JPH10177632A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH10177632A
JPH10177632A JP35415696A JP35415696A JPH10177632A JP H10177632 A JPH10177632 A JP H10177632A JP 35415696 A JP35415696 A JP 35415696A JP 35415696 A JP35415696 A JP 35415696A JP H10177632 A JPH10177632 A JP H10177632A
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修 中村
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博之 山口
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 特定の変調方式に基づくディジタル磁気情報
を備え、セキュリティ性の極めて高いディジタル磁気情
報を備える磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 基板と、この上に形成された磁性層とを
備える磁気記録媒体であって、前記磁性層は、磁気ヘッ
ドの走査方向に沿って、配列された複数の磁気凹凸部を
備えており、該磁気凹凸部は、ディジタル磁気情報を形
成し、「一の基本データ値」として、1ビット幅内に磁
気凹部21から磁気凸部25への変移部位(前ビットの
終端が磁気凸部である場合)または磁気凸部から磁気凹
部への変移部位(前ビットの終端が磁気凹部である場
合)を存在させ、「他の基本データ値」として、1ビッ
ト幅内に1ビット幅と同じ幅で磁気凹部厚さを備える平
坦部(前ビットの終端が磁気凸部である場合)または磁
気凸部厚さを備える平坦部(前ビットの終端が磁気凹部
である場合)を存在させてなるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体、特
に、偽造防止のために磁気的に消去および書き換えが不
能であり、媒体の不正な再利用を不可能とする機能を備
えた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気情報の付与の手段の一つ
として、磁気ヘッドを用いて磁性層に飽和書き込みを行
って磁気情報を付与する方法が一般によく知られてい
る。この方法は極めて簡便な方法ではあるが、付与され
た磁気情報をリード/ライト磁気ヘッドにより簡単に消
去および書き換えすることができ、カードの変造が容易
にできてしまうという問題がある。
【0003】このような問題に対処するために、従来よ
り、例えば、プリペイドカード等のカードの偽造防止の
ために、カード上に所定の磁気パターンからなる書き換
え不能な固定情報を予め形成することが行われている。
これは、予め形成された磁気パターンを使用時に読み取
り、所定の磁気出力信号が得られるか否かを判定するこ
とによりカードの真偽を決定しようとするものである。
【0004】磁気的に書き換え不能な固定情報を与える
ための方法として、従来よりシルク印刷等で所定パター
ンの磁気バーコードを形成する方法が広く知られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁気的
に消去および書き換えができない固定の磁気情報として
の磁気バーコードは、そのバーコードパターンの形成に
印刷の手法を用いるため、多くのパターンの情報に対応
することができず、カード毎に情報を変えるという要望
に適用することは困難である。また、特定の変調方式に
基づくディジタル磁気情報にまで発展させたものではな
く、磁気情報の高密度化にも適したものとは言えない。
さらに、情報パターンの高密度化の形成ができたとして
も安定して磁気出力を得ることが困難となってしまう。
さらに、従来からすでに使用されているリード/ライト
機能を備えるハードを改変することなくそのままの状態
で、カード情報の読み取りができることも必要とされる
大きな要素の一つである。
【0006】このような実状のもとに本発明は創案され
たものであって、その目的は、特定の変調方式に基づく
ディジタル磁気情報を備え、しかも、そのディジタル磁
気情報の書き換えおよび消去が実質的に不能であってセ
