JPH10176013A - 新規化合物、その重合体およびその製造方法 - Google Patents

新規化合物、その重合体およびその製造方法

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JPH10176013A
JPH10176013A JP35373496A JP35373496A JPH10176013A JP H10176013 A JPH10176013 A JP H10176013A JP 35373496 A JP35373496 A JP 35373496A JP 35373496 A JP35373496 A JP 35373496A JP H10176013 A JPH10176013 A JP H10176013A
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meth
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acrylate
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JP35373496A
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Takeshi Endo
剛 遠藤
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Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱や光で容易に単重合または共重合し、印刷
用途等に用いられる新規化合物に関する。 【解決手段】 下記式(1)で表わされる化合物であ
る。反応性官能基を含む基が脂環式エポキシを含む基ま
たは下記式(2)または式(3)で表される基であるこ
とを特徴とする。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応性官能基を含
む新規化合物およびその用途に関し、より詳細には、熱
や光で容易に単重合または共重合し、印刷用途、エレク
トロニクス用レジスト及び塗料、接着剤等に用いられる
新規化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】各種刷版、エレクトロニクス用途の発展
に伴い、感光性フィルム等の解像度の向上が求められて
いる。これら市場ニーズに牽引され高分子工業の著しい
進歩が見られ、多種多様な化合物や高分子材料が開発さ
れ、広範囲にわたって用いられている。特に近年、工業
製品の高機能化・高性能化に伴い、より優れた化合物及
び高分子材料の開発が求められている。
【0003】例えば、プリント配線板用レジストの分野
では、プリント配線板にレジストを形成させる方法とし
て、感光性フィルムを所定のパターンに露光・現像し、
目的のレジストパターンを形成させる写真法が開発され
ているが、価格の点から、あるいは感光性フィルムにな
い特性を有することから液状レジストも採用されてい
る。また、レジスト形成の際の現像液としては、従来よ
り溶剤現像型と炭酸ナトリウム水溶液を使用する希アル
カリ水溶液現像型とがあるが、オゾン層破壊、作業環境
への影響等から、そのほとんどが希アルカリ水溶液現像
型の使用に開発が移行している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような市場のニー
ズを受け、分子内に2つ以上の反応性基を有する化合物
や側鎖に複数個の反応性基を有する反応性オリゴマーあ
るいはポリマーが、熱硬化性または光硬化性樹脂として
開発されている。また、それ以外の機能性樹脂として広
範囲な工業用途に、様々な分野から検討および開発が行
われ、更に新たな素材の開発が期待されている。特に、
熱または紫外線もしくはイオン放射線等の光で容易に単
重合または他の不飽和基含有化合物と共重合し得る多官
能モノマーの開発、印刷用途、エレクトロニクス用レジ
スト及び塗料、接着剤等に用いられる硬化性樹脂を構成
するモノマーまたはその重合体の開発、特に、配合によ
り現像時間が短く、感度、密着性、半田耐熱性に優れ、
且つ耐加水分解性に優れるレジストを構成するモノマー
およびその重合体の開発が熱望されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明らは、前記目的を
違成するため鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有す
る化合物またはその重合体が、光硬化または熱硬化性を
有し、上記目的を達成し得ることを見い出し、本発明を
完成させた。
【0006】すなわち本発明は、式(1)で表わされる
化合物を提供するものである。また、反応性官能基を含
む基が脂環式エポキシを含む基であることを特徴とする
前記化合物を提供するものである。また、反応性官能基
を含む基で置換された脂肪族炭化水素基が式(2)また
は式(3)で表される基であることを特徴とする前記化
合物を提供するものである。更に、前記化合物の重合体
を提供するものである。加えて、式(4−1)または式
(4−2)で表される水酸基含有化合物に式(5)で表
される化合物を反応させる式(1)で表される化合物の
製造方法を提供するものである。以下、本発明を詳細に
説明する。
【0007】
【化6】
【0008】
【化7】
【0009】
【化8】
【0010】
