JPH10174336A - 回転電機の回転子 - Google Patents

回転電機の回転子

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JPH10174336A
JPH10174336A JP8328194A JP32819496A JPH10174336A JP H10174336 A JPH10174336 A JP H10174336A JP 8328194 A JP8328194 A JP 8328194A JP 32819496 A JP32819496 A JP 32819496A JP H10174336 A JPH10174336 A JP H10174336A
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block
rotor
wedge
axial direction
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Tomoshige Koga
智茂 古賀
Tadashi Sonobe
正 園部
Takashi Shibata
孝 柴田
Hiroshi Kimoto
寛 木本
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    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K1/00Details of the magnetic circuit
    • H02K1/06Details of the magnetic circuit characterised by the shape, form or construction
    • H02K1/22Rotating parts of the magnetic circuit
    • H02K1/26Rotor cores with slots for windings
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K3/00Details of windings
    • H02K3/46Fastening of windings on the stator or rotor structure
    • H02K3/48Fastening of windings on the stator or rotor structure in slots

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】回転子の胴部スロット内に配置されるクリペー
ジブロックの構造により、起動運転中の回転子軸に回転
子の軸曲がり及び熱変形振動を生じる。 【解決手段】回転子軸方向端部におけるクリページブロ
ック1Aは、一端をリティニングリング10に保持し、
長さを界磁巻線2の熱伸びによる影響の少ない個所であ
って他のクリページブロック1Bの長さより長くする。 【効果】界磁巻線の熱伸び影響を受ける回転子軸方向端
部のクリページブロック1Aの軸方向切れ目をなくし、
界磁巻線の切れ目への食い込みがなくなり、起動運転中
の回転子の軸曲がり及び熱変形振動を低減できるように
なった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回転電機の回転子の
クリページブロックの配置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、火力や原子力などの発電設備に
代表されるタービン発電機においては、特開平6−17848
0 号公報の回転子の構造として、主軸鉄心部に界磁巻線
を挿入するための溝を機械加工し、その溝の中に界磁巻
線を収納し、巻線が遠心力により飛び出さないように巻
線の上部にウェッジと呼ばれる楔を挿入している。定格
運転中の界磁巻線には数1000アンペアの大電流が流
れ、500ボルト程度の電圧がかかるため、導電性を有
しながら接地されているウェッジと界磁巻線との間は短
絡防止のため、絶縁物によってクリープ距離を確保させ
て絶縁する必要がある。
【0003】従来、ウェッジと界磁巻線とを絶縁させる
構造として、図9に示すように界磁巻線全体をスロット
絶縁によって囲み、溝内に収納したウェッジ3と界磁巻
