JPS6397316A - Ｄｉ缶用表面処理鋼板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は、円形状に打ち抜かれた鋼板を、絞シ加工（
Ｄｒａｖｒｎ　）　　によってカップ状に成形し、次い
で、このように成形されたカップ状成形品の側壁を、し
ごき加工（Ｉｒｏｎｉｎｇ　）　　により薄く成形する
ことによって製造されるＤＩ缶（Ｄｒａｗｎ　ａｎｄｉ
ｒｏｎｅｄ　ｃａｎ　）　　用表面処理鋼板に関するも
のである。

〔従来技術とその問題点〕

例えば、錫メッキ鋼板やアルミニウム板等の、円形状に
打ち抜かれた金属板を、絞り加工によってカップ状に成
形し、次いで、このように成形されたカップ状成形品の
側壁を、しごき加工によ）薄く成形する（以下、ＤＩ成
形という）ことによって製造されるＤＩ缶は、はんだ付
けされた胴に底蓋と上蓋とを巻締めにより一体化した、
いわゆる３ピ一ス缶に比べて肉厚が薄いので軽量であシ
、且つ、継目がないので漏れがない等の利点から、その
需要が多く、今後その用途も拡大することが予想される
。

ＤＩ缶の素材として、従来、錫メッキ鋼板やアルミニウ
ム板が使用されているが、錫メッキ鋼板は、アルミニウ
ム板に比べて安価である点から、その需要の伸びが期待
されている。

しかしながら、錫メッキ鋼板には、次のような問題があ
る。即ち、しごき加工時に、缶体の内面となる面の錫メ
ッキ皮膜が成形工具と直接接触する結果、錫メッキ皮膜
にクラックが生じ、鋼板が露出する。このように鋼板が
露出すると１缶体内面の塗装後の二次耐食性（アンダー
フィルムコロ−ジョン）が劣化して、缶内に充填された
飲料等の充填物中に、Ｆｅイオンが溶出する。そこで、
従来、ＤＩ成形後に、リン酸系処理液またはリン酸クロ
ム系処理液によって、露出した鋼板面を被覆するシーリ
ング処理を施していた。このために、製缶コストの増大
を招いておシ、しかも、このようなシーリング処理によ
っても、鋼板の露出部分を完全に被覆することはできな
かった。

上述した缶内容物中へのＦｅイトンの溶出の防止、およ
び、缶体内面の防食のために、製缶後、缶体内面を熱硬
化性塗料により、２回にわたってスプレー塗装し、焼付
は硬化を施している。この結果、熱硬化性塗料中に含有
されている溶剤成分が、缶内に充填された飲料中に溶出
し、飲料の味や芳香（フレーバー）が損なわれる。更に
、上述した焼付は硬化のために多大の熱エネルギーが必
要であり、且つ、塗装および焼付は時に溶剤成分が揮散
するため、公害防止の見地から前記溶剤成分の燃焼排気
が必要であって、これらのために製品コストの壇犬を招
く。その上、上述したスプレー塗装によっても、缶底と
缶胴との境界部は、塗装が均一に行なわれにくいため、
この部分からのＦｅイオンの溶出を完全に防止すること
ができない。

上述した問題を解決する手段として、例えば特開昭５５
−８２７９７号公報において、金属クロムおよびクロム
水和酸化物の皮膜が形成された表面処理鋼板の表面に、
エポキシ基、水酸基およびカルボキシル基の官能基の１
種または２種以上を含有する熱硬化性塗料を塗装し５次
いで、焼き付けて、ある程度硬化し、ＤＩ成形後に熱硬
化性塗料によるスプレー塗装を行ない、完全に硬化させ
ることからなる方法が開示されている。

上述した方法によれば、ＤＩ成形後のシーリング処理が
不要となる利点はあるが、一方、熱硬化性塗料を塗装し
た後、ＤＩ成形が行なわれるだめ、ＤＩ成形時に塗膜お
よびクロム皮膜にクランクが生じやすく、且つ、ＤＩ成
形後に熱硬化性塗料によるスプレー塗装が必要であるか
ら、前述した錫メッキ鋼板と同様の問題が生ずる。

〔発明の目的〕

従って、この発明の目的は、ＤＩ成形時に皮膜にクラッ
クが生ぜず、製缶後、缶体内面への熱硬化性塗料による
スプレー塗装および焼付は硬化を要しない、優れた潤滑
性および耐食性を有する経済的なりＩ缶用表面処理鋼板
を提供することにある。

