JP2017040470A - 腐食環境評価方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電柱が位置する箇所の腐食環境を新たな設備投資することなく簡易にその場で設備の置かれた腐食環境を評価できるようにすることである。【解決手段】露暴試験またはACMセンサにより得られた腐食速度と電柱の足場ボルトの腐食速度指標量との相関データを予め記憶しておき、電柱の足場ボルトの腐食速度指標量が測定されると、測定された腐食速度指標量を記憶し、相関データに基づいて腐食速度に対応付け、腐食速度指標量に対する腐食速度の対応付けデータを求め出力する。【選択図】 図1

Description

本発明は、電柱が位置する箇所の腐食環境を評価する腐食環境評価方法及び装置に関する。
屋外に設置されたコンクリート柱(以下、電柱という)には通信線、電線、信号、照明、変圧器、増幅器などの各種機器が搭載されている。これら電柱に架設されている機材、設備、電柱自体の構成部材は周囲の腐食因子により腐食する。腐食因子としては、例えば、大気中に飛来している海塩、降雨時の酸性雨、や腐食性ガス(SOx、NOx)が挙げられる。電柱程度の高さの場合、周囲の建物や樹木などの影響でわずかな位置の違いで腐食環境は大きく変わる。現場での保全を考える上で、電柱に架設されている機材や設備の置かれた腐食環境をその場で知ることは重要である。
電柱のおかれた腐食環境を計測する方法としては、取り付け可能なホルダーに試験片を入れて暴露試験を行うもの、ACM(Atmospheric Corrosion Monitor)型腐食センサ(以下、ACMセンサ)を暴露して一定期間の微少電流を測定し大気環境の腐食性をモニタリングするものがある(例えば、特許文献1参照)。
試験片による暴露試験は、電柱に試験片を取り付け一定の期間後に試験片を回収して、回収した試験片に対して除錆処理を行い試験片の腐食速度を算出し、電柱が位置する箇所の腐食環境を評価するものである。
ACMセンサによる腐食性のモニタリングは、一定の期間後にデータロガーからデータを回収し、センサ出力の大きさによりぬれ時間を求め、センサ出力及び相対湿度の関係式から海塩相当付着を推定し、センサ出力の日平均電気量から腐食速度を求めるものである。
特開2012−194034号公報
膨大な数量の設備を保全するためには、現場で気づきがあった際にその場で腐食環境がわかることが重要である。しかし試験片もACMなどのモニタリングも設置と一定期間の暴露試験と後処理を伴い、腐食環境が判明するのは多くの場合1年後となってしまうという問題があった。詳しく述べると、試験片による暴露試験の場合には、腐食環境を把握したい地域において、電柱への試験片の取付及び回収の作業が必要であり、また、回収後の除錆処理や腐食速度算出という手順が必要となる。更には、試験片が腐食速度の計測が可能な程度に腐食している必要があること、季節による腐食の進行は一定ではないので少なくとも1年以上の試験が必要となる。従って、試験片による暴露試験による場合には手間と情報を必要としてからデータを得られるまでに一定の時間がかかる。一方、ACMセンサによる腐食性のモニタリングの場合には、ACMセンサでのデータの収集期間が少なくとも1か月以上必要とされ、多くの場合は1年間で季節が循環し腐食環境も変化するため、ACMセンサの交換とデータ採取を1年間繰り返すことになる。さらにデータの処理を行い鋼材の腐食速度を間接的に求めるため暴露試験片に比較して精度が劣るという問題もある。
本発明の目的は、電柱が位置する箇所の腐食環境を新たな設備投資することなく簡易にその場で設備の置かれた腐食環境を評価できる腐食環境評価方法及び装置を提供することである。
本発明の腐食環境評価方法は、暴露試験またはACMセンサにより得られた腐食速度と電柱の足場ボルトの腐食速度指標量との相関データを予め用意し、前記電柱の足場ボルトの腐食速度指標量を測定し、測定した前記腐食速度指標量を前記相関データに基づいて前記腐食速度に対応付け前記腐食速度指標量に対する前記腐食速度の対応付けデータを求めて腐食環境の評価を行うことを特徴とする。
