JPH1198745A - 回転電機の円筒形回転子 - Google Patents
回転電機の円筒形回転子Info
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- JPH1198745A JPH1198745A JP9254682A JP25468297A JPH1198745A JP H1198745 A JPH1198745 A JP H1198745A JP 9254682 A JP9254682 A JP 9254682A JP 25468297 A JP25468297 A JP 25468297A JP H1198745 A JPH1198745 A JP H1198745A
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Landscapes
- Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
- Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】回転子に局部的な溶損が生じるのを抑制し、信
頼性の高い回転電機の円筒形回転子を提供する。 【解決手段】円筒形回転子1は、2極機で、鉄心部にス
ロット2が放射状に設けられており、スロット2の内部
には界磁巻線3が収められている。界磁巻線3を固定す
るウェッジは、銅合金を材料に作られている。界磁巻線
3と銅合金製ウェッジ5の間には、ダンパバー4が設け
られている。 【効果】銅合金製ウェッジ5は、電導性が良いので、銅
合金製ウェッジ5に渦電流10を導くことができるとと
もに、ティース6と銅合金製ウェッジ5の間、または銅
合金製ウェッジ5とダンパバー4の間でアークが発生し
ても、耐電食性がよいので、銅合金製ウェッジ5の溶損
などの損傷を防止することができる。
頼性の高い回転電機の円筒形回転子を提供する。 【解決手段】円筒形回転子1は、2極機で、鉄心部にス
ロット2が放射状に設けられており、スロット2の内部
には界磁巻線3が収められている。界磁巻線3を固定す
るウェッジは、銅合金を材料に作られている。界磁巻線
3と銅合金製ウェッジ5の間には、ダンパバー4が設け
られている。 【効果】銅合金製ウェッジ5は、電導性が良いので、銅
合金製ウェッジ5に渦電流10を導くことができるとと
もに、ティース6と銅合金製ウェッジ5の間、または銅
合金製ウェッジ5とダンパバー4の間でアークが発生し
ても、耐電食性がよいので、銅合金製ウェッジ5の溶損
などの損傷を防止することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回転電機の円筒形回
転子に関するものであり、特に、シャフト,界磁極およ
び鉄心を一塊の鍛鋼から製作する回転電機の円筒形回転
子に関する。
転子に関するものであり、特に、シャフト,界磁極およ
び鉄心を一塊の鍛鋼から製作する回転電機の円筒形回転
子に関する。
【0002】
【従来の技術】発電機を駆動するタービンは、高速に回
転するものほど小形で、蒸気タービンやガスタービン等
の一般な火力用のタービン発電機は2極機である。回転
速度は60Hz用で3600rpm、50Hz用で300
0rpmであり、周辺速度が大きくなるため、回転子直径
は1100mm程度に制限され、軸方向に長い構造とな
る。したがって、タービン発電機の回転子には、大きな
遠心力がかかるので、機械的強度を強くするために、お
よび風損を防止するために、回転子のシャフト、界磁極