〔発明の概要〕

この発明のＤＩ缶用表面処理鋼板は、缶体の内面となる
べき鋼板の一方の表面上に形成された、金属クロム層と
前記金属クロム層の表面のクロム水和酸化物層とからな
るクロメート皮膜、まだは、ニッケルメッキ皮膜と、前
記クロメート皮膜または前記ニッケルメッキ皮膜の表面
上に形成されたポリエステルフィルム皮膜と、そして、
前記缶体の外面となるべき前記鋼板の他方の表面上に形
成された潤滑性皮膜とからなることに特徴を有するもの
である。

〔発明の構成〕

この発明において、缶体の内面となるべき鋼板の一方の
表面は、金属クロム層と前記金属クロム層の表面のクロ
ム水和酸化物層とからなるクロメート皮膜、または、ニ
ッケルメッキ皮膜からなる下地皮膜と、前記下地皮膜の
表面上に形成されたポリエステルフィルム皮膜とからな
っている。

下池皮膜として、クロメート皮膜またはニッケルメッキ
皮膜全形成した理由は、クロメート皮膜またはニッケル
メッキ皮膜は、アンダーフィルムコロ−ジョン等の優れ
た二次耐食性を有し、特に、その表面上に形成されるポ
リエステルフィルム皮膜との密着性に優れているからで
ある。

クロメート皮膜またはニッケル皮膜の着面上にポリエス
テルフィルム皮膜を形成した理由は次の通りである。即
ち、ポリエステルフィルム皮膜は、機械的強度に優れ、
摩擦係数が小さく潤滑性が良好でしかもガスや液体に対
する遮蔽効果即ちバリアー性に優れ且つ安価である。従
って、ＤＩ成形のように、伸び率が３００％にもなる加
工度の高い成形にも十分に耐えることができ、皮膜は成
形後も健全である。上述のようＱ・こ下地皮膜としての
クロメート皮膜まだはニッケルメッキ皮膜は、ポリエス
テルフィルム皮膜により保護されているので、ＤＩ成形
時に工具（ポンチ）と直接には接触しない。従って、Ｄ
Ｉ成形により下地皮膜が損傷することはないから、従来
性なっていたＤＩ成形後のシーリング処理は不要となる
。

フィルム皮膜には、ポリエステルフィルムのほかにもポ
リオレフィンフィルム（ポリエチレンフィルム、ポリプ
ロピレンフィルム等）や共重合ポリエステル樹脂フィル
ムがあるが、ポリオレフィンフィルムは、加工後の耐食
性および耐熱性に問題があり、共重合ポリエステル樹脂
フィルムは、高価であって経済的に不利である。

ポリエステルフィルム皮膜の形成手段は、ポリエステル
ウレタン系、飽和ポリエステル系等の接着剤を使用して
、ポリエステルフィルムを下地皮膜上に貼り合わせるか
、または、ポリエステルフィルムを下地皮膜上に熱圧着
させる等、任意の手段によって行なうことができる。な
お、熱圧着によって行なうときは、接着剤を必要としな
いから、経済的に有利である。

非晶質のポリエステルフィルムを使用して熱圧着し、Ｄ
Ｉ成形すると、ＤＩ成形により生ずるフィルムの延伸に
よって、結晶が一定方向に並ぶ結晶配向性が生じ、加工
性およびツクリアー性が良好な皮膜になる。既に結晶配
向性を有するポリエステルフィルムを使用する場合には
、その溶融点（２５０″Ｃ）以上の温度で熱圧着すると
、その熱で配向した結晶が分解して非晶質フィルムとな
るが、上述したようにＤＩ成形により再び結晶配向性を
有するようになる。

缶体の外面となるべき鋼板の他方の表面は、ＤＩ成形の
際のしごき加工時にダイスと接触するので、高度な潤滑
性能を有していることが必要であり、且つ、印刷のため
の下塗り塗料（通常ホワイトコーティング）の塗装が可
能でなければならない。従って、この発明において、缶
体の外面となるべき鋼板の他方の表面は、錫メッキ皮膜
、亜鉛メッキ皮膜、二硫化モリブデン皮膜、または、ク
ロメート皮膜あるいはニッケル皮膜の表面上に形成され
た、潤滑剤を含有する熱硬化性塗料による塗膜のような
、潤滑性皮膜によって形成されている。鋼板の他方の表
面に、前述したようなポリエステルフィルム皮膜を形成
すると、塗料をはじいて、下塗υ塗料の塗装を行なうこ
とができない。