本発明の腐食環境評価装置は、暴露試験またはACMセンサにより得られた腐食速度と電柱の足場ボルトの腐食速度指標量との相関データを予め記憶した記憶装置と、前記電柱の足場ボルトの腐食速度指標量を入力する入力装置と、前記入力装置で入力した前記腐食速度指標量を前記相関データに基づいて前記腐食速度に対応付け前記腐食速度指標量に対する前記腐食速度の対応付けデータを求め前記記憶装置に記憶させる演算制御装置と、前記記憶装置に記憶した前記対応付けデータを出力する出力装置とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、暴露試験またはACMセンサにより得られた腐食速度と電柱の足場ボルトの腐食速度指標量との相関データを予め用意しておき、測定した腐食速度指標量を相関データに基づいて腐食速度に対応付け、腐食速度指標量に対する腐食速度の対応付けデータを求めて腐食環境の評価を行うので、足場ボルトの腐食速度指標量を測定するだけで腐食環境の把握が可能となる。従って、新たな設備投資することなく簡易に腐食環境を評価でき、設備投資や設備保全の合理化へ資することができる。
本発明の第1実施形態に係る腐食環境評価方法を示すフローチャート。 本発明の第1実施形態に係る腐食環境評価方法を実現するための腐食環境評価装置の構成図。 電柱の足場ボルトの側面図。 電柱の足場ボルトの滑り止め部の断面図。 演算制御装置の対応付け手段で求めた対応付けデータの一例を示すグラフ。 本発明の第2実施形態に係る腐食環境評価方法を示すフローチャート。 本発明の第2実施形態に係る腐食環境評価方法を実現するための腐食環境評価装置の構成図。 図5に示す対応付けデータに腐食速度指標量の閾値を追加して記載したグラフ。
まず、本発明に至った経緯を説明する。発明者らは屋外設備の腐食状態の把握を目的として、詳細な実設備の腐食状況調査を行った。その結果、現場の設備の腐食状況は地域の中でも設備の置かれた状況により程度に差があり、市町村レベルの区分けでも腐食環境の厳しい場所と穏やかな場所が混在することを確認した。電柱単位での腐食環境の測定は、膨大な試験数量が必要となり、さらに既存の方法では結果が得られるまでに数か月以上の時間がかかり保全への対応が遅れることが判明した。現地を調査していると、電柱の足場ボルトの腐食状態が、腐食環境により特異的な腐食形態となっていることを発見した。
その特徴は、腐食環境が厳しい場所では腐食の汚染源(海、温泉、腐食性ガスの排出設備)に面した足場ボルト頂部が優先的に腐食して、設置当初の形状から大きく変化することである。足場ボルトは、昔から溶融亜鉛メッキで製造され、形状も概ね円柱状である。多くの場合、交換頻度は非常に低く、電柱設置時からの腐食環境が反映された腐食状態となっている。このため、現場の腐食環境を判断する部材としては、最も適していると考えられる。
足場ボルトの形状と現場の腐食環境について詳細な調査を行い、本来正方形あるいは円形のボルト頂部の形状が、腐食環境の厳しい場所では長方形や三日月型に変形していることを認めた。ボルトの汚染源側の腐食強度と降雨などによる天方向の腐食速度差を反映する、腐食しているボルト頂部の縦横比率を用いて、その場の腐食環境を用意に判別できることを確認した。本手法を適用できるボルトは、ある程度腐食が進行している必要があり、筆者らの調査では、少なくとも5年経過している必要があることが判明した。腐食の厳しい環境での腐食の縦横比率は、当該環境で測定した試験片やACMセンサから得られる腐食速度と良い相関があることが判明した。
かかる知見に基づき、本発明に至った。すなわち、本発明は、電柱の足場ボルトの腐食に着目し、足場ボルトの腐食速度指標量を測定し、足場ボルトの腐食速度指標量に基づいて電柱が位置する箇所の腐食環境を評価するようにしたものである。そのために、暴露試験またはACMセンサにより得られた腐食速度と電柱の足場ボルトの腐食速度指標量との相関データを予め用意しておき、電柱が位置する箇所の腐食環境を評価する。足場ボルトの腐食速度指標量は、例えば、足場ボルトの減肉部の縦横比率である。
