JPH10174494A - ステッピングモータの制御方法、制御装置および計時装置 - Google Patents

ステッピングモータの制御方法、制御装置および計時装置

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JPH10174494A
JPH10174494A JP33612096A JP33612096A JPH10174494A JP H10174494 A JPH10174494 A JP H10174494A JP 33612096 A JP33612096 A JP 33612096A JP 33612096 A JP33612096 A JP 33612096A JP H10174494 A JPH10174494 A JP H10174494A
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pulse
fast
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voltage
drive pulse
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JP33612096A
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Inventor
Yoshitaka Iijima
好隆 飯島
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子腕時計などに収納されたステッピングモ
ータを高速で運針ミスなく早送りできる制御方法および
制御装置を提供する。 【解決手段】 ステッピングモータを早送りする際に、
起動時に供給する起動用の駆動パルスP22aおよびP
22bとして、早送り途中に供給する早送り用の駆動パ
ルスP20の電圧V0と異なる電圧の駆動パルスを供給
する。例えば、起動時のトルクが早送り途中より小さな
ケースでは、電圧の低い起動用の駆動パルスを供給する
ことによって、早送りを運針ミスなく開始でき、早送り
途中においても運針ミスなく早送りできる。また、駆動
パルスP22およびP20の実効電力の制御を電圧で行
うようにしているので、高速で早送りが可能であり、同
様に逆転方向にも高速で早送りすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステッピングモー
タの制御装置および制御方法に関し、特に、電池などの
電源電圧を昇降圧して電子時計などのステッピングモー
タを正転および逆転駆動可能な制御装置および制御方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステッピングモータは、パルスモータ、
ステッピングモータ、階動モータあるいはデジタルモー
タなども称され、デジタル制御装置のアクチュエータと
して多用されているパルス信号によって駆動されるモー
タである。近年、携帯に適した小型の電子装置あるいは
情報機器が開発されており、これらのアクチュエータと
して小型、軽量化されたステッピングモータが多く採用
されている。このような電子装置の代表的なものが電子
時計、時間スイッチ、クロノグラフといった計時装置で
ある。この計時装置においては、水晶発振子などを用い
た発振回路から基準パルスを供給し、この基準パルスを
分周して1Hzなどの計時に適した周波数のパルス信号
を生成する。そして、そのパルス信号に合わせて駆動パ
ルスをステッピングモータに供給し、計時装置の秒針な
どを運針するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電子腕時計を代表とし
たこれらの携帯用に適した小型の電子装置は、ユーザー
の移動した地域の現地時刻に合わせて時刻を設定する動
作や、電力消費を低減するために停止状態から運針を再
開する動作などを行う装置が実現されている。このよう
な時刻合わせを行うときに、時針、分針あるいは秒針と
いった時計針を正転方向あるいは逆転方向に早送りして
時刻を再設定することになる。現地時刻をFM放送など
によって取得して自動的に時刻合わせを行ったり、運針
を停止していた時間を内部計測して現在の時刻に自動的
に合わせる機能を備えた電子時計などにおいては、早送
りする際も運針ミスを起こさずに精度良くステッピング
モータを駆動して自動的に時刻合わせを行う必要があ
る。一方、早送りのスピードは速い方が望ましく、針の
停止位置や、時刻合わせの方向によっては逆転する方が
早く時刻合わせをできるケースもある。しかしながら、
高速で早送りすると運針ミスが発生しやすいので、早送
りの速度はなかなか向上できない。さらに、計時装置な
どは正転方向にトルクが小さくなるように輪列などが設
計されているので、逆転方向には高速で早送りすること
が難い。このため、ユーザーに正転と逆転との速度差に
よる違和感を与えず、また、異常な状態であるといった
誤解が生じないようにするために、正転方向と逆転方向
の早送り速度を合わせるようにしている。このように腕
時計装置などの運針を行う装置における早送りの速度に
は限界があり、時刻合わせを開始してから正しい時刻が
ユーザーに表示されるまでに時間がかかってしまうケー
スもある。
【0004】そこで、本発明においては、高速で運針ミ
スなく早送りを行うことできるステッピングモータの制
御方法および制御装置を提供することも目的としてい
る。また、逆転方向の早送りも高速で行える制御方法お
よび制御装置を提供することによって、正転および逆転
の両方向に高速で早送り可能とし、短時間で正確な時刻
を表示可能な計時装置を提供することも目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、早送りを開始する起動時に供給される1または数
個の起動用の駆動パルスの電圧を、その後に供給される
早送り用の駆動パルスの電圧に対し適当に制御できるよ
うにして、起動時およびその後の早送り時においても計
時装置などにおける運針ミスに繋がる回転不良がなく、
高速で早送りできるようにしている。すなわち、本発明
のステッピングモータの制御方法は、ロータと、このロ
ータを回転駆動する磁界が駆動コイルによって励磁され
るステータとを有し、ステッピングモータに対し少なく
とも1つの定期駆動用の駆動パルスを含んだ駆動パルス
群を、その定期駆動用の駆動パルスのパルス幅より十分
に長い間隔で断続的に供給する第1の駆動モードと、ス
テッピングモータに対し複数の早送り用の駆動パルス
を、その早送り用の駆動パルスのパルス幅に比較的近い
早送り間隔で連続的に供給する第2の駆動モードとを有