錫メッキ皮膜、亜鉛メッキ皮膜および二ば化モリブデン
皮膜は、防食性に優れていると共に、固体＠滑剤として
優れた特性を有している。このような皮膜の形成は公知
の方法で行なえばよく、皮膜の厚さは１〜１０μｍ位が
適当である。

熱硬化性塗料による塗膜を形成する場合における熱硬化
性塗料としては、熱硬化樹脂が配合された塩化ビニル樹
脂、エポキシ樹脂とフェノール樹脂、エポキシ樹脂とア
ミノ樹脂、ポリエステル樹脂とアミン樹脂、エポキシ樹
脂とアクリル樹脂、および、エポキシエステル樹脂とア
ミン樹脂の各々の組合わせのうちの何れか１つからなる
塗料が使用される。

上述した塗料中に含有される潤滑剤は、十分な潤滑性能
を有していることが必要であシ、このような潤滑剤とし
てフッ素原子置換オレフィンにより変性された炭化水素
系ワックスを使用することが好ましい。

鋼板の他方の表面上に、上述した塗膜の下地として、ク
ロメート皮膜またはニッケルメッキ皮膜上形成する理由
は、耐食性を向上させると共に、クロメート皮膜または
ニッケルメッキ皮膜は、塗膜との密着性に優れているか
らである。前記皮膜の表面上に対する塗膜の形成は、ロ
ールコート、スプレーコート等、公知の手段によって前
記塗料を塗装した後、１５０〜４５０′Ｇの温度で、１
０４９〜１５分間焼付けることによシ行なわれる。

皮膜を熱圧着により形成するときは、前記塗膜の焼付け
のために鋼板が加熱されるから、ポリエステルフィルム
皮膜の熱圧着の際に必要な、鋼板に対する予備加熱が不
要となり、省エネルギーの観点から有利である。

第１図および第２図は、この発明のＤＩ缶用表面処理鋼
板の一実施態様を示す拡大断面図である。

第１図に示す表面処理鋼板は、缶体の内面となるべき、
−板１の一方の表面上に、金属クロム層と前記金属クロ
ム層の表面のクロム水和酸化物層とからなるクロメート
皮膜２が形成され、クロメート皮膜２の表面上にポリエ
ステルフィルム皮膜３が形成されている。そして、缶体
の外面となるべき、鋼板１の他方の表面上に、錫メッキ
皮膜４が形成されている。

第２図に示す表面処理鋼板は、缶体の内面となるべき、
鋼板１の一方の表面上に、上記と同じようにクロメート
皮膜２が形成され、クロメート皮膜２の表面上にポリエ
ステルフィルム皮膜３が形成されている。そして、缶体
の外面となるべき、鋼板１の他方の表面上に、クロメー
ト皮膜２が形成され、クロメート皮膜２の表面上に、潤
滑剤を含有する熱硬化性塗料による塗膜５が形成されて
いる。

〔発明の実施例〕

次に、この発明全実施例により更に詳述する。

実施例１ 板厚０．３＋＋＋＋＋＋の低炭素冷延鋼板の両表面の各
々に対し、通常の電解脱脂および電解酸洗を施した後、
鋼板を陰極とし、ＣｒＯ３：　７０　？／ｌと、ＮＨ４
Ｆ　：　　２ｙ７ｔの水溶液中において、液温：５０”
Ｃ１電流密度：　３０　Ａ／ａｍ″　によ９２秒間電解
し、缶体の内面となるべき鋼板の一方の表面上に、１ｏ
ｏｒｎ９／イの金属クロム層と１５ｍ９／ｎｉ”　のク
ロム水和酸化物層とからなるクロメート皮膜を形成した
。

次いで、鋼板を陰極とし、Ｓｎ”　：　３０　ｆ／Ｌ、
遊離酸：硫酸換算１ｓｙ／１％ｇＮｓＡ　：５　Ｓ’／
　Ｌからなる通常のフェロスタンメッキ浴中において、
液温：４０℃、電流密度：　３０１ｙ’ｄｒｄ　　によ
り３秒間電解し、缶体の外面となるべき鋼板の他方の表
面上に、５．６１背　の錫メッキ皮膜を形成した。

次いで、缶体の内面となるべき鋼板の一方の表面のクロ
メート皮膜上に、ポリエステルフィルムである、厚さ１
５μｍのＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）フィル
ムを、２５０℃の温度により、熱ロールを使用して圧着
し、本発明の供試体Ｎａｌを調製した。