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る腐食環境評価方法を示すフローチャートである。 図1において、暴露試験またはACMセンサにより得られた腐食速度と電柱の足場ボルトの腐食速度指標量との相関データを予め用意する(S1)。相関データは、同じ腐食環境下において、暴露試験またはACMセンサにより得られた腐食速度Vnと、電柱の足場ボルトの腐食速度指標量Vnとを対にしたデータ(Δ1,V1)、(Δ2,V2)、…(Δn,Vn)である。相関データの詳細については後述する。
次に、電柱の足場ボルトの腐食速度指標量を測定する(S2)。足場ボルトの腐食速度指標量は、腐食環境を把握したい地域の足場ボルトの縦横の長さの比である。その測定した足場ボルトの縦横の長さの比を腐食速度指標量として入力する。
そして、相関データに基づいて、入力した腐食速度指標量を腐食速度に対応付けた対応付けデータを求める(S3)。すなわち、暴露試験またはACMセンサにより得られた腐食速度と電柱の足場ボルトの腐食速度指標量との相関データを用いて、入力した腐食速度指標量を腐食速度に対応付ける。
この対応付けは、後述するように、入力した腐食速度指標量を相関データ(Δ1,V1)、(Δ2,V2)、…(Δn,Vn)の腐食速度指標量Δ1〜Δnと比較し、相関データ15の腐食速度指標量Δと値が一致するものがあるときは、その一致した相関データの腐食速度Vを、入力した腐食速度指標量δに対する腐食速度Vとする。一致したものがないときは、最も近い値の腐食速度指標量Δの相関データの腐食速度Vを、入力した腐食速度指標量δに対する腐食速度Vとする。もしくは、入力した腐食速度指標量δより小さい最も近い値の腐食速度指標量Δと、入力した腐食速度指標量δより大きい最も近い値の腐食速度指標量Δとの2つの相関データの腐食速度Vを直線近似して求めた腐食速度Vを、入力した腐食速度指標量δに対する腐食速度Vとする。そして、求めた対応付けデータを出力する(S4)。
図2は本発明の第1実施形態に係る腐食環境評価方法を実現するための腐食環境評価装置の構成図である。腐食環境評価装置は、例えばパーソナルコンピュータで構成され、入力装置11、演算制御装置12、記憶装置13、出力装置14を有している。入力装置11は例えばタッチパネルやキーボードなどである。出力装置14は例えば表示装置や印刷装置などである。
記憶装置13には、同じ腐食環境下において、腐食環境を把握したい地域において、暴露試験またはACMセンサにより得られた腐食速度と電柱の足場ボルトの腐食速度指標量との相関データ15が予め記憶されている。この相関データ15については後述する。
電柱の足場ボルトの腐食速度指標量は、以下の説明では、足場ボルトの減肉部の縦横比率である場合について説明する。腐食環境を把握したい地域の足場ボルトの縦横の長さを測定し、その測定した足場ボルトの縦横の長さの比を腐食速度指標量として入力装置11から入力する。入力装置11から電柱の足場ボルトの腐食速度指標量が入力されると、演算制御装置12の入力処理手段16は、入力された電柱の足場ボルトの腐食速度指標量17を記憶装置13に記憶する。
演算制御装置12の対応付け手段18は、入力された腐食速度指標量17を腐食速度に対応付け、腐食速度指標量に対する腐食速度の対応付けデータ19を求める。腐食速度指標量17を腐食速度に対応付けるにあたっては、暴露試験またはACMセンサにより得られた腐食速度と電柱の足場ボルトの腐食速度指標量との相関データ15が用いられる。対応付け手段18により得られた対応付けデータ19は記憶装置13に記憶される。そして、演算制御装置12の出力処理手段20は、記憶装置13に記憶された対応付けデータ19を出力装置14に出力する。
