JPH10176257A - スチールハウス部材用めっき鋼板 - Google Patents

スチールハウス部材用めっき鋼板

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JPH10176257A
JPH10176257A JP27874897A JP27874897A JPH10176257A JP H10176257 A JPH10176257 A JP H10176257A JP 27874897 A JP27874897 A JP 27874897A JP 27874897 A JP27874897 A JP 27874897A JP H10176257 A JPH10176257 A JP H10176257A
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steel sheet
plated steel
hot
sea salt
corrosion resistance
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JP27874897A
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Sakae Fujita
栄 藤田
Isamu Kage
勇 鹿毛
Toshihiko Oi
利彦 大居
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐塩化物腐食性に優れたスチールハウス用鋼
製部材を選定する。 【解決手段】 海塩付着量が7.0×10-4超え、1×
10-3g/m2 以下の範囲内の環境下で耐塩化物腐食性
に優れた表面にクロメート処理皮膜が形成された溶融亜
鉛めっき鋼板、海塩付着量が7.0×10-4g/m2
え、5×10-3g/m2 以下の範囲内の環境下で耐塩化
物腐食性に優れた溶融Zn−5%Al合金めっき鋼板、
および表面にクロメート処理皮膜が形成された溶融Zn
−5%Al合金めっき鋼板、並びに、海塩付着量が7.
0×10-4g/m2 超え、6×10 -2g/m2 以下の範
囲内の環境下で耐塩化物腐食性に優れた溶融Zn−55
%Al合金めっき鋼板、および表面にクロメート処理皮
膜が形成された溶融Zn−55%Al合金めっき鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スチールハウス
の部材として用いられる鋼材の内、耐塩化物腐食性に優
れためっき鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ツーバイフォー工法に準じた工法により
建設されるスチールハウスが、米国において急速に普及
しており、我国においても普及する兆しが見えつつあ
る。スチールハウス工法の特徴は、表面処理薄鋼板製の
フレームを壁体内等においてネジ接合することにより組
み立てる点にある。このため、従来の軽量鉄骨住宅のよ
うに鋼材を溶接またはボルトにより接合する方法と比較
すると、施工現場における材料の切断性および接合性に
おいて優れている。
【0003】スチールハウスに使用される表面処理鋼板
は一般に亜鉛系めっき鋼板であり、住宅環境における耐
食性に優れていることが要求される。ところが従来、亜
鉛系めっき鋼板に関し、屋外における耐食性に関しては
多くのデータが公表されているが、住宅環境における耐
食性に関するデータの内、スチールハウスに使用された
りスチールハウスの工法に着眼してなされた試験等のデ
ータは全く見当らないのが現状である。
【0004】一方、最近、大気腐食による環境腐食性を
in−situに計測することができるACM(Atm
ospheric Corrosion Monito
r)型腐食センサが東京大学辻川茂男教授らにより開発
され、各種大気腐食における環境腐食性評価法として活
用されている。そして、軽量鉄骨住宅については上記セ
ンサを用いた腐食評価が行なわれはじめている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、亜鉛
系めっき鋼板をスチールハウスのフレーム等部材として
使用することを目的とした環境腐食性についての知見が
見当たらないので、スチールハウスの耐久性を評価する
ことができない。従って、耐塩化物腐食性に優れたスチ
ールハウスの建築用材料にいかなる特性値を有するめっ
き鋼板を用いるべきかが不明である。
【0006】従って、この発明の目的は、スチールハウ
スの環境腐食性に関する定量的知見を得ることにより上
述した問題を解決し、耐久性に優れたスチールハウスの
建築用途に適した、耐塩化物腐食性に優れためっき鋼板
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
観点からスチールハウス用部材として耐塩化物腐食性に
優れためっき鋼板を開発すべく鋭意研究を重ねた。
【0008】スチールハウス用部材の耐久性を評価する
ための代表的特性として耐塩化物腐食性を設定した。そ
の理由は、従来、建造物に対する腐食環境条件として最
も厳しいものは海洋構造物や海浜建築物のように海塩の
飛来を受ける環境下にある場合であることがわかってい
るからである。また、本発明者等は所定の臨海地に所定
の亜鉛系めっき鋼板製の所定形状・寸法のフレームをネ
ジ接合してフレームを組み立て、次いで、常法のツーバ
イフォー工法に準じた工法により、延べ床面積207.
