JPH10174577A - 新規なビール・発泡酒およびその製造方法 - Google Patents

新規なビール・発泡酒およびその製造方法

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JPH10174577A
JPH10174577A JP35257796A JP35257796A JPH10174577A JP H10174577 A JPH10174577 A JP H10174577A JP 35257796 A JP35257796 A JP 35257796A JP 35257796 A JP35257796 A JP 35257796A JP H10174577 A JPH10174577 A JP H10174577A
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beer
buckwheat
starch
malt
filtration
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JP35257796A
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English (en)
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Kimio Kondo
君夫 近藤
Yoshio Shinba
芳夫 榛葉
Mikio Fukuzawa
幹雄 福沢
Misao Nakashiro
巳佐男 中城
Iwao Shimaoka
巌 島岡
Atsushi Kashishita
淳 栢下
Noriyo Yokoyama
典代 横山
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NAGANO PREF GOV
Kissei Pharmaceutical Co Ltd
Nagano Prefecture
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NAGANO PREF GOV
Kissei Pharmaceutical Co Ltd
Nagano Prefecture
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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)
  • Alcoholic Beverages (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 副原料としてそば由来の澱粉を用いて製造し
た新規なビールまたは発泡酒の開発。 【解決手段】糖質副原料としてそば由来澱粉を使用して
糖化を行い、得られた麦汁を常法に従いマイシェろ過、
麦汁煮沸、発酵、貯酒及びろ過等を行うことにより新規
なビールまたは発泡酒を製造する。そば由来澱粉として
化学的処理により得た澱粉及び製粉操作による花粉等を
使用した当該製造方法は、糖化効率、ろ過効率を改善
し、従来のコメやコーンスターチを用いた場合には実現
できなかったインフュージョン法による仕込操作を可能
にする簡便かつ効率的なものである。また、当該製造方
法にて得られるビールまたは発泡酒は独特な風味、酸味
を有しており、すっきりしたのどごしの優れたものであ
り、多様化する需要者の嗜好を満足すべく提供できる新
規なビールまたは発泡酒である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、そば由来の澱粉を
主成分とする物質を副原料として製造された新規なビー
ルまたは発泡酒及びその製造方法並びにビールまたは発
泡酒製造における新規な副原料であるそば由来の澱粉を
主成分とする物質の使用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】そばは他の穀類に比べて糖分の含量が少
なく蛋白質の含量が高いため健康食品として多くの人々
に親しまれているが、古くからそばにはコレステロール
