JPH10175933A - 固体ヘテロポリ酸触媒を用いるリッター反応による、第三級ブチルアクリルアミドのようなn−ヒドロカルビル置換アミドの調製方法 - Google Patents

固体ヘテロポリ酸触媒を用いるリッター反応による、第三級ブチルアクリルアミドのようなn−ヒドロカルビル置換アミドの調製方法

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JPH10175933A
JPH10175933A JP9332885A JP33288597A JPH10175933A JP H10175933 A JPH10175933 A JP H10175933A JP 9332885 A JP9332885 A JP 9332885A JP 33288597 A JP33288597 A JP 33288597A JP H10175933 A JPH10175933 A JP H10175933A
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hydrocarbyl
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James D Burrington
ディー. バーリントン ジェイムズ
Douglas C Rhubright
シー. ルブライト ダグラス
Chester E Ramey
イー.ラメイ チェスター
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 N-ヒドロカルビル置換アミドの改良調製方法
を提供すること。 【解決手段】 ヒドロカルビル置換アミドの調製方法で
あって、該方法は、該ヒドロカルビル置換アミドの形成
を生じる条件下にて、(c)ヘテロポリ酸またはその塩を
含有する触媒の存在下で、(a)ニトリルと(b)ヒドロカル
ビル化剤とを接触させる工程を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N-ヒドロカルビル
置換アミドの改良調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸(例えば、硫酸)の存在下にて、第二級
アルコールおよび第三級アルコール、オレフィンおよび
水、またはエステルとニトリルとを反応させて、N-アル
キル置換アミドを得ることは、公知である。この反応
は、リッター反応として知られている。H. Plaut and
J.J. Ritter、A New Reaction of Nitriles. VI. Unsat
urated Amides、J. Am. Chem. Soc.、vol. 73 (1951)、
pp. 4076〜4077は、N-置換アミド(特に、不飽和アミド)
を得るための、オレフィンまたはアルコールとニトリル
との反応を開示している。
【0003】米国特許第3,151,157号(Fugateら、1964年
9月29日)は、直鎖オレフィン、アクリロニトリルおよ
び強硫酸のあらかじめ形成した反応生成物にて、強硫酸
の存在下で、該直鎖オレフィンおよびアクリロニトリル
を反応させることによる、N-アルキルアクリルアミドの
調製を開示している。
【0004】有機カチオン交換剤(例えば、Nafion-H(登
録商標)、過フッ化スルホン酸樹脂)を用いてリッター反
応を促進することは、公知である。米国特許第4,273,93
8号(Mergerら、1981年6月16日)は、スルホン酸基を含
有する有機カチオン交換剤の存在下にて、シアノ化合物
(例えば、アクリロニトリル)とオレフィンおよび水とを
反応させることによる、N-置換カルボン酸アミドの調製
を開示している。Olahら、Nafion-H(登録商標) Catalyz
ed Baeyer-Villiger Oxidation and Ritter Reaction
s、Materials Chemistry and Physics、vol. 17 (198
7)、pp. 21〜31は、アミド化合物を生じるための、ニト
リルの存在下でのアルコールの反応を促進するために、
Nafion-H(登録商標)を使用することを開示している。
【0005】特開平3-93765号(泉、これは、1989年9月
4日に出願され、1991年4月18日に公開された)は、ヒ
ドロキシ含有化合物を用いた芳香族ニトロ化合物からの
芳香族ウレタンの形成を触媒するために、二酸化炭素の
存在下にて、塩化パラジウムと連係して、モリブデンま
たはバナジウムヘテロポリ酸またはそれらの塩を使用す
ることを開示している。
【0006】米国特許第5,334,775号(Gutierrezら、199
4年8月2日)は、少なくとも500の数平均分子量の重合
体アルキル化剤(これは、少なくとも1個の炭素−炭素
二重結合を有する)でヒドロキシ芳香族化合物をアルキ
ル化するために、ヘテロポリ酸の使用を開示している。
この方法の触媒として、ホスホタングステン酸が請求さ
れている。
【0007】米国特許第5,366,945号(Kresgeら、1994年
11月22日に発行)は、パラフィンの異性化および芳香族
種のアルキル化を触媒するために、メソ多孔性結晶質物
質に担持したヘテロポリ酸触媒の使用を開示している。
請求している担持ヘテロポリ酸は、中心元素として、
P、Si、B、Ge、As、Se、Ti、Zr、Mn、F、V、CeおよびTh
からなる群から選択した少なくとも1種の元素、および
配位元素として、Moおよび/またはWを含有する。
【0008】α−ヒドロキシイソブチルアミドの調製に
おいて、共触媒としてのヘテロポリ酸またはそれらの塩
の使用は、公知である。米国特許第5,387,715号(Karasa
waら、1995年2月7日)は、二酸化マンガンの存在下、
さらに、水、オキソ酸、ヘテロポリ酸または該酸の塩の
存在下にて、アセトンシアノヒドリンを水和することに
よる、α−ヒドロキシイソブチルアミドの調製を開示し
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、固体ヘテロ
ポリ酸触媒を用いるリッター反応による、第三級ブチル
アクリルアミドのようなN-ヒドロカルビル置換アミドの
調製方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ヒドロカルビ
ル置換アミドの調製方法を提供し、該方法は、該ヒドロ
カルビル置換アミドの形成を生じる条件下にて、(c)ヘ
テロポリ酸またはその塩を含有する触媒の存在下で、
(a)ニトリルと(b)ヒドロカルビル化剤とを接触させる工
程を包含する。
【0011】1実施態様では、上記ニトリルは、アクリ
ロニトリルまたはブチロニトリルである。
【0012】他の実施態様では、上記ヒドロカルビル置
換アミドの形成を生じる条件は、成分(b)1モルあたり
少なくとも1モルの水を、成分(a)、(b)および(c)と接
触させる工程を包含する。
【0013】さらに他の実施態様では、上記ヒドロカル
ビル化剤は、オレフィンまたはアルコールを含有する。
【0014】さらに他の実施態様では、上記ヒドロカル
ビル化剤は、2-メチル-1-プロペンまたはトリメチルペ
ンテンである。
【0015】さらに他の実施態様では、上記ヒドロカル
ビル化剤は、2-プロパノールまたは2-メチル-2-プロパ
ノールである。
【0016】さらに他の実施態様では、上記ヒドロカル
ビル化剤は、プロポキシル化C14-C16アルコールの混合
物から引き出される。
【0017】さらに他の実施態様では、上記触媒は、上
記反応混合物の0.1重量%〜50重量%の量で存在する。
【0018】さらに他の実施態様では、上記触媒は、ホ
スホタングステン酸塩、ホスホモリブデン酸塩、ホスホ
タングステン酸またはホスホモリブデン酸である。
【0019】さらに他の実施態様では、上記触媒は、H3
PW12O40、Cs2.5H0.5PW12O40、Al0.83H0.5PW12O40、(N
H4)2.5H0.5PW12O40、H3PMo12O40、Cs2.5H0.5PMo12O40
Al0.83H0.5PMo12O40および(NH4)2.5H0.5PMo12O40からな
る群から選択される。
【0020】さらに他の実施態様では、上記触媒は、そ
の構造単位1個あたり、平均して、40個までの水和水を
含有する。
【0021】さらに他の実施態様では、上記触媒は、そ
の構造単位1個あたり、平均して、5個までの水和水を
含有する。
【0022】さらに他の実施態様では、上記触媒は、使
用前に、少なくとも100℃の平均温度で熱処理を受け
る。
【0023】さらに他の実施態様では、−10℃〜400℃
の範囲の平均温度で行われる。
【0024】さらに他の実施態様では、上記触媒は、固
体担体上で提供される。
【0025】さらに他の実施態様では、上記担体は、ア
ルミナ、アルミノホスフェート、炭素、粘土、マグネシ
ア、シリカ、シリカ/アルミナ、チタニア、ゼオライト
またはジルコニアである。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明は、 N-ヒドロカルビル置
換アミドの調製方法を提供し、該方法は、該ヒドロカル
ビル置換アミドの形成を生じる条件下にて、ヘテロポリ
酸またはその塩を含有する触媒の存在下で、ニトリルと
ヒドロカルビル化剤とを接触させる工程を包含する。本
発明は、さらに、それにより調製した生成物を提供す
る。
【0027】このヒドロカルビル化剤としてアルコール
を使用する場合には、本発明の方法は、以下で示すよう
