JPH10138378A - 清掃用複合不織布 - Google Patents

清掃用複合不織布

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JPH10138378A
JPH10138378A JP8300554A JP30055496A JPH10138378A JP H10138378 A JPH10138378 A JP H10138378A JP 8300554 A JP8300554 A JP 8300554A JP 30055496 A JP30055496 A JP 30055496A JP H10138378 A JPH10138378 A JP H10138378A
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JP
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nonwoven fabric
cleaning
area
basis weight
tensile strength
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JP8300554A
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Izumi Tashiro
和泉 田代
Tomoji Miyoshi
智次 三好
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い強度を有し、風合い、手触り感が良好
で、大きなゴミから小さなゴミに対し優れた拭き取り性
を有する清掃用複合不織布の提供。 【解決手段】 メルトブロー不織布の両面にスパンボン
ド不織布が積層され、熱融着により繊維同士が融着した
区域を間隔を置いて設けてなる清掃用複合不織布であっ
て、該メルトブロー不織布の平均繊維径が0.5〜6μ
m、目付が8〜35g/m2、該スパンボンド不織布の
平均繊維径が8〜30μm、目付が8〜35g/m2
あり、且つ前記スパンボンド不織布の連続長繊維同士の
融着区域が、JIS L 1906で測定した不織布の
流れ方向における引張強度(N)と目付(g/m2)の
比(引張強度/目付)が0.68〜1.12で示される
弱い接合力で間隔を置いて設けられている。間隔を置い
て設けられているメルトブロー不織布とスパンボンド不
織布の繊維同士の融着した区域の面積の合計が複合不織
布全体の5〜12面積%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広範囲の業務用と
家庭用清掃に好適に用いられる清掃用複合不織布に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、各種産業界や一般家庭で使い捨て
ワイパー又は拭き布の使用が広く普及してきている。使
い捨てワイパーには、各用途毎に要求される性能を満た
し、低価格で提供されることが要求されるが、不織布は
このような条件を満たしうる素材として、注目を集めて
いる。従来、オフィスや店舗の清掃、或いは家庭での清
掃において使用される清掃用具としては、タオルや織布
を利用した雑巾、油剤等をシートに染み込ませ、油剤の
吸着力でゴミを取る化学雑巾、ひも状モップ等が一般的
に用いられてきた。
【0003】タオルや織布を利用した雑巾は、土、ホコ
リ等の小さなゴミや髪の毛、糸くず、綿ボコリ等の大き
なゴミをそれ自身に絡ませて取るものではなく、表面に
付着したゴミは少しの衝撃で振り落とされてしまい、拭
き取り性に劣るものであった。また、ひも状モップや化
学雑巾の場合は、髪の毛のような大きなゴミは繊維自身
に絡ませて取り、土、ホコリ等の小さなゴミは油剤の吸
着力で捕集するものであるが、ガラス面、鏡面等を拭く
のには適していない上、これらに共通して言えること
は、簡便性に劣ることであった。
【0004】このような中で、小さなゴミから大きなゴ
ミまで拭き取れる使い捨ての清掃用シートが開発されて
いる。特開平6―17356号公報及び特開平6―17
361号公報には、網状シートと繊維集合体を絡合した
表面に多数の凹凸状部を有するシートが開示されてい
る。しかしながら、これらのシートは髪の毛のような大
きなゴミは繊維間に絡ませて取り、土、ホコリ等の小さ
なゴミは油剤の吸着力に頼るもので、手で触ったときに
