JPH10174671A - 清掃用シート - Google Patents

清掃用シート

Info

Publication number
JPH10174671A
JPH10174671A JP33681796A JP33681796A JPH10174671A JP H10174671 A JPH10174671 A JP H10174671A JP 33681796 A JP33681796 A JP 33681796A JP 33681796 A JP33681796 A JP 33681796A JP H10174671 A JPH10174671 A JP H10174671A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
area
nonwoven fabric
filaments
fused
cleaning sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33681796A
Other languages
English (en)
Inventor
Izumi Tashiro
和泉 田代
Tomoji Miyoshi
智次 三好
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Paper Co Ltd
Priority to JP33681796A priority Critical patent/JPH10174671A/ja
Publication of JPH10174671A publication Critical patent/JPH10174671A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cleaning Implements For Floors, Carpets, Furniture, Walls, And The Like (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い表面強度を有し、風合いと手触り感が良
好で、優れた拭き取り性と作業性を有する清掃用シート
の提供。 【解決手段】 熱可塑性樹脂を溶融紡糸して得られる多
数の連続フィラメント群を延伸、開繊して、捕集・堆積
したウェブに熱エンボスによる連続フィラメント同士が
熱融着している区域が散点状に設けられたスパンボンド
不織布からなる清掃用シートであって、前記不織布の厚
み方向で、熱融着区域が存在せず、連続フィラメント相
互間が交絡している一表面と、連続フィラメント同士が
融着している区域が散点状に存在する他の表面との間
が、該フィラメントの交絡と熱融着が連続的に変化して
形成されている。前記一表面と他の表面の間で形成され
るフィラメントの交絡と熱融着の面積割合は20:80
〜80:20である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広範囲の業務用或
いは家庭用の清掃に好適に用いられる不織布からなる清
掃用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、オフィスや店舗の清掃、或いは家
庭での清掃において使用される清掃用具としては、タオ
ルや織布を使用した雑巾、油剤等をシートに染み込ま
せ、油剤の吸着力でゴミを取る化学雑巾、ひも状モップ
等が一般的に用いられてきた。タオルや織布を使用した
雑巾は、土やホコリ等の小さなゴミや髪の毛、糸くず、
綿ボコリ等の大きなゴミをそれ自身に絡ませて取るもの
ではなく、表面に付着したゴミは少しの衝撃で振り落と
されてしまい、拭き取り性に劣るものであった。又、ひ
も状モップや化学雑巾の場合は、髪の毛等の大きなゴミ
は繊維自身に絡ませて取り、土やホコリ等の小さなゴミ
は油剤の吸着力で捕集するものであるが、ガラス面や鏡
等には油剤が転移してしまうので不適であった。これら
の清掃用具に共通して言えることは、清掃への準備が大
変であり、簡便性に劣ることであった。
【0003】近年、各種の産業界や一般家庭において使
い捨てワイパーが広く普及してきている。使い捨てワイ
パーには、各用途毎に要求される性能を満たし、低価格
で提供されることが必須条件である。このような条件を
