JPH08116638A - 回転電機の円筒形回転子 - Google Patents

回転電機の円筒形回転子

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JPH08116638A
JPH08116638A JP25168294A JP25168294A JPH08116638A JP H08116638 A JPH08116638 A JP H08116638A JP 25168294 A JP25168294 A JP 25168294A JP 25168294 A JP25168294 A JP 25168294A JP H08116638 A JPH08116638 A JP H08116638A
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JP
Japan
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wedge
electric machine
slot
cylindrical rotor
rotor
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JP25168294A
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English (en)
Inventor
Toru Otaka
徹 大高
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Windings For Motors And Generators (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、回転数が低い場合でも回転子部材間
の接触状態を良好に保つことが可能な回転電機の円筒形
回転子を提供することにある。 【構成】本発明は、軸方向に長いスロット1を有する塊
状鉄心9と、前記スロット内に巻装された界磁巻線6
と、前記界磁巻線6の外周側に設けられた楔5とからな
る回転電機の円筒形回転子において、前記界磁巻線6と
前記楔5の間に、回転時の遠心力で潰れて永久変形して
前記楔5を前記鉄心9に密着させる軸方向に細長い偏平
楕円断面形状をなす介在物7を設けているので、回転数
が下がっても楔5・ダンパーバー8の位置は動かず良好
な接触状態を維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、円筒形回転子を有する
発電機・電動機等に係わり、特に、起動時に回転子表面
に電流を誘起するサイリスタ起動方式を採用している回
転電機の円筒形回転子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の塊状鉄心の円筒形回転子を図4の
斜視図を参照して説明する。同図に示すように、回転軸
10の周囲には回転子鉄心9が配置されており、この回
転子鉄心9の軸方向には多数のスロット1が設けられて
おり、このスロット1内に導体を巻装して界磁巻線とな
る巻線部を収納し、その外側に楔5を嵌め込み、スロッ
ト内の巻線部などを固定することにより、円筒形回転子
の回転中の遠心力に対して巻線部をスロット1内に保持
するように構成されている。
【0003】ところで、ガスタービン設備のようにター
ビンで起動できない場合、通常は、起動モータでガスタ
ービンが駆動できるスピードまで回転数を上昇させる方
式、またはステータ側にインバータ・コンバータからな
る可変周波数電源を接続し、その周波数を回転子のスピ
ードに同期させながら除々に上げていく事により回転数
を上げるスタティックスタータ方式が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このス
タティックスタータ方式の場合、一般にステータには高
調波を含む電流が流れるため、回転子表面に電流を誘起
する。回転数が低い場合、回転子各部に働らく遠心力は
小さく、回転子各部材間、たとえば楔・鉄心間、ダンパ
ーバー・楔間の電気的接触状態は良好でない。電気的接
触状態が良くないところに電流が流れると、スパークの
発生または局部的な過熱が発生し、回転子の各部材に損
傷を与えることとなる。
【0005】回転子表面に電流が誘起されても、通常の
運転スピードでは遠心力が大きく、回転子部材間の接触
状態が良好なため単相短絡事故時のような過大な電流が
流れなければ、回転子表面でスパークや過熱の発生は起
きない。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は回転数が低い場合でも回転子部材間の接
触状態を良好に保つことが可能な回転電機の円筒形回転
子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1は、軸方向に長いスロットを有す
