JP3344187B2 - 耐フロン冷媒用水素化nbr組成物 - Google Patents

耐フロン冷媒用水素化nbr組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐フロン冷媒用水
素化NBR組成物に関する。更に詳しくは、フロンR12
およびフロンR134aの両冷媒と接触する用途に用いられ
る耐フロン冷媒用水素化NBR組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、冷媒としてフロンR12(CCl2F2)を
用いているエアコンなどのゴム部品(Oリング、パッキン
など)には、NBRまたは水素化NBRが用いられてい
るが、フロン規制によりフロンR12がフロンR134a(CH2FC
F3)に代替されようとしている。しかしながら、NB
R、水素化NBRの加硫成形品は、フロンR134aとの高
温時の接触で表面にブリスターを発生させてしまうとい
う欠点を有している。
【0003】一方、フロンR134aに対しては、エチレン
・プロピレン系共重合ゴムがすぐれた耐性を有している
が、エチレン・プロピレン系共重合ゴムの加硫成形品
は、逆にフロンR12との高温時の接触で表面にブリスタ
ーを発生させてしまうという欠点を有している。
【0004】このように、現在フロンR12からフロンR13
4aに代替されようとはしているが、それに伴ってそこに
は種々の問題があり、フロンR12がすべてフロンR134aに
代替される迄には、かなりの時間を有するのが現状であ
る。この間の措置として、フロンR12とフロンR134aとが
それぞれ用いられることになり、従ってフロンR12とフ
ロンR134aの両方の冷媒に対して使用できるゴム組成物
が求められているが、現在はこうした要求に応えられる
ゴム組成物が提供されていない。
【0005】また、本出願人は先に、フロンR12とフロ
ンR134aの両方の冷媒に対して、すぐれた耐性を示すゴ
ム組成物として、水素化NBR、塩素化ポリエチレンお
よび有機過酸化物を含有するゴム組成物を提案している
(特開平3-250,037号公報)。
【0006】かかるゴム組成物は、所期の目的は達成さ
せるものの、水素化NBRが約60重量%以上の割合で用
いられた場合には、耐フロンR134a性が悪くなり、発泡
するようになると述べられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水素
化NBRを約60重量%以上の割合で用いた場合において
も、耐フロンR134a性を低下させず、加硫成形品表面に
ブリスターを発生させない水素化NBR組成物を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
水素化NBR約95〜55重量%およびムーニー粘度ML1+4(1
00℃)が50以下のEPDM約5〜45重量%の混合物に有機過酸
化物を添加してなる耐フロンR12冷媒および耐フロンR13
4a冷媒用水素化NBR組成物によって達成される。
【0009】水素化NBRとしては、アクリロニトリル
とブタジエンとの共重合ゴム、好ましくは30〜50%のア
クリロニトリルと70〜50%のブタジエンとの共重合ゴム
を水素添加し、分子主鎖中の炭素-炭素二重結合量を10%
以下にしたものが一般に用いられ、これは例えば日本ゼ
オン製品ゼットポールなどの市販品をそのまま用いるこ
とができる。
【0010】また、EPDMとしては、そのムーニー粘度ML
1+4(100℃)が50以下、好ましくは45〜25のものが用いら
れる。これ以上のムーニー粘度のものを用いると、後記
比較例2の結果に示されるように、R12およびR134aに対
する耐フロン冷媒性の改善が行われない。
【0011】これら両者は、水素化NBRが約95〜55重
量%、好ましくは約80〜60重量%の割合で、またEPDMが約
5〜45重量%、好ましくは約20〜40重量%の割合で混合物
として用いられる。このような混合範囲外の混合物が用
いられた場合には、やはり耐フロン冷媒性の改善が行わ
れない。
【0012】これらのゴム混合物は、一般にゴム混合物
100重量部当り約1〜10重量部、好ましくは約2〜8重量部
用いられる有機過酸化物によって架橋される。有機過酸
化物としては、例えばジ第3ブチルパーオキサイド、ジ
クミルパーオキサイド、第3ブチルクミルパーオキサイ
ド、1,1-ジ(第3ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシ
クロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオ
キシ)ヘキシン-3、1,3-ジ(第3ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパ
ーオキシ)ヘキサン、第3ブチルパーオキシベンゾエー
ト、第3ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、n
-ブチル-4,4-ジ(第3ブチルパーオキシ)バレレートなど
が用いられる。
【0013】ゴム組成物中には、以上の必須成分以外
に、それぞれのゴムの配合剤として、トリアリル(イソ)
シアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリアリルトリメリテートなどの多官能性化合
物、カーボンブラック、微細シリカなどの補強剤、タル
ク、クレー、グラファイト、けい酸カルシウムなどの充
填剤、ステアリン酸、パルミチン酸、パラフィンワック
スなどの加工助剤、酸化マグネシウム、ハイドロタルサ
イト、エポキシ樹脂などの受酸剤、老化防止剤、可塑剤
などのゴム工業で一般的に使用されている配合剤が必要
に応じて適宜添加されて用いられる。
【0014】ゴム組成物の調製は、インタミックス、ニ
ーダ、バンバリーミキサなどの混練機あるいはオープン
ロールなどを用いて混練することによって行われ、それ
の加硫は、射出成形機、圧縮成形機、加硫プレスなどを
用い、一般に約150〜200℃で約3〜60分間程度加熱する
ことによって行われ、必要に応じて約120〜200℃で約1
〜24時間加熱する二次加硫が行われる。
【0015】
【発明の効果】水素化NBRとEPDMとのゴム混合物を有
機過酸化物で架橋すると、それぞれ単独のゴムでは得ら
れなかった性質、つまりフロンR12とフロンR134aの両冷
媒に対し、すぐれた耐性を示すゴム組成物が提供され
る。
【0016】従って、本発明に係る水素化NBRを主成
分とするゴム組成物は、フロンR12またはフロンR134aを
使用する機械、例えばエアコン、冷蔵庫などに用いられ
るOリング、パッキンなどのゴム部品の成形材料として
好適に用いることができる。
【0017】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0018】実施例1〜3、比較例1〜4 の各所定量を用い、これらのゴム(混合物)100重量部当
りジクミルパーオキサイド4重量部、SRFカーボンブラッ
ク60重量部、酸化亜鉛5重量部およびステアリン酸1重
量部を配合し、ニーダおよびロールで混練した後、170
℃、20分間のプレス加硫(一次加硫)および175℃、15時
間のオーブン加硫(二次加硫)を行い、150×150×2mmの
加硫シートを得た。
【0019】得られた加硫シートについて、JIS K-6301
に準拠して常態物性を測定すると共に、R12またはR134a
中に40℃で24時間浸漬した後、130℃または150℃に1時
間加熱し、加硫シート表面のブリスターの有無を観察し
た。得られた結果は、各ゴムの混合量と共に、次の表に
示される。 表 実-1 実-2 実-3 比-1 比-2 比-3 比-4 [ゴム;重量部] 水素化NBR 90 70 60 50 70 100 EPDM−1 10 30 40 50 100 EPDM−2 30 [常態物性] 硬さ (JIS A) 74 74 73 73 74 75 73 引張強さ(MPa) 29.3 27.9 26.8 24.7 26.9 31.0 15.9 伸 び (%) 300 310 310 330 310 280 370 [耐R12性] 130℃加熱 なし なし なし なし あり なし あり 150℃加熱 なし なし なし あり あり なし あり [耐R134a性] 130℃加熱 なし なし なし なし あり なし なし 150℃加熱 なし なし なし あり あり あり なし
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 9/02 C08K 5/14 C08L 15/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素化NBR約95〜55重量%およびムー
    ニー粘度ML1+4(100℃)が50以下のEPDM約5〜45重量%の混
    合物に有機過酸化物を添加してなる耐フロンR12冷媒お
    よび耐フロンR134a冷媒用水素化NBR組成物。
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