満たしうる素材として、小さなゴミから大きなゴミまで
拭き取れる使い捨ての清掃用シートが開発され、注目さ
れている。特開平6−17356号公報、特開平6−1
7361号公報等には、網状シートと繊維集合体を絡合
し、表面に多数の凹凸状部を有するシートが開示されて
いる。しかしながら、これらのシートは髪の毛等の大き
なゴミは繊維間に絡ませて取り、土、ホコリ等の小さな
ゴミは油剤の吸着力に頼るもので、手で触ったときにベ
タツキ感が残り、シート構成が複雑で製造工程も多く、
使い捨て清掃用シートとしては高価なものとなり適当で
ない。
【0004】一方、各種使い捨て用途に用いられるシー
ト状基材として、スパンボンド不織布が多く使用されて
いる。このスパンボンド不織布の製造方法としては、ポ
リオレフィン、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレ
ン等の熱可塑性樹脂を溶融押出し紡糸機において溶融紡
糸し、紡出された連続フィラメント群をエジェクターに
よる高速エアーで引き取って延伸し、衝突板に当てて開
繊し、次いで移動している支持体上に捕集・堆積させて
ウェブを形成させ、このウェブを加熱された凹凸ロール
間に通して部分的な熱圧着、即ちいわゆる熱エンボスに
より間欠的な熱接着によって、連続フィラメント相互間
に融着を生じさせた多数の点融着区域及び連続フィラメ
ント相互間が融着していない区域を設ける方法が一般的
である。
【0005】このようにして得られるスパンボンド不織
布は、熱可塑性樹脂の溶融紡糸からシート状に堆積後、
加熱ロールによる間欠的な融着区域の付与までの製造工
程が直結しており、生産性に優れ、製造コストが比較的
安価であり、高い引張強度と引裂強度を有するため幅広
い分野で様々な用途に使用されている。しかしながら、
スパンボンド不織布はその製法上、スパンボンド不織布
を構成している連続長繊維フィラメントは、その融着区
域では、ほぼ直線状態で固定されているため融着区域の
間にあるフィラメント、即ち非融着区域における連続長
繊維フィラメントの自由度は大きく制限されている。従
って、清掃用途の目的でこのようなスパンボンド不織布
を使用した場合、動きに対する自由度を失っている連続
長繊維フィラメントはゴミを絡め取ることができず、清
掃用シートとしては適当ではなかった。
【0006】一方、合成短繊維をカード又はランダムの
ウェブ形成装置で作られたウェブに高圧水ジェット流処
理を施して得られるスパンレース不織布は、繊維同士が
交絡して布状化しているため、スパンボンド不織布と比
べて柔らかく、交絡している繊維の動きに対する自由度
も比較的高い。このようなスパンレース不織布の繊維の
動きに対する自由度は、高圧水ジェット流を施す際の処
理エネルギーに依存するが、繊維の動きに対する自由度
の高いシートを得ようとすると処理エネルギーを小さく
しなければならないため繊維同士の交絡は緩くなり、表
面強度は弱くなる。従って、このような不織布を清掃用
シートとして用いた場合、十分な拭き取り性を有してい
ても、床や壁を擦った時に繊維が抜け落ちてしまうた
め、シート形状を保持できなくなり、使用に耐えうるも
のではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、風合い
と手触り感が良好であり、優れた拭き取り性と高い表面
強度を有する清掃用シートについて鋭意研究した。その
結果、熱可塑性樹脂を溶融押出し紡糸機において溶融紡
糸し、紡出された連続フィラメント群をエジェクターに
よる高速エアーで引き取って延伸し、衝突板に当てて開
繊し、次いで移動している支持体上に捕集・堆積させて
ウェブを形成させ、このウェブを加熱された凹凸ロール
間に通して熱エンボスにより部分的に熱圧着し、間欠的
な熱接着によって、連続フィラメント相互間に間欠的な
融着を生じさせて形成される多数の点融着区域と、連続
フィラメント相互間が融着していない区域を有するスパ
ンボンド不織布に、特定の範囲の比エネルギーで高圧水
ジェット流を不織布の表層部に施し、不織布の厚み方向
において表層部の熱融着している区域のみを破壊したも
のは、表層部に熱融着した区域が存在せず、連続フィラ
メント相互間が交絡している一表面と、その反対面に連
