JPH10176376A - 耐食性に優れたスチールハウス建造物の施工方法 - Google Patents

耐食性に優れたスチールハウス建造物の施工方法

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JPH10176376A
JPH10176376A JP27874997A JP27874997A JPH10176376A JP H10176376 A JPH10176376 A JP H10176376A JP 27874997 A JP27874997 A JP 27874997A JP 27874997 A JP27874997 A JP 27874997A JP H10176376 A JPH10176376 A JP H10176376A
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JP
Japan
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steel
joist
corrosion resistance
steel sheet
roof truss
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JP27874997A
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Takako Fukushima
多可子 福嶋
Yoshihito Sakamoto
義仁 坂本
Sakae Fujita
栄 藤田
Isamu Kage
勇 鹿毛
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐環境腐食性に優れた条件下で使用するため
のスチールハウス建造物の施工法。 【解決手段】 鋼製ジョイストおよび鋼製屋根トラス材
の表面の海塩付着量を7.0×10-4g/m2 以下にす
る。スチールハウス建造物の鋼製ジョイストおよび鋼製
屋根トラス材で、床下及び軒下の換気孔から流入させる
空気流が直接衝突する部位にこれを遮断する手段を設置
する。外壁の外装構造用板材の外表面に塩化物及び水滴
は透過するが水蒸気及び空気は透過しないフィルムから
なる防湿層を形成させる。鋼製ジョイストまたは鋼製屋
根トラス材の組立後に部材を洗浄しかつ乾燥し、その後
壁パネル又は屋根部材を製作する。部材に溶融亜鉛めっ
き鋼板、亜鉛−5%Alめっき鋼板およびZn-55%Alめっ
き鋼板、並びにクロメート皮膜のある各めっき鋼板の少
なくとも1種以上の亜鉛系めっき鋼板を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スチールハウス
の鋼製部材を耐環境腐食性に優れた条件下で使用するた
めのスチールハウス建造物の工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ツーバイフォー工法に準じた工法により
建設されるスチールハウスが、米国において急速に普及
しており、我国においても普及する兆しが見えつつあ
る。スチールハウス工法の特徴は、表面処理薄鋼板製の
フレームを壁体内等においてネジ接合することにより組
み立てる点にある。このため、従来の軽量鉄骨住宅のよ
うに鋼材を溶接またはボルトにより接合する方法と比較
すると、施工現場における材料の切断性および接合性に
おいて優れている。
【0003】スチールハウスに使用される表面処理鋼板
は一般に亜鉛系めっき鋼板でり、住宅環境における耐食
性に優れていることが要求される。ところが従来、亜鉛
系めっき鋼板に関し、屋外における耐食性に関しては多
くのデータが公表されているが、住宅環境における耐食
性に関するデータの内、スチールハウスに使用されたり
スチールハウスの工法に着眼してなされた試験等のデー
タは全く見当らないのが現状である。
