JPH1017649A - エポキシ樹脂用硬化促進剤及び該硬化促進剤を含むエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂用硬化促進剤及び該硬化促進剤を含むエポキシ樹脂組成物

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JPH1017649A
JPH1017649A JP17320996A JP17320996A JPH1017649A JP H1017649 A JPH1017649 A JP H1017649A JP 17320996 A JP17320996 A JP 17320996A JP 17320996 A JP17320996 A JP 17320996A JP H1017649 A JPH1017649 A JP H1017649A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、硬化温度の低下及び硬化時間の短
縮が可能となり、加えて、長期間使用しても通電性を発
現せず且つ耐熱性、耐ハンダ性等がより一層向上したエ
ポキシ樹脂硬化物を得るためのエポキシ樹脂用硬化促進
剤を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明のエポキシ樹脂用硬化促進剤は、
一般式 RCONHNH2 〔式中Rは置換基を有するこ
とのあるアリール基を示す。〕で表されるモノヒドラジ
ド化合物からなるエポキシ樹脂用硬化促進剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂用硬
化促進剤及び該硬化促進剤を含むエポキシ樹脂組成物に
関する。本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、電子
部品の封止材料として特に有用である。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】エポキシ樹脂は、その
硬化物が優れた電気絶縁性、耐湿性、耐熱性、耐ハンダ
性、耐薬品性、耐久性、接着力、機械的強度等を有する
ことから、例えば、固定抵抗器、半導体等の電子部品や
積層板の封止材料、接着剤、塗料等として広く使用され
ている。特に電子機器の著しい発達に伴い、電子部品の
封止材料としての用途は、その重要性が増大している。
【0003】従来から、エポキシ樹脂の硬化は、エポキ
シ樹脂に硬化剤を添加することにより行われる。ここで
硬化剤としては、例えば、脂肪族アミン類、酸無水物、
フェノール、イミダゾール類、ジシアンジアミド、三弗
化硼素のアミン錯体、ジヒドラジド化合物等が知られて
いる。
【0004】これら従来の硬化剤の中、脂肪族アミン
類、酸無水物及びフェノールを用いると、室温でも硬化
反応が進行するため、使用直前にエポキシ樹脂と混合し
なければならず、作業性が非常に悪いという問題があ
る。一方、イミダゾール類、ジシアンジアミド及び三弗
化硼素のアミン錯体のいずれかを用いる場合は加熱する
ことが必須であるため、脂肪族アミン類等のような問題
は生じないが、イミダゾール類やジシアンジアミドを用
いて得られるエポキシ樹脂硬化物は耐湿性が不十分とな
る。また三弗化硼素のアミン錯体は、硬化時にアミンガ
スを発生し、硬化物を変色させるという欠点を有してい
る。更に、ジヒドラジド化合物以外の従来の硬化剤は、
いずれも、その一部がそのまま硬化物中に残存し、水素
イオン等のイオンを放出し、硬化物に通電性を付与する
という欠点がある。このような硬化物を例えば電子部品
用の封止材料として用いると、絶縁不良が生じ、そのた
め電子・電気機器の信頼性が著しく低下するを避け得な
い。
【0005】これに対し、ジヒドラジド化合物は、室温
では硬化反応を起こさず、得られる硬化物の耐湿性、電
気絶縁性等の特性を損なったり、また変色を誘起するこ
ともないので、今日まで種々のジヒドラジド化合物が提
案されている(特開昭57−145121号公報、特開
昭59−49224号公報、特開昭60−20927号
公報、特開昭60−55025号公報、特開昭60−1
77018号公報、特開昭61−12724号公報、特
開昭61−36318号公報、特開昭60−12770
2号公報、特開平4−146980号公報)。
【0006】しかしながら、ジヒドラジド化合物を用い
て円滑な硬化反応を行うには、160〜180℃又はそ
れ以上に加熱しなければならず、且つ硬化に長時間を要
するという問題がある。従って、エネルギーコストひい