キュリティ性の極めて高いディジタル磁気情報を備える
磁気記録媒体を提供することにある。さらには、磁気情
報の高密度化にも対応でき、しかもカード毎に磁気情報
を変えることもでき多品種少量の磁気カードの作製も極
めて容易となる磁気記録媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、基板と、この基板の上に形成され
た磁性層とを備える磁気記録媒体であって、前記磁性層
は、磁気ヘッドの走査方向に沿って、配列された複数の
磁気凹凸部を備えており、該磁気凹凸部は、ディジタル
磁気情報を形成し、『一の基本データ値』として、1ビ
ット幅内に磁気凹部から磁気凸部への変移部位(前ビッ
トの終端が磁気凸部である場合)または磁気凸部から磁
気凹部への変移部位(前ビットの終端が磁気凹部である
場合)を存在させ、『他の基本データ値』として、1ビ
ット幅内に1ビット幅と同じ幅で磁気凹部厚さを備える
平坦部(前ビットの終端が磁気凸部である場合)または
磁気凸部厚さを備える平坦部(前ビットの終端が磁気凹
部である場合)を存在させてなるように構成される。
【0008】また、好ましい態様として、前記磁気凹部
は、均一厚さに形成された磁性層を物理的除去して形成
される。
【0009】また、好ましい態様として、前記磁気凹部
は、基板を所定の凹凸パターンに物理的除去し、当該凹
凸パターンの上に磁性層を積層して形成される。
【0010】また、前記磁気凹凸部は、FM変調方式の
ディジタル磁気情報として形成される。
【0011】また、好ましい態様として、前記磁気凹凸
部は、レーザー光を照射することにより磁性層を物理的
に除去して形成される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。図1は本発明の一例であるカード状
の磁気記録媒体の斜視図を示しており、図2(a)は、
図1のA−A断面矢視図を示す図である。
【0013】本発明の磁気記録媒体1は、図1および図
2(a)に示されるように基板10と、この基板10の
上に形成された磁性層20と、この磁性層20の上に形
成された隠蔽層30を備えている。
【0014】本発明の磁気記録媒体1を構成する基板1
0は、基板として要求される耐熱性、強度、剛性等を考
慮して、ナイロン、セルロースジアセテート、セルロー
ストリアセテート、塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、
ポリカーボネート等の樹脂、銅、アルミニウム等の金
属、紙、含浸紙等の材料の中から適宜選択した材料の単
独あるいは組み合わせた複合体により構成することがで
きる。また、いわゆる光分解性や生物分解性のプラスチ
ック材質のものを用いてもよい。このような基板10の
厚さは、0.005mm〜5mm程度とすることができ
る。
【0015】磁性層20は、磁気ヘッドの走査方向に沿
って、配列された複数の磁気凹凸部を備えており、この
磁気凹凸部は、ディジタル磁気情報を形成し、図2
(a)に示される実施の態様では、『一の基本データ
値』(例えば、2進値の『1』)として、1ビット幅内
に磁気凸部から磁気凹部へ変移部位P1(前ビットの終
端が磁気凹部である場合)、および1ビット幅内に磁気
凹部から磁気凸部への変移部位P2(前ビットの終端が
磁気凸部である場合)を存在させ、『他の基本データ
値』(例えば、2進値の『0』)として、1ビット幅内
に1ビット幅と同じ幅で磁気凸部厚さを備える平坦部F
1(前ビットの終端が磁気凹部である場合)および1ビ
ット幅内に1ビット幅と同じ幅で磁気凹部厚さを備える
平坦部F2(前ビットの終端が磁気凸部である場合)を
存在させている。
【0016】これらの『一の基本データ値』(例えば、
2進値の『1』)および『他の基本データ値』(例え
ば、2進値の『0』)の表現手法を、図3(a)および
(b)ならびに図4(a)および(b)に基づいてさら
に詳細に説明する。なお、図3および図4において、説
明の便宜上、図面の左側が前ビット側、図面の右側が後
ビット側を示している。
【0017】本発明において磁性層20に付与される凹
凸パターン(磁気凹凸部)は、Frequency M
odulation(FM)変調方式の基本形(double
frequency) におけるディジタル磁気情報の『1』およ
び『0』を形成しており、図3(a)および(b)で示
される磁気層の1ビット形状が、それぞれ、データ
『1』を形成している。図3(a)に示される磁気層の
