JP2911244B2 - 低級オレフィン類の製造方法 - Google Patents

低級オレフィン類の製造方法

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JP2911244B2 JP3066062A JP6606291A JP2911244B2 JP 2911244 B2 JP2911244 B2 JP 2911244B2 JP 3066062 A JP3066062 A JP 3066062A JP 6606291 A JP6606291 A JP 6606291A JP 2911244 B2 JP2911244 B2 JP 2911244B2
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素数が2〜4までの
低級アルコールを特定の触媒を用いて脱水し、低級オレ
フィン類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン類の製造方法として、古く
は、アルコール類を硫酸のような強酸の存在下に脱水さ
せる方法が知られている。しかしながら、この方法は強
酸を使用するため耐酸性の製造装置を用いなければなら
ず、また、反応後に排出される廃硫酸の処理が困難なた
め近年では殆ど採用されない方法となった。
【0003】近年、オレフィン類の製造方法は、ナフサ
をクラッキングして製造する方法が主流である。例え
ば、エチレン、プロピレン、ブテン類、ブタジエン類な
どの工業的に重要なオレフィン類がこの方法で製造され
ている。
【0004】ところが、最近、オレフィン類の製造原料
の多角化を図るため、あるいは、高純度のオレフィン類
を得るためにアルコール類を脱水してオレフィン類を製
造する方法が見直され、低級アルコールを脱水して低級
オレフィン類を製造する方法が各種提案されている。
【0005】例えば、エタノールを脱水してエチレンを
製造する方法(特公昭59−40057号公報、特公昭
59−19927号公報)、ターシャリーブタノールを
脱水して高純度イソブチレンを製造する方法(特公昭6
1−23771号公報、特開昭61−26号公報)等が
提案されている。また、エタノールを脱水してエチレン
を製造する場合に触媒としてアルミナ、シリカ、シリカ
アルミナ、ゼオライト類、固体燐酸等の固体酸触媒を使
用する方法が提案されている(特開昭64−34929
号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
に強酸を触媒に用いる方法は耐食性の高価な製造装置を
用いなければならず、廃液の処理も困難となる。また、
生成したオレフィン類が強酸の存在下、反応して異性化
を起こしたり、重合して高分子量化を起こし目的外の化
合物になり収率を低下させる恐れがある。
【0007】他方固体酸を触媒に用いて脱水反応を行な
う場合、アルコールの脱水反応は多大な吸熱反応である
ため、250〜300℃以上の反応温度が必要であり、
シリカアルミナ、ゼオライト類、固体燐酸等の固体酸触
媒は強酸性であるため、これらの触媒を用いた場合、生
成したオレフィン類が重合し重質化が起こり、オレフィ
ンの収率の低下を招き、また、重質物が触媒表面へ付着
して触媒活性の低下の原因となるため好ましくない。
【0008】γ−アルミナを触媒に用いれば、γ−アル
ミナは弱酸性であり、生成したオレフィン類の重質化等
が起きず有利であるが、γ−アルミナは、加圧条件下、
300〜350℃で長期間に渡って反応に使用した場
合、結晶相の一部がγ体から不活性なα体に転移し、触
媒活性が大きく低下することがわかった。さらに、この
傾向は圧力が高いほど顕著であるため加圧条件ではγ−
アルミナ触媒を工業的に使用することが困難である。
【0009】従来、1000℃以上の高温ではγ−アル
ミナがα体に転移することが知られており、この転移を
抑制する手段として触媒にLa23 、MgO、SiO
2 等の金属酸化物を第二成分として添加する方法が一般
に知られている。しかし、300℃程度の温度で結晶相
