JPH1017712A - 改質ゴム組成物 - Google Patents

改質ゴム組成物

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JPH1017712A
JPH1017712A JP17681496A JP17681496A JPH1017712A JP H1017712 A JPH1017712 A JP H1017712A JP 17681496 A JP17681496 A JP 17681496A JP 17681496 A JP17681496 A JP 17681496A JP H1017712 A JPH1017712 A JP H1017712A
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rubber
furnace black
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JP17681496A
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Takashi Takusagawa
尚 田草川
Hiroyuki Yano
博之 矢野
Nobuyuki Fukunaga
信行 福永
Taizo Minami
太三 南
Takashi Iijima
孝 飯島
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般的なカーボンブラックを改質したものを
配合することにより、ゴム材料の加工工程はなんら変え
ることなく、ゴム組成物の圧縮永久歪等の物性を改良す
ること。 【解決手段】 天然ゴム、合成ゴムから選ばれた少なく
とも一種のゴム100 重量部に対し、ファーネスブラック
15〜150 重量部、及び一般化学式で表されるポリエチ
レングリコール、又はグリセリンの内から選ばれた少な
くとも一種の化合物が 0.05〜6.0 重量部配合されてな
る改質ゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファーネスブラッ
クを補強用に配合したゴム組成物に関するものであり、
特に、圧縮永久歪の改良された改質ゴム組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ゴム材料に応力を印加すると、元の数倍
の長さにまで変形し、次に応力を除去するとまた元の長
さに戻る。このように大変形できること、また大変形か
ら元の形に復元できることが、他の材料には見られな
い、ゴム材料の重要な性質の一つであることは論を待た
ない。このような性質は、例えば車のドアや窓のシール
材として重要であり、シール材のほとんどがゴム材料で
造られていることからもゴム材料の特異性が分かる。
【0003】しかし、ゴム材料といえども、変形を繰り
返す、あるいは長時間変形した状態に置かれると、徐々
に元の形に復元できなくなり、これがこの種の部品の寿
命を決める一つの要素となる。特に高温で使用される場
合に寿命が短い傾向にあり、これを利用して、寿命、即
ち耐久性を試験する方法として、円筒形のゴム材料を一
定歪で押し潰したまま、70〜100℃で22時間置い
た後の復元程度を測定する、圧縮永久歪の試験が一般に
よく用いられている。この圧縮永久歪の値が小さい程、
寿命が長く、耐久性に優れたゴム材料と評価される。
【0004】ゴム材料の圧縮永久歪を改良する手段とし
て、硫黄の代わりに過酸化物を加硫剤として用いる過酸
化物加硫、あるいは硫黄の代わりに硫黄ドナーとして働
くテトラメチルチウラムジスルフイド等を加硫剤として
用いる有効加硫の技術が良く知られている。これら過酸
化物加硫あるいは有効加硫では、通常の硫黄加硫の場合
に多く生成するポリスルフイド架橋よりも、結合エネル
ギーの高い炭素−炭素架橋やモノスルフイド架橋が多く
生成するために、高温における長時間の圧縮に対して
も、架橋の切断による応力緩和が起こり難く、圧縮永久
歪すなわち耐久性が向上する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら炭素−
炭素架橋やモノスルフイド架橋の多いゴム材料は、引張
強さに代表される強度特性が、通常のポリスルフイド架
橋の多いゴム材料と比較し低いことも良く知られてお
り、比較的大きな荷重のかかる部位への適用を難しくし
ている。また、過酸化物加硫の場合は、エチレン・プロ
ピレン・コポリマー( EPM ) にジエン成分を導入され
て、硫黄加硫が可能なエチレン・プロピレン・ジエンタ
ーポリマー( EPDM ) となってから、急激にそのEPDM市
場が拡大した事象からも分かるように、硫黄加硫に比べ
ると汎用性が低く、この点も問題であった。
【0006】圧縮永久歪はゴム材料の根幹的な性質であ
り、強度特性を犠牲にすることなく、しかも簡便な方法
によりこれを改良することは、多くのゴム部品にとって
有益なことである。このような視点から、本発明者ら
は、ゴムの配合を工夫することにより、ゴム材料の加工
工程はなんら変えることなく、その圧縮永久歪を改良す
べく、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の請求項
1は、天然ゴム、合成ゴムから選ばれた少なくとも一種
のゴム 100 重量部に対して、ファーネスブラックが 15
〜150重量部及び下記一般化学式で表される化合物が 0.