に、図式的に表される:
【0028】
【化1】
【0029】ここで、R1およびR2は、ヒドロカルビルを
表し、R1 +は、カルボニウムイオンを表し、そしてHHPA +
は、ヘテロポリ酸またはその塩を表す。このヒドロカル
ビル化剤として、オレフィンを使用する場合には、本発
明の方法は、以下で示すように、図式的に表される:
【0030】
【化2】
【0031】ここで、R3は、オレフィンを表し、そして
R3 +は、オレフィンに対するヘテロポリ酸またはその塩
の作用により形成したカルボニウムイオンを表す。この
ヒドロカルビル化剤としてオレフィンを使用する場合に
は、このヘテロポリ酸またはその塩HHPA +の存在下に
て、このオレフィン1モルあたり少なくとも1モルの水
を、このニトリルと接触させることが、このN-ヒドロカ
ルビル置換アミドの形成を促す。
【0032】本明細書中で使用する「ヒドロカルビル置
換基」または「ヒドロカルビル基」との用語は、通常の
意味で用いられ、当業者に公知である。特定すると、こ
の用語は、分子の残部に直接結合した炭素原子を有する
基であって主として炭化水素的な性質を有する基を意味
する。ヒドロカルビル基の例には、以下が包含される: (1)炭化水素置換基、すなわち、脂肪族置換基(例えば、
アルキルまたはアルケニル)、脂環族置換基(例えば、シ
クロアルキル、シクロアルケニル)、および芳香族置換
された芳香族置換基、脂肪族置換された芳香族置換基お
よび脂環族置換された芳香族置換基など、ならびに環状
置換基。ここで、この環は、分子の他の部分により、完
成されている(例えば、2個の置換基は、一緒になっ
て、脂環族基を形成する); (2)置換された炭化水素置換基、すなわち、非炭化水素
基を含有する置換基。この非炭化水素基は、本発明の文
脈では、主として、炭化水素置換基を変化させない(例
えば、ハロ(特に、クロロおよびフルオロ)、ヒドロキ
シ、アルコキシ、メルカプト、アルキルメルカプト、ニ
トロ、ニトロソ、およびスルホキシ); (3)ヘテロ置換基、すなわち、本発明の文脈内では、主
として炭化水素的性質を有しながら、環または鎖の中に
存在する炭素以外の原子を有するが、その他は炭素原子
で構成されている基。ヘテロ原子には、イオウ、酸素、
窒素が挙げられ、ピリジル、フリル、チエニルおよびイ
ミダゾリルのような置換基を包含する。一般に、このヒ
ドロカルビル基では、各10個の炭素原子に対し、約2個
以下の非炭化水素置換基、好ましくは、1個以下の非炭
化水素置換基が存在する。代表的には、このヒドロカル
ビル基には、このような非炭化水素置換基は存在しな
い。
【0033】試薬1:ニトリル ニトリルは、その分子の残部に直接結合したシアノ基、
−CNにより特徴づけられる多様な種類の化合物である。
以下で例示するように、このリッター反応では、種々の
ニトリルが使用できる。本発明のニトリルは、式R2CNを
有し、ここで、R2は、水素、ヒドロカルビル、または第
二シアノ基を表す。このニトリルのヒドロカルビルとし
てのR2基は、通常、炭化水素置換基を含有するが、ま
た、置換炭化水素置換基およびヘテロ置換基を含有し得
る。
【0034】この炭化水素置換基であるR2基には、通
常、脂肪族基(例えば、アルキル基またはアルケニル基)
が包含されるが、また、芳香族基、および脂肪族置換ま
たは芳香族置換された芳香族基も包含し得る。
【0035】本発明のニトリルの置換炭化水素置換基で
あるR2基には、通常、脂肪族基、芳香族基、および脂肪
族置換または芳香族置換された芳香族基が包含され、こ
れらは、ハロ(例えば、クロロおよびフルオロ)、ヒドロ
キシ、アルコキシ、ニトロ、アミノ、およびアルキル置
換アミノのような非炭化水素基で置換されていてもよ
い。
【0036】このニトリルのヘテロ置換基であるR2
は、窒素および酸素のようなヘテロ原子を含有する。
【0037】本発明の目的上、好ましいニトリルには、
脂肪族ニトリルがある。このニトリルは、飽和、また
は、好ましくは、不飽和であり得る。1実施態様では、
このニトリルのR2基は、アルケニル基(さらに好ましく
は、ビニル基)である。他の実施態様では、このニトリ
ルのR2基は、アルキル基(好ましくは、プロピル基)であ
る。
【0038】代表的なニトリル アルケニル炭化水素置換基であるR2基を有する本発明で
有用な代表的な脂肪族ニトリル部分には、アクリロニト
リルがある。アルキル炭化水素置換基であるR2基を有す
る本発明で有用な代表的な脂肪族ニトリル部分には、ブ
チロニトリルがある。価格、入手可能性、性能および類
似の要件のような理由のために、本発明のニトリルのR2
基は、通常、アルケニル核またはアルキル核である。最
も好ましくは、このR2基は、ビニル基である。それゆ
え、本発明の最も好ましいニトリルは、アクリロニトリ
ルである。他の実施態様では、このニトリルは、飽和ニ
トリル(例えば、ブチロニトリル)であり得る。
【0039】例示のニリトル 種々の他の物質は、本発明の代表的なニトリルに類似し
た機能を与えることができる。このような物質には、ア
ルキルまたはアルケニル炭化水素置換基であるR2基を有
する脂肪族ニトリル、芳香族、芳香族置換、脂肪族置換
または非炭化水素置換R2基を有する環状ニトリル、置換
炭化水素置換基であるR2基を有する脂肪族ニトリル、ヘ
テロ置換した置換基であるR2基を有するニトリル、およ
びジニトリルが挙げられる。
【0040】アルキル炭化水素置換基であるR2基を有す
る本発明で有用な例示の脂肪族ニトリル部分は、以下で
示すように、図式的に表される:
【0041】
【化3】
【0042】アルケニル炭化水素置換基であるR2基を有
する例示の脂肪族ニトリル部分は、以下で示すように、
図式的に表される:
【0043】
【化4】
【0044】芳香族、芳香族置換、脂肪族置換または非
炭化水素置換R2基を有する本発明の例示の環状ニトリル
部分は、以下で示すように、図式的に表される:
【0045】
【化5】
【0046】例示のジニトリル部分は、以下で示すよう
に、図式的に表される:
【0047】
【化6】
【0048】これらのジニトリル部分のうち、アジポニ
トリルが好ましい。
【0049】試薬2:ヒドロカルビル化剤 このニトリルは、このヒドロカルビル置換アミドの形成
を生じる条件下にて、ヒドロカルビル化剤と反応され
る。「ヒドロカルビル化剤」との用語は、通常の用語で
ある「アルキル化剤」と類似しているが、但し、それ
は、さらに、単なるアルキル基または置換アルキル基と
は区別したヒドロカルビル基を包含する。ヒドロカルビ
ル基は、比較的に少数のヘテロ原子または置換基を有し
得る物質であり、これらは、「ヒドロカルビル」との用
語の一般的に理解されている意味と一致して、この反応
を妨げず、この基の実質的に脂肪族炭化水素的な性質を
変えない。
【0050】ヒドロカルビル基は、以下に示すように図
式的に表したカルボニウムイオンを形成し易いなら、本
発明の目的上、実質的に脂肪族炭化水素的な性質をはっ
きりと示す:
【0051】
【化7】
【0052】ここで、R5、R6およびR7は、独立して、水
素またはヒドロカルビルである。好ましくは、R5、R6
よびR7の少なくとも1個は、ヒドロカルビルである。
【0053】本発明の好ましいヒドロカルビル化剤は、
実際には、アルキル化剤である。アルキル化剤とは、適
切な条件(代表的には、酸触媒化条件)下にて、他の物質
と反応して、この他の物質上に、アルキル基(または追
加のアルキル基)を付加する物質である。アルキル化剤
は、周知の物質であり、これには、アルコール、および
アルコールの反応性等価物が挙げられる。さらに特定す
ると、アルキル化剤には、アルコール、オレフィン、エ
ステル、ヒドロキシエステル、カルボン酸、ケトン、エ
ーテルおよびハロゲン化アルキルが挙げられる。
【0054】本発明の目的上、好ましいヒドロカルビル
化剤には、アルコール、さらに好ましくは、モノアルコ
ールがある。このアルコールは、第一級、または、好ま
しくは、第二級、または、さらに好ましくは、第三級で
あり得る。1実施態様では、このアルコールは、4個〜
22個の炭素原子、好ましくは、4個〜16個の炭素原子、
さらに好ましくは、4個〜10個の炭素原子を含有する。
本発明の目的上、オレフィンもまた、ヒドロカルビル化
剤として有用である。このオレフィンは、直鎖、また
は、好ましくは、分枝状であり得る。1実施態様では、
このオレフィンは、2個〜24個の炭素原子、好ましく
は、3個〜16個の炭素原子、さらに好ましくは、4個〜
8個の炭素原子を含有する。
【0055】代表的なヒドロカルビル化剤 本発明でヒドロカルビル化剤として有用な代表的な第三
級モノアルコール部分には、第三級ブチルアルコールが
ある。他の代表的な第三級モノアルコール部分には、2,
4,4-トリメチル-2-ペンタノールおよび4-オキソ-2-メチ
ルペンタノールが挙げられる。代表的な第二級モノアル
コール部分には、2-プロパノールがある。第一級アルコ
ールには、2,4,4-トリメチル-1-ペンタノールがあり、
これは、反応中に再配列して、第三級カチオンを提供す
る。代表的な無水物部分には、2-メチル-2-プロペニル
無水コハク酸がある。代表的なα−オレフィン部分に
は、2-メチル-1-プロペン、2,4,4-トリメチル-1-ペンテ
ンおよび1-プロペンが挙げられる。本発明でヒドロカル
ビル化剤として有用な代表的なβ−オレフィン部分に
は、2,4,4-トリメチル-2-ペンテンがある。代表的なハ
ロ置換オレフィン部分には、1-クロロイソプレンがあ