実施例２゜ 鋼板を陰極とし、硫酸ニッケル：２４ｏｙ／ｌ、塩化ニ
ッケル４５　？／ｌ　、硼酸：３０９／ｌ、酒石酸：　
３０　ｆ／ｌ。

弗化アンモニウム：１ｓｆ／ｌからなるニッケルメッキ
府中において、１夜温：５０℃、電流密度：１０Ａ　／
　ｄ　ｒｒ？　　により１秒間電解し、缶体の内面とな
るべき鋼板の一方の表面上に、１００■／ぜのニッケル
メッキ皮膜を形成したほかは実施例１と同様の不発明の
供試体階２を調製した。

実施例３ 鋼板を陰極とし、硫酸亜鉛：　３０　ｆ／ｌ、　硫酸ナ
トリウム：ｓｓ’／ｚ、鉛酸ソーダ：　２９／ｌからな
る亜鉛メッキ浴中において、液温：４５°Ｃ，電流密度
：　３０　Ａ／ａ？？１″により３秒間電解し、缶体の
外面となるべき鋼板の他方の表面上に、５９／ｒｒ？の
亜鉛メッキ皮膜を形成したほかは実施例１と同様の本発
明の供試体Ｎａ３を調製した。

実施例４ 缶体の外面となるべき鋼板の他方の表面上に、二硫化モ
リブデンとポリアクリル酸とグラファイトとからなる二
硫化モリブデン水浴液（フライマックスモリブデン社製
）を、ロールコータ−で塗布し、１００　’Ｃの温度で
５分間焼付け、２２βの＼蛮の二硫化モリブデンの乾燥
皮膜を形成したほかは実施例１と同様の本発明の供試体
Ｎｌ１４を調製した。

実施例５゜ 実施例１と同じ鋼板を陰極とし、実施例１と同じ電解条
件によって、鋼板の両表面の各々に、１００　ｍ９／ｙ
ｙｔ’　の金属゛クロム層と１５ｍ９７−のクロム水和
酸化物層とからなるクロメート皮膜を形成した。

次いで、缶体の外面となるべき鋼板の他方の表面のクロ
メート皮膜上に、熱硬化性樹脂としての塩化ビニルオル
ガノゾル塗料（東洋インキ株製）中に、潤滑剤としての
テフロン変性ポリエチレン系ワックス「商品名：ランコ
ンワックスＴＦ１７７８Ｊ（ジョウジ１Ｍ、ランガーア
ンドカンパニー製）が、熱硬化性塗料固形分１００部に
対して２０部含有されている熱硬化性塗料を塗布し、２
０５°Ｃの温度で１０分間焼付け、５μｍの厚さの塗膜
に形成した。

次いで、缶体の内面となるべき鋼板の一方の表面のクロ
メート皮膜上に、ポリエステルフィルムである。厚さ１
５μ専のＰＥＴ　（ポリエチレンテレフタレート）フィ
ルムを、２５０℃の温度により、熱ロールを使用して圧
着し、本発明の供試体随５を調製した。

実施例６ 熱硬化性塗料のための熱硬化性樹脂として、エポキシフ
ェノール塗料を使用したほかは実施例５と同様の本発明
の供試体Ｎａ６を調製した。

実施例７゜ 缶体の内面となるべき鋼板の一方の表面のクロメート皮
膜上に、厚さ１５μｍのＰＥＴ　　フィルムを、ウレタ
ン系接着剤（東洋インキ株製、ＡＤ−５０６５／ＡＤ−
ＲＴ　）４〜５　ｐｒｎ　　を介して１００℃の温度で
圧着し、４０°Ｃの温度で３日間エージングさせること
によりポリエステルフィルム皮膜を形成したほかは実施
例１と同様の本発明の供試体Ｎｌｌ’７を調製した。

比較例１ 缶体の内面となるべき鋼板の一方の表面上に、クロメー
ト皮膜を形成することなく直接ポリエステルフィルム皮
膜を形成したほかは実施例１と同様の比較用供試体間１
を調製した。

比較例２゜ 鋼板の両表面の各々にクロメート皮膜を形成することな
く、鋼板の一方の表面上に直接実施例５と同様のポリエ
ステルフィルム皮膜を形成し、そして、鋼板の他方の表
面上に直接実施例５と同様の熱硬化性塗料による塗膜を
形成した比較用供試体Ｎａ２全調製した。