9m2 の2階建てスチールハウスを実験用に建築した。
そして、スチールハウスの各種部位の環境腐食性を上記
ACM型腐食センサで所定時期に所定期間連続測定し
た。また、同時に並行して温度および湿度を測定した。
【0009】使用したフレーム素材のめっき鋼板は溶融
亜鉛めっき鋼板であり、JIS G3302で規定され
たものの内の構造用溶融亜鉛めっき鋼板であり、めっき
付着量は両面等厚めっき材であって付着量表示記号:Z
18を満たすものである。フレームサイズは使用部位に
より若干異なるが、フレーム厚さは0.8〜1.4mm
の範囲内の所定値である。
【0010】ACM型腐食センサとしてFe−Ag対を
有するものを用いた。センサの本体表面に付着した塩化
物(海塩)および水分によりFe−Ag両極間に発生し
た起電力に伴なう電流を検出した。所定期間のセンサ出
力電気量の1日当たりの検出電気量(以下、「日平均電
気量」という)(C/day)により環境腐食性を評価
した。
【0011】ACM型腐食センサの設置部位は、東壁
外、西壁外、東壁内、西壁内、ガレージ、床下、軒下お
よび屋根裏である。測定開始時におけるセンサ表面の海
塩付着状態は2通りの場合があり、第1は予め所定量を
付着させた(「初期付着あり」)後に設置した場合、第
2は全く付着させず(「初期付着なし」)に設置した場
合である。初期海塩の付着方法は、ASTM D114
1−90の方法に従った。温湿度計の設置位置はACM
型腐食センサの設置部位に準じた位置であり、湿度は相
対湿度(%RH)である。
【0012】本測定結果によれば、ACMセンサ出力の
検出電流に及ぼす要因は、海塩付着量、湿度および温度
があり、中でも日平均電気量と海塩付着量との間には良
い相関があることがわかった。
【0013】表1に、試験実施年の夏季1月間における
日平均電気量(C/day)をスチールハウスの部位別
に示す。日平均電気量は、壁の外側で各段に大きく、次
いで軒下、ガレージおよび床下では減少し、そして、壁
の内側では更に小さくなり、日平均電気量:8.6×1
-6C/dayになっている。ガレージおよび床下では
初期Cl- 付着量:10-3および10-4g/m2 の場合
についての試験結果を示した。なお、2〜8月期間の壁
の内側での測定結果によればこの期間中の検出電流は殆
んど出力されなかった。日平均電気量が小さいほど環境
腐食性が小さいので、この結果よりスチールハウスの部
位別の環境腐食性を把握することができる。特に、壁内
部の環境腐食性は他部位に比べて極めて小さいことがわ
かる。
【0014】
【表1】
【0015】次に、センサ表面に付着した海塩量付着量
を、辻川茂男らの方法(「腐食防食’96、(199
6)C−207工業化住宅における部位毎の環境腐食性
評価,p293」により算出し、表1に併記した。
【0016】更に、クロメート処理皮膜を有する溶融亜
鉛めっき鋼、溶融Zn−5%Al合金めっき鋼板および
溶融亜鉛−55%アルミニウム合金鋼板の試験片を、A
CM型腐食センサにセットして壁の外および床下に取り
付け、当該大気腐食下にて1年間の暴露試験を行ない、
この間の検出電流を測定してACMセンサ出力の日平均
電気量を求めると共に、各箔表面に発生した錆を化学的
に除去してそれぞれの材質の箔腐食減量を測定し、各腐
食速度(g/m2 /year)を求めた。このようにし
て得られた壁の外および床下における日平均電気量とこ
れに対するZn腐食速度とを表1に併記した。表1か
ら、下記事項がわかる。
【0017】クロメート処理皮膜を有する溶融亜鉛め
っきの腐食速度が、1.0g/m2/yearおよび
2.5g/m2 /yearとなる日平均電気量は、それ
ぞれ、2.0×10-4C/dayおよび1.3×10-3
C/dayとなり、 溶融亜鉛−5%アルミニウム合金めっきの腐食速度
が、1.0g/m2 /yearおよび3.0g/m2
yearとなる日平均電気量は、それぞれ、:1.3×
10-3C/dayおよび1.6×10-2C/dayとな
り、そして、 溶融亜鉛−55%アルミニウム合金めっき鋼板の腐食
速度が、1.0g/m 2 /yearおよび2.6g/m
2 /yearとなる日平均電気量は、それぞれ、1.6
×10-2C/dayおよび1.0×10-1C/dayと
なる。