するステッピングモータの制御方法であって、以下のよ
うなステップを備えており、論理回路や、マイクロプロ
セッサーの制御用プログラムなどとしてコンピュータに
読み取り可能な媒体に記憶された状態で提供することが
できる。
【0006】1.第2の駆動モードにおいて、第1の電
圧の早送り用の駆動パルスを供給する第1のステップ。
【0007】2.第1のステップに先立って、第1の電
圧と異なる第2の電圧を備えた起動用の駆動パルスを早
送り間隔で少なくとも1つ供給する第2のステップ。
【0008】また、本発明のステッピングモータの制御
装置は、ロータと、このロータを回転駆動する磁界が駆
動コイルによって励磁されるステータとを有し、駆動コ
イルに駆動パルスを供給する駆動手段と、駆動手段に複
数の電圧の電力を供給可能な電源部と、ステッピングモ
ータに対し少なくとも1つの定期駆動用の駆動パルスを
含んだ駆動パルス群を、その定期駆動用の駆動パルスの
パルス幅より十分に長い間隔で断続的に供給する第1の
制御手段と、ステッピングモータに対し複数の早送り用
の駆動パルスを、その早送り用の駆動パルスのパルス幅
に比較的近い早送り間隔で連続的に供給する第2の制御
手段とを有し、さらに、第2の制御手段は、第1の電圧
を電源部から駆動手段に供給して早送り用の駆動パルス
を生成する第1の駆動パルス生成手段と、第1の電圧と
異なる第2の電圧を電源部から駆動手段に供給し、早送
り用の駆動パルスより先に起動用の駆動パルスを生成す
る第2の駆動パルス生成手段とを有すること特徴として
いる。
【0009】ステッピングモータを確実に回転駆動する
ためには、適当な実効電力を備えた駆動パルスを供給す
る必要がある。駆動パルスの実効電力は、パルス幅ある
いは電圧を変えることによって制御することができる。
パルス幅はチョッパパルスなどを用いて比較的簡単に制
御できるので適当な実効電力の早送り用の駆動パルスを
生成することが可能である。しかしながら、ステッピン
グモータを1ステップアングルづつ早送りする場合は、
パルス幅が広がりすぎるとステッピングモータの回転角
とのタイミングがあわず、回転不良に繋がる原因とな
る。例えば、ロータを所定の方向に回転させた後に逆方
向にロータが戻っている途中で次の駆動パルスが出た
り、あるいは逆方向にロータが戻る間も前の駆動パルス
が残っているといった事態が発生し、運針ミスにつなが
る回転不良の原因となる。さらに、高速で早送りするた
めにはパルス幅を広げられないケースもあり、パルス幅
だけで駆動パルスの実効電力を制御することは難しくな
る。
【0010】そこで、本発明においては、駆動パルスの
電圧を制御することにより、早送りに適した実効電力の
駆動パルスをステッピングモータに提供できるようにし
ている。駆動パルスの実効電力を電圧を用いて制御する
ことにより、上記のような問題を解決でき、早送りに適
した駆動パルスをステッピングモータに供給することが
できる。さらに、本願発明者らは、ステッピングモータ
を1ステップアングル毎に早送りする場合は、静止状態
からロータを回転するための電力と、早送り途中でロー
タを回転するために必要な電力が異なることを見いだ
し、早送りの起動用の駆動パルスとして、その後の早送
り途中の駆動パルスの電力と異なる電力の駆動パルスを
供給することによって運針ミスの原因となる回転不良を
なくせるようにしている。例えば、早送り速度が比較的
低い場合、すなわち、早送りするときの駆動パルスの間
隔(早送り間隔)が比較的長いときは、起動時には静止
状態からロータを駆動するのに対し、早送り途中におい
てはロータに回転方向と逆方向の運動エネルギーが若干
残っている状態で次の駆動パルスが供給されることが多
い。従って、起動用の駆動パルスの電圧(第2の電圧)
を早送り用の駆動パルスの電圧(第1の電圧)に対して
を低くし、早送り時には実効電力の大きな早送り用の駆
動パルスを供給することが望ましい。一方、早送り速度
が比較的高い場合、すなわち、早送り間隔が比較的短い
ときは、早送り途中においてはロータが早送りの方向に
向かって回転している途中で次の駆動パルスが供給され
る。このため、起動用の駆動パルスの第2の電圧を早送
り用の駆動パルスの第1の電圧に対して高くして、早送
り途中においては、実効電力の小さな早送り用の駆動パ
ルスを供給することが望ましい。
【0011】また、早送り途中において早送り間隔が短
い、すなわち、周波数の高い駆動パルスを供給して高速
で早送りする場合は、早送りの停止時に2つ以上のステ
ップアングルを回転してしまう可能性がある。そこで、
本発明のステッピングモータの制御方法および制御装置
においては、早送り用の駆動パルスよりパルス幅の広い
停止用の駆動パルスを供給する第3の駆動パルス生成手
段を設け、第2のステップに続いてパルス幅の広い停止
用の駆動パルスを供給する第3のステップを設けるよう
にしている。これによりロータの回りすぎを確実に防止
し、早送りした後に所定の位置で確実に停止させること
ができる。
【0012】このように、本発明のステッピングモータ
の制御方法および制御装置においては、起動用の駆動パ
ルスの電圧と早送り用の駆動パルスの電圧を別々に制御
できるようにすることによって、パルス幅が小さく早送
りに適した実効電力の駆動パルスをステッピングモータ
に供給することができる。従って、正転方向と比較しト
ルクが大きくなる逆転方向に早送りする際も、適当なタ
イミングで十分な大きさの実効電力を備えた駆動パルス
を供給することができる。このため、逆転方向の早送り
速度も大幅に向上することが可能であり、それに合わせ
て正転方向の速度も向上することができる。すなわち、
本発明のステッピングモータの制御方法および制御装置
においては、少なくとも1つの逆転用の駆動パルスを備
えた駆動パルス群を生成する第4の駆動パルス生成手段
を設け、第2のステップに先立って逆転用の駆動パルス
を供給する第4のステップを設けることができ、高速で
逆転方向に早送りすることができる。従って、ユーザー
に違和感を与えたり、異常であるといった感覚を持たせ
ることなく、時刻合わせを短時間で行うことができる計
時装置に適したステッピングモータの制御方法および制
御装置を提供することができる。
【0013】本発明の計時装置は、複数の周波数のパル
ス信号を出力するパルス合成手段を設け、本発明の制御
装置がこれらのパルス信号を用いて定期的に駆動パルス
をステッピングモータに供給して通常の計時動作を行
い、また、起動用の駆動パルスおよび早送り用の駆動パ
ルスをステッピングモータに供給して早送することによ
り、短時間に時刻合わせを精度良く行うことが可能な計
時装置を提供することができる。
【0014】また、駆動パルスの電圧を制御するために
は、電池電圧を昇圧あるいは降圧して複数の電圧の電力