てはランニングコストが著しく増大し、工業的に好まし
くない。そこで、このような問題を解決するために、通
常硬化促進剤が添加されている。ジヒドラジド化合物を
用いて樹脂を硬化させる際に添加されるべき硬化促進剤
としては、例えばトリ−n−ブチルアミン、ベンジルメ
チルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチ
ル)フェノール等の第三級アミン類、2−エチルイミダ
ゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フ
ェニルイミダゾール等のイミダゾール類等が使用されて
いる。しかるに、これらの硬化促進剤はジヒドラジド化
合物以外の従来の硬化剤と同一又は同類のものであり、
従って生成する硬化物に通電性が付与されるのが避けら
れない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、エポキシ樹脂をジヒ
ドラジド化合物によって硬化させる際に、特定のモノヒ
ドラジド化合物を硬化促進剤として添加することによ
り、硬化温度の低下及び硬化時間の短縮が可能となり、
加えて、長期間使用しても通電性を発現せず且つ耐熱
性、耐ハンダ性等がより一層向上したエポキシ樹脂硬化
物が得られることを見い出し、本発明を完成した。
【0008】本発明は、一般式 RCONHNH2 (1) 〔式中Rは置換基を有することのあるアリール基を示
す。〕で表されるモノヒドラジド化合物からなるエポキ
シ樹脂用硬化促進剤を提供するものである。
【0009】また、本発明は、エポキシ樹脂、ジヒドラ
ジド化合物及び上記一般式(1)で表されるエポキシ樹
脂用硬化促進剤を有効成分とするエポキシ樹脂組成物を
提供するものである。
【0010】本発明によれば、生成するエポキシ樹脂硬
化物に通電性を付与しないエポキシ樹脂用硬化促進剤が
提供される。本発明の硬化促進剤は、硬化物中に水素イ
オン等のイオンを放出することがないので、硬化物に通
電性を付与することはない。特に本発明の硬化促進剤の
中でも、後記一般式(3)で表される硬化促進剤は、こ
の効果が顕著である。
【0011】本発明の硬化促進剤を用いれば、ジヒドラ
ジド化合物を硬化剤とするエポキシ樹脂の硬化反応にお
いて、硬化温度を10〜20℃程度低下させることがで
き、且つ硬化時間の短縮も図れるので、ランニングコス
トを著しく低減化させることができ、工業的に非常に有
用である。
【0012】本発明の硬化促進剤を用いて得られるエポ
キシ樹脂硬化物は、エポキシ樹脂硬化物が本来有する好
ましい特性(具体的には、電気絶縁性、耐湿性、耐薬品
性、耐久性、接着力、機械的強度等)を保持したまま、
特に耐熱性、耐ハンダ性等がより一層向上したものであ
り、更に上述のように長期間使用しても通電性が発現せ
ず、絶縁不良が起こることがない。従って、本発明によ
るエポキシ樹脂硬化物を、例えば電子部品の封止材料に
適用すると、電子・電気機器に高い信頼性を付与するこ
とができる。
【0013】本発明のエポキシ樹脂組成物は、従来のエ
ポキシ樹脂組成物と同様の用途に使用できる。具体的な
用途としては、例えば、電子部品の封止材料、積層板の
封止材料、接着剤、塗料等を挙げることができる。これ
らの中でも、コンデンサ、抵抗器、フライバックトラン
ス、磁気ヘッド、プリント配線板、チップ抵抗器、ハイ
ブリッドIC、半導体等の電子部品の封止材料が好まし
く、抵抗器等の封止材料が特に好ましい。
【0014】
【発明の実施の態様】本発明の硬化促進剤は、一般式 RCONHNH2 (1) 〔式中Rは置換基を有することのあるアリール基を示
す。〕で表されるモノヒドラジド化合物である。
【0015】ここでRで示されるアリール基としては、
例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル
基等を挙げることができ、これらの中でもフェニル基が
好ましい。
【0016】また、アリール基に置換する基としては、
例えば、低級アルコキシ基、低級アルキル基、アミノ
基、ニトロ基等を挙げることができ、これらの中でも低
級アルコキシ基、低級アルキル基等が好ましく、低級ア
ルコキシ基が特に好ましい。尚、低級アルキル基は、例
えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
sec−プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert
−ブチル等の炭素数1〜4程度の直鎖又は分岐鎖状のア