が転移する現象は全く知られておらず機構も不明のた
め、従来の高温での結晶転移を抑制する方法を適用する
ことは困難である。
【0010】また、加圧せずに脱水反応を行なうことは
可能であるが、生成する炭素数2〜4の低級オレフィン
類は常温常圧下では気体であり、蒸留などの精製を行な
うためには液化することを必要とし、気体で得られると
冷凍機による冷却や昇圧機による加圧により液化を行な
わなければならず、プロセス上の工程数が増え操作が煩
雑になる上、経済的にも不利益である。
【0011】そこで、本発明の目的は、簡略な装置によ
り、長期間に渡り、高収率、高選択率で低級アルコール
から低級オレフィンを製造する方法を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、低級アル
コールを脱水して低級オレフィンを製造する方法を開発
するにあたり、固体酸触媒を用いることに着目し、鋭意
検討した結果本発明に至った。
【0013】即ち、本発明の方法は、炭素数が2〜4ま
での低級アルコールを脱水して低級オレフィン類を製造
するに当たり、SiO2 を除く不純物の総和が0.3重
量%以下であり、そのうち硫黄分がSO4 --に換算して
0.2重量%以下、ナトリウム分がNa2 Oに換算して
0.05重量%以下であり、SiO 2 を0.5〜5重量
%含有するγ−アルミナ触媒を用いることを特徴とする
低級オレフィン類の製造方法である。
【0014】ここで、γ−アルミナ触媒は、有機アルミ
ニウム化合物から調製されるのが好ましい。
【0015】
【0016】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
出発原料に用いるアルコールは炭素数2〜4の低級アル
コールであり、エタノール、n−プロパノール、i−プ
ロパノール、n−ブタノール、i−ブタノールまたはこ
れらの混合物であり、第1アルコール、第2アルコー
ル、第3アルコールのいずれでもよい。
【0017】本発明法は、脱水反応に用いる触媒に特徴
がある。この触媒はγ型の結晶構造を有するアルミナで
ある。γ−アルミナ中のSiO2 を除く不純物の総和は
0.3重量%以下、好ましくは0.1重量%以下であ
る。そのうち硫黄分がSO4 --に換算して0.2重量%
以下、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは
0.06重量%以下であり、ナトリウム分がNa2 Oに
換算して0.05重量%以下、好ましくは0.03重量
%以下である。
【0018】SiO2 を除く不純物の総和、そのうちの
硫黄分およびナトリウム分を、上記の範囲とするγ−ア
ルミナ触媒は、加圧条件下300〜350℃で、長期間
反応に使用した場合でもα体に転移することが少なく、
触媒活性が低下しない。また、ナトリウム分を低減した
γ−アルミナ触媒は、脱水反応収率を向上させる。
【0019】γ−アルミナ中に含有される不純物量が、
上記の範囲であれば、その製造方法は、公知のいかなる
方法で製造されたγ−アルミナでもよい。
【0020】例えば、硫酸アルミニウムとアルミン酸ソ
ーダを混合する方法、硫酸アルミニウムと炭酸カルシウ
ムを混合する方法等の酸性アルミニウム塩から製造する
方法や、有機アルミニウム化合物を加水分解する方法、
バイヤー法によりアルミナ水和物から製造する方法が挙
げられる。
【0021】アルミニウム塩を原料に用いて製造する場
合やバイヤー法によるアルミナ水和物から製造する場合
には、前述の本発明に用いるγ−アルミナの不純物量と
するために、アルミニウム水和物をろ別する際に十分な
量の水で洗浄を行わなければならない。その際、水は水
和物の結晶状態を保持するためアンモニアを0.5〜2
5%添加したアンモニア水を用いることが望ましい。ま
た、バイヤー法により得られたアルミナ水和物から製造
する場合には、ナトリウム分の除去が困難なため、さら
に水和物をいったん焼成してγ−アルミナにした後、塩
酸、酢酸等の希釈水溶液で洗浄を行い、さらに水洗を行
いナトリウム分の除去を行う。このような操作により不