1ビット形状(データ『1』)は、1ビット幅A内に磁
気凹部21から磁気凸部25への(垂直に上がる)変移
部位P2を備えている。この変移部位P2は、例えば、
図示のごとく、1ビット分の磁性層の約左上半分を除去
深さD、除去幅Bで除去することによって形成される。
図3(a)に示される磁気層の1ビット形状(データ
『1』)は、前ビットが磁性層厚さCの磁気凸部で終わ
っている場合に形成される形である。図3(b)で示さ
れる磁気層の1ビット形状もデータ『1』を形成してお
り、この磁気層の1ビット形状(データ『1』)は、1
ビット幅A内に磁気凸部25から磁気凹部21への(垂
直に下がる)変移部位P1を備えている。この変移部位
P1は、例えば、図示のごとく、1ビット分の磁性層の
約右上半分を除去深さD、除去幅Bで除去することによ
って形成される。図3(b)に示される磁気層の1ビッ
ト形状(データ『1』)は、前ビットが磁性層厚さ(C
−D)の磁気凹部で終わっている場合に形成される形で
ある。
【0018】従って、データ『1』が『1,1,1…』
と言うように連続するときには、前ビット形態との関係
より、上記図3(a)(または上記図3(b))で示さ
れる同じパターンの磁性層形態が連続して繰り返され
る。なお、1ビット幅Aは所望の記録密度によって適宜
決定される。
【0019】この一方で、図4(a)および(b)で示
される磁気層の1ビット形状は、それぞれ、1ビット内
に変移部位を備えていない平坦形状であり、データ
『0』を形成している。図4(a)に示される磁気層の
1ビット形状(データ『0』)は、1ビット幅A内に1
ビット幅と同じ幅で磁気凹部厚さ(C−D)を備える平
坦部F2(除去深さDで除去された磁性層部分である)
を存在させている。図4(a)に示される磁気層の1ビ
ット形状(データ『0』)は、前ビットが磁性層厚さC
の磁気凸部で終わっている場合に形成される形である。
【0020】また、図4(b)に示される磁気層の1ビ
ット形状(データ『0』)は、1ビット幅A内に1ビッ
ト幅と同じ幅で磁気凸部厚さCを備える平坦部F1を存
在させている。図4(b)に示される磁気層の1ビット
形状(データ『0』)は、前ビットが磁性層厚さ(C−
D)の磁気凹部で終わっている場合に形成される形であ
る。
【0021】従って、データ『0』が『0,0,0…』
と言うように同じ値が連続するときには、前ビット形態
との関係より、上記図4(a)と上記図4(b)で示さ
れる磁性層形態が交互に連続して繰り返される。
【0022】上記図1〜図4に示される態様は、磁性層
厚さCの磁性層を基板の上に形成した後、所定箇所の磁
性層を部分的に除去して凹部深さDを形成したものであ
り、凹部深さDは、その磁性層の厚さC以下の値で任意
に設定すればよい。凹部深さDと磁性層の厚さCを同じ
にして基板に到達するまで凹部を形成してもよい。すな
わち、本発明における磁気凹凸部という表現は、基板に
到達するまで磁性層を除去した場合をも含んでいるので
ある。
【0023】上記の説明においては、図3(a)および
(b)に示される状態を『一の基本データ値』(2進値
の『1』)とし、図4(a)および(b)に示される状
態を『他の基本データ値』(2進値の『0』)として説
明してきたが、これらを互いに、逆転して『0』と
『1』を表現してもよい。
【0024】ところで、図2(a)の実施の態様に示さ
れるように、磁気凹部21においては、磁気凹部21の
左エッジ側がN極に、磁気凹部21の右エッジ側がS極
にそれぞれ磁化される。このような磁化形成に際して、
磁性層20が硬磁性粉末を含有する硬磁性層であるなら
ば、磁性層塗布後に磁場配向処理を行えばよく、また、
磁性層20が軟磁性粉末を含有する軟磁性層であるなら
ば、いわゆるバイアス磁界をかけながら磁気の読み取り
を行えばよい。図2(a)の状態における再生波形は図
2(b)に示されるように磁気凹部21のエッジ部(N
極,S極)に対応して各波形ピークが現われる。また、
上記磁気凹部21における左右のエッジの磁極を逆にし
てもよい。
【0025】さらに、図2(a)に示されるごとく形成
された磁気記録媒体の磁気凹凸部と、FM変調との対応
関係が、図5(a)〜(c)に示される。図5(a)
は、図2(a)の磁性層20を単独で示しており、図5
(b)は、磁気記録媒体の再生波形を示しており、図5
(c)はFM変調方式による変調波形および対応するデ
ータ値『1』,『0』を示している。図5からわかるよ