を低下させる作用があると言い伝えられていたことか
ら、最近、その活性成分の分画が試みられ、蛋白質を3
0〜70%含有する抽出物について血中コレステロール
低下作用を有することが確認されている(特開平7−2
36440号公報)。さらに上記抽出物に関しては種々
の研究がなされ、脂肪蓄積抑制作用、便秘改善作用およ
びコレステロール胆石抑制作用などの作用を有すること
も見出されている(特願平7−354788号、特願平
7−354789号、特願平8−265017号)。
【0003】このように、そばの蛋白質成分は多くの有
用性を有するものであることが確認され、各方面への利
用が図られつつある。しかしながら、そばから有用成分
である蛋白質を主成分とする画分を分離した残りの澱粉
を主成分とする画分(以下、そば由来の澱粉質成分又は
単にそば由来の澱粉という)は、その有用性が見出され
ていないため、有効利用されることなく、廃棄されてい
るのが実状である。
【0004】一方、そば自体は古来から常食されてお
り、他の穀類と同様に酒類の原料としても利用されてい
る。これまでそばを用いて製造された酒類としては、米
の代替原料としてそばを用いた清酒・焼酎等が提案され
ている(特開昭52−25098号公報、特開昭61−
254175号公報、特開平2−186973号公
報)。しかしながら、これまでビール・発泡酒の原料と
して使用されたことはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ビールおよび発泡酒
は、図1(概要図)に示される通り、通常仕込工程にお
いてまず主原料である麦芽をモルトミルにて粉砕し、粉
砕麦芽を水と共に適宜糖質副原料等を添加して仕込み、
糖化後得られた麦汁を麦汁ろ過によりマイシェから分離
した後発酵させることにより製造される。
【0006】ビールまたは発泡酒の製造は、清涼感の付
与、光沢の向上、あるいは独特の風味を付与するなどの
ために、糖質からなる種々の副原料を限度量を越えない
範囲での使用が許されている(酒税法)が、これまで糖
質副原料としては米、トウモロコシ、コウリャン等の禾
本科植物由来の糖質が使用されているのみである。
【0007】しかしながら、ビール製造において上記従
来の副原料を使用した場合、仕込み上取扱いが容易とは
いえず、特に、糖化工程、麦汁ろ過工程において難があ
る。例えば、副原料の糖化反応を効果的、効率的に行う
ため仕込方法として仕込釜の他に工程上別途高温に維持
した釜を要するデコクション法等を適用しなければなら
ず、複雑な装置および煩雑な工程を採用する必要があっ
た。また、麦汁ろ過にはかなりの時間を要する上、所要
時間が一定しないなどろ過工程にも難点があった。
【0008】簡易的または小規模生産を行う地ビール産
業分野においては、特に装置等の施設に対する初期投資
が抑制されるため、一般的に地ビール工場においては簡
便なインフュージョン法により仕込が行われており、副
原料を使用すること自体が困難であり、副原料は殆ど使
用されていないのが現状である。このように、地ビール
産業においては採用できる仕込方法の選択の幅は一般的
に狭く、ビール等に種々の特徴をもたらし、簡便に別途
特性を付与することのできる副原料を使用することがで
きなかった。
【0009】近年地ビール事業が隆盛し、地ビールを含
め多種多様なビール・発泡酒が流通する今日、需要者の
嗜好性の多様化に応えるべく益々ビール・発泡酒製品の
差別化が求められており、新規ビール・発泡酒の開発に
向けて鋭意研究がなされている。地ビール事業において
も、簡易工場で副原料を用いたビール製造が容易になれ
ば多様な需要者の嗜好に適合したビールの開発が促進さ
れ、地ビール生産を益々活性化させることができ、地ビ
ール産業に多大な貢献をもたらすことができる。しかし
ながら、従来の副原料の使用には上記の如く課題がある
ため、仕込操作あるいは温度条件等における差別化が行
われているにすぎない。
【0010】それ故、ビールおよび発泡酒を製造するに
際し、仕込工程においてその操作性を改善し、仕込方法
に制限を与えないような新規な副原料が登場し、また新
しい質の高いビールまたは発泡酒を製造できる新規な副