ベタツキ感が残るという欠点を有している。
【0005】使い捨てワイパーや拭き布に用いられるス
パンボンド不織布の製造方法としては、ポリオレフィ
ン、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン等の熱可
塑性樹脂を溶融押出し紡糸機において溶融紡糸し、紡出
された連続フィラメント群をエジェクター或いはエアー
サッカーにより高速エアーで延伸しながら引き取り、衝
突板に当てて開繊し、次いで支持体上に捕集、堆積させ
てウェブを形成させ、このウェブを、加熱された凹凸ロ
ールの間に通し、間欠的な熱接着によって、連続フィラ
メント相互間に自己融着を生じさせ、こうして得られた
多数の点融着区域及び連続フィラメント相互間が自己融
着されていないその他の区域を設ける方法が一般的であ
る。このようにして得られるスパンボンド不織布は、熱
可塑性樹脂の溶融紡糸からシート状に堆積、更には加熱
ロールによる間欠的な融着区域の付与までの製造工程が
直結してオンラインで行うことができるので、生産性に
優れ、製造コストも比較的安価である。更に、得られる
スパンボンド不織布は、高い引張強度と引裂強度を有し
ており、幅広い分野で様々な用途に使用されている。
【0006】同様に、メルトブロー不織布は、熱可塑性
樹脂を溶融し、ノズルから押し出すと同時に、ノズル近
傍で高温高速の空気で紡出された糸条を細化し、極細繊
維を形成する紡糸工程と、その極細繊維が未だ完全に固
化せず融着性を持った状態にあるとき、その極細繊維を
捕集・集積し、不織布を形成する捕集工程を経て製造さ
れる。従って、メルトブロー不織布は、多数の極細繊維
で構成されており、各種フィルター、マスク、医療用基
材等の用途に好適に使用されている。この理由として
は、構成繊維間の間隙が小さいため、通気性を有しなが
らも細かいダスト等を通さないという特性を有するため
である。
【0007】前記スパンボンド不織布とメルトブロー不
織布の有する特徴を生かすため、スパンボンド不織布と
メルトブロー不織布を積層して複合不織布とし、ワイパ
ーとして使用する技術が特開昭59―67043号公報
に開示されている。このワイパーは、約10ミクロンま
での平均直径を有するメルトブロー熱可塑性微繊維から
なり17〜170g/m2の目付の界面活性剤で処理さ
れたウェブと、該ウェブの両側に存在し、約10ミクロ
ン以上の平均直径を有する連続の熱可塑性フィラメント
からなり約7〜34g/m2の範囲の目付の界面活性剤
で処理されているウェブとを含む積層物から構成されて
いる。ここに用いられている連続フィラメントウェブ
は、不織布層をメルトブロー層と組み合わせる前に個々
に型押しして結合させられる。例えば、そのような結合
は、6.45cm2(1平方インチ)当り約153個の
結合点と約25%の結合表面積を有する型押し機を米国
意匠特許第264、512号明細書に示されている型押
し機と同様に使用して形成されるものである。しかしな
がら、この複合不織布は界面活性剤で処理することによ
りシートに湿潤性を持たせたもので、しかも連続フィラ
メントは、型押し機により強固に結合されており、少々
のこすれや摩擦では容易にフィラメントの結合は破壊さ
れないので、小さなゴミの捕集、油及び水の吸収性には
優れているものの、大きなゴミを繊維に絡めて捕集でき
るものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、風合い
と手触り感が良好であり、小さなゴミから大きなゴミま
での拭き取り性能に優れ、且つ強度が高い清掃用シート
について鋭意研究した結果、小さなゴミの捕集に優れる
極細繊維からなるメルトブロー不織布の両面に、弱く熱
融着された融着区域を有する、いわゆる弱エンボスが施
されたスパンボンド不織布を配置し三層積層体とし、次
いで更に該積層体を熱融着により一体化して得られる複
合不織布は、各不織布の目付と繊維径を特定の範囲に抑
制し、とりわけスパンボンド不織布の引張強さと目付の
割合により示されるスパンボンド不織布の繊維同士の融
着力を調整することにより、拭き取りの際の擦れにより
スパンボンド不織布における熱融着区域が容易に破壊さ
れ、長繊維の広がりが容易となり、つまり大きなゴミの
捕集に効果的な繊維の動きの自由度が高くなり、それに
よって大きなゴミの捕集が一層容易となることから、高
い強度と良好な風合いを有し、且つ大きなゴミから小さ