ルキル基であり、低級アルコキシ基は、メトキシ、エト
キシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、sec−プロ
ポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブト
キシ等の炭素数1〜4程度の直鎖又は分岐鎖状のアルコ
キシ基である。
【0017】上記一般式(1)のモノヒドラジド化合物
の中でも、一般式
【0018】
【化3】
【0019】〔式中R1は低級アルキル基、アミノ基又
はニトロ基を示す。R2は水素原子又は低級アルコキシ
基を示す。mは0〜2の整数を示す。nは1〜3の整数
を示す。〕で表されるモノヒドラジド化合物が好まし
い。このモノヒドラジド化合物のうち、R2 が低級アル
コキシ基であるモノヒドラジド化合物は、その分子構造
中にエーテル結合を有するのが特徴であり、本発明のエ
ポキシ樹脂用硬化促進剤としても特に有用なものであ
る。従来のエポキシ樹脂用の硬化促進剤の中には、その
分子構造中にエーテル結合を有するものはない。上記一
般式(2)のモノヒドラジド化合物の中でも、一般式
【0020】
【化4】
【0021】〔式中R1'は低級アルキル基を示す。R2'
は低級アルコキシ基を示す。m及びnは前記に同じ。〕
で表されるモノヒドラジド化合物が好ましい。
【0022】上記一般式(1)の具体例としては、例え
ば、安息香酸ヒドラジド、1−ナフトエ酸ヒドラジド、
アニス酸ヒドラジド、p−メトキシ安息香酸ヒドラジ
ド、アミノ安息香酸ヒドラジド、3−メトキシ−2−ナ
フトエ酸ヒドラジド等を挙げることができ、これらの中
でも、アニス酸ヒドラジドが特に好ましく使用され得
る。
【0023】尚、上記一般式(1)で表されるモノヒド
ラジド化合物は、公知の方法に従って容易に製造でき
る。例えば、出発原料である対応するカルボン酸エステ
ルとヒドラジンとを、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、te
rt−ブタノール等の低級アルコール等の適当な溶媒中
にて加熱還流すればよい。
【0024】次いで、本発明のエポキシ樹脂組成物につ
き説明する。
【0025】本発明のエポキシ樹脂組成物において、主
成分となるエポキシ樹脂としては、公知のものを使用で
き、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポ
キシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ
樹脂、グリシジルエステル系樹脂、グリシジルアミン系
エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ウレタン変性エ
ポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
複素環式エポキシ樹脂等を挙げることができる。尚、本
発明のエポキシ樹脂組成物を電子部品の封止材料等とし
て用いる場合には、これらのエポキシ樹脂の中でも、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂等を好ましく使用できる。
【0026】本発明のエポキシ樹脂組成物において、硬
化剤として使用するジヒドラジド化合物としては1分子
中に2個又はそれ以上のヒドラジド基を有するものであ
れば特に制限されないが、例えば、一般式 H2 NHN−X−NHNH2 (4) 〔式中Xはオキソ基、基−CO−又は基−CO−A−C
O−示す。Aは置換基を有することのあるアルキレン基
又は置換基を有することのあるアリーレン基を示す。〕
で表されるジヒドラジド化合物等を挙げることができ
る。
【0027】上記一般式(4)において、Aで示される
アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン
基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレ
ン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメ
チレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカ
メチレン基、ヘキサデカメチレン基等の炭素数1〜14
程度の直鎖状アルキレン基を挙げることができる。アル
キレン基の置換基としては、例えば水酸基等を挙げるこ
とができる。アリーレン基としては、例えば、フェニレ