【0004】一方、最近、大気腐食による環境腐食性を
in−situに計測することができるACM(Atm
ospheric Corrosion Monito
r)型腐食センサが東京大学辻川茂男教授らにより開発
され、各種大気腐食における環境腐食性評価法として活
用されている。そして、軽量鉄骨住宅については上記セ
ンサを用いた腐食評価が行なわれはじめている。
【0005】このようにスチールハウスの環境腐食性の
評価が見当たらないため、耐久性を向上させるためのス
チールハウスの工法についても有効と思われるものは見
当たらない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、亜鉛
系めっき鋼板をスチールハウスのフレーム等部材として
使用することを目的とした環境腐食性についての知見が
見当たらないので、スチールハウスの耐久性を向上させ
るために採用すべき効果的な工法が提案されていない。
また、そのような工法に適した亜鉛系めっき鋼板につい
ての提案も見当たらない。
【0007】従って、この発明の目的は、スチールハウ
スの環境腐食性に関する定量的知見を得ることにより対
処すべき塩化物付着量を明らかにし、これに耐えること
ができるためのスチールハウス建造物の工法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
観点からスチールハウス用部材の耐食性に関する代表的
特性として耐塩化物腐食性に注目し、鋼製部材に対して
塩化物が付着するのを抑制するスチールハウスの工法を
開発すべく鋭意研究を重ねた。本発明の要旨は下記の通
りである。
【0009】請求項1記載の耐食性に優れたスチールハ
ウス建造物の施工方法は、鋼製ジョイストおよび鋼製屋
根トラス材の表面の海塩付着量を7.0×10-4g/m
2 以下にすることに特徴を有するものである。
【0010】請求項2記載の耐食性に優れたスチールハ
ウス建造物の施工方法は、スチールハウス建造物の鋼製
ジョイストおよび鋼製屋根トラス材において、床下およ
び軒下に設置された換気孔から流入させる空気流が直接
衝突する部位に、該空気流を遮断する遮断手段を設置す
ることに特徴を有するものである。
【0011】請求項3記載の耐食性に優れたスチールハ
ウス建造物の施工方法は、請求項1または2記載の発明
において、外壁の外装構造用板材の外側表面に接して、
少なくとも塩化物および水滴は透過することはできない
が少なくとも水蒸気および空気は透過することができる
特性を有するフィルム材料からなる防湿層を形成させる
ことに特徴を有するものである。
【0012】請求項4記載の耐食性に優れたスチールハ
ウス建造物の施工方法は、スチールハウス建造物の施工
工程において、鋼製ジョイストまたは鋼製屋根トラス材
の組立後に、該組立済の鋼製ジョイストまたは鋼製屋根
トラス材を洗浄しかつ乾燥する工程を具備し、前記洗浄
および乾燥の後に、壁パネルまたは屋根部材を製作する
ことに特徴を有するものである。
【0013】請求項5記載の耐食性に優れたスチールハ
ウス建造物の施工方法は、請求項1〜4に記載の内いず
れか一つにおいて、鋼製ジョイストおよび鋼製屋根トラ
ス材として、亜鉛系めっき鋼板を加工することにより成
形された部材を使用することに特徴を有するものであ
る。
【0014】請求項6記載の耐食性に優れたスチールハ
ウス建造物の施工方法は、請求項1〜4に記載の内いず
れか一つにおいて、鋼製ジョイストおよび鋼製屋根トラ
ス材として、溶融亜鉛めっき鋼板、Alの含有率が2〜
8wt.%の範囲内にある溶融Zn−Al合金めっき鋼板、
およびAlの含有率が20〜90wt.%の範囲内にある溶
融Zn−Al合金めっき鋼板、並びに、両表面にクロメ
ート処理皮膜を形成されている前記各めっき鋼板の内か
ら選ばれた少なくとも1種以上の亜鉛系めっき鋼板を使