る。代表的なジオレフィン部分には、1,3-ブタジエンが
ある。代表的な非炭化水素置換オレフィン部分には、1-
カルボキシ-2-メチルプロペンがある。代表的なエーテ
ル部分には、環状エーテルオキシランがある。代表的に
は、ケトン部分には、アセトンがある。アルコールヒド
ロカルビル化剤の一例には、EMKROX(登録商標)AF-20が
あり、これは、アルコール官能性に加えてアルコキシ構
造を有するプロポキシル化アルコールであり、以下に示
すように、図式的に表される:
【0056】
【化8】
【0057】関連した物質には、他のアルコキシル化ア
ルコール(これには、アルコキシ関連アルコール(例え
ば、エトキシ化アルコール、プロポキシル化アルコール
およびブトキシ化アルコール)の混合物が含まれる)が挙
げられる。
【0058】価格、入手可能性、性能および類似の要件
のような理由のために、本発明のヒドロカルビル化剤
は、通常、アルコールまたはそれらの反応性等価物(例
えば、アセタール)である。好ましくは、このアルコー
ルは、モノアルコールである。最も好ましくは、このヒ
ドロカルビル化剤は、第三級モノアルコールである。そ
れゆえ、本発明の最も好ましいヒドロカルビル化剤は、
第三級ブチルアルコールである。
【0059】他の実施態様では、このヒドロカルビル化
剤は、第三級モノアルコール(例えば、2,4,4-トリメチ
ル-2-ペンタノールまたは4-オキソ-2-メチルペンタノー
ル)であり得る。
【0060】さらに他の実施態様では、このヒドロカル
ビル化剤は、第二級モノアルコール(例えば、2-プロパ
ノール)であり得る。
【0061】さらに他の実施態様では、このヒドロカル
ビル化剤は、無水物(例えば、2-メチル-2-プロペニル無
水コハク酸)であり得る。
【0062】他の実施態様では、このヒドロカルビル化
剤は、α−オレフィン(例えば、2-メチル-1-プロペン、
2,4,4-トリメチル-1-ペンテンまたは1-プロペン)であり
得る。
【0063】さらに他の実施態様では、このヒドロカル
ビル化剤は、β−オレフィン(例えば、2,4,4-トリメチ
ル-2-ペンテン)であり得る。
【0064】さらに他の実施態様では、このヒドロカル
ビル化剤は、ハロ置換オレフィン(例えば、1-クロロイ
ソプレン)であり得る。
【0065】他の実施態様では、このヒドロカルビル化
剤は、ジオレフィン(例えば、1,3-ブタジエン)であり得
る。
【0066】さらに他の実施態様では、このヒドロカル
ビル化剤は、非炭化水素置換オレフィン(例えば、1-カ
ルボキシ-2-メチルプロペン)であり得る。
【0067】さらに他の実施態様では、このヒドロカル
ビル化剤は、ケトン(例えば、アセトン、CH3C(O)CH3)ま
たはそのアセタール形状(例えば、CH3C(OCH3)2CH3)であ
り得る。
【0068】他の実施態様では、このヒドロカルビル化
剤は、非炭化水素置換部分(例えば、プロポキシル化ア
ルコール)であり得る。
【0069】例示のヒドロカルビル化剤アルコール 種々の物質が、本発明の代表的なヒドロカルビル化剤ア
ルコールと類似した機能を与えることができる。このよ
うな物質には、種々の第一級アルコール;脂肪族、脂環
族、および脂環族置換第二級アルコール;芳香族、芳香
族置換および脂環族置換第二級アルコール、またはハロ
(例えば、クロロまたはブロモ)置換第二級アルコール;
アルキル置換および芳香族置換脂肪族第三級アルコー
ル;芳香族置換基および脂環族置換基の両方、または環
状置換基(ここで、この環は、分子の他の部分によって
完成されている(例えば、2個の置換基は、一緒になっ
て、脂環族基を形成する))を有する第三級アルコール;
オレフィン結合を有する第三級アルコール;アミド置
換、アミノ置換、ニトロ置換、カルボキシ置換、ハロ
(例えば、フルオロおよび/またはクロロ)置換、アルコ
キシ置換第三級アルコール;およびヘテロ置換第三級ア
ルコールが挙げられる。
【0070】本発明でヒドロカルビル化剤部分として有
用な例示の第一級アルコールには、エタノール、プロパ
ノール、4個〜24個の炭素原子を有する線状または分枝
した1-アルカノール、シクロヘキシルメタノール、ベン
ジルアルコールおよび置換ベンジルアルコール(メチ
ル、ジメチル、メトキシなど)が挙げられる。
【0071】例示の脂肪族、脂環族および脂環族置換第
二級アルコールには、2-プロパノール、2-ブタノール、
2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-ヘキサノール、2-
ヘプタノール、2-エチルヘキサノール、シクロペンタノ
ール、シクロヘキサノールおよび1-シクロヘキシルエタ
ノールが挙げられる。
【0072】本発明でヒドロカルビル化剤部分として有
用な例示の芳香族、芳香族置換および脂環族置換または
ハロ(例えば、クロロまたはブロモ)置換第二級アルコー
ルには、α−メチルベンジルアルコール、α−エチルベ
ンジルアルコール、α−クロロエチルベンジルアルコー
ル、α−第二級プロピルベンジルアルコール、α−シク
ロヘキシルベンジルアルコール、クミルアルコール(2-
フェニルイソプロパノール)、ジクミルアルコールおよ
びベンズヒドロールが挙げられる。
【0073】例示のアルキル置換および芳香族置換脂肪
族第三級アルコールには、第三級ブタノール、第三級ペ
ンタノール、3-メチル-3-ヘキサノールおよびα,α−ジ
メチルベンジルアルコールが挙げられる。
【0074】本発明でヒドロカルビル化剤部分として有
用な、芳香族置換基および脂環族置換基の両方または環
状置換基(ここで、この環は、分子の他の部分によって
完成されている(例えば、2個の置換基は、一緒になっ
て、脂環族基を形成する))を有する例示の第三級アルコ
ールには、1-メチルシクロヘキサノール、1-フェニルシ
クロヘキサノールおよび1-アダマンタノールが挙げられ
る。
【0075】本発明でヒドロカルビル化剤部分として有
用な、オレフィン結合を有する例示の第三級アルコール
には、3-メチルヘキシ-1-エン-3-オールおよび3-メチル
-1-フェニルヘプト-1-エン-3-オールが挙げられる。
【0076】このヒドロカルビル化剤部分はまた、アミ
ド置換、アミノ置換、ニトロ置換、カルボキシ置換、ハ
ロ(例えば、フルオロおよび/またはクロロ)置換および
アルコキシ置換第三級アルコール、およびヘテロ置換第
三級アルコールを包含できる。
【0077】グリコールもまた、本発明でヒドロカルビ
ル化剤として機能できる。
【0078】例示のヒドロカルビル化剤オレフィン 種々の物質が、本発明の代表的なヒドロカルビル化剤オ
レフィンと類似した機能を与えることができる。このよ
うな物質には、種々の脂肪族および脂環族置換α−オレ
フィン;アリール置換α−オレフィン;脂肪族β−オレ
フィン;アリール置換β−オレフィン;ヘテロ置換β−
オレフィン;環状オレフィン;およびジオレフィンが挙
げられる。
【0079】本発明でヒドロカルビル化剤として有用な
例示の脂肪族および脂環族置換α−オレフィンには、エ
チレン、プロピレン、ブチレン、および他の線状および
分枝したα−オレフィン(2-メチルプロペン、2-メチル-
1-ブテンおよび2-メチル-3-クロロプロペンを含めて)が
挙げられる。
【0080】ヒドロカルビル化剤として有用な例示のア
リール置換α−オレフィンには、スチレンおよび種々の
環置換およびα−置換スチレン、およびそれらの同族体
(例えば、3-フェニル-1-プロペン)が挙げられる。
【0081】例示の脂肪族β−オレフィンには、2-ブテ
ン、3-メチル-2-ブテンおよび2-メチル-2-ペンテンが挙
げられる。
【0082】本発明でヒドロカルビル化剤部分として有
用な例示のアリール置換β−オレフィンには、フェニル
プロペンおよびそれらの置換変形物が挙げられる。
【0083】ヒドロカルビル化剤部分として有用な例示
の環状オレフィンには、シクロヘキセンおよび置換シク
ロヘキセンが挙げられる。
【0084】例示のジオレフィンには、1,4-ブタジエ
ン、2,5-ヘキサジエン、ジビニルベンゼン、ジ(1-エチ
ルビニル)ベンゼン、ジシクロペンタジエンおよびトリ
シクロヘプタ-2,5-ジエンが挙げられる。
【0085】他の例示のヒドロカルビル化剤 種々の物質が、本発明の代表的なヒドロカルビル化剤オ
レフィン、アルコール、無水物、ケトンおよびエーテル
と類似した機能を与えることができる。このような物質
には、種々のエステル;カルボン酸;グリコール;エー
テル;ハロゲン化アルキル;アルデヒド;およびケトン
が挙げられる。
【0086】本発明でヒドロカルビル化剤部分として有
用な例示のカルボン酸には、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、他のアルカノール酸、トリメチル酢酸、ステアリン
酸およびオレイン酸が挙げられる。
【0087】ヒドロカルビル化剤部分として有用な例示
のエステルには、前述の各カルボン酸のエステル(酢酸
メチル、酢酸エチル、および他のアルカン酸アルキルを
含めて)が挙げられる。
【0088】例示のグリコールには、エチレングリコー
ル、1,2-プロピレングリコールおよびグリセロールが挙
げられる。
【0089】本発明でヒドロカルビル化剤として有用な
例示のエーテルには、ジエチルエーテル、メチルプロピ
ルエーテル、ジブロピルエーテルおよびメチルブチルエ
ーテル、およびジエーテル類およびポリエーテル類が挙
げられる。
【0090】ヒドロカルビル化剤部分として有用な例示
のハロゲン化アルキルには、好ましくは、塩化第三級ブ
チルが挙げられる。
