JP2001268827A - 回転電機の回転子 - Google Patents

回転電機の回転子

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JP2001268827A
JP2001268827A JP2000078429A JP2000078429A JP2001268827A JP 2001268827 A JP2001268827 A JP 2001268827A JP 2000078429 A JP2000078429 A JP 2000078429A JP 2000078429 A JP2000078429 A JP 2000078429A JP 2001268827 A JP2001268827 A JP 2001268827A
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damper bar
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shaft
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JP2000078429A
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Daisuke Murata
大輔 村田
Hiroshi Ikeda
浩 池田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
  • Synchronous Machinery (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Windings For Motors And Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低速回転時においても構造物が接触状態を保
つことができる回転電機の回転子を提供することであ
る。 【解決手段】 ダンパバー6と短絡環9の櫛状部10と
を重ねて、短絡環9の櫛状部先端に外側に曲げられて形
成された折り曲げ部26をウェッジ5に形成された係止
部27で係止する。そして、保持環8にてダンパバー6
と短絡環9とが接触を保つように固定する。これによ
り、ダンパバー6と短絡環9の櫛状部10はウェッジ5
に押し付けられて常に接触している状態を保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばタービン発
電機などの回転電機の回転子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、回転界磁形の回転電機の回転子
には界磁巻線が設置される。タービン発電機の回転子で
は、タービンが高速回転で運転されることから2極の磁
極を有し、その磁極を発生させる磁極部22と界磁巻線
が収納される非磁極部23とが形成されている。
【0003】図10はタービン発電機の回転子の一部切
欠斜視図である。タービン発電機のシャフト3は機械強
度を持たせるために単一鋼塊から製作され、鉄心部1と
端部7とが形成され、さらに鉄心部1には、磁極を発生
させる磁極部22と界磁巻線が収納される非磁極部23
とが形成されている。
【0004】非磁極部23にはシャフト3の周方向に等
間隔に複数個の巻線挿入用スロットが設けられ、その巻
線挿入用スロットには界磁巻線が収納される。そして、
遠心力場においても界磁巻線が飛び出さないように界磁
巻線上部にウェッジ5が挿入されている。また、ウェッ
ジ5(巻線挿入コイルスロット)間にはティース24が
形成される。一方、回転子の端部7においては、界磁巻
線が保持環8によって飛び出すことのないよう抑えられ
ている。
【0005】また、鉄心部1にはウェッジ5の下部にダ
ンパバーが配設され、回転子の端部7には保持環8の下
部に円筒形状の短絡環9が配設される。この短絡環9
は、図11に示すように、電気の良導体で、かつ、鉄心
部1側の先端が櫛状でシャフト3の鉄心部1に設けられ
たコイルスロットに入り込む櫛状部10を有する。
【0006】そして、この櫛状部10は、ウェッジ5の
下部に設けられた電気の良導体で製作される長尺の板の
ダンパバー6に接続される。つまり、この鉄心部1のダ
ンパバー6と端部7の短絡環9は、閉ループ回路を形成
するように鉄心端部にて重ねられ、制動巻線を形成して
いる。この制動巻線により回転子表面に発生する渦電流
25による損失を低減するようにしている。
【0007】図12は、回転子軸方向の界磁巻線を収納