【0018】なお、本発明者等は種々の実験から、海塩
付着量はスチールハウスの部位の相違にかかわらず最大
6ヵ月以下の期間で飽和することを確認した。従って、
暴露試験期間としては、1年間であれば十分である。
【0019】表1に記載された日平均電気量と海塩付着
量とのデータに対する回帰線を求め、次いで、暴露試験
時に得られた日平均電気量から海塩付着量を推算した。
その結果を表1に併記した。
【0020】表1からわかるように、日平均電気量を小
さくするためには海塩付着量を少なくしなければならな
い。従って、環境腐食性を抑制するためには海塩付着量
を少なくすることが必要である。海塩付着量を少なくす
れば各めっき層の腐食速度は小さくなり、各めっき鋼板
の耐久性が向上することが推論される。
【0021】各めっき鋼板について、耐食性を満たす海
塩付着量を求める。耐食性を充分に満たすためには、腐
食速度が約1.0g/m2 /year未満であればよ
い。これを満たす海塩付着量を表1から求めると、 クロメート処理皮膜を有する溶融亜鉛めっきの場合
は、1.0×10-3g/m2 以下、 溶融亜鉛−5%アルミニウム合金めっきの場合は、
5.0×10-3g/m2以下、そして、 溶融亜鉛−55%アルミニウム合金めっきの場合は、
6.0×10-2g/m 2 以下、 となる。このように、めっき種に応じて海塩付着量の最
大値は決定されるが、最小値に関しては耐食性を確保す
る観点からは制限する必要はない。しかしながら、一
方、同時に実施した亜鉛箔の腐食試験結果によれば、そ
の腐食速度が1.0g/m2 /yearに相当するとき
の海塩付着量は、7.0×10-4g/m2 であった。従
って、コストミニマムの観点からは、溶融亜鉛めっき鋼
板を使用すればよい。ところが、溶融亜鉛めっき鋼板
は、上記耐食性を満たすだけのめっき付着量を確保する
となると、めっき層がポ−ラスになりやすく、曲げ加工
等に際してめっき剥離を起こす危険性がある。
【0022】従って、かかる制約から、海塩付着量が7
×10-4g/m2 超えとなる環境条件下では、溶融亜鉛
めっき鋼板を用いるのは適さない。ところが、この場合
でも、クロメート処理皮膜を有する溶融亜鉛めっき鋼
板、亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板、あるいは
亜鉛−55%アルミニウム合金めっき鋼板であれば上記
結果より耐食性を満たすことができる。よって、海塩付
着量が7×10-4g/m 2 超えの場合には、クロメート
処理皮膜を有する溶融亜鉛めっき鋼板、亜鉛−5%アル
ミニウム合金めっき鋼板、及び亜鉛−55%アルミニウ
ム合金めっき鋼板、更にはクロメート処理皮膜を有する
亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板、及びクロメー
ト処理皮膜を有する亜鉛−55%アルミニウム合金めっ
き鋼板に限定して使用することが必要である。また、海
塩付着量が7×10-4g/m2 以下の環境条件下に上記
5種のめっき鋼板を使用するのは耐食性が過剰となる。
従って、上記5種のめっき鋼板を使用するのは、海塩付
着量が7×10-4g/m2 超えの環境条件下での使用に
限定すべきである。
【0023】この発明のスチールハウス部材用めっき鋼
板は上記知見によりなされたものである。請求項1記載
のスチールハウス部材用めっき鋼板は、表面にクロメー
ト処理皮膜が形成された溶融亜鉛めっき鋼板であって、
海塩付着量が7.0×10-4g/m2 超え1×10-3
/m2 以下の範囲内の環境下で耐塩化物腐食性に優れて
いることに特徴を有するものである。
【0024】請求項2記載の発明は、Alの含有率が2
〜8wt.%の範囲内にある溶融Zn−Al合金めっき鋼板
(「Zn−5%Alめっき鋼板」という)であって、海
塩付着量が7.0×10-4g/m2 超え5×10-3g/
2 以下の範囲内の環境下で耐塩化物腐食性に優れてい
ることに特徴を有するものである。
【0025】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、Alの含有率が2〜8wt.%の範囲内にある
溶融Zn−Al合金めっき鋼板(Zn−5%Alめっき
鋼板)の両表面に、更に上層としてクロメート処理皮膜