【0091】アルデヒドおよびケトンもまた、本発明の
目的上、ヒドロカルビル化剤として機能できる。例示の
アルデヒドには、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、プロピオンアルデヒド、ペンタンアルデヒド、ベン
ズアルデヒドおよびシクロヘキサンアルデヒドが挙げら
れる。ヒドロカルビル化剤として有用な例示のケトンに
は、アセトン、ブタノン、シクロヘキサノン、メチルエ
チルケトン、アセトフェノン、およびそれらの置換変形
物が挙げられる。
【0092】価格、入手可能性、性能および類似の要件
のような理由のために、本発明のヒドロカルビル化剤
は、通常、モノアルコールである。最も好ましくは、こ
のヒドロカルビル化剤は、第三級モノアルコールであ
る。それゆえ、本発明の最も好ましいヒドロカルビル化
剤は、第三級ブチルアルコールである。
【0093】触媒:ヘテロポリ酸 N-ヒドロカルビル置換アミドを形成するためのニトリル
およびヒドロカルビル化剤の反応は、一般に、酸で促進
される反応である。「酸触媒した」ではなく「酸で促進
される」との用語は、通常のリッター反応の状況では、
酸の作用を記述するのに使用される。ここで使用する酸
(通常、硫酸)が、この反応においてまたは引き続くワー
クアップ中に消費され、生成物1モルあたり、少なくと
も1モルの硫酸塩廃物を生じるからである。
【0094】硫酸とは対照的に、理想的な触媒は、それ
が関与する反応によっても、実質的に不変のまま残る。
本発明のアミド合成反応に使用するヘテロポリ酸は、い
くつかのリッター反応の過程では、触媒活性を保持して
おり、それゆえ、この理想的な触媒の持続的な触媒活性
特性をはっきりと示す。これらの特性は、通常のリッタ
ー反応を促進するのに使用する酸では、はっきりとは存
在しない。それゆえ、N-ヒドロカルビル置換アミドを形
成するためのニトリルおよびヒドロカルビル化剤の反応
では、非ヘテロポリ酸の作用を記述するために、「酸触
媒した」よりもむしろ「酸で促進される」との用語が使
用される。
【0095】さらに、硫酸で促進したリッター反応は、
生成物1モルあたり、少なくとも1モルの硫酸塩廃物を
生じる。次いで、この硫酸塩廃物は、適切な環境規制に
合致させて、しばしば、かなりの費用で、廃棄しなけれ
ばならない。対照的に、本発明のアミド合成反応で使用
する固体酸は、いくつかのリッター反応の過程で触媒活
性をはっきりと示すが、硫酸塩廃物を生じないヘテロポ
リ酸である。さらに、この生成物は、クエンチ、中和ま
たは水洗なしで、この固体反応物および触媒から分離で
きる。それゆえ、この系は、連続的な撹拌タンク反応ま
たはプラグフロー反応の条件下での操作を受け易く、そ
の際、この触媒固形物は、この反応器に保持され、液状
生成物が除去される。
【0096】ヘテロポリ酸には、他の触媒と比較して、
以下の利点がある:この酸の共役塩基の反応で製造され
る副生成物がないこと;熱安定性および酸化安定性;お
よびその対イオンを変えるかまたはヘテロ原子または金
属原子を変えることにより、触媒の性質を調整すること
が可能なこと;およびこの触媒を再生利用し再生させる
ことが可能なこと。
【0097】ヘテロポリ酸触媒は、芳香族化合物および
ヒドロキシ芳香族化合物のアルキル化に公知の物質であ
る。これらの触媒は、遊離酸またはヘテロポリアニオン
塩として存在できる。ヘテロポリアニオンは、2種また
はそれ以上の異なるオキソアニオンの縮合反応(例え
ば、以下の反応)により形成したオキソアニオンであ
る:
【0098】
【化9】
【0099】これらの物質には、種々の構造が公知であ
る;これらは、例えば、いわゆるKeggin構造を有し、こ
こで、12個のWO6オクタヘトラは、中心のPO4(リンを使
用する場合)ヘトラヘドロンを取り囲んでいる。他の構
造および関連した式もまた公知であり、これには、PW12
O42、PW18O62、P2W5O23、PW9O32およびPW6O24が含ま
れ、ここで、PおよびWは、代表的な元素として選ばれ
る。このKeggin構造の中心原子は、代表的には、ここで
示したように、リンであるが、また、第IIIA族〜第VIIA
族のメタロイドまたは非遷移金属のいずれかであり得、
これには、P、As、Si、Ge、B、Al、SbおよびTeが含まれ
る。上記式のタングステン(W)は、「ポリ原子」として
公知の役割を満たし、これはまた、第VB族〜第VI族の
遷移金属のいずれかであり得、これには、W、V、Cr、N
b、MoまたはTaが含まれる。それゆえ、適切な物質に
は、好ましくは、ホスホモリブデン酸塩、ホスホタング
ステン酸塩、シリコモリブデン酸塩およびシリコタング
ステン酸塩が挙げられる。上記元素から選択した他の組
合せもまた可能であり、これには、ボロタングステン酸
塩、チタタングステン酸塩、スタノタングステン酸塩、
アルセノモリブデン酸塩、テルノモリブデン酸塩、アル
ミノモリブデン酸塩およびホスホバナジルタングステン
酸塩が含まれ、後者は、PW11VO40の式(そのアニオン部
分に対して)を有する混合物質を表す。好ましい物質に
は、ホスホタングステン酸塩があり、この用語は、一般
に、以下に記述の酸およびその種々の塩の両方を包含す
る。
【0100】このヘテロポリ酸触媒は、その酸塩形状と
して(ここで、そのアニオンは、対応する数の水素イオ
ンと会合している)、その完全な塩の形状で(ここで、そ
の水素イオンは、他のカチオン(例えば、金属イオン)で
置き換えられている)、またはその部分的に交換した塩
の形状で(ここで、その水素イオンの一部は、それゆ
え、置き換えられている)、共に活性である。これらの
物質の正確な化学量論は、その構造で使用する金属およ
びメタロイドの素性に依存する。それゆえ、その酸形状
で一般的な有用物質には、H3PW12O40がある。そのセシ
ウム塩形状の対応する物質には、Cs3PW12O40がある。種
々の部分的に交換した形状(具体的には、Cs2.5H0.5PW12
O40が含まれる)もまた、本発明で特に有用である。後者
の物質では、3個の最初の水素原子のうちの2.5個が、
セシウムイオンで置き換えられている。これは、その性
質が比較的によく明らかにされた化学物質であり、Csお
よびHの分率から、別の実験式がCs5HP2W24O80になるこ
とを表している、前者の表現がより一般的に使用され
る。
【0101】ヘテロポリ酸触媒の構造に関するさらに詳
細な情報については、Misonoの「Heterogeneous Cataly
sis by Heteropoly Compounds of Molybdenum and Tung
sten」、Catal. Rev.−Sci. Eng.、29(2&3)、269〜3
21 (1987)の、特に、270〜27ページおよび278〜280ペー
ジが注目される。
【0102】ヘテロポリ酸および塩は、市販の物質であ
り(例えば、Aldrich Chemical Company、#22,420-0)、
これは、一般に、ここで示すように、強酸性の酸化モリ
ブデンまたは酸化タングステンMoO3およびWO3をNaOH水
溶液に溶解して、テトラヘドラルなモリブデン酸塩MoO4
2-イオンおよびタングステン酸塩WO4 2-イオンを形成す
ることにより、調製される:
【0103】
【化10】
【0104】次いで、リン酸塩イオン、ケイ酸塩イオン
または金属イオンの存在下にて、モリブデン酸塩溶液ま
たはタングステン酸塩溶液を酸性化することにより、ヘ
テロポリアニオンが形成できる。第二のアニオンは、他
のオクタヘドラおよび中心群と酸素原子を共有すること
により、MoO6オクタヘドラまたはWO6オクタヘドラが縮
合した中心を提供する。この中心群は、しばしば、オキ
ソアニオン(例えば、PO4 3-、SiO4 4-化合物およびBO4 3-)
であるが、他の元素(Al、Ge、Sn、As、Sb、Se、Te、Iお
よび多くの遷移元素を含めて)は、この第二群として役
立つ。MoO6またはWO6オクタヘドラとP、Si、Bまたは他
の中心原子との比は、通常、12:1、9:1または6:
1であり、他の比は、それ程一般的ではないが、存在す
る。
【0105】ポリ酸の形成は、MoおよびWの化学的性質
の顕著な特徴である。他の遷移元素(例えば、V、Nb、Ta
およびU)もまた、ポリ酸を形成するが、その度合いが少
ない。このポリアニオンは、MoO6またはWO6オクタヘド
ラを形成し、これらは、角部または端部を共有すること
により、種々の様式で共に結合される。MoおよびWのポ
リ酸は、本発明のイソポリ酸およびヘテロポリ酸に分割
される。イソポリ酸では、共に縮合するアニオンは、全
て同じタイプであり、例えば、全てMoO6基または全てWO
6基である。ヘテロポリ酸では、2種またはそれ以上の
異なるタイプのアニオンが共に縮合し、例えば、モリブ
デン酸塩基またはタングステン酸塩基とリン酸塩基、ケ
イ酸塩基またはホウ酸塩基とが縮合する。ポリ酸形成の
第一段階は、そのpHを低くしつつ、MoまたはWの配位数
を、水分子を付加することにより、4から6に増やすこ
とでなければならない。今のところ、公知の安定種の間
の関係は、以下である:
【0106】
【化11】
【0107】これらのタングステン酸塩について現在分
かっていることは、以下のように要約できる:
【0108】
【化12】
【0109】これらのヘテロポリ酸塩も、同様に、市販
されている。他方、それらは、適切な量の金属塩基で中
和することにより、これらの酸物質から調製できる。例
えば、上述のCs2.5塩は、H3PW12O40を水酸化セシウム2.