および鉄心は、一塊の鍛鋼(磁性材の高張力合金鋼)か
ら製作される。また、回転子のスロット内に界磁巻線を
保持するために設けられるウェッジは、鋼またはアルミ
合金で作られており、タービン発電機の回転子は導電性
を持つ。
転するものほど小形で、蒸気タービンやガスタービン等
の一般な火力用のタービン発電機は2極機である。回転
速度は60Hz用で3600rpm、50Hz用で300
0rpmであり、周辺速度が大きくなるため、回転子直径
は1100mm程度に制限され、軸方向に長い構造とな
る。したがって、タービン発電機の回転子には、大きな
遠心力がかかるので、機械的強度を強くするために、お
よび風損を防止するために、回転子のシャフト、界磁極
および鉄心は、一塊の鍛鋼(磁性材の高張力合金鋼)か
ら製作される。また、回転子のスロット内に界磁巻線を
保持するために設けられるウェッジは、鋼またはアルミ
合金で作られており、タービン発電機の回転子は導電性
を持つ。
【0003】三相電機子巻線の負荷状態が各相ごとに異
なる不平衡負荷の状態で、発電機が発電運転している
と、電機子電流のアンバランスによって回転子に逆相回
転磁界が発生する。この逆相回転磁界は、出力電圧の角
周波数ωの2倍の角周波数である角周波数2ωの非同期
磁界成分を含んでいる。このような逆相回転磁界が発生
すると、回転子の各導体部の表面に渦電流が流れ、回転
子の各部の温度が許容範囲以上に上昇する。特公昭60−
34340 号公報には、塊状鉄心の軸方向に流れる電流を導
電性ウェッジを介してダンパバーに導くことにより、回
転子の各部の熱的バランスを取る方法が記載されてい
る。
なる不平衡負荷の状態で、発電機が発電運転している
と、電機子電流のアンバランスによって回転子に逆相回
転磁界が発生する。この逆相回転磁界は、出力電圧の角
周波数ωの2倍の角周波数である角周波数2ωの非同期
磁界成分を含んでいる。このような逆相回転磁界が発生
すると、回転子の各導体部の表面に渦電流が流れ、回転
子の各部の温度が許容範囲以上に上昇する。特公昭60−
34340 号公報には、塊状鉄心の軸方向に流れる電流を導
電性ウェッジを介してダンパバーに導くことにより、回
転子の各部の熱的バランスを取る方法が記載されてい
る。
【0004】一般に、発電機の軸長が長い大容量機に
は、熱伸びによって生じる諸現象を緩和するため、軸長
に対して充分短いウェッジ、いわゆる短尺ウェッジが用
いられる。
は、熱伸びによって生じる諸現象を緩和するため、軸長
に対して充分短いウェッジ、いわゆる短尺ウェッジが用
いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、短尺ウ
ェッジを軸方向に並べて用いると、隣り合う短尺ウェッ
ジとの境界において、短尺ウェッジに流れていた渦電流
が、ダンパバーおよびティースにまわり込み、特定の箇
所に集中する。
ェッジを軸方向に並べて用いると、隣り合う短尺ウェッ
ジとの境界において、短尺ウェッジに流れていた渦電流
が、ダンパバーおよびティースにまわり込み、特定の箇
所に集中する。
【0006】また、低速回転時に回転子にかかる遠心力
は小さいので、ティースとウェッジの間、ウェッジとダ
ンパバーの間に微小な隙間が生じる。渦電流がウェッジ
からダンパバーまたはティースにまわり込む際に、これ
らの隙間でアークが発生し、局部的な溶損などの重大な
損傷が生じる可能性がある。
は小さいので、ティースとウェッジの間、ウェッジとダ
ンパバーの間に微小な隙間が生じる。渦電流がウェッジ
からダンパバーまたはティースにまわり込む際に、これ