用することに特徴を有するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】スチールハウス用部材の耐久性を
評価するための代表的特性として耐塩化物腐食性を設定
した理由は、従来、建造物に対する腐食環境条件として
最も厳しいものは海洋構造物や海浜建築物のように海塩
の飛来を受ける環境条件下にある場合であることがわか
っているからである。また、本発明者等は所定の臨海地
に所定の亜鉛系めっき鋼板製の所定形状・寸法のフレー
ムをネジ接合してフレームを組み立て、次いで、常法の
ツーバイフォー工法に準じた工法により、延べ床面積2
07.9m2 の2階建てスチールハウスを実験用に建築
した。そして、スチールハウスの各種部位の環境腐食性
を上記ACM型腐食センサで所定時期に所定期間連続測
定した。また、同時に並行して温度および湿度を測定し
た。
【0016】使用したフレーム素材は溶融亜鉛めっき鋼
板であり、JIS G3302で規定されたものの内の
構造用溶融亜鉛めっき鋼板で、めっき付着量が両面等厚
めっき材であって付着量表示記号:Z18を満たすもの
である。フレームサイズは使用部位により若干異なる
が、フレーム厚さは0.8〜1.4mmの範囲内の所定
値である。
【0017】ACM型腐食センサとしてFe−Ag対を
有するものを用いた。センサの本体表面に付着した塩化
物(海塩)および水分によりFe−Ag両極間に発生し
た起電力に伴なう電流を検出した。所定期間のセンサ出
力電気量の1日当たりの検出電気量(以下、「日平均電
気量」という)(C/day)により環境腐食性を評価
した。
【0018】ACM型腐食センサの設置部位は、東壁
外、西壁外、東壁内、西壁内、ガレージ、床下、軒下お
よび屋根である。測定開始時におけるセンサ表面の海塩
付着状態は2通りの場合があり、第1は予め所定量を付
着させた(「初期付着あり」)後に設置した場合、第2
は全く付着させず(「初期付着なし」)に設置した場合
である。初期海塩の付着方法は、ASTM D1141
−90の方法に従った。温湿度計の設置位置はACM型
腐食センサの設置部位に準じた屋外であり、湿度は相対
湿度(%RH)である。
【0019】本測定結果によれば、ACMセンサ出力の
検出電流に及ぼす要因は、海塩付着量、湿度および温度
があり、中でも日平均電気量と海塩付着量との間には良
い相関があることがわかった。
【0020】表1に、試験実施年の夏季1月間における
日平均電気量(C/day)をスチールハウスの部位別
に示す。日平均電気量は、壁の外側で各段に大きく、次
いでガレージおよび床下では減少し、そして、壁の内側
では更に小さくなり、日平均電気量:8.6×10-6
/dayになっている。ガレージおよび床下では初期C
- 付着量:10-3および10-4g/m2 の場合につい
ての試験結果を示した。なお、2〜8月期間の壁の内側
での測定結果によればこの期間中の検出電流は殆んど出
力されなかった。日平均電気量が小さいほど環境腐食性
が小さいので、この結果よりスチールハウスの部位別の
環境腐食性を把握することができる。特に、壁内部の環
境腐食性は他部位に比べて極めて小さいことがわかる。
【0021】
【表1】
【0022】次に、センサ表面に付着した海塩量付着量
を、辻川茂男らの方法(「腐食防食’96、(199
6)C−207工業化住宅における部位毎の環境腐食性
評価,p293」により算出し、表1に併記した。
【0023】更に、溶融亜鉛めっき鋼板試験片をACM
型腐食センサにセットして壁の外および床下に取り付
け、当該大気腐食下にて1年間の暴露試験を行ない、こ
の間の検出電流を測定してACMセンサ出力の日平均電
気量を求めると共に、試験片表面に発生した錆を化学的
に除去してZnの腐食減量を測定し、Zn腐食速度(g
/m2 /year)を求めた。このようにして得られた
壁の外および床下における日平均電気量とこれに対する
Zn腐食速度とを表1に併記した。Zn腐食速度:1.