続フィラメント同士が融着している区域が散点状に存在
する他の表面が連続的に形成されていた。
【0008】本発明者等は、このような不織布の表層部
の、熱融着した区域が存在せず、それに代わって連続フ
ィラメントが相互に交絡している表面では、繊維の動き
に対する自由度が高いために、小さなゴミから大きなゴ
ミの捕集性能に優れ、そしてこのような動きに対する自
由度の大きい表面は、その反対面における熱融着区域が
散点状に存在する表面によって連続してしっかり支持さ
れているので、不織布自身は高い表面強度を有し、且つ
良好な風合いを有することを見出し、本発明を完成する
に至った。本発明の目的は、高い表面強度を有し、風合
いと手触り感が良好で、優れた拭き取り性と作業性を有
するスパンボンド不織布からなる清掃用シートを提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、熱可塑
性樹脂を溶融紡糸して得られる多数の連続フィラメント
群を延伸、開繊して、捕集・堆積したウェブに熱エンボ
スによる連続フィラメント同士が熱融着している区域が
散点状に設けられたスパンボンド不織布からなる清掃用
シートにおいて、前記不織布の厚み方向で、熱融着区域
が存在せず、連続フィラメント相互間が交絡している一
表面と、連続フィラメント同士が融着している区域が散
点状に存在する他の表面との間が、該フィラメントの交
絡と熱融着が連続的に変化して形成されていることを特
徴とする清掃用シートである。本発明の第二は、前記不
織布の厚み方向で、連続的に変化して形成されている熱
融着区域が存在せず、連続フィラメント相互間が交絡し
ている表面と、連続フィラメント同士が融着している区
域が散点状に存在する他の表面との間で形成されている
該フィラメントの交絡と熱融着の面積割合が20:80
〜80:20であることを特徴とする本発明第一に記載
の清掃用シートである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の連続フィラメントに使用
される熱可塑性樹脂は、公知の樹脂をそのまま使用する
ことができ、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル酸エステ
ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等を挙げることができ、
これらの中から適宜選択して用いられる。又、熱可塑性
樹脂には必要に応じて、潤滑剤、顔料、難燃剤、抗菌剤
等を添加して用いても良い。本発明に用いられる連続長
繊維からなるスパンボンド不織布は、公知の溶融押出し
紡糸装置を用いて製造することが可能で、連続長繊維フ
ィラメントの断面形状は、円形のみでなく、三角形、四
角形等の異形断面形状であっても良い。
【0011】本発明に用いられるスパンボンド不織布
は、前記の押出し紡糸機において可塑性樹脂を溶融して
押出紡糸し、紡出された連続フィラメント群はエジェク
ターからの高速エアーで引き取って延伸、開繊し、平均
繊維径8〜30μmの範囲の太さに調整される。連続フ
ィラメントの平均繊維径が8μm未満では、安定した性
状の繊維を製造するのが困難となる。又、連続フィラメ
ントの平均繊維径が30μmを超えて大きくなると、不
織布の柔軟性が低下し、清掃用シートとして使用した場
合の拭き取り性の低下を招く。
【0012】前記の平均繊維径を有する連続フィラメン
ト群は、開繊後エンドレスに回転移動している金網のよ
うな網製の支持体上に捕集・堆積され、ウェブが形成さ
れる。このウェブの目付は、JIS L 1906で測
定した単位面積当りの質量(g/m2)を本発明では目
付と定義し、30〜150g/m2の範囲である。ウェ
ブの目付が30g/m2未満で、清掃用シートとして用
いた場合、十分な拭き取り性能が得られない上に、捕集
したゴミ等が清掃用シートの裏面(拭き取り時にゴミに
当接した面と反対面)に抜けてしまうので適さない。ウ
ェブの目付が150g/m2を超えて大きくなると、シ
ート全体が重くなり過ぎて作業性を低下させるばかりで
なく、風合いも低下する。次いで前記のウェブは、加熱
された凹凸ロールと平滑ロールの間に導入され、凸部に
対応する部分の連続長繊維フィラメントを加圧溶融させ