した部分における回転子端部の一部切欠断面図である。
保持環8の下部では短絡環9の櫛状部10がダンパバー
6と接合しており、絶縁ブロック18および絶縁筒19
の下部に界磁巻線2が収納されている。
【0008】図13は、図12のA−A線での断面図で
ある。界磁巻線2はシャフト3に形成された巻線挿入用
スロット4に収納され、巻線挿入用スロット4の内部に
はスロット絶縁20が施されている。界磁巻線2の上部
には絶縁ブロック18が配置される。そして、その絶縁
ブロック18の上部にはダンパバー6および短絡環の櫛
状部10が配置され、さらにその上部には保持環8が配
置される。
【0009】図14は、図12のB−B線での断面図で
ある。回転子の端部7においては、界磁巻線2は巻線挿
入用スロットから突出して配置され、界磁巻線2の上部
には絶縁筒9および短絡環9が位置し、さらにその上部
には保持環8が位置する。
【0010】図15は、回転子の界磁巻線を収納した部
分での一部切欠断面図である。界磁巻線2はシャフト3
に形成された巻線挿入用スロット4に収納され、巻線挿
入用スロット4の内部にはスロット絶縁20が施されて
いる。界磁巻線2の上部には絶縁ブロック18が配置さ
れる。そして、その絶縁ブロック18の上部にはダンパ
バー6が配置され、さらにその上部にウェッジ5が配置
される。
【0011】図16は、回転子の界磁巻線を収納した部
分における回転子端部の一部切欠斜視図である。界磁巻
線2はスロット絶縁20で覆われ、界磁巻線2の上部に
は絶縁ブロック18が設けられている。そして、その絶
縁ブロック18の上部にはダンパバー6が配置され、ダ
ンパバー6の上部にはウェッジ5が配置される。さら
に、図16の手前側のこの切欠部の上部に、絶縁筒9お
よび短絡環9が配置され、さらにその上部に保持環8が
配置されることになる。
【0012】ここで、発電機の運転時には、固定子側の
電機子巻線の高調波磁界あるいは不平衡磁界により、図
10に示すように、回転子表面には渦電流25が誘起さ
れる。また、発電機電機子に不平衡電流が流れる場合に
は、逆相分電流のつくる回転磁界により回転子表面に回
転周波数の2倍の周波数の渦電流25が誘起される。渦
電流25による損失が増加すると、回転子構成部材の加
熱により各部材に損傷を与える恐れがあるので、制動巻
線にて渦電流による損失を低減するようにしている。
【0013】また、近年ガスタービンと蒸気タービンと
を組み合わせたコンバインドサイクルの発電システムが
増加傾向にあり、その中でも、ガスタービンと発電機と
が同じ軸に取り付けられるケースが増えてきている。こ
のコンバインドサイクル発電システムの起動は、通常
は、駆動用電動機でガスタービンを駆動しガスタービン
が駆動できるスピードまで回転数を上昇させるようにし
ている。
【0014】この場合、大容量発電機ではトルクコンバ
ータの容量が十分でないため、固定子側にインバータお
よびコンバータから成る可変周波数電源を接続し、電源
周波数を回転子のスピードに同期させながら徐々に増加
していくことにより、回転数を上昇させるスタティック
スタート方式が採用される。この場合も、一般に固定子
側の電機子巻線には高調波を含む電流が流れるため、回
転子表面に渦電流25を誘起する。
【0015】回転子表面に渦電流25が発生しても定格
運転時などの高速回転時においては、遠心力の作用が大
きいため、ダンパバー6、短絡環9、ウェッジ5、及び
シャフト3は良好な接触状態を保つことができ、特に問
題はない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、コンバインドサイクル発電システムの場合、起動時
などの低速回転時においては遠心力の作用が弱く、重力
の作用が支配的となるために、回転子が回転するごとに
組立ギャップ分の隙間で、構造物が接触したり離れたり
する現象が起こる。接触している時には問題を生じない
が、接触が離れる際には、構造物間に大きな電位差が生
じ、その結果、アークが発生する。
【0017】例えば、シャフト3とウェッジ5との間、
短絡環9とダンパバー6との間などに大きな電位差が生
じ、アークが発生する。アークが発生すると構造物が局
所的に加熱されるため、局部的な変形や組織変化の原因
となり、これが繰り返されるとアーク痕からの亀裂進展
による破壊や組織変化に伴う構造物強度の低下を招くこ
とになり、回転子そのものに悪影響を及ぼすことにな
る。
【0018】本発明の目的は、低速回転時においても構
造物が接触状態を保つことができる回転電機の回転子を
提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わる