05〜6.0 重量部の割合で配合されてなる改質ゴム組成物
である。 (式中、R1,R2,R3は水素又はメチル基、nは3以
上の整数である。) 上記一般化学式で表される化合物としては、分子量が 1
50 以上のポリエチレングリコールが好ましい。また本
発明の請求項3は、天然ゴム、合成ゴムから選ばれた少
なくとも一種のゴム 100 重量部に対して、ファーネス
ブラックが 15〜150重量部及びグリセリンが 0.05〜6.0
重量部の割合で配合されてなる改質ゴム組成物であ
る。
【0008】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明で使用するファーネスブラックは、通常ゴムの補強用
充填材として用いられるグレードのものであれば良く、
特に制限されるものではない。本発明の化合物として好
適なものは、大きく分けて2種類ある。一つは、上記し
た一般化学式で表される化合物であるが、より具体的に
は、分子量が 150 以上のポリエチレングリコールが好
ましい。更に好ましくは、分子量が 150〜4000のポリエ
チレングリコールがより好ましい。ポリエチレングリコ
ールの末端にノリル基、フェニル基等の嵩高い基が結合
した、いわゆるノニオン系界面活性剤等は、ゴムに対す
る圧縮永久歪の改良効果が低く不適である。もう1種類
の化合物としては、グリセリンである。本発明では、こ
れら化合物の内から、単独の1種のみ配合してもよい
し、又は2種以上を併用させて配合してもよい。
【0009】天然ゴム、合成ゴムから選ばれた少なくと
も一種のゴム 100 重量部に対して、ファーネスブラッ
クの配合量は 15〜150重量部が好ましく、更に好ましく
は40〜120重量部が良い。また化合物の配合量は、0.05
〜6.0 重量部が好ましく、更に好ましくは 0.1〜5.0 重
量部が良い。ファーネスブラックが 15 重量部より少な
い、あるいは化合物が0.05重量部よりも少ない配合量で
は、圧縮永久歪の改良効果が認められず、ファーネスブ
ラックが 150 重量部よりも多い配合量では、混練り、
押し出し等の成形加工性が悪化し、化合物が、6.0 重量
部よりも多く配合されると、ゴムの強度特性が低下する
傾向にある。
【0010】ファーネスブラック及びこれら化合物のゴ
ムへの配合方法は特に規定するものではないが、ロー
ル、あるいは密閉式混練機、あるいは押出機等を用いて
混練することでゴムに配合するのが効率的でよい。又、
ゴムに混練する前にファーネスブラックへこれら化合物
を事前に添加する次のような方法は、化合物のゴム中へ
の分散に有利であり更に好ましい。ファーネスブラック
へこれら化合物を事前に添加する方法としては例えば、
撹拌翼を回転させるタイプの撹拌器等を使用して、化合
物を水溶液とした後、転動式造粒器等を使用するファー
ネスブラックの造粒工程前又は造粒工程中に添加・配合
する方法がある。
【0011】なお、ファーネスブラックの造粒水中に糖
水等のバインダー或いは界面活性剤等を添加しても構わ
ないが、単独で 1000 ppmを越える量を添加する事は、
ゴムに対する圧縮永久歪の改良効果の低下につながる恐
れがあり好ましくない。ファーネスブラックに化合物を
添加・配合し、造粒後に熱処理する。この場合の熱処理
温度は、250〜350 ℃が好ましい。化合物は水溶液とし
てファーネスブラックに添加し造粒されているため、25
0 ℃よりも低い温度では乾燥状態になるまでに長い時間
を要し、好ましくない。
【0012】また 350 ℃よりも高い温度ではファーネ
スブラック表面の酸化及び化合物の分解が顕著となり、
ゴムに対する補強性の低下、圧縮永久歪の改良効果の低
下が心配され、好ましくない。熱処理の時間は、1〜4
時間が好ましい。1 時間より短い時間では、乾燥状態と
ならず、特に押出成型の場合ゴム製品に巣が残る等の悪
影響を及ぼし好ましくない。また 4 時間より長い時間
では、生産性の低下に加え、やはりファーネスブラック
表面の酸化及び化合物の分解が顕著となり好ましくな
い。