なゴミまでの拭き取り性に極めて優れることを見出し本
発明を完成するに至った。本発明の目的は、高い強度を
有し、風合い、手触り感が良好で、大きなゴミから小さ
なゴミに対し優れた拭き取り性を有する清掃用複合不織
布を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、メルト
ブロー不織布の両面にスパンボンド不織布が積層され、
熱融着により繊維同士が融着した区域を間隔を置いて設
けてなる清掃用複合不織布において、該メルトブロー不
織布の平均繊維径が0.5〜6μm、目付が8〜35g
/m2、該スパンボンド不織布の平均繊維径が8〜30
μm、目付が8〜35g/m2であり、且つ前記スパン
ボンド不織布の連続長繊維同士の融着区域が、JIS
L 1906で測定した不織布の流れ方向における引張
強度(N)と目付(g/m2)の比(引張強度/目付)
が0.68〜1.12で示される弱い接着力で間隔を置
いて設けられていることを特徴とする清掃用複合不織布
である。本発明の第二は、間隔を置いて設けられてい
る、メルトブロー不織布とスパンボンド不織布の繊維同
士の融着した区域の面積の合計が複合不織布全体の5〜
12面積%であることを特徴とする本発明第一に記載の
清掃用複合不織布である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において使用されるスパン
ボンド不織布は、熱可塑性樹脂を溶融紡糸して連続フィ
ラメントを形成し、このフィラメント群を集積してウェ
ブとした後、加熱された平滑ロールと凹凸ロールからな
る熱エンボスロールに通し、間欠的な熱接着、即ち熱エ
ンボスによって、連続フィラメント相互間に融着による
弱い接着力を生じてなる多数の点融着区域と、同時に熱
接着されておらず、連続フィラメント相互間が固定され
ていない区域とを有するもので、このような熱エンボス
を行う方法は公知のものがそのまま適用されるが、本発
明においては、前記融着区域が弱い接着力で構成されて
いることが必須である。本発明では、前記弱い接着力で
構成される融着区域は、スパンボンド不織布のJIS
L 1906で測定した不織布の流れ方向の引張強度
(N)と目付(g/m2)の比(引張強度/目付)が
0.68〜1.12の範囲となるように、平均繊維径、
目付、加熱エンボスロールにおける温度、融着区域の接
着面積等を調整することにより達成される。前記の比
(引張強度/目付)が0.68未満では複合不織布の強
度が弱すぎ、スパンボンド不織布の生産性の低下を招
く。又、引張強度/目付が1.12を超えて高くなる
と、清掃用複合不織布として用いた時に床や壁を擦って
も点融着区域がほぐれず、従って繊維フィラメントの動
きに対する自由度が生ぜず、長繊維は殆ど動かないた
め、大きなゴミを繊維に絡ませて補足できないから良好
な拭き取り性が得られない。
【0011】本発明に用いられるスパンボンド不織布
は、製造に際し紡出されたフィラメント群を支持体上に
捕集・堆積させて形成されたウェブを加熱された凹凸ロ
ールに通し、間欠的な融着による弱い接着で形成される
融着区域により、適切な引張強度が付与されている。前
記融着区域における長繊維同士の融着の程度と融着区域
の面積が大きければ、一定の繊維径と目付で比較する
と、スパンボンド不織布の引張強度は上がるが、長繊維
は固定されているために清掃用複合不織布として用いた
時の拭取性に劣り、逆に、融着の程度と融着区域の面積
を小さくすると、相対的に引張強度は低下するが、実用
上は問題なく、このような清掃用複合不織布を掃除のた
めに実際に用いた時、床、壁等の被清掃対象物を擦るこ
とで、それまでは融着区域を形成し、不織布の形態安定
性に寄与していた融着区域が容易に破壊されてほぐれ、
それによって長繊維の動きに対する自由度が広がって、
長繊維が動き易くなり、大きなゴミを繊維間に絡めて取
り去ることができる。従って、前記したように引張強度
と目付の比を調整することによりスパンボンド不織布の
弱エンボス処理により生じた融着区域における接着強度
の程度、つまり前記不織布の大きなゴミに対する拭き取
り性の良否をコントロールすることができる。
【0012】本発明に用いられるスパンボンド不織布の
引張強度を所望の範囲に設定する具体的な方法として
は、スパンボンド不織布の製造工程中、加熱された平滑
ロールと凹凸ロール間に長繊維ウェブを通過させ、ウェ
ブに間欠的な融着区域を設ける際にロール温度を、用い