図3は、電柱の足場ボルトの側面図である。足場ボルトは電柱の構造物であり作業者の足場として機能するものであり、棒状のボルト本体部21の先端部にボルト頭部22が設けられ、後端部には鍔部23を介して取付用ネジ部24が設けられている。この取付用ネジ部24が電柱にねじ込まれて固定される。また、ボルト頭部22と鍔部23との間のネジ本体部21の表面には滑り止め部25が形成されている。この滑り止め部25に作業員が足を掛けて電柱を昇降することになる。
このような電柱の足場ボルトは、一旦電柱に設置されると、腐食が激しくない限りはそのままの状態で維持される。従って、足場ボルトは、通常、設置後は周囲の腐食因子に晒される。本発明の実施形態では、前述したように、このような電柱の足場ボルトの腐食に着目し、足場ボルトの腐食速度指標量を測定し、足場ボルトの腐食速度指標量に基づいて電柱が位置する箇所の腐食環境を評価する。
図4は足場ボルトの滑り止め部25の断面図であり、図4(a)は腐食が早く減肉部が片減りした状態の断面図、図4(a)は腐食が遅く減肉部が少ない状態の断面図である。図4(a)において、足場ボルトの右方向から腐食因子(例えば海塩粒子)の影響を強く受けて足場ボルトの横が片減りしている。足場ボルトの横の長さはX1であり、足場ボルトの縦の長さはY1である。足場ボルトの縦横の長さの比は、縦横の長さのうち長い方を分母にして求める。図4(a)の場合は、縦の長さY1が横の長さX1より長いので、縦横の長さの比V1は、V1=X1/Y1として求める。
図4(b)において、足場ボルトは腐食因子の影響を強くは受けておらず、足場ボルトの上部がやや減肉している程度である。足場ボルトの横の長さはX2であり、足場ボルトの縦の長さはY2であり、図4(b)の場合は、横の長さX2が縦の長さY2より長いので、縦横の長さの比V2は、V2=Y2/X2として求める。このようにして得られた足場ボルトの縦横の長さの比Vを腐食速度指標量として入力装置11から入力する。腐食速度指標量である足場ボルトの縦横の長さの比は、縦横の長さのうち長い方を分母にして求めるので、腐食速度指標量は1より小さい値である。
次に、暴露試験またはACMセンサにより得られた腐食速度と電柱の足場ボルトの腐食速度指標量との相関データ15について説明する。相関データ15は、同じ腐食環境下において、暴露試験またはACMセンサにより得られた腐食速度Vnと、電柱の足場ボルトの腐食速度指標量Δnとを対にしたデータ(Δ1,V1)、(Δ2,V2)、…(Δn,Vn)である。このような相関データ15を予め記憶装置13に記憶しておく。
次に、演算制御装置12の対応付け手段18で求めた対応付けデータ19について説明する。いま、入力装置11から腐食速度指標量δ1〜δ15が入力されたとすると、対応付け手段18は入力された腐食速度指標量δ1〜δ15のそれぞれにつき、相関データ(Δ1,V1)、(Δ2,V2)、…(Δn,Vn)の腐食速度指標量Δ1〜Δnと比較し、相関データ15の腐食速度指標量Δと値が一致するものを選び出し、その選び出した相関データの腐食速度Vを、入力した腐食速度指標量δに対する腐食速度Vとする。
入力した腐食速度指標量δが相関データ15の腐食速度指標量Δの値と一致するものがない場合には、最も近い値の腐食速度指標量Δを選び出し、その選び出した相関データの腐食速度Vを、入力した腐食速度指標量δに対する腐食速度Vとする。もしくは、入力した腐食速度指標量δより小さい最も近い値の腐食速度指標量Δと、入力した腐食速度指標量δより大きい最も近い値の腐食速度指標量Δとを選び出し、その選び出した2つの相関データの腐食速度Vを直線近似して求めた腐食速度Vを、入力した腐食速度指標量δに対する腐食速度Vとする。
図5は演算制御装置12の対応付け手段18で求めた対応付けデータ19の一例を示すグラフである。演算制御装置12の対応付け手段18は前述したように、入力された腐食速度指標量δ1〜δ15のそれぞれにつき、相関データの腐食速度Vに対応付けする。図5では、腐食速度指標値δを横軸とし腐食速度Vを縦軸とし、入力した腐食速度指標量δ1〜δ15に対する腐食速度V1〜V15をグラフで示している。