【0013】一般的にゴム組成物は、強度、耐久性、表
面肌等の物理的特性、耐薬品性等の化学的特性、及び経
済性等を考慮し、ゴムの種類、カーボンブラック、ホワ
イトカーボン等の補強剤、重カル等の増量剤、オイル等
の軟化剤、そして加硫剤、加硫促進剤等を配合設計し、
ロール、あるいは密閉式混練機、あるいは押出機等によ
り混練した後にホットプレス等のバッチ式、あるいはU
HF加硫等の連続式等により、加硫することによって得
られるものであり、本発明はこの中の配合設計に関する
ものであり、より詳しくはファーネスブラックと特殊な
化合物を規定量配合することにより、強度特性を損なう
ことなく圧縮永久歪みに優れたゴム組成物を得るもので
ある。配合の際に通常配合されている物質、例えば補強
剤、増量剤、軟化剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤
等を適宜配合させても良い。
【0014】本発明の化合物添加による作用は必ずしも
明確でないが、ファーネスブラックと共存することで、
なんらかの相互作用を生じると予想されるエーテル系化
合物あるいはグリセリンが、架橋反応へ影響を及ぼし、
架橋の種類、量を強度特性及び圧縮永久歪の両方に適し
た状態にバランスさせるため、強度特性を保持したま
ま、圧縮永久歪が改善されると推定される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、実
施例に従って詳細に説明する。但し、本発明はこれら実
施例に限定されるものではない。なお実施例において用
いた試験方法は、以下による。 (1)N2SA ( m2/g );ASTM D 3037 に準拠して測定し
た。 (2)DBP ( ml/100g );JIS K 6221−1982 の吸油糧A
法に準拠して測定した。 (3)ムーニー粘度( ML 1+4 );JIS K 6300−1974 の
ムーニー粘度試験に準拠し、125 ℃で測定した。
【0016】(4)レオメーター t90 ( t90:分);ASTM
D 2084−88 に準拠し、150 ℃及び160℃で測定した。 (5)圧縮永久歪( CS:% );JIS K 6301 の圧縮永久歪
試験に準拠して、圧縮試験時の熱処理温度と時間は 70
℃、22 時間で測定した。 (6)引張強さ( TB:Kgf/cm2 )及び 300 % モジュラス
( M300 :Kgf/cm2 );JISK 6301の引張試験に準拠して、
ダンベル状 3 号型試験片を用いて測定した。 (7)ゴム硬度(HS);JIS K 6301のスプリング式硬さ試
験A型に準拠して測定した。
【0017】
【実施例】下記実施例及び比較例に使用した粉末ファー
ネスブラック及び改質・未改質ファーネスブラックの調
整例をまず説明する。 (1)ファーネスブラックの製造 粉末ファーネスブラックは、クレオソート油を原料油と
して、通常のファーネス炉を用い、目標とする N2SA (
m2/g )、DBP ( ml/100g )特性とするために、通常行わ
れているように空気率、原料油噴霧位置、原料油中のK
OH濃度、高温での滞留時間等を制御することによっ
て、MAF級CB、FEF級CB、及びSRF級CBの
3種類を製造した。
【0018】(2)改質・未改質ファーネスブラックの
製造例(整理区分:A〜Y) このようにして製造した3種類のファーネスブラック
(MAF級CB、FEF級CB及びSRF級CB)100
重量部に対して、表1に示した各種の化合物等を種々の
配合量( 0.6〜6.3 重量部)の割合にて、1Kgファーネス
ブラック当たりの造粒水約 1.4リットルとともに水溶液
として加え、転動式造粒機で造粒した後、300 ℃で 2
時間熱処理し、改質ファーネスブラック(整理区分:A
〜Y)を製造した。但し表1中の処理剤(化合物)が添
加されていないファーネスブラックの内整理番号Aは、
通常製品(新日鐵化学(株)製ニテロン #10)である。
【0019】
【表1】
【0020】(3)ゴム組成物の製造例(No.1〜35) 上記の表1に記載の改質・未改質ファーネスブラック