比較例３ 缶体の内面となるべき鋼板の一方の表面のクロメート皮
膜上に、前記鋼板の他方の表面と同様な熱硬化性塗料に
よる塗膜を形成したほかは、実施例５と同様の比較用供
試体随３を調製した。

上述のようにして調製された本発明の供試体Ｎａ１〜７
および比較用供試体間１〜３の各々について、ＤＩ成形
性（成形エネルギー）、ストリッピング性、耐食性（１
１吋Ｕ、Ｃ，Ｃ性、１ｌｌＩ′ｔＦ、Ｆ、Ｃ性および１
、Ｐ、Ｖ値）を、以下に述べる住能試験によって評価し
、その結果を第１表に示した。

（１）ＤＩ成形性試、験 ＤＩ成形は、まず１２３闇φのブランクを打抜き、市販
のカッピングプレスで、内径ニア２順φ、高さ；３６肩
のカップを成形し、次いでこのカップを市販のＤＩマシ
ンに装入して、ポンチスピード：３０ｍｍ／分、　スト
ローク６００咽で、リドロウ加工及び３段階でアイアニ
ング加工（それぞれのりダクション３０襲、２８％、２
４％）を行ない、最終的に缶内径５２．０ｍｍ、缶高さ
１３０Ｗａｎの缶を成形した。なお、ＤＩ成形中には、
市販のクーラント（５％）を４０〜１００℃の温度で循
環的に塗布した。

また、ＤＩ成形性の評価については、ＤＩマシンのポン
チ部に取り付けられたロードセルから成形荷重？検出し
、ポンチストロークから、成形エネルギーを算出した。

次に成形エネルギーの計算式を示す。

Ｅ＝　／Ｓｐ、ｙ、ｄ８　（Ｅ：成形エネルギー、Ｓ：
ストローク。

Ｐ：成形荷重、　　　ｆ二重力加速度）評価は各段階の
トータル成形エネルギーとし成形エネルギーが小さいも
のを、ＤＩ成形性が優れていると評価した。

（２）　　ストリッピング性 上記（１）のＤＩ成形性試！険において、成形された缶
体からポンチが引抜かれる際に、缶体の頭部がストリッ
パーにひっかかり、缶の高さが低くなる現象を缶の高さ
で評価した。

（３）耐食性試験 前述した成形方法で作られた試験片に対し、市販の脱脂
液（ｐＨ８，５、濃度：２チ）を液温５０°Ｃで２分間
スプレーし、ＤＩ成形時に、缶に塗布されたクーラント
を除去した上、下記の試験を行なった。

ａ、　Ｕ、Ｃ，Ｃ試験 缶体内面を５０Ｘ７０．のサイズに切り出し、素地まで
達するクロスカットを入れ、裏面部およびエツジ部をシ
ールして、３８°Ｃに維持された腐食液（１，５％クエ
ン酸、１．５％塩化ナトリウム）中に９６時間浸漬した
後、テープを張りつけ次いでこれを剥離し、このときの
腐食幅および塗膜剥離状況で評価した。評価基準は次の
通りである。

（■非常に優れる　○優れる　△やや劣る　×劣るす、
Ｆ、Ｆ、ｃ試験 予め缶外面に、ロールコータによってホワイトコーティ
ング用塗料（東洋インキ株制）を、乾燥塗膜で５μｒｎ
塗布し、温度１８０℃で１０分間焼付ける。

次に、缶体外面を５０Ｘ７０．のサイズに切り出し、素
地まで達するクロスカットを入れ、裏面部およびエツジ
部をシールして、３５℃の塩水噴霧試験を１時間行ない
、次いで流水で軽く洗浄後、温度２５℃、相対湿度８５
チの恒温へ室中で、５週間暴露し、発生した糸状腐食の
幅および長さで評価した。評価基準は次の通りである。

◎非常に優れる　○優れる　△やや劣る　×劣る仁１．
　Ｐ、　Ｖ試験 缶サンプル内部に、ペプシコーラ（日本ペブシコーラ＞
Ｗ１ｆＢ当Ｄ　２５０　ＣＣ充填し、液温３８°Ｃで６
ケ月間保持し、内容物中に溶出したＦｅイオンの量を原
子吸光法を用いて定量し、Ｆｅイオン溶出量（ｐｐｍ　
）　　の多少で評価した。