てウェブの表面と裏面が一体化した融着区域を形成する
という、いわゆる熱エンボス処理により、連続フィラメ
ント同士の融着区域が間隔を置いて散点状に設けられて
不織布とされる。融着区域を設けるための装置としては
熱エンボス装置、高周波接着装置、超音波接着装置等が
用いられる。
【0013】ウェブに設けられる融着区域の1個当たり
の面積は、0.4〜4mm2の範囲である。融着区域1
個当たりの面積が0.4mm2未満では、融着面積が小
さすぎるため、続いて行われる高圧水ジェット流処理を
施す際に、融着区域が全面にわたって完全に破壊され易
く、その結果シートの表面強度の低下を招く。又、融着
区域1個当たりの面積が4mm2を超えて大きくなる
と、高圧水ジェット流処理により融着区域を破壊し、連
続フィラメント相互間が交絡した領域を形成する際に、
非常に高い比エネルギーが必要となり、不織布の厚み方
向においてフィラメントの交絡した領域と熱融着した区
域の保存されている領域とを形成する上でバランスがと
れなくなり、得られるシートの風合いも低下させるので
不適である。
【0014】ウェブに設けられる融着区域の面積の合計
は不織布全体の面積の10〜15面積%の範囲である。
融着区域の面積の合計が不織布全体の面積の10面積%
未満では、融着面積の場合と同様、高圧水ジェット流処
理を施し、不織布の厚み方向において部分的に融着区域
を破壊して、その破壊部分のフィラメントの交絡を行わ
せた後の不織布の表面強度が弱くなるので適していな
い。又、融着区域の面積の合計が不織布全体の面積の1
5面積%を超えると、高圧水ジェット流処理により融着
区域を破壊し、連続長繊維フィラメント相互間を交絡さ
せる時に、非常に高い比エネルギーが必要となるため、
前記フィラメントが交絡している領域と融着区域の存在
する領域のバランスをとることが極めて困難となる上、
得られる不織布の風合いも顕著に低下させるので適さな
い。
【0015】このようにして得られたスパンボンド不織
布の表層部に特定の範囲の比エネルギーの高圧水ジェッ
ト流を噴射することにより、噴射が施された表面の融着
している区域が部分的に破壊され、融着が解放され、そ
こに新たに連続フィラメント相互間が交絡した表面が形
成される。このような融着区域の破壊とフィラメント相
互間の交絡と、破壊されずに残存する融着区域とは、用
いられた高圧水ジェット流の比エネルギーの多寡によっ
て、一つの表面から他の表面、即ち裏面へ向かって、そ
の二つの表面の間で不織布の厚み方向においてフィラメ
ントの交絡と融着が連続的に変化して形成される。つま
り、本発明の不織布には、連続長繊維フィラメントの融
着区域が存在せず、その代わり該フィラメントが交絡し
た表面が存在し、その反対面には融着した区域が破壊さ
れずに残されている他の表面(裏面)が存在し、その両
表面の中間部はその厚み方向で、連続長繊維フィラメン
トの交絡した領域と融着区域が残留している領域が連続
して変化して形成されている。
【0016】本発明では、高圧水ジェット流はスパンボ
ンド不織布の表面に存在する連続フィラメント同士の融
着区域を破壊し、フィラメントを部分的に剥離させ、こ
うして融着による連続フィラメント同士の接着を解除
し、次いで再び連続フィラメントを相互に交絡した表面
を形成し、この表面の下には、フィラメントの交絡した
部分が続くが、その更に下には、破壊されずに残ってい
る、連続フィラメント同士が熱融着している区域が散点
状に存在する部分が裏面まで連続して存在し、これらの
二つの表面の間は交絡と融着が一つの層として連続的に
変化して形成されている。この新たに交絡が形成される
表面と、融着された区域が残存する他の表面との間の不
織布の厚み方向においては、連続フィラメントの交絡と
融着の断面積の割合は、20:80〜80:20の範囲
内で調整されなければならない。新たにフィラメントの
交絡が形成される割合が20未満では、不織布の表面強
度は優れるが、表面における繊維の動きに対する自由度
が制約されるため拭き取り性能が劣り、逆に80を超え
て大きくなると、拭き取り性能は極めて優れるものの、
表面強度が悪くなり、いずれも実用的に問題が生じる。
【0017】本発明で前記の構成を得るために用いられ
る高圧水ジェット流は、微細な孔径、例えば直径が0.