線2との間でスロット絶縁5を二重に折り返す形でクリ
ープ距離を確保していた。この構造はウェッジ3と界磁
巻線2との間の距離を小さくすることができるため、ロ
ータ径を小さくできる反面、界磁巻線2の更新等の際に
スロット絶縁5を一度折り戻してしまうと、再使用でき
なくなり、新品と交換しなければならなくなるため、界
磁巻線3ごとスロットから抜き出さなくてはならないと
いう問題点があった。尚、4はウェッジ下絶縁、6は層
間絶縁、7はサブスロットである。
【0004】この問題点を解消するため、図10に示す
ようにスロット絶縁5は界磁巻線側面のみの絶縁とし、
ウェッジ3と界磁巻線2との間の絶縁として、容易に設
置、取り外しができるクリページブロック1を今日では
通常採用している。
【0005】このクリページブロック1は、高さ方向で
ウェッジ3と界磁巻線2との間のクリープ距離を確保
し、対地絶縁をすると共に、界磁巻線2の遠心力に充分
耐えられるガラス基材により構成されている。形状は、
軸方向にはほぼ等間隔,複数個に分割され、幅方向と高
さ方向は分割されていない。軸方向においてほぼ等間
隔,複数個に分割されているのは、製法上による理由
で、1スロット全長にわたって1本につくるのが困難で
あり、加工しやすいよう適当な長さに区切られている。
幅方向と高さ方向に分割されていないのは、作業性を考
慮にいれて、最も手軽で確実にクリープ距離を確保でき
るようにするためである。
【0006】コイルエンド部における界磁巻線2は、図
11及び図12に示すように外径側のリティニングリン
グ10により固定される仕組みになっている。この際の
界磁巻線2とリティニングリング10との間は円筒状の
リティニングリング絶縁11によって絶縁され、回転子
表面に流れるうず電流はダンパリング13によって循環
する仕組みとなっている。リティニングリング絶縁11
は回転子胴部9の端部付近でクリページブロック1Aと
接触している。
【0007】軸方向の最端部に位置するクリページブロ
ック1Aは、スロット内の界磁巻線2とダンパリング1
3とを絶縁するために高さが低くなっており、ダンパリ
ング13と軸方向最端部のクリページブロック1Aとの
間にはチャンネル14と呼ばれる絶縁物が挿入されてい
る。回転子胴部9において界磁巻線2はスロット内に納
められ、クリページブロック1Aを介しウェッジ3によ
って固定されている。つまり、界磁巻線2とウェッジ3
及びクリページブロック1Aの軸方向両端をリティニン
グリング10により保持されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、発電機の回転
子の定格運転時における回転数は毎分3000〜3600回転、
ロータの外周表面では約5000Gもの遠心力がかか
る。そのような環境下で界磁巻線2に定格電流を流す
と、線膨張率の大きい銅製の巻線は温度上昇により膨張
しようとするものの、巨大な遠心力によって胴部軸方向
中央部では熱伸びが完全に抑えられ、胴部軸方向端部の
ある部分を起点として軸端方向に伸びる。その際に、界
磁巻線2が伸びる部分に接しているクリページブロック
1Aの表面性状の如何により、図12のAで示された部
分のクリページブロック1Aとクリページブロック1B
との間の切れ目を介して回転による巨大な遠心力が界磁
巻線2にかかると、界磁巻線2がクリページブロック1
A,1Bの切れ目に食い込み、回転子胴部9の軸方向端
部で熱伸びしようとする界磁巻線2を拘束するため、回
転子軸へ伝達される摩擦力が大きくなる。また、切れ目
の微妙な形状の違いは、周方向での摩擦力のアンバラン
スを生じ、軸曲がりを誘発し、結果として回転中の回転
子の熱変形振動へとつながる。
【0009】更に、回転子の熱変形振動について図13
乃至図16により詳細に説明する。即ち、図13,図1
4に示すようにクリページブロック1Aに加わる遠心力
CBとコイル2の熱の伸びによる力FT により、クリペ
ージブロック1Aは図のように持ち上げられる形とな
り、その際にクリページブロック1Aとコイル2との間
の摩擦係数が低下するため、コイル2はコイルエンド
(図15,図16)の矢印方向に伸びようとする。その
際、各コイルはスペーサ16により軸方向変位を固定さ
れているため、結果として図15,図16のような変形
20を引越し、コイル2が変形する結果として、回転子
周方向でのアンバランスと成り、振動を引き起こす。
