JPH10174482A - 直流ブラシレスモータ駆動回路 - Google Patents

直流ブラシレスモータ駆動回路

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JPH10174482A
JPH10174482A JP8336776A JP33677696A JPH10174482A JP H10174482 A JPH10174482 A JP H10174482A JP 8336776 A JP8336776 A JP 8336776A JP 33677696 A JP33677696 A JP 33677696A JP H10174482 A JPH10174482 A JP H10174482A
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JP
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phase
switching element
turned
circuit
upstream
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Application number
JP8336776A
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English (en)
Inventor
Hideki Nakada
秀樹 中田
Kaneharu Yoshioka
包晴 吉岡
Yoshiro Tsuchiyama
吉朗 土山
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PWM駆動で進み角運転を行う場合には端子
電圧に時間遅れが発生するため、ロータの回転位置を的
確に検出できない。 【解決手段】 上流および下流側トランジスタの直列回
路を三相分設けたスイッチング回路4において、1つの
直列回路の上流側トランジスタと別の1つの直列回路の
下流側トランジスタをオンして2相通電を行ない、残り
の非通電の1つの相巻線に生じる端子電圧からロータの
回転位置を検出し2相通電を順次切換え、誘起電圧が減
少方向に変化する際は、2相通電用のオンタイミングに
ある各スイッチング素子のうち、上流側スイッチング素
子をオン,オフして下流側スイッチング素子をオンし、
誘起電圧が増大方向に変化する際は、2相通電用のオン
タイミングにある各スイッチング素子のうち、上流側ス
イッチング素子をオンして下流側スイッチング素子をオ
ン,オフする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は永久磁石を回転子と
し、界磁に回転交流磁界を発生させて駆動する、いわゆ
るブラシレスモータの駆動回路に関するものであり、特
に回転子の回転位置センサを必要とせずに駆動する回路
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】直流ブラシレスモータには2極式、4極
式などの極数が異なるモータがある。2極式では星形結
線の三相巻線が互いに120度の機械的な位置ずれをも
ってステータに装着され、ロータには1つの永久磁石
(磁極N,S)が設けられる。4極式では、同じく星形
結線の三相巻線が互いに120度の機械的な位置ずれを
もってステータに装着され、ロータには2つの永久磁石
が互いに90度の機械的な位置ずれをもって設けられ
る。
【0003】2極式と4極式の動作の違いは、2極式で
は三相巻線の電気角1サイクル分の通電にロータの機械
角1サイクル分が対応し、4極式では三相巻線の電気角
2サイクル分の通電にロータの機械角1サイクルが対応
する点である。以下、電気角と機械角が1対1に対応す
る2極式を例に説明する。
【0004】直流ブラシレスモータの駆動は直流電源電
圧からの出力をスイッチングによって所望の周波数の交
流電圧に変換するスイッチング回路を使用し、このスイ
ッチング回路の出力電圧がステータの三相巻線に印加さ
れる。
【0005】スイッチング回路は電流方向に沿って上流
側と下流側に分かれる2つのスイッチング素子たとえば
トランジスタを直列接続し、その直列回路を三相分設け
たもので、これら直列回路のトランジスタ相互接続点に
対しステータの各相巻線の非結線端が接続される。そし