を駆動手段に供給する電源部を採用することができる。
特に、電源部が、蓄電手段と、この蓄電手段の出力電圧
を降圧して複数の電圧の電力を供給可能な降圧手段とを
有している場合は、電池などの蓄電手段に蓄えられた電
力を降圧して駆動手段に供給できるので、早送りで消費
される電力を適切に制御し、消費電力を大幅に低減する
ことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照しながら本発明
をさらに詳細に説明する。図1に、本発明に係る計時装
置1の概略構成を示してある。本例の計時装置1は、ス
テッピングモータ10と、このステッピングモータ10
を駆動する制御装置20と、ステッピングモータ10の
動きを伝達する輪列50、および輪列50によって運針
される秒針61、分針62および時針63を備えてい
る。本例のステッピングモータ10は、制御装置20か
ら供給される駆動パルスによって磁力を発生する駆動コ
イル11と、この駆動コイル11によって励磁されるス
テータ12と、さらに、ステータ12の内部において励
磁される磁界により回転するロータ13を備えている。
本例のロータ13はディスク状の2極の永久磁石によっ
て構成されており、PM型(永久磁石回転型)のステッ
ピングモータ10となっている。ステータ12には、駆
動コイル11で発生した磁力によって異なった磁極がロ
ータ13の回りのそれぞれの相15および16に発生す
るように磁気飽和部17が設けられている。また、ロー
タ13の回転方向を規定するために、ステータ12の内
周の適当な位置には内ノッチ18が設けられており、こ
れによってコギングトルクを発生させてロータ13が適
当な位置に停止するようにしている。
【0016】ステッピングモータ10のロータ13の回
転は、かなを介してロータ13に噛合された五番車5
1、四番車52、三番車53、二番車54、日の裏車5
5および筒車56からなる輪列50によって各針に伝達
される。四番車52の軸には秒針61が接続され、二番
車54には分針62が接続され、さらに、筒車56には
時針63が接続されており、ロータ13の回転に連動し
てこれらの各針によって時刻が表示される。輪列50に
は、さらに、年月日などの表示を行うための伝達系など
(不図示)を接続することももちろん可能である。
【0017】本例の計時装置1は、ステッピングモータ
10の回転によって時刻が表示されるようになってお
り、このために、ステッピングモータ10には所定の周
波数のパルス信号に従って出力された駆動パルスが供給
される。ステッピングモータ10を制御する本例の制御
装置20は、水晶振動子などの基準発振源21を用いて
基準周波数の基準パルスなどを出力する発振分周回路2
2と、基準パルスなどからさまざまなタイミングでパル
ス幅の異なるパルス信号を合成するパルス合成回路23
と、パルス合成回路23から供給された種々のパルス信
号に基づきステッピングモータ10を制御する制御回路
24を備えている。
【0018】本例の制御回路24は、パルス合成回路2
3から供給された、パルス信号に基づき通常運針を行う
第1の制御部25と、早送り運針を行う第2の制御部2
6を備えている。第1の制御部25は、例えば1Hzの
パルス信号に基づき後述する駆動回路31を制御して通
常の運針を行う定期駆動用の駆動パルスを供給する。一
方、第2の制御部26は、定期駆動用の駆動パルスより
速い周波数の早送り用の駆動パルスを供給して早送りを
行う。本例の第2の制御部26は、複数の速度で早送り
を行うことが可能であり、さらに、通常の運針と同じ方
向の正転方向および通常の運針と逆方向の逆転方向に早
送りできるようになっている。本例の第2の制御部26
は、複数の早送り間隔を実現するために、例えば、早送
り用の2つの周波数(128Hzおよび256Hz)で
早送り用の駆動パルスを駆動回路31を介して供給可能
な第1の駆動パルス生成部71と、この早送り用の駆動
パルスに先立って起動用の駆動パルスを駆動回路31を
介して供給可能な第2の駆動パルス生成部72と、早送
り用の駆動パルスに続いて停止用の駆動パルスを駆動回
路31を介して供給可能な第3の駆動パルス生成部73
を備えている。さらに、本例の第2の制御部26は、逆
転方向へも早送りできるようになっており、起動用の駆
動パルスに先立って逆転方向にロータ13を始動するた
めの逆転用の駆動パルスを駆動回路31を介して供給す
る第4の駆動パルス生成部74を備えている。
【0019】本例の駆動回路31は、このような制御回
路20によって制御され、ステッピングモータ10に様
々な駆動パルスを供給することができる。本例の駆動回
路31は、2列の直列に接続されたnチャンネルMOS
33とpチャンネルMOS32によって構成されたブリ
ッジ回路34を備えている。従って、これらのMOS3
2および33のゲートに制御回路24から印加される制
御パルスの極性をステッピングモータ10のステップア
ングルに合わせて反転させることにより、駆動コイル1
1に極性の異なる駆動パルスを供給でき、ステータ12
に異なる極性の磁場を交互に発生させてロータ13を所
定の方向に回転することができる。
【0020】さらに、本例の制御装置20は、駆動回路
31に電力を供給する電源部40を備えている。この電
源部40は、電池41と、この電池41の電圧を降圧し
て駆動回路31に供給できる降圧回路42を備えてい
る。本例の降圧回路42は、複数のコンデンサ43を用
いて電源電圧を降圧できるようになっており、例えば、
3つの降圧用のコンデンサと1つの平滑用のコンデンサ
を用いて電池電圧V0からV0、2/3V0(以降にお
いてV1)および1/3V0(以降においてV2)の3
つの電圧レベルを設定でき、制御回路24の第1および
第2の制御部25および26からの指示に基づいてそれ
ぞれの電圧を駆動回路31に供給できるようになってい
る。このため、本例の制御装置20においては、駆動回
路31から、これら3つの電圧レベルV0、V1および
V2を備えた駆動パルスをステッピングモータ10に供
給することができる。
【0021】図2に本例の制御装置20の第1の制御部
25によってステッピングモータ10を通常の1Hzの
運針を行うモード(第1の駆動モード)における定期駆
動用の駆動パルスP10と、それによるロータ13の挙
動の概要を示してある。まず、時刻t1におけるロータ
13の停止位置を回転角θが0度とする。時刻t1にパ
ルス幅W10の最初の駆動パルスが供給されると、この
駆動パルスによってロータ13が180度回転し、時刻
t2に駆動パルスが低レベルになると回転角θが180
度を中心として振動しながら停止する。次に、時刻t1
から1秒後の時刻t3に極性の逆転した駆動パルスが供
給され、これによってロータ13が回転角θが360度