純物を所定量とする。なお、乾燥、焼成の際には不純物
の混入を避けるため、窒素、空気、不活性ガス等の雰囲
気下で行うことが望ましい。
【0022】好ましくは、原料の段階で不純物の混入量
を少なくすることのできる方法がよい。特に有機アルミ
ニウム化合物からγ−アルミナを調製する方法が、原料
中にNa、SO4 イオンを全く含まないので好ましい。
用いられる有機アルミニウム化合物は、アルミニウムイ
ソプロポキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウ
ムトリブトキシド、トリエチルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウムなどが例示される。トリアルキルア
ルミニウムは、取扱いが面倒な上、酸化を行う必要があ
り危険であるため、原料にはアルミニウムアルコキサイ
ドを用いることが好ましい。特に好ましくは沸点が低く
蒸留精製が容易で入手が容易なアルミニウムイソプロポ
キシドを用いるのがよい。アルミニウムイソプロポキシ
ドを用いる場合には、イソプロパノールと水を加えて還
流条件で加水分解を行い、得られた沈殿をアンモニア水
で洗浄して焼成を行いγ−アルミナを調製する。焼成す
る際の温度はγ体になる温度であればよいが、好ましく
は550〜650℃である。
【0023】触媒の形状は粉末状、粒状の何れでもよ
い。打錠成型してペレット状とし、固定床として用いて
もよい。触媒の前処理は特に必要ないが、焼成処理等の
前処理を行ってもよい。
【0024】さらに、上述のγ−アルミナ触媒に、Si
2 を0.5〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%
含有するγ−アルミナ触媒を用いることができる。Si
2の量がこの範囲であると、酸性のため生成物の重質
化を起こすことなく、γ体からα体への結晶相転移をさ
らに抑制することができる。
【0025】SiO2 を所定量含有するγ−アルミナ
は、SiO2 をγ−アルミナの製造段階または触媒とし
て使用する際にSiO2 を添加して行なう。SiO2
添加はγ−アルミナの製造段階のどの部分で行なっても
よい。例えばγ−アルミナの原料であるベーマイト、擬
ベーマイト等にSiO2 源を加えてもよく、更には、硫
酸アルミやアルミン酸ソーダーや有機アルミニウム化合
物等のγ−アルミナの原料の段階で加えてもよい。また
最終製品としてこのγ−アルミナの粉末に添加してもよ
い。SiO2 の添加効果を充分にするためγ−アルミナ
中にSiO2をある程度均一に分散させることが必要で
ある。また、添加物は最終的にSiO2 の形態になるの
であれば、いかなるSiO2 源を使用してもよい。例え
ばSiO2 のヒドロゲルやヒドロゾル、あるいはケイ酸
エチル等のアルキル化合物で添加することができる。
【0026】他の金属酸化物、例えば、従来高温でのα
体への転移抑制に効果があると知られているLa23
やMgO等の添加は逆に触媒を早く劣化させてしまうた
め、出来る限り混入しないようにすることが好ましい。
【0027】本発明法で製造されるオレフィン類は、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブ
テンである。好ましくは、エチレン、プロピレン、イソ
ブテンを製造する。
【0028】本発明の方法において脱水反応の好適な条
件は次の通りである。反応温度は150〜500℃、好
ましくは250〜400℃である。この範囲とする理由
は、反応が高収率で進行し、工業生産が可能なためであ
る。反応圧力は減圧、常圧、加圧の何れでもよいが、前
述のように精製する事を考慮すると生成するオレフィン
類が常温で液化する程度の加圧状態で反応を行うことが
好ましい。反応器への原料の供給量はLHSVとして
0.1〜20hr-1、好ましくは0.5〜10hr-1
ある。この範囲とする理由は、これより小さいと生産性
が低く大きな装置が必要となり、これより大きいと反応
収率が低下し、生産物の分離回収にエネルギーを必要と
し経済的ではないからである。
