説明する。
(製造方法) 本発明の磁気記録媒体は、前記強磁性粉末、ウレタン
系樹脂、脂肪酸エステルなどの磁性層形成成分を溶媒に
混練分散して磁性塗料を調製した後、得られた磁性塗料
を前記非磁性支持体上に塗布および乾燥することにより
製造することができる。
磁性層形成成分の混練・分散に使用する溶媒として
は、たとえばアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、
メチルイソブチルケトン(MIBK)およびシクロヘキサノ
ン等のケトン系:メタノール、エタノール、プロパノー
ルおよびブタノール等のアルコール系;酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸プロピルおよ
びエチレングリコールモノアセテート等のエステル系;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、2−エトキシ
エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル系;ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族
炭化水素;メチレンクロライドエチレンクロライド、四
塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリンおよ
びジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素などを使用
することができる。
磁性塗料成分の組成混練にあたっては、前記強磁性粉
末およびその他の磁性塗料成分を、同時にまたは個々に
順次混練機に投入する。たとえば、まず分散剤を含む溶
媒中に前記強磁性粉末を加え、所定時間混練した後、残
りの各成分を加えて、さらに混練を続けて磁性塗料とす
る。
混練分散にあたっては、各種の混練機を使用すること
ができる。この混練機としては、たとえば二本ロールミ
ル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、サイド
グラインダー、Sqegvariアトライター、高速インペラー
分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパ
ーニーダー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分
散機などが挙げられる。
このようにして調製した磁性層形成成分の塗布液は、
公知の方法により、非磁性支持体上に塗布される。
本発明において利用することのできる塗布方法として
は、たとえばグラビアロールコーティング、マイヤーバ
ーコーティング、ドクタープレードコーティング、リバ
ースロールコーティング、ディップコーティング、エア
ーナイフコーティング、カレンダーコーティング、スキ
ーズコーティング、キスコーティングおよびファンティ
ンコーティングなどが挙げられる。
このようにして塗布された前記磁性層の厚みは、前記
第n磁性層(n層の磁性層のうちで最上層の磁性層)乾
燥厚が0.1〜5μm、特に0.2〜4μmであり、各磁性層
の乾燥厚の合計が、通常、1〜6μmである。
こうして、磁性層形成成分を塗布した後、未乾燥の状
態で、必要により磁場配向処理を行ない、さらに、通常
はスーパーカレンダーロールなどを用いて表面平滑化処
理を行なう。
次いで、所望の形状に裁断することにより、磁気記録
媒体を得ることができる。
本発明の磁気記録媒体は、たとえば長尺状に裁断する
ことにより、ビデオテープ、オーディオテープ等の磁気
テープとして、あるいは円盤状に裁断することにより、
フロッピーディスク等として使用することができる。さ
らに、通常の磁気記録媒体と同様に、カード状、円筒状
などの形態でも使用することができる。
[実施例] 次に、本発明の実施例および比較例を示し、本発明に
ついてさらに具体的に説明する。なお、以下に記載する
実施例および比較例において、「部」は「重量部」を表
わすものとする。
(実施例1) 磁性塗料の調製 以下に示す組成の第1磁性層(下層)組成物および第
2磁性層(上層)組成物のそれぞれをボールミルを用い
て、充分に攪拌混合して分散液とした後、この分散液に
多官能イソシアネート化合物[商品名「コロネート
L」;日本ポリウレタン(株)製]5部を添加して混合
し、得られた混合液を平均孔径1μmのフィルターで濾
過して磁性塗料を調製した。
第1磁性層(下層)組成物 Co被着γ−Fe2O3粉末[比表面積 100部 38m2/g(BET値、抗磁力Hc750 e] ウレタンエラストマー 10部 [4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−ブ
タンジオールおよびアジピン酸より合成、分子量30,00
0] 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 5部 ミリスチン酸 2部 パルミチン酸ブチルエステル 2部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 150部 第2磁性層(上層)組成物 Co被着γ−Fe2O3粉末[比表面積 100部 48m2/g(BET値、抗磁力Hc850 e] アルミナ粉末 5部 ウレタンエラストマー 10部 [4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−ブ