て、スイッチング回路の各直列回路のうち、1つの直列
回路の上流側トランジスタと別の1つの直列回路の下流
側トランジスタがオンされることで、2つの相巻線に対
する通電いわゆる2相通電がなされる。この2相通電に
よって磁界が生じると、それと永久磁石が作る磁界との
相互作用によってロータに回転トルクが生じ、ロータが
回転を始める。このとき、永久磁石の回転に伴う磁気作
用により非通電の1つの相巻線に電圧が誘起し、非通電
端子に端子電圧、いわゆる誘起電圧が発生する。したが
って、非通電端子の電圧からロータの回転位置が検出さ
れ、その回転位置に基づき、上記の2相通電が順次切換
えられる。この2相通電の切換が繰返されることによ
り、ロータの回転が継続する。この切換のタイミング
は、山村監修、大野編著による「パワーエレクトロニク
ス入門(改訂2版)1991年」の241〜243頁に
記載されている方法が用いられている。すなわち、モー
タの三相の端子に対して、電気角120度毎に各相に順
番に2相通電して、非通電期間である電気角60度期間
を用いて、モータの端子電圧を検出し、端子電圧波形を
90度遅らせた波形のゼロクロスタイミングをもって、
通電相を切換えるものである。この方法は常にステータ
の磁束とロータの磁束とが直交状態に近くなるように切
換える方法である。
【0006】モータの3相各端子には、上述したスイッ
チング回路の動作により図5のような電圧が発生する。
図5の上図は上流側トランジスタがオンオフ(チョッッ
ピング)、下流側トランジスタがオンの動作をするとき
を示し、図5の下図は上流側トランジスタがオフ、下流
側トランジスタがチョッピングの動作をするときを示し
ている。U相に着目する。0度から120度の区間が上
図では上流側トランジスタがチョッピング(下図では上
流側トランジスタがオン)する区間で、180度から3
00度の区間が上図では下流側トランジスタがオン(下
図では下流側トランジスタがチョッピング)する区間で
あり、120度から180度および300度から360
度が非通電区間である。他の相は互いに120度ずつこ
れらのスイッチングタイミングがずれている。このよう
に、3相巻線に2相通電が行われることでロータが回転
する。
【0007】速度制御については、チョッピングのデュ
ーティが調節されるいわゆるPWM(パルス幅変調)制
御が実行されることにより、速度が目標値に設定され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
示すように、上流側トランジスタがチョッピング動作、
下流側トランジスタがオンの動作をしていてかつ、非通
電端子電圧が増大方向に変化する場合、すなわち、図5
上図でいう300度から360度区間でのU相端子電圧
は、非通電区間の前半ではチョッピングするトランジス
タがオンしてから誘起電圧が端子に現われるまでに時間
遅れが存在し、非通電区間の後半では時間遅れがなくな
る。また、上流側トランジスタがオンの動作、下流側ト
ランジスタがチョッピング動作をしていてかつ、端子電
圧が増大方向に変化する場合、すなわち図5下図でいう
300度から360度区間でのU相端子電圧は、非通電
区間の前半ではチョッピングするトランジスタがオンし
てから端子電圧が現われるまでに時間遅れがなく、非通
電区間の後半では時間遅れが存在する。
【0009】時間遅れが存在する理由は次の通りであ
る。
【0010】図7はU相が非通電すなわち、上流側トラ
ンジスタTu+および下流側トランジスタTu−が両方
ともオフ、V相が上流側トランジスタTv+がオフで下
流側トランジスタTv−がオン、W相が上流側トランジ
スタTw+がチョッピングで下流側トランジスタTw−
がオフしているときの動作を一例として示している。モ
ータの等価回路は図7に示すY結線であり、巻線の抵抗
と磁界を発生させるインダクタおよび磁束の変化に伴っ
て発生する誘起電圧を交流電源として表現している。こ
の交流電源である誘起電圧の時間変化は、中性点電位側
を基準にとると一般的に図8のようになる。したがっ
て、U相端子電圧Vuは誘起電圧が増大方向区間での前
半ではU相の誘起電圧は負であるから、中性点電位Vn
よりも端子電圧Vuの方が低く、区間の後半になると誘
起電圧が正になるため、VuがVnよりも高くなる。
【0011】Tw+がオンすると、電流は上流側からT
w+を通ってモータのW相端子へ入り、V相端子に抜け