まで回転し、その角度を中心として振動しながら停止す
る。このようなステップを繰り返しながら1秒毎(1H
z)で運針が繰り返される。もちろん、駆動パルスP1
0は複数のパルスからなるパルス群であっても良く、断
続的に運針するのに適した実効電力の駆動パルスP10
を供給することが望ましい。
【0022】図3に、一般的に早送り(第2の駆動モー
ド)の際に供給される早送り用の駆動パルスP20と、
それによるロータ13の挙動の概要を示してある。ま
ず、時刻t10におけるロータ13の停止位置を回転角
θが0度とする。時刻t10にパルス幅W20の最初の
駆動パルスが供給され、ロータ13が回転角θが180
度まで回転する。そして、時刻t11に駆動パルスが低
レベルになるとロータ13は180度を過ぎてオーバシ
ュート(過回転)した後に回転角θが180度に向かっ
て戻る。この過程で時刻t12に極性が逆転した次の駆
動パルスが供給され、これによってロータ13は回転角
θが360度の方向に向かって加速される。このような
ステップを繰り返すことにより、ロータ13は早送りさ
れる。
【0023】図4および図5に、早送り用の駆動パルス
P20のパルス幅Wおよび電圧の適用範囲の概略を示し
てある。図4は、早送り用の駆動パルスP20の周波数
f(早送り間隔の逆数)に対して作動不良(回転不良)
を発生させずにステッピングモータを駆動できる電圧V
の概略を示してある。周波数fが高くなると、所定の速
度で最初からロータ13を回転する必要があるので作動
不良を起こさずにロータ13を駆動できる作動下限が徐
々に上昇する。一方、回転速度が早くなるので、早送り
用の駆動パルスのエネルギーが高くなりすぎると1つの
駆動パルスで2ステップアングル回転しまう状態が発生
し易くなる。従って、駆動パルスの電圧の作動上限は徐
々に降下する。図4に示してあるように、パルス幅Wが
広いと、駆動パルスの実効エネルギーが高くなるので、
ロータ13の起動時の駆動パルスのエネルギーに対して
早送り途中の駆動パルスのエネルギーが高くなりすぎる
ことがある。このため、起動直後の2〜3ステップで図
1に示した計時装置1では運針ミス(2秒飛びなど)に
繋がる作動不良(回転不良)が発生し易い。従って、作
動上限はパルス幅Wの狭い駆動パルスよりもかなり低く
なる。一方、パルス幅Wの狭い駆動パルスは、駆動パル
スの実効エネルギーが低いので、早送りの途中において
運針ミス(次のステップアングルまで回転しないミスリ
など)につながる作動不良(回転不良)が発生し易い。
従って、作動下限はパルス幅Wの広く駆動パルスよりも
高くなる。
【0024】さらに、図5にパルス幅Wに対し、運針ミ
スに繋がる回転不良の発生し易い駆動電圧Vの範囲を斜
線で示してある。駆動電圧Vの低い領域Aは、駆動パル
スの実効電力が不足し易いために早送りを開始できても
早送り途中においてミスリが発生する可能性のある領域
である。早送り途中においてミスリが発生し易い状態を
図6を用いて説明する。まず、停止状態から早送りを開
始するときは、図6(a)に示すように、ロータ13が
停止位置r1の状態で早送り用の駆動パルスが供給され
回転角θが180度の位置まで回転する。これに対し、
図6(b)に示すように、早送りの途中においては、ロ
ータ13が、例えば回転角θが180度をオーバーシュ
ートして180度の角度まで戻り、180度に達するか
否かのタイミングで駆動パルスが供給される。従って、
何らかの原因によりロータ13が180度の位置に戻っ
てくる過程で次の駆動パルスが供給されると、トルク不
足となり回転角θが360度までロータ13が回転せ
ず、ミスリが発生することになる。このようなミスリを
防止するためには、パルス幅Wを広げるか、あるいは電
圧Vを高くして実効電力の大きな駆動パルスを供給する
ことが望ましい。
【0025】しかしながら、電圧Vが高くパルス幅Wが
広いと、領域Bで示したように2ステップを一度に回転
してしまう回転不良が発生する。この領域Bにおいて
は、高い電圧でパルス幅Wが若干大きな駆動パルスが供
給されるために、ロータ13の回転初期に大きなエネル
ギーが与えられ、計時装置1においては2秒とびなどの
回転不良が発生する。さらに、駆動パルスのパルス幅W
を広げると、ロータ13がオーバーシュートしたタイミ
ングまで駆動パルスが供給されているので、オーバシュ
ートしたロータ13を次のステップアングルの所定の回
転角θの位置まで引き戻す効果が得られる。このため、
運針ミスを回避することができる。しかしながら、さら
に駆動パルスのパルス幅Wを広げると領域Cに含まれ、
ロータ13を引き戻す時間が長くなりすぎて逆に元のス
テップアングルの回転角θの位置までロータ13を引き
戻すミスリの回転不良の原因となる。
【0026】このように、ロータ13を安定して駆動す
るには、駆動パルスのパルス幅を広げることが望まし
い。しかしながら、パルス幅を広げると作動電圧の上限
との差が小さくなるので、電池を交換した直後などには
運針ミスが発生する可能性もある。さらに、駆動パルス
のパルス幅Wが広いと、駆動パルスの周波数を上げるこ
とができなくなるので、早送り間隔を短くできない。早
送り間隔を短くすると、図7に示すように、ほぼ連続し
てロータ13が回転するタイミングで早送り用の駆動パ
ルスP20が供給される。このため、早送りを行うため
に必要なトルクは小さくなり、図5に示した領域Bに入
り易い。従って、2秒とびなどの運針ミスが非常に発生
しやすくなる。
【0027】このように、ロータ13を早送り駆動する
第2の駆動モードにおいては、早送り間隔を短くするた
めに駆動パルスのパルス幅Wを狭くすると、回転不良の
発生しない適度な実効電力を保持した駆動パルスを提供
することが非常に難しくなる。このため、本例のステッ
ピングモータの制御装置20および制御方法において
は、従来の画一的な電圧の駆動パルスを供給する駆動方
式とは異なり、早送りを開始する際に早送り用の駆動パ
ルスと電圧の異なる起動用のパルスを1つあるいは複数
個供給することにより回転不良を起こさずに高速で早送
りできるようにしている。このため、早送り駆動の制御
を行う本例の第2の制御部26は、早送り用の駆動パル
スP20を供給する第1の駆動パルス生成部71に加
え、起動用の駆動パルスP22を供給する第2の駆動パ
ルス生成部72を備えている。また、早送りを停止する
際には、図5の領域Bと領域Cの間の適度に幅の広い停
止用の駆動パルスを供給することによってミスリや飛び
といった運針ミスなくロータ13を制御することができ
る。このため、本例の第2の制御部26は、さらに、停
止用の駆動パルスP23を供給する第3の駆動パルス生
成部73を設けて、早送り用の駆動パルスP20に続い
て停止用の駆動パルスP23を供給できるようにしてい