(A〜Y)を、未加硫ゴム(EPDM及びNR)100
重量部に対して、オイル、加硫剤としての硫黄、加硫促
進剤としてのメルカプトベンゾチアゾール(M)、テト
ラメチルチウラムジスルフイド(TT)、N−t−ブチ
ル−2−ベンゾチアゾリルスフェンアミド(BBS)、
亜鉛華、ステアリン酸等、又増量材としての重炭酸カル
シウム等とともに、表2,表3,表4に示す配合量(p
hr)にて、配合・混練しホットプレス型加硫装置に
て、加硫条件(温度145〜160℃、10〜30分
間;具体的な条件は表2,3,4に記載)で、加硫する
ことによって、各表に示したゴム組成物 ( No.1〜35)
を製造した。
【0021】但し未加硫ゴムは、次のものを使用した。 ・EPDMは、市販品(住友化学工業製;エスプレンE
P−553)を、NRは、市販品(RSS#1)を使用し
た。 ・オイルは、富士興産(株)製;フッコールプロセスP
−200、又は出光興産(株)製;ダイアナプロセスオ
イルNS−24を使用した。
【0022】(4)ゴム組成物のゴム特性値の測定結果 ゴム組成物 No.1〜35 について、前記した試験法に従っ
てゴム特性値(HS;ゴム硬度,M300;300%モジュラス,CS;
圧縮永久歪み,TB; 引張強さ)を測定した結果を表2,表
3,表4のゴム特性欄にまとめて示す。以下にこの結果
を実施例/比較例に区分して下記に説明する。
【0023】実施例 No.1〜9 及び比較例 No.1〜5 (MAF級の改質・未改質CB配合 EPDM ゴム組成物 N
o.1〜14)ASTM D 3568−90 の EPDM 配合において、M
AF級のファーネスブラック100重量部に分子量200 の
ポリエチレングリコール ( PEG#200 ) を 0.6〜3.8 重
量部添加後、熱処理した改質ファーネスブラック(表1
の B,C,D,F )を 40〜80 phr 配合した実施例 No.1,2,3,
4,5 及びグリセリン 1.3 重量部添加後、熱処理した改
質したファーネスブラック(表1の K )を 80 phr 添加
配合した実施例 No.8 は、化合物無添加のMAF級のフ
ァーネスブラックの通常製品を同量配合した比較例 No.
1 又は比較例 No.2 と比較し、表2に示すように圧縮永
久歪 ( CS )が低くなっており著しく改善されている。
【0024】一方、MAF級のファーネスブラック100
重量部に PEG#200 を 6.3 重量部添加後、熱処理した表
1の G を 80 phr 配合した実施例 No.6 も、圧縮永久
歪 (CS )は改善されているが、引っ張り強さ ( TB ) が
低下している。同様にMAF級のファーネスブラック 1
00 重量部に PEG#600 を1.3 重量部添加後、熱処理した
表1の H を 80 phr 配合した 実施例 No.7 にも、圧縮
永久歪 ( CS )の改善が見られる。ところが低分子量の
PEG であるジエチレングリコール( DEG )、あるいはグ
リセリンと同様分子量中に水酸基を含有するトリエタノ
ールアミン ( TEA )、ポリビニルアルコール ( PVA#500
) をMAF級のファーネスブラック 100重量部に対し
て それぞれ 1.3 重量部添加後、熱処理した表1の I,
J,L を 80phr 配合した 比較例 No.3,4,5 には、圧縮永
久歪 ( CS )の改善が見られていない。またゴム混練時
に、PEG#200 を 2 重量部配合・混練しホットプレス型
加硫装置にて、同一の加硫条件で処理した実施例 No.9
でも圧縮永久歪 ( CS )は改善されていることが分か
る。
【0025】
【表2】
【0026】実施例 No.10 及び比較例 No.6) (MAF級の改質CB配合 の NR ゴム組成物 No.15〜1
6)ASTM D 3192−89 のNR 配合においても、MAF級の
ファーネスブラック 100 重量部にポリエチレングリコ
ール ( PEG#200 ) を 1.3 重量部添加後、熱処理した改
質ファーネスブラック(表1の C )を 50 phr 配合した
