JP2002326967A - シクロペンタノールの製造方法 - Google Patents

シクロペンタノールの製造方法

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JP2002326967A
JP2002326967A JP2001132996A JP2001132996A JP2002326967A JP 2002326967 A JP2002326967 A JP 2002326967A JP 2001132996 A JP2001132996 A JP 2001132996A JP 2001132996 A JP2001132996 A JP 2001132996A JP 2002326967 A JP2002326967 A JP 2002326967A
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cyclopentanol
water
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Hideaki Miki
英了 三木
Hiroko Yuasa
裕子 湯浅
Yasushi Yoshino
泰 吉野
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水和反応用触媒の存在下に、シクロペンテンを
水和することによりシクロペンタノールを高収率かつ高
選択率で製造する方法を提供する。 【解決手段】タングステン化合物とジルコニウム化合物
からなる非水溶性の二元系触媒の存在下に、シクロペン
テンが気体とならない条件で、シクロペンテンを水和す
ることを特徴とするシクロペンタノールの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒の存在下にシ
クロペンテンを水と反応させてシクロペンタノールを製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、エチレン、プロピレン等のオ
レフィンを水和反応してアルコールを製造することはよ
く知られている。例えば、イソプロピルアルコールは、
鉱酸やヘテロポリ酸等の酸性質の均一系触媒を用いた
り、多孔質担体にリン酸を含浸させたリン酸担持触媒や
酸性イオン交換樹脂等の固体酸触媒等の不均一系触媒を
用い、プロピレンを水和反応させて製造される。また、
プロピレンの水和反応用触媒として、水溶性タングステ
ン酸塩と水溶性ジルコニウム塩との反応で得られるタン
グステン酸ジルコニウムの無機複合酸化物からなる固体
酸(特公昭43−6603号公報参照)も用いられてい
る。
【0003】しかし、上記の各種触媒は、水和反応に用
いた場合に次のような解決されるべき種々の問題を有し
ている。即ち、均一系触媒は反応後の触媒分離に問題が
あり、特に、ヘテロポリ酸は触媒の分離回収が困難であ
り、また、鉱酸は装置の腐食や廃酸処理等の問題があ
る。一方、不均一系触媒は反応後の分離回収が容易であ
るが、リン酸担持触媒や酸性イオン交換樹脂等の固体酸
触媒では、反応系に酸が流出し鉱酸と同様に装置の腐食
や廃酸処理等の問題が生じ、イオン交換樹脂触媒は更に
耐熱性にも問題がある。
【0004】かかる問題を解決するため、オレフィンの
水和反応用触媒として、水溶性タングステン酸塩と水溶
性ジルコニウム塩との反応で生成するヒドロゲルを特定
のpH値以下となるように洗浄した後、所定の温度で脱
水乾燥して得られるタングステン酸ジルコニウムが提案
されている(特開昭54−57500号公報)。また、
タングステン酸水溶液に非水溶性水酸化ジルコニウムを
分散させて得られる懸濁液を乾燥脱水した後、焼成した
触媒も提案されている(特開平8−224472号公
報)。
【0005】しかしながら、特公昭43−6603号公
報や特開昭54−57500号公報記載の方法は、触媒
を強酸性条件下で製造するため、触媒を工業的に製造す
る場合に反応器や反応混合物の移送ライン等が腐食しや
すいという問題がある。また、特開平8−224472
号公報記載の方法では、タングステンの担持量の上限値
がタングステン/ジルコニウム原子比で0.5程度であ
ることから、十分な活性を有する触媒の製造が困難であ
るという問題があった。
【0006】ところで、オレフィンの水和反応は平衡反
応であり、反応平衡は炭素数の増大及び反応温度の上昇
に伴い、原系に著しく偏ることが知られている(触媒学
会編触媒講座8「工業触媒反応I」p293参照)。ま
た、この水和反応は分子数の減少を伴うため、水和反応
の反応効率を高めるためには、反応条件を低温且つ高圧
にすることが有利である。
【0007】シクロペンテン等の炭素数5以上のオレフ