【化9】
【0011】
【化10】
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の式(1)で表される化合
物において、R1は、水素原子、芳香族炭化水素基また
は飽和もしくは不飽和脂肪族炭化水素基であることが好
ましい。芳香族炭化水素基である場合には、フェニル
基、ベンジル基であることが好ましい。また、飽和脂肪
族炭化水素基である場合は、炭素数1〜10のアルキル
基であることが好ましい。更に、不飽和脂肪族炭化水素
である場合は、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル
基であることが特に好ましい。R1は、これらの中で、
水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基であること
が特に好ましい。R2は、反応性官能基を含む基で置換
された脂肪族炭化水素基を示し、特に好ましくは、上記
式(2)、式(3)で表される基である。なお、式
(3)においては、R4およびR5は各々水素原子、メチ
ル基またはエチル基であり、mは4〜8の整数であるこ
とが好ましく、nは1〜10の整数であることが好まし
い。
【0013】式(1)で表される化合物は、例えば、式
(4−1)または式(4−2)で表されるような水酸基
含有化合物に、式(5)で表される化合物を反応させる
ことにより製造することができる。式(4−1)で表さ
れる水酸基含有化合物は、3,4−エポキシシクロヘキ
シルメチルアルコールである。式(4−2)で表される
水酸基含有化合物は、3,4−エポキシシクロヘキシル
メチルアルコールにラクトンを1〜10の範囲で重合す
ることにより得られるラクトン重合体である。式(4−
2)で表される水酸基含有化合物は、具体的にはアルコ
ールである化合物(4−1)等の活性水素を開始剤と
し、ε−カプロラクトンを常法の開環重合させて製造す
ることができる。ラクトンは、ε−カプロラクトン以外
に、バレロラクトン等を単重合体させ、またはε−カプ
ロラクトンとバレロラクトン等を共重合体させてもよ
い。
【0014】式(5)で表される化合物は、例えば、ア
ジ化金属であるアジ化ナトリウムで代表されるアルカ
リ、アルカリ土類金属塩の水溶液に、酸クロライドであ
るR1−CH=CH−COClを反応させることにより
得ることができる。R1は、目的物である式(1)で表
される化合物のR1と同じ基のものを用いる。アジ化金
属と酸クロライドとの反応比は、アジ化金属1モルに対
し酸クロライドを0.01〜1.5モル反応させること
が好ましい。反応は、アジ化金属の水溶液に酸クロライ
ドの溶液を滴下させて行う。酸クロライドの溶媒には特
に制限はないが、アセトン、メチルエチルケトンなどの
ケトン類が好ましい。また、アジ化金属水溶液への滴下
は、温度−78〜100℃で行うことができるが、アジ
化金属の安定性を考え、室温またはそれ以下の温度で行
うことが好ましい。
【0015】式(1)で表される化合物は、式(5)で
表される化合物1モルに対し、式(4−1)または式
(4−2)で表される水酸基含有化合物を通常0.5〜
10.0モル添加し反応させて製造する。反応温度は、
式(5)で表される化合物の安定性と反応温度の関係か
ら、0〜150℃であることが好ましい。反応には触媒
を使用することができる。好ましい触媒としては、トリ
エチルアミン、ジメチルベンジルアミン等の3級アミ
ン、テトラエチルアンモニウムクロライド等の4級アミ
ン、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類を例示
することができる。
【0016】式(1)で表わされる化合物は、分子内の
炭素−炭素二重結合に基づいて単独重合させまたは他の
重合性不飽和基を有する化合物と共重合させることがで
きる。重合法としては溶液重合、乳化重合、懸濁重合、
沈殿重合等があるが、溶液ラジカル重合が最も簡便であ
る。
【0017】共重合できるモノマーは、重合性不飽和基
を有するものであれば特に制限はないが、以下のモノマ
ーが例示できる。(メタ)アクリル酸アルキルエステル
類として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブ
チル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレ
ート、ヘキシル(メタ)アクリレートなどがある。水酸
基を有する(メタ)アクリル酸エステル類として、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、カプロカクトン変性2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレートなどがある。他の(メタ)
アクリレート類として、メトキシジエチレングリコール
(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール
(メタ)アクリレート、イソオクチルオキシジエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエ
チレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリ
エチレングリコール(メタ)アクリレートなどが例示さ
れ、さらにその他のモノマーとしてスチレン類等があ
る。
【0018】本発明の重合体を得るために使用できる重