原料の開発が大いに期待されている。
【0011】
【発明の開示】本発明者らはそば由来の澱粉質成分の新
規用途を見出すべく鋭意研究した結果、たで科植物であ
るそば由来の澱粉質成分が非常に優れた性質を有してい
ることを見出し、ビールまたは発泡酒製造の副原料とし
て好適であるという知見を得、本発明をなすに至った。
【0012】本発明は、そば由来の澱粉を主成分とする
物質を副原料として製造された新規なビールまたは発泡
酒を提供するものであり、さらにまたそれらの製造方法
及びビールまたは発泡酒製造における新規は副原料であ
るそば由来の澱粉を主成分とする物質の使用に関するも
のである。
【0013】本発明は、副原料としてそば由来の澱粉を
用いることにより、仕込み工程において仕込み方法を制
限せず、簡便かつ効率的なビールの製造を可能にするも
のであり、例えば、地ビール工場の如くインフュージョ
ン法を適用する比較的単純な仕込み装置においても容易
に製造することができる。
【0014】本発明は、そば由来の澱粉が麦芽中の酵素
により容易に糖化される性質を有し、かつ発酵可能な糖
質に短時間で変換されるという性質を見出したことに基
づくものであり、この性質により、従来からの副原料で
あるコーンスターチなどを用いた場合に要した糖化時間
を大幅に短縮することができ、しかも充分な糖濃度を有
する麦汁を得ることができるという格別の効果を奏す
る。このため、単槽式の仕込槽によっても、そば由来の
澱粉を副原料として使用することにより、容易に高品質
のビール製造に必要な麦汁を容易に調製することが可能
である。
【0015】また、副原料としてコーンスターチなどを
使用した場合と比較して麦汁のろ過時間を測定したとこ
ろ、そば由来の澱粉を使用した場合非常に短時間で麦汁
ろ過操作を完了することができる。この麦汁ろ過操作は
仕込工程において最も時間を要する操作であり、当該操
作の短縮はビール製造をより簡便にするものである。そ
れ故、そば由来の澱粉を副原料として使用した場合、ビ
ールの仕込工程における麦汁のろ過時間を短縮すること
ができ、操作性に非常に優れている。
【0016】即ち、そば由来の澱粉を使用してビールま
たは発泡酒を製造した場合、従来の副原料を用いて製造
した場合に比べ糖化時間が非常に短く、得られた麦汁の
ろ過も容易であり、これまで専ら仕込工程において複雑
な装置および煩雑な工程を要するデコクション法に従っ
て製造されていた、副原料を使用した従来の製造方法を
より簡略化、簡便化することができ、その操作性を改善
させるものであることを見出した。このことは、特に地
ビール工場等で通常使用しているような簡易型または小
規模な施設においても、簡便なインフュージョン法を適
用して高品質のビールの製造を可能にするものである。
【0017】例えば、仕込工程においてインフュージョ
ン法を採用し、副原料としてそば由来の澱粉を使用した
場合、従来のコーンスターチを使用した際に発生する糖
化効率の低下、糖化不足、ろ過時間の浪費等の種々の問
題点を解消するものであり、簡易型または小規模工場に
おいても副原料を使用したビール製造を容易ならしめる
ものである。このことにより、地ビール開発において
も、単槽式の仕込槽の如く比較的単純な仕込装置におい
ても多様な新規ビールの製造が可能となる。
【0018】本発明は、このように、全く利用されるこ
となく廃棄されていたそば由来の澱粉が高い利用価値を
有することを見出したものであり、そば由来の澱粉のビ
ール・発泡酒製造への使用が糖化効率や麦汁のろ過効率
に向上に寄与し、仕込工程における煩雑さを改善し、地
ビール工場の如くインフュージョン法を適用する比較的
単純な仕込装置においても容易にビール・発泡酒を製造
することを可能にするものである。
【0019】
【発明の実施の態様】本発明のそば由来の澱粉を用いた
ビールまたは発泡酒は以下のようにして製造することが
できる。即ち、所定の温度に加温した仕込水を入れた仕
込槽に粉砕麦芽と共にそば由来の澱粉を投入し、麦芽中
に含まれる酵素を利用してマイシェの糖化を行う。糖化
を終えたマイシェは直ちに麦糟と分離され、発酵に必要
十分な糖を含むように調整され、以降の工程に移され
る。