実施例 No.10 は、化合物無添加のMAF級のファーネ
スブラックの通常製品 A を同量配合した 比較例No.6
と比較し、表3に示すように圧縮永久歪 ( CS )が著し
く改善されている。
【0027】実施例 No.11〜13及び比較例 No.7 (MAF級の改質CB及び重炭酸カルシウム配合の EPD
Mゴム組成物 No.17〜20)ASTM D 3560−90 の EPDM 配
合に重炭酸カルシウムを加えた系でも、MAF級のファ
ーネスブラック 100 重量部にポリエチレングリコール
( PEG#200 ) を 0.6〜3.3 重量部添加後、熱処理した改
質ファーネスブラック(表1の B,C,E )を各 100 phr
配合した 実施例 No.11,12.13 は、化合物無添加のMA
F級のファーネスブラックの通常製品 A を同量配合し
た比較例 No.7 と比較し、表3に示すように圧縮永久歪
( CS )が著しく改善されている。
【0028】
【表3】
【0029】実施例 No.14〜21及び比較例 No.8〜10 (FEF級の改質CB及び重炭酸カルシウム配合のEPDM
ゴム組成物 No.21〜31)同様にFEF級のファーネスブ
ラック 100 重量部にポリエチレングリコール(PEG#200
) を 0.1〜5 重量部添加後、熱処理した改質ファーネ
スブラック(表1の N,O,P,Q,R ) 及び PEG#600,#1540,
#4000 を添加後、熱処理した改質ファーネスブラック
(表1の S,T,U ) を各 100 phr 配合した 実施例 No.1
4〜21 は、化合物無添加のFEF級のファーネスブラッ
クの通常製品 M を同量配合した比較例 No.8 と比較
し、表4に示すように、圧縮永久歪 ( CS )が著しく改
善されているだけでなく、引張強さ ( TB )も向上して
いることが分かる。
【0030】一方FEF級のファーネスブラック 100
重量部に、PEG の末端にノニルフェニル基及びポリプロ
ピレングリコールを導入した構造を持つディスパノー
ル、あるいはグリセリンと同様分子中に水酸基を含有す
るトリエタノールアミン ( TEA) をそれぞれ 3 重量部
添加後、熱処理した改質ファーネスブラック(表1のV,
W ) を各 100 phr 配合した 比較例 No.9〜10 は、表4
に示すように圧縮永久歪( CS )が改善されていないばか
りか、引張強さ ( TB ) も低下している。
【0031】実施例 No.22〜23及び比較例 No.11〜12 (SRF級の改質CB及び重炭酸カルシウム配合のEPDM
ゴム組成物No.32〜35)SRF級のファーネスブラック
100 重量部にポリエチレングリコール ( PEG#200 ) を
2重量部添加後、熱処理した改質ファーネスブラック
(表1の Y ) を40〜70 phr 配合した 実施例 No.22〜2
3 も、化合物無添加のSRF級ファーネスブラックの通
常製品 X を同量配合した 比較例 No.11〜12 と比較
し、表4に示すように圧縮永久歪 ( CS ) が著しく改善
されているだけでなく、引張強さ (TB )も向上してい
る。
【0032】
【表4】
【0033】ここで、比較例 の内(No.1 と No.2)、
(No.11 と No.12)、(No.7 と No.8)及び( No.6 と
No.1,2,7 )をそれぞれ検討する。圧縮永久歪 ( CS )
及び引張強さ ( TB ) は、当然のことながら、配合する
ファーネスブラックの配合量及び表面積、更にマトリッ
クスとなるゴムの種類にも影響される。ASTM D 3568−9
0 のEPDM 配合で、MAF級のファーネスブラックの通
常製品 A を 40 phr配合した 比較例 No.1 と 80 phr
配合した比較例 No.2 を相互に比較すると、No.2 の方
がゴム硬度、引張強さが高く、圧縮永久歪が小さい。
【0034】ASTM D 3568−90 のEPDM 配合に重炭酸カ
ルシウムを加えた系でも、SRF級ファーネスブラック