らの隙間でアークが発生し、局部的な溶損などの重大な
損傷が生じる可能性がある。
【0007】本発明の目的は、回転子に局部的な溶損が
生じるのを抑制し、信頼性の高い回転電機の円筒形回転
子を提供することにある。
生じるのを抑制し、信頼性の高い回転電機の円筒形回転
子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の特徴は、円筒形の回転子鉄心のスロット内に収納さ
れた界磁巻線を、スロット内に保持する複数のウェッジ
が銅合金であることにある。この特徴によれば、銅合金
のウェッジは電導性が良いので、逆相回転磁界などのた
めに発生した渦電流をウェッジに導くことができるとと
もに、耐電食性がよいので、ウェッジの境界において、
ウェッジからダンパバーまたはティース等の円筒形回転
子の他の部位に渦電流がまわり込む際に、これらの部位
とウェッジとの間でアークが発生しても、ウェッジに溶
損などの損傷が生じるのを抑制することができる。従っ
て、回転電機の円筒形回転子の信頼性をより高くするこ
とができる。
明の特徴は、円筒形の回転子鉄心のスロット内に収納さ
れた界磁巻線を、スロット内に保持する複数のウェッジ
が銅合金であることにある。この特徴によれば、銅合金
のウェッジは電導性が良いので、逆相回転磁界などのた
めに発生した渦電流をウェッジに導くことができるとと
もに、耐電食性がよいので、ウェッジの境界において、
ウェッジからダンパバーまたはティース等の円筒形回転
子の他の部位に渦電流がまわり込む際に、これらの部位
とウェッジとの間でアークが発生しても、ウェッジに溶
損などの損傷が生じるのを抑制することができる。従っ
て、回転電機の円筒形回転子の信頼性をより高くするこ
とができる。
【0009】また、本発明の他の特徴は、スロット内で
複数のウェッジと接触するダンパバーが、ウェッジと界
磁巻線との間に設けられたことにある。この特徴によれ
ば、ウェッジの境界で渦電流がダンパバーに流れ、ウェ
ッジと接触しているティースに集中して流れることはな
いので、ウェッジとティースの接触面にアークが発生す
るのを防止でき、ウェッジに溶損などの損傷が生じるの
を抑制することができる。従って、回転電機の円筒形回
転子の信頼性をより高くすることができる。
複数のウェッジと接触するダンパバーが、ウェッジと界
磁巻線との間に設けられたことにある。この特徴によれ
ば、ウェッジの境界で渦電流がダンパバーに流れ、ウェ
ッジと接触しているティースに集中して流れることはな
いので、ウェッジとティースの接触面にアークが発生す
るのを防止でき、ウェッジに溶損などの損傷が生じるの
を抑制することができる。従って、回転電機の円筒形回
転子の信頼性をより高くすることができる。
【0010】
(実施例1)本発明の第1の実施例である回転電機の円
筒形回転子を以下に説明する。本実施例の円筒形回転子
1は、耐電食性のよいウェッジを用いて、信頼性を向上
させようとするものである。
筒形回転子を以下に説明する。本実施例の円筒形回転子
1は、耐電食性のよいウェッジを用いて、信頼性を向上
させようとするものである。
【0011】図1に本実施例の円筒形回転子1の断面図
を、図2に円筒形回転子1の胴部から端部の構成図を示
す。
を、図2に円筒形回転子1の胴部から端部の構成図を示
す。
【0012】本実施例の円筒形回転子1は、2極機で、
鉄心部にスロット2が放射状に設けられており、スロッ
ト2の内部には界磁巻線3が収められている。本実施例
の円筒形回転子1のウェッジは、銅合金を材料に作られ
ている。銅合金製ウェッジ5は、運転中に界磁巻線3が