回転電機の回転子は、シャフトの鉄心部に形成され界磁
巻線を収納すると共にその外周側に制動巻線を形成する
ダンパバーを収納する複数個の巻線挿入用スロットと、
前記巻線挿入用スロットに収納された前記界磁巻線およ
び前記ダンパバーを保持するウェッジと、前記シャフト
の端部に設けられ前記ダンパバーと先端部の櫛状部とを
重ね合わせて短絡し制動巻線を形成する短絡環と、前記
界磁巻線および前記短絡環を前記シャフトの端部で保持
する保持環とを備えた回転電機の回転子において、前記
短絡環の櫛状部先端に外側に曲げられて形成された折り
曲げ部と、前記ウェッジに形成され前記折り曲げ部を係
止する係止部とを備えたことを特徴とする。
【0020】請求項1の発明に係わる回転電機の回転子
においては、ダンパバーと短絡環の櫛状部とを重ねて、
短絡環の櫛状部先端に外側に曲げられて形成された折り
曲げ部をウェッジに形成された係止部で係止する。そし
て、保持環にてダンパバーと短絡環とが接触を保つよう
に固定する。これにより、ダンパバーと短絡環の櫛状部
はウェッジに押し付けられて常に接触している状態を保
つ。
【0021】請求項2の発明に係わる回転電機の回転子
は、シャフトの鉄心部に形成され界磁巻線を収納すると
共にその外周側に制動巻線を形成するダンパバーを収納
する複数個の巻線挿入用スロットと、前記巻線挿入用ス
ロットに収納された前記界磁巻線および前記ダンパバー
を保持するウェッジと、前記シャフトの端部に設けられ
前記ダンパバーと先端部の櫛状部とを重ね合わせて短絡
し制動巻線を形成する短絡環と、前記界磁巻線および前
記短絡環を前記シャフトの端部で保持する保持環とを備
えた回転電機の回転子において、前記ウェッジに形成さ
れ前記短絡環の櫛状部と前記ダンパバーとが重ね合わさ
る部分の上部を押圧するための突起部を設けたことを特
徴とする。
【0022】請求項2の発明に係わる回転電機の回転子
においては、ダンパバーと短絡環の櫛状部とを重ねて、
短絡環の櫛状部とダンパバーとが重ね合わさる部分の上
部をウェッジの突起部で押圧する。これにより、ダンパ
バー、短絡環の櫛状部、ウェッジの3つを保持環の保持
にて接触を保つように固定する。
【0023】請求項3の発明に係わる回転電機の回転子
は、請求項1または請求項2の発明において、前記ウェ
ッジは、軸方向に分割されない一体構造であることを特
徴とする。
【0024】請求項3の発明に係わる回転電機の回転子
においては、請求項1または請求項2の発明の作用に加
え、軸方向に分割されない一体構造のウェッジにより短
絡環を介した電気回路が形成され、渦電流の発生を低減
する。
【0025】請求項4の発明に係わる回転電機の回転子
は、請求項1または請求項2の発明において、前記ダン
パバーは、軸方向の中間部に薄い箔を重ねて接続する接
続部を有したことを特徴とする。
【0026】請求項4の発明に係わる回転電機の回転子
においては、請求項1または請求項2の発明の作用に加
え、ダンパバーの接続部によりダンパバーの熱伸びを吸
収する。
【0027】請求項5の発明に係わる回転電機の回転子
は、請求項1または請求項2の発明において、前記ダン
パバーは、軸方向の中間部に切欠部を有したことを特徴
とする。
【0028】請求項5の発明に係わる回転電機の回転子
においては、請求項1または請求項2の発明の作用に加
え、ダンパバーの切欠部によりダンパバーの熱伸びを吸
収する。
【0029】請求項6の発明に係わる回転電機の回転子
は、請求項1または請求項2の発明において、前記ダン
パバーは、軸方向の中間部にアーチ形状部を有したこと
を特徴とする。
【0030】請求項6の発明に係わる回転電機の回転子
においては、請求項1または請求項2の発明の作用に加
え、ダンパバーのアーチ形状部によりダンパバーの熱伸
びを吸収する。
【0031】請求項7の発明に係わる回転電機の回転子
は、請求項6の発明において、前記アーチ形状部の凸部
に接合する部分のウェッジを軸方向に分割すると共に、
その接合面がダンパバーと接触を保つように面取り部を
設けたことを特徴とする。
【0032】請求項7の発明に係わる回転電機の回転子
においては、請求項6の発明の作用に加え、分割された
ウェッジとダンパバーとの接触を面取り部により保持
し、電気抵抗を小さくして電位差が生じないようにす
る。
【0033】請求項8の発明に係わる回転電機の回転子
は、請求項7の発明において、前記アーチ形状部の凹部
に、前記アーチ形状部の断面を基準としたときに長さよ
り幅が大きいアーチ形状のばねを配設したことを特徴と
する。