01〜0.3mmのノズル孔を通して高い水圧、例え
ば、20〜150kg/cm2の圧力で水を噴出させて
得られるものである。本発明において高圧水ジェット流
によりスパンボンド不織布の単位重量当たりに付与され
る比エネルギーは、0.4〜1.5kwh/kgとなる
ように、使用するノズルの孔径、ノズルの数、水圧、不
織布と高圧水ジェット流との接触時間等を適宜選択して
調整される。比エネルギーが0.4kwh/kg未満で
は、比エネルギーが低過ぎるため、不織布の表面におい
て熱融着している区域の不織布の厚み方向における部分
的な破壊による剥離が生ぜず、或いは剥離が生じてもそ
の量が少ないため連続フィラメント間の交絡の形成が不
十分となり、その結果連続フィラメント相互間が交絡
し、動きに対して大きな自由度を有する表面を形成する
ことができないので、得られる不織布を清掃用シートと
して使用しても十分な拭き取り性能が得られない。
【0018】又、比エネルギーが1.5kwh/kgを
超えると、比エネルギーが高過ぎるため、熱融着された
区域の厚み方向における破壊の程度を調整することが困
難になり、熱融着区域のフィラメントがほとんど剥離し
てしまい、その結果表面強度の低下を招くため、不適で
ある。前記の比エネルギーは、式(1)で求めることが
できる。 E={A・Cd3・(2/ρ)1/2・(g・P)2/3}/M・・・(1) ただし、E :基材単位重量当たりの比エネルギー A :ノズル孔面積の総和 Cd:流失係数(圧力損失の補正係数) ρ :水の密度 g :重力加速度 P :高圧水ジェット流の水圧 M :単位時間に処理された基材重量
【0019】このようにして得られる不織布からなる清
掃用シートは、密度が0.05〜0.1g/cm3の範
囲である。密度が0.05g/cm3未満では、捕集し
たゴミ等が清掃用シートの裏面に抜けてしまい、密度が
0.1g/cm3を超えると、シート構成が緻密となっ
てしまうので、フィラメント間にゴミを取り込み難くな
ってしまい、拭き取り性が劣るとともに風合いも低下す
るので共に適さない。この不織布からなる清掃用シート
には、必要に応じて界面活性剤、油剤、或いは被清掃面
に光沢を付与する油剤等を含有させてもよい。
【0020】以上説明したように、本発明の不織布から
なる清掃用シートは、不織布の厚み方向において、連続
フィラメント相互間が交絡した一つの表面と、連続フィ
ラメント同士が融着している区域が散点状に存在する他
の表面、即ち裏面との間でフィラメントの交絡と融着が
連続して存在するため、融着区域が破壊され、新たに形
成されたフィラメント相互間の交絡が存在する表面領域
においては繊維の動きに対する自由度は極めて高く、小
さなゴミから大きなゴミに対して優れた拭き取り性を発
揮すると同時に、融着区域が残されている他の表面領域
によって前記繊維フィラメントが交絡している表面とそ
の下の領域は、しっかりと支持されているので、不織布
全体としては表面強度が高く維持され、しかも良好な手
触り感と風合いを有するものとなる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は勿論これらに限定されるものでは
ない。実施例及び比較例において%とあるのは、特に断
らない限り面積%である。
【0022】実施例1 融点が163℃のポリプロピレン樹脂を公知の押出し紡
糸機において230℃で溶融させ、多数の微細孔から押
し出し紡糸した後、エジェクターによる高速エアーで引
き取り延伸、開繊して平均繊維径が15μmの連続長繊
維フィラメント群を形成し、移動するワイヤーからなる
支持体上に捕集・堆積させてウェブを形成させ、このウ
ェブを145℃に加熱した凹凸ロールと平滑ロールから
なるエンボスロールの間に線圧30kg/cmで導入
し、熱と圧により長繊維同士を散点状に融着して、スパ
ンボンド不織布を得た。このスパンボンド不織布の融着
区域の1個当たりの面積は0.8mm2で、融着区域の
面積の合計はスパンボンド不織布の全面積の12%であ
った。次いで、このスパンボンド不織布を30m/分の
速度で移動させながら、孔径0.15mmのノズル孔が
1mm間隔で並んで設けてある、高圧水ジェット流の噴
出装置を用いて、100kg/cm2の水圧で高圧水ジ
ェット流処理を施し、次いで加熱乾燥して目付45g/
2の不織布からなる清掃用シートを得た。この時、ス
パンボンド不織布に与えた比エネルギーは0.90kw
h/kgであった。この不織布の断面を顕微鏡で観察し
た結果、交絡を形成している表面と、融着した区域が残
っている他の表面(裏面)との間の交絡と融着の断面積