ィン類の水和反応においてこの様な条件を選定すると、
液相で反応させることを余儀なくされるが、不均一反応
における基質の拡散を考えた場合、液相での反応は不利
であると考えられた。そこで、本発明者らはシクロペン
テンの水和反応を気相で行なうことを試みた。しかしな
がら、気相で水和反応を行なう場合には、異性体の生成
反応(又は異性化反応)や多量化反応等の副反応が優先
的に進行し、目的生成物であるシクロペンタノールを効
率よく得ることはできなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実状に鑑
みてなされたものであり、水和反応用触媒の存在下に、
シクロペンテンを水和することによりシクロペンタノー
ルを高効率かつ高選択率で製造する方法を提供すること
を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題の
解決を図るべく、触媒の存在下にシクロペンテンを水和
してシクロペンタノールを効率よく、かつ高選択率で製
造する方法について鋭意検討した。その結果、触媒とし
てタングステン化合物とジルコニウム化合物からなる非
水溶性の二元系触媒を使用し、かつシクロペンテンが反
応中に気体とならない温度と圧力で水和反応を行うこと
により、シクロペンタノールを高収率かつ高選択的に製
造できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0010】かくして本発明によれば、タングステン化
合物とジルコニウム化合物からなる非水溶性の二元系触
媒の存在下に、シクロペンテンが気体とならない条件下
で、シクロペンテンを水和することを特徴とするシクロ
ペンタノールの製造方法が提供される。本発明の製造方
法においては、前記二元系触媒として、硝酸ジルコニル
と水溶性タングステン酸塩から得られる非水溶性の二元
系触媒を用いるのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の製造方法を詳細に
説明する。本発明のシクロペンタノールの製造方法は、
タングステン化合物とジルコニウム化合物からなる非水
溶性の二元系触媒の存在下に、シクロペンテンが気体と
ならない条件下で、シクロペンテンを水和することを特
徴とする。
【0012】本発明に使用する触媒は、タングステン化
合物とジルコニウム化合物からなる非水溶性の二元系触
媒であり、タングステン化合物の1種又は2種以上と、
ジルコニウム化合物の1種又は2種以上を含む非水溶性
のものであれば、その組成や組成割合等に特に制約され
ない。本発明においては、用いる触媒のタングステン/
ジルコニウム原子比は0.1〜8が好ましく、0.5〜
5であるのがより好ましい。タングステン/ジルコニウ
ム原子比が0.1より小さい場合には十分な触媒活性が
得られない一方で、タングステン/ジルコニウム原子比
が8より大きい場合には選択率が低下する。
【0013】かかる二元系触媒は、例えば、タングステ
ン酸塩とジルコニウム塩類から得ることができる。用い
ることができるタングステン酸塩としては、例えば、M
WO(式中、Mは金属イオン又はアンモニウムイオ
ンを表し、aは1又は2を表す。)で表されるオルトタ
ングステン酸塩、パラタングステン酸塩、メタタングス
テン酸塩等が挙げられる。これらの中でも、取扱い性及
び高活性な触媒が得られることから、NaWO、K
WO、(NHWO、MgWO等の水溶性
のタングステン酸塩の使用が好ましい。
【0014】また、用いることができるジルコニウム塩
類としては、例えば、ZrO(NO 及びその水和
物、ZrOCl、ZrO(CHCO、Zr
(SO 、ZrX、ZrOX(ここで、XはC
l、Br、I等のハロゲン原子を表す。)等が挙げられ
る。これらの中でも、取扱い性及び高活性な触媒が得ら
れる観点から、ZrO(NO及びその水和物の使
用が好ましい。
【0015】本発明においては、メタタングステン酸ア
ンモニウムの水溶液と硝酸ジルコニル(ZrO(N
)の水溶液を混合して、タングステン−ジルコ
ニウム化合物懸濁液から得られる非水溶性のタングステ
ン−ジルコニウム二元系触媒を用いるのが特に好まし
い。この方法によると、触媒調製時に装置が腐蝕するこ
とはない。
【0016】この触媒は、タングステン−ジルコニウム
化合物懸濁液を減圧又は加熱して乾燥し、空気中で所定
の温度で焼成することにより得ることができる。焼成温
度は300℃〜1200℃の範囲が好ましく、350℃
〜800℃の範囲がより好ましい。焼成温度が300℃
より低いと水和反応中にタングステンが流出し、焼成温
度が1200℃より高いと結晶化の進行に伴う比表面積
の低下が起こり、触媒活性が低下するおそれがある。
【0017】本発明の接触水和反応に使用する触媒は、