演算制御装置12の対応付け手段18は、入力された腐食速度指標量δ1〜δ15のそれぞれについて相関データの腐食速度Vを対応付けたデータ(δi,Vi)を対応付けデータ19として記憶装置13に記憶し、演算制御装置12の出力処理手段20はその対応付けデータ19を出力装置14に出力する。
本発明の第1実施形態によれば、暴露試験またはACMセンサにより得られた腐食速度Vと電柱の足場ボルトの腐食速度指標量Δとの相関データ15を予め用意しておき、腐食環境を把握したい地域において、電柱の足場ボルトの腐食速度指標量δを測定し、測定した電柱の足場ボルトの腐食速度指標量δを腐食環境評価装置に入力する。腐食環境評価装置は、入力した腐食速度指標量δを相関データ15に基づいて腐食速度Vに対応付け、腐食速度指標量δに対する腐食速度Vの対応付けデータ19を求める。そして、その対応付けデータ19を出力装置14に出力するので、腐食環境を把握したい地域での腐食環境の評価を容易に行うことができる。すなわち、足場ボルトの腐食速度指標量δを測定するだけで腐食環境の把握が可能となる。従って、新たな設備投資することなく簡易に腐食環境を評価でき、設備投資や設備保全の合理化へ資することができる。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。図6は本発明の第2実施形態に係る腐食環境評価方法を示すフローチャートである。この第2実施形態は、図1に示した第1実施形態に対し、予め腐食速度指標量の閾値を記憶しておき、入力した腐食速度指標量が閾値以下であるか否かを判断して電柱が位置する箇所の腐食環境を評価し、その評価結果を出力するようにしたものである。
図6において、暴露試験またはACMセンサにより得られた腐食速度と電柱の足場ボルトの腐食速度指標量との相関データを予め用意する(T1)。相関データは、第1実施形態の場合と同様である。
また、足場ボルトが位置する箇所の腐食環境の評価基準の閾値として腐食速度指標量の閾値を予め設定する(T2)。腐食速度指標量の閾値は、前述したように、電柱が位置する箇所の腐食環境の評価基準を示す閾値であり、電柱が位置する箇所の腐食環境が厳しい環境であるかそうでない環境であるかを示すものである。
次に、電柱の足場ボルトの腐食速度指標量を測定する(T3)。足場ボルトの腐食速度指標量の入力は、第1実施形態の場合と同様である。そして、相関データに基づいて、入力した腐食速度指標量を腐食速度に対応付けた対応付けデータを求める(T4)。対応付けデータについても第1実施形態の場合と同様である。
次に、足場ボルトの腐食速度指標値が閾値以下か否かを判定する(T5)。腐食速度指標値の閾値は、前述したように、腐食速度Vが大きくなった腐食速度指標値を考慮して設定される。
そして、足場ボルトの腐食速度指標量が閾値以下であるときは、腐食環境は厳しい環境であると評価し(T6)、閾値以下でないときは腐食環境は厳しい環境でないと評価する(T7)。これにより、電柱が位置する箇所の腐食環境が厳しい環境であるか否かの評価を行う。そして、求めた評価結果を出力する(T8)。
図7は本発明の第2実施形態に係る腐食環境評価方法を実現するための腐食環境評価装置の構成図である。図2に示した第1実施形態のものに対し、記憶装置13に予め腐食速度指標量の閾値26を記憶しておき、演算制御装置12は評価判断手段27を有し、評価判断手段27は、入力した腐食速度指標量が閾値26以下であるか否かを判断して電柱が位置する箇所の腐食環境を評価し、その評価結果28を記憶装置13に記憶するようにしたものである。図2と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図7に示すように、記憶装置13には、腐食速度指標量の閾値26が予め記憶されている。腐食速度指標量の閾値26は、電柱が位置する箇所の腐食環境の評価基準を示す閾値であり、電柱が位置する箇所の腐食環境が厳しい環境であるかそうでない環境であるかを示すものである。