ン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アントリレン
基、フェナントリレン基等を挙げることができ,これら
の中でもフェニレン基、ナフチレン基等が好ましい。ア
リーレン基の置換基としては、例えば、水酸基、フッ
素、塩素、臭素等のハロゲン原子、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
tert−ブチル基、イソブチル基等の炭素数1〜4程
度の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基等を挙げることがで
きる。
【0028】上記一般式(4)で表されるジヒドラジド
化合物の具体例としては、例えば、カルボヒドラジド、
シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク
酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸
ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸
ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオ
ヒドラジド、ヘキサデカンジオヒドラジド、マレイン酸
ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸
ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラ
ジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒド
ラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、4,4’−
ビスベンゼンジヒドラジド、1,4−ナフトエ酸ジヒド
ラジド等を挙げることができる。これらの他にも、ダイ
マー酸ジヒドラジド、2,6−ピリジンジヒドラジド、
イミノジ酢酸ジヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、
シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、特公平
2−4607号公報に記載のジヒドラジド化合物等の2
塩基酸ヒドラジド、2,4−ジヒドラジノ−6−メチル
アミノ−sym−トリアジン、ポリ(メタ)アクリル酸
ヒドラジド等をも使用できる。尚、本発明のエポキシ樹
脂組成物を電子部品の封止材等として用いる場合には、
これらのジヒドラジド化合物の中でも、2塩基酸ジヒド
ラジド等が好ましく、アジピン酸ジヒドラジド、アゼラ
イン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカ
ンジオヒドラジド等が特に好ましく、ドデカンジオヒド
ラジド等がより一層好ましい。ジヒドラジド化合物は1
種を単独で又は2種以上を併用して使用できる。ジヒド
ラジド化合物の使用量は特に制限されず、得られるエポ
キシ樹脂硬化物の用途等に応じて広い範囲から適宜選択
できるが、通常エポキシ樹脂100重量部に対して5〜
80重量部程度、好ましくは10〜60重量部程度とす
ればよい。
【0029】本発明のエポキシ樹脂組成物において、硬
化促進剤として使用する上記一般式(1)のモノヒドラ
ジド化合物は1種を単独で又は2種以上を併用して使用
できる。その使用量は特に制限されず、得られるエポキ
シ樹脂硬化物の用途等に応じて広い範囲から適宜選択で
きるが、硬化剤であるジヒドラジド化合物100重量部
に対して、通常5〜40重量部程度、好ましくは10〜
20重量部程度とすればよい。
【0030】本発明のエポキシ樹脂組成物には、従来か
らエポキシ樹脂に添加されている無機充填材や補強材等
を添加することもできる。充填剤としては公知のものを
使用でき、例えば、シリカ、溶融石英、炭酸カルシウ
ム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、水和アルミナ、アル
ミナ、水和マグネシウム、ジルコン、コージライト、窒
化珪素、窒化硼素、窒化アルミニウム等を挙げることが
できる。補強剤としても公知のものを使用でき、例え
ば、ガラスチョップ、アスベスト、タルク、マイカ等を
挙げることができる。尚、充填材及び補強材の種類、純
度、添加量等を適宜変更することにより、得られる硬化
物の熱伝導率、耐クラック性、電気特性、耐トラッキン
グ性等を調整し得ることは公知であるが、通常は、エポ