【0034】請求項8の発明に係わる回転電機の回転子
においては、請求項7の発明の作用に加え、ダンパバー
が変形し削れた場合でも、ばねによりウェッジとダンパ
バーとの接触を保持する。
【0035】請求項9の発明に係わる回転電機の回転子
は、請求項1または請求項2の発明において、前記ダン
パバーの先端部と前記短絡環の櫛状部に電気良導体金属
を吹き付けたことを特徴とする。
【0036】請求項9の発明に係わる回転電機の回転子
においては、請求項1または請求項2の発明の作用に加
え、電気良導体金属により接触抵抗を小さくし電位差が
生じないようにする。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わる回転電
機の回転子の端部における一部切欠断面図である。
【0038】シャフト3の鉄心部1側には、図示省略の
界磁巻線2が形成されその上部には絶縁ブロック18が
配置され、シャフト3の端部7側には絶縁筒19が配置
される。さらに、絶縁ブロック18の上部には短絡環を
形成するダンパバー6が配置され、ウェッジ5で固定さ
れる。
【0039】また、ダンパバー6の上部には短絡環9の
櫛状部10が重ねられて配置される。短絡環9の櫛状部
10の先端には外側に曲げられた折り曲げ部26を有
し、この折り曲げ部26はウェッジ5に形成された係止
部27で係止する。そして、保持環8にてダンパバー6
と短絡環9の櫛状部10とが接触を保つように固定す
る。これにより、ダンパバー6と短絡環9の櫛状部10
はウェッジ5に押し付けられて常に接触している状態を
保つ。
【0040】すなわち、鉄心部1に配設したダンパバー
6と端部7に配設した短絡環9の櫛状部10を保持環8
にて重ね、保持環8の嵌合力を用いて固く固定される。
さらに、短絡環9のスロットに入り込んだ鉄心側先端の
折り曲げ部26は外側に曲げられており、ウェッジ5の
係止部27で押し付けられることにより、常に接触を保
ち、かつ、ウェッジ5に熱伸びが生じても短絡環9の鉄
心側先端がさらに曲げられる方向に変形するのみでウェ
ッジ5との接触は保たれる構造となる。
【0041】この第1の実施の形態によれば、回転電機
の回転子の低速回転時においても、ダンパバー6と短絡
環9とが常に接触を維持できるので、回転子表面に一つ
の閉ループ回路を形成することが可能となり、また、さ
らに短絡環9の鉄心側先端(櫛状部10の先端部)が常
にウェッジ5に接触しているため、ダンパバー6、シャ
フト3、短絡環9、ウェッジ5の間に電位差が生じにく
くなり、その結果、アークが発生しにくくなる。
【0042】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。図2は本発明の第2の実施の形態に係わる回転電機
の回転子の端部における一部切欠断面図である。
【0043】シャフト3の鉄心部1側には、図示省略の
界磁巻線2が形成されその上部には絶縁ブロック18が
配置され、シャフト3の端部7側には絶縁筒19が配置
される。さらに、絶縁ブロック18の上部には短絡環を
形成するダンパバー6が配置され、ウェッジ5で固定さ
れる。
【0044】また、ダンパバー6の上部には短絡環9の
櫛状部10が重ねられて配置される。そのダンパバー6
と短絡環9の櫛状部10とが重ね合わされた部分の上部
には、ウェッジ5の突起部11が配置され、この突起部
11によりダンパバー6と短絡環9の櫛状部10とが重
ね合わされた部分で押圧できるようになっている。そし
て、保持環8にて、ダンパバー6、短絡環9の櫛状部1
0、ウェッジ6の3つを保持し接触を保つように固定す
る。
【0045】すなわち、鉄心部1に配設したダンパバー
6と端部7に配設した短絡環9の櫛状部10とを重ね合
わせ、かつ、さらにその上に先端が保持環8の下に入る
ような形状のウェッジ5の突起部11を重ねる。そし
て、保持環8の嵌合力を用いて固く固定する。
【0046】この第2の実施の形態によれば、回転電機
の回転子の低速回転時においても、ダンパバー6と短絡
環9とが常に接触を維持できるので、回転子表面に一つ
の閉ループ回路を形成することが可能となる。また、短
絡環9とウェッジ5も固く固定されているので、ダンパ
バー6、シャフト3、短絡環9、ウェッジ5の間に電位
差が生じにくくなり、その結果、アークが発生しにくく
なる。
【0047】次に、本発明の第3の実施の形態を説明す
る。図3は本発明の第3の実施の形態に係わる回転電機
の回転子の一部切欠断面図である。この第3の実施の形
態は、ウェッジ5の構造を、軸方向に分割されない一体
構造としたものである。これにより、ウェッジ5と短絡