図8は図5に示す対応付けデータに腐食速度指標量の閾値26を追加して記載したグラフである。図8において、腐食速度指標量δが0.72以上(δ≧0.72)では、腐食速度Vが200[μm/年]以下と小さく(V<200[μm/年])、腐食速度指標量δが約0.64で腐食速度Vが約440[μm/年]と大きくなっている。そこで、腐食速度指標量の閾値26を、0.64<δ<0.72の範囲で設定する。図8では腐食速度指標量の閾値26を0.7に設定した場合を示している。評価判断手段27は、入力した腐食速度指標量が腐食速度指標量の閾値26以下では厳しい腐食環境であると判断し、閾値26以上であるときは厳しい腐食環境ではないと判断する。そして、評価判断手段27は、その評価結果28を記憶装置13に記憶するとともに出力処理手段20を介して出力装置14に出力する。
本発明の第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、評価判断手段27は、入力した腐食速度指標量が閾値26以下であるか否かを判断して電柱が位置する箇所の腐食環境を評価し、その評価結果28を記憶装置13に記憶するともに出力処理手段20を介して出力装置14に出力するので、評価結果28だけを見るだけで腐食環境を把握したい地域での腐食環境の評価を容易に取得できる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…入力装置、12…演算制御装置、13…記憶装置、14…出力装置、15…相関データ、16…入力処理手段、17…腐食速度指標値、18…対応付け手段、19…対応付けデータ、20…出力処理手段、21…ボルト本体部、22…ボルト頭部、23…鍔部、24…取付用ネジ部、25…滑り止め部、26…閾値、27…評価判断手段、28…評価結果

Claims (6)

  1. 暴露試験またはACMセンサにより得られた腐食速度と電柱の足場ボルトの腐食速度指標量との相関データを予め用意し、
    前記電柱の足場ボルトの腐食速度指標量を測定し、
    測定した前記腐食速度指標量を前記相関データに基づいて前記腐食速度に対応付け前記腐食速度指標量に対する前記腐食速度の対応付けデータを求めて腐食環境の評価を行うことを特徴とする腐食環境評価方法。
  2. 前記電柱の足場ボルトの腐食速度指標量は、前記足場ボルトの減肉部の縦横比率であることを特徴とする請求項1に記載の腐食環境評価方法。
  3. 前記電柱が位置する箇所の腐食環境の評価基準の閾値として前記腐食速度指標量の閾値を予め前記記憶装置に記憶しておき、測定した前記腐食速度指標量が前記閾値以下であるときは、前記電柱が位置する箇所の腐食環境は厳しい環境であると評価することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の腐食環境評価方法。
  4. 暴露試験またはACMセンサにより得られた腐食速度と電柱の足場ボルトの腐食速度指標量との相関データを予め記憶した記憶装置と、
    前記電柱の足場ボルトの腐食速度指標量を入力する入力装置と、
    前記入力装置で入力した前記腐食速度指標量を前記相関データに基づいて前記腐食速度に対応付け前記腐食速度指標量に対する前記腐食速度の対応付けデータを求め前記記憶装置に記憶させる演算制御装置と、
    前記記憶装置に記憶した前記対応付けデータを出力する出力装置とを備えたことを特徴とする腐食環境評価装置。
  5. 前記電柱の足場ボルトの腐食速度指標量は、前記足場ボルトの減肉部の縦横比率であることを特徴とする請求項4に記載の腐食環境評価装置。
  6. 前記電柱が位置する箇所の腐食環境の評価基準の閾値として前記腐食速度指標量の閾値を予め前記記憶装置に記憶しておき、前記演算制御装置は、入力した前記腐食速度指標量が前記閾値以下であるか否かを判断し、前記閾値以下であるときは、前記電柱が位置する箇所の腐食環境が厳しい環境であるとの評価結果を前記出力装置に出力することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の腐食環境評価装置。
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