JP3043138B2 - 複合雨樋 - Google Patents

複合雨樋

Info

Publication number
JP3043138B2
JP3043138B2 JP3284599A JP28459991A JP3043138B2 JP 3043138 B2 JP3043138 B2 JP 3043138B2 JP 3284599 A JP3284599 A JP 3284599A JP 28459991 A JP28459991 A JP 28459991A JP 3043138 B2 JP3043138 B2 JP 3043138B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gutter
core material
synthetic resin
steel sheet
steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3284599A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05118105A (ja
Inventor
隆弘 小西
太一郎 名倉
敏行 竹松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP3284599A priority Critical patent/JP3043138B2/ja
Publication of JPH05118105A publication Critical patent/JPH05118105A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3043138B2 publication Critical patent/JP3043138B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属製芯材と芯材の
周囲全体を被覆する合成樹脂製被覆材とよりなる複合雨
樋に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、雨樋は耐食性、耐熱変形性等使
用環境に対し、様々な耐久性が必要とされる。
【0003】従来、雨樋として、ポリ塩化ビニル等の合
成樹脂のみで形成されたものや、鋼板のみで形成された
ものや、鋼板の表面に耐食性を高める目的でメッキを施
したメッキ鋼板のみから形成されたものが用いられてい
た。合成樹脂製雨樋は、合成樹脂自体が持つ弾性のため
外部衝撃による凹みが生じ難く、しかも耐食性が優れて
いるので長期間使用しても腐食することはない。しかし
ながら、合成樹脂は熱膨張率が大きいため、気温の変化
により熱変形し易く、特に夏の暑いときには蛇行等の熱
変形が起こり易いという問題があった。
【0004】一方、鋼板製雨樋は、熱膨張率が小さいた
め気温変化により熱変形は起こり難いが、外部衝撃によ
る凹み等の変形は起こり易いという問題があった。しか
も、長期間の使用により金属板が腐食し、雨漏れが生じ
る等の問題があった。
【0005】また、メッキ鋼板製雨樋においても、鋼板
製雨樋と同様に、外部衝撃による凹み等の変形が起こり
易く、しかも傷つき部や切断部等のように鋼板本体が露
出した部分には腐食が発生し、メッキ鋼板が持つ本来の
耐久性が著しく低下するという問題があった。さらに、
メッキ鋼板からなる素材をロールフォーミングやプレス
等により成形加工する際、加工部においてメッキ層にク
ラックが生じ、この部分に傷つき部や切断部等と同様に
腐食が発生し、やはりメッキ鋼板の有する耐久性が低下
するという問題があった。
【0006】上述したような合成樹脂製雨樋、鋼板製雨
樋およびメッキ鋼板製雨樋の有する種々の問題を解決し
た雨樋として、ブリキ、ステンレス鋼等の金属板よりな
る芯材の周囲全体を合成樹脂により被覆した複合雨樋が
提案されている(たとえば実開昭51−123228号
公報参照)。この複合雨樋によれば、表層の合成樹脂に
より金属板芯材の腐食は防止され、かつ金属板芯材の作
用により、合成樹脂のみよりなる雨樋の欠点である熱変
形を防止できると考えられていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記複
合雨樋においては、金属板製芯材と合成樹脂製被覆層と
の熱膨張率が異なるため、両者間での接着力が強固でな
いとその界面で剥離してしまい、雨樋としては適さな
い。特に、ステンレス鋼板製芯材を用いた場合には、ク
ロム含有量が多いためにその表層が不動態化して活性に
乏しく、合成樹脂との接着耐久性が劣ることになって上
記剥離が極めて短時間で発生する。また、ブリキ板製芯
材を用いた場合には、切断部や傷つき部において鋼板本
体が露出し、その結果施工時での軒樋端部およびたて樋
接合部において発錆が起こり、長手方向に腐食が進行す
るので耐食性に問題があった。
【0008】この発明の目的は、上述した従来の複合雨
樋の有する問題点を解消した複合雨樋を提供するもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明による複合雨樋
は、金属製芯材と芯材の周囲全体を被覆する合成樹脂製
被覆材とよりなる複合雨樋において、金属製芯材が、ク
ロムを4〜10重量%含有し、かつ表面に亜鉛メッキ層
が形成された鋼板よりなることを特徴とするものであ
る。
【0010】亜鉛メッキ層は、亜鉛自体の犠牲陽極作用
により防食効果を得るものであり、コストが安いために
鋼の防食に一般的に使用される。亜鉛メッキ層における
亜鉛付着量は25g/m2 以上とすることが好ましい。
なお、亜鉛メッキ層自身は腐食し易いため、鋼に対する
防食効果を長期間維持するために、亜鉛メッキ層の表面
にクロメート処理を施し、耐食性の優れたクロメート皮
膜を形成したり、リン酸塩処理を施し、耐食性の優れた
リン酸塩皮膜を形成することが好ましい。
【0011】亜鉛メッキを施された鋼板がクロム4〜1
0重量%を含有していると、この鋼板本体の耐食性が向
上するので、たとえば切断部等において鋼板本体が露出
した場合においても、その腐食が防止される。すなわ
ち、クロムを含有した鋼においては、ステンレス鋼の場
合と同様に、表面に生じる酸化物皮膜が還元され難く、
優れた耐食性を有する。しかしながら、クロムの含有量
が4重量%未満では上記効果は得られず、10重量%を
越えると表層の活性が乏しくなりすぎ、表面に亜鉛メッ
キ層が形成されていても合成樹脂との接着耐久性に劣
る。したがって、クロムの含有量は4〜10重量%の範
囲内に限定すべきであり、5〜9重量%の範囲内にする
ことが好ましい。
【0012】被覆材を形成する合成樹脂は硬質および軟
質のいずれでもよく、その中から使用環境に適したもの
を選んで用いればよい。たとえばポリ塩化ビニル樹脂、
アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂等が用いられる。ま