る熱可塑性樹脂の融点より30〜50℃低く設定するこ
とと、前記間欠的な点融着区域の面積の合計を、スパン
ボンド不織布の全面積の5〜10面積%の範囲にするこ
とを併用するか、或いは前記加熱ロールにおける処理時
のロール温度と融着区域の面積のどちらか一方の条件を
コントロールして前記の引張強度と目付けの比を調整す
ることが行われる。スパンボンド不織布のための熱可塑
性樹脂としては、公知の樹脂をそのまま使用することが
でき、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹
脂、ポリウレタン系樹脂等を挙げることができ、これら
の中から選択して用いられる。
【0013】前記スパンボンド不織布を構成する連続長
繊維の平均繊維径は、8〜30μmの範囲である。平均
繊維径が8μm未満では、安定した性状の繊維を製造す
るのが技術的に困難となり、平均繊維径が30μmを超
えて太くなると、不織布の柔軟性が低下し、清掃用複合
不織布として使用した場合の拭き取り性の低下を招くの
で適さない。前記スパンボンド不織布のJIS L 1
906で測定した単位面積当りの質量(g/m2)を本
願発明では目付と定義し、この目付は8〜35g/m2
の範囲である。目付が8g/m2未満では、清掃用複合
不織布として用いた場合に、十分な拭き取り性が得られ
ない。又、目付が35g/m2を超えて大きくなると、
シート全体が重くなり過ぎて作業性を低下させるばかり
でなく、風合いも低下する。
【0014】次に、本発明に用いられるメルトブロー不
織布を製造する方法も熱可塑性樹脂をノズルから押し出
すと同時に、ノズル近傍で高温高速の空気を吹き付け溶
融紡糸された糸を細化して極細繊維とし、この極細繊維
をまだ完全に固化しないで融着性を有している間に捕集
・集積し、ウェブを形成させるという公知の方法が用い
られる。熱可塑性樹脂としては、スパンボンド不織布と
同様に公知の樹脂をそのまま使用することができるが、
好ましくは複合不織布を製造する際に実際に用いられた
スパンボンド不織布のための樹脂と同一の樹脂を使用す
るのがよい。前記メルトブロー不織布を構成する極細繊
維の平均繊維径は0.5〜6μmの範囲である。平均繊
維径が0.5μm未満では、紡糸条件が厳しくなって極
細繊維を安定して製造することが困難になり、又、繊維
径が6μmを超えて大きくなると、不織布が硬くなり、
風合いが低下するため適さない。前記メルトブロー不織
布の目付は、スパンボンド不織布の場合と同じく8〜3
5g/m2の範囲である。目付が8g/m2未満では、清
掃用複合不織布の不透明度を十分に向上させることがで
きないとともに、小さなダストの捕集性能にやや劣り、
目付が35g/m2を超えて大きくなると、不織布が厚
くなり、風合いが低下するため適さない。
【0015】以上のようにして得られたスパンボンド不
織布とメルトブロー不織布を、メルトブロー不織布の両
面にスパンボンド不織布を配置する形で積層する。この
三層の積層体を一体化させる方法としては、熱エンボス
装置、高周波接着装置、超音波接着装置等を用い、不織
布を構成する長繊維の樹脂の熱融着により自己融着区域
を設ける公知の方法が用いられる。前記融着区域の合計
面積は、複合不織布の全面積当り5〜12面積%の範囲
である。融着区域の合計面積が5面積%未満では、得ら
れる複合不織布の強度が弱くなり、清掃時に層間剥離を
起こし易くなる。又、融着区域の合計面積が12面積%
を超えて大きくなると、繊維の自由度が失われて、繊維
の動ける部分が少なくなり、その結果拭き取り性の低下
を招く。
【0016】三層積層体の一体化のためにエンボス加工
を施す際に、例えば加熱ロールを使用する場合、加熱ロ
ールはメルトブロー不織布の繊維が溶融する温度に設定
することにより複合不織布に極めて顕著な拭き取り性を
付与することができる。通常、スパンボンド不織布とメ
ルトブロー不織布の原料に同一の融点を有する熱可塑性
樹脂を用いた場合でも、樹脂の繊維化後の結晶化度、繊
維化前のメルトフローレート、繊維化後の形状と大きさ
等の相違により、熱エンボスロールの場合のように加圧
下において熱が加えられる場合はメルトブロー不織布の
繊維の方がスパンボンド不織布のものより低い温度で溶
融する。本発明では、この性質を利用して、二つのスパ
ンボンド不織布層の間に挿入されているメルトブロー不
織布層の繊維のみを熱溶融させ、つまり接着剤的な効果