てTv−を通過するため、図7のように回路中を流れ
る。モータのW相端子電圧Vwは電源電圧V0と等しく
、V相端子電圧Vvは零である。ここで、U相から電
流が流れ込まない、すなわち、iu=0と仮定すると、
W相を流れる電流iwとV相を流れる電流ivは等しく
インダクタで発生する電圧もほぼ等しい。また、磁束の
変化による誘起電圧の値はW相誘起電圧が減少し、V相
誘起電圧が増加する。したがって、中性点電位Vnは6
0度区間においてほぼV0/2程度であり、位相が進む
につれて上昇する。
【0012】Tw+がチョッピングのオンからオフに切
り換わると、W相電流iwとV相電流ivは減少するた
め図9に示すようにインダクタに逆向きの起電力が発生
し、オフの瞬間の起電力は∞になり、W相端子電圧Vw
は−∞となる。そのため、フライホイールダイオードD
w−が導通して回路を電流が流れW相端子電圧は零にな
る(実際にはダイオードの電圧降下分があるので負電圧
になるが、電圧値が電源電圧よりも非常に小さいので零
とみなす)。逆に誘起電圧よりもインダクタの起電力が
小さくなって、Vwが正になるとDw−が遮断され直ち
にインダクタの起電力が大きくなり、また直ちにVwが
下がる。これのバランスの結果として、Tw+がオフの
期間中はW相からV相に電流が流れ、インダクタの起電
力と誘起電圧がバランスし、中性点電位Vnが零にな
る。このとき、U相誘起電圧が負であると前述のように
U相端子電圧Vuが負であるためフライホイールダイオ
ードDu−を通ってU相に電流が流れる。すると、Tw
+がオンした瞬間にはU相に電流が流れており、インダ
クタの影響によってしばらくの間電流が流れ続ける。こ
のときのVuは零になっているため、正しい端子電圧検
出結果が得られず、回転子位置を正しく検出できない。
一方、U相誘起電圧が正のときは、Tw+がオフのとき
にもVuが正になるためU相に電流が流れず、オンした
瞬間から端子電圧が発生し、回転子位置を正しく検出す
ることができる。
【0013】これまでは上流側がチョッピング、下流側
がオンの動作を行っているときを説明したが、上流側が
オン、下流側がチョッピングの動作を行う場合において
は、これまでの逆となる。例えばTv−がチョッピング
動作、Tw+がオン動作のとき、Tv−がチョッピング
のオフのときの中性点電位はV0、Tv−がオンのとき
の中性点電位はV0/2となる。したがって、Tv−が
オフでU相誘起電圧が正のときにはVuはV0よりも大
きいためU相から電流が流れ出してフライホイールダイ
オードDu+を通って電流が流れる。Tv−がオンした
瞬間にはU相に電流が流れており、インダクタの影響に
よってしばらくの間電流が流れ続ける。したがって、こ
のときに端子電圧を検出してもV0になっているため正
しい検出結果が得られない。一方、U相誘起電圧が負の
ときはTv−がオフのときにもVuがV0より小さいた
め電流が流れず、Tv−がオンした瞬間から端子電圧が
発生するので回転子位置を正しく検出することができ
る。
【0014】以上より、端子電圧の発生に時間遅れが存
在する条件をまとめると表2のように整理できる。
【0015】
【表2】
【0016】したがって、ロータの位相よりも早めに通
電相切換を行って、電圧が不足した状態で高速にロータ
を回転させる、いわゆる進み角運転を行うときには、端
子電圧を検出できる区間が短くなり非通電区間の前半部
分に限られるため、上流側もしくは下流側のどちらか一
方をチョッピングさせてモータに電圧を印加する方法で
は、チョッピングがオンしているタイミングに端子電圧
を取得しようとしても、時間遅れが存在するため端子電
圧が現われていないことがあり、正しい検出結果が得ら
れなくなる恐れがある。
【0017】請求項1記載の発明は上記の事情を考慮し
たもので、その目的とするところは、進み角運転を行っ
てもロータの回転位置を的確に検出することができ、こ
れにより安定した運転を可能とする直流ブラシレスモー
タの駆動回路を提供することにある。
【0018】また、誘起電圧は回転速度に比例した電圧
でもあるので、起動時にはモータ端子に発生する電圧が
検出できずゼロクロスタイミングで通電相を切換える方
法が実施できない。このため、従来は起動時には誘導電
動機などと同様にV/f制御(電圧/周波数の関係を一
定に保つ制御)を行い、端子電圧が検出できるようにな