合開始剤としては、重合性不飽和基を有する化合物の重
合に通常使用されているものを用いることができる。具
体例としては、ラウロイルパーオキサイド、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキ
シル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキ
シ(2−エチルヘキサノエート)、メチルエチルケトン
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンヒ
ドロパーオキサイドなどの過酸化物系化合物、2,2−
アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−
(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系化合
物が例示できる。また、過酸化物系化合物とアゾ系化合
物を混合して使用することもできる。
【0019】重合溶媒は、モノマーおよびポリマーを溶
解するものであれば特に制限なく、例えば、ベンゼン、
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、メタノー
ル、エタノール、2−プロパノールなどのアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、ジブチルエ
ーテル、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸エチル、酢
酸イソブチル、エチレングリコールモノアルキルエーテ
ルアセテート類、ジエチレングリコールモノアルキルエ
ーテルアセテート類、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミドなどのアミド類、四塩化炭素、クロロホル
ムなどのハロゲン化炭化水素などが用いられる。これら
の溶媒は単独で、または混合して使用してもよい。
【0020】得られる重合体または共重合体のGPCに
よる標準ポリスチレン換算の数平均分子量は、通常、
5,000〜500,000、好ましくは10,000
〜80,000の範囲である。
【0021】本発明の化合物(1)並びにその単重合体
および共重合体は、他の樹脂、エポシキ開環付加触媒、
希釈モノマーまたはオリゴマー、光重合開始剤その他の
添加剤を配合し硬化性樹脂組成物を得て、光硬化または
熱硬化させてレジストとして使用することができる。
【0022】配合できる他の樹脂の酸価は、50〜15
0KOHmg/gの範囲であることが好ましい。酸価が
50KOHmg/g未満の場合には希アルカリ水溶液で
の未硬化樹脂組成物の除去が難しく、150KOHmg
/gを越えると硬化皮膜の耐湿性、電気特性が劣る場合
があるからである。また、配合できる樹脂の重量平均分
子量は、5,000〜150,000の範囲であること
が好ましい。但し、用途によってこの範囲は異なり、ソ
ルダーレジスト、エッチングレジスト等として膜厚が3
0μm以下の用途では、良好な現像性が必要なことから
重量平均分子量が10,000〜40,000が好まし
い。また、刷版等の印刷等を含む塗膜厚が100μm程
度の用途においては、感度を重視するため重量平均分子
量が100,000〜150,000程度であることが
好ましい。重量平均分子量が150,000を越えると
現像性が著しく低下し、貯蔵安定性が劣る等の問題が生
ずる場合もある。
【0023】配合できるエポキシ開環付加触媒として
は、ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、テト
ラメチルエチレンジアミン、トリ−n−オクチルアミン
等の3級アミン、テトラメチルアンモニウムクロライ
ド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチ
ルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩、テ
トラメチル尿素等のアルキル尿素、テトラメチルグアニ
ジン等のアルキルグアニジン、トリフェニルホスフィン
等のホスフィン系及びこれらの塩を例示できる。これら
は単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよ
い。これらの触媒はエポキシ化合物である式(1)の化
合物またはその(共)重合体に対して0.01〜10重
量%、好ましくは0.5〜3.0重量%用いるのが好ま
しい。0.01重量%より少ない場合は触媒効果が低
く、10重量%を越える量を加えると硬化性が劣る。
【0024】配合できる希釈モノマーまたはオリゴマー
としては、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エス
テル化合物、ビニル芳香族化合物、アミド系不飽和化合
物等で代表されるラジカル重合性二重結合を有する化合
物を例示できる。アクリル酸エステルまたはメタクリル
酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)
アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート等の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル類、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル
酸エステル類、メトキシジエチレングリコール(メタ)
アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)
アクリレート、イソオクチルオキシジエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレング
リコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレン
グリコール#400−(メタ)アクリレート等のアルコ
キシ(メタ)アクリレート類、1,6−ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリル酸エ
ステル類、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート等の三官能(メタ)アクリル酸エステル類、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの更に多官
能(メタ)アクリル酸エステル類等が例示できる。ビニ
ル芳香族化合物としては、スチレン、ビニルトルエン、
α−メチルスチレンを例示することができる。アミド系
不飽和化合物としてはアクリルアミド、メタクリルアミ
ド等を例示することができる。オリゴマーとしては、ポ
リエステルポリオールの(メタ)アクリル酸エステル
類、ポリエーテルポリオールの(メタ)アクリル酸エス
テル類、ポリエポキシと(メタ)アクリル酸との付加物
およびポリオールにポリイソシアネートを介してヒドロ
キシ(メタ)アクリレートを導入した樹脂等が例示でき
る。配合できる希釈モノマーまたはオリゴマーは、本発
明の化合物または本発明の重合体1重量部に対し、0を
越え300重量部の範囲、特には10〜100重量部の
範囲であることが好ましい。希釈モノマーおよびオリゴ
マーが300重量部を越えると現像度が低下する場合が
ある。
【0025】配合できる光重合開始剤としては、ベンゾ
フェノン、アセトフェノン、ベンジル、ベンジルジメチ
ルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベ
ンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエー
テル、ジメトキシアセトフェノン、ジメトキシフェニル
アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ジフェニ
ルジサルファイト等が例示でき、これらは単独でも2種
以上を混合して使用することもできる。光重合開始剤
は、光吸収エネルギーの重合開始遊離基への転換を強め
るための相乗剤、例えば第3級アミンを併用することが
できる。なお、本発明の化合物、重合物を電子線照射で
硬化させる場合には光重合開始剤の添加はなくてもよ
い。
【0026】配合できるその他の添加剤として、必要に
応じて熱重合禁止剤、界面活性剤、光吸収剤、チキソ性
付与剤、染料および顔料等を含有することができる。
【0027】本発明の化合物、重合物を硬化させて使用
するには、硬化性樹脂を基材上に薄膜として被着させ硬
化させる。薄膜を形成する方法としては、スプレー、ブ
ラシ掛け、ロール塗装、カーテン塗装、電着塗装、静電
塗装等が用いられる。また、液状レジスト、ドライフィ
ルムとして使用する場合は、硬化性樹脂組成物を基板上
に被着させた後、光によって硬化させる。「光」として
は、高圧水銀燈、紫外線、EB、レーザー光線等を使用
することができる。また、液状レジストの1成分として
使用する場合には、熱により硬化させることもできる。
硬化の条件は、100〜200℃で、1〜90分の条件
で行うことができる。硬化は不活性ガス雰囲気下で行う
ことが好ましいが、空気雰囲気下においても硬化させる
ことができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお
「%」は、特に示す場合を除くほか「重量%」を示す。
【0029】(実施例1:3,4−エポキシシクロヘキ
シルメチルオキシカルボニルビニルアミンの合成)撹拌
機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管
を備えた100ml容量のセパラブルフラスコに、2.
8mol/Lのアジ化ナトリウム水溶液を20ml入
れ、2.5mol/lのアクリル酸クロライドのアセト
ン溶液を20ml、0℃、10分かけて滴下し、2時間
熟成を行った。ついで、3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチルアルコール(ダイセル化学工業(株)「ETH
B」)3.84g及びトリエチルアミン5mlを添加
後、70℃、12時間反応させた。得られた反応液から
3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシカルボニ
ルビニルアミン(以下、化合物Aと称す。)を得た。収
率は72%であった。
【0030】化合物Aの、IR及びNMR測定結果を示
す。 (1)IR: 3300(N−H),2930(−CH
2−,脂環メチレン),1710(C=O),1640
(ビニル基),850(エポキシ基)cm-1 (2)1H−NMR(CDCl3) δ=0.7〜2.5(m,7H),3.17(s,2
H),3.91(dd,2H,J=2.6Hz,6.4
Hz),4.26(d,1H,J=8.2Hz),4.