スロット2から飛び出さないように界磁巻線3を固定し
ている。界磁巻線3と銅合金製ウェッジ5の間には、ダ
ンパバー4が設けられている。ダンパバー4は端絡環8
と接続されている。界磁巻線3の端部をおさえるために
保持環9が設けられている。
鉄心部にスロット2が放射状に設けられており、スロッ
ト2の内部には界磁巻線3が収められている。本実施例
の円筒形回転子1のウェッジは、銅合金を材料に作られ
ている。銅合金製ウェッジ5は、運転中に界磁巻線3が
スロット2から飛び出さないように界磁巻線3を固定し
ている。界磁巻線3と銅合金製ウェッジ5の間には、ダ
ンパバー4が設けられている。ダンパバー4は端絡環8
と接続されている。界磁巻線3の端部をおさえるために
保持環9が設けられている。
【0013】図3に本実施例で用いた銅合金製ウェッジ
5と、従来の鋼製ウェッジ、およびアルミ合金製ウェッ
ジの耐電食性の実験結果を示す。銅合金製ウェッジ5に
は一例としてCuCrZr合金製のウェッジを挙げる。この実
験結果は、従来の鋼製ウェッジおよびアルミ合金製ウェ
ッジに対して、CuCrZr合金製のウェッジは耐電食性が約
50倍優れていることを示している。また、CuCrZr合金
は銅よりも機械的強度が高く、火力用のタービン発電機
の円筒形回転子の部材として十分に利用できる。
5と、従来の鋼製ウェッジ、およびアルミ合金製ウェッ
ジの耐電食性の実験結果を示す。銅合金製ウェッジ5に
は一例としてCuCrZr合金製のウェッジを挙げる。この実
験結果は、従来の鋼製ウェッジおよびアルミ合金製ウェ
ッジに対して、CuCrZr合金製のウェッジは耐電食性が約
50倍優れていることを示している。また、CuCrZr合金
は銅よりも機械的強度が高く、火力用のタービン発電機
の円筒形回転子の部材として十分に利用できる。
【0014】以上では、CuCrZr合金製のウェッジについ
て耐電食性を説明したが、CuCr合金製およびCuZ
r合金製のウェッジでも同様の耐電食性と機械的強度が
得られることを発明者らは実験で確かめた。
て耐電食性を説明したが、CuCr合金製およびCuZ
r合金製のウェッジでも同様の耐電食性と機械的強度が
得られることを発明者らは実験で確かめた。
【0015】銅にCrを添加すると、400℃〜600
℃の時効処理によって金属Cr微粒子を析出し、合金の
強度が高められる。Crが0.4% 未満では析出が少な
く強度が不十分であり、1.0% を超えると強度が飽和
する。Crを添加すると銅合金の導電率が低下するた
め、Crの添加量は重量含有量で0.4〜1.0%の範囲
がよい。
℃の時効処理によって金属Cr微粒子を析出し、合金の
強度が高められる。Crが0.4% 未満では析出が少な
く強度が不十分であり、1.0% を超えると強度が飽和
する。Crを添加すると銅合金の導電率が低下するた
め、Crの添加量は重量含有量で0.4〜1.0%の範囲
がよい。
【0016】銅にZrを添加すると、300℃〜600
℃の時効処理によってCu3Zr の微粒子が析出され、
その結果、合金の強度が高められる。Zrが0.01%
未満では析出が少なく強度が不十分であり、0.3% を
超えると強度が飽和する。Zrを添加すると銅合金の導
電率が低下するため、Zrの添加量は重量含有量で0.
01〜0.3%の範囲がよい。
℃の時効処理によってCu3Zr の微粒子が析出され、
その結果、合金の強度が高められる。Zrが0.01%
未満では析出が少なく強度が不十分であり、0.3% を
超えると強度が飽和する。Zrを添加すると銅合金の導
電率が低下するため、Zrの添加量は重量含有量で0.