環9を介した電気回路が形成され、渦電流の発生を低減
できる。
【0048】すなわち、第1の実施の形態や第2の実施
の形態では、回転子表面に形成される電気回路がダンパ
バー6と短絡環9とだけで構成されていたが、ダンパバ
ー6と短絡環9、ウェッジ5と短絡環9により電気回路
が構成されることになり、回路全体の抵抗が下がり回転
子表面に発生した渦電流25による損失を低減できる。
従って、構造物間の電位差を小さくすることができ、各
構造物間のアークの発生も少なくなる。
【0049】次に、本発明の第4の実施の形態を説明す
る。図4は本発明の第4の実施の形態に係わる回転電機
の回転子のダンパバー6の説明図であり、図4(a)は
一部切欠平面図、図4(b)はその側面図である。ダン
パバー6は、軸方向の中間部に薄い箔を重ねて接続する
接続部12を有し、この接続部12によりダンパバー6
の熱伸びを吸収するようにしている。
【0050】回転電機の回転子表面に渦電流25が生じ
た場合、渦電流25はシャフト3やウェッジ5にも発生
するが、その大半は低電気抵抗であるダンパバー6に流
れることになる。その際に渦電流25によるジュール熱
が発生するが、ダンパバー6は両端が固く固定されてい
るため、ダンパバー6自身に伸び代が必要となる。そこ
で、その熱伸びを許容する構造をダンパバー6の中間部
に設けとしたものである。
【0051】図4では、箔状の電気の良導体を重ねた接
続部12を設けているが、熱伸びを許容する構造として
は、図5に示すように接続部12に代えて切欠部13を
設けるようにしても良いし、図6に示すように、ダンパ
バー6にアーチ形状部14を設けて熱伸びを吸収する構
造としても良い。
【0052】図5(a)はダンパバー6に設けられた熱
伸びを吸収する構造としての切欠部13の平面図、図5
(b)はその側面図である。同様に、図6(a)はダン
パバー6に設けられた熱伸びを吸収する構造としてのア
ーチ形状部14の平面図、図6(b)はその側面図であ
る。
【0053】この第4の実施の形態によれば、ダンパバ
ー6の熱伸びを吸収できる構造を適用することで、ダン
パバー6に繰り返し加わる圧縮応力を軽減でき、繰り返
し運転にも耐えうる信頼性の高い回転子を得ることがで
きる。
【0054】次に、本発明の第5の実施の形態を説明す
る。図7は本発明の第5の実施の形態に係わる回転電機
の回転子のウェッジの説明図である。この第5の実施の
形態は、ダンパバー5の中間部にアーチ形状部14を設
けたものに対して、アーチ形状部14の凸部に接合する
部分のウェッジ5を軸方向に二分割してウェッジ5a、
5bすると共に、その接合面がダンパバー6と接触を保
つように面取り部15a、15bを設けたものである。
【0055】これにより、分割されたウェッジ5a、5
bとダンパバー6のアーツ形状部14との接触を面取り
部15a、15bにより保持し、電気抵抗を小さくして
電位差が生じないようにしている。
【0056】図7において、ダンパバー6の熱伸びを許
容するためのアーチ形状部14でウェッジ5を分割し、
また、分割したウェッジ5a、5bに面取り部15a、
15bを設けダンパバー6と接触するような構造として
いる。
【0057】第3の実施の形態では、ウェッジ5を軸方
向に分割しない構造としたが、回転子の軸長が長いと、
ウェッジ5を分割なしで製作するのは困難が伴ってく
る。そこで、ウェッジ5の分割が必要な際には、ダンパ
バー6の中間部にアーチ形状部14を設け、分割したウ
ェッジ5a、5bをダンパバー6に押し付けて接触させ
る。これにより、ウェッジ5a、5bも回転子表面に形
成される電気回路の一部となる。
【0058】また、ウェッジ5a、5bとダンパバー6
とを接触させる反力でウェッジ5a、5bとシャフト3
も接触が保たれ、ウェッジ5a、5bとシャフト3との
間に電位差が生じにくくなる。
【0059】また、図8は、アーチ形状部14の凹部
に、アーチ形状部14の断面を基準としたときに長さよ
り幅が大きいアーチ形状のばね21を配設したものであ
り、ダンパバー6のアーチ形状部14が変形し削れた場
合でも、ばね21によりウェッジ5a、5bとダンパバ
ー6との接触を保持するようにしたものである。
【0060】ダンパバー6は制動巻線を形成するもので
あることから、ダンパバー6には電気の良導体、例えば
銅合金を用いることになる。銅合金などは繰り返し力に
非常に弱いため、運転を繰り返すことによりアーチ形状
部14が変形したり、接触面が削れたりして接触を維持
できなくなる可能性がある。
【0061】そこで、図8に示すようにダンパバー6の
アーチ形状部14の下に、板を曲げてアーチ形状にした