0g/m2 /yearは日平均電気量:1.1×10-4
C/dayに相当する。
【0024】表1からわかるように、日平均電気量を小
さくするためには1年後の海塩付着量を少なくしなけれ
ばならない。即ち、環境腐食性を抑制するためには1年
後の海塩付着量を所定値(Wmax )以下にすることが必
要である。1年後の海塩付着量を少なくすればZn腐食
速度は小さくなり、亜鉛めっき層の耐久性が向上するこ
とが推論される。
【0025】なお、本発明者等は種々の実験から、海塩
付着量はスチールハウスの部位の相違にかかわらず最大
6箇月以下の期間で飽和することを確認した。そこで、
溶融亜鉛めっき鋼板に優れた耐塩化物腐食性を発揮させ
るために制限すべき海塩付着量を求める。溶融亜鉛めっ
きの耐塩化物腐食性は、その腐食速度が1.0g/m2
/year以下であれば優れたものであると考えること
ができる。Zn腐食速度を1.0g/m2 /year以
下に抑制するための海塩付着量を求める。
【0026】表1に記載された日平均電気量と海塩付着
量とのデータに対する回帰線を求め、次いで日平均電気
量:1.1×10-4C/day(即ち、Zn腐食速度:
1.0g/m2 /year)に対する海塩付着量を求め
ると7.0×10-4g/m2が得られる。以上より、耐
塩化物腐食性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板としては、海
塩付着量が7.0×10-4g/m2 以下であるような大
気腐食雰囲気の環境下で使用されることを前提条件とす
べきであることがわかる。
【0027】なお、本発明品の溶融亜鉛めっき鋼板を上
記大気腐食雰囲気の環境下で使用した場合を考えると、
例えば、鋼板の両面にそれぞれ100g/m2 のZn付
着量を有するような亜鉛めっき鋼板は、耐久性をめっき
層の90%が消失したときと定義すれば、(100g/
2 ×0.90)/1.0g/m2 /year=90y
earと算出され、90年の耐久性を有するような優れ
た用途材料となる。
【0028】以上の結果より、この発明ではスチールハ
ウス用部材として優れた亜鉛系めっき鋼板であるために
は、海塩付着量が7.0×10-4g/m2 以下の環境下
において優れた環境腐食性を有することが望ましいとの
結論を得た。
【0029】亜鉛系めっき鋼板のなかでは、溶融亜鉛め
っき鋼板がコスト的に有利である。これに対して、亜鉛
系めっき層の表面にクロメート処理皮膜が形成れたもの
は、クロメート処理皮膜のないものと比較して耐塩化物
腐食性が約10%だけ向上する。更に、めっき層を溶融
亜鉛めっきの代わりに溶融Zn−5%Al合金めっき
(この明細書においてAl含有率:2〜8wt.%を表わ
す)にすれば、溶融亜鉛めっきの約3倍の耐塩化物腐食
性を発揮し、溶融Zn−55%Al合金めっき(この明
細書においてAl含有率:20〜90wt.%を表わす)に
すれば、溶融亜鉛めっきの約10倍の耐塩化物腐食性を
発揮する。このように亜鉛系めっき層の種類を選定し、
更に、クロメート処理皮膜を形成させることにより耐塩
化物耐食性は一層向上し、上記部材として一層望ましい
ものとなる。
【0030】上記溶融Zn−5%Al合金めっき鋼板
で、そのめっき層中のAl含有率が2〜8wt.%の範囲内
にあれば、そのめっき層はAlとZnとの共晶組織が安
定して晶出し耐食性に優れている。しかしながら、めっ
き層中のAl含有率が2wt.%未満、あるいは8wt.%超え
では、共晶組織が不安定となり、耐食性が劣化する。従
って、溶融Zn−5%Al合金めっき鋼板のめっき層中
のAl含有率は2〜8wt.%の範囲内に限定する。
【0031】また、上記溶融Zn−55%Al合金めっ
き鋼板で、そのめっき層中のAl含有率が20〜90w
t.%の範囲内にあれば、そのめっき層は初晶のα相がデ
ンドライト状に晶出し、次いでデンドライト樹枝間にβ
相が分散して晶出する組織が得られるので、耐食性に優
れたものとなる。しかしながら、めっき層中のAl含有
率が20wt.%未満では、デンドライト組織が不安定とな
るので耐食性が劣化し、一方、めっき層中のAl含有率
が90wt.%を超えると、犠牲防食効果が少なくなる。従
って、溶融Zn−55%Al合金めっき鋼板のめっき層
中のAl含有率は20〜90wt.%の範囲内に限定する。
【0032】次に、スチールハウスの部材として使用さ