る。
【0028】また、図7に示したように、適度な電圧の
駆動パルスを短い周期(早送り間隔)で供給することに
よって早送りする際のトルクが大幅に軽減される。従っ
て、逆転方向にロータを早送りする際も、逆方向に回転
を開始する初期のステップに回転不良が発生しなければ
早送り間隔を狭めることによりスムーズに早送りを行う
ことができる。このため、本例の第2の制御部26にお
いては、起動用の駆動パルスP22に先立って、逆転用
の駆動パルスP24を供給できる第3の駆動パルス生成
部74を設けることにより、逆転方向にも運針ミスなく
早送りできるようにしている。本例の制御部20は、こ
のように、正転方向および逆転方向に高速で運針ミスな
く早送りできるようにしているので、いずれの方向にも
ユーザーに違和感を与えたり、あるいは異常動作といっ
た誤解を与えることなく時計針を早送りすることができ
る。例えば、正転方向にだけ高速で早送りを行うと、時
刻合わせの際に針の進方向によって速度が異なることに
なり、バランスが悪い。また、逆転方向に低速で針が早
送りされると逆転方向の駆動系統にトラブルが発生して
いるかのような印象をユーザーに与えることになる。こ
れに対し、本例の制御回路24は、双方向に高速で早送
りできるのでユーザーに違和感を与えることなく正転方
向あるいは逆転方向の適当な方向に時計針を早送りして
短時間に正しい時刻に表示を合わせることができる。
【0029】図8に、第2の制御部26を用いて早送り
を行う第2の駆動モードの処理の概要をフローチャート
を用いて示してある。時刻合わせが必要になると、現在
の針位置から早送りする回転方向およびステップ数(ロ
ータ13の回転するステッピングアングルの数)Nが決
定される。さらに、本例の制御回路24においてはステ
ップ数nに応じて早送り間隔(周波数fの逆数)が少な
くとも2通り、例えば、128Hzと256Hzの中か
ら設定できるようになっている。このような早送りの条
件が設定されると第2の制御部26において早送りの処
理が開始される。
【0030】まず、ステップ81において、ロータ13
のスッテピングアングルをカウントするカウンタnが1
に初期設定される。次に、ステップ82で、カウンタn
が設定値Nに到達したか否かが判断される。設定値Nに
到達している場合はステップ92で第3の駆動パルス生
成部73を用いて停止用の駆動パルスP23が供給され
早送りを終了する。
【0031】カウンタnが設定値Nに到達していなけれ
ばステップ83で回転方向が確認される。逆転方向に早
送りする場合は、ステップ84で最初の1回目の駆動パ
ルスか否かが判断され、ステップ85において逆転用の
駆動パルスP24が第4の駆動パルス生成部74を用い
てステッピングモータ10に供給される。
【0032】さらに、正転および逆転のいずれの場合に
おいても、次に、ステップ86においてカウンタnの値
が起動用の設定値n0以下であるか否かが判断される。
起動用の設定値n0に達していると、既に起動された後
の早送り途中であるので、ステップ91において第1の
駆動パルス生成部71を用いて早送り用の駆動パルスP
20が供給される。
【0033】カウンタnの値が起動用の設定値n0以下
であれば、ロータ13を起動する過程である。この起動
する過程においては、まず、ステップ87において、早
送りに設定された駆動パルスの周波数f(早送り間隔の
逆数)が所定の周波数f0以下であるか否かが判断され
る。駆動パルスの周波数fが所定値f0以下であれば早
送り間隔は比較的長いので、ステップ88において第2
の駆動パルス生成部72を用いて早送り用の駆動パルス
P20より電圧の低い起動用の駆動パルスP22を供給
する。
【0034】ステップ87において駆動パルスの周波数
fが所定の周波数f0よりも高いときは、早送り間隔が
短いので、ステップ89において第2の駆動パルス生成
部72を用いて早送り用の駆動パルスP20より電圧の
高い起動用の駆動パルスP22を供給する。このような
処理によって駆動パルスが供給されるとステップ90に
おいて、カウンタnの値が1つ進み、さらに、ステップ
82に戻って上記の処理を繰り返す。
【0035】図9に、ステップ88において第2の駆動
パルス生成部72を用いて供給される起動用の駆動パル
スP22の例を示してある。ステップ88においては、
先に説明した電源部40から供給可能な電圧のうち、最
も低い電圧V2の駆動パルスP22aと、中間の電圧V
1の駆動パルスP22bの2つの起動用の駆動パルスP
22aおよびP22bが早送り間隔S20で順番に供給
されるようになっている。そして、これに続いて、ステ
ップ91で、最も高い電圧V0の早送り用の駆動パルス
P20が早送り間隔S20で供給される。ステップ88
において供給される起動用の駆動パルスP22およびこ
れに続いて供給される本例の早送り用の駆動パルスP2
0の早送り間隔S20は比較的長く、例えば周波数fが
128Hzに相当する程度である。このため、図6で説
明したように、早送り途中と比較し起動時のトルクが小
さく起動時に適した実効電力ではミスリが発生するケー
ス、すなわち、図5に示した領域Aのケースに含まれる
可能性がある。一方、起動時に実効電力の大きな駆動パ
ルスが供給されると起動時に2秒飛びなどの不具合が発
生する。このような不具合を回避するために、本例の第
2の制御部26においては、起動用の駆動パルスP22
として早送り用の駆動パルスP20より電圧が低く実効
電力の小さな駆動パルスを供給することができるように
している。このような電圧の選択は、第2の制御部26
を用いて降圧回路42を制御することによって可能であ
り、駆動回路31に供給される電源電圧を変えることに
よって駆動パルスの電圧を制御することができる。この
ため、ステップ88の処理を行うことにより起動時およ
び早送り途中においてミスリや飛びといった回転不良を
起こさずに早送りすることができる。さらに、電圧を用
いて実効電力を適切に制御しているので駆動パルスのパ
ルス幅W20も短くて良く、図4に示した作動上限に対
する裕度も十分に確保できる。また、256Hzという
後述する早送り速度と比較すれば低速ではあるが、駆動
パルスのパルス幅W20を従来のパルス幅より短くでき
るのでこれに呼応して早送り間隔S20も短くでき、従
来の60Hzあるいはそれ以下の早送り速度よりも十分
に早い速度で早送りすることができる。
【0036】また、図10に示したように、起動用の駆
動パルスP22aおよびP22bを複数のチョッパパル
スP29で構成し、これらのチョッパパルスP29のパ
ルス幅(デューティー)を制御することによって起動用
の駆動パルスP22aおよびP22bの実効電力の制御
を行うことも可能である。このように、駆動パルスの電