49(d,1H,J=15.4Hz),6.69(d
d,1H,J=8.2Hz,15.4Hz),7.1
(br.s,1H)。 (3)13C−NMR(CDCl3) δ=20.86(t),22.76(d),23.46
(d),24.38(t),26.82(t),27.
96(t),29.58(t),32.29(t),5
0.98(d),51.53(d),52.34
(d),69.08(t),93.03(t),13
0.03(d),153.81(s)。
【0031】
【化11】
【0032】(実施例2)実施例1のアクリル酸クロラ
イドをメタクリル酸クロライドに代えた以外は実施例1
と同様に操作し、化合物Bを得た。また、同様に、実施
例1のアクリル酸クロライドをフェニルアクリル酸クロ
ライドに代えた以外は実施例1と同様に操作し、化合物
Cを得た。化合物B、Cは、IR及びNMR測定から以
下の以下の構造を示す化合物であることを確認した。化
合物Bの収率は83%であり、化合物Cの収率は74%
であった。
【0033】
【化12】
【0034】(実施例4:化合物Aの重合体の合成)窒
素雰囲気下、ベンゼン10ml及び2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル(日本ヒドラジン社製「AIB
N」)24.6mgを仕込み、化合物Aの985mgを
シールチューブに封入した。その後、70℃まで昇温を
行い、24時間、重合反応を行った。反応後、ベンゼン
/ヘキサン系で重合物(以下、重合体Aと称す。)を単
離した。その結果、収率は72%であった。
【0035】得られた重合体AのIR測定、NMR分析
及びGPCを測定し、重合体Aは化合物Aの重合物であ
ることを確認した。 (1)IR(KBr)で3320(N−H),2930
(脂環メチレン),1700(C=O),810(エポ
キシ基)cm-1 (2)1H−NMR(CDCl3) δ=0.8〜2.5(m,10H),3.23(s,2
H),3.86(s,1H),5.5(gr.s,1
H)。 (3)13C−NMR(CDCl3) δ=21.07(t),22.91(d),23.62
(d),24.54(t),26.87(t),28.
17(t),29.74(t),32.45(t),4
5.78(d),51.03(d),51.58
(d),52.39(d),68.70(t),15
6.19(s)。 GPC(ポリスチレン基準);数平均分子量(Mn)=
39,790、分子量分布(Mw/Mn)=1.67
【0036】(実施例5および6:化合物BまたはCの
重合体の合成)実施例4の化合物Aを化合物Bまたは化
合物Cに変えた以外は、実施例4と同様に操作し、化合
物Bから重合体Bを得、化合物Cから重合体Cを得た。
なお、重合物B、CのIR、NMR及びGPC分析か
ら、それらが各々化合物B、Cの重合体であることを確
認した。
【0037】(参考例:カルボキシル基を有する樹脂溶
液の合成)撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及
び窒素導入管を備えた2Lセパラブルフラスコに、ジプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤社
製「MFDG」)300g、t−ブチルパーオキシ2ー
エチルヘキサノエート(日本油脂社製「パーブチル
O」)12.0gを導入し、95℃に昇温後、メタクリ
ル酸172g、メチルメタクリレート126g、及び
2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(日本
ヒドラジン工業社製「ABN−E」)9.5g、MFD
G200gを共に3時間かけて滴下した。滴下後4時間
熟成してカルボキル基を有する幹ポリマーを合成した。
次に、上記幹ポリマー溶液に、エポキシシクロヘキシル
メチルアクリレート(ダイセル化学工業社製「サイクロ
マーA200」)202g、トリフェニルホスフィン2
g、メチルハイドロキノン1.0g加えて、100℃で
10時間反応させた。反応は、空気/窒素の混合雰囲気
下で行った。これにより、酸価100KOH−mg/
g、二重結合当量(不飽和基1mol当りの樹脂重量)
450、重量平均分子量20,000の樹脂溶液Dを得