ったら上述の制御に移行する手法がとられている。とこ
ろがこの制御の移行の際、制御の遅れやパラメータのず
れなどにより、移行時に過大な電流が流れることがあ
り、駆動用トランジスタに大型のものを必要としたり、
過大電流のため永久磁石が減磁する可能性がある。
【0019】請求項2記載の発明は上記の事情を考慮し
たもので、その目的とするところは、進み角運転を行っ
てもロータの回転位置を的確に検出することができ、か
つ制御の移行時の課題を解決するものであり、これによ
り安価かつ安定した運転を可能とする直流ブラシレスモ
ータの駆動回路を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明の直流ブラシレ
スモータの駆動回路は、三相巻線を有するステータおよ
び永久磁石を有するロータより構成された直流ブラシレ
スモータと、電流方向に従って互いに上流側および下流
側となる2つのスイッチング素子の直列回路を三相分設
けたスイッチング回路と、前記スイッチング回路の前記
各直列回路に直流電圧を印加する直流電源回路とを備
え、前記各直列回路のスイッチング素子接続点に前記各
相巻線の非結線端を接続し、1つの直列回路の上流側ス
イッチング素子と別の1つの直列回路の下流側スイッチ
ング素子をオンして2相通電を行ない、残りの非通電の
1つの相巻線に生じる端子電圧を検出し、前記端子電圧
から前記ロータの回転位置を検出して上記2相通電を順
次切換える直流ブラシレスモータの駆動回路であって、
前記端子電圧が減少方向に変化するとき2相通電用のオ
ンタイミングの前記各スイッチング素子のうち上流側ス
イッチング素子をオン,オフし下流側スイッチング素子
をオンし、前記端子電圧が増大方向に変化するとき2相
通電用のオンタイミングの前記各スイッチング素子のう
ち上流側スイッチング素子をオンし下流側スイッチング
素子をオン,オフする制御手段を備えている。
【0021】また、前記回転位置を検出する手段ではな
く、通電切換のタイミングを設定回転数で決定するタイ
ミング発生手段と、残りの非通電の1つの相巻線に生じ
る端子電圧を検出し前記端子電圧から前記直流電源回路
の印加電圧の過不足を判断する印加電圧補償手段と、前
記端子電圧が減少方向に変化するとき2相通電用のオン
タイミングの前記各スイッチング素子のうち上流側スイ
ッチング素子をオン,オフし下流側スイッチング素子を
オンし、前記端子電圧が増大方向に変化するとき2相通
電用のオンタイミングの前記各スイッチング素子のうち
上流側スイッチング素子をオンし下流側スイッチング素
子をオン,オフし、前記印加電圧補償手段からの信号に
よりオン,オフするタイミングを可変して印加電圧を変
更する制御手段とを備えている。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1において、1は直流ブ
ラシレスモータで、星形結線の三相巻線Lu、Lv、L
wを有するステータ(図示しない)、および永久磁石を
有するロータ(図示しない)より構成される。
【0023】三相交流電源2に整流回路3が接続され、
その整流回路3の出力端にスイッチング回路4が接続さ
れる。このスイッチング回路4は、上流側スイッチング
素子と下流側スイッチング素子の直列回路を三相分設け
たもので、U相用の上流側および下流側スイッチング素
子としてトランジスタTu+とTu−、V相用としてト
ランジスタTv+とTv−、W相用としてトランジスタ
Tw−とTw−が設けられる。これら直列回路に整流回
路3からの直流電圧が印加される。なお、逆起電力防止
用のフライホイールダイオードDu+ないしDw−が各
トランジスタに並列接続される。
【0024】スイッチング回路4におけるトランジスタ
Tu+,Tu−の相互接続点に、相巻線Luの非結線端
が接続される。トランジスタTv+,Tv−の相互接続
点に、相巻線Lvの非結線端が接続される。トランジス
タTw+,Tw−の相互接続点に、相巻線Lwの非結線
端が接続される。制御部5は、各相の端子電圧Vu、V
v、Vwを検出し、その端子電圧の変化を基にロータの
回転位置を検出しスイッチング回路4の各トランジスタ
に対する駆動信号を作成する。これら駆動信号は、スイ
ッチング回路4の各トランジスタのベースに供給され
る。
【0025】(実施の形態1)請求項1記載の発明の一
実施の形態として、制御部の具体例を図2に示す。