圧の制御に加えてデューティーを制御することによって
種々の実効電力を備えた起動用の駆動パルスP22を生
成することが可能であり、早送り間隔や後述する逆転す
る際の制御をさらにきめ細かく行うことができる。従っ
て、さらに信頼性の高い早送り処理が可能になる。
【0037】図11に、ステップ89において第2の駆
動パルス生成部72を用いて供給される起動用の駆動パ
ルスP22の例を示してある。ステップ89において
は、先に説明した電源部40から供給可能な電圧のう
ち、最も高い電圧V0の駆動パルスP22cと、中間の
電圧V1の駆動パルスP22dの2つの起動用の駆動パ
ルスP22cおよびP22dが早送り間隔S21で順番
に供給されるようになっている。そして、これに続い
て、ステップ91で最も低い電圧V2の早送り用の駆動
パルスP20が早送り間隔S21で供給される。ステッ
プ89において供給される起動用の駆動パルスP22お
よびこれに続いて供給される早送り用の駆動パルスP2
0の早送り間隔S21は比較的短く、例えば周波数fが
256Hzに相当する程度である。このため、図7で説
明したように、早送り途中においては非常にトルクが小
さく、これと比較し起動時にロータを高速で始動するた
めにトルクが大きくなるケースである。従って、図5に
示した領域Bのケースに含まれてしまう可能性があり、
起動時の実効電力に合わせた駆動パルスが早送り途中で
供給されると2秒飛びなどの不具合が発生する。このよ
うな不具合を回避するために、本例の第2の制御部26
においては、上記と同様に降圧回路42を制御すること
によって起動用の駆動パルスP22として早送り用の駆
動パルスP20より電圧が高く実効電力の大きな駆動パ
ルスを供給することができるようにしている。従って、
ロータ13を高速で起動し、飛びが発生しないように高
速で早送りすることが可能になる。さらに、電圧を用い
て実効電力を適切に制御しているので駆動パルスのパル
ス幅W20も短くて良く、256Hzという非常に早い
速度で早送りすることができる。
【0038】図12(a)に、ステップ92において第
3の駆動パルス生成部73を用いて供給される停止用の
駆動パルスP23の例を示してある。ステップ92にお
いては、早送り用の駆動パルスP20に続いて同じ早送
り間隔S21でパルス幅の広い停止用の駆動パルスP2
3が供給され、ロータ13の回転を所定の回転角θで停
止することにより早送りを終了できるようになってい
る。この停止用の駆動パルスP23のパルス幅W23は
図5に示した領域Bおよび領域Cの間となる程度のパル
ス幅が好適であり、この範囲であればミスリや飛びを防
いで確実に早送り動作を停止することができる。停止用
の駆動パルスP23は、また、図12(b)に示すよう
に、適当なパルス幅の駆動パルスと補正用の複数のチョ
ッパパルスP29の組み合わせによって図12(a)に
示した停止用の駆動パルスP23とほぼ同じ実効電力を
備えた停止用の駆動パルスとすることも可能である。チ
ョッパパルスP29を用いて停止用の駆動パルスP23
の実効電力を細かく制御できるので、早送り間隔に適し
た実効電力の停止用の駆動パルスP23、あるいは、後
述する逆転方向の早送りを停止するのに適した停止用の
駆動パルスP23といった木目の細かな電力制御を行う
ことができ、さらに、精度の高いステッピングモータの
制御を行うことができる。
【0039】図13に、ステップ85において第4の駆
動パルス生成部74を用いて供給される逆転用の駆動パ
ルスP24の例を示してある。ステップ85において
は、起動用の駆動パルスP22dに先立って、駆動パル
スP24a、P24bおよびP24cの3つの駆動パル
スの組み合わせからなる起動用の駆動パルス(駆動パル
ス群)P24が供給される。図14に、反時計方向を正
転方向とするステッピングモータ10のロータ13を逆
転方向、すなわち、時計方向に回す様子を示してある。
逆転方向に起動する際は、まず、図14(a)に示して
あるように、駆動パルスP24aによって逆転方向に始
動し、次に駆動パルスP24bによって正転方向d1に
振った後、その揺れ戻しのタイミングで逆転方向d2に
ロータ13を回すようにしている。このような駆動パル
スの組み合わせによってトルクの大きな逆転方向にもロ
ータを回転し、時計針を逆転させて時刻合わせを行える
ようになっている。従来の制御回路24においては、逆
転方向に早送りする際に、このような3つの駆動パルス
からなるパルス群を早送り間隔のそれぞれのタイミング
で供給して早送りを行っている。このために逆転方向の
早送り速度が低く、上述したように正転方向の早送り速
度を上げられない原因となっている。これに対し、本例
の第2の制御部26においては、逆転用の駆動パルスP
24によって逆転方向にロータ13が回転を始めた後
は、逆転用の駆動パルスP24に続いて電圧の高い、例
えば電圧V0の起動用の駆動パルスP22dを供給する
ようにしている。これにより、図14(b)に示すよう
に、ロータ13は逆転した位置で一端停止するのではな
く、図7に示したような連続した状態で逆転方向に回転
d3を続ける。そして、起動用の駆動パルスP22dに
続いて早送り用の駆動パルスP20が供給されるので、
継続して逆転方向に早送りが行われる。さらに、本例に
おいては、逆転方向の早送り用の駆動パルスP20の電
圧を起動用の駆動パルスP22dの電圧V2よりも低い
電圧V1あるいはV2に設定することにより、飛びなど
の回転不良が発生しない状態で早送りできるようにして
いる。このように、本例の制御装置20を用いることに
より、逆転方向にも計時装置1における運針ミスなく連
続的にロータ13を回転することができるので、逆転方
向の早送り速度を大幅に向上することができる。従っ
て、正転方向の早送り速度も逆転方向に合わせて向上す
ることができ、違和感や異常状態といった誤解をユーザ
ーに生じさせることなく高速で早送りを行うことができ
る。
【0040】以上のように、早送りの起動時に電圧の異
なる起動用の駆動パルスをステッピングモータに供給可
能な制御方法および制御装置を採用することにより、ス
テッピングモータ10を高速で、回転不良を発生させる
ことなく早送りすることが可能となる。さらに、早送り
途中、起動時、あるいは停止時といったそれぞれの段階
で駆動パルスの実効電力を適切に制御することができる
ので、起動時のトルクが早送り途中のトルクより小さく
なる比較的低速の早送り、逆に、起動時のトルクが早送
り途中のトルクより大きくなる比較的高速の早送り、さ
らに、逆転方向のいずれにおいても高速でミスなく早送
りすることが可能である。従って、本例の制御方法およ
び制御装置を時計針の運針を行う時計用のステッピング
モータの制御方法および制御装置として採用することに
より、正転方向および逆転方向に精度良く早送りして素