【0029】本発明の方法では、反応で生成したオレフ
ィンを系内から速やかに排出させるため、脱水反応に不
活性なガス状物質を混合させてもよい。この様なガス状
物質としては、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、メ
タン、エタン、プロパン、ブタン等が例示される。ただ
し、水は触媒の結晶相転移を促進する恐れがあるので極
力存在させないことが好ましい。また、このガス状物質
には反応器に供給される前は液状物質であっても、反応
器内の反応条件下においてガス状になる物質が含まれ
る。この様な物質としては、例えば、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂
肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチ
ルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類等が挙げられ
る。
【0030】このガス状物質をアルコールと混合して反
応器に供給する場合に、その使用量は、通常、アルコー
ル1モルに対して0.05〜10モルの範囲が好まし
い。ガス状物質の使用量が多すぎると、反応生成物であ
るオレフィン類と水との混合物から、ガス状物質を分離
して再使用する必要が生じ、オレフィン類の製造コスト
が高くなるなどの経済的な不利益を生じる。
【0031】本発明の方法において反応方式は連続反応
が好ましく、反応器の形式としては、粒状の触媒を用い
た固定床方式が好ましい。
【0032】
【実施例】以下に、実施例及び比較例によって本発明を
具体的に説明するが、これらにより本発明はなんら制限
されるものではない。なお、γ−アルミナ触媒が結晶相
の転移を起こすかどうかについては、以下の簡単な方法
を用いて調べた。
【0033】(触媒の耐スチーム性試験方法)触媒1g
〜50gをとり、これを200メッシュのSUS316
の網に包み、SUS316のコイル状充填剤(ヘリパッ
ク)と共に2000ccオートクレーブに充填する。こ
の時触媒はできだけ中央に位置するようにする。その
後、電気炉で400℃まで加熱し、高圧ポンプを用いて
水をフィードし、圧力を80kg/cm2G まであげる。6時
間後に触媒を取り出し、X線分析を行い結晶相を調べ
る。また、必要に応じて取り出した触媒の比表面積の測
定並びにオレフィン製造の触媒活性を評価する。
【0034】(触媒1の調製)市販の試薬のアルミニウ
ムイソプロポキシドに、イソプロパノールと水を加えて
還流条件で加水分解を行い、得られた沈殿をpH13に
調整したアンモニア水で一昼夜撹拌した。沈殿をろ別し
て水洗した後、電気炉で600℃、5時間焼成した。得
られたアルミナを分析した結果、SO4 --、Na2 Oと
もに0.01重量%以下、アルミナ純度(乾燥基準)は
99.9重量%以上であった。X線回折(XRD)によ
りアルミナの結晶を解析したところ、γ−型に帰属され
るピーク以外のピークは認められなかった。生成したア
ルミナは3mm×3mmに打錠成型した。
【0035】(触媒2の調製)市販の試薬の硫酸アルミ
ニウム水溶液とアルミン酸ソーダ水溶液を混合して中和
し、沈殿を採取した。得られた沈殿を、pH13に調整
したアンモニア水で水洗を行った。この操作を7回行な
った後、pH13に調整したアンモニア水溶液中で一昼
夜撹拌した。沈殿をろ別して水洗した後、電気炉で60
0℃、5時間焼成した。得られたアルミナを分析した結
果、SO4 --は0.1重量%、Na2 Oは0.04重量
%、アルミナ純度(乾燥基準)は99.8重量%であっ
た。X線回折(XRD)によりアルミナの結晶を解析し
たところ、γ−型に帰属されるピーク以外のピークは認
められなかった。生成したアルミナは3mm×3mmに
打錠成型した。生成したアルミナは触媒1と同じく3m
m×3mmに打錠成型した。
【0036】(触媒3の調製)市販の試薬のアルミニウ
ムイソプロポキサイドに、さらにSiO2 源としてケイ
酸エチルをアルミニウムイソプロポキシドに対して2.
6重量%添加したもののイソプロパノール溶液に水を加
え還流条件下で加水分解を行い、得られた沈殿をpH1
3に調製したアンモニア水で一昼夜撹拌した。沈殿をろ
別して水洗した後、電気炉で600℃、5時間焼成し
た。得られたアルミナを分析した結果、乾燥基準でSO
4 --、Na2 Oは、ともに0.01重量%以下であっ
た。また、SiO2 の含有量は3重量%であった。アル
ミナ純度(乾燥基準)は96.9重量%であった。X線
回折(XRD)によりアルミナの結晶を解析したとこ
ろ、γ−型に帰属されるピーク以外のピークは認められ
なかった。生成したアルミナは3mm×3mmに打錠成
型した。
【0037】(比較触媒の調製)市販の試薬の硫酸アル
ミニウム水溶液とアルミン酸ソーダ水溶液を混合して中
和し、得られた沈殿を採取した。得られた沈殿をpHを
13に調整したアンモニア水溶液中で一昼夜撹拌した。
沈殿をろ別して1回水洗した後、電気炉で600℃、5
時間焼成した。得られたアルミナを分析した結果SO4
-- は0.6重量%、Na2 Oは0.2重量%、アルミ
ナ純度(乾燥基準)は99.2重量%であった。X線回
折(XRD)によりアルミナの結晶を解析したところ、
γ−型に帰属されるピーク以外のピークは認められなか
った。生成したアルミナは3mm×3mmに打錠成型し
た。
【0038】(実施例1)外部に電気炉を有する内径2
5.4mm、長さ50cmのSUS316製の縦型管状
反応管に触媒1を40cc充填し、電気炉の温度を32
0℃に設定した。イソプロパノールをLHSV1hr-1
で反応器塔頂部からフィードし、反応管内の圧力が18
kg/cm2G になるようにして反応を行なった。反応管下部
より排出される気液混合物を液相部と気相部に分離し
た。実験開始後、5時間経過したところ反応成績はイソ
プロパノール転化率73%、プロピレン選択率92%で
あった。副生成物はジイソプロピルエーテルであった。
【0039】次に、触媒1について上述の耐スチーム性
試験を行なった。X線で測定した結果α体への転移は認
められなかった。この耐スチーム性試験後の触媒1を、
上述の実験で用いたと同様の反応管に40cc充填し
た。実施例1の反応条件と同様にして反応を行なった。
反応管下部より排出される気液混合物を液相部と気相部
に分離した。実験開始後、5時間経過したところで反応
成績はイソプロパノール転化率73%、プロピレン選択
率92%で活性に変化は認められなかった。副生成物は
ジイソプロピルエーテルであった。
【0040】(比較例1)上述で調製した比較触媒を4
0cc充填した。反応条件を実施例1と同様にして反応
を行なった。反応器下部より排出される気液混合物を液
相部と気相部に分離した。実験開始後、5時間経過した
ところで反応成績はイソプロパノール転化率73%、プ
ロピレン選択率88%であった。副生成物はジイソプロ
ピルエーテルであった。
【0041】次に比較触媒について上述の耐スチーム性
試験を行った。耐スチーム性試験後の比較触媒をX線で
測定した結果α体への転移は約30%であった。耐スチ
ーム性試験後の比較触媒を、実施例1で用いたと同様の
反応管に40cc充填し、実施例1と同様の反応条件で
反応を行った。反応管下部より排出される気液混合物を
液相部と気相部に分離した。実験開始後、5時間経過し
たところで反応成績はイソプロパノール転化率48%、
プロピレン選択率75%で触媒の活性は大幅に低下し
た。副生成物はジイソプロピルエーテルであった。
【0042】(実施例2)外部にオイル加熱槽を有する
内径38.1mm、長さ4300mmのSUS316製
の縦型管状反応管に、触媒1を4550cc充填し、加
熱槽の温度を315℃に設定した。イソプロパノールを
LHSV1hr-1で反応管塔頂部からフィードし、反応
管内の圧力が18kg/cm2G になるようにして反応を行な
った。反応管下部より排出される気液混合物を液相部と
気相部に分離した。実験開始後、10時間経過したとこ
ろ反応成績はイソプロパノール転化率81%、プロピレ
ン選択率95%であった。副生成物はジイソプロピルエ
ーテルであった。さらに、実験開始後3000時間で
は、反応成績はイソプロパノール転化率80%、プロピ
レン選択率94%であった。反応終了後、抜きだした触
媒をX線で調べた結果、α体が1%生成していた。長時
間の反応後でも触媒のα体への転移がなく、活性の低下
も小さいことがわかった。
【0043】(実施例3および4)実施例2で用いた反
応管で実施例2と同様の条件を用いて、ただし触媒1の
かわりに触媒2と触媒3をそれぞれ用いて実施例3およ
び4の反応を行なった。結果を表1に示した。
【0044】(比較例2)実施例2で用いた反応管で実
施例2と同様の条件を用いて、ただし触媒1のかわりに
比較触媒を用いて反応を行なった。結果を表1に示し
た。
【0045】(実施例5)実施例1で用いた反応管に触