タンジオールおよびアジピン酸より合成、分子量30,00
0] 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 5部 ミリスチン酸 2部 パルミチン酸ブチルエステル 2部 ステアリン酸ブチルエステル 2部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 150部 カーボンブラック[コロンビアンカー 5部 ボン社製、「コンダクテックス975」] レシチン 3部 ビデオテープの作製 前記で得られた第1磁性塗料を厚み14μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルム上に乾燥厚が2.7μmに
なるように塗布した後、この第1磁性塗料の塗膜上に前
記で得られた第2磁性塗料を乾燥厚が0.5μmになる
ように塗布した。
次いで、加熱下に溶剤を除去した後、スーパーカレン
ダーロールを使用して70℃、200kg/cm2の条件で表面平
滑化処理を行い、所定の厚みの磁性層を有する幅広の磁
性フィルムを得た。
この磁性フィルムについて、各磁性層における脂肪酸
エステル量を測定した。
結果を第1表に示す。
脂肪酸エステル量の測定は次のようにして行なった。
(1)最上層磁性層表面の脂肪酸エステル量 イ)最上層の磁性層253cm2に対応する試料にシクロヘキ
サン約50mlを加え、2分間放置した。次いで、これを濾
過して試料を少量のシクロヘキサンで洗浄し、抽出液と
合わせた。
ロ)この抽出液に濃度40ppmに調整したパルミチン酸メ
チル/シクロヘキサン溶液を5ml加えた。
次にロータリーエバポレーターを用いてこの溶液から
シクロヘキサンを蒸発させた。
濃縮された抽出物に新たにシクロヘキサン0.2mlを加
え、そのうち1μlをガスクロマトグラフにかけた。
パルミチン酸メチルおよび脂肪酸エステルの濃度とピ
ーク面積との関係から予め作成しておいた検量線から抽
出された脂肪酸エステルの量を求めた。
(2)各磁性層中の遊離脂肪酸エステル量 各磁性層を予め剥離しておき、各磁性層253cm2に対応
する試料にそれぞれシクロヘキサン約50mlを加えた。
これらを1時間還流煮沸した後、室温に戻し、試料を
少量のシクロヘキサンで洗浄してから抽出液と合わせ
た。
以後、前記(1)のロ)と同様に処理して脂肪酸エス
テル量を求めた。
(3)各磁性層中で強磁性粉末に吸着している脂肪酸エ
ステル量 各磁性層を予め剥離しておき、各磁性層253cm2に対応
する試料にそれぞれメチルイソブチルケトン(MIBK)約
50mlを加えた。
これらを3時間還流煮沸した後、室温に戻し、試料を
少量のMIBKで洗浄してから抽出液と合わせた。
次にロータリーエバポレーターを用いてこれらの溶液
からMIBKを蒸発させた。
濃縮された抽出物に新たにシクロヘキサン約50mlを加
えて1時間還流煮沸し、室温に戻してからシクロヘキサ
ン抽出物を分取した。
以後、前記(1)のロ)と同様に処理して脂肪酸エス
テル量を求めた。
また、強く吸着しているものについては、6規定塩酸
/エタノール(1:1)の溶液に浸漬した後、MIBK移行の
抽出を行なって前記(1)のロ)と同様に処理して脂肪
酸エステル量を求め、この定量値を前記の定量値に加え
て強磁性粉末に吸着している脂肪酸エステル量とした。
次いで、前記の磁性フィルムを1/2インチ幅に裁断し
てビデオテープを作製し、このビデオテープについて諸
特性を測定した。
結果を第2表に示す。
なお、それぞれの特性は次のようにして測定した。
動摩擦係数;テープ走行試験機(横浜システム研究所
製、「TBT−300D」)を使用し、荷重20gにおけるテンシ
ョンをTとして、オイラーの式: μk=1/π・ln(T/20) から動摩擦係数μkを算出した。
スチル耐久性;ビデオデッキ(JVC製、「HR−S7000」)
におけるスチル再生開始前の出力レベルを0dBとして、
スチル再生後、RF出力の低下が−2dB以下になるまでの
時間を測定した。
粉落ち;ビデオデッキ(JVC製、「HR−S7000」)を使用
して温度40℃、湿度80%の条件下に、テープを100時間
走行させた後、ヘッドに付着した汚れを観察し、次の4
段階に評価した。
A:汚れはまったく認められない。
B:ほとんど汚れが認められない。
C:汚れが認められる。
D:著しい汚れが認められる。
RF出力低下;ビデオデッキ(JVC製、「HR−S7000」)を
使用して温度40℃、湿度80%の条件下に、最初の出力と
テープを100時間走行させた後の出力との差を求めた。
摺動ノイズ;ビデオデッキ(JVC製、「HR−S7000」)を
使用して温度20℃、湿度10%の条件にて10MHzのノイズ
再生を10回繰り返し、1回目の再生ノイズに対する10回
目の再生ノイズの百分率を求めた。
(実施例2,3,6、比較例1〜3,11) 前記実施例1において第1磁性層(下層)組成物およ
び第2磁性層(上層)組成物におけるウレタンエラスト
マー、脂肪酸、脂肪酸エステル、レシチンの量を第3表
に示したように変えたほかは、前記実施例1と同様にし
て磁性フィルムおよびビデオテープを作製し、磁性フィ
ルムにおける各磁性層中の脂肪酸エステル量、ビデオテ
ープの諸特性を測定した。
結果を第1表および第2表に示す。
(実施例4) 磁性塗料の調製 前記実施例1のにおいて、第1磁性層(下層)組成
物および第2磁性層(上層)組成物に代えて、以下に示
す組成の第1磁性層(下層)組成物、第2磁性層(中間