第１表から明らかなように、缶体の内面となるべき鋼板
の一方の表面上に、クロメート皮膜を形成することなく
直接ポリエステルフィルム皮膜を形成した比較用供試体
Ｎ１１Ｌ１は、缶体内面の耐食性を表わす耐Ｕ、Ｃ，Ｃ
性および缶体外面の耐食性を表わす耐Ｆ、Ｃ，Ｃ性が何
れも劣っていた。

鋼板の両表面の各々にクロメート皮膜を形成することな
く、鋼板の一方の表面上に直接ポリエステルフィルム皮
膜を形成し、鋼板の他方の表面上に直接熱硬化性塗料に
よる塗膜を形成した比較用供試体Ｎａ２は、同じく缶体
内面の耐食性を表わす耐Ｕ、Ｃ，Ｃ性および缶体外面の
耐食性を表わす耐Ｆ。

Ｃ，Ｃ性が何れも劣っていた。また、鋼板の両面の各々
のクロメート皮膜上に熱硬化性塗料による塗膜全形成し
た比較用供試体部３は、缶体内面の耐食性を表わす耐Ｕ
、　Ｃ，Ｃ性が劣っていた。

これに対して、本発明の供試体ＮＩＩＬＩ〜７は、ＤＩ
成形加工性、ストリッピング性、耐食性（耐Ｕ。

Ｃ，Ｃ性、耐・Ｆ、　Ｃ，Ｃ性および１．　Ｐ、　Ｖ値
）のすべてにおいて後れていた。

〔発明の効果〕

以上述べたように、この発明によれば、ＤＩ成形時に缶
体内面の皮膜にクラックが生ぜず、優れた潤滑性を有し
、製缶後、缶体内面への熱硬化性塗料によるスプレー塗
装および焼付は硬化を要せずに、缶体の内外面とも優れ
た耐食性が得られる。

また、缶体の内面となる部分の皮膜は、クロメート皮膜
またはニッケルメッキ皮膜を下地としたポリエステルフ
ィルムによって形成されているから、バリアー性および
フレーバー性が良好である。このように、この発明によ
れば、幾多の工業上役れた効果がもたらされる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は、この発明のＤＩ缶用表面処理鋼
板の一実施態様を示す拡大断面図である。 図面において、 １・・・鋼板、　　　　　２・・・クロメート皮膜、３
・・・ポリエステルフィルム皮膜、 ４・・・錫メッキ皮膜、５・・・塗膜。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. （１）缶体の内面となるべき鋼板の一方の表面上に形成
   された、金属クロム層と前記金属クロム層の表面のクロ
   ム水和酸化物層とからなるクロメート皮膜、または、ニ
   ッケルメッキ皮膜と、前記クロメート皮膜または前記ニ
   ッケルメッキ皮膜の表面上に形成されたポリエステルフ
   ィルム皮膜と、そして、前記缶体の外面となるべき前記
   鋼板の他方の表面上に形成された潤滑性皮膜とからなる
   ことを特徴とする、ＤＩ缶用表面処理鋼板。
2. （２）前記鋼板の他方の表面上に形成された潤滑性皮膜
   が、錫メッキ皮膜からなることを特徴とする、特許請求
   の範囲第（１）項に記載のＤＩ缶用表面処理鋼板。
3. （３）前記鋼板の他方の表面上に形成された潤滑性皮膜
   が亜鉛メッキ皮膜からなることを特徴とする、特許請求
   の範囲第（１）項に記載のＤＩ缶用表面処理鋼板。
4. （４）前記鋼板の他方の表面上に形成された潤滑性皮膜
   が二硫化モリブデン皮膜からなることを特徴とする、特
   許請求の範囲第（１）項に記載のＤＩ缶用表面処理鋼板
   。
5. （５）前記鋼板の他方の表面上に形成された潤滑性皮膜
   が、金属クロム層と前記金属クロム層の表面のクロム水
   和酸化物層とからなるクロメート皮膜、または、ニッケ
   ルメッキ皮膜と、前記クロメート皮膜または前記ニッケ
   ルメッキ皮膜の表面上に形成された、潤滑剤を含有する
   熱硬化性塗料による塗膜とからなることを特徴とする、
   特許請求の範囲第（１）項に記載のＤＩ缶用表面処理鋼
   板。
6. （６）前記潤滑剤が、フッ素原子置換オレフィンにより
   変性された炭化水素系ワックスであることを特徴とする
   、特許請求の範囲第（４）項に記載のＤＩ缶用表面処理
   鋼板。