尚、18は間隔ブロックである。
【0010】又図14のように、持ち上げられたクリペ
ージブロック1A(遠心力FCBと熱の伸びによる力FT
による)の角部分にコイル2が当たる(又はつかえる)
ことにより、コイル2の熱伸が妨げられ、コイル2はつ
かえた部分で摩擦力FN を持つ。各ストットによる回転
子の周方向での摩擦力FN のアンバランスは、回転子軸
に伝わる力のアンバランスとなり、振動を引き起こす。
【0011】本発明の目的は、起動運転中の回転子にお
ける胴部軸方向端部での界磁巻線の熱伸びによって生じ
る各部材間摩擦力のアンバランスを低減し、回転子の軸
曲がりおよび熱変形振動を低減させた回転電機の回転子
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明には、一端がリティニングリングに保持されたク
リページブロックの長さを界磁巻線の熱伸びによる影響
の少ない個所であって他のクリページブロックの長さよ
り長くすることにある。または一端がリティニングリン
グに保持されたクリページブロックの長さLCBは界磁巻
線の熱伸びによって動きうる範囲LCよりも大きく、L
CB>LCの値の関係を満たすことにある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施を図1及び図2によ
り説明する。
【0014】図1は図の回転電機の回転子の右側を表し
た回転子胴部9の端部の軸方向断面図であり、図2は図
1を上から見た平面図である。コイルエンド部における
界磁巻線2は、外径側のリティニングリング10により
固定される仕組みになっている。この際の界磁巻線2と
リティニングリング10との間は円筒状のリティニング
リング絶縁11によって絶縁され、回転子表面に流れる
うず電流はダンパリング13によって循環する仕組みと
なっている。リティニングリング絶縁11は回転子胴部
9の端部付近でクリページブロック1Aと接触してい
る。
【0015】軸方向の最端部に位置するクリページブロ
ック1Aは、スロット内の界磁巻線2とダンパリング1
3とを絶縁するために高さが低くなっており、ダンパリ
ング13と軸方向最端部のクリページブロック1Aとの
間にはチャンネル14と呼ばれる絶縁物が挿入されてい
る。回転子胴部9において界磁巻線2はスロット内に納
められ、クリページブロック1Aを介しウェッジ3によ
って固定されている。つまり、界磁巻線2とウェッジ3
及びクリページブロック1Aの軸方向両端をリティニン
グリング10により保持されている。そして、一端が上
記リティニングリング10に保持されたクリページブロ
ック1Aの長さLCBは、回転通電中の界磁巻線2の熱伸
範囲よりも長く、且つ他のクリページブロック1Bの長
さより長く形成されている。
【0016】回転電機を運転して回転子を回転中には、
界磁巻線2に熱的伸びを生じるが、この熱的伸びは界磁
巻線2の両端方向に伸ばされ、伸びた界磁巻線2の両端
に回転中の遠心力が加わると、伸びの影響の大きい界磁
巻線2の両端には図の従来技術に比べて他のクリページ
ブロック1Bと隣接する軸方向に切れ目がなく、伸びた
界磁巻線2が切れ目に食い込んで変形することが出来
ず、回転子の軸曲がりや、熱変形が低減され、回転電機
の回転子中の振動が少なくなり、回転電機の効率を従来
技術のそれに比べて良くすることが出来るばかりか、ま
た界磁巻線2の変形を補正する期間を大幅に引き延ばす
こと出来る。
【0017】更に、クリページブロック1Aの長さにつ
いて図4により説明する。
【0018】従来の構造のように、図11のAで示され
た部分のクリページブロック1Aと1Bとの間の切れ目
に回転による巨大な遠心力がかかると、界磁巻線2がク
リページブロック1A,1Bの切れ目に食い込み、回転
子胴部9の軸方向端部で熱伸びしようとする界磁巻線2
を拘束するため、回転子軸へ伝達される摩擦力が大きく
なる。また、切れ目の微妙な形状の違いは、周方向での
摩擦力のアンバランスを生じ、軸曲がりを誘発し、結果
として回転中の回転子の熱変形振動へとつながる。
【0019】これ対して、図3のように界磁巻線2の熱
伸びが生じる回転子胴部9の軸方向端部に対して、軸方
向に切れ目がないクリページブロック1Aを配置するこ
とにより、界磁巻線2は遠心力下で一様に伸びるように
なり、摩擦力および摩擦力のアンバランスを低減するこ
とができ、結果として回転子の軸曲がりおよび熱変形振