層)組成物および第3磁性層(上層)組成物を用いたほ
かは、前記実施例1のと同様にして磁性塗料を調製し
た。
第1磁性層(下層)組成物 Co被着γ−Fe2O3粉末[比表面積 100部 35m2/g(BET値、抗磁力Hc650 e] ウレタンエラストマー 10部 [4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−ブ
タンジオールおよびアジピン酸、−SO3Na0.05mmol/g、
分子量30,000] 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 5部 ミリスチン酸 2部 ステアリン酸 2部 パルミチン酸ブチルエステル 1部 ステアリン酸ブチルエステル 1部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 150部 第2磁性層(中間層)組成物 Co被着γ−Fe2O3粉末[比表面積 100部 38m2/g(BET値、抗磁力Hc750 e] ウレタンエラストマー 10部 [4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−ブ
タンジオールおよびアジピン酸、−SO3Na0.05mmol/g、
分子量30,000] 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 5部 ミリスチン酸 2部 パルミチン酸ブチルエステル 3部 レシチン 2部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 150部 第3磁性層(上層)組成物 Co被着γ−Fe2O3粉末[比表面積 100部 48m2/g(BET値、抗磁力Hc850 e] アルミナ粉末 5部 カーボンブラック[コロンビアンカー 5部 ボン社製、「コンダクテックス975」] ウリタンエラストマー 10部 [トルエンジイソシアネート、ネオペンチルグリコール
およびアジピン酸より合成、分子量40,000] 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 5部 オレイン酸 2部 パルミチン酸ブチルエステル 2部 ステアリン酸ブチルエステル 2部 レシチン 3部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 150部 ビデオテープの作製 前記で得られた磁性塗料を、前記実施例1のと同
様にして厚み14μmのポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に塗布し、非磁性支持体上に第1磁性層(乾燥厚
2.5μm)、第2磁性層(乾燥厚0.5μm)および第3磁
性層(乾燥厚0.3μm)を非磁性支持体側からこの順に
塗設してなる磁性フィルムを作製した。
この磁性フィルムについて、前記実施例1と同様にし
て各磁性層における脂肪酸エステル量を測定した。
結果を第1表に示す。
次いで、この磁性フィルムを1/2インチ幅に裁断して
ビデオテープを作製し、このビデオテープについて前記
実施例1と同様にして諸特性を測定した。
結果を第2表に示す。
(実施例5、比較例4〜10,12〜14) 前記実施例4において第1磁性層(下層)組成物、第
2磁性層(中間層)組成物および第3磁性層(上層)組
成物におけるウレタンエラストマー、脂肪酸、脂肪酸エ
ステル、レシチンの量を第3表に示したように変えたほ
かは、前記実施例4と同様にして磁性フィルムおよびビ
デオテープを作製し、磁性フィルムにおける各磁性層中
の脂肪酸エステル量、ビデオテープの諸特性を測定し
た。
結果を第1表および第2表に示す。
[発明の効果] 本発明によると、 (1)複数層の磁性層を有し、各磁性層に含有される脂
肪酸エステルが特定の量的関係を満足するので、スチル
耐久性が向上し、 (2)しかも走行耐久性、滑り性および摺動ノイズ等の
特性のバランスに優れる、 という利点を有する工業的に有用な磁気記録媒体を提供
することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを
    含有するn層(ただし、nは2以上の整数を表わす。)
    の磁性層を前記非磁性支持体側から第1磁性層、第2磁
    性層、・・・、第n磁性層(ただし、nは2以上の整数
    を表わす。)の順に有し、前記第n磁性層の表面に存在
    する脂肪酸エステル量(Es)が7mg/m2以上150mg/m2以下
    であるとともに、前記第n磁性層の表面に存在する脂肪
    酸エステル量(Es)と、各磁性層中で遊離している脂肪
    酸エステルの総量(Ef)と、各磁性層中で前記強磁性粉
    末に吸着している脂肪酸エステルの総量(Ea)とが、次
    式[I]; Es≧Ef≧Ea ・・・[I] で表わされる関係を満たすことを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】さらに前記第n磁性層中で遊離している脂
    肪酸エステル量(Ep)と、第(n−1)磁性層から前記
    第1磁性層までの各磁性層中で遊離している脂肪酸エス
    テルの夫々の層における量(Eq)とが、 次式[II]; Ep≧Eq ・・・[II] で表わされる関係を満たす請求項1記載の磁気記録媒
    体。
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