を発現させ、それによって表と裏のスパンボンド不織布
の繊維は、エンボス部分で溶融してフィルム状になら
ず、繊維形状を保持しながらメルトブロー不織布の繊維
と接着するので、三層積層体の一体化が良好に行えると
共に、剥離可能な程度にスパンボンド不織布の繊維の固
着ができるので、繊維の動きに十分な自由度が付与さ
れ、こうして本発明の複合不織布は、清掃に用いられる
と十分な拭き取り性を発揮できるのである。
【0017】以上説明したように、本発明の清掃用複合
不織布は、被清掃物品と接触する面、即ち複合不織布の
表面と裏面に配置するスパンボンド不織布の融着区域に
おける接着強度を調整し、清掃に際し擦れにより前記融
着区域が容易に破壊され、こうして繊維の運動の自由度
を高め、大きい形状のゴミを繊維に絡めて取り込む機能
を発揮させ、同時に中間層にメルトブロー不織布を配置
することで不織布の繊維同士を固着し、小さい形状のゴ
ミを取り込む機能を発揮させることができるので、優れ
た拭り取り性と作業性を有するものとなる。
【0018】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は勿論これらに限定されるものでは
ない。
【0019】実施例1 平均繊維径が1μmで、目付が20g/m2のポリプロピ
レン樹脂(品番:S13B、グランドポリマー社製、融
点:161℃、メルトフローレート:700g/10
分)からなるメルトブロー不織布を用意した。次に、前
記と同一のポリプロピレン樹脂(品番:S139L、グ
ランドポリマー社製、融点:161℃、メルトフローレ
ート:65g/10分)を230℃で溶融、紡糸して得
た多数の連続フィラメント群を延伸、開繊して捕集・堆
積後ウェブを形成させ、このウェブを120℃に加熱し
た平滑ロールと凹凸ロールからなるエンボスロールの間
を通し、長繊維同士を散点状に融着して、平均繊維径が
20μm、目付が20g/m2のスパンボンド不織布を
製造した。このスパンボンド不織布の融着区域の面積の
合計はスパンボンド不織布の全面積の8面積%であり、
JIS L 1906で測定した不織布の流れ方向にお
ける引張強度は22Nであった。スパンボンド不織布の
目付に対する引張り強度の比(引張強度/目付)は1.
10であった。
【0020】次いで、前記メルトブロー不織布の両面に
スパンボンド不織布を積層し、95℃に加熱したエンボ
スロールを用いて三層積層体の不織布を散点状に溶融接
着させ一体化し、清掃用複合不織布を得た。前記複合不
織布において、三層が融着している融着区域の面積の合
計は清掃用複合不織布の全面積の10面積%であった。
このようにして得られた清掃用シートを次に示す試験方
法で評価した。試験方法 (1)風合い(点):モニター20人による官能評価に
より風合いを評価した。モニターは、不織布を手で揉
み、嵩高さ、柔軟さ、表面の感触等の手触り感を判定し
た。評価は、次の基準による1点〜5点までのいずれか
の評価点を選び、その合計点数を風合いの値とした。点
数の多いものほど風合いが優れている。 5点:シートの手触り感が非常に優れている。 4点:シートの手触り感が優れている。 3点:シートの手触り感が普通である。 2点:シートの手触り感が劣る。 1点:シートの手触り感が非常に劣る。
【0021】(2)拭き取り性能(g):30cm×3
0cmの広さのガラス板の上に、JIS Z 8901
に記載された試験用ダストを1g散布し、20cm×2
0cmに断裁した試験に供する清掃用複合不織布を用い
て5回往復して拭き取り、不織布に付着したダスト量を
測定した。尚、測定を10回繰り返し、小数点以下3桁
を四捨五入して拭き取られたダスト量の平均値を算出
し、数値の大きいものほど拭き取り性能が優れるとし
た。 (3)頭髪捕集性能(本):30cm×30cmの広さ
のガラスの上に、長さが10cmの人の頭髪10本を散
布し、20cm×20cmに断裁した試験に供する清掃
用複合不織布を用いて5回往復して拭き取り、不織布に
付着した頭髪本数を測定した。尚、測定を10回繰り返
し、小数点以下四捨五入して拭き取られた頭髪本数の平
均値を算出し、数値の大きいものほど拭き取り性能が優
れるとした。
【0022】実施例2 平均繊維径が3μmで、目付が30g/m2の実施例1
で用いたのと同じポリプロピレン樹脂からなるメルトブ
ロー不織布を用意した。次に、前記と同一のポリプロピ
レン樹脂を230℃で溶融、紡糸して得た多数の連続フ