【0020】仕込の際、温度、pH、保持時間等は通常
の条件で可能であるが、65〜75℃、pH4.5〜6
で数時間行うのが好ましい。仕込温度は高い方が糖化時
間は短時間で済むが、ビールまたは発泡酒の泡持ち特性
を考慮し、使用する麦芽の酵素力に合った温度を常法に
従い選択することができる。また、そば由来の澱粉とし
ては、例えば、化学的処理により得られるそば澱粉や澱
粉含量が比較的高いそば組成物、機械的な製粉処理によ
り得られる内層粉などのそば粉を用いることができる
が、澱粉含量が低い程麦汁のろ過効率が低下するため、
ろ過効率上澱粉含量の高いものを使用するのが好まし
く、澱粉含量が低い場合、適宜、アミラーゼ等の酵素製
剤を使用して操作性を向上させるのが好ましい。
【0021】このようにして得られた麦汁を用いて、通
常の方法に従い、以後麦汁煮沸、ホップ添加、冷却、発
酵、貯酒、ビールろ過等を行うことによりビールまたは
発泡酒を製造する。
【0022】そば由来の澱粉を副原料として用いて製造
されたビールは、のどごしがよく、若干の酸味を呈し、
独特な風味を有するものであり、従来のビールとは一風
異なる新規な味わいのある優れたビールである。また、
そば由来の澱粉を副原料、例えば花粉(はなこ)を用い
て製造された発泡酒は、のどごしがよく、独特な香味を
有するものであり、従来の発泡酒とは一風異なる新規な
味わいのある優れた発泡酒である。このように、そば由
来の澱粉は、従来の副原料の代替原料として非常に有用
性の高い物質であり、当該そば由来の澱粉を副原料とし
て用いて製造されたビールは従来のビールとは異なる特
性を有する特徴的なビールである。
【0023】本発明で用いるそば由来の澱粉は従来行わ
れている澱粉質を多く含む内層を分取する機械的な製粉
操作あるいは化学的処理により澱粉質を多く含む分画を
分取して得ることができる。化学的処理法方法として
は、例えば、そばを水に混濁または浸漬して、約pH4
〜5を除くpH値に調整した後、不溶性の固層部を遠心
分離または洗浄などにより分離精製し、脱水、乾燥する
ことにより製造することができる。
【0024】これらの混合物のpH値は、通常使用され
る酸や塩基により調整することができる。例えば、この
ような酸としては塩酸、酢酸等を挙げることができ、塩
基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム、重曹等を挙げることができる。
【0025】原料のそばとしては、市販のそば粉、未脱
穀そばの粉砕物、そば剥実またはその粉砕物等を使用す
ることができる。
【0026】そば原料としてそば剥実等の未粉砕または
粗粉砕のものを使用するときは、上記の如く混濁または
浸漬した後、グラインダーにて磨砕処理し、得られた磨
砕乳液を篩に通してから分離精製して製造するのが好ま
しい。
【0027】例えば、そば剥実を水酸化ナトリウム等を
用いてアルカリ浸漬し、浸漬液を廃棄した後、沈澱成分
を洗浄し、水を流し込みながら、グラインダーにて磨砕
処理を行い、得られた磨砕乳液を洗浄水を加えながら遠
心ジェット篩機にかけ、篩通過乳液をさらにノズル式分
級機にかけて澱粉乳液と蛋白乳液を分離し、水洗ノズル
式遠心機で水洗することにより粒子の揃った良質の澱粉
質成分が効率的に得られる。
【0028】また、機械的な製粉操作により製造したも
のとしては、例えば、市販されている花粉などを挙げる
ことができる。
【0029】本発明のビール・発泡酒の製造に用いるそ
ば由来の澱粉としてはできるだけ蛋白質、脂質等の含量
が少ないものが好ましく、特にビールの副原料として用
いるには化学的処理で製造したそば由来の澱粉が好まし
い。
【0030】
【実施例】本発明の内容を以下の実施例によりさらに詳
細に説明する。
【0031】実施例1 ビール製造 仕込釜にエール麦芽20kg、ミュンヘン麦芽5kg、
そば澱粉2kgおよび硫酸カルシウムを添加し硬度を調
整した水道水80リットルを入れ、シングルインフュー
ジョン法により67度で1時間糖化し、洗い湯を加えな
がら、マイシェろ過を行い、糖度11.5%の麦汁14
2リットルを得た。この麦汁にホップを添加しながら7
5分間煮沸し、煮沸後冷却し、以降常法に従い、12.