01〜0.3%の範囲がよい。
【0017】以上で説明したように、銅合金製ウェッジ
5を用いる本実施例の円筒形回転子1は、電導性が良い
ので、主に銅合金製ウェッジ5に渦電流10を導くこと
ができるとともに、隣り合う銅合金製ウェッジ5の境界
において、渦電流が銅合金製ウェッジ5からダンパバー
4またはティース6にまわり込む際に、ティース6と銅
合金製ウェッジ5の間、または銅合金製ウェッジ5とダ
ンパバー4の間でアークが発生しても、耐電食性がよい
ので、銅合金製ウェッジ5の溶損などの損傷を防止する
ことができる。
5を用いる本実施例の円筒形回転子1は、電導性が良い
ので、主に銅合金製ウェッジ5に渦電流10を導くこと
ができるとともに、隣り合う銅合金製ウェッジ5の境界
において、渦電流が銅合金製ウェッジ5からダンパバー
4またはティース6にまわり込む際に、ティース6と銅
合金製ウェッジ5の間、または銅合金製ウェッジ5とダ
ンパバー4の間でアークが発生しても、耐電食性がよい
ので、銅合金製ウェッジ5の溶損などの損傷を防止する
ことができる。
【0018】(実施例2)本発明の第2の実施例である
円筒形回転子を説明する。本実施例の円筒形回転子は、
ウェッジとティースの接触面にアークが発生するのを防
いで、信頼性を向上させようとするものである。
円筒形回転子を説明する。本実施例の円筒形回転子は、
ウェッジとティースの接触面にアークが発生するのを防
いで、信頼性を向上させようとするものである。
【0019】従来の400MVA級以下のタービン発電
機のダンパ構成は、図4に示すように、ダンパバー4と
端絡環8を接続したものを、回転子1の両端に設置する
のが一般的である。図示のようなダンパ構成であると、
回転子1の胴部においては、隣り合うウェッジとの境界
で渦電流はティースに集中して流れる。ティースは鋼で
あるため、ウェッジとティースの接触面にアークが発生
するとティースに局部的な溶損が生じる可能性がある。
機のダンパ構成は、図4に示すように、ダンパバー4と
端絡環8を接続したものを、回転子1の両端に設置する
のが一般的である。図示のようなダンパ構成であると、
回転子1の胴部においては、隣り合うウェッジとの境界
で渦電流はティースに集中して流れる。ティースは鋼で
あるため、ウェッジとティースの接触面にアークが発生
するとティースに局部的な溶損が生じる可能性がある。
【0020】図5に本実施例の円筒形回転子のダンパ構
成を示す。本実施例では、スロット2の全長にわたり、
ダンパバー4がウェッジの下部に設けられており、ダン
パバー4の両端は端絡環8に接続されている。片側端だ
けを端絡環8に接続しているダンパバー4aは、磁極部
7に設けられたダンパバーである。図1に示すように、
磁極部7には界磁巻線3とこれを保持するウェッジが無
いので、磁極部7を流れる渦電流10の回路としては完
全であり、磁極部7には発電機の全長にわたってダンパ
バー4を設ける必要がない。
成を示す。本実施例では、スロット2の全長にわたり、
ダンパバー4がウェッジの下部に設けられており、ダン
パバー4の両端は端絡環8に接続されている。片側端だ
けを端絡環8に接続しているダンパバー4aは、磁極部
7に設けられたダンパバーである。図1に示すように、
磁極部7には界磁巻線3とこれを保持するウェッジが無
いので、磁極部7を流れる渦電流10の回路としては完
全であり、磁極部7には発電機の全長にわたってダンパ
バー4を設ける必要がない。
【0021】本実施例の円筒形回転子1によれば、スロ
ット2の全長にわたり、ダンパバー4がウェッジ15の
下部に設けられているので、隣り合うウェッジ15との
境界で渦電流10がダンパバー4に流れ、ティース6に
集中して流れることはない。したがって、ウェッジ15
とティース6の接触面にアークが発生するのを防止でき
る。
ット2の全長にわたり、ダンパバー4がウェッジ15の
下部に設けられているので、隣り合うウェッジ15との
境界で渦電流10がダンパバー4に流れ、ティース6に
集中して流れることはない。したがって、ウェッジ15
とティース6の接触面にアークが発生するのを防止でき
る。
【0022】また、ダンパバー4を銅または銅合金で形
成すれば、ティース6よりダンパバー4の方が導電率が
高いため、渦電流10は、図6に示したように流れる。
したがって、ウェッジ15の境界で渦電流10はダンパ
バー4に集中して流れるので、ウェッジ15とティース
6の接触面にアークが発生することはない。また、アー
クが発生したとしても、先に述べたように、銅または銅
合金は耐電食性に優れているため、ダンパバー4に局部
的な損傷が生じるのを防止できる。大型機は軸長が長
く、熱膨張および収縮が大きくなるので、ダンパバー4
および端絡環8にクリープ特性のよい銀入銅を使用すれ
ば、いっそう信頼性が高くなる。
成すれば、ティース6よりダンパバー4の方が導電率が
高いため、渦電流10は、図6に示したように流れる。
したがって、ウェッジ15の境界で渦電流10はダンパ
バー4に集中して流れるので、ウェッジ15とティース
6の接触面にアークが発生することはない。また、アー