ィラメント群を延伸、開繊して捕集・堆積後ウェブを形
成させ、このウェブを125℃に加熱した平滑ロールと
凹凸ロールからなるエンボスロールの間を通し、長繊維
同士を散点状に融着して、平均繊維径が25μm、目付
が10g/m2のスパンボンド不織布を製造した。この
スパンボンド不織布の融着区域の面積の合計はスパンボ
ンド不織布の全面積の10面積%であり、JIS L
1906で測定した不織布の流れ方向における引張強度
は10Nであった。スパンボンド不織布の目付に対する
引張り強度の比(引張強度/目付)は1.00であっ
た。次いで、前記メルトブロー不織布の両面にスパンボ
ンド不織布を積層し、90℃に加熱したエンボスロール
を用いて三層積層体の不織布を散点状に溶融接着させ一
体化し、清掃用複合不織布を得た。前記複合不織布にお
いて、三層が融着している融着区域の面積の合計は清掃
用複合不織布の全面積の8面積%であった。このように
して得られた清掃用複合不織布を実施例1と同様の方法
で評価した。
【0023】実施例3 平均繊維径が1μmで、目付が10g/m2の実施例1
で用いたのと同じポリプロピレン樹脂からなるメルトブ
ロー不織布を用意した。次に、前記と同一のポリプロピ
レン樹脂を230℃で溶融、紡糸して得た多数の連続フ
ィラメント群を延伸、開繊して捕集・堆積後ウェブを形
成させ、このウェブを110℃に加熱した平滑ロールと
凹凸ロールからなるエンボスロールの間を通し、長繊維
同士を散点状に融着して、平均繊維径が15μm、目付
が30g/m2のスパンボンド不織布を製造した。この
スパンボンド不織布の融着区域の面積の合計はスパンボ
ンド不織布の全面積の8面積%であり、JIS L 1
906で測定した不織布の流れ方向における引張強度は
27Nであった。スパンボンド不織布の目付に対する引
張り強度の比(引張強度/目付)は0.90であった。
次いで、前記メルトブロー不織布の両面にスパンボンド
不織布を積層し、100℃に加熱したエンボスロールを
用いて三層積層体の不織布を散点状に溶融接着させ一体
化し、清掃用複合不織布を得た。前記複合不織布におい
て、三層が融着している融着区域の面積の合計は清掃用
複合不織布の全面積の6面積%であった。このようにし
て得られた清掃用複合不織布を実施例1と同様の方法で
評価した。
【0024】比較例1 スパンボンド不織布の製造工程において、ポリプロピレ
ン樹脂を230℃で溶融、紡糸して得た多数の連続フィ
ラメント群を延伸、開繊して捕集・堆積後ウェブを形成
させ、このウェブを150℃に加熱した平滑ロールと凹
凸ロールからなるエンボスロールの間を通したこと及び
JIS L 1906で測定した不織布の流れ方向にお
ける引張強度が60Nのスパンボンド不織布を用いたこ
と以外は、実施例1と同様にして三層積層体を一体化し
てなる複合不織布を得た。スパンボンド不織布の目付に
対する引張強度の比(引張強度/目付)は3.00であ
った。このようにして得られた清掃用シートを実施例1
と同様の方法で評価した。
【0025】比較例2 スパンボンド不織布の目付が40g/m2、JIS L
1906で測定した不織布の流れ方向における引張強
度が40Nのスパンボンド不織布を用いたこと以外は、
実施例1と同様にして三層積層体を一体化してなる複合
不織布を得た。スパンボンド不織布の目付に対する引張
強度の比(引張強度/目付)は1.00であった。この
ようにして得られた清掃用複合不織布を実施例1と同様
の方法で評価した。
【0026】比較例3 実施例1と同一のポリプロピレン樹脂を230℃で溶
融、紡糸して得た多数の連続フィラメント群を延伸、開
繊して捕集・堆積後ウェブを形成させ、このウェブを1
50℃に加熱した平滑ロールと凹凸ロールからなるエン
ボスロールの間を通し、長繊維同士を散点状に融着し
て、平均繊維径が25μm、目付が18g/m2のスパ
ンボンド不織布を製造した。このスパンボンド不織布の
融着区域の面積の合計はスパンボンド不織布の全面積の
20面積%であり、JIS L 1906で測定した不
織布の流れ方向における引張強度は45Nであった。ス
パンボンド不織布の目付に対する引張り強度の比(引張
強度/目付)は2.50であった。次いで、実施例2で
用いたのと同様のメルトブロー不織布の両面に前記スパ
ンボンド不織布を積層し、90℃に加熱したエンボスロ
ールを用いて三層積層体の不織布を散点状に溶融接着さ
せ一体化し、清掃用複合不織布を得た。前記複合不織布