の割合は、60:40であった。
【0023】このようにして得られた清掃用シートを次
に示す試験方法で評価した。 試験方法 (1)表面強度 30cm×30cmの広さのガラス板上を清掃用シート
を用いて5回往復して拭き取り、清掃用シートの表面の
繊維の毛羽立ち状態を目視により官能評価した。官能評
価は次の3段階評価で行った。 ○:全く毛羽立ちしない。 △:やや毛羽立ちする。 ×:著しく毛羽立ちする。 (2)密度(g/cm3) JIS P 8118に準じて測定した。 (3)風合い(点) モニター20人による官能評価により風合いを評価し
た。モニターは、清掃用シートを手で揉み、シートの嵩
高さ、柔軟さ、シート表面の感触等の手触り感を判定し
た。評価は、次の基準による1点〜5点までのいずれか
の評価点を選び、その合計点数(100点満点)を風合
い値とした。 5点:シートの手触り感が非常に優れている。 4点:シートの手触り感が優れている。 3点:シートの手触り感が普通である。 2点:シートの手触り感が劣る。 1点:シートの手触り感が非常に劣る。
【0024】(4)拭き取り性能(g) 30cm×30cmの広さのガラスの上に、JIS L
8901に記載された試験用ダストを1g散布し、2
0cm×20cmに断裁した試験に供する清掃用シート
を用いて5回往復して拭き取り、付着したダスト量を測
定した。尚、測定を10回繰り返し、小数点第三位以下
を四捨五入して拭き取られたダスト量の平均値を算出
し、数値の大きいものほど拭き取り性能が優れるとし
た。 (5)頭髪捕集性能(本) 30cm×30cmの広さのガラスの上に、10cm長
さの人頭髪を10本散布し、20cm×20cmに断裁
した試験に供する清掃用シートを用いて5回往復して拭
き取り、付着した頭髪本数を測定した。尚、測定を10
回繰り返し、少数点以下四捨五入して拭き取られた頭髪
本数の平均値を算出し、数値の大きいものほど拭き取り
性能が優れるとした。
【0025】実施例2 実施例1で用いたのと同じ樹脂を用い、公知の押出し紡
糸機において210℃で溶融させ、多数の微細孔から押
し出し紡糸した後、エジェクターによる高速エアーで引
き取り延伸、開繊して平均繊維径が20μmの連続長繊
維フィラメント群を形成し、移動するワイヤーからなる
支持体上に捕集・堆積させてウェブを形成させ、このウ
ェブを150℃に加熱した凹凸ロールと平滑ロールから
なるエンボスロールの間に線圧20kg/cmで導入
し、熱と圧により長繊維同士を散点状に融着して、スパ
ンボンド不織布を得た。このスパンボンド不織布の融着
区域の1個当たりの面積は1.2mm2で、融着区域の
面積の合計はスパンボンド不織布の全面積の14%であ
った。次いで、このスパンボンド不織布を15m/分の
速度で移動させながら、孔径0.15mmのノズル孔が
1mm間隔で並んで設けてある、高圧水ジェット流の噴
出装置を用いて、90kg/cm2の水圧で高圧水ジェ
ット流処理を施し、次いで加熱乾燥して目付70g/m
2の不織布からなる清掃用シートを得た。この時、スパ
ンボンド不織布に与えた比エネルギーは0.99kwh
/kgであった。この不織布の断面を顕微鏡で観察した
結果、交絡を形成している表面と、融着した区域が残っ
ている他の表面(裏面)との間の交絡と融着の断面積の
割合は、70:30であった。このようにして得られた
清掃用シートを実施例1と同様の方法で評価した。
【0026】実施例3 実施例1で用いたのと同じ樹脂を用い、公知の押出し紡
糸機において230℃で溶融させ、多数の微細孔から押
し出し紡糸した後、エジェクターによる高速エアーで引
き取り延伸、開繊して平均繊維径が18μmの連続長繊
維フィラメント群を形成し、移動するワイヤーからなる
支持体上に捕集・堆積させてウェブを形成させ、このウ
ェブを140℃に加熱した凹凸ロールと平滑ロールから
なるエンボスロールの間に線圧30kg/cmで導入
し、熱と圧により長繊維同士を散点状に融着して、スパ
ンボンド不織布を得た。このスパンボンド不織布の融着
区域の1個当たりの面積は2.8mm2で、融着区域の
面積の合計はスパンボンド不織布の全面積の14%であ
った。次いで、このスパンボンド不織布を20m/分の
速度で移動させながら、孔径0.15mmのノズル孔が
1mm間隔で並んで設けてある、高圧水ジェット流の噴
出装置を用いて、70kg/cm2の水圧で高圧水ジェ
ット流処理を施し、次いで加熱乾燥して目付55g/m
2の不織布からなる清掃用シートを得た。この時、スパ
ンボンド不織布に与えた比エネルギーは0.65kwh
/kgであった。この不織布の断面を顕微鏡で観察した