クが発生したとしても、先に述べたように、銅または銅
合金は耐電食性に優れているため、ダンパバー4に局部
的な損傷が生じるのを防止できる。大型機は軸長が長
く、熱膨張および収縮が大きくなるので、ダンパバー4
および端絡環8にクリープ特性のよい銀入銅を使用すれ
ば、いっそう信頼性が高くなる。
【0023】また、円筒形回転子に、第1の実施例で説
明した銅合金製ウェッジ5を用い、かつ、第2の実施例
で説明したようにスロット2の全長にわたって銅合金製
ウェッジ5の下部にダンパバー4を設ければ、円筒形回
転子1に局部的な溶損が生じるのを抑制することができ
るので、信頼性のより高い回転電機の円筒形回転子を得
ることができる。
明した銅合金製ウェッジ5を用い、かつ、第2の実施例
で説明したようにスロット2の全長にわたって銅合金製
ウェッジ5の下部にダンパバー4を設ければ、円筒形回
転子1に局部的な溶損が生じるのを抑制することができ
るので、信頼性のより高い回転電機の円筒形回転子を得
ることができる。
【0024】また、以上では2極機の円筒形回転子につ
いて説明したが、2極機以外の回転電機の円筒形回転子
についても、本発明を用いることができ、この場合にも
第1の実施例および第2の実施例の効果を得られる。
いて説明したが、2極機以外の回転電機の円筒形回転子
についても、本発明を用いることができ、この場合にも
第1の実施例および第2の実施例の効果を得られる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、銅合金のウェッジは電
導性が良いので、渦電流をウェッジに導くことができる
とともに、耐電食性がよいので、ダンパバーまたはティ
ース等の円筒形回転子の他の部位とウェッジとの間でア
ークが発生しても、ウェッジに溶損などの損傷が生じる
のを抑制することができる。従って、回転電機の円筒形
回転子の信頼性をより高くすることができる。
導性が良いので、渦電流をウェッジに導くことができる
とともに、耐電食性がよいので、ダンパバーまたはティ
ース等の円筒形回転子の他の部位とウェッジとの間でア
ークが発生しても、ウェッジに溶損などの損傷が生じる
のを抑制することができる。従って、回転電機の円筒形
回転子の信頼性をより高くすることができる。
【0026】また、ウェッジの境界で渦電流がダンパバ
ーに流れ、ウェッジとティースの接触面にアークが発生
するのを防止できるので、ウェッジに溶損などの損傷が
生じるのを抑制することができる。従って、回転電機の
円筒形回転子の信頼性をより高くすることができる。
ーに流れ、ウェッジとティースの接触面にアークが発生
するのを防止できるので、ウェッジに溶損などの損傷が
生じるのを抑制することができる。従って、回転電機の
円筒形回転子の信頼性をより高くすることができる。
【図1】本発明の第1の実施例である円筒形回転子の断
面図。
面図。
【図2】第1の実施例である円筒形回転子の概略図
【図3】本実施例の円筒形回転子のウェッジ材の耐電食
性の実験結果を示す図。
性の実験結果を示す図。
【図4】従来の円筒形回転子端部のダンパ構成を示す
図。
図。
【図5】本発明の第2の実施例である円筒形回転子のダ
ンパ構成図。
ンパ構成図。
【図6】第2の実施例の円筒形回転子のウェッジおよび
ダンパバー4における渦電流の流れの模式図。
ダンパバー4における渦電流の流れの模式図。
1…回転子、2…スロット、3…界磁巻線、4…ダンパ
バー、5…銅合金製ウェッジ、6…ティース、7…磁極
部、8…端絡環、9…保持環、10…渦電流、15…ウ
ェッジ。
バー、5…銅合金製ウェッジ、6…ティース、7…磁極
部、8…端絡環、9…保持環、10…渦電流、15…ウ
ェッジ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 身佳 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 森 誉延 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 宮川 家導 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 八木 恭臣 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内
Claims (6)
- 【請求項1】円筒形の回転子鉄心の外周に切られたスロ
ットと、前記スロット内に収納された界磁巻線と、前記
界磁巻線を前記スロット内に保持するウェッジとを備
え、前記スロットに複数の前記ウェッジが収められた回
転電機の円筒形回転子において、前記スロットに収めら
れた前記ウェッジと前記界磁巻線との間に、複数の前記
ウェッジと接触するダンパバーを設け、前記ウェッジが
銅合金であることを特徴とする回転電機の円筒形回転
子。 - 【請求項2】前記ウェッジは、CuCrZr合金,CuCr合
金、またはCuZr合金であることを特徴とする請求項
1の回転電機の円筒形回転子。 - 【請求項3】前記ウェッジは、Crの重量含有量が0.