5当量で中和することにより、調製される。この生成物
は、過剰の水の蒸発により、単離される。
【0110】ヘテロポリ酸は、一般に、水和形状で入手
される。それらは、この形状(未か焼)でうまく使用でき
るか、または処理(か焼)して、水和水の一部または全部
を取り除く(すなわち、脱水形状を提供する)ことがで
き、これは、時には、反応性が改良されている。か焼
は、単に、この水和した物質を適切な温度まで加熱し
て、所望量の水を追い出すことにより、行うことができ
る。この加熱は、常圧下または減圧下ででき、または空
気流下または不活性気体(例えば、窒素)下でできる。こ
のか焼は、好ましくは、少なくとも150℃、さらに好ま
しくは、少なくとも200℃、さらに好ましくは、少なく
とも250℃、例えば、320℃で行われる。このか焼に必要
な時間は、代表的には、少なくとも30分間、好ましく
は、少なくとも1時間、さらに好ましくは、少なくとも
2時間または3時間である。温度および時間の上限は、
主として、この方法の経済性により規定されるが、350
℃を大きく上回る温度や約5時間を超える時間は、一般
に、あまり有利ではない。
【0111】この触媒は、純粋な酸または塩の粒子とし
て使用でき、または、不活性物質の固体担体(例えば、
アルミナ、シリカ/アルミナ、アルミノリン酸塩、ゼオ
ライト、粘土、または好ましくは、シリカ)上で提供で
きる。この触媒は、周知の触媒含浸法(例えば、この触
媒を溶液として塗布し、続いて、乾燥すること)によ
り、この担体に塗装できる。シリカのような担体を使用
するなら、この活性触媒成分とこのシリカ担体との比
は、好ましくは、重量基準で、0.5:99.5〜50:50の範
囲、さらに好ましくは、3:97〜40:60の範囲、さらに
好ましくは、10:90〜30:70の範囲である。
【0112】このニトリルのヒドロカルビル化の実際の
工程は、連続操作またはバッチ操作のいずれかであり
得、これらの操作では、このヒドロカルビル化剤および
触媒は、しばしば、高温で、適切な期間にわたって接触
される。これらの成分は、過剰のニトリルを用いて、そ
のまま反応できる。しかしながら、不活性溶媒(例え
ば、ヘキサンまたはシクロヘキサン)は、使用できる。
【0113】この反応は、このニトリルおよびヒドロカ
ルビル化剤が気相に存在するような条件下にて、行うこ
とができる。しかしながら、さらに一般的には、液相反
応が便利であり、それゆえ、好ましい。それゆえ、試薬
および触媒の混合物は、一般に、室温またはそれ以上の
温度から、主として、これらの物質の分解の開始によっ
て決定される温度、または、液相反応が望ましいなら、
この混合物の最も低い沸騰成分の沸点までで、接触でき
る。代表的には、液相反応については、この温度は、50
℃〜250℃、好ましくは、100℃〜200℃、さらに好まし
くは、135℃または145℃〜160℃である。さらに高い温
度(例えば、250℃〜450℃)は、もし必要なら、気相反応
で使用できる。もし必要なら、高圧は使用できるが、操
作を容易にするために、常圧での操作が使用され、他
方、常圧よりも適度に高い圧力(例えば、連続操作にお
いて、これらの反応物および生成物を反応器に通すのに
充分な圧力)は、使用される。
【0114】この反応をバッチ様式で行うなら、これら
の物質を充填した撹拌反応容器にて、操作できる。この
反応を連続的に行うなら、連続撹拌タンク反応器、また
は好ましくは、連続プラグ流れ工程にて、例えば、管状
反応器で操作できる。撹拌反応器では、この触媒は、通
常、この反応容器内に存在する。バッチ操作の終了時点
で、この触媒は、適切な手段(例えば、デカンテーショ
ン、濾過または遠心分離)により、この生成物から除去
される。連続タンク操作では、この触媒は、反応器設計
の当業者に明らかな他の手段により、この反応器に保持
される。連続管状反応器では、この触媒は、通常、固定
床として存在する。
【0115】触媒の使用量は、代表的には、反応される
ニトリルの重量を基準にして、0.1〜50重量%、好まし
くは、1〜15重量%である。これらの量は、この反応を
バッチ式で行うとき、特に、この反応を作動させる。こ
の反応を連続的に行うとき、この触媒の量は、液体毎時
空間速度によって表され、これは、使用する触媒の単位
質量あたり、単位時間に、この反応器から得られる生成
物の質量である。本発明で考慮される連続反応は、代表
的には、温度および他の変数に依存して、0.01〜100、
好ましくは、1〜10の液体毎時空間速度を示す。
【0116】本発明の方法では、この触媒は、各バッチ
後に取り替えられるが、この触媒を複数のバッチに再生
利用するか、または同じ触媒を用いて、比較的に長時間
にわたって、連続操作を行うことが、より経済的であ
る。しかしながら、長く使用した後には、この触媒の活
性が低下する場合がある。本発明の触媒系の利点は、こ
の触媒が再活性化または再生できることにある。可能な
再生操作は、当業者に公知であり、これには、溶媒洗
浄、熱処理、または蒸気処理に続く熱処理が含まれる。
M.M. Sharma、J. CATAL. 160、80〜94 (1996)を参照せ
よ(溶媒洗浄)。
【0117】特定の反応に対する時間、温度、圧力およ
び触媒量の特定の条件は、これらの反応物の活性に従っ
て、決定する必要がある。このような調整は、当業者に
容易に行うことができる。それゆえ、比較的に低温で、
または比較的に低圧で、または短い反応時間を用いて
は、ほとんどまたは全く反応が起こらないなら、この温
度または反応時間または圧力を上げることにより、また
はこの触媒濃度を調整することにより、これらの条件を
調整できる。
【0118】生成物:ヒドロカルビル置換アミド 本発明の反応により、特定の反応条件および特定のニト
リル反応物の性質に依存して、このニトリルの窒素原子
上でのヒドロカルビル化が生じる。
【0119】本発明により、従来の酸性物質(例えば、A
lCl3または硫酸−これらは、環境上または取扱い上、困
難であり、腐食性であり、そして一般に、再使用できな
い)を使用することなく、N-ヒドロカルビル置換アミド
をより効率的に調製することが可能となる。本発明の方
法により調製されるN-ヒドロカルビル置換アミド生成物
には、第三級オクチルアクリルアミド(これは、連係増
粘剤、ヘアースプレー樹脂およびシャンプーに使用され
る親水性物質である)、およびイソプロピルアクリルア
ミド(これは、ホモポリマー形状で、低い臨界溶液温度
を示し、制御薬物分配および熱活性化ゲルの用途に有用
である)が挙げられる。好ましい用途では、この生成物
は、第三級ブチルアクリルアミドであり、これは、ヘア
ーケア製品、接着剤、水処理重合体および石油系重合体
に有用である。
【0120】本発明の方法により調製されるN-ヒドロカ
ルビル置換アミド生成物には、1-クロロ第三級アミルア
クリルアミド(これは、カチオン樹脂、紙、石油分野、
水処理および身体保護での使用に、広い用途がある物質
である)、ジアセトンアクリルアミド(これは、乳化重合
からコンタクトレンズ用被覆(メチロール誘導体として)
に及ぶ用途で有用である)、イソプロピリデンビスアク
リルアミド(これは、不織布の架橋剤として、また、超
吸収剤用途で使用される物質である)、ブテニルアクリ
ルアミド(これは、グラフィックアートの塗装および光
硬化可能な樹脂に適用する物質である)、およびアクリ
ルアミドメチルブチラート(これは、pH感受性重合体と
関連した用途を有する)のような物質が挙げられる。
【0121】
【実施例】実施例1 式H3PW12O40により表されるホスホタングステン酸を、
水酸化セシウム2.5当量で中和することにより、ホスホ
タングステン酸の部分交換したセシウム塩を調製する。
この生成物を、過剰の水の蒸発により単離する。残留し
ている固形物を、320℃で、空気流下にて、3時間か焼
する。マグネチックスターラー、還流冷却器およびN2
入口を備えた500 mlフラスコに、Cs2.5H0.5PW12O40触媒
5.76g、第三級ブタノール13.91gおよびアクリロニト
リル99.4gを充填する。これらの反応物を還流状態まで
加熱し、そして撹拌しながら、その状態で12時間保持す
る。40℃まで冷却して、この反応混合物をメタノールで
希釈し、そしてこの混合物を遠心分離にかけて、この固
形物を分離する。その液相を、ハウス真空下にて、40℃
でストリッピングして、白色の固形物として、第三級ブ
チルアクリルアミド6.14gを得る。
【0122】実施例2 機械撹拌機、N2注入口、還流冷却器およびドライアイス
トラップを備えた500mlフラスコに、実施例1の方法に
従って調製したCs2.5H0.5PW12O40触媒5.81g、第三級ブ
タノール13.8gおよびアクリロニトリル98.4gを充填す
る。この混合物を還流状態(およそ70℃)まで加熱し、そ
して撹拌しながら、その状態で12時間保持する。この反
応混合物を遠心分離して、この固体触媒を分離する。そ
の液体をロータリーエバポレーターで蒸発させ、次い
で、真空下にて一定重量まで乾燥して、第三級ブチルア
クリルアミド6.87gを単離する。
【0123】実施例3 機械撹拌機、N2注入口、還流冷却器およびドライアイス
トラップを備えた500mlフラスコに、実施例2から単離
し回収したCs2.5H0.5PW12O40触媒、第三級ブタノール1
3.9gおよびアクリロニトリル98.5gを充填する。この
混合物を還流状態まで加熱し、そして撹拌しながら、そ
の状態で12時間保持する。この反応混合物を遠心分離し
て、この固体触媒を分離する。その液体をロータリーエ
バポレーターで蒸発させ、次いで、ハウス真空下にて一
晩放置して、第三級ブチルアクリルアミド6.06gを単離
する。
【0124】実施例4 機械撹拌機、N2注入口、還流冷却器およびドライアイス
トラップを備えた500mlフラスコに、実施例3から単離
し回収したCs2.5H0.5PW12O40触媒、第三級ブタノール1
3.6gおよびアクリロニトリル98.7gを充填する。この
混合物を還流状態(およそ70℃)まで加熱し、そして撹拌
しながら、その状態で12時間保持する。この反応混合物
を遠心分離して、この固体触媒を分離する。その液体を
ロータリーエバポレーターで蒸発させ、次いで、ハウス
真空下にて一晩放置して、第三級ブチルアクリルアミド
6.39gを単離する。
【0125】実施例5 機械撹拌機、N2注入口、還流冷却器およびドライアイス
トラップを備えた500mlフラスコに、実施例4から単離
し回収したCs2.5H0.5PW12O40触媒、第三級ブタノール1
3.8gおよびアクリロニトリル98.7gを充填する。この
混合物を還流状態まで加熱し、そして撹拌しながら、そ
の状態で12時間保持する。この反応混合物を遠心分離し
て、この固体触媒を分離する。その液体をロータリーエ
バポレーターで蒸発させ、次いで、ハウス真空下にて一
晩放置して、第三級ブチルアクリルアミド3.51gを単離
する。回収した触媒をメタノールで洗浄し、そして空気
流下にて、400℃で3時間にわたり、再か焼する。
【0126】実施例6 機械撹拌機、N2注入口、還流冷却器およびドライアイス
トラップを備えた500mlフラスコに、実施例5から単離
し回収したCs2.5H0.5PW12O40触媒4.08g、第三級ブタノ
ール9.6gおよびアクリロニトリル69.2gを充填する。
この混合物を還流状態まで加熱し、そして撹拌しなが
ら、その状態で12時間保持する。この反応混合物を遠心
分離して、この固体触媒を分離する。その液体をロータ
リーエバポレーターで蒸発させ、次いで、ハウス真空下
にて一晩放置して、第三級ブチルアクリルアミド1.92g
を単離する。
【0127】実施例7 機械撹拌機、N2注入口、還流冷却器およびドライアイス
トラップを備えた500mlフラスコに、実施例1の方法に
従って調製したCs2.5H0.5PW12O40触媒5.86g、第三級ブ
タノール13.8g、アクリロニトリル98.6gおよび水3.35
gを充填する。この混合物を還流状態まで加熱し、そし
て撹拌しながら、その状態で12時間保持する。この反応
混合物を遠心分離して、この固体触媒を分離する。その
液体をロータリーエバポレーターで蒸発させ、次いで、
ハウス真空下にて一晩放置して、第三級ブチルアクリル
アミド7.98gを単離する。
【0128】実施例8 パール(Parr)圧力反応器に、実施例1の方法に従って調
製したCs2.5H0.5PW12O40触媒2.32g、第三級ブタノール
5.6gおよびアクリロニトリル39.4gを充填する。これ
らの反応物を撹拌し、そして72℃で12時間加熱する。次
いで、この混合物を冷却し、そして遠心分離して、この
固体触媒を除去する。この混合物を、紙で重力濾過し
て、この触媒を確実に分離する。次いで、この混合物を
ロータリーエバポレーターに入れて、第三級ブチルアク
リルアミド5.73gを単離する。
【0129】実施例9 パール(Parr)圧力反応器に、実施例1の方法に従って調
製したCs2.5H0.5PW12O40触媒2.36g、第三級ブタノール
5.6gおよびアクリロニトリル39.4gを充填する。次い
で、この反応器に、100 psigのN2を充填し、これらの反
応物を120℃まで加熱する。12時間後、これらの反応物
を25℃まで冷却し、そして遠心分離して、この固体触媒
を除去する。この触媒をエタノールで洗浄し、そして遠
心分離する。その上澄み液を合わせ、そしてロータリー
エバポレーターに入れて、第三級ブチルアクリルアミド
8.42gを単離する。
【0130】実施例10 式H3PW12O40により表されるホスホタングステン酸を、S
iO2担体に塗装する。機械撹拌機、N2注入口、還流冷却
器およびドライアイストラップを備えた500 mlフラスコ
に、このH3PW12O40触媒5.81g、第三級ブタノール13.8
gおよびアクリロニトリル98.4gを充填する。これらの
反応物を還流状態まで加熱し、そして撹拌しながら、そ
の状態で12時間保持する。この反応混合物を遠心分離し
て、この固体触媒を分離する。その液体をロータリーエ
バポレーターで蒸発させ、次いで、ハウス真空下にて一
晩放置して、第三級ブチルアクリルアミド10.19gを単
離する。
【0131】実施例11 式H3PW12O40により表されるホスホタングステン酸を、S
iO2担体に塗装する。パール(Parr)圧力反応器に、この
塗装したH3PW12O40触媒2.32g、第三級ブタノール5.5g
およびアクリロニトリル39.4gを充填する。これらの反
応物を72℃まで加熱し、そして撹拌しながら、12時間保
持する。冷却後、これらの反応物を遠心分離して、再生
利用のために、このSiO2担持H3PW12O40触媒を除去す
る。次いで、メタノールを添加して、このパール(Parr)
反応器を洗浄する。遠心分離に続いて、これらの反応物
を、紙で重力濾過し、そしてロータリーエバポレーター
に入れて、第三級ブチルアクリルアミド4.13gを単離す
る。
【0132】実施例12ハ゜ール (Parr)圧力反応器に、実施例11から単離し回収したS
iO2担持H3PW12O40触媒2.32g、第三級ブタノール5.5g
およびアクリロニトリル39.4gを充填する。これらの反
応物を72℃まで加熱し、そして撹拌しながら、12時間保
持する。冷却後、これらの反応物を遠心分離して、再生
利用のために、このSiO2担持H3PW12O40触媒を除去す
る。メタノールを添加して、このパール(Parr)反応器を
洗浄する。遠心分離に続いて、これらの反応物を、紙で
重力濾過し、そしてロータリーエバポレーターに入れ
て、第三級ブチルアクリルアミド0.50gを単離する。DM
F(N,N-ジメチルホルムアミド)で2回洗浄し、そしてハ
ウス真空下にてデシケーター中で乾燥することにより、
回収したSiO2担持H3PW12O40を再生利用のために調製す
る。
【0133】実施例13 パール(Parr)圧力反応器に、実施例12から単離し回収し
たSiO2担持H3PW12O40触媒1.44g、第三級ブタノール5.5
gおよびアクリロニトリル39.1gを充填する。これらの
反応物を72℃まで加熱し、そして撹拌しながら、12時間
保持する。冷却後、これらの反応物を遠心分離して、再
生利用のために、このSiO2担持H3PW12O40触媒を除去す
る。遠心分離に続いて、これらの反応物を、紙で重力濾
過し、そしてロータリーエバポレーターに入れて、第三
級ブチルアクリルアミド0.18gを単離する。
【0134】実施例14 機械撹拌機、N2注入口、還流冷却器およびドライアイス
トラップを備えた500mlフラスコに、SiO2担体に塗装し
たH3PMo12O40(5.81g)、第三級ブタノール13.8gおよび
アクリロニトリル(これは、ヒドロキノンモノメチルエ
ーテル35〜45 ppmで重合禁止した)98.5gを充填する。
この混合物を還流状態まで加熱し、そして撹拌しなが
ら、その状態で12時間保持する。この反応混合物を遠心
分離して、この固体触媒を分離する。その液体をロータ
リーエバポレーターで蒸発させ、次いで、ハウス真空下
にて一晩放置して、第三級ブチルアクリルアミド7.43g
を単離する。
【0135】実施例15 パール(Parr)圧力反応器に、実施例1の方法に従って調
製したCs2.5H0.5PW12O40触媒2.32g、アクリロニトリル
38.7g、第三級ブタノール5.61gおよびMEHQ(0.18g)を
充填し、そして空気ヘッド空間で密封する。これらの内
容物を、撹拌しながら、72℃で8時間加熱し、一晩冷却
し、次いで、撹拌しながら、72℃でさらに4時間加熱す
る(全反応時間は、12時間)。遠心分離により、固形物を
除去する。その液相を、ロータリーエバポレーターにて
一定重量まで減らして、第三級ブチルアクリルアミド3.
89gを単離する。このCs2.5H0.5PW12O40触媒は、再生利
用のために単離し回収する。
【0136】実施例16 パール(Parr)圧力反応器に、実施例15から単離し回収し
たCs2.5H0.5PW12O40触媒2.32g、アクリロニトリル38.7
g、第三級ブタノール5.61gおよびMEHQ(0.18g)を充填
する。この反応器を、空気ヘッド空間で密封する。これ
らの内容物を72℃まで加熱し、そして最大撹拌しなが
ら、12時間保持する。遠心分離により、固形物を除去す
る。その液相を、ロータリーエバポレーターにて一定重
量まで減らして、第三級ブチルアクリルアミド1.43gを
単離する。このCs2.5H0.5PW12O40触媒は、再生利用のた
めに単離し回収する。
【0137】実施例17 パール(Parr)圧力反応器に、実施例16から単離し回収し
たCs2.5H0.5PW12O40触媒2.32g、アクリロニトリル38.7
g、第三級ブタノール5.61gおよびMEHQ(0.18g)を充填
する。この反応器を、そのヘッド空間にて空気で密封す
る。これらの内容物を72℃まで加熱し、そして最大撹拌
しながら、12時間保持する。遠心分離により、固形物を
除去する。最終的に、その液相を、ロータリーエバポレ
ーターにて一定重量まで減らして、第三級ブチルアクリ
ルアミド0.73gを単離する。
【0138】実施例18 実施例1の方法に従って、ホスホタングステン酸セシウ
ム触媒を調製する。パール(Parr)圧力反応器に、
このCs2.5H0.5PW12O40触媒2.05g、アクリロニトリル3
2.24g+MEHQ(30 ppm)、2,4,4-トリメチル-1-ペンテン1
3.54g、蒸留水3.27gおよびMEHQ(0.025g)を充填す
る。この反応器を、そのヘッド空間にて空気で密封す
る。これらの内容物を、12時間にわたって120℃まで加
熱すると、50 psigの圧力が発生する。冷却すると、こ
れらの内容物をトルエンで希釈し、そして遠心分離し
て、その固形物を分離する。その有機液相を、45℃まで
加熱しつつ、ロータリーエバポレーターにて一定重量ま
で減らして、2,4,4-トリメチルペンチルアクリルアミド
2.07gを単離する。
【0139】実施例19 式H3PMo12O40により表されるモリブデンヘテロポリ酸
を、式SiO2により表されるシリカ担体に、このシリカ4
部に対して、このホスホモリブデン酸1部の割合で塗装
することにより、担持したホスホモリブデン酸触媒を調
製する。このH3PMo12O40/SiO2触媒2.32gを1/16インチ
押出物形状で含むステンレス鋼バスケットを含有するパ
ール(Parr)圧力反応器に、MEHQ(35 ppm)と共にアクリロ
ニトリル38.7g、および第三級ブタノール5.61gを充填
する。この反応器を、そのヘッド空間にて空気で密封す
る。これらの内容物を、最大撹拌しながら、12時間にわ
たって72℃まで加熱する。この反応器を冷却し、その液
体を除去する。この液体を、ロータリーエバポレーター
にて一定重量まで減らして、第三級ブチルアクリルアミ
ド2.1gを単離する。このSiO2担持H3PMo12O40触媒は、
再生利用のために、単離し回収する。
【0140】実施例20 実施例19から再生利用のために回収したH3PMo12O40/SiO
2触媒約2.32gを1/16インチ押出物形状で含むステンレ
ス鋼バスケットを含有するパール(Parr)圧力反応器に、
アクリロニトリル38.7gおよび第三級ブタノール5.61g
を充填する。この反応器を、そのヘッド空間にて空気で
密封する。これらの内容物を、最大撹拌しながら、12時
間にわたって72℃まで加熱する。室温まで冷却し、この
液体を除去し、濾過し、そしてロータリーエバポレータ
ーにて一定重量まで減らして、第三級ブチルアクリルア
ミド0.2gを単離する。
【0141】実施例21 実施例1の方法に従って、ホスホタングステン酸セシウ
ム触媒を調製する。パール(Parr)圧力反応器に、このCs
2.5H0.5PW12O40触媒2.32g、アクリロニトリル52.40
g、およびイソプロパノール5.94gを充填する。この反
応器を、そのヘッド空間にて空気で密封する。これらの
内容物を、最大撹拌しながら、120℃まで加熱し、そし
てこの温度で12時間保持する。次いで、このCs2.5H0.5P
W12O40触媒を、濾過により、この液相から分離する。こ
の液体を、40℃の温度で、ロータリーエバポレーターに
て一定重量まで減らして、イソプロピルアクリルアミド
0.85gを単離する。
【0142】実施例22 実施例1の方法に従って、ホスホタングステン酸セシウ
ム触媒を調製する。マグネチックスターラーを備えた厚
壁ガラス反応管に、このCs2.5H0.5PW12O40触媒1.13g、
ブチロニトリル18.8gおよび第三級ブタノール2.02gを
充填する。この管を、Teflon(登録商標)キャップで密封
する。これらの内容物を、油浴中にて、撹拌しながら、
12時間にわたって72℃まで加熱する。次いで、このCs
2.5H0.5PW12O40触媒を、遠心分離により、この液相から
分離し、そして再生利用のために取っておく。この液体
を、ロータリーエバポレーターにて一定重量まで減らし
て、第三級ブチルブチルアミド0.85gを単離する。
【0143】実施例23 マグネチックスターラーを備えた厚壁ガラス反応管に、
実施例22から再生利用のために回収したCs2.5H0.5PW12O
40触媒(約1.13g)、ブチロニトリル18.30gおよび第三
級ブタノール2.02gを充填する。この管を、Teflon(登
録商標)キャップで密封する。これらの内容物を、油浴
中にて、撹拌しながら、12時間にわたって72℃まで加熱
する。次いで、このCs2.5H0.5PW12O40触媒を、遠心分離
により、この液相から分離し、そして再生利用のために
回収する。この液体を、ロータリーエバポレーターにて
一定重量まで減らして、第三級ブチルブチルアミド0.53
gを単離する。
【0144】実施例24 マグネチックスターラーを備えた厚壁ガラス反応管に、
実施例23から再生利用のために回収したCs2.5H0.5PW12O
40触媒(約1.13g)、ブチロニトリル18.02gおよび第三
級ブタノール2.01gを充填する。この管を、Teflon(登
録商標)キャップで密封する。これらの内容物を、油浴
中にて、撹拌しながら、12時間にわたって72℃まで加熱
する。次いで、このCs2.5H0.5PW12O40触媒を、遠心分離
により、この液相から分離し、そして再生利用のために
回収する。この液体を、ロータリーエバポレーターにて
一定重量まで減らして、第三級ブチルブチルアミド0.42
gを単離する。
【0145】実施例25 マグネチックスターラーを備えた厚壁ガラス反応管に、
実施例24から再生利用のために回収したCs2.5H0.5PW12O
40触媒(約1.13g)、ブチロニトリル18.21gおよび第三
級ブタノール1.96gを充填する。この管を、Teflon(登
録商標)キャップで密封する。これらの内容物を、油浴
中にて、撹拌しながら、12時間にわたって72℃まで加熱
する。次いで、このCs2.5H0.5PW12O40触媒を、遠心分離
により、この液相から分離し、そして再生利用のために
回収する。この液体を、ロータリーエバポレーターにて
一定重量まで減らして、第三級ブチルブチルアミド0.37
gを単離する。
【0146】実施例26 実施例25で再生利用のために回収したCs2.5H0.5PW12O40
触媒を乾燥し、空気流下にて3時間にわたり、450℃ま
で熱処理し、次いで、1時間保持する。マグネチックス
ターラーを備えた厚壁ガラス反応管に、実施例25から再
生利用のために回収したCs2.5H0.5PW12O40触媒(約1.13
g)、ブチロニトリル9.75gおよび第三級ブタノール1.0
5gを充填する。この管を、Teflon(登録商標)キャップ
で密封する。これらの内容物を、油浴中にて、撹拌しな
がら、12時間にわたって72℃まで加熱する。この液体
を、ロータリーエバポレーターにて一定重量まで減らし
て、第三級ブチルブチルアミド0.39gを単離する。
【0147】実施例27 実施例1の方法に従って、ホスホタングステン酸セシウ
ム触媒を調製する。マグネチックスターラーを備えた厚
壁ガラス反応管に、このCs2.5H0.5PW12O40触媒1.48g、
アクリロニトリル24.73g、第三級ブタノール3.46gお
よび水4.20gを充填する。これらの内容物を、油浴中に
て、絶えず撹拌しながら、12時間にわたって72℃まで加
熱する。この有機相を、ロータリーエバポレーターにて
一定重量まで減らし、そして真空下にてオーブンで乾燥
して、第三級ブチルブチルアミド0.15gを単離する。
【0148】実施例28 式NH4Clにより表される塩化アンモニウム2.5当量と、式
H3PMo12O40により表されるホスホタングステン酸1当量
とを反応させて、式(NH4)2.5H0.5PW12O40により表され
るホスホタングステン酸を形成することにより、ホスホ
タングステン酸アンモニウム触媒を調製する。マグネチ
ックスターラーを備えた厚壁ガラス反応管に、この(N
H4)2.5H0.5PW12O40触媒1.21g、アクリロニトリル24.88
gおよび第三級ブタノール3.48gを充填する。この管を
密封し、これらの内容物を、油浴中にて、絶えず撹拌し
ながら、12時間にわたって72℃まで加熱する。この固形
物を遠心分離により除去し、この(NH4)2.5H0.5PW12O40
触媒を再生利用のために回収する。この液相を、ロータ
リーエバポレーターにて一定重量まで減らして、第三級
ブチルアクリルアミド1.83gを単離する。
【0149】実施例29 実施例28で再生利用のために単離し回収した(NH4)2.5H
0.5PW12O40触媒(約1.21g)、アクリロニトリル25.20g
および第三級ブタノール3.53gを、ガラス反応管に充填
する。この管を密封し、これらの内容物を、油浴中に
て、絶えず撹拌しながら、12時間にわたって72℃まで加
熱する。この固形物を遠心分離により除去し、この(N
H4)2.5H0.5PW12O40触媒を再生利用のために再び回収す
る。この液相を、ロータリーエバポレーターにて一定重
量まで減らして、第三級ブチルアクリルアミド1.01gを
単離する。
【0150】実施例30 実施例1の方法に従って、ホスホタングステン酸セシウ
ム触媒を調製する。還流冷却器、ドライアイス付きのコ
ールドフィンガー、機械撹拌機および加熱マントルを備
えた500 ml丸底フラスコに、このCs2.5H0.5PW12O40触媒
6.50g、EMKROXAF-20(登録商標、プロポキシル化C14-16
アルコール)151.60gおよびアクリロニトリル91.8gを
充填する。これらの内容物を、絶えず撹拌しながら、75
℃で16時間加熱する。次いで、その固形物を遠心分離に
より除去する。この液体を、ハウス真空下にて110℃で
ストリッピングして、生成物129.7gを得る。
【0151】実施例31 式H3PW12O40により表されるホスホタングステン酸を、
式Al(NO3)3により表される硝酸アルミニウム0.83当量で
中和することにより、ホスホタングステン酸の部分交換
したアルミニウム塩を調製する。マグネチックスターラ
ーを備えたガラス反応管に、このAl0.83H0.5PW12O40(1.
18g)、アクリロニトリル27.73gおよび第三級ブタノー
ル3.40gを充填する。これらの内容物を、撹拌しなが
ら、72℃で12時間加熱する。この反応管を室温まで冷却
し、そして遠心分離して、固形物を除去する。この液相
を、真空下にて一定重量まで減らして、第三級ブチルア
クリルアミド3.75gを単離する。
【0152】実施例32 式H3PW12O40により表されるタングステンヘテロポリ酸
を、式SiO2により表されるシリカ担体に、このシリカ4
部に対して、このホスホタングステン酸1部の割合で塗
装することにより、担持したホスホタングステン酸触媒
を調製する。アクリロニトリル20.73gおよび第三級ブ
タノール3.51gを含有する溶液を、0.200ml/分の速度
で、室温のIsco(登録商標)注射器ポンプから、70℃に加
熱した移動ラインを介して、連続反応器(これは、1/16
インチ押出物形状のシリカ担持触媒11.93g(28 cc排除
体積)を充填した還流冷却器、石英チップ、およびこの
触媒領域の上下に充填したガラスウールから構成され
る)の底部にポンプ上げする。蠕動ポンプを用いて、75
℃の水を加熱浴からポンプ上げすることにより、この連
続反応器の水ジャケットを加熱する。140分間の滞留時
間にわたって、ドライアイストラップを用いて、この生
成物溶液24.25gをこの連続反応器から集め、次いで、
ロータリーエバポレーターにて一定重量まで蒸発させ
て、第三級ブチルアクリルアミド0.70gを得る。このシ
リカ担持ホスホタングステン酸触媒を、再生利用のため
に回収する。
【0153】実施例33 アクリロニトリル34.20gおよび第三級ブタノール5.79
gを含有する溶液を、0.200 ml/分の速度で、室温のIsc
o(登録商標)注射器ポンプから、70℃に加熱した移動ラ
インを介して、連続反応器(これは、実施例32から再生
利用のために回収した1/16インチ押出物形状のシリカ担
持触媒11.93g(28 cc排除体積)を充填した還流冷却器、
石英チップ、およびこの触媒領域の上下に充填したガラ
スウールから構成される)の底部にポンプ上げする。蠕
動ポンプを用いて、75℃の水を加熱浴からポンプ上げす
ることにより、この連続反応器の水ジャケットを加熱す
る。140分間の滞留時間にわたって、ドライアイストラ
ップを用いて、この生成物溶液40.02gをこの連続反応
器から集め、次いで、ロータリーエバポレーターにて一
定重量まで蒸発させて、第三級ブチルアクリルアミド2.
19gを得る。
【0154】実施例34 実施例31の方法に従って調製した式Al0.83H0.5PW12O40
により表されるホスホタングステン酸の部分交換したア
ルミニウム塩を、式SiO2により表されるシリカ担体に、
このシリカ4部に対して、このアルミニウムホスホタン
グステン酸1部の割合で塗装することにより、担持した
アルミニウムホスホタングステン酸触媒を調製する。10
0 mlのパール(Parr)圧力反応器に、ステンレス鋼メッシ
ュバスケット内の1/16インチの押出物形状のこの担持触
媒3.01g、アクリロニトリル49.21gおよび第三級ブタ
ノール8.34gを充填する。このパール(Parr)反応器を、
そのヘッド空間にて空気で密封し、そして最大撹拌しな
がら、12時間にわたって72℃まで加熱する。これらの反
応物を室温まで冷却し、その液体を除去する。この液体
を、ロータリーエバポレーターにて一定重量まで減らし
て、第三級ブチルアクリルアミド3.81gを単離する。こ
の担持アルミニウムホスホタングステン酸触媒を、再生
利用のために回収する。
【0155】実施例35 100 mlのパール(Parr)圧力反応器に、実施例34から再生
利用のために回収したステンレス鋼メッシュバスケット
内の1/16インチの押出物形状のこの担持触媒3.01g、ア
クリロニトリル47.40gおよび第三級ブタノール8.04g
を充填する。このパール(Parr)反応器を、そのヘッド空
間にて空気で密封し、そして最大撹拌しながら、12時間
にわたって72℃まで加熱する。これらの反応物を室温ま
で冷却し、その液体を除去する。この液体を、ロータリ
ーエバポレーターにて一定重量まで減らして、第三級ブ
チルアクリルアミド1.17gを得る。
【0156】実施例36 式H3PMo12O40により表されるホスホモリブデン酸を、式
Al(NO3)3により表される硝酸アルミニウム0.83当量で中
和することにより、ホスホモリブデン酸の部分交換した
アルミニウム塩を調製する。マグネチックスターラーを
備えたガラス反応管に、このAl0.83H0.5PW12O40(1.16
g)、アクリロニトリル23.26gおよび第三級ブタノール
3.94gを充填する。これらの内容物を、撹拌しながら、
72℃で12時間加熱する。この反応管を室温まで冷却し、
そして遠心分離して、固形物を除去する。この液相を、
ロータリーエバポレーターで一定重量まで減らして、第
三級ブチルアクリルアミド2.99gを単離する。
【0157】実施例37 式HPMo1240により表されるホスホモリブデ
ン酸を、式Cs2CO3により表される炭酸セシウム1.25当量
で中和することにより、ホスホモリブデン酸の部分交換
したセシウム塩を調製する。マグネチックスターラーを
備えたガラス反応管に、このCs2.5H0.5PMo12O40(1.17
g)、アクリロニトリル23.55gおよび第三級ブタノール
3.99gを充填する。これらの内容物を、撹拌しながら、
72℃で12時間加熱する。この反応管を室温まで冷却し、
そして遠心分離して、固形物を除去する。この液相を、
ロータリーエバポレーターで一定重量まで減らして、第
三級ブチルアクリルアミド1.50gを単離する。
【0158】実施例38 5ガロンのオートクレーブに、実施例1の方法に従って
調製したCs2.5H0.5PW12O40により表されるホスホタング
ステン酸の部分交換した塩317g、第三級ブタノール740
gおよびアクリロニトリル5,300gを充填する。このオ
ートクレーブに、100 psigまでN2を充填し、そして密封
する。このオートクレーブを、撹拌しながら、12時間に
わたって120℃まで加熱し、この間、圧力を100〜150 ps
igまで上げる。反応器を室温まで冷却し、除圧し、そし
て開放する。この反応混合物を遠心分離して、この触媒
を除去する。透明な反応混合物を除去し、触媒残留物を
再生利用のために保存する。この反応混合物を減圧下で
ストリッピングし、得られた残留物を減圧で乾燥する。
留出物を、再生利用のために保存する。
【0159】実施例39 いずれかの末端にガラスウールプラグを備えた大きなガ
ラス製の水ジャケット付冷却器に、実施例19の方法に従
って調製した式H3PMo12O40により表されるシリカ担持ホ
スホモリブデン酸触媒200gを充填する。75℃の水を、
一定温度の浴から、この冷却器のジャケットに供給し、
そしてこの一定温度浴を介して、再循環させる。第三級
ブタノール740gおよびアクリロニトリル5,300gを含有
する混合物を、140分間の滞留時間にわたって、1.4 ml/
分(液体)の速度で、この冷却器の底部に供給する。この
生成物を集める前に、この反応器を3時間にわたって平
衡させる。この溶出液を、この反応器の頂部から、1000
ml収集フラスコ(これは、定期的に排出される)に集
め、得られた生成物を、減圧下でストリッピングするこ
とにより、単離する。このストリッピングによる留出物
を集め、そして再生利用流での使用のために、別の容器
に入れる。得られた固体残留物を、減圧下で乾燥する。
【0160】
【発明の効果】本発明は、固体ヘテロポリ酸触媒を用い
るリッター反応による、第三級ブチルアクリルアミドの
ようなN-ヒドロカルビル置換アミドの調製方法を提供す
ることができる。本発明の方法によれば、アミド合成反
応で使用する固体酸は、いくつかのリッター反応の過程
で触媒活性を示すが、硫酸塩廃物を生じないヘテロポリ
酸触媒である。さらに、本発明の生成物は、クエンチ、
中和または水洗なしで、固体反応物および触媒から分離
できる。それゆえ、本発明の反応系は、連続的な撹拌タ
ンク反応またはプラグフロー反応の条件下で操作され易
い。
【0161】上で示した各文献の内容は、本明細書中で
参考として援用されている。これらの実施例にて、また
は他の箇所にて明白に指示されている場合以外は、物質
の量を特定している本記述の全ての数値量、反応条件、
分子量、炭素原子数などは、「約」という用語により修
飾されることが理解される。他に指示がなければ、本明
細書中で示す各化学物質または組成物は、その異性体、
副生成物、誘導体、および市販等級の物質中に存在する
と通常考えられているような他の物質を含有できる、市
販等級の物質であると解釈されるべきである。しかしな
がら、各化学成分の量は、他に指示がなければ、市販等
級の物質に通例存在し得る溶媒または希釈油を除いて、
提示されている。本明細書中で用いられるように、「本
質的になる」との表現には、問題の組成物の基本的で新
規な特性に著しく影響を与えない物質が含まれていても
よい。
フロントページの続き (71)出願人 591131338 29400 Lakeland Boulev ard, Wickliffe, Ohi o 44092, United State s of America (72)発明者 ダグラス シー. ルブライト アメリカ合衆国 オハイオ 44024, チ ャードン, ラベンナ ロード 12725 (72)発明者 チェスター イー.ラメイ アメリカ合衆国 オハイオ 44023, チ ャグリン フォールズ, バインブリッジ ロード 8222

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロカルビル置換アミドの調製方法で
    あって、該ヒドロカルビル置換アミドの形成を生じる条
    件下にて、(c)ヘテロポリ酸またはその塩を含有する触
    媒の存在下で、(a)ニトリルと(b)ヒドロカルビル化剤と
    を接触させる工程を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 前記ニトリルが、アクリロニトリルまた
    はブチロニトリルである、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記ヒドロカルビル置換アミドの形成を
    生じる条件が、成分(b)1モルあたり少なくとも1モル
    の水を、成分(a)、(b)および(c)と接触させる工程を包
    含する、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記ヒドロカルビル化剤が、オレフィン
    またはアルコールを含有する、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ヒドロカルビル化剤が、2-メチル-1
    -プロペンまたはトリメチルペンテンである、請求項4
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記ヒドロカルビル化剤が、2-プロパノ
    ールまたは2-メチル-2-プロパノールである、請求項4
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記ヒドロカルビル化剤が、プロポキシ
    ル化C14-C16アルコールの混合物から引き出される、請
    求項4に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記触媒が、前記反応混合物の0.1重量
    %〜50重量%の量で存在する、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記触媒が、ホスホタングステン酸塩、
    ホスホモリブデン酸塩、ホスホタングステン酸またはホ
    スホモリブデン酸である、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記触媒が、H3PW12O40、Cs2.5H0.5PW
    12O40、Al0.83H0.5PW12O40、(NH4)2.5H0.5PW12O40、H3P
    Mo12O40、Cs2.5H0.5PMo12O40、Al0.83H0.5PMo12O40およ
    び(NH4)2.5H0.5PMo12O40からなる群から選択される、請
    求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記触媒が、その構造単位1個あた
    り、平均して、40個までの水和水を含有する、請求項9
    に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記触媒が、その構造単位1個あた
    り、平均して、5個までの水和水を含有する、請求項1
    1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記触媒が、使用前に、少なくとも10
    0℃の平均温度で熱処理を受ける、請求項1に記載の方
    法。
  14. 【請求項14】 −10℃〜400℃の範囲の平均温度で行
    われる、請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記触媒が、固体担体上で提供され
    る、請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記担体が、アルミナ、アルミノホス
    フェート、炭素、粘土、マグネシア、シリカ、シリカ/
    アルミナ、チタニア、ゼオライトまたはジルコニアであ
    る、請求項14に記載の方法。
JP9332885A 1996-12-04 1997-12-03 固体ヘテロポリ酸触媒を用いるリッター反応による、第三級ブチルアクリルアミドのようなn−ヒドロカルビル置換アミドの調製方法 Withdrawn JPH10175933A (ja)

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US08/757,407 US5712413A (en) 1996-12-04 1996-12-04 Process for the preparation of N-hydrocarbyl-substituted amides such as tert-butylacrylamide via the Ritter reaction using solid heteropolyacid catalysts
US08/757,407 1996-12-04

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ATE248807T1 (de) 2003-09-15
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