れた鋼製フレーム表面の上記亜鉛系めっきが施された部
分での海塩付着量を、7.0×10-4g/m2 以下にな
るように抑制するためのスチールハウスの工法について
述べる。
【0033】鋼製フレームが使用されるスチールハウス
の部材を機能上で分類すると、スタッド(真柱相当部
材)、トラック(スタッドを固定するためにその上・下
に配置してスタッドを所定間隔で鉛直に固定する部
材)、ジョイスト(床梁相当部材)および屋根トラス材
(屋根の架構)等になり、これらの内、大気雰囲気から
飛来する海塩の付着を最も受けやすいものは、床に使用
されるジョイストおよび軒先に使用されるトラス材であ
る。スタッドは壁内に使用され、またトラック壁内相当
と考えることができ、飛来海塩の付着量は少ない。そこ
で、表1に示した床下の海塩付着量をみると、7.0×
10-4g/m2 を超える場合が発生している。軒先の海
塩付着量はこれよりも多い。一方、床下および軒下には
通常、換気孔が設置される。そこで、床下および軒先に
それぞれ使用されるジョイストおよびトラス材表面への
海塩付着量を抑制するために、床下および軒下の換気シ
ステムにおいて換気孔から流入させる空気流が直接これ
らの部材に衝突しないように調整することが効果的であ
る。流入空気流を上記のように調整する方法としては常
法によれば十分であり、特に制限する必要はない。
【0034】壁内に使用されるスタッドおよびこれに準
ずるトラックの大気雰囲気からの海塩付着量は、通常は
少ない。しかしながら、部材の保管条件によっては、ス
チールハウスへの組み立て当初ですでに多量の海塩が付
着している場合があるので、かかる場合には使用前に水
洗・乾燥工程を組み入れることが効果的である。更に、
壁内といえども壁構造の形態によっては、例えば、モル
タル等の外装材に亀裂が入っている場合等には、外装構
造用合板の継ぎ目からの大気侵入により、スタッド表面
に海塩が付着する場合もある。このような場合には、外
装構造用板材の外側表面に接して、塩化物および水滴は
透過することはできないが水蒸気および空気は透過する
ことができる特性を有する材料を防湿層として張ると効
果的である。このような特性を有する材料として、例え
ば、市販のゴアテックス(デュポン社製)が適してい
る。
【0035】図1に、特殊透過性能を有するフィルム材
料を外壁の外装構造用板材の外側表面に接して施工張り
した壁構造例の概略横断面図を示す。同図において、1
はゴアテックス等の特殊透過性能フィルム、2はスタッ
ド、3a,3bはねじ、4a,4bは外装構造用合板、
5a,5bは室内側合板、6はポリエチレン等の防湿フ
ィルム、7は塗装、8は通気層、9は外装材、10は塗
装、11は胴縁、そして12はグラスウール等の断熱材
である。亜鉛系めっき鋼板製のスタッド2は、外装構造
用合板4aおよび4bをねじ3aで接合すると共に、室
内側合板5a,5bをねじ3bで接合している。そし
て、特殊透過性能フィルム1は大気から海塩および水滴
が外装構造用合板4aおよび4bの継ぎ目からスタッド
2の表面に付着するのを防止すると共に、室内側から侵
入した水分が温度上昇により気化すると屋外へ放散させ
ることができる。
【0036】上述したように、空気流調整を伴なう換気
システム、および、特殊性能を有するフィルム材料を外
壁の外装構造用板材の外側表面に張ることにより、ジョ
イストおよび屋根トラス材、並びに、外壁内の鋼製スタ
ッドの表面の海塩付着量をいずれも7.0×10-4g/
2 以下にすることが可能となる。
【0037】次に、この発明のスチールハウス部材用め
っき鋼板は、スチールハウスのフレーム、即ち、スタッ
ド、トラックおよびジョイスト等に、あるいは、ブレー
ス乃至構造用合板の代替材料として使用することが可能
なものであることを要する。フレーム用の場合には当該
めっき鋼板はC型溝鋼やU型溝鋼に成形加工される。従
って、直角曲げ加工に十分に耐えることができることを
要する。かかる観点から、例えば、JIS G3302
に規定された溶融亜鉛めっき鋼板および鋼帯の表面にク
ロメート処理皮膜が形成されているめっき鋼板、JIS
G3317に規定された溶融亜鉛−5%アルミニウム
合金めっき鋼板・鋼帯および当該溶融亜鉛−5%アルミ
ニウム合金めっき鋼板・鋼帯の表面にクロメート処理皮
膜が形成されているめっき鋼板、市販の溶融亜鉛−55
%アルミニウム合金めっき鋼板・鋼帯および当該溶融亜