る塊状鉄心と、前記スロット内に巻装された界磁巻線
と、前記界磁巻線の外周側に設けられた楔とからなる回
転電機の円筒形回転子において、前記界磁巻線と前記楔
の間に、回転時の遠心力で潰れて永久変形して前記楔を
前記鉄心に密着させる軸方向に細長い偏平楕円断面形状
をなす介在物を設けたことを特徴とする。
【0008】本発明の請求項2は、請求項1記載の回転
電機の円筒形回転子において、前記楔の下側にダンパー
バーを設け、前記スロット内で前記ダンパーバーと前記
楔の両者を固定することを特徴とする。
【0009】本発明の請求項3は、請求項1記載の回転
電機の円筒形回転子において、前記の細長い介在物は、
界磁巻線の冷却用通風孔と楔・ダンパーバーの給排気通
風孔にマッチングした通風孔を有していることを特徴と
する。
【0010】本発明の請求項4は、請求項1記載の回転
電機の円筒形回転子において、前記楔の界磁巻線側は界
磁巻線が収まるスロットの幅より大きく、前記介在物も
同等の幅を有し、前記楔・介在物が入るスロット楔部
が、前記界磁巻線が収められるスロット部より幅が広
く、その広い部分と前記楔の間で前記介在物が永久変形
し、前記楔を固定することを特徴とする。
【0011】本発明の請求項5は、請求項1記載の回転
電機の円筒形回転子において、前記介在物が軸方向に長
く,継ぎ目のない導電性物質で、端部のダンパーリング
と電気的接触し、前記ダンパーバーを兼ねることを特徴
とする。
【0012】
【作用】回転電機の回転子部材を組立てる場合、スロッ
トは界磁巻線部,楔部ともいくらかの余裕がある。界磁
巻線の組立て時には、スロット内で内周側(スロット
底)に押し付けられた状態で組立てられる。偏平楕円介
在物・ダンパーバー・楔も、スロット楔部との間の若干
の余裕をもって組立てられるので、楔と回転子鉄心の間
の電気的接触は、組立て時には不完全な状態にある。
【0013】しかしながら、回転子を回転させると、界
磁巻線に働らく遠心力で、その上部(外周側)にある偏
平楕円介在物が界磁巻線と接する部分の圧力が大きくな
る。この遠心力でダンパーバーは楔と接触し、楔は鉄心
と良好な接触状態となる。回転数が更に上がると、遠心
力は大きくなって偏平楕円介在物に加わり、界磁巻線か
らの圧力で偏平楕円介在物は、界磁巻線に接する部分が
外径側に押し潰される。この押し潰された偏平楕円介在
物は、スロット楔部の両端に伸びる。ここで、偏平楕円
介在物はスロット楔部で、楔・ダンパーバーを外径側に
押しつけた状態で永久変形して固定されてしまうので、
回転数が下がっても楔・ダンパーバーの位置は動かず良
好な接触状態を維持する。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を図を参照して説明する。図
1は本発明の一実施例の断面図であり、回転子の組立て
時のスロット断面図、図2は回転子の組立後、回転上昇
させた時のスロット断面図、図3は回転子の組立後、回
転上昇させた後に回転降下させた時のスロット断面図で
ある。
【0015】図1〜図3に示すように、スロット1の内
径側の巻線部6には、導体2が絶縁物3で絶縁された状
態で巻装される。スロット楔部4には、金属の楔5と楔
5下に偏平楕円形介在物7が組立てられ、必要に応じて
楔5と偏平楕円形介在物7との間に導電体のダンパーバ
ー8が配置されている。スロット寸法は、界磁巻線を形
成する導体2、絶縁物3を組立てるための深さ(径)方
向で数mm、巾(円周)方向で1mm以下の余裕代を有して
いる。楔部4も同様に組立て余裕代がある。
【0016】また、楔5、偏平楕円形介在物7は、軸方
向に連続していて、1スロット当り、1本で構成される
場合と、短尺のもの複数本で構成される場合がある。こ
の偏平楕円形介在物7は、展伸性に優れた銅・アルミ等
の金属からなる。この偏平楕円形介在物7には楔5、ダ
ンパーバー8と同様に界磁巻線の冷却のための通風孔を
有している。また、偏平楕円形介在物7が軸方向に長
く、1スロット当り1本で構成される場合、ダンパーバ
ーは省略される事が多い。
【0017】次に、本実施例の作用について説明する。
本実施例の組立時のスロット断面図を示す図1におい
て、スロット寸法は、多少の組立余裕代を有しているた
め楔5と鉄心9の間、楔5とダンパーバー8の間、ダン
パーバー8と偏平楕円形介在物7との間には、若干の隙
間があり、常に金属間が接触し、電気的に確実な回路を
形成する状態ではないが、従来と同様に組立てられる。
【0018】このように組立てられた回転子を回すと、
回転子構成物質に遠心力が作用し、外径側に押しつけら
れる。この時、図2に示すように、偏平楕円形介在物7
は、その内径側にある界磁巻線を形成する導体2、絶縁
物3にかかる遠心力の応力を受ける。この力は過大で、
容易に偏平楕円形介在物7を潰してしまう。この時、鉄
心9と楔5、楔5とダンパーバー8、ダンパーバー8と