粉末、成形品等いずれの形態でも使用が可能である。触
媒の成形法は特に限定されず、打錠、圧縮、転動造粒法
等の公知の方法を採用できる。固定床連続流通法で水和
反応を実施する場合においては、触媒の粒径は特に制限
されないが、通常0.1〜15mm、好ましくは0.5
〜7mmの範囲である。
【0018】上記水和反応用触媒の存在下にシクロペン
テンを水和させてシクロペンタノールを得ることができ
る。水和反応に用いるシクロペンテンと水の使用量は特
に制限ないが、シクロペンテンの水に対するモル比で
0.01〜100が好ましく、0.02〜50がより好
ましい。シクロペンテンの分率が大きすぎるとシクロペ
ンテンの触媒に対する吸着が過度に進行し、多量化等の
副反応の原因となる。また、水の分率が大きすぎると、
シクロペンタノール生産効率が低下するおそれがある。
【0019】本発明は、シクロペンテンが気体とならな
い条件下で、シクロペンテンを水和させることを特徴と
する。本発明において、「シクロペンテンが気体となら
ない条件下で、シクロペンテンを水和する」とは、シク
ロペンテンが反応中に気体とならない温度と圧力で水和
反応を行なうことをいう。水和反応における反応温度と
反応圧力は、シクロペンテンが気化しない範囲内であれ
ば特に制限を受けない。すなわち、シクロペンテンが液
体状態又は超臨界流体状態である範囲の温度と圧力であ
れば良い。
【0020】具体的には、反応温度としては、好ましく
は50℃〜400℃、より好ましくは100℃〜350
℃の範囲である。また、反応圧力としては、所定温度で
シクロペンテンが気化しない圧力であれば良く、好まし
くは3.4MPaG〜100MPaG、より好ましくは
4MPa〜50MPaGの範囲である。
【0021】また、本発明における水和反応において、
LHSV〔Liquid Hourly Space
Velocity=供給した原料の1時間あたりの流量
(液体体積基準)を触媒容積(空筒基準)で除した値〕
は特に制限を受けないが、好ましくは0.01〜100
hr−1、より好ましくは0.1〜70hr−1の範囲
である。
【0022】水和反応の形態としては、回分式、半回分
式、流動床式、固定床連続流通式等の一般的に想起し得
るいかなる形態でも良く、特に制限を受けないが、生産
性の点から固定床連続流通式が好ましい。
【0023】より具体的には、水和反応用触媒を反応管
内に充填し、この反応管を所定温度に加熱した後、この
反応管内にシクロペンテンと水とを所定割合で導入し、
反応管出口側に設置した圧力調節弁で反応管内圧を所定
圧力に調節しながら、数時間〜数十時間反応を継続させ
る方法や、シクロペンテンと所定量の水の混合物に所定
量の水和反応用触媒を添加し、水和反応を行う方法等が
挙げられる。本発明においては、本発明に用いる二元系
触媒が非水溶性であること、及び反応を連続的に効率よ
く行なうことができる観点から、前者の方法を用いるの
が好ましい。
【0024】前者の方法において用いられる反応管とし
ては、耐圧製であれば特に制限はないが、例えば、ハス
テロイ製の反応管が挙げられる。また、反応管の大きさ
は特に制限されず、反応原料や触媒の使用量に応じて、
適宜選定することができる。また、シクロペンテンを適
当な不活性溶媒で希釈して水和反応を行なわせることも
できる。
【0025】反応終了後は、反応混合物を取り出し、必
要に応じて不溶物を除去し、蒸留法、カラムクロマトグ
ラフィー等の公知の分離・精製方法により目的物を単離
することができる。
【0026】
【実施例】次に、実施例によって本発明について更に詳
しく説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下
の実施例に限定されるものではない。
【0027】(実施例1)触媒調製 容量5Lのガラス製ビーカーに蒸留水1.00Lとメタ
タングステン酸アンモニウム50重量%水溶液171.
40g(0.375mol)を入れ、アジテーターにて
室温で撹拌し、無色透明の水溶液(溶液A)を得た。こ
れとは別に、容量が10Lのポリプロピレン製容器に蒸
留水1.17Lと硝酸ジルコニル81.76g(0.3
75mol)を入れ、アジテーターにて室温で撹拌して
無色透明の水溶液(溶液B)を得た。溶液Bを撹拌しな
がら溶液Bに溶液Aを加え、さらに28重量%アンモニ
ア水を添加し、混合物のpHを7に調整した。得られた
懸濁液を更に室温で1時間撹拌した後、120℃に保っ
たオイルバスで蒸発乾固させた。得られたケーキを空気
中、80℃で15時間乾燥し白色の固体を得た。得られ
た白色固体を粉砕した後、空気中、450℃で3時間焼
成し、触媒1を120g得た。
【0028】接触水和反応 上記で得られた触媒1を圧縮成形した後、破砕して0.