結果、交絡を形成している表面と、融着した区域が残っ
ている他の表面(裏面)との間の交絡と融着の断面積の
割合は、40:60であった。このようにして得られた
清掃用シートを実施例1と同様の方法で評価した。
【0027】比較例1 スパンボンド不織布に高圧水ジェット流処理を施さなか
ったこと以外は、実施例1と同様にして清掃用シートを
得た。この不織布の断面を顕微鏡で観察した結果、交絡
を形成している表面と、融着した区域が残っている他の
表面(裏面)との間の交絡と融着の断面積の割合は、
0:100であった。得られた清掃用シートを実施例1
と同様の方法で評価した。
【0028】比較例2 実施例1において移動するワイヤーからなる支持体上に
捕集・堆積させて形成させたウェブに融着区域を設けな
かったこと以外は、実施例1と同様にして清掃用シート
を得た。この不織布の断面は、交絡を形成している表面
と、他の表面(裏面)との間の交絡と融着の断面積の割
合は、融着区域が形成されていないので100:0であ
った。得られた清掃用シートを実施例1と同様の方法で
評価した。
【0029】比較例3 スパンボンド不織布の融着区域の1個当たりの面積を7
mm2、融着区域の面積の合計をスパンボンド不織布の
全面積の25%としたこと以外は、実施例2と同様にし
て清掃用シートを得た。この不織布の断面を顕微鏡で観
察した結果、交絡を形成している表面と、融着した区域
が残っている他の表面(裏面)との間の交絡と融着の断
面積の割合は、10:90であった。得られた清掃用シ
ートを実施例1と同様の方法で評価した。
【0030】比較例4 スパンボンド不織布の融着区域の1個当たりの面積を
0.3mm2、融着区域の面積の合計をスパンボンド不
織布の全面積の5%としたこと以外は、実施例2と同様
にして清掃用シートを得た。この不織布の断面を顕微鏡
で観察した結果、交絡を形成している表面と、融着した
区域が残っている他の表面(裏面)との間の交絡と融着
の断面積の割合は、90:10であった。得られた清掃
用シートを実施例1と同様の方法で評価した。
【0031】比較例5 高圧水ジェット流処理を施す際に水圧を35kg/cm
2にしたこと以外は、実施例3と同様にして清掃用シー
トを得た。この時のスパンボンド不織布に与えた比エネ
ルギーは0.23kwh/kgであった。この不織布の
断面を顕微鏡で観察した結果、交絡を形成している表面
と、融着した区域が残っている他の表面(裏面)との間
の交絡と融着の断面積の割合は、5:95であった。得
られた清掃用シートを実施例1と同様の方法で評価し
た。
【0032】比較例6 高圧水ジェット流処理を施す際に水圧を150kg/c
2にしたこと以外は、実施例3と同様にして清掃用シ
ートを得た。この時のスパンボンド不織布に与えた比エ
ネルギーは2.03kwh/kgであった。この不織布
の断面を顕微鏡で観察した結果、交絡を形成している表
面と、融着した区域が残っている他の表面(裏面)との
間の交絡と融着の断面積の割合は、100:0であっ
た。得られた清掃用シートを実施例1と同様の方法で評
価した。
【0033】実施例及び比較例で得られた結果を表1に
示した。
【0034】
【表1】
【0035】表1から明らかなように、本発明の清掃用
シートは、風合いや手触り感が良好で、小さいダストの
拭き取り性能と大きなゴミを代表する頭髪捕集性能に優
れ、高い表面強度を有する(実施例1〜3)。これに対
し、連続フィラメントが相互に交絡した層を全く有しな
い場合(比較例1)、融着された区域の面積が大きく、
その割合が多いため、或いは高圧水ジェット流の比エネ
ルギーが小さ過ぎて、前記のようなフィラメントの交絡
が殆ど形成されない場合(比較例3と5)、表面強度は
極めて優れるが、風合いや手触り感が劣り、十分な拭き
取り性能と頭髪捕集性能が得られない。又、連続フィラ
メントが相互に交絡した層を有しても、連続フィラメン
ト同士が融着している区域が散点状に存在する領域を全
く有しない場合(比較例2)、融着された区域があって
も断面積が小さく、その割合も小さい場合(比較例4)
及び融着区域が完全に破壊されて実質的にそのような区
域が残っていない場合(比較例6)共、風合いや拭き取
り性能は良好であるが、表面強度が顕著に劣り、清掃時
の作業性の低下を招く。
【0036】
【発明の効果】本発明は、良好な風合いや手触り感を有
し、拭き取り性能に優れる清掃用シートを提供するとい
う効果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を溶融紡糸して得られる多