【0026】図2において、各相の端子電圧Vu,Vv,V
wが比較器21に送られる。この比較器21は、通電モ
ード更新器24の通電モードに基づいて、表1に示す非
通電端子電圧と基準電圧Vcとの比較結果を選択し、端
子電圧が基準電圧Vcよりも小さい場合には論理出力
「0」を出力し、大きい場合は論理出力「1」を出力す
る。
【0027】
【表1】
【0028】なお、端子電圧を得るタイミングは、タイ
マ22の論理出力「1」で端子電圧を得る。タイマ22
はPWMを発生するためのキャリア周期Tと同期がとれ
ていて、かつPWMがチョッピングのオンしているタイ
ミングで論理出力「1」を発生させ、それ以外は「0」
を出力する。したがって端子電圧を検出するタイミング
はPWMがオンのときであり、比較器21から送られた
出力はタイマ23に入る。タイマ23は外部からの設定
回転数を、電気角30度分のカウンタに設定してあり、
論理出力が変化した場合にはタイマをスタートさせる。
タイマが30度分のカウントした時には論理信号「1」
を発生し、通電モード更新器24に入力される。通電モ
ード更新器24は1ないし6の繰り返しカウンタが備わ
っていて、論理信号が入力された場合には繰り返しカウ
ンタを進める。すると、繰り返しカウンタの変化を監視
する通電切換器25が各トランジスタの通電モードを変
更する。この繰り返しカウンタの値と通電モードは、表
1に示されたスイッチング回路4の各トランジスタに対
する6種類の通電モード1,2,3,4,5,6に対応
する。
【0029】表1でオンと記述したものは、その通電モ
ードの期間中、スイッチング素子がオンの動作を行い、
オフと記述したものはその通電モードの期間中、スイッ
チング素子がオフの動作を行い、PWMと記述したもの
は、外部からの速度指令およびキャリア周期に基づいて
デューティーが決定され、通電モードの期間中、スイッ
チング素子がチョッピング動作を行う。
【0030】以下同様に、回転基準位置、すなわち、基
準電圧と端子電圧が交わるタイミングを検出してから電
気角30度の遅れをもって通電モードが変更され、ロー
タの回転が継続する。
【0031】進み角運転を行う場合には、図3のように
基準電圧Vcを一定中心ではなく、上下に変更する。進
み角の大きさにしたがって、誘起電圧が減少方向のとき
は基準電圧Vcを大きくし、増大方向のときは基準電圧
Vcを小さくし、基準電圧と端子電圧が交わるタイミン
グを前にすることで、機械角よりも電気角を前に進ませ
る。進み角運転を行うことで、端子電圧の取得は非通電
区間の前半になるが、誘起電圧は増大方向のときは負で
あり、減少方向のときは正であるため、表1の動作を行
うことによって、チョッピング動作によっても端子電圧
の発生に時間遅れがないため、端子電圧を的確に検出す
ることが可能となり、安定な運転をすることができる。
【0032】(実施の形態2)請求項2記載の発明の一
実施の形態として、制御部の具体例を図4に示す。
【0033】図4において、設定回転数はV/f変換器
41とタイマ42に入力される。V/f変換器41はあ
らかじめ決められたモータのV/f特性に基づいて設定
回転数に応じたモータへの印加電圧を通電切換器44に
出力する。タイマ42は設定回転数で決定される電気角
60度の時間が過ぎるごとに論理出力「1」を通電モー
ドカウンタ43に出力し、時間が60度に達していない
ときは論理出力「0」を通電モードカウンタ43に出力
する。通電モードカウンタ43は1ないし6の繰り返し
カウンタが備わっていて、論理出力「1」がタイマ42
から入力されると、繰り返しカウンタを進める。通電切
換器44は通電モードカウンタ43の値から通電モード
を決定し、表1で示した通電モードに基づいて各トラン
ジスタへ信号を出力する。このとき、V/f変換器41
と電圧補償器45の和を印加電圧としてデューティーを
計算し、そのデューティーの結果に基づいてPWMの幅
を決定する。また、PWMがチョッピングのオンしてい
るタイミングで比較器46へ同期信号を出力する。
【0034】比較器46は通電切換器44の同期信号と
通電モードカウンタの値に基づいて表1により決定され
た端子電圧を読み取る。非通電区間全体の端子電圧を平
均化して、通電モードカウンタの値が更新されたときに
メモリA47に書き込む。メモリA47は比較器46か
ら結果が書き込まれるごとにメモリAの内容をメモリB
48に移動する。印加電圧補正器45は入力された基準