の通常製品 X を 40,70 phr 配合した比較例 No.11 と
比較例 No.12 を相互に比較すると、No.12 の方がゴム
硬度、引張強さが高く、圧縮永久歪が小さい。 また、
MAF級のファーネスブラックの通常製品 A、FEF級
のファーネスブラックの通常製品 M をそれぞれ 100 ph
r 配合した 比較例 No.7と比較例 No.8 を相互に比較す
ると、No.7 の方がゴム硬度、引張強さが高く、圧縮永
久歪が小さい。
【0035】同じ MAF 級ファーネスブラックの通常製
品 A を配合しているにもかかわらず、NR(天然ゴ
ム)を使用した No.6 は、EPDM を使用した No.1,2,7
と比較し、非常に高い引張強さを示しているが、圧縮永
久歪は悪い。このようにファーネスブラックの配合量が
多いほど、また表面積の大きいファーネスブラックを配
合するほど、ゴム硬度が高く(硬く)なり、引張強さ、
圧縮永久歪が改善される傾向にある。但し引張強さ、圧
縮永久歪はファーネスブラックの最適配合量及び表面積
を持っている。
【0036】ゴムの硬さ、つまり柔らかさあるいは応力
に対する変形しやすさは、ゴム製品の使用される箇所に
より、当然のことながら要求される値が異なってくるの
で、ファーネスブラックの配合量あるいは表面積は自ず
と決まってしまう。またマトリックスとなるゴムの種類
も、通常、引張強さ等の強度特性、耐熱性、耐油・耐薬
品性等の耐環境特性などの総合的な観点から選択される
もので、圧縮永久歪のみを基準として選ぶことは現実的
ではない。大事なことは、ある種類のゴムを使用したと
きに、ほぼ同一のゴム硬度、つまりファーネスブラック
の配合量、表面積が同じでありながら、圧縮永久歪を改
善できる点であり、ここにおいて本発明の高い有用性が
理解されるものである。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、ゴムとファーネス
ブラック及び特定の化合物を配合してなるゴム組成物を
基本とすることにより、高い引張強さと改良された(小
さい)圧縮永久歪を併せ持った、すなわち強度と耐久性
に優れたゴム製品を通常のゴム加工工程で製造すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 71/02 LQE C08L 71/02 LQE C09C 1/56 PBF C09C 1/56 PBF (72)発明者 福永 信行 福岡県遠賀郡遠賀町大字浅木457−23 (72)発明者 南 太三 福岡県北九州市戸畑区新池2丁目11−18 (72)発明者 飯島 孝 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社技術開発本部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ゴム、合成ゴムから選ばれた少なく
    とも一種のゴム 100重量部に対して、ファーネスブラッ
    クが 15〜150重量部及び下記一般化学式で表される化合
    物が 0.05〜6.0 重量部の割合で配合されてなる改質ゴ
    ム組成物。 (式中、R1,R2,R3は水素又はメチル基、nは3以
    上の整数である。)
  2. 【請求項2】 一般化学式で表される化合物は、分子量
    150 以上のポリエチレングリコールである請求項1記
    載の改質ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 天然ゴム、合成ゴムから選ばれた少なく
    とも一種のゴム 100重量部に対して、ファーネスブラッ
    クが 15〜150重量部及びグリセリンが 0.05〜6.0 重量
    部の割合で配合されてなる改質ゴム組成物。
JP17681496A 1996-07-05 1996-07-05 改質ゴム組成物 Withdrawn JPH1017712A (ja)

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