た、このような合成樹脂に、成形性を向上させるため可
塑剤、滑剤、安定剤等を添加しておいてもよい。さら
に、合成樹脂に、必要に応じて顔量や充填剤を添加して
おいてもよい。
【0013】芯材と被覆材との間には接着剤層が介在さ
せられているのがよい。接着剤としては、芯材と合成樹
脂製被覆材との相溶性、接着性を考慮し、共に活性な極
性基を持つエポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性
樹脂が用いられ、さらに必要に応じてこれに熱可塑性樹
脂、充填剤等が混入される。
【0014】
【作用】芯材の表面に亜鉛メッキ層が形成されているの
で、亜鉛の犠牲的防食効果により鋼板本体の腐食が防止
される。
【0015】金属製芯材の鋼板におけるクロム含有量が
4重量%以上であるから、鋼板自身の耐食性も向上し、
たとえば切断部等において鋼板本体が露出してもこの部
分での腐食の発生を防止できる。
【0016】金属製芯材の鋼板におけるクロム含有量が
10重量%以下であるから、芯材表層はステンレス鋼の
表層よりも活性な状態となり、芯材と被覆材との接着耐
久性は、芯材としてステンレス鋼を用いた従来の複合雨
樋に比較して向上する。
【0017】
【実施例】以下、この発明の実施例を、図面を参照して
説明する。
【0018】図1はこの発明による複合雨樋の全体構成
を示し、図2はその一部分を拡大して示す。複合雨樋
(1) は、芯材(2) と、芯材(2) の周囲全体に接着剤層
(3) を介して接着され、かつ芯材(2)の周囲全体を被覆
する合成樹脂製被覆材(4) とよりなる。
【0019】芯材(2) はクロムを4〜10重量%含有す
る鋼板(5)の表面全体が亜鉛メッキ層(6) で被覆された
ものである。また、図示は省略したが、亜鉛メッキ層
(6) の表面には、クロメート皮膜またはリン酸塩皮膜が
形成されている。
【0020】上記複合雨樋(1) は、たとえば次のように
して製造される。まず所定量のクロムを含有した鋼板
(5) に、グリースや食塩等の汚れ、ミルスケールや錆等
の酸化物を除去するために、有機溶剤あるいはアルカリ
による脱脂、酸洗浄等の前処理を施して鋼板(5) 表面の
清浄化および活性化を行なう。
【0021】次に、たとえば溶融亜鉛メッキ処理を施し
て鋼板(5) の表面全体に溶融亜鉛メッキ層(6) を形成
し、さらにメッキ層(6) の保護性能を向上させるために
クロメート処理またはリン酸塩処理を施して保護皮膜を
形成する。
【0022】さらに、メッキ層(6) の表面に、接着剤を
塗布して接着剤層(3) を形成する。その後、ポリ塩化ビ
ニル樹脂等の合成樹脂を溶融押出し、芯材(2) の周囲全
体を合成樹脂製被覆材(4) で被覆する。なお、合成樹脂
製被覆材(4) を形成する手段としては、上記の溶融押出
に代えて、合成樹脂を加熱溶融させた後、この溶融樹脂
を塗布することによって表面に接着剤層(3) が形成され
た芯材(2) を被覆してもよい。
【0023】以下、この発明による複合雨樋の具体的な
実施例を、比較例とともに説明する。
【0024】具体的実施例1〜4 クロムを含有する厚さ:0.3mm、幅:450mmの冷間
圧延鋼板(5) (抗張力:50kg/mm2 )の両面に溶融亜
鉛メッキを施して亜鉛メッキ層(6) を形成した後、その
表面にクロメート処理を施してクロメート皮膜(40mg
/m2 )を形成し、ついでその両面にアクリル変性フェ
ノール樹脂を4μmの厚さとなるように塗布して200
℃で焼付け硬化させた。そして、この鋼板を使用し、押
出機によってその両面を硬質ポリ塩化ビニル樹脂で被覆
し、厚さ500μmの被覆材(4)を形成して積層板を得
た。その後、この積層板を雨樋形状であるU型(一辺1
50mm、各コーナーのRは5mm)に加工して4つの評価
サンプルを得た。各評価サンプルにおける鋼板のクロム
含有量およびメッキ層の量は、それぞれ表1に示す通り
とした。
【0025】比較例1 具体的実施例2において、鋼板にクロムを含有させてい
ない評価サンプル。
【0026】比較例2 具体的実施例2において、クロム含有量が3重量%であ
る評価サンプル。
【0027】比較例3 比較例2において、鋼板に亜鉛メッキを施していない評
価サンプル。
【0028】比較例4 具体的実施例2において、鋼板のクロム含有量が18重
量%で、かつ亜鉛メッキを施していない評価サンプル。
【0029】評価試験 具体的実施例1〜4および比較例1〜4の各評価サンプ
ルを用いて次の試験を実施し、端面からの被覆材(4) の
剥離距離を調べた。
【0030】1)冷熱繰り返し試験 20℃の水と60℃の水とに交互に浸漬するサイクルを
5000サイクル繰り返して行う(1サイクル10min
)。
【0031】2)塩水噴霧試験 35℃の5%塩水を使用して行う(1000hr)。
【0032】これらの結果も表1にまとめて示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1から明らかなように、実施例1〜4の
評価サンプルは、比較例1〜3の評価サンプルに比べて
耐久性に優れていることが判る。比較例4の評価サンプ
ルは、最も優れた耐久性を示しているが、評価試験の初
期の段階から被覆材の剥離が発生し、複合雨樋には適さ
ないことが判った。
【0035】
【発明の効果】この発明の複合雨樋によれば、上述のよ
うに、亜鉛の犠牲的陽極作用により鋼板の腐食が防止さ
れる。しかも、鋼板がクロムを含有しているので、鋼板
自身の耐食性も向上し、たとえば切断部やメッキ層の傷
つき部等において鋼板本体が露出しても、この部分での
腐食の発生を防止できる。さらに、芯材と被覆材との接
着耐久性は、芯材としてステンレス鋼を用いた従来の複
合雨樋に比較して向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す複合雨樋の断面斜視図
である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【符号の説明】
1 複合雨樋 2 芯材 4 合成樹脂製被覆材 5 クロムを含有する鋼板 6 亜鉛メッキ層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製芯材と芯材の周囲全体を被覆する
    合成樹脂製被覆材とよりなる複合雨樋において、金属製
    芯材が、クロムを4〜10重量%含有し、かつ表面に亜
    鉛メッキ層が形成された鋼板よりなることを特徴とする
    複合雨樋。
JP3284599A 1991-10-30 1991-10-30 複合雨樋 Expired - Lifetime JP3043138B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3284599A JP3043138B2 (ja) 1991-10-30 1991-10-30 複合雨樋