4%から1.0%の銅合金であることを特徴とする請求
項1の回転電機の円筒形回転子。 - 【請求項4】前記ウェッジは、Zrの重量含有量が0.
01%から0.3%の銅合金であることを特徴とする請
求項1の回転電機の円筒形回転子。 - 【請求項5】円筒形の回転子鉄心の外周に切られたスロ
ットと、前記スロット内に収納された界磁巻線と、前記
界磁巻線を前記スロット内に保持するウェッジとを備
え、前記スロットに複数の前記ウェッジが収められた回
転電機の円筒形回転子において、前記スロットに収めら
れた前記ウェッジと前記界磁巻線との間に、複数の前記
ウェッジと接触するダンパバーを設けたことを特徴とす
る回転電機の円筒形回転子。 - 【請求項6】円筒形の回転子鉄心の外周に切られたスロ
ットと、前記スロット内に収納された界磁巻線と、前記
界磁巻線を前記スロット内に保持するウェッジとを備
え、前記スロットに複数の前記ウェッジが収められた回
転電機の円筒形回転子において、前記スロットに収めら
れた前記ウェッジと前記界磁巻線との間に、複数の前記
ウェッジと接触するダンパバーを設け、前記ダンパバー
は、銅,銅合金、または銀入銅であることを特徴とする
回転電機の円筒形回転子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9254682A JPH1198745A (ja) | 1997-09-19 | 1997-09-19 | 回転電機の円筒形回転子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9254682A JPH1198745A (ja) | 1997-09-19 | 1997-09-19 | 回転電機の円筒形回転子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1198745A true JPH1198745A (ja) | 1999-04-09 |
Family
ID=17268409
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9254682A Pending JPH1198745A (ja) | 1997-09-19 | 1997-09-19 | 回転電機の円筒形回転子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1198745A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017041964A (ja) * | 2015-08-19 | 2017-02-23 | オークマ株式会社 | 電動機の固定子 |
JP6522272B1 (ja) * | 2018-05-17 | 2019-05-29 | 三菱電機株式会社 | 回転電機およびその製造方法 |
WO2019220660A1 (ja) * | 2018-05-17 | 2019-11-21 | 三菱電機株式会社 | 回転電機およびその製造方法 |
-
1997
- 1997-09-19 JP JP9254682A patent/JPH1198745A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017041964A (ja) * | 2015-08-19 | 2017-02-23 | オークマ株式会社 | 電動機の固定子 |
JP6522272B1 (ja) * | 2018-05-17 | 2019-05-29 | 三菱電機株式会社 | 回転電機およびその製造方法 |
WO2019220660A1 (ja) * | 2018-05-17 | 2019-11-21 | 三菱電機株式会社 | 回転電機およびその製造方法 |
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