うに、FM変調方式の変調規則は、情報が『1』の場合
には『0』の場合の2倍の周波数を読み出しパルスを発
生するように磁化反転させる。磁化反転間隔は、A/
2,A(A:ビット間隔)であり、記録密度比(DR)
は1/2である。
【0026】上記磁性層20をいわゆる磁性塗料を塗布
する方法により形成した場合には、通常、磁性粉末と樹
脂バインダとが含有される。磁性粉末としては、強磁性
粉末であれば、硬磁性粉末、軟磁性粉末いずれでもよ
い。硬磁性粉末としては、例えば、γ−Fe23 、C
o被着γ−Fe23 、Fe34 、Fe、Fe−C
r、Fe−Co、Co−Cr、Co−Ni、Baフェラ
イト、Srフェライト、CrO2 等の磁性微粒子が挙げ
られる。軟磁性粉末の材料としては、Al、Si、Fe
等からなる磁性合金材料、パーマロイ、センダスト、F
e等の金属高透磁率材料、Mn−Znフェライト、Co
−Znフェライト、Ni−Znフェライト等のフェライ
ト、金属アモルファス材料等を挙げることができる。
【0027】上記の磁性粉末が分散される樹脂バインダ
(あるいはインキビヒクル)としては、ブチラール樹
脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、ウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹
脂、スチレン/マレイン酸共重合体樹脂等が用いられ、
必要に応じてニトリルゴム等のゴム系樹脂あるいはウレ
タンエラストマー等が添加される。また、紫外線硬化型
や電子線硬化型の放射線硬化型樹脂を用いてもよい。紫
外線硬化型の樹脂成分としては、エポキシアクリレー
ト、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレー
ト、ポリエーテルアクリレート、シリコンアクリレー
ト、不飽和ポリエステル等の光重合性オリゴマー;単官
能アクリレート(スチレン、酢酸ビニル等)、多官能ア
クリレート等の光重合性モノマー(反応希釈剤);ベン
ゾイン系、アセトフェノン系、チオキサントン系、パー
オキシド系等の光重合開始剤;アミン系、キノン系等の
光重合開始剤;熱重合禁止剤、無機ないし有機の充填
剤、接着剤付与剤、チクソ付与剤、可塑剤、非反応性ポ
リマー等のその他の添加剤;顔料等の着色剤が挙げられ
る。また、電子線硬化型の樹脂成分としては、上記紫外
線硬化型の樹脂成分から光重合開始剤を除外して調製す
れば良い。さらに、樹脂バインダとして、耐熱性を考慮
して、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルサルホン
等のガラス転移温度(Tg)の高い樹脂、あるいは硬化
反応によりTgが上昇する系を用いることができる。上
記のような樹脂あるいはインキビヒクル中に磁性粒子が
分散されてなる分散物中に、必要に応じて界面活性剤、
シランカップリング剤、可塑剤、ワックス、シリコーン
オイル、カーボン等の顔料を添加してもよい。塗布方法
としてはグラビア法、ロール法、ナイフエッジ法等の公
知の方法が用いられる。
【0028】また、磁性層20は、上記の塗布方法に限
定されることなく、上記の磁性材料そのものを用いて、
真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法等により形成
することもできる。
【0029】このような磁性層20の上には、図2
(a)に示されるように磁性層20表面の凹凸をフラッ
トにし、ヘッドタッチを良くするとともに、外観的に磁
化パターンの認識を困難にさせるための隠蔽層30や、
保護・装飾効果を上げるための保護層を形成することが
好ましい。
【0030】隠蔽層30や保護層(絵柄も含む)は、エ
チルセルロース、硝酸セルロース、エチルヒドロキシエ
チルセルロース、セルロースアセテートプロピオネー
ト、酢酸セルロース等のセルロース誘導体;ポリスチレ
ン、ポリ−α−メチルスチレン等のスチレン樹脂、ある
いはスチレン共重合樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポ
リメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリア
クリル酸ブチル等のアクリル樹脂またはメタクリル樹脂
の単独あるいは共重合樹脂;ロジン、ロジン変性マレイ
ン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、重合ロジン等の
ロジンエステル樹脂;ポリ酢酸ビニル樹脂、クマロン樹
脂、ビニルトルエン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、ブチラール樹脂等のバイン
ダーに、着色すべき色に応じて各種の顔料を添加し、必
要に応じて磁気ヘッドのクリーニング効果をもたせるよ
う酸化チタン、アルミナ粉末、マイクロシリカ等を添加
し、さらに必要に応じて、可塑剤、安定剤、ワックス、
グリース、乾燥剤、乾燥補助剤、硬化剤、増粘剤、分散
剤を添加した後、溶剤あるいは希釈剤で充分に混練して
なる着色塗料あるいはインキを用いて、通常のグラビア
法、ロール法、ナイフエッジ法、オフセット法等の塗布
方法あるいは印刷方法により、形成される。
【0031】なお、隠蔽層30の形成に際しては、図2
(a)に示されるように磁性層20の磁気凹部21を、
隠蔽層30形成塗料で埋設するようにすることが好まし
い。表面平滑性を上げるためである。
【0032】次に、このような磁気記録媒体1の具体的
製造方法を、図2(a)に基づいて説明する。
【0033】まず、シート上の基板10を準備し、この
基板10上に磁性層20を形成する。磁性層20の形成
は、前述したように予め調合された磁性塗料をシルクス
クリーン印刷法、グラビア法、ロール法、ナイフエッジ
法等の公知の塗布方法に従って行ってもよいし、磁性材
料そのものを用いて、真空蒸着法、スパッタリング法、
メッキ法等により形成してもよい。
【0034】このような磁性層20は、基板10の全面
に形成してもよいが、一般的には経済性を考慮して、磁
気情報を形成するのに必要な部分のみに、例えば、スト
ライプ形状に形成される。もちろん、磁性層20は、均
一厚さに形成する必要があるが、上記の公知の連続的塗
布法であれば、十分な均一厚さが得られる。
【0035】次いで、図2(a)に示されるように、均
一厚さに形成された磁性層20は、所定のフォーマット
に基づいて部分的に物理的除去されて複数の磁気凹部2
1が所定の位置および大きさに形成される。その結果、
図3(a),(b)および図4(a),(b)の形状が
組み合わされて、所定のディジタル磁気情報を備える磁
気記録媒体が形成される。
【0036】磁性層20を部分的に物理的除去する好適
な方法としては、例えば、磁気凹部21の対応位置にレ
ーザー光を照射する方法や、電子線を照射する方法、放
電による破壊、ルーチング(彫刻)加工等が挙げられ
る。このような方法により磁気凹部21が形成されるの
で、磁性層20にかき込まれる不変記録としての情報
は、一枚一枚容易に個別のデータとすることができ、い
わゆるIDカード等の作製には好適に応用される。
【0037】レーザー光を用いる場合には、部分的に物
理的除去される磁性層20の物性や、除去すべき線幅等
を考慮しつつ、用いるレーザーの種類、レーザー波長、
レーザーパワー等を適宜設定すればよい。また、レーザ
ー照射により物理的除去して凹部を形成する際には、C
W(Constant Wave )を用いて直線状に設けてもよい
し、あるいはパルスを用いて点線状に設けてもよい。
【0038】気体レーザーとしては、He−Neレーザ
ー、He−Cdレーザー、アルゴンレーザー(0.48
8μm連続発振,0.1〜20W)等の稀ガスイオンレ
ーザー;炭酸ガスレーザー(10.6μm連続発振,1
W〜10kW);金属蒸気レーザー等を使用することが
できる。また、固体レーザーとしては、ルビーレーザー
(0.6943μmパルス発振,10〜1000J)、
Ndガラスレーザー(1.06μmパルス発振,10〜
1000J)、Nd:YAGレーザー等のパルス励起固
体レーザー;あるいはルビーレーザー、Ndガラスレー
ザー、Nd:YAGレーザー(1.06μm連続発振,
1〜200W)、Nd:YAlO3 レーザー等の連続励
起固体レーザー等を使用することができる。また、液体
レーザーとしては、色素レーザー、ラマンレーザー、キ
レートレーザー、Nd3+液体レーザー等を使用すること
ができ、半導体レーザーとしては、GaAsダイオード
レーザー等を使用することができる。
【0039】これらの中でも特に、波長10.6μmの
CO2 ガスレーザー(出力0.5W〜20W)、波長
0.488μm(または0.5145μm)のArガス
レーザー(出力0.5W〜20W)、波長1.06μm
のNd:YAGレーザー(出力0.5W〜20W)が好