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3284599A JP3043138B2 (ja) 1991-10-30 1991-10-30 複合雨樋

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05118105A JPH05118105A (ja) 1993-05-14
JP3043138B2 true JP3043138B2 (ja) 2000-05-22

Family

ID=17680546

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3284599A Expired - Lifetime JP3043138B2 (ja) 1991-10-30 1991-10-30 複合雨樋

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3043138B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05118105A (ja) 1993-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0115103B1 (en) Metal-resin-metal sandwich laminates suitable for use in working
JP5994856B2 (ja) 溶融Al−Zn系めっき鋼板及びその製造方法
JP2009033066A (ja) 太陽光発電モジュールの建築物への設置方法
JP3043138B2 (ja) 複合雨樋
JP2004323932A (ja) 塗装鋼板、及びその母材めっき鋼板、並びにそれらの製造方法
CN216639350U (zh) 一种具有耐腐蚀性的304冷轧不锈钢卷
JP2018134800A (ja) 塗装鋼材及び塗装鋼材の製造方法
JPS6320315B2 (ja)
JP2005262526A (ja) 耐食性に優れた塗装アルミニウムめっき鋼板
JPS598353B2 (ja) 密着性に優れた高耐食性加工用複合被覆鋼板
JP3528742B2 (ja) 樹脂被覆表面処理鋼板
JP4130215B1 (ja) パイプ組立式収納棚
CN212619188U (zh) 空调器室内机的外壳、空调器室内机和空调器
JPH0768634B2 (ja) 耐食性,塗装性能及び加工性に優れた亜鉛系メツキ鋼板
CN211467761U (zh) 高附着力耐腐蚀pet复合板
JPH072997B2 (ja) 耐食性と塗装性にすぐれた亜鉛系メツキ鋼板
JPS616295A (ja) 積層メツキ鋼板
JPH0610156A (ja) 接着接合性に優れた溶融亜鉛系めっき鋼板
JP2004091879A (ja) 端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材
JP2583246B2 (ja) 密着性及び耐食性に優れたプラスチックシート被覆亜鉛めっき鋼板の製造法
JPH05318648A (ja) 複合積層材
JPS5914940A (ja) 溶接作業性に優れた複合塗装鋼板
JPS6397316A (ja) Di缶用表面処理鋼板
JPH05156467A (ja) 複合積層材及びその製造方法
JP2696466B2 (ja) 有機複合被覆鋼板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041224

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Effective date: 20050111

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

A977 Report on retrieval

Effective date: 20060627

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20060706

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090714

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100714

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110714

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120714

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees