JPH10175639A - 液体輸送容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体輸送用のブロー成形容器が有する長所を
損なうことなく剛性を高めることができ、座屈強度の向
上によるスタック機能の向上やハンドリング性の向上が
図れる液体輸送容器を提供する。 【解決手段】 液体を収納するブロー成形容器１０と、
該ブロー成形容器１０を収納する外箱構成体２０とから
なり、該外箱構成体２０は、所定の座屈強度に耐え得る
柱構造体２１を有するとともに、前記ブロー成形容器１
０に嵌合して外箱構成体２０からのブロー成形容器１０
の抜けを防止する嵌合凸部２３を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液体輸送容器に関
し、詳しくは、スタック機能やハンドリング性の向上が
図れる液体輸送容器の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、液体を輸送するための容器として、合成樹脂をブロ
ー成形したものが広く用いられている。このブロー成形
容器は、密閉性，ガスバリア性に優れ、液体輸送には最
適であるが、反面、座屈強度が弱く、確実なスタック機
能を持たせるのが困難であるなどの欠点があり、また、
これらの理由から、多段積みもできず、ハンドリング面
では問題があった。

【０００３】そこで本発明は、液体輸送用のブロー成形
容器が有する長所を損なうことなく剛性を高めることが
でき、座屈強度の向上によるスタック機能の向上やハン
ドリング性の向上が図れる液体輸送容器を提供すること
を目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体輸送容器は、液体を収納するブロー成
形容器と、該ブロー成形容器を収納する外箱構成体とか
らなり、該外箱構成体は、所定の座屈強度に耐え得る柱
構造体を有するとともに、前記ブロー成形容器に嵌合し
て外箱構成体からのブロー成形容器の抜けを防止する嵌
合部を有していることを特徴としている。

【０００５】さらに、本発明の液体輸送容器は、前記外
箱構成体が、前記ブロー成形容器の対向する外面に沿う
一対の側壁板と、両側壁板を結束する結束部材とからな
ること、あるいは、前記ブロー成形容器の対向する外面
に沿う一対の側壁板と、両側壁板の底部を接続する底板
と、両側壁板の上部を結束する結束部材とからなること
を特徴とし、また、前記外箱構成体が、前記ブロー成形
容器の対向する外面に沿う一対の側壁板と、両側壁板の
上部を接続する天板とからなり、前記嵌合部が、ブロー
成形容器の底面に設けられた嵌合凹部と両側壁板の下部
から突出して前記嵌合凹部に嵌合する嵌合突片とにより
形成されていることを特徴としている。

【０００６】

【発明の実施の形態】図１乃至図５は、本発明の液体輸
送容器の第１形態例を示すもので、図１は分解斜視図、
図２は使用時の状態を示す斜視図、図３は要部の縦断面
図、図４は外箱構成体の側面図、図５は嵌合部の他の形
状例を示す要部の縦断面図である。

【０００７】まず、図１及び図２に示すように、本形態
例に示す液体輸送容器は、液体を収納するブロー成形容
器１０と、該ブロー成形容器１０を収納する外箱構成体
２０とからなるもので、前記ブロー成形容器１０は、従
来の液体輸送用ブロー成形容器と同様に合成樹脂をブロ
ー成形して得られた容器である。このブロー成形容器１
０の天板上面には２個の口栓部１１及び把手１２が設け
られるとともに、短辺側の側壁（以下、短側壁という）
の下部には外箱構成体２０との嵌合部となる嵌合凹部１
３が形成されている。

【０００８】前記外箱構成体２０は、前記ブロー成形容
器１０の外側形状に対応した内側形状を有する上方が開
口した箱状のものであって、合成樹脂の射出成形等で形
成されている。この外箱構成体２０の四隅部には、ブロ
ー成形容器１０の高さより高く、かつ、所定の座屈強度
に耐え得る柱構造体２１が設けられており、各側壁部及
び底板部には、軽量化等を図るための開口がそれぞれ設
けられている。さらに、外箱構成体２０の短側壁２２の
下部には、前記ブロー成形容器１０の嵌合凹部１３に嵌
合する嵌合凸部２３が設けられている。

【０００９】上記ブロー成形容器１０の嵌合凹部１３と
外箱構成体２０の嵌合凸部２３とは、図３に示すよう
に、外箱構成体２０の中にブロー成形容器１０を挿入し
て液体輸送容器を組み立てる際に、ある程度の力でブロ
ー成形容器１０を押し込むことにより弾性変形して互い
に嵌合することが可能で、かつ、通常の使用時に加わる
力では外れない程度の嵌合力が得られる形状，大きさで
形成されており、液体輸送容器の通常の使用状態では、
外箱構成体２０内にブロー成形容器１０をがたつきなく
収納し、一体成形品と同等の取扱い性が得られるように
している。

【００１０】また、図４に示すように、嵌合凸部２３の
両側にスリット２４を設け、組み立て後の嵌合凸部２３
に嵌合凹部１３方向への復元力が働くように形成してお
くことにより、嵌合強度やがたつき防止作用を高めるこ
とができる。さらに、このスリット２４により、組み立
て時の嵌合凸部２３部分の弾性変形を大きくすることが
できるので、組み立て作業の軽減が図れるとともに、よ
り嵌合性の高い嵌合形状を採用することが可能となる。

【００１１】なお、上記嵌合凹部１３及び嵌合凸部２３
の凹凸嵌合形状は任意であり、例えば、図５（Ａ）に示
すような波形の嵌合凹凸部１３ａ，２３ａとしてもよ
く、図５（Ｂ）に示すようにブロー成形容器１０側を嵌
合凸部１３ｂとして外箱構成体２０側を嵌合凹部２３ｂ
としてもよい。さらに、組み立て時には容易に挿入で
き、分解は困難な形状として、図５（Ｃ）に示すよう
に、嵌合凹凸部１３ｃ，２３ｃを楔状に形成することも
できる。

【００１２】このように、柱構造体２１を有する外箱構
成体２０内にブロー成形容器１０を収納することによ
り、ブロー成形容器１０自体が有する密閉性やガスバリ
ア性を損なうことなく、液体輸送容器全体としての剛性
を外箱構成体２０によって高めることができ、特に、上
下方向の荷重を柱構造体２１が負担してブロー成形容器
１０には全く荷重がかからないので、多段積みも安定し
た状態で行うことができ、ハンドリング性も向上する。
また、柱構造体２１の上下両端部に、スタッキング時に
係合する凹凸部を形成しておくことにより、更に安定し
た状態でスタッキングすることができる。さらに、ある
程度の力を加えることでブロー成形容器１０と外箱構成
体２０とを分離できるので、洗浄性もよく、いずれかが
破損したときの交換等も容易に行うことができる。

【００１３】図６乃至図９は、本発明の液体輸送容器の
第２形態例を示すもので、図６は分解斜視図、図７は使
用時の状態を示す斜視図、図８は要部の横断面図、図９
は要部の縦断面図である。

【００１４】本形態例に示す液体輸送容器は、前記同様
のブロー成形容器１０と、該ブロー成形容器１０の両短
側壁の外面に沿う一対の側壁板３１と、両側壁板３１の
上下を結束して箱状とする方形状の上部結束部材３２及
び下部結束部材３３とからなるもので、ブロー成形容器
１０には、前記同様の口栓部１１，把手１２等が設けら
れるとともに、短側壁の外面及び両側部には、前記側壁
板３１との嵌合部となる嵌合凹部１４，１５がそれぞれ
設けられている。

【００１５】前記側壁板３１は、前記同様に射出成形等
で形成されるものであって、幅方向両端に所定の座屈強
度に耐え得る柱構造体２１が設けられており、柱構造体
２１間の面板部には、ブロー成形容器１０の天板上面に
係合する係合片３４と、前記ブロー成形容器１０の嵌合
凹部１４に嵌合する嵌合凸部３５と、前記下部結束部材
３３との係合部となる係合溝３６とが設けられている。
また、両柱構造体２１の内面には、前記ブロー成形容器
１０の嵌合凹部１５に嵌合する嵌合凸部３７がそれぞれ
設けられるとともに、上部外面には前記上部結束部材３
２を係止する係止突起３８が、下部には前記下部結束部
材３３に係合する係合穴３９がそれぞれ設けられてい
る。さらに、前記下部結束部材３３の内周面には、前記
側壁板３１の係合溝３６及び係合穴３９に対応した係合
片４０及び係合突起４１が設けられている。なお、前記
嵌合凸部３５の外面部分には、嵌合凸部３５に対応した
凹部３５ａが形成されており、運搬時の手掛けとして使
用することができる。

【００１６】上記構成の液体輸送容器は、下部結束部材
３３の係合片４０及び係合突起４１に、側壁板３１の係
合溝３６及び係合穴３９をそれぞれ係合させた状態で両
側壁板３１間にブロー成形容器１０を挿入し、側壁板３
１の係合片３４及び嵌合凸部３５，３７をブロー成形容
器１０の天板上面及び嵌合凹部１４，１５に係合あるい
は嵌合させた後、上方から上部結束部材３２を嵌め込ん
で係止突起３８に係止させることにより組み立てること
ができる。これにより、ブロー成形容器１０は、側壁板
３１，上部結束部材３２及び下部結束部材３３により形
成される外箱構成体内に収納された状態となる。

【００１７】図１０乃至図１４は、本発明の液体輸送容
器の第３形態例を示すもので、図１０は分解斜視図、図
１１は使用時の状態を示す斜視図、図１２は断面側面
図、図１３は変形例を示す要部の平面図、図１４は同じ
く要部の縦断面図である。

【００１８】本形態例に示す液体輸送容器は、前記同様
のブロー成形容器１０と、該ブロー成形容器１０の両長
側壁の外面に沿う一対の側壁板５１及び両側壁板５１の
底部を接続する底板５２からなる箱状体５３と、両側壁
板５１の上部を結束する結束部材５４とにより形成され
ている。

【００１９】前記側壁板５１の内面上部には、ブロー成
形容器１０の天板上面に係合してブロー成形容器１０を
箱状体５３内に嵌合状態に保持するための係合片５５が
設けられ、外面には、前記結束部材５４を係止する係止
突起５６が設けられている。

【００２０】この液体輸送容器は、側壁板５１の上部側
を広げた状態で箱状体５３内にブロー成形容器１０を挿
入し、係合片５５をブロー成形容器１０の天板上面に係
合させた後、上方から結束部材５４を嵌め込んで係止突
起５６に係止させることにより組み立てることができ
る。これにより、ブロー成形容器１０は、四隅に所定の
座屈強度に耐え得る柱構造体２１を有する箱状体５３内
に収納された状態となる。

【００２１】また、本形態例において、図１３及び図１
４に示すように、結束部材５４の内周面にブロー成形容
器１０を箱状体５３内に保持するための係止片５７を設
けるとともに、側壁板５１に係止片５７に対応した切欠
部５８を設けるようにしてもよい。

【００２２】図１５乃至図１７は、本発明の液体輸送容
器の第４形態例を示すもので、図１５は分解斜視図、図
１６は使用時の状態を示す斜視図、図１７は断面側面図
である。

【００２３】本形態例に示す液体輸送容器は、ブロー成
形容器１０の両長側壁の外面に沿う一対の側壁板６１
と、両側壁板６１の上部を接続する天板６２及び把手部
６３とからなる外箱構成体６４にブロー成形容器１０を
収納したものである。図１７に示すように、ブロー成形
容器１０の底面には、側壁板６１の下部から突出した嵌
合突片６５が嵌合する嵌合凹部１６が設けられている。

【００２４】この液体輸送容器は、外箱構成体６４の両
側壁板６１の下部を広げた状態で下方からブロー成形容
器１０を挿入し、嵌合突片６５を嵌合凹部１６に嵌合さ
せることにより組み立てることができる。これにより、
ブロー成形容器１０は、四隅に所定の座屈強度に耐え得
る柱構造体２１を有する外箱構成体６４内に収納された
状態となる。なお、外箱構成体６４に把手部６３を設け
ずに、ブロー成形容器１０に前述のような把手を設ける
ようにしてもよい。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の液体輸送
容器によれば、柱構造体を有する外箱構成体によりブロ
ー成形容器の剛性を大幅に高めることができ、座屈強度
の向上によるスタック機能の向上やハンドリング性の向
上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の液体輸送容器の第１形態例を示す分
解斜視図である。

【図２】 使用時の状態を示す斜視図である。

【図３】 要部の縦断面図である。

【図４】 外箱構成体の側面図である。

【図５】 嵌合部の他の形状例を示す要部の縦断面図で
ある。

【図６】 本発明の液体輸送容器の第２形態例を示す分
解斜視図である。

【図７】 使用時の状態を示す斜視図である。

【図８】 要部の横断面図である。

【図９】 要部の縦断面図である。

【図１０】 本発明の液体輸送容器の第３形態例を示す
分解斜視図である。

【図１１】 使用時の状態を示す斜視図である。

【図１２】 断面側面図である。

【図１３】 変形例を示す要部の平面図である。

【図１４】 同じく要部の縦断面図である。

【図１５】 本発明の液体輸送容器の第４形態例を示す
分解斜視図である。

【図１６】 使用時の状態を示す斜視図である。

【図１７】 断面側面図である。

【符号の説明】

１０…ブロー成形容器、１１…口栓部、１２…把手、１
３…嵌合凹部、１４，１５，１６…嵌合凹部、２０…外
箱構成体、２１…柱構造体、２２…短側壁、２３…嵌合
凸部、２４…スリット、３１…側壁板、３２…上部結束
部材、３３…下部結束部材、３４…係合片、３５…嵌合
凸部、３６…係合溝、３７…嵌合凸部、３８…係止突
起、３９…係合穴、４０…係合片、４１…係合突起、５
１…側壁板、５２…底板、５３…箱状体、５４…結束部
材、５５…係合片、５６…係止突起、５７…係止片、５
８…切欠部、６１…側壁板、６２…天板、６３…把手
部、６４…外箱構成体、６５…嵌合突片

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体を収納するブロー成形容器と、該ブ
   ロー成形容器を収納する外箱構成体とからなり、該外箱
   構成体は、所定の座屈強度に耐え得る柱構造体を有する
   とともに、前記ブロー成形容器に嵌合して外箱構成体か
   らのブロー成形容器の抜けを防止する嵌合部を有してい
   ることを特徴とする液体輸送容器。
2. 【請求項２】 前記外箱構成体は、前記ブロー成形容器
   の対向する外面に沿う一対の側壁板と、両側壁板を結束
   する結束部材とからなることを特徴とする請求項１記載
   の液体輸送容器。
3. 【請求項３】 前記外箱構成体は、前記ブロー成形容器
   の対向する外面に沿う一対の側壁板と、両側壁板の底部
   を接続する底板と、両側壁板の上部を結束する結束部材
   とからなることを特徴とする請求項１記載の液体輸送容
   器。
4. 【請求項４】 前記外箱構成体は、前記ブロー成形容器
   の対向する外面に沿う一対の側壁板と、両側壁板の上部
   を接続する天板とからなり、前記嵌合部は、ブロー成形
   容器の底面に設けられた嵌合凹部と前記両側壁板の下部
   から突出して前記嵌合凹部に嵌合する嵌合突片とにより
   形成されていることを特徴とする請求項１記載の液体輸
   送容器。