た。
【0038】(実施例7:光硬化性樹脂の評価)実施例
1で得た化合物Aおよび実施例4〜6で得た重合体A、
B、C並びに参考例で得た樹脂溶液Dを用いて、希釈モ
ノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト(DPHA)、色素としてフタロシアニングリーン、
開始剤として2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フ
ェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1(チバ・ガ
イギー社製「イルガキュア907」)を表−1に示す配
合割合で光硬化性樹脂組成物を調製し、ソルダーレジス
トとしての評価を行った。実施例で得られたソルダーレ
ジストをパターン形成された基盤の上にバーコーターを
用いて20〜30μmの厚さに塗布し、80℃の送風乾
燥機で20分間乾燥させた。その後ネガフィルムを密着
させ、1000mJ/cm2の光量を照射した。さら
に、1%炭酸ソーダ水溶液で現像し、得られた塗膜を1
50℃送風オーブンで30分間硬化させることによって
ソルダーレジスト膜を得た。実施例のソルダーレジスト
について、現像時間(min)、感度、密着性、半田耐
熱性及び耐加水分解性を評価した。結果を表−1に示
す。
【0039】(測定項目とその測定方法) (1)現像時間 現像時間は、1%炭酸ソーダ水溶液での現像時間を測定
し、以下の基準で評価した。なお希アルカリ水溶液に可
溶とは、この現像時間が20秒未満であることを意味す
る。 ○:20秒未満 △:20〜60秒で現像可 ×:60秒を越えて必要 (2)感度 感度は、コダック社製ステップタブレットを使用して評
価した。 (3)密着性 密着性は、得られたレジスト膜について、JIS D0
202に準じてセロハンテープによるピーリング試験を
行った。 ○:100/100 △:50/100〜99/100 ×:0/100〜49/100 (4)半田耐熱性 半田耐熱性は、260℃の半田槽に20秒間浸漬後のソ
ルダーレジスト膜の状態を目視で評価した。 ○:塗膜に異常がない △:塗膜にふくれ、剥離が僅かに認められる ×:塗膜にふくれ、剥離が認められる (5)耐加水分解性 耐加水分解性は、40℃の温水に24時間浸漬し、塗膜
状態を目視で評価・判定した。 ○:全く変化のないもの △:僅かに塗膜光沢がなくなるもの ×:光沢がなくなるもの
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、硬化性樹脂組成物とし
て使用でき、極めて有用な新規化合物が提供される。こ
の新規化合物及びその重合体(多官能エポキシ樹脂)
は、金属などの表面に塗布し、次いで紫外線や電子線の
輻射線を照射することにより、硬化皮膜を形成すること
ができる。本発明によれば、塗膜の密着性、半田耐熱
性、耐弱アルカリ水性等優れる硬化性樹脂組成物を与え
る多官能モノマーあるいはその重合物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物AのIRチャートである。
【図2】重合体AのIRチャートである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)で表わされる化合物。 【化1】
  2. 【請求項2】 反応性官能基を含む基が脂環式エポキシ
    を含む基であることを特徴とする請求項1記載の化合
    物。
  3. 【請求項3】 反応性官能基を含む基で置換された脂肪
    族炭化水素基が式(2)または式(3)で表される基で
    あることを特徴とする請求項1記載の化合物。 【化2】 【化3】
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の化合物
    の重合体。
  5. 【請求項5】 式(4−1)または式(4−2)で表さ
    れる水酸基含有化合物に式(5)で表される化合物を反
    応させる請求項1記載の化合物の製造方法。 【化4】 【化5】
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