が形成されていることに特徴を有するものである。
【0026】請求項4記載の発明は、Alの含有率が2
0〜90wt.%の範囲内にある溶融Zn−Al合金めっき
鋼板(「Zn−55%Alめっき鋼板」という)であっ
て、海塩付着量が7.0×10-4g/m2 超え6×10
-2g/m2 以下の範囲内の環境下で耐塩化物腐食性に優
れていることに特徴を有するものである。
【0027】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、Alの含有率が20〜90wt.%の範囲内に
ある溶融Zn−Al合金めっき鋼板(Zn−55%Al
めっき鋼板)の両表面に、更に上層としてクロメート処
理皮膜が形成されていることに特徴を有するものであ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】この発明のスチールハウス部材用
めっき鋼板は、スチールハウスのフレーム、即ち、スタ
ッド、トラックおよびジョイスト等に、あるいは、ブレ
ース乃至構造用合板の代替材料として使用することが可
能なものであることを要する。フレーム用の場合には当
該めっき鋼板はC型溝鋼やU型溝鋼に成形加工される。
従って、直角曲げ加工に十分に耐えることができること
を要する。かかる観点から、例えば、JIS G330
2に規定された溶融亜鉛めっき鋼板および鋼帯の表面に
クロメート処理皮膜が形成されているめっき鋼板、JI
S G3317に規定された溶融亜鉛−5%アルミニウ
ム合金めっき鋼板・鋼帯(但し、めっき合金中のAl含
有率:2〜8wt.%)、および当該溶融亜鉛−5%アルミ
ニウム合金めっき鋼板・鋼帯の表面にクロメート処理皮
膜が形成されているめっき鋼板、市販の溶融亜鉛−55
%アルミニウム合金めっき鋼板・鋼帯(但し、めっき合
金中のAl含有率:20〜90wt.%)、および当該溶融
亜鉛−55%アルミニウム合金めっき鋼板・鋼帯の表面
にクロメート処理皮膜が形成されているめっき鋼板・鋼
帯、並びに、これらと同等以上の加工特性および耐食特
性を有するものでなければならない。かかるめっき鋼板
等はいずれも、従来の常法により製造されたものであれ
ばよく、特に製造方法を限定する必要はない。
【0029】上記溶融Zn−5%Al合金めっき鋼板
(Zn−5%Alめっき鋼板)で、そのめっき層中のA
l含有率が2〜8wt.%の範囲内にあれば、そのめっき層
はAlとZnとの共晶組織が安定して晶出し耐食性に優
れている。しかしながら、めっき層中のAl含有率が2
wt.%未満、あるいは8wt.%超えでは、共晶組織が不安定
となり、耐食性が劣化する。従って、溶融Zn−5%A
l合金めっき鋼板のめっき層中のAl含有率は2〜8w
t.%の範囲内に限定する。
【0030】また、上記溶融Zn−55%Al合金めっ
き鋼板(Zn−55%Alめっき鋼板)で、そのめっき
層中のAl含有率が20〜90wt.%の範囲内にあれば、
そのめっき層は初晶のα相がデンドライト状に晶出し、
次いでデンドライト樹枝間にβ相が分散して晶出する組
織が得られるので、耐食性に優れたものとなる。しかし
ながら、めっき層中のAl含有率が20wt.%未満では、
デンドライト組織が不安定となるので耐食性が劣化し、
一方、めっき層中のAl含有率が90wt.%を超えると、
犠牲防食効果が少なくなる。従って、Zn−55%Al
めっき鋼板のめっき層中のAl含有率は20〜90wt.%
の範囲内に限定する。
【0031】本発明品は、海塩付着量がめっき種に応じ
て満たすべき海塩付着量が制限され、その上で耐塩化物
腐食性に優れていることを特徴とするものである。前述
した表1によれば、本発明品が使用されるスチールハウ
スの各部位によって海塩付着量が異なる。従って、使用
部位および耐用年数を設定すれば、耐用年数の所定の定
義に従って片面当たりの最小めっき付着量が算出され
る。本発明のめっき鋼板を使用する場合には、スチール
ハウスにおける使用部位および耐用年数の定義に応じ
て、必要とするめっき付着量が求められる。
【0032】次に、本発明のめっき鋼板の板厚について
は、スチールハウス用部材の使用部位に応じて、常法の
算定方式に従い定めることができる。また、スチールハ
ウスの組み立て施工時の切断性およびネジ接合性を確保