動を低減できる効果がある。
【0020】即ち、図1における軸方向端部のクリペー
ジブロック1Aの軸方向長さLCBについて説明する。先
ず、界磁巻線2の遠心力と熱伸び力との関係には図3の
ような関係があり、摩擦係数μが小さい程拘束される部
分が少なくなることがわかる。詳細を示すと図4のよう
になり、界磁巻線2の熱伸びによって動きうる範囲LC
は次式で表される。
【0021】LC=FT/(μCBFCB−μCFC) ここで FT :熱伸び力 μCB:クリページブロック1と界磁巻線2との摩擦係
数 FCB:クリページブロック1に働く単位長さあたりの
遠心力 μC :界磁巻線2同士の摩擦係数 FC :界磁巻線2に働く単位長さあたりの遠心力 また、熱伸び力FTは次式で表される。
【0022】FT=A E(αΔTC−βΔTS) ここで A :クリページブロック1と接触している
界磁巻線2の断面積 E :界磁巻線2のヤング率、α:界磁巻線2の線膨
張率、 ΔTC:界磁巻線2の温度上昇、β:軸材8の線膨張
率、 ΔTS:軸材8の温度上昇 つまり、1スロット内に生じる熱伸びによる力は遠心力
によって生じる摩擦力により釣り合う。この時、1スロ
ットの各ターン間では熱伸びによる力及び界磁巻線同士
の摩擦係数がほぼ等しいため、滑ることなく一体となっ
て伸びると考えられる。一方、クリページブロック1A
と界磁巻線2との間では、クリページブロック1A自身
には熱伸び力がほとんど発生せず、界磁巻線2だけが伸
びる。
【0023】従って、図1における軸方向端部における
クリページブロック1Aの軸方向長さLCBは、界磁巻線
2の熱伸びによって動きうる範囲LC よりも大きければ
よいので、次式を満たすような値にすればよい。
【0024】LCB>LC 更に本発明の他の実施例を図5乃至図8により説明す
る。
【0025】図5のように、回転子胴部9の軸方向中央
部に対しては軸方向に複数に、ほぼ等間隔に分割された
クリページブロック1E,回転子胴部9の軸方向端部に
対しては軸方向に配置されていない1個のクリページブ
ロック1Fを配置することにより、回転子胴部9の軸方
向端部における界磁巻線2は遠心力下で一様に伸びるよ
うになり、回転子軸8に伝わる摩擦力のアンバランスを
低減することができる。
【0026】また、回転子胴部9の軸方向端部に高さ方
向を2つ以上に配置した多層構造クリページブロック1
F,1Gを配置することにより、回転子胴部9の軸方向
端部での界磁巻線2の熱伸びに対して、界磁巻線2とク
リページブロック1Fとの接触面が何らかの影響で滑ら
ずに固渋してしまった場合に、クリページブロックとク
リページブロックとの間で滑らせることが可能となるた
め、回転子軸8(図11を参照)に伝わる摩擦力を低減
することができる。
【0027】更に、回転子胴部9の軸方向端部におい
て、界磁巻線2との接触面またはウェッジ3との接触面
に対しては軸方向に分割がないクリページブロック1
F、それ以外の部分に対しては軸方向に滑り易くするた
めに軸方向に配置した複数のクリページブロック1Gを
軸方向切れ目が重ならないように互い違いに配置し、各
クリページブロック1Gの層間接触面での高さ方向にお
ける段差をなくすことで滑りを円滑にし、回転子軸8に
伝わる摩擦力を低減することができる。
【0028】以上の構造により、起動運転中の回転子軸
に伝わる摩擦力および摩擦力のアンバランスを低減する
ことができ、結果として回転子の軸曲がりおよび熱変形
振動を低減できる効果がある。
【0029】図6のように、界磁巻線2とウェッジ3と
の接触するクリページブロック1Hの表面にクリページ
ブロックの摩擦係数μより小さい摩擦係数μを有する絶
縁物15例えばテフロンを貼り付けて、一体クリページ
ブロック1Hとすることにより、界磁巻線2は遠心力下
で一様に伸びる時に絶縁物15に接触しながら移動する
のが、絶縁物15の摩擦係数μがクリページブロック1
Hの摩擦係数μより小く、界磁巻線2が絶縁物上を均一
に滑るようになり、クリページブロック1Hを破損し
て、回転子軸8に伝わる摩擦力のアンバランスを低減す
ることができ、結果として回転子の軸曲がりおよび熱変
形振動を低減できる効果がある。絶縁物15は表面摩擦
係数μのばらつきの少ない安定した絶縁物である。
【0030】クリページブロックと界磁巻線2との接触
面の摩擦係数μが小さいほど、界磁巻線2が遠心力下で