鉛−55%アルミニウム合金めっき鋼板・鋼帯の表面に
クロメート処理皮膜が形成されているめっき鋼板・鋼
帯、並びに、これらと同等以上の加工特性および耐食特
性を有するものでなければならない。かかるめっき鋼板
等はいずれも、従来の常法により製造されたものであれ
ばよく、特に製造方法を限定する必要はない。
【0038】本発明のめっき鋼板の板厚については、ス
チールハウス用部材の使用部位に応じて、常法の算定方
式に従い定めることができる。また、スチールハウスの
組み立て施工時の切断性およびネジ接合性を確保する観
点から、1.5mm以下であることが望ましく、一方、
耐荷重確保の観点から0.5mm以上であることが望ま
しい。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
スチールハウスの各部位に使用される亜鉛系めっき鋼板
製部材の耐環境腐食性を向上させることができ、耐食性
に優れたスチールハウス建造物の工法を提供することが
でき、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の工法の一例である特殊透過性能フィ
ルムを外装構造用板材の外側表面に施工張りした壁構造
を示す概略横断面図である。
【符号の説明】
1 特殊透過性能フィルム 2 スタッド 3a,3b ネジ 4a,4b 外装構造用合板 5a,5b 室内側合板 6 防湿フィルム 7 塗装 8 通気層 9 外装材 10 塗装 11 胴縁 12 断熱材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿毛 勇 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製ジョイストおよび鋼製屋根トラス材
    の表面の海塩付着量を7.0×10-4g/m2 以下にす
    ることを特徴とする耐食性に優れたスチールハウス建造
    物の施工方法。
  2. 【請求項2】 スチールハウス建造物の鋼製ジョイスト
    および鋼製屋根トラス材において、床下および軒下に設
    置された換気孔から流入させる空気流が直接衝突する部
    位に、該空気流を遮断する遮断手段を設置することを特
    徴とする請求項1記載の耐食性に優れたスチールハウス
    建造物の施工方法。
  3. 【請求項3】 スチールハウス建造物において、外壁の
    外装構造用板材の外側表面に接して、少なくとも塩化物
    および水滴は透過することはできないが少なくとも水蒸
    気および空気は透過することができる特性を有するフィ
    ルム材料からなる防湿層を形成させることを特徴とする
    請求項1または2記載の耐食性に優れたスチールハウス
    建造物の施工方法。
  4. 【請求項4】 スチールハウス建造物の施工工程におい
    て、鋼製ジョイストまたは鋼製屋根トラス材の組立後
    に、該組立済の鋼製ジョイストまたは鋼製屋根トラス材
    を洗浄しかつ乾燥する工程を具備し、前記洗浄および乾
    燥の後に、壁パネルまたは屋根部材を製作することを特
    徴とする耐食性に優れたスチールハウス建造物の施工方
    法。
  5. 【請求項5】 前記鋼製ジョイストおよび鋼製屋根トラ
    ス材として、亜鉛系めっき鋼板を加工することにより成
    形された部材を使用することを特徴とする請求項1〜4
    に記載の内いずれか一つの耐食性に優れたスチールハウ
    ス建造物の施工方法。
  6. 【請求項6】 前記鋼製ジョイストおよび鋼製屋根トラ
    ス材として、溶融亜鉛めっき鋼板、Alの含有率が2〜
    8wt.%の範囲内にある溶融Zn−Al合金めっき鋼板、
    およびAlの含有率が20〜90wt.%の範囲内にある溶
    融Zn−Al合金めっき鋼板、並びに、両表面にクロメ
    ート処理皮膜を形成されている前記各めっき鋼板の内か
    ら選ばれた少なくとも1種以上の亜鉛系めっき鋼板を使
    用することを特徴とする請求項1〜4に記載の内いずれ
    か一つの耐食性に優れたスチールハウス建造物の施工方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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