潰れた介在物7の間の接触は、安定したものであり、電
気的に確実な回路を形成する。潰された介在物7は展伸
性に優れているので、伸びるが、伸び代は界磁巻線の遠
心力のかからないスロット楔部4の両端に集まり、両端
の隙間内で変形する。
【0019】上記したように組立てられた本実施例の偏
平楕円介在物7は、一度、回転体を回転させ、遠心力を
与えることにより潰れ変形するが、回転を停止し、遠心
力を取り除いても、図3に示すように偏平楕円形介在物
7は変形したままであり、介在物7により固定される。
これによりダンパーバー8、楔5も遠心力を受けた状態
を維持する事となる。つまり、鉄心9と楔5、楔5とダ
ンパーバー8の間の接触状況は、電気的に良好な状態で
あり、回転する前の組立時のように組立て代の範囲でガ
タを生じる事はない。
【0020】回転子表面構造物が、このように回転停止
時のように遠心力が加わらない時でも電気的に良好な接
触状態となれば、スタティックスタータ方式で回転機を
起動させる場合、回転子表面に流れる電流は、安定した
電気回路を形成する鉄心9、楔5、ダンパーバー8を流
れる事となり、局部的な電流集中による過熱や、接触→
非接触変化によるスパークの発生がなくなり、回転子、
各部材が損傷する事がなくなる。従って信頼性の高い回
転機が得られる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の回転電機
の円筒形回転子は、楔下に組込まれた偏平楕円形介在物
が一度回転子を回転させることにより潰れ変形するが、
遠心力が取り除いても遠心力を受けた状態を維持する。
したがって、一度、回転させた後は、遠心力がない停止
時でも遠心力を受けた時と同様に、鉄心と楔間、楔とダ
ンパーバー間の接触が良好な状態が維持され、スタティ
ックスタータ方式の起動時のように、低回転数で回転子
表面に電流が誘起される場合でも、回転子表面部材の接
触状態が安定しているので、局部過熱、スパークの発生
を防せぐ事ができ、信頼性の高い回転子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の回転子の組立時のスロット
断面図
【図2】図1の回転子の組立後、回転上昇させた時のス
ロット断面図
【図3】図2の回転子の組立後、回転上昇させた後に回
転降下させた時のスロット断面図
【図4】従来の回転電機の円筒形回転子の斜視図
【符号の説明】
1…スロット、2…導体、3…絶縁物、4…スロット楔
部、5…楔、6…巻線部、7…介在物、8…ダンパーバ
ー、9…回転子鉄心、10…回転軸。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸方向に長いスロットを有する塊状鉄心
    と、前記スロット内に巻装された界磁巻線と、前記界磁
    巻線の外周側に設けられた楔とからなる回転電機の円筒
    形回転子において、前記界磁巻線と前記楔の間に、回転
    時の遠心力で潰れて永久変形して前記楔を前記鉄心に密
    着させる軸方向に細長い偏平楕円断面形状をなす介在物
    を設けたことを特徴とする回転電機の円筒形回転子。
  2. 【請求項2】請求項1記載の回転電機の円筒形回転子に
    おいて、前記楔の下側にダンパーバーを設け、前記スロ
    ット内で前記ダンパーバーと前記楔の両者を固定するこ
    とを特徴とする回転電機の円筒形回転子。
  3. 【請求項3】請求項1記載の回転電機の円筒形回転子に
    おいて、前記の細長い介在物は、界磁巻線の冷却用通風
    孔と楔・ダンパーバーの給排気通風孔にマッチングした
    通風孔を有していることを特徴とする回転電機の円筒形
    回転子。
  4. 【請求項4】請求項1記載の回転電機の円筒形回転子に
    おいて、前記楔の界磁巻線側は界磁巻線が収まるスロッ
    トの幅より大きく、前記介在物も同等の幅を有し、前記
    楔・介在物が入るスロット楔部が、前記界磁巻線が収め
    られるスロット部より幅が広く、その広い部分と前記楔
    の間で前記介在物が永久変形し、前記楔を固定すること
    を特徴とする回転電機の円筒形回転子。
  5. 【請求項5】請求項1記載の回転電機の円筒形回転子に
    おいて、前記介在物が軸方向に長く,継ぎ目のない導電
    性物質で、端部のダンパーリングと電気的接触し、前記
    ダンパーバーを兼ねることを特徴とする回転電機の円筒
    形回転子。
JP25168294A 1994-10-18 1994-10-18 回転電機の円筒形回転子 Pending JPH08116638A (ja)

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Cited By (3)

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