する観点から、1.5mm以下であることが望ましく、
一方、耐荷重確保の観点から0.5mm以上であること
が望ましい。
【0033】
【実施例】次に、この発明を、実施例によって更に詳細
に説明する。 〔試験1〕スチールハウス用部材としてめっき鋼板が使
用された場合を想定し、Zn−5%Alめっき鋼板(Y
25)試験片および溶融亜鉛めっき鋼板試験片をスチー
ルハウスの所定の部位にセットし、同時にACM型腐食
センサをセットし、上記試験片の暴露試験を行った。試
験期間中の日平均電気量、および、腐食速度を測定し
た。
【0034】上記試験片のめっき付着量および試験片の
設置部位を表2に示した。
【0035】
【表2】
【0036】センサ表面の向きを、実施例1〜3では1
階床下フレームの屋内側で鉛直方向に向け、実施例4お
よび5は1階居住室外壁の屋外に鉛直方向に向け、比較
例1は1階居住室外壁の屋外に鉛直方向に向け、比較例
2は2階軒下屋外に曝して鉛直方向に向け、そして、比
較例3は1階床下屋内側に鉛直方向に向けてセットし
た。試験片のめっき種は、実施例はすべてAl含有率が
5wt.%の溶融Zn−Al合金めっき鋼板(Zn−Alめ
っき鋼板)、比較例1および2はAl含有率が5wt.%の
溶融Zn−Al合金めっき鋼板(Zn−Alめっき鋼
板)、そして、比較例3は溶融亜鉛めっきである。
【0037】測定開始時におけるセンサ表面の状態は、
塩化物(海塩)を予め所定量付着させた「初期付着あ
り」で行なった。初期海塩を塗布する方法は、ASTM
D1141−90の方法に従った。ACM型腐食セン
サとして、市販のFe−Ag型(北斗電工製)を用い
た。本センサの電流検出範囲は、10-10 〜10-3Aで
ある。計測された電流値はデータロガーを介してメモリ
カードに保存した。測定間隔は10minであり2〜8
月の間、連続的に測定した。メモリカードに蓄積された
データは定期的にコンピューターにより変換した。
【0038】なお、ACM型腐食センサの近接位置に温
湿計をセットし、温度および湿度(但し、相対湿度)を
計測した。上記測定で得られた検出電流および相対湿度
から、辻川茂雄らの研究報告にみられる「種々の海塩付
着量を与えたセンサの出力と湿度(相対湿度)センサ出
力との関係」(「防錆管理」vol.40,No.1
0,1996,p329,図2)に示された校正曲線を
用いて1年経過後の海塩付着量を求めた。表2に、初期
および1年経過後の海塩付着量(g/m2 )を記載し
た。
【0039】1年間暴露試験の後、その減量を測定する
ことにより亜鉛−5%アルミニウム合金めっきおよび溶
融亜鉛めっきの腐食速度を評価した。このようにして得
られた腐食速度の値を、表2に併記した。
【0040】上記試験より下記事項が明らかとなった。
海塩付着量が本発明の範囲外に多かった比較例1および
2では、いずれも腐食速度が大きく、耐久性が不十分で
ある。また、比較例3は、海塩付着量は本発明の範囲内
であるが、溶融亜鉛めっきであるため腐食速度が大きく
耐久性が不十分である。
【0041】これに対して、海塩付着量が本発明の範囲
内にあった実施例1〜5はすべて、腐食速度が0.31
〜0.93g/m2 /yearの間にあり、耐塩化物腐
食性に優れていることがわかる。
【0042】〔試験2〕めっき鋼板の試験対象材とし
て、Al含有率が5wt.%のZn−Alめっき鋼板の内の
Y18、及び、Al含有率が55wt.%のZn−Alめっ
き鋼板でめっき付着量が両面で150g/m2 クラスの
もの(AZ−150)について、常法により製造しため
っき鋼板について、上記〔試験1〕で使用した実験用居
住用スチールハウスで試験した。上記試験片について暴
露試験を行なった。試験方法は、試験片のセット部位、
センサ表面の向き、測定開始時のセンサ表面の状態、及
びその他、〔試験1〕に準じて行なった。
【0043】表3に、Al含有率が5wt.%のZn−Al
めっき鋼板(Y18)についての実施例6〜8につい
て、そして、表4に、Al含有率が55wt.%のZn−A
lめっき鋼板(AZ−150)についての実施例9〜1
2、及び、本発明の範囲外のものである比較例4の試験
条件及び結果を示す。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】腐食速度の結果をみると、 Al含有率が5wt.%のZn−Alめっき鋼板(Y1