ばね21を設ける。このばね21は、アーチ形状断面を
基準とした時に長さよりも幅の大きなばねである。これ
により、ダンパバー6が変形したり、削れたりしても、
ウェッジ5a、5bとの接触を維持することが可能とな
る。
【0062】次に、本発明の第6の実施の形態を説明す
る。図9は本発明の第6の実施の形態に係わる回転電機
の回転子の一部切欠断面図である。この第6の実施の形
態は、にダンパバー6の短絡環9の櫛状部10と接触す
る部分(ダンパバー6の先端部)と短絡環9の櫛状部1
0とに電気良導体金属を吹き付け、その接触抵抗を小さ
くし電位差が生じないようにしたものである。
【0063】図9に示すように、ダンパバー6の先端
部、短絡環9の櫛状部10に、例えば銀などの電気の良
導体金属17を吹き付けた構造としている。これによ
り、保持環8による嵌合の際に、ダンパバー6、短絡環
9、シャフト3、ウェッジ5、および保持環8の微小隙
間に吹き付けた金属17がつぶれて隙間がなくなり、各
構造物の接触状態がより良好となる。また、保持環8の
嵌合の際に、吹き付けた金属17がつぶれることによ
り、各構造物そのものが損傷するのを防止することもで
きる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
回転電機の回転子のシャフトとウェッジ、ダンパバー、
および短絡環とが適正に接触を保つことができる。つま
り、回転電機の回転子の低速回転時においても各構造物
が離れることなく、回転子表面に電気回路を形成するこ
とが可能となる。従って、回転子表面に渦電流が生じた
場合でも構造物間にアークが発生しないので、構造物の
変形や組織変化を防止することができる。
【0065】また、ダンパバーに熱伸びを許容する構造
を設けることにより、繰り返し運転下においても変形な
どの問題を生じない信頼性の高い回転電機の回転子を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる回転電機の
回転子の端部における一部切欠断面図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係わる回転電機の
回転子の端部における一部切欠断面図。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係わる回転電機の
回転子の一部切欠断面図。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係わる回転電機の
回転子のダンパバーの説明図。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係わる回転電機の
回転子のダンパバーの他の一例の説明図。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係わる回転電機の
回転子のダンパバーのさらに別の他の一例の説明図。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係わる回転電機の
回転子のウェッジおよびダンパバーの説明図。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係わる回転電機の
回転子のダンパバーの他の一例の説明図。
【図9】本発明の第6の実施の形態に係わる回転電機の
回転子の一部切欠断面図。
【図10】従来のタービン発電機の回転子の一部切欠斜
視図。
【図11】従来の回転子のシャフトの端部に設けられる
短絡環の斜視図。
【図12】従来の回転子における軸方向の界磁巻線を収
納した部分における回転子端部の一部切欠断面図。
【図13】図12のA−A線での断面図。
【図14】図12のB−B線での断面図。
【図15】従来の回転子の界磁巻線を収納した部分での
一部切欠断面図。
【図16】従来の回転子の界磁巻線を収納した部分にお
ける回転子端部の一部切欠斜視図。
【符号の説明】
1…鉄心部、2…界磁巻線3…シャフト、4…スロッ
ト、、5…ウェッジ、6…ダンパバー、7…端部、8…
保持環、9…短絡環、10…櫛状部、11…突起部、1
2…接続部、13…切欠部、14…アーチ形状部、15
…面取り部、17…吹き付けた金属、18…絶縁ブロッ
ク、19…絶縁筒、20…スロット絶縁、21…ばね、
22…磁極部、23…非磁極部、24…ティース、25