において、三層が融着している融着区域の面積の合計は
清掃用複合不織布の全面積の8面積%であった。このよ
うにして得られた清掃用複合不織布を実施例1と同様の
方法で評価した。
【0027】比較例4 メルトブロー不織布の両面に、スパンボンド不織布を積
層し、加熱したエンボスロールを用いて三層積層体の不
織布を散点状に溶融接着させ一体化する際の加熱温度を
150℃とし、三層が融着している融着区域の面積の合
計を清掃用複合不織布の全面積の20面積%としたこと
以外は、実施例3と同様にして複合不織布を得た。この
ようにして得られた清掃用複合不織布を実施例1と同様
の方法で評価した。
【0028】実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた
結果を表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】表1から明らかなように、本発明の清掃用
シートは、風合いが良好で、小さいダストの拭き取り性
能と大きなゴミを代表する頭髪捕集性能に優れ、高い強
度を有するものである(実施例1〜3)。これに対し、
スパンボンド不織布の目付に対する引張強度が高い場合
(比較例1、3)十分な拭き取り性能と頭髪捕集性能が
得られない。スパンボンド不織布の目付が高すぎると
(比較例2)頭髪捕集性能は有するが、小さいダストの
拭き取り性能にやや難があり、風合いが劣る。又、メル
トブロー不織布の両面にスパンボンド不織布を積層した
シートの三層の接着部分の面積率が大きいと(比較例
4)十分な拭き取り性能と頭髪捕集性能が得られず、風
合いが劣る。
【0031】
【発明の効果】本発明は、風合い、手触り感に優れ、小
さなゴミから大きなゴミまでの拭き取り性能に優れる清
掃用複合不織布を提供するという効果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトブロー不織布の両面にスパンボン
    ド不織布が積層され、熱融着により繊維同士が融着した
    区域を間隔を置いて設けてなる清掃用複合不織布におい
    て、該メルトブロー不織布の平均繊維径が0.5〜6μ
    m、目付が8〜35g/m2、該スパンボンド不織布の
    平均繊維径が8〜30μm、目付が8〜35g/m2
    あり、且つ前記スパンボンド不織布の連続長繊維同士の
    融着区域が、JIS L 1906で測定した不織布の
    流れ方向における引張強度(N)と目付(g/m2)の
    比(引張強度/目付)が0.68〜1.12で示される
    弱い接着力で間隔を置いて設けられていることを特徴と
    する清掃用複合不織布。
  2. 【請求項2】 間隔を置いて設けられている、メルトブ
    ロー不織布とスパンボンド不織布の繊維同士の融着した
    区域の面積の合計が複合不織布全体の5〜12面積%で
    あることを特徴とする請求項1記載の清掃用複合不織
    布。
JP8300554A 1996-11-12 1996-11-12 清掃用複合不織布 Pending JPH10138378A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11343500A (ja) * 1998-06-02 1999-12-14 Kao Corp 清掃用シート
JP2004531338A (ja) * 2001-06-29 2004-10-14 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 強化繊維性ウェブと湿式交絡された、梳毛されたステープルファイバーの繊維性ウェブを含むクリーニングシート

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JPH11343500A (ja) * 1998-06-02 1999-12-14 Kao Corp 清掃用シート
JP2004531338A (ja) * 2001-06-29 2004-10-14 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 強化繊維性ウェブと湿式交絡された、梳毛されたステープルファイバーの繊維性ウェブを含むクリーニングシート

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