キシ樹脂の固形分100重量部に対して55〜160重
量部程度、好ましくは75〜120重量部程度とすれば
よい。充填材及び補強材は1種を単独で又は2種以上を
併用して使用できる。
【0031】本発明のエポキシ樹脂組成物を、例えば電
子部品の封止材料として用いる場合には、エポキシ樹
脂、硬化剤であるジヒドラジド化合物及び硬化促進剤で
ある上記一般式(1)のモノヒドラジド化合物と共に、
無機充填剤、補強剤等の少なくとも1種を含む組成物が
好ましい。
【0032】本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に
応じて、従来からエポキシ樹脂組成物に含まれているの
と同様の添加剤が含まれていてもよい。ここで添加剤と
しては、例えば、無機顔料(二酸化チタン、カーボンブ
ラック、弁柄、黄色酸化鉄等)、有機顔料、粘度調整
剤、レベリング剤、消泡剤、カップリング剤、可塑剤、
希釈剤、難燃剤、有機溶媒等を挙げることができる。
【0033】更に、本発明のエポキシ樹脂組成物には、
本発明の顕著な効果を損なわない範囲で、イミダゾール
類、第三級アミン、カルボン酸、クロロフェニル−1,
1−N−ジメチル尿素、有機金属化合物塩等の従来の硬
化剤又は硬化促進剤を添加することもできる。
【0034】本発明のエポキシ樹脂組成物は、公知の方
法に従い、上記各成分を混合することにより製造でき
る。
【0035】本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、
金属、合成樹脂、セラミックス、繊維類、紙類等の各種
素材の少なくとも1種で構成された各種形状の物品に適
用できる。具体的には、各種形状の物品を本発明樹脂組
成物に浸漬するか又は該物品表面に本発明樹脂組成物を
塗布又は被覆した後、加熱して本発明樹脂組成物を硬化
させればよい。硬化温度、硬化時間等の硬化条件は、エ
ポキシ樹脂の種類、ジヒドラジド化合物の種類や使用
量、モノヒドラジド化合物の種類や使用量等の各種条件
に応じて適宜選択すればよいが、硬化温度は、通常ジヒ
ドラジド化合物を硬化剤とする従来のエポキシ樹脂組成
物と同様(160〜180℃程度又はそれ以上)でもよ
く、更に10〜20℃程度低い温度でもよい。ランニン
グコストを考慮すると、より低温の方が好ましい。また
硬化時間は通常1〜10分程度とすればよい。
【0036】また、本発明のエポキシ樹脂組成物を、注
型成形等の通常の成形方法に従って任意の形状の成形物
とし、これを各種素材の少なくとも1種で構成された各
種形状の物品に、接着、嵌装等の通常の方法に従って取
り付けることもできる。成形時の硬化条件は、塗布又は
被覆の場合と同程度でよい。
【0037】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を具
体的に説明する。以下において、「部」とあるのは「重
量部」を意味する。
【0038】実施例1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エピコート
828、油化シェルエポキシ(株)製)100部、ドデ
カンジオヒドラジド30部、アニス酸ヒドラジド6部、
シリカ80部及び二酸化チタン30部を予め混合し、こ
の混合物を3本ロールにて60℃の加温下に粒度40μ
mに分散混練し、本発明のエポキシ樹脂組成物を製造し
た。
【0039】比較例1 ドデカンジオヒドラジドの配合量を35部とし、アニス
酸ヒドラジドを用いない以外は、実施例1と同様にして
エポキシ樹脂組成物を製造した。
【0040】比較例2 アニス酸ヒドラジドの配合量を45部とし、ドデカンジ
オヒドラジドを用いない以外は、実施例1と同様にして
エポキシ樹脂組成物を製造した。
【0041】試験例1(耐熱性試験) 実施例1及び比較例1〜2で得られたエポキシ樹脂組成
物について、線膨張率の変化を測定することによりガラ
ス転移温度(Tg、℃)を調べた(TAM法)。また、
1時間加熱後に正常な硬化物が得られる温度をその組成
物の硬化温度と規定し、それぞれのエポキシ樹脂組成物
の硬化温度を調べた。結果を表1に示す。
【0042】試験例2(耐ハンダ性試験) 実施例1及び比較例1〜2で得られたエポキシ樹脂組成
物を、寸法が1cm×1.5cm×3cmの型枠に流し
込み、150℃で15分加熱し、試験用硬化物を製造し
た。この試験片を、加熱溶解して350℃に保持したハ
ンダ中に5秒間浸漬した後、取り出して試験片の変色の
度合いを目視観察した。尚、評価基準は次の通りであ
る。
【0043】○:表面にクラックが発生せず、薄い変色