8)である実施例6〜8では、海塩付着量が8.0×1
-4〜1.9×10-3で、0.30〜0.57g/m2
/yearの範囲内にあり、 Al含有率が55wt.%のZn−Alめっき鋼板(AZ
−150)である実施例9〜12では、海塩付着量が
8.0×10-4〜1.2×10-2g/m2 で、0.06
〜0.51g/m2 /yearの範囲内にあり、いずれ
も良好な結果である。
【0047】これに対して、本発明の範囲外の条件
下、即ち、海塩付着量が8.0×10 -2g/m2 では、
0.96g/m2 /yearと腐食の進行速度が大きく
劣っている。
【0048】なお、上層にクロメート処理皮膜を有す
る、溶融亜鉛めっき鋼板、Al含有率が5wt.%のZn−
Alめっき鋼板、及びAl含有率が55wt.%のZn−A
lめっき鋼板はいずれも、クロメート処理皮膜のないも
のよりも耐塩化物腐食性に優れていることが判明してい
る。従って、上層にクロメート処理皮膜を有する上記各
めっき鋼板はいずれも、海塩付着量が本発明の範囲内の
条件において優れた耐塩化物腐食性を発揮することがわ
かる。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
スチールハウスの耐久性を向上させるために必要なフレ
ーム等部材の耐塩化物腐食性を、大幅に向上させること
ができるめっき鋼板を提供することができ、工業上有用
な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験に使用したスチールハウスの概略間取図で
ある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にクロメート処理皮膜が形成された
    溶融亜鉛めっき鋼板であって、海塩付着量が7.0×1
    -4g/m2 超え1×10-3g/m2 以下の範囲内の環
    境下で耐塩化物腐食性に優れていることを特徴とするス
    チールハウス部材用めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 Alの含有率が2〜8wt.%の範囲内にあ
    る溶融Zn−Al合金めっき鋼板であって、海塩付着量
    が7.0×10-4g/m2 超え5×10-3g/m2 以下
    の範囲内の環境下で耐塩化物腐食性に優れていることを
    特徴とするスチールハウス部材用めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 前記Alの含有率が2〜8wt.%の範囲内
    にある溶融Zn−Al合金めっき鋼板の両表面に、更に
    上層としてクロメート処理皮膜が形成されている、請求
    項2記載のスチールハウス部材用めっき鋼板。
  4. 【請求項4】 Alの含有率が20〜90wt.%の範囲内
    にある溶融Zn−Al合金めっき鋼板であって、海塩付
    着量が7.0×10-4g/m2 超え6×10 -2g/m2
    以下の範囲内の環境下で耐塩化物腐食性に優れているこ
    とを特徴とするスチールハウス部材用めっき鋼板。
  5. 【請求項5】 前記Alの含有率が20〜90wt.%の範
    囲内にある溶融Zn−Al合金めっき鋼板の両表面に、
    更に上層としてクロメート処理皮膜が形成されている、
    請求項4記載のスチールハウス部材用めっき鋼板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008157647A (ja) * 2006-12-21 2008-07-10 Tokyo Electric Power Co Inc:The Acmセンサによる構造物の腐食速度推定方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008157647A (ja) * 2006-12-21 2008-07-10 Tokyo Electric Power Co Inc:The Acmセンサによる構造物の腐食速度推定方法
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