…渦電流、26…折り曲げ部、27…係止部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H002 AA08 AB08 AC01 AC10 5H603 AA03 AA07 BB02 CA02 CA04 CA07 CB18 CC17 CE11 EE21 5H604 AA05 BB04 BB10 BB14 CC02 CC05 CC13 DA03 QA06 QA08 QC01 QC09 5H619 AA05 BB02 PP02 PP06 PP12

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトの鉄心部に形成され界磁巻線を
    収納すると共にその外周側に制動巻線を形成するダンパ
    バーを収納する複数個の巻線挿入用スロットと、前記巻
    線挿入用スロットに収納された前記界磁巻線および前記
    ダンパバーを保持するウェッジと、前記シャフトの端部
    に設けられ前記ダンパバーと先端部の櫛状部とを重ね合
    わせて短絡し制動巻線を形成する短絡環と、前記界磁巻
    線および前記短絡環を前記シャフトの端部で保持する保
    持環とを備えた回転電機の回転子において、前記短絡環
    の櫛状部先端に外側に曲げられて形成された折り曲げ部
    と、前記ウェッジに形成され前記折り曲げ部を係止する
    係止部とを備えたことを特徴とする回転電機の回転子。
  2. 【請求項2】 シャフトの鉄心部に形成され界磁巻線を
    収納すると共にその外周側に制動巻線を形成するダンパ
    バーを収納する複数個の巻線挿入用スロットと、前記巻
    線挿入用スロットに収納された前記界磁巻線および前記
    ダンパバーを保持するウェッジと、前記シャフトの端部
    に設けられ前記ダンパバーと先端部の櫛状部とを重ね合
    わせて短絡し制動巻線を形成する短絡環と、前記界磁巻
    線および前記短絡環を前記シャフトの端部で保持する保
    持環とを備えた回転電機の回転子において、前記ウェッ
    ジに形成され前記短絡環の櫛状部と前記ダンパバーとが
    重ね合わさる部分の上部を押圧するための突起部を設け
    たことを特徴とする回転電機の回転子。
  3. 【請求項3】 前記ウェッジは、軸方向に分割されない
    一体構造であることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の回転電機の回転子。
  4. 【請求項4】 前記ダンパバーは、軸方向の中間部に薄
    い箔を重ねて接続する接続部を有したことを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の回転電機の回転子。
  5. 【請求項5】 前記ダンパバーは、軸方向の中間部に切
    欠部を有したことを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の回転電機の回転子。
  6. 【請求項6】 前記ダンパバーは、軸方向の中間部にア
    ーチ形状部を有したことを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の回転電機の回転子。
  7. 【請求項7】 前記アーチ形状部の凸部に接合する部分
    のウェッジを軸方向に分割すると共に、その接合面がダ
    ンパバーと接触を保つように面取り部を設けたことを特
    徴とする請求項6に記載の回転電機の回転子。
  8. 【請求項8】 前記アーチ形状部の凹部に、前記アーチ
    形状部の断面を基準としたときに長さより幅が大きいア
    ーチ形状のばねを配設したことを特徴とする請求項7に
    記載の回転電機の回転子。
  9. 【請求項9】 前記ダンパバーの先端部と前記短絡環の
    櫛状部に電気良導体金属を吹き付けたことを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の回転電機の回転子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010074916A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp 可変速同期機の回転子
JP2010141967A (ja) * 2008-12-09 2010-06-24 Toyota Motor Corp 回転電機
WO2017028993A1 (de) * 2015-08-14 2017-02-23 Robert Bosch Gmbh Stator einer elektrischen maschine

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