位相に基づいて電気角と機械角の位相差が基準位相とな
るように、メモリA47の内容とメモリB48の内容の
差から電圧の過不足を計算し通電切換器44に出力す
る。
【0035】このように電気角と機械角が基準位相に近
づくように電圧を調整するため、進み角運転を行う場合
には基準位相の値を変更すればよい。進み角運転を行う
場合には端子電圧を取得するタイミングが非通電区間の
前半になるが、表1の動作を行うことによって、チョッ
ピング動作によっても端子電圧の発生に時間遅れがない
ため、端子電圧を的確に検出することが可能となり、安
定な運転をすることができる。
【0036】また、端子電圧を位置検出に使用するので
はなく、電圧の過不足を補償するために使用するので、
従来の技術で述べた制御方式の以降すなわち、V/f駆
動からゼロクロスタイミングを得て通電相切換えを行う
必要がなくなり、制御移行時の課題を解決することがで
きる。
【0037】なお、端子電圧を検出するのは、チョッピ
ングがオンの動作のときの、非通電区間全体の値を検出
してもよいし、非通電区間のある一部の区間を検出して
もよい。ただし、ある一部の区間を検出する場合には誘
起電圧の増大方向と減少方向の検出位置を変える必要が
ある。例えば、60度非通電区間のうち、30度から4
0度を誘起電圧の増大方向で検出する場合には、誘起電
圧の減少方向区間では20度から30度の区間で検出し
なければならない。
【0038】なお、従来例では120度通電の60度非
通電形式の通電方式について述べたが、150度通電の
30度非通電形式などの通電区間を長くした場合にも、
非通電区間が短くなり端子電圧を取得するタイミングが
非通電区間の前半になるが、表1の動作を行うことで端
子電圧を的確に検出でき、安定な運転が可能となるのは
いうまでもない。
【0039】なお、上記実施の形態1および2では、ス
イッチング回路4のスイッチング素子がトランジスタの
場合を例に説明したが、他の素子であっても同様に実施
可能である。また、実施例の説明ではマイクロコンピュ
ータを念頭に置いて必要な機能を記述したが、同様の機
能をアナログ回路や論理回路で作成してもよい。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように請求項1記載の発明に
よれば、誘起電圧が増大方向に変化するとき2相通電用
のオンタイミングの各スイッチング素子のうち上流側ス
イッチング素子をオンして下流側スイッチング素子をオ
ン,オフする手段と、誘起電圧が減少方向に変化すると
き2相通電用のオンタイミングの各スイッチング素子の
うち上流側スイッチング素子をオン,オフして下流側ス
イッチング素子をオンする手段とを備えたので、進み角
運転を行う場合にロータの回転位置を的確に検出するこ
とができ、これにより安定した効率の良い運転を可能と
する直流ブラシレスモータの駆動制御装置を提供でき
る。
【0041】また、請求項2記載の発明によれば、誘起
電圧が増大方向に変化するとき2相通電用のオンタイミ
ングの各スイッチング素子のうち上流側スイッチング素
子をオンして下流側スイッチング素子をオン,オフする
手段と、誘起電圧が減少方向に変化するとき2相通電用
のオンタイミングの各スイッチング素子のうち上流側ス
イッチング素子をオン,オフして下流側スイッチング素
子をオンする手段と、電圧の過不足を端子電圧の差で補
償する制御手段を有しているので、従来の制御の移行の
際の課題を解決し、かつ進み角運転を行う場合にもロー
タの回転位置を的確に検出することができるので、安価
で安定した効率の良い運転を可能とする直流ブラシレス
モータの駆動制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における全体図。
【図2】本発明の実施の形態1における制御部の具体例
のブロック図。
【図3】本発明の実施の形態1における進み角運転を説
明するための信号波形図。
【図4】本発明の実施の形態2における制御部の具体例
のブロック図。
【図5】従来装置の上流側か下流側どちらか一方のトラ
ンジスタがオン,オフし、もう一方がオンするときの端
子電圧を示す図。
【図6】従来装置の上流側か下流側どちらか一方のトラ
ンジスタがオン,オフし、もう一方がオンするときの非
通電端子電圧を示す図で課題となる時間遅れを示す図。
【図7】従来装置の上流側トランジスタがオン,オフ