熱伸びする際の回転子軸8が蓄える摩擦力は小さくなっ
て、理想的であるが、摩擦係数μが小さすぎると軸方向
端部への界磁巻線2の熱伸び量は大きくなり、リティニ
ングリング10下のコイルエンド部にしわ寄せとなって
押し寄せる。コイルエンド部は図7のような構造になっ
ており、コイルエンド部の軸方向端部における界磁巻線
2は、スペーサ16を介してセンタリングリング12に
よって固定されている。従って、界磁巻線2がコイルエ
ンド部にしわ寄せとなって押し寄せると、スペーサ16
に当たることにより、軸方向に伸びきれなくなった界磁
巻線2は大きく変形してしまい、結果的に回転子の熱変
形振動は増加してしまう。
【0031】このため、図1,図5,図6に示すような
クリページブロックと界磁巻線2との接触面の摩擦係数
μを適切な値(0.2〜0.3)で均一にすることにより、
コイルエンド部の界磁巻線2を大きく変形させることな
く、回転子軸8がもつ摩擦力および摩擦力のアンバラン
スを低減させることができ、結果として回転子の軸曲が
りおよび熱変形振動を低減できる効果がある。摩擦係数
μが0.2 以下ではコイルエンド部の界磁巻線2が伸び
すぎて、外周側に変形して回転子の軸曲がりが大きく、
熱変形振動を生じる。また摩擦係数μが0.3 以上では
コイルエンド部の界磁巻線2が伸びる所と伸びにくい所
を生じ、伸びにくい所で貯えた力により、外周側に変形
して回転子の軸曲がりが大きく、周方向の振動を生じ
る。
【0032】図8のように、クリページブロック1iと
界磁巻線2との間およびクリページブロック1iとウェ
ッジ3との間に摩擦係数μのばらつきの少ない安定した
薄板状のスライディングシート17を挿入することによ
り、起動運転中の回転子における界磁巻線2とスライデ
ィングシート17との接触部分およびウェッジ3とスラ
イディングシート17との間の接触部分で均一に滑るよ
うになり、回転子軸8に伝わる摩擦力のアンバランスを
低減することができ、結果として回転子の軸曲がりおよ
び熱変形振動を低減できる効果がある。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、起動運
転中の回転子における胴部軸方向端部での界磁巻線の熱
伸びによって生じる各部材間の摩擦力および摩擦力のア
ンバランスを低減できるので、回転子の軸曲がりおよび
熱変形振動を低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回転子端部の軸方向断
面図である。
【図2】図1の上側から断面した時に上から見た平面断
面図である。
【図3】図1の界磁巻線の熱伸び量と摩擦係数との関係
を示す模式図である。
【図4】図1の回転子が起動運転中の界磁巻線とクリペ
ージブロック関係を示す模式図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す回転子端部の軸方向
断面図である。
【図6】本発明の他の実施例を示すクリページブロック
の軸方向断面図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す回転子端部の平面図
である。
【図8】本発明の他の実施例を示すクリページブロック
の軸方向断面図である。
【図9】従来構造による回転子胴部径方向スロット断面
図である。
【図10】従来構造による回転子胴部径方向スロット断
面図である。
【図11】従来の回転子の全体構成を表した軸方向断面
図である。
【図12】図11の回転子の右側端部の軸方向断面図で
ある。
【図13】図11の回転子の右側端部の軸方向部分断面
図である。
【図14】図13の回転子の右側端部を拡大した軸方向
部分断面図である。
【図15】図11の回転子の右側軸方向端部の斜視図で
ある。
【図16】図11の回転子の右側軸方向端部の一部を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1,1A〜1i…クリページブロック、2…界磁巻線、
3…ウェッジ、4…ウェッジ下絶縁、5…スロット絶
縁、6…層間絶縁、7…サブスロット、8…回転子軸、
9…回転子胴部、10…リティニングリング、11…リ
ティニングリング絶縁、12…センタリングリング、1
3…ダンパリング、14…チャンネル、15…絶縁物、