8%の麦汁104リットルを発酵、熟成等を行いビール
68リットルを製造した。
【0032】製品評価 上記製造方法により得られたビールについて、10名の
パネラーで官能検査を実施し、パネラー10名の評価に
基づき以下の検査結果を得た。
【0033】
【表1】
【0034】 (従来のビールと比較しての評価) 色調 : +・・・良好 ±・・・同程度 −・・・劣る 香味 : +・・・良好 ±・・・同程度 −・・・劣る 酸味 : +・・・強い ±・・・同程度 −・・・弱い 苦味 : +・・・強い ±・・・同程度 −・・・弱い 後味 : +・・・良好 ±・・・同程度 −・・・劣る のどごし: +・・・良好 ±・・・同程度 −・・・劣る 総合評価: +・・・良好 ±・・・同程度 −・・・劣る
【0035】そば澱粉をビールの副原料として用いて製
造したビールについて、色調は従来のビールと大差な
く、独特な香りを有し、酸味がややあり、味はすっきり
しており、のどごしがよいという結果が得られた。
【0036】このように、官能検査において本発明のそ
ば澱粉を用いて製造したビールは、従来のビールと比較
して遜色はなく、優れたビールである。
【0037】実施例2 発泡酒製造 仕込釜にピルスナー麦芽12Kg、ミュンヘン麦芽12
Kg、花粉2Kgおよび硫酸カルシウムを添加し硬度を
調整した水道水80リットルを入れ、適宜アミラーゼ製
剤を添加し、実施例1と同様にして発泡酒を製造した。
【0038】製品評価 上記製造方法により得られた発泡酒について、10名の
パネラーで官能検査を実施し、パネラー10名の評価に
基づき以下の検査結果を得た。
【0039】
【表2】
【0040】 (従来の発泡酒と比較しての評価) 色調 : +・・・良好 ±・・・同程度 −・・・劣る 香味 : +・・・良好 ±・・・同程度 −・・・劣る 酸味 : +・・・強い ±・・・同程度 −・・・弱い 苦味 : +・・・強い ±・・・同程度 −・・・弱い 後味 : +・・・良好 ±・・・同程度 −・・・劣る のどごし: +・・・良好 ±・・・同程度 −・・・劣る 総合評価: +・・・良好 ±・・・同程度 −・・・劣る
【0041】花粉を発泡酒の副原料として用いて製造し
た発泡酒について、色調は従来の発泡酒と大差なく、独
特な香味を有し、のどごしがよいという結果が得られ
た。
【0042】このように、官能検査において本発明の花
粉を用いて製造した発泡酒は、従来の発泡酒と比較して
遜色はなく、優れた発泡酒である。
【0043】
【試験例】
試験例 仕込工程試験 以下の仕込試験はコングレス法に準拠して糖化、ろ過を
行い、得られた麦汁を分析した。
【0044】(1)糖化時間測定試験 粉砕麦芽30g又はその一部を各種副原料で置換した混
合原料30gを、45度(摂氏)の120ミリリットル
の湯に分散し攪拌しながら30分間維持した。その後毎
分1度の速度で70度まで25分かけて昇温させた。こ
こで、70度の湯を60ミリリットル加え、5分間隔で
液の一部を取り、ヨウ素液で澱粉反応の有無をチェック
した。反応の消失時間を以て糖化時間とした。また、得
られたろ液全量を混合して、屈折糖度計(アタゴ製作
所)にて麦汁濃度を測定した。
【0045】その結果は下記表3の通りである。糖化時
間は副原料としてコーンスターチを使用した場合に比し
て非常に短く、最大75%以上短縮された。また、得ら
れた麦汁濃度も同等以上であり、短時間で糖化が充分進
行していることを示している。
【0046】
【表3】
【0047】(2)ろ過時間測定試験 マイシェを70度に60分間維持した後、糖化もろみを
水冷して室温まで冷却した。冷却もろみ重量の全量が2
70gとなるよう水を加えた後、ひだ折りろ紙上にもろ
みの全量を一気に注いだ。最初の60ミリリットルは戻
して、次の100ミリリットルがろ液として得られる時
間をろ過時間とした。また、ろ液の全量をメスシリンダ
ーにて測定した。
【0048】その結果は下記表4の通りである。ろ過時
間は副原料としてコーンスターチを使用した場合に比し
て非常に短く、最大50%以上短縮された。また、得ら
れた麦汁量も増加しており、ろ過工程が非常に効率的か
つ効果的に実施されたことを示している。