媒2を40cc充填した。電気炉の温度を400℃に設
定した。エタノールをLHSV0.5hr-1で反応器塔
頂部からフィードし、反応管内の圧力が18kg/cm
2 Gになるようにして反応を行った。反応管下部より排
出される気液混合物を液相部と気相部に分離した実験開
始後、5時間経過したところで反応成績はエタノール転
化率83%、エチレン選択率94%であった。副生成物
はジエチルエーテルであった。触媒2について上述の耐
スチーム性試験を行った。その後X線で測定した結果、
触媒2のα体への転移は約5%であった。耐スチーム性
試験を行った触媒2を上述の反応管に40cc充填し、
同様に反応を行った。反応管下部より排出される気液混
合物を液相部と気相部に分離した。実験開始後、5時間
経過したところで反応成績は、エタノール転化率78
%、エチレン選択率92%であった。副生成物はジエチ
ルエーテルであった。
【0046】(実施例6)実施例1で用いた反応管に触
媒3を40cc充填した。電気炉の温度を300℃に設
定した。イソブタノールをLHSV2hr-1で反応管塔
頂からフィードし、反応管の圧力が8kg/cm2Gに
なるように反応を行った。反応管下部より排出される気
液混合物を液相部と気相部に分離した。実験開始後、5
時間経過したところで反応成績はイソブタノール転化率
93%、イソブテン選択率96%であった。副生成物は
ジイソブチルエーテルであった。触媒3について、上述
の耐スチーム性試験を行った後X線で測定したところ、
α体への転移は全く見られなかった。耐スチーム性試験
を行った触媒3を上述の反応管に40cc充填し、同様
に反応を行った。反応管下部より排出される気液混合物
を液相部と気相部に分離した。実験開始後、5時間経過
したところで反応成績はイソブタノール転化率93%、
イソブテン選択率96%で、活性に変化は認められなか
った。副生成物はジイソブチルエーテルであった。
【0047】(比較例3)実施例1で用いた反応管に比
較触媒を40cc充填した。電気炉の温度を300℃に
設定した。イソブタノールをLHSV2hr-1で反応管
塔頂からフィードし、反応管の圧力が8kg/cm2
になるように反応を行った。反応管下部より排出される
気液混合物を液相部と気相部に分離した。実験開始後、
5時間経過したところで反応成績はイソブタノール転化
率74%、イソブテン選択率87%であった。副生成物
はジイソブチルエーテルであった。比較触媒について上
述の耐スチーム性試験を行った後X線で測定したとこ
ろ、α体への転移は約30%であった。
【0048】耐スチーム性試験を行った比較触媒を上述
の反応管に40cc充填し、同様に反応を行った。反応
管下部より排出される気液混合物を液相部と気相部に分
離した。実験開始後、5時間経過したところで反応成績
はイソブタノール転化率52%、イソブテン選択率77
%であった。副生成物はジイソブチルエーテルであっ
た。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明の方法によれば低級アルコールか
ら従来より長期間に渡り、高収率、高選択率で低級オレ
フィンを製造することができる。得られる高純度のオレ
フィンは各種の有機合成原料、ポリマー原料として有用
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 11/09 C07C 11/09 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 昭55−159840(JP,A) 特開 平2−172925(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 11/04 B01J 21/04 C07C 1/24 C07C 11/06 C07C 11/08 C07C 11/09

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数が2〜4までの低級アルコールを
    脱水して低級オレフィン類を製造するに当たり、SiO
    2 を除く不純物の総和が0.3重量%以下であり、その
    うち硫黄分がSO4 --に換算して0.2重量%以下、ナ
    トリウム分がNa2 Oに換算して0.05重量%以下で
    り、SiO 2 を0.5〜5重量%含有するγ−アルミ
    ナ触媒を用いることを特徴とする低級オレフィン類の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記γ−アルミナ触媒が、有機アルミニ
    ウム化合物から調製される請求項1記載の低級オレフィ
    ン類の製造方法。
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