16…スペーサ、17…スライディングシート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木本 寛 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄心の周方向に設けた複数の溝内に収納さ
    れている界磁巻線と、界磁巻線が遠心力で飛び出すのを
    防止する溝内に嵌め込んだウェッジと、界磁巻線とウェ
    ッジとの間の軸方向に配置された複数のクリページブロ
    ックと、界磁巻線とウェッジ及びクリページブロックの
    軸方向両端を保持したリティニングリングとを備えた回
    転子において、一端が上記リティニングリングに保持さ
    れたクリページブロックの長さは他のクリページブロッ
    クの長さより長くすることを特徴とする回転電機の回転
    子。
  2. 【請求項2】鉄心の周方向に設けた複数の溝内に収納さ
    れている界磁巻線と、界磁巻線が遠心力で飛び出すのを
    防止する溝内に嵌め込んだウェッジと、界磁巻線とウェ
    ッジとの間の軸方向に配置された複数のクリページブロ
    ックと、界磁巻線とウェッジ及びクリページブロックの
    軸方向両端を保持したリティニングリングとを備えた回
    転子において、一端が上記リティニングリングに保持さ
    れたクリページブロックの長さLCBは界磁巻線の熱伸び
    によって動きうる範囲LC よりも大きく、LCB>LC
    関係を満たす値にすることを特徴とする回転電機の回転
    子。
  3. 【請求項3】鉄心の周方向に設けた複数の溝内に収納さ
    れている界磁巻線と、界磁巻線が遠心力で飛び出すのを
    防止する溝内に嵌め込んだウェッジと、界磁巻線とウェ
    ッジとの間の軸方向に配置された複数のクリページブロ
    ックと、界磁巻線とウェッジ及びクリページブロックの
    軸方向両端を保持したリティニングリングとを備えた回
    転子において、一端が上記リティニングリングに保持さ
    れたクリページブロックの他端の長さは界磁巻線の熱伸
    びによる影響の少ない個所であって他のクリページブロ
    ックの長さより長くし、上記界磁巻線とウェッジとに接
    触するクリページブロックの摩擦係数μを0.2〜0.3
    とすることを特徴とする回転電機の回転子。
  4. 【請求項4】上記界磁巻線に接触する内周側クリページ
    ブロックと外周側クリページブロックとの間の軸方向に
    配置された複数の分割されたクリページブロックを少な
    くとも1層以上配置することを特徴とする請求項1ない
    し3いずれか1項記載の回転電機の回転子。
  5. 【請求項5】上記クリページブロックを少なくとも1層
    以上配置した多層クリページブロックの各層でのクリペ
    ージブロックの軸方向切れ目が重ならないように互い違
    いに配置することを特徴とする請求項1ないし4いずれ
    か1項記載の回転電機の回転子。
  6. 【請求項6】上記クリページブロックと界磁巻線との間
    またはクリページブロックとウェッジとの間に薄板状の
    スライディングシートを挿入することを特徴とする請求
    項1ないし5いずれか1項記載の回転電機の回転子。
JP32819496A 1996-12-09 1996-12-09 回転電機の回転子 Expired - Lifetime JP3641886B2 (ja)

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JP32819496A JP3641886B2 (ja) 1996-12-09 1996-12-09 回転電機の回転子
CN97125430A CN1185051A (zh) 1996-12-09 1997-12-08 一种用于电动发电机的转子
KR1019970066605A KR19980063885A (ko) 1996-12-09 1997-12-08 회전 전기기계의 회전자

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JP32819496A JP3641886B2 (ja) 1996-12-09 1996-12-09 回転電機の回転子

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