早く時刻合わせを行うことができる計時装置を提供する
ことが可能になる。さらに、大量の電力を消費する早送
り期間中に、駆動パルスの電圧を制御することによって
各段階に適した実効電力の駆動パルスを提供することが
できるので、早送り時に消費される電力を低減すること
が可能である。特に、本例の制御装置20は、電池の電
圧を降圧して供給できるようにしているので、電池の寿
命や、蓄電装置の放電時間を大幅に伸ばすことができ
る。従って、本例の制御装置および制御方法を採用する
ことにより、運針停止から復帰する際に時計針を早送り
したり、あるいは、現地時刻に自動的に時刻合わせする
機能を付加するのに適した計時装置を提供することがで
きる。また、クロノグラフなどの多機能時計において
は、それぞれの針の動きを高速で制御することができる
ので、高性能で使い易い装置を提供することが可能にな
る。
【0041】なお、上記において説明した起動用、停止
用および逆転用の駆動パルスP22、P23およびP2
4のパルス数や電圧の大小の組み合わせは上記に限定さ
れるものではなく、早送り間隔やステッピングモータ1
0によって動かされる計時装置などの特性に合わせて設
定できることはもちろんである。また、上記の例では、
計時装置に好適な2相のステッピングモータを例に本発
明を説明しているが、3相以上のステッピングモータに
対しても本発明を同様に適用できることはもちろんであ
る。また、各相に共通した制御を行う代わりに、各相毎
の適したパルス幅およびタイミングで駆動パルスを供給
することも可能である。また、ステッピングモータの駆
動方式は、1相励磁に限らず、2相励磁あるいは1−2
相励磁であっても良く、逆転可能なステッピングモータ
の制御に対し本発明を適用することによって制御系統を
簡略化でき、消費電力を低減することができる。
【0042】また、電源電圧を降圧する降圧回路の代わ
りに電源電圧を昇圧する昇圧回路も設けて逆転用の高電
圧の駆動パルスを供給できるようにすることももちろん
可能である。さらに、電源部によって用意される電圧レ
ベルは3段階に限定されるものではなく、4段階以上の
電圧レベルを供給できるようにしてももちろん良い。さ
らに、電源は、本例のように電池に限らず、太陽電池な
どの発電装置によって充電される大容量のコンデンサな
どを電源として用いることももちろん可能である。
【0043】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の制御方
法および制御装置においては、ステッピングモータを早
送りする際に、起動時と早送り途中とで電圧の異なる駆
動パルスを供給できるようにしている。このため、駆動
パルスのパルス幅を広げることなく早送りの各段階に適
した実効電力の駆動パルスを供給することが可能とな
る。従って、計時装置のステッピングモータの制御装置
および制御方法として採用することにより、運針ミスな
く高速で時計針を早送りすることが可能となり、時刻合
わせを短時間で正確に行うことができる。さらに、逆転
方向に早送りする際も適当な実効電力の駆動パルスを供
給することができるので、逆転方向の早送りスピードも
向上することが可能であり、正転および逆転方向にバラ
ンスの取れた早送りの可能なステッピングモータの制御
装置、制御方法およびこれらを用いた計時装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御装置を格納した計時装置の概略構
成を示す図である。
【図2】ステッピングモータを備えた計時装置におい
て、1Hzの通常の運針を行うモードの駆動パルスおよ
びロータの挙動を説明する図である。
【図3】ステッピングモータを備えた計時装置におい
て、早送りを行うモードの駆動パルスおよびロータの挙
動を説明する図である。
【図4】早送りの際に供給される駆動パルスの電圧の作
動上限および作動下限を周波数に対して示すグラフであ
る。
【図5】早送りの際に発生する回転不良の領域を駆動パ
ルスの電圧およびパルス幅で表すグラフである。
【図6】図6(a)は早送りを行う際の起動時のロータ
の動きを模式的に示す図であり、図6(b)は早送り途
中のロータの動きを模式的に示す図である。
【図7】ステッピングモータを備えた計時装置におい
て、高速で早送りを行うモードの駆動パルスおよびロー
タの挙動を説明する図である。
【図8】図1に示す制御装置を用いて早送りを行う処理
を示すフローチャートである。
【図9】比較的低速で早送りするときの起動時に供給さ
れる駆動パルスの様子を示す図である。
【図10】比較的低速で早送りするときの起動時に供給
される駆動パルスの異なる例を示す図である。
【図11】比較的高速で早送りするときの起動時に供給
される駆動パルスの様子を示す図である。
【図12】図12(a)は早送りの停止時に供給される
駆動パルスの様子を示す図であり、図12(b)はその
異なった停止用の駆動パルスの例を示す図である。
【図13】図13は、逆転を開始するときに供給される
駆動パルスの様子を示す図である。
【図14】図14(a)は逆転方向に早送りを行う際の
起動時のロータの動きを模式的に示す図であり、図14
(c)は逆転方向に早送り途中のロータの動きを模式的
に示す図である。
【符号の説明】
1・・計時装置 10・・ステッピングモータ 11・・駆動コイル 12・・ステータ 13・・ロータ 20・・制御装置 21・・水晶振動子 22・・発振分周回路 23・・パルス合成回路 24・・制御回路 25・・第1の制御部 26・・第2の制御部 31・・駆動回路 40・・電源部 41・・電池 42・・降圧回路 43・・降圧用コンデンサ 50・・輪列 61・・秒針 62・・分針 63・・時針 71・・第1の駆動パルス生成部 72・・第2の駆動パルス生成部 73・・第3の駆動パルス生成部 74・・第4の駆動パルス生成部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータと、このロータを回転駆動する磁
    界が駆動コイルによって励磁されるステータとを有する
    ステッピングモータの制御方法において、 前記ステッピングモータに少なくとも1つの定期駆動用
    の駆動パルスを含んだ駆動パルス群を、その定期駆動用
    の駆動パルスのパルス幅より十分に長い間隔で断続的に
    供給する第1の駆動モードと、 前記ステッピングモータに複数の早送り用の駆動パルス
    を、その早送り用の駆動パルスのパルス幅に比較的近い
    早送り間隔で連続的に供給する第2の駆動モードとを有
    し、 前記第2の駆動モードにおいて、第1の電圧の前記早送
    り用の駆動パルスを供給する第1のステップと、 この第1のステップに先立って、前記第1の電圧と異な