しか認められない。
【0044】△:変色が濃い。
【0045】×:全体又は一部が炭化する。
【0046】結果を下記表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】以上の結果から、本発明のエポキシ樹脂用
硬化促進剤であるアニス酸ヒドラジドを添加することに
より、硬化温度が10℃以上も低下し、Tgが35℃以
上も高くなり、耐熱性が著しく優れた、更に耐ハンダ性
にも優れた硬化物が得られることが判る。即ち、ドデカ
ンジオヒドラジド(硬化剤)とアニス酸ヒドラジド(硬
化促進剤)の併用による相乗効果が明らかに確認でき
る。
【0049】試験例3 実施例1及び比較例1〜2で得られたエポキシ樹脂用組
成物を、下記の性能試験に供した。結果を表2に示す。
【0050】(1)貯蔵安定性:深さ80mm、断面直
径60mmのガラス瓶に、70mmの深さまで試料を入
れて密閉し、40℃の恒温器中に30日間静置して保存
した。保存前後の粘度をリオンビスコテスター(20
℃、単位ポイズ)によって測定した。保存後の粘度が保
存前の粘度の約1.5倍以下の場合を合格とした。
【0051】(2)塗装作業性と外観:1/4W型1M
Ωの炭素被膜固定抵抗器に、25℃に調整した試料を塗
布し、170℃で10分間加熱して硬化させた。塗装時
にタレがなく、硬化塗膜の厚さが200μm以上で、塗
膜表面にピンホールやクラックが観察されない場合を合
格とした。
【0052】(3)耐湿性:上記(2)と同様にして塗
装した抵抗器を、85℃、85%の相対湿度の雰囲気中
にて、5時間の通電(250VDC)と0.5時間の無
通電を1サイクルとして250サイクル繰り返した。試
験前後の抵抗値を測定し、初期の抵抗値に対する試験後
の抵抗値の変化率(%)を調べた。変化率が±5%以内
である場合が合格である。
【0053】(4)耐熱性:上記(2)と同様にして塗
装した抵抗器を、155℃の恒温機中に1000時間静
置した。試験後、塗膜表面にクラックが観察されず、試
験前の抵抗値に対する試験後の抵抗値の変化率(%)を
調べた。変化率が±1%以内である場合が合格である。
【0054】(5)耐久性(冷・熱サイクル性):上記
(2)と同様にして塗装した抵抗器を、125℃×30
分、25℃×10分、−55℃×30分の温度変化を1
サイクルとして、5サイクル繰り返した。試験後、塗膜
表面にクラックが観察されず、試験前の抵抗値に対する
試験後の抵抗値の変化率(%)を調べた。変化率が±1
%未満である場合が合格である。
【0055】(6)耐絶縁性:上記(2)と同様にして
塗装した抵抗器を、直角の金属製Vブロックの内側に、
両端がはみ出さないように置き、Vブロックとリード線
の間に500Vの直流電圧を2分間印加して、抵抗値を
測定した。抵抗値が10000MΩ以上である場合を合
格とした。
【0056】
【表2】
【0057】以上の結果から、本発明によるエポキシ樹
脂硬化物が、耐熱性及び耐ハンダ性以外の特性において
も、従来のエポキシ樹脂の硬化物(比較例1)と同等又
はそれ以上の性能を有していることが明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 友滝 善久 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社徳島工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 RCONHNH2 〔式中Rは置
    換基を有することのあるアリール基を示す。〕で表され
    るモノヒドラジド化合物からなるエポキシ樹脂用硬化促
    進剤。
  2. 【請求項2】 モノヒドラジド化合物が、一般式 【化1】 〔式中R1は低級アルキル基、アミノ基又はニトロ基を
    示す。R2は水素原子又は低級アルコキシ基を示す。m
    は0〜2の整数を示す。nは1〜3の整数を示す。〕で
    表される化合物である請求項1に記載の硬化促進剤。
  3. 【請求項3】 モノヒドラジド化合物が、一般式 【化2】 〔式中R1'は低級アルキル基を示す。R2'は低級アルコ
    キシ基を示す。m及びnは前記に同じ。〕で表される化
    合物である請求項1に記載の硬化促進剤。
  4. 【請求項4】 エポキシ樹脂、ジヒドラジド化合物及び
    請求項1に記載のエポキシ樹脂用硬化促進剤を有効成分
    とするエポキシ樹脂組成物。
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