適例として挙げられる。なお、レーザーの出力が大きく
なり過ぎると、高温による基板の損傷や磁性層を構成す
るバインダー樹脂の熱収縮によりパターンの精度不良が
おこり、この一方で出力が小さ過ぎると、十分なパター
ンの削除ができない。
【0040】このような磁性層20の上には、通常、磁
気パターンが直接目に触れないように隠蔽層30が塗布
形成される。さらに、隠蔽層30の上には、通常、保護
・装飾効果を上げるための保護層を塗布形成してもよ
い。
【0041】次に、上記してきた本発明の実施の形態の
変形例を、図6に基づいて説明する。図6は、本発明の
第2の実施の態様を示す断面図であり、前記図2(a)
に相当する図面である。図6に示される第2の実施の態
様の磁気記録媒体は、基板10の表面を物理的除去して
凹部を設け、この凹部に磁性層20の一部を埋設して、
結果として磁気凹凸部を形成させている。図6に示され
る態様においても、前述した図3(a),(b)および
図4(a),(b)に示される法則をそのまま適用する
ことができ、これらを組み合わせることによって書き換
え不能なセキュリティ性の高いディジタル磁気情報が実
現できる。
【0042】また、他の実施の態様として、磁性層を磁
気特性の異なる多層構造に積層して、これらの中の一つ
の層に本発明の書き換え不能なディジタル磁気情報、す
なわち、『一の基本データ値』として、1ビット幅内に
磁気凹部から磁気凸部への変移部位(前ビットの終端が
磁気凸部である場合)または磁気凸部から磁気凹部への
変移部位(前ビットの終端が磁気凹部である場合)を存
在させ、『他の基本データ値』として、1ビット幅内に
1ビット幅と同じ幅で磁気凹部厚さを備える平坦部(前
ビットの終端が磁気凸部である場合)または磁気凸部厚
さを備える平坦部(前ビットの終端が磁気凹部である場
合)を存在させるようにしてもよい。この場合、もちろ
ん硬磁性層や軟磁性層を同時に積層した組み合わせであ
ってもよい。さらに、本発明の書き換え不能な凹凸部に
よるディジタル磁気情報以外に、通常の書き換え可能な
磁気情報を他の磁性層に入れるように構成してもよい。
【0043】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0044】(実施例1)まず、最初に磁性層20形成
のために下記の組成を有する磁性塗料を準備した。
【0045】 磁性塗料の組成 ・磁性粉末(Baフェライト) … 41重量部 ・ポリウレタン樹脂 … 7重量部 ・トルエン … 25重量部 ・メチルエチルケトン … 25重量部 ・イソシアネート系硬化剤 … 2重量部 次に、被印刷物(基板)としてのポリエチレンテレフタ
レート製のカード(厚さ250μm)を準備し、このカ
ードの上にグラビアコート印刷法で、ストライプ状に磁
性塗料を塗設し、塗設された磁性層の磁場配向処理を行
った後、乾燥させて、塗布厚さ10μm、塗布長さ85
mmの磁性層(磁気ストライプ)を作製した。
【0046】次に、波長λ=1.06nm、出力5Wの
Nd:YAGレーザ光を用いて、磁気ストライプの長手
方向に対して垂直方向に磁性層を部分的に物理的除去し
て線幅60μm、ビット間隔120μm、記録密度約2
10bpiの条件で、図2(a)に示すような所定のマ
ーキング(磁気凹部21の形成)を行った。
【0047】さらに、この磁性層20の上に下記の組成
からなる隠蔽層インキ組成物をグラビアコート印刷法
で、厚さ5μmに塗布して隠蔽層を形成し、本発明の情
報記録媒体サンプルを作製した。
【0048】 隠蔽層インキ組成物 ・アルミ粉体 …10.5重量部 ・ポリウレタン樹脂 … 4重量部 ・メチルエチルケトン … 50重量部 ・トルエン … 25重量部 ・酸化チタン粉体 …10.5重量部 このサンプルを用いて、上記のFM変調方式による磁気
凹凸部の磁気情報を再生したところ、所定の変調波形に
基づく2進値のデータが再生できることが確認された。
さらに、この磁気凹凸部による磁気情報は、磁気的に消
去および書き換えができないものでもあった。
【0049】
【発明の効果】上記の結果より本発明の効果は明らかで
ある。すなわち、本発明は、基板と、この基板の上に形
成された磁性層とを備える磁気記録媒体であって、前記
磁性層は、磁気ヘッドの走査方向に沿って、配列された
複数の磁気凹凸部を備えており、該磁気凹凸部は、ディ
ジタル磁気情報を形成し、『一の基本データ値』とし
て、1ビット幅内に磁気凹部から磁気凸部への変移部位