    る第2の電圧を備えた起動用の駆動パルスを前記早送り
    間隔で少なくとも1つ供給する第2のステップとを有す
    ることを特徴とするステッピングモータの制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第2の電圧が前
    記第1の電圧より低いことを特徴とするステッピングモ
    ータの制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記第2の電圧が前
    記第1の電圧より高いことを特徴とするステッピングモ
    ータの制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記早送り間隔が所
    定の値より短いときは、前記第2のステップで前記第1
    の電圧より高い前記第2の電圧の前記起動用の駆動パル
    スを供給し、 前記早送り間隔が前記所定の値より長いときは、前記第
    2のステップで前記第1の電圧より低い前記第2の電圧
    の前記起動用の駆動パルスを供給することを特徴とする
    ステッピングモータの制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記第1のステップ
    に続いて、前記早送り用の駆動パルスよりパルス幅の広
    い停止用の駆動パルスを供給する第3のステップを有す
    ることを特徴とするステッピングモータの制御方法。
  6. 【請求項6】 請求項1において、前記第2の駆動モー
    ドでは、前記ステッピングモータを前記第1の駆動モー
    ドと反対方向に回転可能であり、 前記第2のステップの先立って、少なくとも1つの逆転
    用の駆動パルスを備えた駆動パルス群を供給する第4の
    ステップを有することを特徴とするステッピングモータ
    の制御方法。
  7. 【請求項7】 ロータと、このロータを回転駆動する磁
    界が駆動コイルによって励磁されるステータとを有する
    ステッピングモータの制御装置において、 前記駆動コイルに駆動パルスを供給する駆動手段と、 前記駆動手段に複数の電圧の電力を供給可能な電源部
    と、 前記ステッピングモータに少なくとも1つの定期駆動用
    の駆動パルスを含んだ駆動パルス群を、その定期駆動用
    の駆動パルスのパルス幅より十分に長い間隔で断続的に
    供給する第1の制御手段と、 前記ステッピングモータに複数の早送り用の駆動パルス
    を、その早送り用の駆動パルスのパルス幅に比較的近い
    早送り間隔で連続的に供給する第2の制御手段とを有
    し、 前記第2の制御手段は、第1の電圧を前記電源部から前
    記駆動手段に供給して前記早送り用の駆動パルスを生成
    する第1の駆動パルス生成手段と、 前記第1の電圧と異なる第2の電圧を前記電源部から前
    記駆動手段に供給し、前記早送り用の駆動パルスより先
    に起動用の駆動パルスを生成する第2の駆動パルス生成
    手段とを有すること特徴とするステッピングモータの制
    御装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記第2の電圧が前
    記第1の電圧より低いことを特徴とするステッピングモ
    ータの制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項7において、前記第2の電圧が前
    記第1の電圧より高いことを特徴とするステッピングモ
    ータの制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項7において、前記第2の駆動パ
    ルス生成手段は、前記早送り間隔が所定の値より短いと
    きは、前記第1の電圧より高い前記第2の電圧を前記駆
    動手段に供給し、前記早送り間隔が前記所定の値より長
    いときは、前記第1の電圧より低い前記第2の電圧の前
    記駆動手段に供給することを特徴とするステッピングモ
    ータの制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項7において、前記早送り用の駆
    動パルスよりパルス幅の広い停止用の駆動パルスを前記
    早送り用の駆動パルスの後に生成する第3の駆動パルス
    生成手段を有することを特徴とするステッピングモータ
    の制御方法。
  12. 【請求項12】 請求項7において、前記第2の制御手
    段は、前記ステッピングモータを前記第1の制御手段と
    反対方向に回転可能であり、 前記第2の制御手段は、少なくとも1つの逆転用の駆動
    パルスを備えた駆動パルス群を前記起動用の駆動パルス
    より先に生成する第4の駆動パルス生成手段とを有する
    こと特徴とするステッピングモータの制御装置。
  13. 【請求項13】 請求項7に記載のステッピングモータ
    の制御装置と、 前記駆動パルスにより時計針を運針するステッピングモ
    ータと、 複数の周波数のパルス信号を出力するパルス合成手段と
    を有し、 前記第1および第2の制御手段が、前記パルス信号のい
    ずれかに基づき前記定期駆動用の駆動パルス、前記早送
    り用の駆動パルスおよび前記起動用の駆動パルスを生成
    し前記ステッピングモータに供給することを特徴とする
    計時装置。
JP33612096A 1996-12-16 1996-12-16 ステッピングモータの制御方法、制御装置および計時装置 Pending JPH10174494A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7944778B2 (en) 2007-04-10 2011-05-17 Seiko Epson Corporation Motor drive control circuit, semiconductor device, electronic timepiece, and electronic timepiece with a power generating device
CN107210693A (zh) * 2015-03-19 2017-09-26 三菱电机株式会社 步进马达的控制装置以及组装有步进马达的空气净化器
JP2019056643A (ja) * 2017-09-21 2019-04-11 セイコーインスツル株式会社 時計、電子機器、および時計の制御方法

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