し、下流側トランジスタがオンするときの回路を流れる
電流ならびに誘起電圧とインダクタ起電力の方向を示す
図。
【図8】誘起電圧の時間変化を示す図。
【図9】従来装置の上流側トランジスタがオン,オフ
し、下流側トランジスタがオンするときの回路を流れる
電流ならびに誘起電圧とインダクタ起電力の方向を示す
図。
【符号の説明】
1…直流ブラシレスモータ、2…交流電源、3…整流回
路、4…スイッチング回路、5…制御部、21…比較
器、22,23…タイマ、24…通電切換器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三相巻線を有するステータおよび永久磁石
    を有するロータより構成された直流ブラシレスモータ
    と、電流方向に従って互いに上流側および下流側となる
    2つのスイッチング素子の直列回路を三相分設けたスイ
    ッチング回路と、前記スイッチング回路の前記各直列回
    路に直流電圧を印加する直流電源回路とを備え、前記各
    直列回路のスイッチング素子接続点に前記各相巻線の非
    結線端が接続され、1つの直列回路の上流側スイッチン
    グ素子と別の1つの直列回路の下流側スイッチング素子
    をオンして2相通電を行ない、残りの非通電の1つの相
    巻線に生じる端子電圧を検出し、前記端子電圧から前記
    ロータの回転位置を検出して前記2相通電を順次切換え
    る直流ブラシレスモータの駆動回路であって、前記端子
    電圧が減少方向に変化するとき2相通電用のオンタイミ
    ングの前記各スイッチング素子のうち上流側スイッチン
    グ素子をオン,オフし下流側スイッチング素子をオン
    し、前記端子電圧が増大方向に変化するとき2相通電用
    のオンタイミングの前記各スイッチング素子のうち上流
    側スイッチング素子をオンし下流側スイッチング素子を
    オン,オフする制御手段を備えたことを特徴とする直流
    ブラシレスモータの駆動回路。
  2. 【請求項2】三相巻線を有するステータおよび永久磁石
    を有するロータより構成された直流ブラシレスモータ
    と、電流方向に従って互いに上流側および下流側となる
    2つのスイッチング素子の直列回路を三相分設けたスイ
    ッチング回路と、前記スイッチング回路の前記各直列回
    路に直流電圧を印加する直流電源回路とを備え、前記各
    直列回路のスイッチング素子接続点に前記各相巻線の非
    結線端が接続され、1つの直列回路の上流側スイッチン
    グ素子と別の1つの直列回路の下流側スイッチング素子
    をオンして2相通電を行い、前記2相通電を順次切換え
    る直流ブラシレスモータの駆動回路であって、通電切換
    のタイミングを設定回転数で決定するタイミング発生手
    段と、残りの非通電の1つの相巻線に生じる端子電圧を
    検出し前記端子電圧から前記2相通電の電圧の過不足を
    判断する電圧補償手段と、前記端子電圧が減少方向に変
    化するとき2相通電用のオンタイミングの前記各スイッ
    チング素子のうち上流側スイッチング素子をオン,オフ
    し下流側スイッチング素子をオンし、前記端子電圧が増
    大方向に変化するとき2相通電用のオンタイミングの前
    記各スイッチング素子のうち上流側スイッチング素子を
    オンし下流側スイッチング素子をオン,オフし、前記電
    圧補償手段からの信号によりオン,オフするスイッチン
    グ素子のタイミングを可変する制御手段とを備えたこと
    を特徴とする直流ブラシレスモータの駆動回路。
JP8336776A 1996-12-17 1996-12-17 直流ブラシレスモータ駆動回路 Pending JPH10174482A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002119081A (ja) * 2000-10-10 2002-04-19 Nec Kansai Ltd ブラシレスモータ駆動回路
JP6324600B1 (ja) * 2017-07-06 2018-05-16 北斗制御株式会社 電動機の界磁位置検出方法

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