    数の連続フィラメント群を延伸、開繊して、捕集・堆積
    したウェブに熱エンボスによる連続フィラメント同士が
    熱融着している区域が散点状に設けられたスパンボンド
    不織布からなる清掃用シートにおいて、前記不織布の厚
    み方向で、熱融着区域が存在せず、連続フィラメント相
    互間が交絡している一表面と、連続フィラメント同士が
    融着している区域が散点状に存在する他の表面との間
    が、該フィラメントの交絡と熱融着が連続的に変化して
    形成されていることを特徴とする清掃用シート。
  2. 【請求項2】 前記不織布の厚み方向で、連続的に変化
    して形成されている熱融着区域が存在せず、連続フィラ
    メント相互間が交絡している表面と、連続フィラメント
    同士が融着している区域が散点状に存在する他の表面と
    の間で形成されている該フィラメントの交絡と熱融着の
    面積割合が20:80〜80:20であることを特徴と
    する請求項1記載の清掃用シート。
JP33681796A 1996-12-17 1996-12-17 清掃用シート Pending JPH10174671A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33681796A JPH10174671A (ja) 1996-12-17 1996-12-17 清掃用シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33681796A JPH10174671A (ja) 1996-12-17 1996-12-17 清掃用シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10174671A true JPH10174671A (ja) 1998-06-30

Family

ID=18302961

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33681796A Pending JPH10174671A (ja) 1996-12-17 1996-12-17 清掃用シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10174671A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4469734A (en) Microfibre web products
US5962112A (en) Wipers comprising point unbonded webs
US6513184B1 (en) Particle entrapment system
EP0573277A1 (en) Apertured abrasive absorbent composite nonwoven web
AU2001271368A1 (en) Particle entrapment system
JP4511546B2 (ja) 清掃用シート
TWI760850B (zh) 不織布
US7846530B2 (en) Creped electret nonwoven wiper
JP3912177B2 (ja) 起毛様不織布、その製造方法及びそれを用いた繊維製品
JPH10331063A (ja) 複合不織布およびその製造方法
JP3851894B2 (ja) メルトブローン不織布、積層メルトブローン不織布、およびワイパー
JP3967848B2 (ja) 清掃用不織布およびその製造方法
JPH10174671A (ja) 清掃用シート
JP2002263043A (ja) ワイピング用不織布
JP3657410B2 (ja) 表面に襞を持つ極細繊維不織布及びその製造方法と不織布製品
JPH1161618A (ja) 極細繊維不織布及びその製造方法
JP4031152B2 (ja) 複合不織布とその製造方法およびこれを用いた清掃用品
JPH10165343A (ja) 清掃用シート及びその製造方法
JP3961343B2 (ja) 清掃用不織布
JP3666828B2 (ja) 帯状割繊区域を持つ不織布及びその製造方法
JP4222925B2 (ja) 高強度長繊維不織布
JP2001200463A (ja) 不織布及びそれを用いた繊維製品
JP4227630B2 (ja) ワイパー
JPH10138378A (ja) 清掃用複合不織布
JPH1037058A (ja) ワイパー用不織シート及びその製造方法