85〜2.00mmの粒径に分級した。この触媒を内径
10.9mmのハステロイ製反応管に20cm充填し、
250℃に加温した。この反応管にシクロペンテンと水
が室温液体基準の体積比がシクロペンテン/水=10/
1、LHSVが9hr−1となる様に導入し、反応管出
口側に設置した圧力調節弁で反応管内圧を22MPaG
に調節した。反応を17時間継続した後に、反応混合物
を、n−ノナンを内部標準物質としてガスクロマトグラ
フィーで分析し、シクロペンテン転化率(mol%)、
シクロペンタノール選択率(mol%)及び空時収率
(シクロペンタノール(kg)/(hr・m・触媒
量))を以下の式により算出した。
【0029】
【数1】
【0030】
【数2】
【0031】
【数3】
【0032】このときのシクロペンテン転化率は2.5
%、反応混合物中のシクロペンタノール濃度は2.8重
量%、シクロペンタノール選択率は97.5%、空時収
率は201であった。また、反応混合物中の水相のpH
は7であり、反応混合物中へのタングステン化合物の流
出は認められなかった。更に反応を150時間継続した
ところ、シクロペンテン転化率、シクロペンタノール選
択率及び空時収率の低下は認められなかった。
【0033】(実施例2)触媒調製 容量5Lのガラス製ビーカーに蒸留水1.00Lとメタ
タングステン酸アンモニウム50重量%水溶液171.
4g(0.375mol)を入れ、アジテーターにて室
温で撹拌し、無色透明の水溶液(溶液C)を得た。これ
とは別に、容量が10Lのポリプロピレン製容器に蒸留
水2.33Lと硝酸ジルコニル163.52g(0.7
mol)を入れ、アジテーターにて室温で撹拌して無色
透明の水溶液(溶液D)を得た。溶液Dを撹拌しながら
溶液Dに溶液Cを加えたのち、28重量%アンモニア水
を添加し、混合物のpHを7に調整した。得られた懸濁
液を更に室温で1時間撹拌した後、120℃に保ったオ
イルバスで蒸発乾固した。得られたケーキを空気中、8
0℃で15時間乾燥し白色の固体を得た。得られた白色
固体を粉砕した後、空気中、450℃で3時間焼成し、
触媒2を150g得た。
【0034】接触水和反応 上記で得られた触媒2を圧縮成形した後、破砕して0.
85〜2.00mmの粒径に分級した。この触媒を内径
10.9mmのハステロイ製反応管に20cm充填し、
250℃に加温した。この反応管にシクロペンテンと水
が室温液体基準の体積比がシクロペンテン/水=10/
1、LHSVが9hr−1となる様に導入し、反応管出
口側に設置した圧力調節弁で反応管内圧を22MPaG
に調節した。反応を17時間継続した後に、反応混合物
をn−ノナンを内部標準物質として、ガスクロマトグラ
フィーで分析し、シクロペンテン転化率、シクロペンタ
ノール選択率及び空時収率を実施例1と同様にして算出
した。
【0035】このときのシクロペンテン転化率は2.6
%、反応混合物中のシクロペンタノール濃度は3.0重
量%、シクロペンタノール選択率は98.1%、空時収
率は210であった。また、反応混合物中の水相のpH
は7であり、反応混合物中へのタングステン化合物の流
出は認められなかった。
【0036】(実施例3)触媒調製 容量5Lのガラス製ビーカーに蒸留水0.45Lとメタ
タングステン酸アンモニウム50重量%水溶液78.8
4g(0.16mol)を入れ、アジテーターにて室温
で撹拌し、無色透明の水溶液(溶液E)を得た。これと
は別に、容量が10Lのポリプロピレン製容器に蒸留水
2.67Lと硝酸ジルコニル186.88g(0.8m
ol)を入れ、アジテーターにて室温で撹拌して無色透
明の水溶液(溶液F)を得た。溶液Fを撹拌しながら溶
液Fに溶液Eを加えたのち、28重量%アンモニア水を
添加し、混合物のpHを7に調整した。得られた懸濁液
を更に室温で1時間撹拌した後、120℃に保ったオイ
ルバスで蒸発乾固した。得られたケーキを空気中、80
℃で15時間乾焼し白色の固体を得た。得られた白色固
体を粉砕した後、空気中、450℃で3時間焼成し、触
媒3を123g得た。
【0037】接触水和反応 上記で得られた触媒3を圧縮成形した後、破砕して0.