(前ビットの終端が磁気凸部である場合)または磁気凸
部から磁気凹部への変移部位(前ビットの終端が磁気凹
部である場合)を存在させ、『他の基本データ値』とし
て、1ビット幅内に1ビット幅と同じ幅で磁気凹部厚さ
を備える平坦部(前ビットの終端が磁気凸部である場
合)または磁気凸部厚さを備える平坦部(前ビットの終
端が磁気凹部である場合)を存在させてなるように構成
している。従って、本発明の磁気記録媒体(磁性層)に
は特定の変調方式に基づくディジタル磁気情報が書き込
まれ、この書き込まれたディジタル磁気情報は、書き換
えおよび消去が実質的に不能であり、従来にも増してセ
キュリティ性の向上が図れる。さらには、磁気情報の高
密度化にも対応でき、しかもカード毎に磁気情報を変え
ることもでき多品種少量の磁気カードの作製も極めて容
易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例であるカード状の磁気記録媒体の
斜視図である。
【図2】図2(a)は、図1のA−A断面矢視図であっ
て、本発明の理解を容易にするために断面状態を模式的
かつ簡略に描いたものであり、図2(b)は、図2
(a)の磁気状態に対応した再生波形を示すものであ
る。
【図3】図3(a)および(b)は、それぞれ、『一の
基本データ値』に対応する1ビット幅の磁性層形状を示
す断面図である。
【図4】図4(a)および(b)は、それぞれ、『他の
基本データ値』に対応する1ビット幅の磁性層形状を示
す断面図である。
【図5】図5(a),(b)および(c)は、それぞ
れ、磁性層断面形状、再生波形、および変調波形(デー
タを含む)を示す図である。
【図6】図2(a)に相当する他の実施態様を示す断面
図である。
【符号の説明】
10…基板 20…磁性層 21…磁気凹部 25…磁気凸部 30…隠蔽層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 5/80 B41M 5/26 Y 5/84 G06K 19/00 B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、この基板の上に形成された磁性
    層とを備える磁気記録媒体であって、 前記磁性層は、磁気ヘッドの走査方向に沿って、配列さ
    れた複数の磁気凹凸部を備えており、 該磁気凹凸部は、ディジタル磁気情報を形成し、 『一の基本データ値』として、1ビット幅内に磁気凹部
    から磁気凸部への変移部位(前ビットの終端が磁気凸部
    である場合)または磁気凸部から磁気凹部への変移部位
    (前ビットの終端が磁気凹部である場合)を存在させ、 『他の基本データ値』として、1ビット幅内に1ビット
    幅と同じ幅で磁気凹部厚さを備える平坦部(前ビットの
    終端が磁気凸部である場合)または磁気凸部厚さを備え
    る平坦部(前ビットの終端が磁気凹部である場合)を存
    在させてなることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記磁気凹部は、均一厚さに形成された
    磁性層を物理的除去して形成されている請求項1に記載
    の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記磁気凹部は、基板を所定の凹凸パタ
    ーンに物理的除去し、当該凹凸パターンの上に磁性層を
    積層して形成されている請求項1に記載の磁気記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 前記磁気凹凸部は、FM変調方式のディ
    ジタル磁気情報として形成されている請求項1ないし請
    求項3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記磁気凹凸部は、レーザー光を照射す
    ることにより磁性層を物理的に除去して形成される請求
    項1ないし請求項4のいずれかに記載の磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006257564A (ja) * 2005-03-15 2006-09-28 Fuji Xerox Co Ltd シート体識別子の設定方法、文書識別子の設定方法及び、シート体管理システム

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