【0049】
【表4】
【0050】
【参考例】
参考例1 そば澱粉の製造方法 原料としてそば剥実(中国産で外皮を除去したもの)2
000kgを用いた。浸漬タンク5基に、各々そば剥実
400kgを入れ、0.2%水酸化ナトリウム溶液約8
00リットルを加えて約12時間、室温で浸漬放置し
た。その後、各タンクの浸漬液(pH12.8)を捨て
て、更に各タンクを約1600リットルの水を通して軽
く洗浄し、その洗浄水を捨てた。次に、タンク内に50
0〜800リットルの水を流し込みながら、グラインダ
ーにて磨砕処理を行った。磨砕速度は100〜300k
g/時で行い、得られた磨砕乳は、約6600kg(固
形分29.6%,pH9.0)で、1基の大型タンクに
集めた。次に、この磨砕乳に約7600リットルの洗浄
水を加えながら遠心ジェット篩機にかけ、繊維などの不
溶物質を除去した。篩のサイズは40メッシュを用い
た。この処理により篩を通過しなかった残渣は約250
0kgで、篩を通過した篩通過乳液は約11700kg
(固形分14.9%)であった。
【0051】この乳液を更にノズル式分級機(アルファ
ラバル SX310型)にかけ、澱粉乳液と蛋白乳液に
分離した。分離速度は5m/時であった。得られた澱粉
乳液は9500kg(固形分20.2%)であった。更
に、この乳液には蛋白が約1.2%混ざっているので、
蛋白を更に除去するため、水洗ノズル式遠心機(アルフ
ァラバル TX310型)を用いて、3回水洗処理を行
った。この処理を繰り返すことにより、蛋白を0.3%
まで下げることができた。このようにして得られた澱粉
乳液は約7920kg(固形分14%,粗蛋白0.3
%)であった。
【0052】この乳液を遠心分離機にかけて脱水処理を
行った後、乾燥した。乾燥したそば澱粉は、120メッ
シュの篩にかけた後、製品として回収した。こうして得
られたそば澱粉は約1260kgであり、水分12.3
%、pH7.0、粗蛋白含量1.0%、灰分0.2%で
あった。また、白度は88で、平均粒子径は6.78μ
であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はビールまたは発泡酒の代表的製造工程
の概要図である。
フロントページの続き (72)発明者 中城 巳佐男 長野県駒ヶ根市下平1586 (72)発明者 島岡 巌 長野県東筑摩郡明科町大字中川手2162−25 (72)発明者 栢下 淳 長野県南安曇郡三郷村明盛264−15 (72)発明者 横山 典代 長野県松本市井川城2−13−4

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 そば由来の澱粉を主成分とする物質を副
    原料として製造されたビールまたは発泡酒。
  2. 【請求項2】 そば由来の澱粉を主成分とする物質を副
    原料として製造することを特徴とするビールまたは発泡
    酒の製造方法。
  3. 【請求項3】 そば由来の澱粉を主成分とする物質のビ
    ールまたは発泡酒の副原料としての使用。
JP35257796A 1996-12-16 1996-12-16 新規なビール・発泡酒およびその製造方法 Pending JPH10174577A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009131282A1 (en) * 2008-04-23 2009-10-29 Dongguk University Industry-Academic Cooperation Foundation Method for production of beer using unhulledand rice and rice beer thereof
CN108315115A (zh) * 2018-04-28 2018-07-24 张凤艳 一种桃花啤酒及其制备方法
KR20200009944A (ko) * 2018-07-20 2020-01-30 버드나무양조장 주식회사 메밀 맥주의 제조방법

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