85〜2.00mmの粒径に分級した。この触媒を内径
10.9mmのハステロイ製反応管に20cm充填し、
250℃に加温した。この反応管にシクロペンテンと水
が室温液体基準の体積比がシクロペンテン/水=10/
1、LHSVが9hr−1となる様に導入し、反応管出
口側に設置した圧力調節弁で反応管内圧を22MPaG
に調節した。反応を17時間継続した後に、反応混合物
をn−ノナンを内部標準物質として、ガスクロマトグラ
フィーで分析し、シクロペンテン転化率、シクロペンタ
ノール選択率及び空時収率を実施例1と同様にして算出
した。
【0038】このときのシクロペンテン転化率は2.5
%、反応混合物中のシクロペンタノール濃度は2.8重
量%、シクロペンタノール選択率は97.0%、空時収
率は200であった。また、反応混合物中の水相のpH
は7であり、反応混合物中へのタングステン化合物の流
出は認められなかった。
【0039】(実施例4)触媒調製 容量が10Lのポリプロピレン製容器に蒸留水1.28
Lとメタタングステン酸アンモニウム50重量%水溶液
220.37g(0.45mol)を入れ、アジテータ
ーにて室温で撹拌し、無色透明の水溶液(溶液G)を得
た。これとは別に、容量5Lのガラス製ビーカーに蒸留
水0.5Lと硝酸ジルコニル35.04g(0.15m
ol)を入れ、アジテーターにて室温で撹拌して無色透
明の水溶液(溶液H)を得た。溶液Gを撹拌しながら溶
液Gに溶液Hを加えたのち、28重量%アンモニア水を
添加し、反応混合物のpHを7に調整した。得られた懸
濁液を更に室温で1時間撹拌した後、120℃に保った
オイルバスで蒸発乾固した。得られたケーキを空気中、
80℃で15時間乾燥し白色の固体を得た。得られた白
色固体を粉砕した後、空気中、450℃で3時間焼成
し、触媒4を116g得た。
【0040】接触水和反応 得られた触媒4を圧縮成形した後、破砕して0.85〜
2.00mmの粒径に分級した。この触媒を内径10.
9mmのハステロイ製反応管に20cm充填し、250
℃に加温した。この反応管にシクロペンテンと水が室温
液体基準の体積比がシクロペンテン/水=5/1、LH
SVが12hr−1となる様に導入し、反応管出口側に
設置した圧力調節弁で反応管内圧を22MPaGに調節
した。反応を17時間継続した後に、反応混合物をn−
ノナンを内部標準物質として、ガスクロマトグラフィー
で分析し、シクロペンテン転化率、シクロペンタノール
選択率及び空時収率を実施例1と同様にして算出した。
【0041】このときのシクロペンテン転化率は2.7
%、反応混合物中のシクロペンタノール濃度は2.6重
量%、シクロペンタノール選択率は97.3%、空時収
率は257であった。また、反応混合物中の水相のpH
は7であり、反応混合物中へのタングステン化合物の流
出は認められなかった。更に270時間反応を継続した
ところ、シクロペンテン転化率、シクロペンタノール選
択率及び空時収率の低下は認められなかった。
【0042】(比較例1)触媒として酸化ジルコニウム
を使用した以外は、実施例1と同様の方法で接触水和反
応を行なった。このときのシクロペンテン転化率は0.
1%、シクロペンタノール選択率は99.0%、空時収
率は2.6であった。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
反応温度及び圧力を調整することにより、シクロペンテ
ンを気体とならない条件下で水和させるので、目的生成
物であるシクロペンタノールを高収率かつ高選択的に製
造することができる。また、本発明は優れた触媒活性及
び反応選択性を有し、且つ水に対して非水溶性のタング
ステン化合物及びジルコニウム化合物からなる二元系触
媒を使用している。従って、目的物であるシクロペンタ
ノールを高収率かつ高選択的に製造できると共に、反応
系に触媒が流出することがなくので、触媒寿命も長く、
再利用も可能で、反応装置を腐蝕することもなく、ま
た、反応生成物の精製も容易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉野 泰 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC21 AC41 BA10 BA14 BA30 BA81 BC10 BC11 BC31 BD83 BE60 4H039 CA60 CF10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タングステン化合物とジルコニウム化合物
    からなる非水溶性の二元系触媒の存在下に、シクロペン
    テンが気体とならない条件下で、シクロペンテンを水和
    することを特徴とするシクロペンタノールの製造方法。
  2. 【請求項2】前記二元系触媒として、硝酸ジルコニルと
    水溶性タングステン酸塩から得られる非水溶性二元系触
    媒を用いる請求項1記載のシクロペンタノールの製造方
    法。
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